JPH062830B2 - 高接着性複合ポリエステル成形物の製造方法 - Google Patents

高接着性複合ポリエステル成形物の製造方法

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JPH062830B2
JPH062830B2 JP58065879A JP6587983A JPH062830B2 JP H062830 B2 JPH062830 B2 JP H062830B2 JP 58065879 A JP58065879 A JP 58065879A JP 6587983 A JP6587983 A JP 6587983A JP H062830 B2 JPH062830 B2 JP H062830B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、接着性の良い複合ポリエステル成形物を製造
する方法に関し、詳細には成形物を移送させつつ該成形
物表面の原子組成をコロナ放電処理によって変化させる
技術において、その変化量を適正に調節することによっ
て上記接着性の優れたポリエステル成形物を得ようとす
るものである。
プラスチック成形物のコロナ放電による表面改質は、一
般にプラスチックフィルムの表面処理技術として知ら
れ、表面の活性化による接着性の向上等の実質的な効果
が得られていた。しかしその結果は完全に満足できるも
のではない。
本発明者等は時にポリエステル成形物に着目し、例えば
ポリエステルフィルムをコロナ放電処理に対して表面改
質(特に接着性の向上)を図るに当り、実生産レベルに
おいて十分満足し得る処理効率が得られる様な方法を確
立しようと考えた。
プラスチック成形品のコロナ放電処理法としては、例え
ば特公昭48−17747号にみられる如く、放電部に
有機溶剤を供給することによって放電面の化学変化を促
進させる技術があるが、残留溶剤が問題となる様な用途
が考えられる成形物への適用は困難である。又Journal
of Applied Polymer Science,Vol.15,P.1365〜1375(19
71)には不活性ガス雰囲気下でコロナ放電処理を行なう
技術が記載されており、処理雰囲気の違いによる活性化
又は劣化等の影響が示唆されている。そこでこれを基
に、大気雰囲気を例えば低酸素雰囲気に置き換えて処理
を行なう技術も提案される様になってきた。しかしこれ
まで提案されてきた具体化技術では、以下述べる様に種
々の欠点が指摘される。
例えば特開昭55−50034に開示された方法は、プ
ラスチックフィルムの巻き戻し様リールと巻き取り様リ
ール、並びにこれらの間に設けたコロナ放電処理装置を
含めたフィルム走行空間全体を覆うチャンバーを一つの
閉空間と見て、該チャンバーの雰囲気全体を制御しよう
というものである。そのため大量の不活性ガスを必要と
し且つ該チャンバーそのものを密閉構造とするための特
殊なシールド機構が必要で装置まわりが複雑になりこれ
らの要因によってコスト高になるという問題がある。従
って現実の問題としては、十分な不活性雰囲気が保障さ
れる訳ではなくフィルム最表面のガス組成を自在にコン
トロールし得るまでには至っていない。
また特開昭57−23634には、コロナ放電雰囲気を
覆う様なフード(以下第1フード)を設けて局部的な雰
囲気制御を行うこと、並びに該第1フードの前面に別の
フード(以下第2フード)を設け、第2フードにおいて
走行フィルムに不活性ガスを吹き付けることを要点とす
る制御方法が開示されている。しかしながらこの技術で
は、例えば実施例2において『パイプの真下からフィル
ム入口側に向けて45°の箇所に設けたスリットからC
をフード(注:第2フード)内に供給する』構成が
推奨されている。この説明からは、不活性ガスはあくま
でも第2フード内への供給が意図されているものである
こと、スリットから吹き出されたガスは第2フードの内
壁面に当たって拡散的に第2フード内に充満されフィル
ム表面を覆うものであること、などが明らかであり、し
かも同公報には、不活性ガスの吹き出しは放電電極に直
接当たらない様にするのが良いこと、第1フード内のガ
ス雰囲気がいったん不活性ガスに置き換えられた後は不
活性ガスの供給を中止しても良いこと、などが記載され
ており、第2フードは第1フードの補助的役割が期待さ
れているに過ぎないものであることが明らかである。従
って前記チャンバー内の前雰囲気を不活性ガスで置換し
ようという技術に比べれば現実的な方法となっている
が、飽くまでもフード内の雰囲気全体を制御するという
観点から検討されているに留まり、コロナ放電にとって
最も重要な成形物最表面にスポットを当てて検討すると
いう思想は全くない。
なお特開昭56−49737には、コロナ放電雰囲気内
に外気が侵入するのを防止するためにフード内に乾燥ガ
スを吹きつける技術が開始されている。しかしこの技術
では、フード内の湿潤ガスを吸引排除すると共に乾燥ガ
スを導入して、言わばガス置換を行うことが意図されて
いるに留まり、やはり成形物最表面にスポットを当てる
という思想は全くない。
この様に従来の改善処理法で十分な成果を挙げることが
できない理由は次の様に考えることができる。即ちコロ
ナ放電の成果が現れるのは成形物最表面であり、従って
成形物最表面におけるガス成形こそが重要であるにも拘
らず、従来の改善法では単に処理系内やチャンバー内の
全体的なガス雰囲気の制御で十分であるとしか認識して
おらず、また走行して搬入される成形物表層部の随伴流
(外気)による障害、即ちチャンバー内の全体的なガス
雰囲気と成形物最表面を覆っているガス組成の違いが考
慮されていない為と思われる。
バッチ式の静止状態で処理を行なうのであれば、前述の
様な障害は問題とならないが、それでは工業生産性が著
しく低下して市場価格が高騰するので、結局のところ限
られた用途にしか実用化することができない。一方前述
の様な連続生産方式において希望するような処理効果を
得ようとすれば、処理速度は相当に低いものとせざるを
得なくなるが、それでは成形物被処理物表面が損傷され
て外観不良、接着性不良、ブロッキングの最大等の問題
が派生してくる。尚従前の大気雰囲気下でのコロナ放電
処理では、成形物の表面が酸化を受けて表面に酸化劣化
物層が形成されるので、コロナ放電処理の程度を高めて
も接着性を一定レベル以上に向上させることはできな
い。
本発明者等はこの様な事情をかねてより憂慮し、種々研
究を重ねてきた。その結果窒素ガス、または窒素ガスを
主体とし酸素含有量を20容量%以下とした窒素含有複
合組成ガスを放電側電極の底面から、被処理物の処理面
に連続して吹付けた場合は、成形物表面の酸素ガス量は
極めて微量となり、主として窒素ガスの影響を直接受け
た処理効果が得られることを知り本発明の完成に至った
ものである。窒素ガスまたは酸素含有量20容量%以下
の窒素含有複合組成ガス気体を吹付けた場合に、コロナ
放電面が主として窒素ガスによる影響を強く受ける様に
なる理由については、これを十分に解明し得ていない
が、一応次の様に考えることができる。即ちコロナ放電
部に移送されてくる成形物の表面には、該表面特性や移
送速度によって異なるが相当量の空気が随伴されてお
り、その組成は、一般に酸素:21重量%、窒素:78
容量%である。一方成形物表面の随伴空気組成は、前述
の如き通常の手段、例えばチャンバー内の雰囲気調整等
によっては簡単に変更されないが、本発明による前記吹
付手段を採用した場合には、吹付気体が随伴空気層の一
部又は全部を放逐して置換するので随伴空気層の組成が
変化することになる。この変化は酸素21容量%の空気
が酸素20容量%以下の吹付ガスによって置換されるこ
とによるものであるから、相対的に酸素濃度が低下し、
主成分として存在する窒素ガスの影響が逆に増大するこ
とにより、従来の大気雰囲気下におけるコロナ放電処理
では得られない効果が発揮される。尚上記考察で述べた
様に、窒素ガスまたは酸素含有量が20容量%以下の窒
素含有複合組成ガスを放電側電極の底面から、成形物の
処理面に連続して吹付ける点にポイントが存在するもの
であるから、酸素及び窒素以外の気体成分としては、ア
ルゴンガス、ヘリウムガス、炭酸ガス等の如何を問わ
ず、いずれの場合も、窒素ガスによる影響が大きく現わ
れてくることになる。
以上述べた様なコロナ放電処理技術の改良成果を踏まえ
てポリエステル成形物への適用を試みたところ、ブロッ
キング性や滑り等の面において不都合な点を生じず、接
着性が顕著に改善され、又高温・高湿下でも接着性が低
下しないということを確認し、本発明を完成するに至っ
た。
即ち本発明の要旨は次の点に存在する。
80モル%以上がテレフタル酸で構成される二塩基酸残
基とグリコール残基とから構成されるポリエステル
(A)と、ブロック共重合ポリエステル(B)との混合
物から成形される成形物を、少なくとも1対の電極を対
向させてなるコロナ放電処理装置へ連続的に移送してコ
ロナ放電処理を行なうように当り、窒素ガス、または窒
素ガスを主体とし酸素含有量が20容量%以下である窒
素含有複合組成ガスを、該成形物のコロナ放電処理面に
吹き付けることとし、該吹き付けに際しては、放電側電
極における前記成形物との対向面側から放電発生方向に
沿って、前記ガスを、前記成形物の移送速度の10%以上
の吹付け速度で連続的に吹付けることにより、前記成形
物の移送表面に随伴してコロナ放電処理装置内に搬入さ
れてくる随伴空気層を破壊分散して前記吹き付けガスを
置換すると共に、該成形物表面の最外面から100Å以
内の薄層部分における酸素指数及び窒素指数がコロナ放
電処理前からコロナ放電処理後へ変化する各変化量をΔ
酸素指数及びΔ窒素指数としたときの両者の比[Δ酸素
指数/Δ窒素指数]を0.2乃至-3.5とし、且つ前記薄層
部分におけるコロナ放電処理後の窒素指数を3以上とす
ることを特徴とする高接着性複合ポリエステル成形物の
製造方法である。
(但し酸素指数及び窒素指数は次の方法によって求め
る。即ちESCAスペクトロメーターES−200型
(国際電気株式会社製)を用い、成形品表面の炭素の1
s軌道スペクトルから求めた積分強度と、酸素の1s軌
道スペクトルから有機性窒素の結合エネルギーに対応す
るピークより求めた積分強度との比を算出し、その積分
比に基づいて炭素数100個当りの酸素数を求め、この
値を酸素指数と定義する。又窒素指数についても同様の
方法によって炭素数100個当りの窒素数を求め、これ
を窒素指数と定義する。) 本発明の対象となる複合ポリエステルのうち一方のポリ
エステル成分(A)は、二塩基酸(ただし該二塩基酸の
うち80モル%以上がテレフタル酸である)残基とグリ
コール残基とから構成されたポリエステルである。この
二塩基酸残基は主としてテレフタル酸残基であるが、2
0モル%以下の他の二塩基酸残基としてはイソフタル
酸、フタル酸、アジピン酸、セバチン酸、コハク酸、シ
ュウ酸等の残基があり、又p−ヒドロキシ安息香酸等の
オキシ酸の残基も使用することができる。また、グリコ
ール残基とは、通常のアルキレングリコール残基であっ
て、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等
の残基を例示することができるが、特に実用的にはエチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノールの残基を使用する。特に実相的な重
合体はポリエチレンテレフタレートまたはポリテトラメ
チレンテレフタレートである。
これに対し他方のブロック共重合ポリエステル(B)
は、高融点結晶性ポリエステルセグメント(C)と分子
量400〜10000の低融点軟重合体セグメント(D)からな
る共重合体であり、かつ高融点結晶性ポリエステルセグ
メント構成成分だけで高重合体を形成した場合の融点が
170℃以上であり、低融点軟重合体セグメント構成成
分だけで測定した場合の融点ないし軟化点が100℃以
下である構成単位からなる重合体をいう。
上記ブロック共重合ポリエステル中の高融点結晶性ポリ
エステルセグメント構成成分は、その構成成分だけで繊
維形成能を示す高重合体としたときに融点が170℃以
上のものであるが、例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカ
ルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の残基と、エチレング
リコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ペンタメチレングリコール、2,2-ジメチルトリ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、p−
キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等
の脂肪族、芳香族、あるいは脂環族ジオールの残基とか
らなるポリエステル、あるいはp−(β−ヒドキシエト
キシ)安息香酸、p−オキシ安息香酸等のオキシ酸の残
基を上記ポリエステル上に共重合成分として含有する共
重合ポリエステルの他、1,2-ビス(4,4−ジカルボキシ
メチルフェノキシ)エタン、ジ(4-カルボキシフェノキ
シ)エタン等の芳香族エーテルジカルボン酸の残基と上
記と同様のジオールの残基とからなるポリエーテルエス
テル、ビス(N-パラカルボエトキシフェニル)テレフタ
ルイミド等の芳香族アミドジカルボン酸の残基と上記と
同様のジオールの残基とからなるポリアミドエステルな
どを示すことができる。
一方低融点軟重合体セグメント構成成分としては、ポリ
エチレンオキサイドグリコール、ポリプロピレンオキサ
イドグリコール、ポリテトラメチレンオキシサイドグリ
コール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの
共重合グリコール、エチレンオキサイドとテトラヒドロ
フランとの共重合グリコールなどのポリエーテル、ポリ
ネオペンチルアゼレート、ポリネオペンチルアジペー
ト、ポリネオペンチルセバケートの如き脂肪族ポリエス
テル、ポリ−ε−カプロクラトン、ポリピバロラクトン
などのポリラトンを示すことができる。
これらのブロック共重合ポリエステルは通常の縮合重合
法によって製造することが出来る。
本発明で用いるブロック共重合ポリエステルの具体例と
しては、、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレン
オキサイドブロック共重合体、ポリテトラメチレンテレ
フタレート−ポリエチレンオキサイドブロック共重合
体、ポリシクロヘキサンテレフタレート−ポリエチレン
オキサイドブロック共重合体、ポリシクロヘキサンテレ
フタレート−ポリテトラメチレンテレフタレートブロッ
ク共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリテトラ
メチレンオキサイドブロック共重合体、ポリテトラメチ
レンテレフタレート−ポリテトラメチレンオキサイドブ
ロック共重合体、ポリテトラメチレンテレフタレート−
ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体、ポリ
エチレンテレフタレート−ポリエチレンオキサイド−ポ
リプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリエチレ
ンテレフタレート−ポリ−ε−カプロラクトンブロック
共重合体、ポリテトラメチレンテレフタレート−ポリ−
ε−カプロラクトンブロック共重合体、ポリエチレンテ
レフタレート−ポリピバロラクトンブロック共重合体、
ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレンアジペート
ブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート−ポリ
ネオペンチルセバケートブロック共重合体、ポリテトラ
メチレンテレフタレート−ポリエチレンドデカネートブ
ロック共重合体、ポリテトラメチレンテレフタレート−
ポリネオペンチルドデカネートブロック共重合体、ジ
(4−カルボキシフェノキシ)エタンとエチレングリコ
ールとからのポリエステルとポリエチレングリコールと
のブロック共重合体、ビス(N−パラカルボエトキシフ
ェニル)アジパミドとエチレングリコールとからのポリ
エチレンとポリエチレングリコールとのブロック共重合
体などをあげることができる。
尚ブロック共重合ポリエステル(B)の構成成分である
低融点軟重合体セグメント(D)は、全混合ポリマー
(成形物原料となる基ポリマー)中に、0.3〜20重量%
存在することが推奨される。
低融点セグメント(D)の含有量が0.3重量%未満にな
ると、全混合ポリマーはポリエステル(A)と高融点結
晶性ポリエステルゼグメント(C)から構成されること
になり、両者(A),(C)は実質的に同一となって、
ポリエステル(A)にブロック共重合ポリエステル
(B)を混合することの利益、即ちポリエステル単独成
形物の欠点(例えばフィルムの場合は、折曲げ部が応力
集中を受け易くピンホールを生じる、高温処理時は収縮
や劣化によって脆くなる等の欠点)を改善するという利
益が得られ難くなる。しかし低融点セグメント(D)の
含有量が20重量%を越えると、該セグメントが一般に
非晶性であることによって強度上の不満が現われるまで
好ましくない。尚ポリエステル(A)とブロック共重合
ポリエステル(B)の配合比という観点からみると、後
者(B)の配合率が高くなるに従って透明性が低下する
ので、フィルム用途の場合は後者の比率を30重量%以下
とすることが好ましい。その他透明性の要求されない成
形物の場合は、更に増加しても良いが、経済性という観
点から60重量%を上限とするのがよい。
ポリエステル(A)とブロック共重合ポリエステル
(B)を混合して成形用原料組成物を得るに当り、ブロ
ック共重合ポリエステル(B)をポリエステル(A)に
添加混合する方法としては、ポリエステル(A)の重合
終了時に重合系内にブロック共重合ポリエステル(B)
を添加する方法、ポリエステルチップとブロック共重合
ポリエステルチップをブレンダーで混合する方法、ポリ
エステル(A)の成形直前にブロック共重合ポリエステ
ル(B)を添加する方法などがあるが、これらの方法を
組み合せても可能である。
本発明の成形物としては、フィルムやシート(以下単に
フィルムという)がもっとも代表的なものとして例示さ
れ、無延伸フィルム、1軸延伸フィルム、2軸延伸フィ
ルム等に適用されるが、その他の成形物としては、繊
維、パイプ、テープ、織物、不織布等の長尺物が挙げら
れる。
前記複合ポリエステル原料を用いて上記成形物を形成す
る場合、複合ポリエステル原料のみから製造しても良い
が、該ポリエステル成形物の性状に悪影響を与えない範
囲の他のポリマー成分を配合していてもよく、一般的に
は全組成物重量に対して20重量%以下の範囲で配合す
る。尚配合しても良いポリマー成分は成形物の種類及び
性状を考慮して決定すれば良い。
又ポリマー成分以外に、成形品の種類及び用途を勘案し
て安定剤、滑剤、耐ブロッキング剤、防曇剤、紫外線吸
収剤、難燃剤、透明化剤、酸化防止剤、耐光剤、帯電防
止剤、染料、顔料等の添加剤が含有されていてもよく、
コロナ放電の実施に悪影響を及ぼさないものは単独及び
複合の如何を問わず全て本発明の対象として含まれる。
上記の如き材料からなるポリエステル組成物を用いてポ
リエステル成形物を製造するに当っては、各成形物毎に
夫々公知となっている方法に従えば良く、製造手段の特
異性によって本発明の範囲から逸脱することはない。従
って成形物の製造法は自由に選択すれば良いが、本発明
の適用される代表的な成形物はフィルムであるから、該
フィルムの製造法について説明すると次の通りである。
即ち上記組成物原料を、通常のポリエステルフィルム成
膜法、例えばT−ダイ法やインフレーション法によって
成膜することにより、まず未延伸フイルムが成形され
る。そしてこれを1軸又は2軸方向に延伸すれば強度的
に満足できるフィルムが得られる。そして次に述べるコ
ロナ放電処理は、延伸工程の後段において、製膜全工程
のうちの1つとして実施しても良く、場合によってはい
ったん巻取られた製品を再び巻換えながらコロナ放電を
施す方法を採用することもある。
本発明では上記ポリエステル成形物を処理対象とし、少
なくとも1対の電極を対向させてなるコロナ放電処理装
置に前記成形物を連続的に移送して表面処理を行なう
が、この処理に当たり処理面に対して、窒素ガス、また
は窒素ガスを主体とし酸素含有量20容量%以下の窒素
含有複合組成のガス[具体的には空気から酸素の一部を
適用量除いたものや、空気へ酸素以外のものを適当量追
加したもの、更にはN2単独またはこれにH2、Ar、CO2、X
e、Kr、Cl2、NH3、NOX等の不活性ガスやイオン性ガスを
混合したもの等(以下便宜上不活性ガスを略記する)]
を放電側電極の底面から、処理面に連続的に吹付ける。
該吹き付けに際しては、放電側電極における前記成形物
との対面側から放電発生方向に沿って前記ガスを吹き付
けることとする。即ち吹き付け方向が本発明の重要ポイ
ントとなっており、吹き付けガスが成形物のほぼ真上か
ら吹き当てられることによって随伴空気層の破壊分散が
可能となるのである。
また吹付速度は、前記ポリエステル成形物の移送速度の
10%以上とする必要がある。そして後に詳述する如
く、被処理表面の最外面から100Å以内の薄層部分
(接着性に重要な影響を与える部分)におけるコロナ放
電処理前・後の酸素指数及び窒素指数の関係を厳密に規
定することによって、各種素材(例えば金属;各種イン
キ、殊にセルロース系インキや水性インキ等;樹脂、例
えば塩化ビニリデン系単独又は共重合体や官能基含有樹
脂等)との接着性が極めて優れたポリエステル成形物を
得ることができる。
以下実施例図面に準拠しつつ本発明の構成及び作用効果
を明らかにしていくが、図面に示す放電側電極の構造や
配列、更にはカバーの形状等は代表例であるに過ぎず、
又図面ではプラスチックフィルムへの適用例を示したに
過ぎないから、これらの説明の趣旨に反しないという条
件の下で設計を変更することは本発明の技術的範囲に含
まれる。
第1図は本発明の実施概念を示す要部断面図、第2図は
放電側電極の一部を示す斜視図であって、図中の1は金
属ドラム、2は電極カバー、3は放電側電極、4はガス
供給管、5はガス噴出口、6は走行フィルムを示す。即
ちフィルム6は矢印A方向に回転する金属ドラム1に対
して矢印B方向から導入され、更に矢印C方向へ走行し
ていくが、図示しない高電圧発生機に接続されている放
電側電極3と、ポリエステル、エポキシ樹脂、セラミッ
ク、クロルスホン化ポリエチレン、EPラバー、シリコ
ンゴム等でカバーされた金属ドラム1との間に数百KC
/Sの高周波で数千ないし数万Vの高電圧をかけること
によって発生する高圧コロナの影響を受け、例えば自然
の大気中であればオゾンや酸化窒素が生成してフィルム
6の表面にカルボニル基やカルボキシル基を生ぜしめる
ことにより表面が極性化される。一方従来例であれば、
大気中の酸素によってフィルム表面に接着性を阻害する
酸化劣化物が生成する。しかし本図例であれば、コロナ
放電の雰囲気全体を電極カバー2によって大気から遮断
すると共に、放電側電極3の底面にガス噴出口5を設け
フィルム6の表面に向けて、放電側電極3の底面からほ
ぼ垂直方向に不活性ガスを吹付ける様に構成しているの
で、成形物の表面を覆っている随伴空気層が破壊される
と共に、吹き付けガスの組成によって支配されている低
酸素雰囲気(電極カバー2内)によって成形物の表面が
覆われることになり、被覆ガス中の酸素含有量が実質的
に減少し、それによって窒素ガスの影響が大きく現れる
ことになり、フィルム6表層部へのコロナ放電効果が最
大限に高められる。
この状況を更に詳述すれば、次の通りである。即ち矢印
B方向に沿って相当の高速度で進入してくるフィルム6
の表面には、若干ながら随伴空気層が形成されており、
これ単に従来法に従ってコロナ放電部の雰囲気全体を不
活性ガスによって置換するだけでは、フィルム6の最表
面自体は相変らず大気雰囲気になっている。そこで本発
明を実施するに当っては、第3図に示す様な方向から不
活性ガスをフィルム表面へ強く吹付け、随伴空気層7を
噴気流8により破壊分散させることとしており、これに
よって、フィルム表面の随伴空気層7におけるガス蘇生
を変更して窒素ガスの比率を高める。又場合によっては
その表面を不活性ガスでほぼ完全に置換することもでき
る。
随伴空気層7を破壊分散させて上記効果を得るのに必要
な噴気流8の流速は、成形物の形状や寸法及びコロナ放
電処理装置への搬入速度等によって変わるので一律に決
めることはできないが、実験の結果随伴空気層7の進入
速度(換言すれば成形物の搬入速度)を基準にして定め
るのが最も好ましいことが分かった。なお一般にガスの
吹き付け速度としては秒速で表し、フィルムの移送速度
としては分速で表すことが理解にとって便であるので、
本発明においてもそのような慣習に従うこととした。即
ち秒速で表したときの該吹き付けガス速度の値を、分速
で表したときの前記成形物の移送速度の値の10%以上
として連続的に吹付けることが望まれるが、好ましくは
40%以上にしてやれば、随伴空気層7を実質上の不都
合がない程度にまで破壊分散させることができる。尚噴
出ガスのフィルムへの吹付角度を有効角度を求めて自由
に選び得る。なお成形物の搬入速度は一般に1〜500
m/分程度である。
この様な条件を採用することによって随伴空気層を破壊
分散させることができる様になり、且つ同時にコロナ放
電部の近傍を不活性ガス雰囲気で保護することが可能と
なるので、第1図に示した電極カバー2は、雰囲気保持
遥としての機能よりも、むしろ電極3を機械的な衝撃か
ら保護するという機能が第一義的となり、随伴流を抑制
する機能が第二義的となる。従って本発明の実施に当っ
ては、時に電極カバー2を取外すこともあり得るが、不
活性ガスの消費量を抑制する為には、雰囲気保持用とし
ての機能を改めて見直すことが望ましく、例えば第4図
に示す如くカバー2の下端(フィルム側)を絞ると同時
に、導管10から不活性ガスをカバー2内へ導入するよ
うな構成とすれば、該ガスは斜面9の内面に沿って収束
される様に矢印方向へ流れ、カバー2の入口においてガ
スカーテン効果が発揮される。即ち随伴空気層の侵入が
入口側で遮断され、電極カバー2の存在価値が一段と向
上する。
さらに第5図に示す如く、特に入口部に延長カバー11
を設け且つこれを成形物表面に接近させておけばカバー
2内から洩出してくる不活性ガスが延長カバー11内に
充満されることになるので、カバー11から進入してき
た随伴空気層も、カバー11内を進行するにつれて少し
ずつ破壊分散される。従ってコロナ放電雰囲気部に到達
した時点では、不活性ガスによる置換度が極めて高くな
り、本発明の効果が一層顕著に発揮される。又第5図の
装置を用いる場合は、延長カバー11からも不活性ガス
を吹付けることができ、この場合の吹付角度も自由に選
択できるが、いずれにしてもフィルム導入部で直接不活
性ガスが吹付けられるので、随伴空気層に対する破壊分
散効率は極めて高いものとなる。
他方フィルム6の出口側(第4図の右側)についてはカ
バー2内のガスが走行フィルムに随伴して排出されてい
くので、シール性ないし大気侵入の遮断機構については
入口側ほどの配慮をする必要は無いが、前述の様に不活
性ガス消費量を少なくするという意味においては入口側
と同様の配慮を払うことは有意義である。尚カバー2の
入口側及び出口側における上述のシール機能を最低限度
において発揮する為には、フィルムの走行速度に対して
少なくとも10%以上、好ましくは40%以上の速度で
フィルム面に放出させることが望まれる。尚不活性ガス
の噴出速度については、ガス噴出口5及びカバー2の出
入口のいずれについても下限側のみを述べたが上限につ
いては実質上制限を設ける必要はなく、経済性と最終製
品の要求品質との兼ね合いで適当に決めればよい。
以上の様な処理条件を設定することによってコロナ放電
の処理効果が高められ、接着性が大幅に改善されるが、
こうした効果を常時安定して発揮させる為には、成形物
の処理前・後における表面特性諸元を定量的に把握して
おく必要があると考え更に研究を進めた。その結果、
(1)成形物表面の100Å以内の薄層部分における酸素
指数及び窒素指数のコロナ放電処理前・後における変化
量の比[Δ酸素指数/Δ窒素指数]、及び(2)同じくフ
ィルム表面100Å以内の薄層部分におけるコロナ放電
処理後の窒素指数を厳密に管理しておくことにより、高
度の接着性を保証し得ることが判明した。即ち上記判明
した事実とは、前記(1)については[Δ酸素指数/Δ窒
素指数]が0.2乃至-3.5となる様、また前記(2)について
は処理後の窒素指数が3以上となる様に、コロナ放電の
処理条件及び処理雰囲気を厳密にコントロールすること
により、例えば金属、各種印刷インキ(特にセルロース
系インキや水性インキ等)、塩化ビニリデン系単独重合
又は共重合樹脂や官能基含有樹脂等の各種合成樹脂等と
の接着性を飛躍的に高めることができるということであ
り、以下更に詳述する。
まず本発明で規定する[窒素指数≧3]という要件を満
たすポリエステル成形物は、従来の処理条件でも時とし
て得ることができ、又公知の窒素ガス雰囲気下でのコロ
ナ放電処理によっても実現可能である。しかしながら先
に説明した如く少なくとも連続処理を対象とする従来法
で上記の様な高レベルの窒素指数を確保する為には大規
模な設備を要するので、工業的規模での実用化は困難で
あった。これに対し本発明の方法を採用すれば、比較的
簡単な設備で窒素指数を容易に3以上まで高めることが
できる。一方プラスチック材の各種素材との接着性が、
ESCA法で求められる窒素指数により単純に決まって
くるという報告もある。しかしかかる報告は接着性に及
ぼす影響の内一つの側面のみをとらえたものにすぎな
い。ちなみに素材に対してN含有成分をブレンドすれば
窒素指数は増大するが、N含有成分である帯電防止剤や
滑剤を混合するだけでは接着性は向上せず、むしろ低下
するという事実を考え合わせてみると、単なる窒素指数
の増大が直ちに接着性の向上に結びつくものでないこと
は明白である。
そこで接着性に影響を与える他の要因についても検討を
行なったところ、前記[Δ酸素指数/Δ窒素指数]によ
り算出される値がコロナ放電処理効果即ち接着性向上効
果をほぼ正確に表わし、この値が0.2乃至-3.5となる様
な処理を受けたものは目的にかなう高レベルの接着性を
発揮するという事実が確認された。ちなみに処理後にお
ける表層部100Å以内の窒素指数が仮に3以上を示す
ものであっても、[Δ酸素指数/Δ窒素指数]が0.2を
越えるとコロナ放電処理効果が不十分で高レベルの接着
性を得ることができない。こうした意味から、本発明の
処理法を採用し、且つ前記窒素指数が3以上、[Δ酸素
指数/Δ窒素指数]が0.2乃至-3.5となる様に処理条件
をコントロールすることが必須となる。尚この比を-3.5
より小さくすることは実質的に極めて困難であった。
ところで[Δ酸素指数/Δ窒素指数]については、ポリ
エステルを構成する酸素原子、配合され得る他のポリマ
ー中の酸素原子若しくは各種添加剤中の固有の酸素原子
等が不活性ガスによって放出除去されたり、或は不活性
ガス中の窒素原子によって置換除去されること等が原因
となって上に述べた如く結果的にマイナスの値を示す場
合がある。このマイナス領域、一般的には-1.0〜0の領
域になると、接着力の経時変化が極めて僅かとなり、又
耐ブロッキング性が向上するという好ましい結果が得ら
れる。
本発明は概略以上の様に構成されており、コロナ放電処
理条件を規定すると共に、処理前・後における表層部の
酸素指数及び窒素指数の変化量から処理効果を常時把握
する様にしたので、各種素材との接着性に優れたポリエ
ステル成形物を確実に得ることが可能になった。特に接
着性の改善効果は、高温・高湿下での長期間露出後にお
いても発揮され、又接着性の改善された表層は母層部分
から簡単に剥離されることもないから、例えば成形物が
フィルムである場合に巻取保存中に上記表層が裏面側へ
転位するということもなく、又フィルム包装物として実
際に応用した場合に印刷インキがはがれていくという心
配もない。又他のフィルム基材との接着性も向上するか
ら、積層されたフィルムが長期保存後に剥離するという
こともない。
次に実験を掲げて本発明の効果を明らかにする。尚実験
例で採用した表面特性の評価法は次の通りである。
(A)ヘイズ JIS-K-6714により測定 (B)ラミネート強度 セロファンインキを用いて印刷した後ポリエチレンイミ
ンをコーティングし、乾燥後290℃の低密度ポリプロ
ピレンを厚さ30μmとなる様に溶融押出法でラミネー
トする。その直後、又は種々の条件で保存又は処理した
後、フィルムとポリプロプレン層の間を剥離しその接着
強度を測定する。尚剥離条件は、180度剥離、速度2
00mm/分とする。
但し沸水処理、レトルト処理品はイソイアネート系接着
剤を用いてラミネートし、ラミネート後40℃で2日間
エージングしてから評価した。
フィルムの製造例 ジメチルテレフタレート83部、1,4−ブタンジオー
ル110部、分子量2000のポリ(テトラメチレンオキサ
イド)グリコール(PTG)215部、及び酸化防止剤(アイ
オノックス330:シェル化学社製)0.6部に、触媒として
テトラ−n−ブチルチタネート0.03部を加えてオートク
レーブに入れ撹拌しながら加熱してエステル交換し、次
いで重縮合して得たポリテトラメチレンテレフタレート
−ポリテトラメチレンオキサイドブロック共重合体(テ
レフタル酸とPTGとのモル比4:1)に、極限粘度0.
65dl/gのポリエチレンテレフタレートを前者6重量%、
後者94重量%の割合で加えて混合溶融した。これをフ
ィルム上に押出成形し、得られたフィルムを87℃で縦
方向に3.3倍、引続き横方向に95℃で3.3倍延伸し、更
に220℃で5秒間熱固定した。得られたフィルムは厚
さ12μmの透明なフィルムであった。
上記で得られたフィルムを、第1図に示した装置を用い
て、第1表の本発明例(1)〜(3)、及び比較例(1)〜(3)に
示す条件のコロナ放電処理に付した。本実施例(1)〜(3)
は、窒素ガス及び空気を混合した気体を前記ガス供給管
4から供給し、ガス噴出口5から連続的に吹き付けつつ
コロナ放電を行った場合である。また比較例(1)は、電
極カバー2内に窒素ガスを供給し、放電雰囲気は実施例
(1),(2)と同じ(O=0.1%)としたが、ガス噴出口
5からの吹き付けを行わなかった場合であり、比較例
(2)は、一般の大気中でコロナ放電処理を行った場合で
あり、比較例(3)は吹き付け速度を0.2m/秒とする以外は
実施例(1)と同様にしてコロナ放電した場合である。第
1表にはESCA値を併記した。
コロナ放電処理されたフィルムについてヘイズ及びラミ
ネート強度を求めたところ、第2表に示す様な結果が得
られた。
第1,2表から明らかな様に、比較例(1)〜(3)では、
[Δ酸素指数/Δ窒素指数]が高く、フィルム表面から
の大気の除去が不十分である。これに対し、実施例(1)
〜(3)では[Δ酸素指数/Δ窒素指数]が0.2〜-3.5の範
囲内にあり、優れた接着性を有することがわかる。即ち
本発明の構成を採用することによって、初めてフィルム
表面の随伴空気層を除去することができるのであり、放
電雰囲気を単に窒素雰囲気としただけ、或は吹付けが不
十分な場合には、随伴空気の除去は達成されないことが
確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施状況を示す概念図、第2図は本発
明で用いられる放電側電極を例示する見取り図、第3図
は随伴空気層の破壊状況を示す説明図、第4,5図は電
極カバーの一例を示す説明図である。 1…金属ドラム 2…電極カバー 3…放電側電極 5…ガス噴出口 6…フィルム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】80モル%以上がテレフタル酸で構成され
    る二塩基酸残基とグリコール残基とから構成されるポリ
    エステル(A)と、ブロック共重合ポリエステル(B)
    との混合物から成形される成形物を、少なくとも1対の
    電極を対向させてなるコロナ放電処理装置へ連続的に移
    送してコロナ放電処理を行なうに当り、窒素ガス、また
    は窒素ガスを主体とし酸素含有量が20容量%以下であ
    る窒素含有複合組成ガスを、該成形物のコロナ放電処理
    面に吹き付けることとし、該吹き付けに際しては、放電
    側電極における前記成形物との対向面側から放電発生方
    向に沿って、前記ガスを、前記成形物の移送速度の10%
    以上の吹付け速度で連続的に吹付けることにより、前記
    成形物の移送表面に随伴してコロナ放電処理装置内に搬
    入されてくる随伴空気層を破壊分散して前記吹き付けガ
    スで置換すると共に、該成形物表面の最外面から100
    Å以内の薄層部分における酸素指数及び窒素指数がコロ
    ナ放電処理前からコロナ放電処理後へ変化する各変化量
    をΔ酸素指数及びΔ窒素指数としたときの両者の比[Δ
    酸素指数/Δ窒素指数]を0.2乃至-3.5とし、且つ前記
    薄層部分におけるコロナ放電処理後の窒素指数を3以上
    とすることを特徴とする高接着性複合ポリエステル成形
    物の製造方法。(尚ここで酸素指数及び窒素指数は次の
    方法によって求める。即ちESCAスペクトロメーター
    ES−200型(国際電気株式会社製)を用い、成形品
    表面の炭素の1s軌道スペクトルから求めた積分強度
    と、酸素の1s軌道スペクトルから有機性窒素の結合エ
    ネルギーに対応するピークより求めた積分強度との比を
    算出し、その積分比に基づいて炭素数100個当りの酸
    素数を求め、この値を酸素指数と定義する。又窒素指数
    についても同様の方法によって炭素数100個当りの窒
    素数を求め、これを窒素指数と定義する。)
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