JPH06270829A - 四輪操舵装置 - Google Patents

四輪操舵装置

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JPH06270829A
JPH06270829A JP5989493A JP5989493A JPH06270829A JP H06270829 A JPH06270829 A JP H06270829A JP 5989493 A JP5989493 A JP 5989493A JP 5989493 A JP5989493 A JP 5989493A JP H06270829 A JPH06270829 A JP H06270829A
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steering
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gain
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秀幸 渋谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前輪操舵時にヨーレイトフィードバック制御
により補助舵角を与える四輪操舵装置において、中立ス
テア領域での外乱直進安定性向上と低〜中横加速度旋回
領域での違和感解消と高横加速度旋回領域での収束性向
上とを併せて達成すること。 【構成】 中立ステア領域と高横加速度旋回領域とでヨ
ーレイトフィードバックゲインを高く設定し、低〜中横
加速度旋回領域ではヨーレイトフィードバックゲインを
低く設定するヨーレイトフィードバックゲイン設定手段
fを設け、この設定されたヨーレイトフィードバックゲ
インを用いて補助舵角のヨーレイトフィードバック制御
を行なうヨーレイトフィードバック制御手段gを設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪操舵時にヨーレイ
トフィードバック制御により補助舵角を与える四輪操舵
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前輪操舵時にヨーレイトフィード
バック制御により後輪に補助舵角を与える四輪操舵装置
としては、例えば、特開平3−92482号公報に記載
の装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の四輪操舵装置にあっては、前輪の操舵角が小さいと
きに検出ヨーレイトを大きく反映させて目標操舵量を設
定する、すなわち、中立ステア領域でのみフィードバッ
クゲインを高める制御を行なう装置であるため、中立ス
テア領域での横風などの外乱に対し直進安定性を高める
ことができるが、高横加速度旋回時にはフィードバック
ゲインが低く設定されることになり、この高横加速度旋
回領域で制御応答の遅れにより、目標ヨーレイトに対し
実ヨーレイトがふらつき、収束性に劣るという問題があ
る。
【0004】そこで、中立ステア〜高横加速度旋回まで
の全領域で一定の高いフィードバックゲインを設定する
と、中立ステア領域での外乱直進安定性と高横加速度旋
回領域での収束性を得ることができるが、最も多用され
る低〜中横加速度旋回領域において目標ヨーレイトと実
ヨーレイトとの偏差の発生に対して後輪舵角の切れ応答
が高くなり過ぎ、ドライバーに違和感を与えてしまう。
【0005】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、その目的とするところは、前輪操舵時に
ヨーレイトフィードバック制御により補助舵角を与える
四輪操舵装置において、中立ステア領域での外乱直進安
定性向上と低〜中横加速度旋回領域での違和感解消と高
横加速度旋回領域での収束性向上とを併せて達成するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の四輪操舵装置では、中立ステア領域と高横加速
度旋回領域とでヨーレイトフィードバックゲインを高く
設定し、低〜中横加速度旋回領域ではヨーレイトフィー
ドバックゲインを低く設定し、この設定されたヨーレイ
トフィードバックゲインを用いて補助舵角のヨーレイト
フィードバック制御を行なう手段とした。
【0007】即ち、図1のクレーム対応図に示すよう
に、外部からの指令により少なくとも前後輪の一方に補
助舵角を与えることができる補助舵角アクチュエータa
と、車速を検出する車速検出手段bと、ステアリング舵
角を検出するステアリング舵角検出手段cと、ヨーレイ
トを検出するヨーレイト検出手段dと、車速及びステア
リング舵角に応じた目標ヨーレイトを算出する目標ヨー
レイト算出手段eと、中立ステア領域と高横加速度旋回
領域とでヨーレイトフィードバックゲインを高く設定
し、低〜中横加速度旋回領域ではヨーレイトフィードバ
ックゲインを低く設定するヨーレイトフィードバックゲ
イン設定手段fと、設定されたヨーレイトフィードバッ
クゲインを用い、目標ヨーレイトにヨーレイト検出手段
dからの実ヨーレイトが一致するように補助舵角量を制
御する指令を前記補助舵角アクチュエータaに出力する
ヨーレイトフィードバック制御手段gと、を備えてい
る。
【0008】
【作用】前輪操舵時には、目標ヨーレイト算出手段eに
おいて、車速検出手段bからの車速及びステアリング舵
角検出手段cからのステアリング舵角に応じた目標ヨー
レイトが算出される。
【0009】一方、ヨーレイトフィードバックゲイン設
定手段fにおいて、中立ステア領域と高横加速度旋回領
域とでヨーレイトフィードバックゲインが高く設定さ
れ、低〜中横加速度旋回領域ではヨーレイトフィードバ
ックゲインが低く設定される。
【0010】そして、ヨーレイトフィードバック制御手
段gにおいて、設定されたヨーレイトフィードバックゲ
インを用い、目標ヨーレイトにヨーレイト検出手段dか
らの実ヨーレイトが一致するように補助舵角量を制御す
る指令が補助舵角アクチュエータaに出力され、補助舵
角アクチュエータaの作動により少なくとも前後輪の一
方に補助舵角が与えられる。
【0011】したがって、前輪操舵時にヨーレイトフィ
ードバック制御により補助舵角を与えるにあたって、中
立ステア領域では、ヨーレイトフィードバックゲインが
高く設定されることで、外乱に対しこの影響を排除する
ように応答良く補助舵角が与えられ、外乱直進安定性が
向上する。
【0012】また、低〜中横加速度旋回領域では、ヨー
レイトフィードバックゲインが低く設定されることで、
目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの偏差の発生に対し低
応答で補助舵角が与えられ、ドライバーに対し違和感を
与えることが解消される。
【0013】また、高横加速度旋回領域では、ヨーレイ
トフィードバックゲインが高く設定されることで、実ヨ
ーレイトが目標ヨーレイトにすみやかに収束するように
応答良く補助舵角が与えられ、実ヨーレイトのふらつき
が抑えられ、ヨーレイト収束性が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0015】構成を説明する。
【0016】図2は本発明実施例の四輪操舵装置が適用
された車両を示す全体システム図である。
【0017】図2において、前輪1,2の操舵は、ステ
アリングハンドル3と機械リンク式ステアリング機構4
によって行なわれる。これは、例えば、ステアリングギ
ア、ピットマンアーム、リレーロッド、サイドロッド
5,6、ナックルアーム7,8等で構成される。
【0018】そして、後輪9,10の転舵は、電動式ス
テアリング装置11(補助舵角アクチュエータaに相
当)によって行なわれる。この後輪9,10間は、ラッ
クシャフト12、サイドロッド13,14、ナックルア
ーム15,16により連結され、ラック12が内挿され
たラックチューブ17には、減速機構18とモータ19
とフェイルセーフソレノイド20が設けられ、このモー
タ19とフェイルセーフソレノイド20は、車速センサ
21(車速検出手段bに相当),前輪舵角センサ22
(ステアリング舵角検出手段cに相当),リア舵角サブ
センサ23,リア舵角メインセンサ24,ヨーレイトセ
ンサ25(ヨーレイト検出手段dに相当)等からの信号
を入力するコントローラ26により駆動制御される。
【0019】図3は電動式ステアリング装置11の具体
的な構成を示す断面図である。
【0020】図3において、ラック12が内挿されたラ
ックチューブ17はブラケットを介して車体に固定され
ている。そして、ラック12の両端部には、ボールジョ
イント30,31を介してサイドロッド13,14が連
結されている。減速機構18は、モータ19のモータ軸
に連結されたモータピニオン32と、該モータピニオン
32に噛合するリングギア33と、該リングギア33に
固定されると共にラックギア12aに噛み合うラックピ
ニオン35とによって構成されている。従って、モータ
19のモータ軸が回転すると、モータピニオン32→リ
ングギア33→ラックピニオン35へと回転が伝達さ
れ、回転するラックピニオン35とラックギア12aと
の噛み合いによりラックシャフト12が軸方向へ移動し
て後輪9,10の転舵が行なわれる。この後輪9,10
の転舵量は、ラックシャフト12の移動量、即ち、モー
タ軸の回転量に比例する。
【0021】前記ラックピニオン35には、その回転量
により後輪舵角を検出するポテンショメータ構造のリア
舵角メインセンサ24が設けられている。
【0022】前記フェイルセーフソレノイド20には、
ロックピン20aが進退可能に設けられていて、電子制
御系等のフェイル時には、ラックシャフト12に形成さ
れたロック溝12bにロックピン20aを嵌入させるこ
とでラックシャフト12を、後輪9,10が中立舵角位
置を保つ位置に固定するようにしている。
【0023】作用を説明する。
【0024】[後輪舵角制御作動]図4はコントローラ
26で行なわれる後輪舵角制御作動の流れを示すフロー
チャートであり、以下、各ステップについて説明する。
【0025】ステップ40では、車速Vとステアリング
舵角θと実ヨーレイトψ'Sとリア舵角メインセンサ値δ
rSとが読み込まれる。
【0026】ステップ41では、車速Vとステアリング
舵角θにより、フィードフォワード後輪舵角δrF/Fの演
算に用いられる比例ゲインK,微分ゲインτ、2回微分
ゲインτ’がマップにより読み込まれる。
【0027】ステップ42では、フィードフォワード後
輪舵角δrF/Fが下記の式により算出される。
【0028】δrF/F=K・θ+τ・θ’+τ’・θ” θ’;ステアリング舵角微分値 θ”;ステアリング舵
角2回微分値 ステップ43では、車速Vとステアリング舵角θにより
算出される目標ヨーレイト定常値ψ'MO と予め設定され
た遅れ時定数TOにより下記の式で目標ヨーレイトψ'Mが
算出される(目標ヨーレイト算出手段eに相当)。
【0029】ψ'M=ψ'MO /(1+TO・S) S;
ラプラス演算子 ステップ44では、目標ヨーレイトψ'Mと実ヨーレイト
ψ'Sとの偏差εが算出される。
【0030】ステップ45では、車速Vとステアリング
舵角θに応じてフィードバック比例ゲインKP 及びフィ
ードバック微分ゲインKD がマップに基づいて設定され
る(ヨーレイトフィードバックゲイン設定手段fに相
当)。
【0031】ここで、フィードバック比例ゲインKP と
は、後輪の定常舵角量を決める値で、大きいとそれだけ
後輪は切れる。また、フィードバック微分ゲインKD と
は、過渡的な舵角量を決める値で、ドライバーの違和感
を取り除くチューニング代として使われる。
【0032】このフィードバック比例ゲインKP の設定
は、例えば、車速が100km/hの時、図5に示すマップ
に基づき、中立ステア領域と高横加速度旋回領域では比
例ゲインKP が高い値に設定され、低〜中横加速度旋回
領域では比例ゲインKP が低く設定される。なお、比例
ゲインKP は段階的な値で与えられるのではなく、滑ら
かに変化する値で与えられる。また、マップは所定の車
速毎に設定されていて、マップの存在しない中間車速で
は補間法などにより比例ゲインKP が演算される。
【0033】このフィードバック微分ゲインKD の設定
は、例えば、車速が100km/hの時、図6に示すマップ
に基づき、中立ステア領域と高横加速度旋回領域では微
分ゲインKD が高い値に設定され、低〜中横加速度旋回
領域では微分ゲインKD が低く設定される。なお、微分
ゲインKD は段階的な値で与えられるのではなく、滑ら
かに変化する値で与えられる。また、微分ゲインマップ
を設定することなく、例えば、KD =0.08×KP の
式により微分ゲインKD を与えるようにしても良い。
【0034】ステップ46では、前記偏差εと偏差微分
値ε’と比例ゲインKP と微分ゲインKD に基づいて下
記の式によりフィードバック後輪舵角δrF/Bが算出され
る。 δrF/B=KP・ε+KD・ε’ ステップ47では、ステップ46でのフィードバック後
輪舵角δrF/Bの値が、0.4deg以下かどうかが判断
される。
【0035】ステップ48では、ステップ47によりδ
rF/B>0.4degであると判断された時、フィードバ
ック後輪舵角δrF/Bが、δrF/B=0.4degに上限規
定される。
【0036】ステップ49では、フィードフォワード後
輪舵角δrF/Fとフィードバック後輪舵角δrF/Bとの和に
より後輪舵角目標値δrMが算出される。
【0037】ステップ50では、ステップ48での後輪
舵角目標値δrMがモータ回転目標値THi に変換される。
【0038】ステップ51では、リア舵角メインセンサ
値δrSがモータ回転実際値THNOに変換される。
【0039】ステップ52では、モータ制御電流IM が
モータ回転目標値THi とモータ回転実際値THNOにより算
出される。
【0040】ステップ53では、出力指令に応じてPW
Mのデューティ比が制御され、モータ制御電流IM が出
力される。
【0041】なお、ステップ46〜ステップ53は、ヨ
ーレイトフィードバック制御手段gに相当する。
【0042】[中立ステアでの走行時]図7のタイムチ
ャートの上3段の特性に示すように、ステアリング舵角
θを中立位置に保舵したままの高速走行時で、一時的に
横風を受けた場合を例にとる。まず、K・θ+τ・θ’
+τ’・θ”の式で与えられるフィードフォワード後輪
舵角δrF/Fは、θ,θ’,θ”=0であるため、図7の
上から4段目の特性に示すように、δrF/F=0となる。
【0043】次に、フィードバック後輪舵角δrF/Bは、
ステアリング舵角θを中立位置に保舵していることで目
標ヨーレイトψ'Mはゼロであるが、横風により実ヨーレ
イトψ'Sが発生することで、目標ヨーレイトψ'Mと実ヨ
ーレイトψ'Sとの偏差εが生じる。そして、図5及び図
6のマップにより比例ゲインKP 及び微分ゲインKDは
大きな値が与えられる。
【0044】よって、KP・ε+KD・ε’で与えられるフ
ィードバック後輪舵角δrF/Bは、図7の上から5段目の
特性に示すように、横風の入力に応じた舵角となる。
【0045】したがって、横風を受けた場合、後輪舵角
目標値δrMは、δrM=δrF/Bで与えられることになり、
実ヨーレイトψ'Sの発生状況をみると、図7の最下段の
特性に示すように、ヨーレイトフィードバック制御を行
なわない場合の点線特性に示す実ヨーレイトψ'Sの発生
に比べて、ヨーレイトフィードバック制御を行なった場
合には、実線特性に示すように、実ヨーレイトψ'Sの発
生が低く抑えられ、ハッチングで示す部分が効果代とし
てあらわれる。
【0046】このように、中立ステア領域では、ヨーレ
イトフィードバックゲインである比例ゲインKP 及び微
分ゲインKD が高く設定されることで、外乱に対しこの
影響を排除するように応答良く後輪舵角が与えられ、外
乱直進安定性が向上する。
【0047】[低〜中横加速度旋回時]一般道路などで
の低速旋回時などのように、大きな横加速度の発生がな
い低〜中横加速度旋回時について説明する。
【0048】まず、K・θ+τ・θ’+τ’・θ”の式
で与えられるフィードフォワード後輪舵角δrF/Fは、ス
テアリング舵角θやステアリング舵角微分値θ’(ステ
アリング速度)やステアリング舵角2回微分値θ”(ス
テアリング加速度)に応じた舵角となる。
【0049】次に、フィードバック後輪舵角δrF/Bは、
車速Vやステアリング舵角θに応じた目標ヨーレイト
ψ'Mが与えられることで、目標ヨーレイトψ'Mと実ヨー
レイトψ'Sとの偏差εが生じる。そして、図5及び図6
のマップにより比例ゲインKP及び微分ゲインKD は小
さな値が与えられる。よって、KP・ε+KD・ε’で与え
られるフィードバック後輪舵角δrF/Bは、偏差εの発生
に対して応答の遅れた舵角となる。
【0050】したがって、後輪舵角目標値δrMは、通常
のフィードフォワード後輪舵角δrF/Fと偏差εの発生に
対して低応答のフィードバック後輪舵角δrF/Bとの和に
より与えられることになる。
【0051】この結果、低〜中横加速度旋回中に実ヨー
レイトを変化させるような横風などを受けたとしても、
高応答で後輪舵角が変化することがなく、ドライバーに
対し違和感を与えることが解消される。
【0052】[高横加速度旋回時]図8のタイムチャー
トの上2段の特性に示すように、高速走行を保ったまま
でステアリング舵角θをステップ的に高速で切った場合
を例にとる。
【0053】まず、K・θ+τ・θ’+τ’・θ”の式
で与えられるフィードフォワード後輪舵角δrF/Fは、ス
テアリング舵角θやステアリング舵角微分値θ’やステ
アリング舵角2回微分値θ”に応じた舵角となり、図8
の上から3段目の特性に示すように、ステアリング舵角
入力にほぼ比例した特性で与えられる。
【0054】次に、フィードバック後輪舵角δrF/Bは、
ステップ操舵により目標ヨーレイトψ'Mが急激に高まる
のに対し実ヨーレイトψ'Sの発生が遅れることで、ステ
ップ操舵初期において、目標ヨーレイトψ'Mと実ヨーレ
イトψ'Sとに大きな偏差εが生じる。そして、図5及び
図6のマップにより比例ゲインKP 及び微分ゲインKD
は大きな値が与えられる。よって、KP・ε+KD・ε’で
与えられるフィードバック後輪舵角δrF/Bは、図8の上
から4段目の特性に示すように、ステップ操舵初期領域
で急激に上昇した後、ゆっくりと低下し、その後、一定
舵角を保つような舵角特性となる。
【0055】したがって、高横加速度旋回時には、後輪
舵角目標値δrMは、δrM=δrF/F+δrF/Bで与えられる
ことになり、実ヨーレイトψ'Sの発生状況をみると、図
8の最下段の特性に示すように、ヨーレイトフィードバ
ック制御を行なわない場合は点線特性に示すように実ヨ
ーレイトψ'Sのふらつきを持って発生するのに比べて、
ヨーレイトフィードバック制御を行なった場合には、実
線特性に示すように、実ヨーレイトψ'Sのふらつきが抑
えられる。
【0056】このように、高横加速度旋回領域では、ヨ
ーレイトフィードバックゲインである比例ゲインKP 及
び微分ゲインKD が高く設定されることで、実ヨーレイ
トψ'Sが目標ヨーレイトψ'Mにすみやかに収束するよう
に応答良く後輪舵角が与えられ、実ヨーレイトψ'Sのふ
らつきが抑えられ、ヨーレイト収束性が向上する。
【0057】次に、効果を説明する。
【0058】(1)前輪1,2の操舵時にヨーレイトフ
ィードバック制御により後輪9,10に補助舵角を与え
る四輪操舵装置において、中立ステア領域と高横加速度
旋回領域とで比例ゲインKP 及び微分ゲインKD を高く
設定し、低〜中横加速度旋回領域では比例ゲインKP 及
び微分ゲインKD を低く設定し、この設定された比例ゲ
インKP 及び微分ゲインKD と目標ヨーレイトψ'Mと実
ヨーレイトψ'Sを用いて後輪舵角のヨーレイトフィード
バック制御を行なう装置としたため、中立ステア領域で
の外乱直進安定性向上と低〜中横加速度旋回領域での違
和感解消と高横加速度旋回領域での収束性向上とを併せ
て達成することができる。
【0059】(2)フィードバック後輪舵角δrF/Bとし
て付与する値に上限値(δrF/B=0.4deg)を設定
して上限を規定する装置としているため、後輪舵角の大
きな変動により車両挙動が急変するのを防止することが
でき、ドライバーに対し後輪舵角制御システム搭載によ
る違和感を与えない。
【0060】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0061】例えば、実施例では、電動アクチュエータ
を用いた四輪操舵装置の例を示したが、油圧アクチュエ
ータによる四輪操舵装置にも適用することができる。
【0062】実施例では、後輪のみを補助操舵する例を
示したが、前後輪共に補助操舵する装置にも適用するこ
とができる。
【0063】実施例では、比例ゲインKP 及び微分ゲイ
ンKD を車速とステアリング舵角に応じてマップにより
与えたが、横加速度センサ等からの横加速度情報に基づ
いてマップや演算式により与えるようにしても良い。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、前輪操舵時にヨーレイトフィードバック制御により
補助舵角を与える四輪操舵装置において、中立ステア領
域と高横加速度旋回領域とでヨーレイトフィードバック
ゲインを高く設定し、低〜中横加速度旋回領域ではヨー
レイトフィードバックゲインを低く設定し、この設定さ
れたヨーレイトフィードバックゲインを用いて補助舵角
のヨーレイトフィードバック制御を行なう手段としたた
め、中立ステア領域での外乱直進安定性向上と低〜中横
加速度旋回領域での違和感解消と高横加速度旋回領域で
の収束性向上とを併せて達成することができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の四輪操舵装置を示すクレーム対応図で
ある。
【図2】実施例の四輪操舵装置が適用された車両を示す
全体システム図である。
【図3】実施例装置の電動式ステアリング装置の断面図
である。
【図4】実施例装置のコントローラで行なわれる後輪舵
角制御作動の流れを示すフローチャートである。
【図5】ヨーレイトフィードバック比例ゲイン特性図で
ある。
【図6】ヨーレイトフィードバック微分ゲイン特性図で
ある。
【図7】中立ステアを保ったままの高速走行時に横風を
受けた時のフィードフォワード後輪舵角特性,フィード
バック後輪舵角特性及び実ヨーレイト特性を示すタイム
チャートである。
【図8】高速走行を保ったままでのステップ的な操舵に
より高横加速度が発生する旋回時のフィードフォワード
後輪舵角特性,フィードバック後輪舵角特性及び実ヨー
レイト特性を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
a 補助舵角アクチュエータ b 車速検出手段 c ステアリング舵角検出手段 d ヨーレイト検出手段 e 目標ヨーレイト算出手段 f ヨーレイトフィードバックゲイン設定手段 g ヨーレイトフィードバック制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの指令により少なくとも前後輪
    の一方に補助舵角を与えることができる補助舵角アクチ
    ュエータと、 車速を検出する車速検出手段と、 ステアリング舵角を検出するステアリング舵角検出手段
    と、 ヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、 車速及びステアリング舵角に応じた目標ヨーレイトを算
    出する目標ヨーレイト算出手段と、 中立ステア領域と高横加速度旋回領域とでヨーレイトフ
    ィードバックゲインを高く設定し、低〜中横加速度旋回
    領域ではヨーレイトフィードバックゲインを低く設定す
    るヨーレイトフィードバックゲイン設定手段と、 設定されたヨーレイトフィードバックゲインを用い、目
    標ヨーレイトにヨーレイト検出手段からの実ヨーレイト
    が一致するように補助舵角量を制御する指令を前記補助
    舵角アクチュエータに出力するヨーレイトフィードバッ
    ク制御手段と、 を備えていることを特徴とする四輪操舵装置。
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