JPH06283329A - 超電導マグネット - Google Patents

超電導マグネット

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Publication number
JPH06283329A
JPH06283329A JP5070188A JP7018893A JPH06283329A JP H06283329 A JPH06283329 A JP H06283329A JP 5070188 A JP5070188 A JP 5070188A JP 7018893 A JP7018893 A JP 7018893A JP H06283329 A JPH06283329 A JP H06283329A
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JP
Japan
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helium
tank
heat shield
temperature
stage
Prior art date
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Pending
Application number
JP5070188A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuki Moritsu
一樹 森津
Takahiro Matsumoto
隆博 松本
Shuichi Nakagawa
修一 中川
Shuji Ando
収二 安藤
Mitsuhiro Kishida
光弘 岸田
Hideto Yoshimura
秀人 吉村
Masashi Nagao
政志 長尾
Takashi Inaguchi
隆 稲口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP5070188A priority Critical patent/JPH06283329A/ja
Publication of JPH06283329A publication Critical patent/JPH06283329A/ja
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  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、液体ヘリウムの消費量を低減で
きるとともに装置構成を簡易な構成とする超電導マグネ
ットを得ることを目的とする。 【構成】 超電導コイル1を収納するヘリウム槽2と真
空槽5との間に配設された第1および第2熱シールド
6、7には、冷凍機20の第1段および第2段ヒートス
テージ10、11がそれぞれ熱接続されている。この冷
凍機20は磁性蓄冷材を用い第2段ヒートステージ11
の到達温度がヘリウム液化温度を達成するものである。
また、ヘリウム槽2内の圧力を検出する圧力センサ22
が設けられ、第2段ヒートステージ11にはヒータ21
が設けられている。コントローラユニット23は、ヘリ
ウム槽2内の圧力が負圧とならないように、圧力センサ
22の出力によりヒータ21への通電をオン/オフ制御
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷却ステージの到達
温度がヘリウム液化温度を達成する冷凍機を用いた超電
導マグネットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の超電導マグネットの一例を
示す断面図であり、図において1は超電導コイル、2は
この超電導コイル1を収納し、該超電導コイル1を冷却
する液体ヘリウム3を貯液するヘリウム槽、4はヘリウ
ムガス、5はヘリウム槽3を包囲して配設された真空
槽、6、7はそれぞれヘリウム槽3と真空槽5との間に
配設された熱シールドとしての第1および第2熱シール
ド、8はヘリウム槽2、第1および第2熱シールド6、
7を断熱支持する断熱支持材である。
【0003】9は冷凍機であり、この冷凍機9は図示し
ていないが第1段蓄冷材として銅金網を、第2段蓄冷材
として鉛玉を用いたギホードマクマホン(GM)式の2
段式蓄冷型冷凍機を用い、この冷凍機9はその冷却ステ
ージとしての第1段および第2段ヒートステージ10、
11が熱接続部15を介してそれぞれ第1および第2熱
シールド6、7に熱接続されて取り付けられている。1
2は冷凍機9の圧縮機、13は高圧ホース、14は低圧
ホースである。
【0004】つぎに、この従来の超電導マグネットの動
作について説明する。圧縮機12を駆動させると、高圧
のヘリウムガスが高圧ホース13を介して冷凍機9に導
入される。冷凍機9では、各段のディスプレーサ(図示
せず)が往復移動して運転されており、高圧のヘリウム
ガスが低圧部に膨張して冷凍を発生させる。この時、ヘ
リウムガスが低温低圧ガスとなり、各段の蓄冷材を冷却
しながら、低圧ホース14を介して圧縮機12に戻る。
ここで、冷凍機9は第1段蓄冷材として銅金網を、第2
段蓄冷材として鉛玉を用いたGM式蓄冷型冷凍機である
ので、第1段および第2段ヒートステージ10、11の
到達温度はそれぞれ80K(ケルビン)および20Kが
達成されている。
【0005】ここで、真空槽5の内部は真空排気されて
おり、また第1および第2熱シールド6、7は冷凍機9
によりそれぞれ80Kおよび20Kに冷却されている。
そこで、外部から侵入する熱は真空断熱され、さらに第
1および第2熱シールド6、7により輻射による熱侵入
が低減される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の超電導マグネッ
トは以上のように構成されているので、冷凍機9の冷凍
性能が十分でなく、第2熱シールド7は20K程度にし
か冷却されず、ヘリウム槽2は液体ヘリウム3の液化温
度以下に冷却されない。その結果、ヘリウム槽2内では
ほぼ0.1リットル/時間の割合で液体ヘリウム3が蒸
発してしまい、高価な液体ヘリウム3の消費量が多くな
るという課題があった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、液体ヘリウムの消費量を低減で
きるとともに装置構成を簡易な構成とする超電導マグネ
ットを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る超電導マグネットは、超電導コイルと、この超電導
コイルを収納し、この超電導コイルを冷却する液体ヘリ
ウムを貯液するヘリウム槽と、このヘリウム槽を包囲し
て配設された真空槽と、ヘリウム槽と真空槽との間に配
設された熱シールドと、冷却ステージの到達温度がヘリ
ウム液化温度を達成する冷凍機とを備え、冷凍機の冷却
ステージにより熱シールドをヘリウム液化温度に冷却す
るようにしたものである。
【0009】また、この発明の第2の発明に係る超電導
マグネットは、超電導コイルと、この超電導コイルを収
納し、この超電導コイルを冷却する液体ヘリウムを貯液
するヘリウム槽と、このヘリウム槽を包囲して配設され
た真空槽と、ヘリウム槽と真空槽との間に配設された熱
シールドと、熱シールドに熱接続され、冷却ステージの
到達温度がヘリウム液化温度を達成する冷凍機と、ヘリ
ウム槽内の圧力を検出する圧力検出手段と、真空槽、ヘ
リウム槽、熱シールドおよび冷却ステージの少なくとも
一つに取り付けられた加熱手段と、ヘリウム槽内の圧力
が負圧とならないように圧力検出手段の出力により加熱
手段を制御する制御手段とを備えたものである。
【0010】また、この発明の第3の発明に係る超電導
マグネットは、超電導コイルと、この超電導コイルを収
納し、この超電導コイルを冷却する液体ヘリウムを貯液
するヘリウム槽と、このヘリウム槽を包囲して配設され
た真空槽と、ヘリウム槽と真空槽との間に配設された熱
シールドと、熱シールドに熱接続され、冷却ステージの
到達温度がヘリウム液化温度を達成する冷凍機と、熱シ
ールドに取り付けられた温度検出手段と、真空槽、ヘリ
ウム槽、熱シールドおよび冷却ステージの少なくとも一
つに取り付けられた加熱手段と、熱シールドの温度が4
K以下とならないように温度検出手段の出力により加熱
手段を制御する制御手段とを備えたものである。
【0011】
【作用】この発明の第1の発明においては、冷却ステー
ジの到達温度がヘリウム液化温度を達成する冷凍機を用
い、冷凍機の冷却ステージにより熱シールドをヘリウム
液化温度に冷却しているので、熱シールドに包囲された
ヘリウム槽の温度がヘリウム液化温度に維持されて、液
体ヘリウムの蒸発量が抑えられる。
【0012】また、この発明の第2の発明においては、
上記第1の発明の超電導マグネットに、ヘリウム槽内の
圧力を検出する圧力検出手段と、真空槽、ヘリウム槽、
熱シールドおよび冷却ステージの少なくとも一つに取り
付けられた加熱手段と、ヘリウム槽内の圧力が負圧とな
らないように圧力検出手段の出力により加熱手段を制御
する制御手段とを設けている。冷凍機により過冷却状態
となった場合には、ヘリウム槽内のヘリウムガスが凝縮
液化されてヘリウム槽内の圧力が大気圧に対して負圧と
なる。そこで、ヘリウム槽内の負圧状態が圧力検出手段
により検出されると、制御手段により加熱手段が作動さ
れ、加熱手段が取り付けられた真空槽、ヘリウム槽、熱
シールドあるいは冷却ステージの被冷却物が加熱され
る。そして、該被冷却物の温度上昇によりヘリウム槽の
温度が上昇し、液体ヘリウムの蒸発が促され、ヘリウム
槽内の負圧状態が解除される。
【0013】また、この発明の第3の発明においては、
上記第1の発明の超電導マグネットに、熱シールドに取
り付けられた温度検出手段と、真空槽、ヘリウム槽、熱
シールドおよび冷却ステージの少なくとも一つに取り付
けられた加熱手段と、熱シールドの温度が4K以下とな
らないように温度検出手段の出力により加熱手段を制御
する制御手段とを設けている。冷凍機により冷却されて
熱シールドの温度が4K以下となった場合には、ヘリウ
ム槽内のヘリウムガスが凝縮液化されてヘリウム槽内の
圧力が大気圧に対して負圧となる。そこで、熱シールド
が4K以下となったことが温度検出手段により検出され
ると、制御手段により加熱手段が作動され、加熱手段が
取り付けられた真空槽、ヘリウム槽、熱シールドあるい
は冷却ステージの被冷却物が加熱される。そして、該被
冷却物の温度が上昇し、熱シールドの温度が上昇する。
その結果、ヘリウム槽の温度が上昇して、ヘリウム槽内
の液体ヘリウムの蒸発が促され、ヘリウム槽内の負圧状
態が解除される。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.この実施例1は、この発明の第1および第2
の発明に係る一実施例である。図1はこの発明の実施例
1を示す超電導マグネットの断面図であり、図において
図5に示した従来の超電導マグネットと同一または相当
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0015】図において、20は冷凍機であり、この冷
凍機20は図示していないが第1段蓄冷材として鉛玉
を、第2段蓄冷材として磁性蓄冷材、例えばGdRhと
Gd0. 5Er0.5Rhとの混合材(GdRhの重量比を4
5〜65%)を用いたGM式2段式蓄冷型冷凍機であ
り、その第1段ヒートステージ10および第2段ヒート
ステージ11が熱接続部15を介して第1および第2熱
シールド6、7に熱接続されている。21は冷凍機20
の第2段ヒートステージ11に取り付けられた加熱手段
としてのヒータ、22はヘリウム槽2に臨んで設けられ
たサービスポート16に接続されてサービスポート16
内の圧力を検出する圧力検出手段としての差圧式の圧力
せンサ、23は圧力センサ22の出力に基づいてヒータ
21への通電をオン/オフ制御する制御手段としてのコ
ントローラユニットである。
【0016】つぎに、この実施例1の動作について説明
する。まず、冷凍機20を駆動させると、従来の冷凍機
9と同様に動作して、第1段および第2段ヒートステー
ジ10、11の到達温度はそれぞれ約40Kおよび約4
Kが達成され、さらにシリンダの内壁面の表面粗さを改
善すれば3.68Kの到達温度が達成される。そして、
第1段および第2段ヒートステージ10、11に熱接続
された第1および第2熱シールド6、7がそれぞれ約4
0Kおよび4K以下に冷却され、輻射による熱侵入が抑
えられる。そこで、第2熱シールド7に包囲されている
ヘリウム槽2の温度も4K以下に維持されて、液体ヘリ
ウム3の蒸発が阻止される。
【0017】ここで、ヘリウム槽2がヘリウム液化温度
以下に過冷却されると、ヘリウム槽2内のヘリウムガス
4が凝縮液化され、ヘリウム槽2内の圧力が大気圧に対
して負圧となり、ヘリウム槽2の容積が変動する。その
結果、装置の配管等の弁、シール部からの空気の侵入や
超電導コイル1の発生する磁場の強さの変動をもたらす
ことになる。この超電導マグネットが、例えば磁気共鳴
画像診断装置に用いられる中空円筒マグネットであれ
ば、ヘリウム槽2の直径が縮小し、そのヘリウム槽を巻
枠とする超電導コイル1のコイル径が小さくなり、磁場
の強さが弱くなり、画像を読み取りにくくなってしま
う。
【0018】そこで、ヘリウム槽2内の圧力が負圧とな
ると、差圧式の圧力センサ22によりサービスポート1
6内の圧力が大気圧に対して負圧となったことが検出さ
れる。この圧力センサ22の検出信号にもとづいてコン
トローラユニット23はヒータ21に通電を開始する。
そして、第2段ヒートステージ11の温度が上昇し、第
2熱シールド7の温度が上昇する。その結果、ヘリウム
槽2の温度が上昇し、液体ヘリウム3の蒸発が起こり、
ヘリウム槽2内の圧力が上昇する。そして、ヘリウム槽
2内の負圧が解消されたことを、圧力センサ22により
検出されると、コントローラユニット23はヒータ21
への通電を停止する。
【0019】このように、この実施例1によれば、第2
段ヒートステージ11の到達温度がヘリウム液化温度を
達成する冷凍機20を用い、その第2段ヒートステージ
11で第2熱シールド7を冷却しているので、ヘリウム
槽2の温度をヘリウム液化温度以下に冷却でき、液体ヘ
リウム3の蒸発を阻止して、高価な液体ヘリウム3の消
費量を低減することができるとともに、ヘリウム槽2を
直接冷却する必要がなく、装置構造が簡単となる。
【0020】また、ヘリウム槽2内の圧力を検出する圧
力センサ22と、第2段ヒートステージ11を加熱する
ヒータ21と、圧力センサ22の出力にもとづいてヒー
タ21への通電を制御するコントローラユニット23と
を設けているので、ヘリウム槽2内の圧力を大気圧に対
して負圧とならないように制御することができ、ヘリウ
ム槽2の容積の変動を抑えて、弁やシール部からのヘリ
ウム槽2内への空気の侵入や超電導コイル1の発生する
磁場の変動等の不具合を防止することができる。
【0021】実施例2.この実施例2は、この発明の第
1および第2の発明に係る他の実施例である。図2はこ
の発明の実施例2を示す超電導マグネットの断面図であ
り、図において24はその第1段および第2段ステージ
をそれぞれ第1および第2熱シールド6、7に熱接続し
て気密的に真空槽5に取り付けられた2段式の冷凍機取
付シリンダであり、冷凍機20がその第1段および第2
段ヒートステージ11、12をそれぞれ第1段よび第2
段ステージに熱接続するように冷凍機取付シリンダ24
内に挿入されている。なお、他の構成は、上記実施例1
と同様の構成である。
【0022】このように構成された実施例2によれば、
上記実施例1と同様の効果を奏するとともに、真空槽5
内の真空状態を阻害することなく冷凍機20の取り外し
が可能となり、冷凍機20のメンテナンスが簡便に行え
る。
【0023】実施例3.この実施例3は、この発明の第
1および第2の発明に係る他の実施例である。図3はこ
の発明の実施例3を示す超電導マグネットの断面図であ
り、図において25は第2熱シールド7とヘリウム槽2
との間に配設された第3熱シールド、26は冷凍機で、
この冷凍機26は第1段蓄冷材として銅金網を、第2段
蓄冷材として鉛玉を、第3段蓄冷材としてGdRhとG
0.5Er0.5Rhとをそれぞれ用いたGM式3段式蓄冷
型冷凍機であり、その第1段、第2段および第3段ヒー
トステージ10、11、27を熱接続部15を介して第
1、第2および第3熱シールド6、7、25に熱接続さ
れて取付られている。なお、他の構成は上記実施例1と
同様の構成である。
【0024】この実施例3による冷凍機26は第3段蓄
冷材としてGdRhとGd0.5Er0 .5Rhとからなる磁
性蓄冷材を用いており、第1段、第2段および第3段ヒ
ートステージ10、11、27の到達温度はそれぞれ5
0〜80K、10〜20Kおよび2〜4.5Kが達成さ
れている。そこで、第3熱シールド25をヘリウム液化
温度以下に冷却することができ、上記実施例1と同様の
効果を奏する。
【0025】実施例4.この実施例4は、この発明の第
1および第3の発明に係る一実施例である。図4はこの
発明の実施例4を示す超電導マグネットの断面図であ
り、図において28はその第1段、第2段および第3段
ステージをそれぞれ第1、第2および第3熱シールド
6、7、25に熱接続して気密的に真空槽5に取り付け
られた3段式の冷凍機取付シリンダであり、冷凍機26
がその第1段、第2段および第3段ヒートステージ1
1、12、27をそれぞれ第1段、第2段および第3段
ステージに熱接続するように冷凍機取付シリンダ28内
に挿入されている。29は第3熱シールド29に取り付
けられた温度検出手段としての温度センサ、30は温度
センサ29の出力により第3段ヒートステージ27に取
り付けられたヒータ21への通電をオン/オフ制御する
制御手段としてのコントローラユニットである。なお、
他の構成は上記実施例3と同様の構成である。
【0026】この実施例4では、冷凍機26の第1段、
第2段および第3段ヒートステージ10、11、27の
到達温度は50〜80K、10〜20Kおよび2〜4.
5Kが達成されており、上記実施例3と同様に第3熱シ
ールド25をヘリウム液化温度以下に冷却でき、液体ヘ
リウム3の蒸発が抑えられる。
【0027】ここで、第3熱シールド25の温度が4K
以下となると、温度センサ29により第3熱シールド2
5の温度が4K以下となったことが検出される。この温
度センサ29の検出信号にもとづいてコントローラユニ
ット30はヒータ21に通電を開始する。そして、第3
段ヒートステージ27の温度が上昇し、第3熱シールド
25の温度が上昇する。その結果、ヘリウム槽2の温度
が上昇し、液体ヘリウム3の蒸発が起こり、ヘリウム槽
2内の圧力が上昇する。そして、第3熱シールド25の
温度が4Kを越えるとコントローラユニット30により
ヒータ21への通電が停止される。その結果、ヘリウム
槽2内の圧力は大気圧に対して負圧とならないように制
御される。
【0028】このように、この実施例4によれば、第3
段ヒートステージ27の到達温度がヘリウム液化温度を
達成する冷凍機26を用い、その第3段ヒートステージ
27で第3熱シールド25を冷却しているので、ヘリウ
ム槽2の温度をヘリウム液化温度以下に冷却でき、液体
ヘリウム3の蒸発を阻止して、高価な液体ヘリウム3の
消費量を低減することができるとともに、ヘリウム槽2
を直接冷却する必要がなく、装置構造が簡単となる。
【0029】また、第3熱シールド25の温度を検出す
る温度センサ29と、第3段ヒートステージ27を加熱
するヒータ21と、温度センサ29の出力にもとづいて
ヒータ21への通電を制御するコントローラユニット3
0とを設けているので、第3熱シールド25の温度を4
K以下にならないように制御でき、即ちヘリウム槽2内
の圧力を大気圧に対して負圧とならないように制御する
ことができ、ヘリウム槽2の容積の変動を抑えて、弁や
シール部からのヘリウム槽2内への空気の侵入や超電導
コイル1の発生する磁場の変動等の不具合を防止するこ
とができる。
【0030】ここで、上記実施例4では、冷凍機取付シ
リンダ28およびGM式3段式蓄冷型冷凍機である冷凍
機26を用いているが、冷凍機はGM式2段式蓄冷型冷
凍機である冷凍機20を用いてもよく、また冷凍機を熱
シールドに直接熱接続してもよい。
【0031】なお、上記各実施例では、冷凍機としてG
M式蓄冷型冷凍機を用いるものとして説明しているが、
冷却ステージの到達温度がヘリウム液化温度を達成する
ものであればよい。
【0032】また、上記各実施例では、冷凍機の蓄冷材
としてGdRhとGd0.5Er0.5Rhとからなる磁性蓄
冷材を用いるものとしているが、磁性蓄冷材はこれに限
定されるものではなく、例えばEr3Ni、Er0.9Yb
0.1Ni、Er0.5Dy0.5Ni、DyNi2、Ho1.5
1.5Ru等を用いることができる。
【0033】また、上記各実施例では、圧力センサ22
もしくは温度センサ29の検出出力に応じてヒータ21
への通電をオン/オフ制御するものとしているが、圧力
センサ22もしくは温度センサ29の検出出力に応じて
ヒータ21への通電量を増減制御するものとしても、同
様の効果を奏する。
【0034】また、上記各実施例では、ヒータ21を冷
却ステージ11、27に取り付けるものとしているが、
ヒータ21は冷却ステージ11、27に限らず、真空槽
5、第1および第2熱シールド6、7、あるいはヘリウ
ム槽2のいずれかに取り付けてもよい。
【0035】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0036】この発明の第1の発明に係る超電導マグネ
ットは、超電導コイルと、この超電導コイルを収納し、
この超電導コイルを冷却する液体ヘリウムを貯液するヘ
リウム槽と、このヘリウム槽を包囲して配設された真空
槽と、ヘリウム槽と真空槽との間に配設された熱シール
ドと、冷却ステージの到達温度がヘリウム液化温度を達
成する冷凍機とを備え、冷凍機の冷却ステージにより熱
シールドをヘリウム液化温度に冷却するようにしている
ので、熱シールドに内包されているヘリウム槽がヘリウ
ム液化温度に冷却されて、液体ヘリウムの蒸発が阻止さ
れ、高価な液体ヘリウムの消費量を大幅に低減すること
ができる。
【0037】また、この発明の第2の発明に係る超電導
マグネットは、超電導コイルと、この超電導コイルを収
納し、この超電導コイルを冷却する液体ヘリウムを貯液
するヘリウム槽と、このヘリウム槽を包囲して配設され
た真空槽と、ヘリウム槽と真空槽との間に配設された熱
シールドと、熱シールドに熱接続され、冷却ステージの
到達温度がヘリウム液化温度を達成する冷凍機と、ヘリ
ウム槽内の圧力を検出する圧力検出手段と、真空槽、ヘ
リウム槽、熱シールドおよび冷却ステージの少なくとも
一つに取り付けられた加熱手段と、ヘリウム槽内の圧力
が負圧とならないように圧力検出手段の出力により加熱
手段を制御する制御手段とを備えているので、上記第1
の発明と同様の効果を奏するとともに、ヘリウム槽内の
圧力が負圧とならないように制御され、ヘリウム槽の容
積の縮小にともなう空気の侵入や超電導コイルの発生す
る磁場の強さの変動が抑えられる。
【0038】また、この発明の第3の発明に係る超電導
マグネットは、超電導コイルと、この超電導コイルを収
納し、この超電導コイルを冷却する液体ヘリウムを貯液
するヘリウム槽と、このヘリウム槽を包囲して配設され
た真空槽と、ヘリウム槽と真空槽との間に配設された熱
シールドと、熱シールドに熱接続され、冷却ステージの
到達温度がヘリウム液化温度を達成する冷凍機と、熱シ
ールドに取り付けられた温度検出手段と、真空槽、ヘリ
ウム槽、熱シールドおよび冷却ステージの少なくとも一
つに取り付けられた加熱手段と、熱シールドの温度が4
K以下とならないように温度検出手段の出力により加熱
手段を制御する制御手段とを備えているので、ヘリウム
槽内の圧力が負圧とならないように制御され、上記第2
の発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す超電導マグネットの
断面図である。
【図2】この発明の実施例2を示す超電導マグネットの
断面図である。
【図3】この発明の実施例3を示す超電導マグネットの
断面図である。
【図4】この発明の実施例4を示す超電導マグネットの
断面図である。
【図5】従来の超電導マグネットの一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】 1 超電導コイル 2 ヘリウム槽 3 液体ヘリウム 5 真空槽 6 第1熱シールド(熱シールド) 7 第2熱シールド(熱シールド) 10 第1段ヒートステージ(冷却ステージ) 11 第2段ヒートステージ(冷却ステージ) 20 冷凍機 21 ヒータ(加熱手段) 22 圧力センサ(圧力検出手段) 23 コントローラユニット(制御手段) 25 第3熱シールド(熱シールド) 26 冷凍機 27 第3段ヒートステージ(冷却ステージ) 29 温度センサ(温度検出手段) 30 コントローラユニット(制御手段)
フロントページの続き (72)発明者 安藤 収二 赤穂市天和651番地 三菱電機株式会社赤 穂製作所内 (72)発明者 岸田 光弘 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 吉村 秀人 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 長尾 政志 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 稲口 隆 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイルと、この超電導コイルを収
    納し、この超電導コイルを冷却する液体ヘリウムを貯液
    するヘリウム槽と、このヘリウム槽を包囲して配設され
    た真空槽と、前記ヘリウム槽と前記真空槽との間に配設
    された熱シールドと、冷却ステージの到達温度がヘリウ
    ム液化温度を達成する冷凍機とを備え、前記冷凍機の前
    記冷却ステージにより前記熱シールドをヘリウム液化温
    度に冷却するようにしたことを特徴とする超電導マグネ
    ット。
  2. 【請求項2】 超電導コイルと、この超電導コイルを収
    納し、この超電導コイルを冷却する液体ヘリウムを貯液
    するヘリウム槽と、このヘリウム槽を包囲して配設され
    た真空槽と、前記ヘリウム槽と前記真空槽との間に配設
    された熱シールドと、前記熱シールドに熱接続され、冷
    却ステージの到達温度がヘリウム液化温度を達成する冷
    凍機と、前記ヘリウム槽内の圧力を検出する圧力検出手
    段と、前記真空槽、前記ヘリウム槽、前記熱シールドお
    よび前記冷却ステージの少なくとも一つに取り付けられ
    た加熱手段と、前記ヘリウム槽内の圧力が負圧とならな
    いように前記圧力検出手段の出力により前記加熱手段を
    制御する制御手段とを備えたことを特徴とする超電導マ
    グネット。
  3. 【請求項3】 超電導コイルと、この超電導コイルを収
    納し、この超電導コイルを冷却する液体ヘリウムを貯液
    するヘリウム槽と、このヘリウム槽を包囲して配設され
    た真空槽と、前記ヘリウム槽と前記真空槽との間に配設
    された熱シールドと、前記熱シールドに熱接続され、冷
    却ステージの到達温度がヘリウム液化温度を達成する冷
    凍機と、前記熱シールドに取り付けられた温度検出手段
    と、前記真空槽、前記ヘリウム槽、前記熱シールドおよ
    び前記冷却ステージの少なくとも一つに取り付けられた
    加熱手段と、前記熱シールドの温度が4K以下とならな
    いように前記温度検出手段の出力により前記加熱手段を
    制御する制御手段とを備えたことを特徴とする超電導マ
    グネット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008041966A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Toshiba Corp 超電導マグネット
JP2015521273A (ja) * 2012-06-01 2015-07-27 シーメンス ピーエルシー 超電導磁石を冷却するための閉鎖型の寒剤冷却システムおよび方法
CN106019004A (zh) * 2015-06-10 2016-10-12 北京斯派克科技发展有限公司 一种超导磁体监控仪

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