JPH06269732A - 建築用材料 - Google Patents

建築用材料

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JPH06269732A
JPH06269732A JP6415293A JP6415293A JPH06269732A JP H06269732 A JPH06269732 A JP H06269732A JP 6415293 A JP6415293 A JP 6415293A JP 6415293 A JP6415293 A JP 6415293A JP H06269732 A JPH06269732 A JP H06269732A
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JP
Japan
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parts
examples
component
silicon alkoxide
coating
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Pending
Application number
JP6415293A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kubo
雅昭 久保
Kazuo Seto
和夫 瀬戸
Masahiro Fukiage
昌宏 吹擧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期耐久性を有し、高デザイン性を実現し、
様々な市場ニーズに応えることのできる建築用材料を提
供する。 【構成】 この発明の建築用材料は、所定の形状に加工
され表面に凹凸模様が施されてなる金属系素材をベース
とし、前記凹凸模様が施されてなる表面の上に無機系塗
装膜を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属系パネルや金属
系雨樋などの金属系素材をベースとした建築用材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】建築物の高級化、メンテナンスフリー
化、ファッション化等に伴い、金属系素材をベースとし
たパネルや雨樋に関しては、ステンレスなどの金属材質
感を生かした、高デザイン性で長期耐久性を有し、しか
も、施工性の良いパネルや雨樋の造出が要望されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、金属素材をそ
のまま形状加工してなる雨樋やパネルは、海塩、酸性
雨、大気汚染物質(亜硫酸ガス、煤煙、自動車排気ガス
等)等の影響を受け、腐食や汚染による外観異常が発生
しやすく、ひどい場合には穴あきによる排水機能障害に
到り、長期の耐久性という点では十分でない。
【0004】また、この点を改良するために、有機系塗
装膜を表面に設けることがなされているが、耐久性は充
分でない。あるいは、フッ素系フィルム、アクリル系フ
ィルム等を金属素材にラミネートする場合には、種々の
形状品に対応しづらいのと、フィルム端部処理に難点が
あり、限られた形状しか適用できない。また、特に、有
機系で耐候性にすぐれるフッ素系被膜は、これをうまく
コートでき、その長期耐久性がある程度確保できても、
雨樋などにおいては施工時の接合、水漏れ防止のための
接着作業が特殊な方法を用いない限り可能にならず、施
工性の低下が問題となる。
【0005】この発明は、これらの問題を解決して、長
期耐久性を有し、高デザイン性を実現し、上記のような
市場ニーズに応えることのできる建築用材料を提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかる建築用材料は所定の形状に加工さ
れ表面に凹凸模様が施されてなる金属系素材をベースと
し、前記凹凸模様が施されてなる表面の上に無機系塗装
膜を設けるようにしている。以下、この発明をより具体
的に説明する。
【0007】この発明の建築用材料の種類としては、雨
樋やパネルなどが挙げられるが、これらに限らないこと
は言うまでもない。ベースである所定の形状に加工され
た金属系素材としては、ステンレス、亜鉛メッキ鋼、ア
ルミニウムなどからなるものが挙げられるが、これらに
限らない。この発明の建築用材料の金属系素材の表面の
凹凸模様は、特定のものに限らず、エッチング加工ある
いは加圧ロールを使うエンボス加工により形成したもの
であって、ストライプ状やナシ地状の模様のものが例示
される。模様の凹凸の深さは、建築用材料の種類によっ
ても異なるが、例えば、0.5〜3mm程度である。
【0008】この発明の建築用材料における無機系塗装
膜としては、例えば、ケイ素アルコキシド系コーティン
グ膜が例示される。無機系塗装膜は透明膜でも不透明膜
でもよく、透明膜も不透明膜はいずれも無色であっても
よいし着色されていてもよい。着色膜の場合の色の例と
しては黒色系、茶色系、灰色系などが挙げられる。着色
膜の場合、凹凸と着色の相乗効果で非常にデザイン性に
優れた膜となる。
【0009】上記ケイ素アルコキシド系コーティング膜
は、下記(A)または(B)のケイ素アルコキシド系コ
ーティング剤を塗布硬化させたものが例示される。 (A) 一般式: (R1)m Si(OR2)4-m …(I) (式中、R1 は各々メチル基、エチル基またはフェニル
基を表し、R2 は各々炭素数1〜4のアルキル基を表
し、mは0、1または2である。)で表されるケイ素化
合物および/またはその部分加水分解物を主成分とする
ケイ素アルコキシド系コーティング剤。
【0010】 (B)(a)一般式: (R3)n SiX4-n …(II) (式中、R3 は各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8
の1価の炭化水素基を表し、Xは加水分解性基を表し、
nは0〜3の整数である。)で表される加水分解性オル
ガノシランを有機溶媒および/または水に分散されたコ
ロイド状シリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシ
ランのシリカ分散オリゴマー溶液と、 (b)平均組成式: (R4)Si(OH) d (4-c-d)/2 …(III) (式中、R4 は各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8
の1価の炭化水素基を表し、cは0.2≦c≦2、dは
0.0001≦d≦3であり、c+d<4である。)で
表される、分子中にシラノール基を有するポリオルガノ
シロキサンと、 (c)硬化触媒とを必須成分とするケイ素アルコキシド
系コーティング剤。
【0011】着色膜の場合の色としては、前述のよう
に、黒色系、茶色系、灰色(グレー)系などが例示され
る。これらの着色膜は、例えば、ケイ素アルコキシド系
コーティング剤に着色剤を添加することで実現できるの
であるが、着色剤としては、通常、無機系顔料(複合酸
化物系顔料)、例えば、CuO−MnO−Cr2 3
いった黒色系複合酸化物顔料が、具体的にあげられる。
【0012】着色剤は、普通、ケイ素アルコキシド系コ
ーティング剤100重量部に1〜50重量部程度の範囲
で添加する。ケイ素アルコキシド系コーティング膜はベ
ースである金属系素材の表面に予め下地層を形成してお
いて、その上に形成するのが好ましい。下地層として
は、化成処理層、有機系プライマー層、無機系プライマ
ー層が挙の他、これらの積層構造、つまり、化成処理層
の上に有機系プライマー層を積層したもの、化成処理層
の上に無機系プライマー層を積層したものなどが挙げら
れる。
【0013】下地層用の有機系プライマー層としては、
例えば、下記のようなプライマー組成物を塗布して形成
するプライマー層が挙げられる。すなわち、 シリコーン変性エポキシ樹脂 40〜60重量部 メラミン樹脂 3〜5重量部 無機系着色顔料および/または体質顔料 11〜23重量部 上記、を溶解し得る1種または2種以上の有機溶剤 12〜44重量部 (ただし、上記の顔料の合計含有量(PWC)は、プ
ライマー組成物の全固形分量に対して35〜45重量%
である。)の各成分が配合されてなるプライマー組成物
を塗布硬化させたプライマー層が挙げられる。
【0014】プライマー組成物の成分であるシリコー
ン変性エポキシ樹脂としては、特に限定はされないが、
たとえば、エポキシ樹脂をキレート配位性官能基で交互
構造としたシリコーン変性エポキシ樹脂: (−(エポキシ)−(PA )−(エポキシ)−(PB
−)n 等が挙げられる。
【0015】シリコーン変性エポキシ樹脂の分子量につ
いては、特に限定されるわけではないが、数平均分子量
5,000〜10,000を有するものと、数平均分子
量20,000〜40,000を有するものの2種類を
併用することが好ましい。この発明において、プライマ
ーのステンレス基材への密着性が優れるのは、下記
(1)、(2)の理由による。
【0016】(1)エポキシ樹脂の変性によって適度な
エポキシ基と水酸基を含有しているため、エポキシ樹脂
とステンレス基材間の水素結合力が強い。 (2)下記化1にみるように、シリコーン変性エポキシ
樹脂がステンレス基材表面の水酸基とオキサン結合を形
成するとともに、樹脂官能基との反応による橋架けの特
性を付与し、初期密着の補強のみならず、二次的(塗膜
の促進劣化後の評価)な付着性も維持することができ
る。
【0017】
【化1】
【0018】プライマー組成物の成分であるメラミン
樹脂は、熱架橋のために用いられる。メラミン樹脂の例
としては、特に限定はされないが、メチルロール化メラ
ミン、トリメチルロール化メラミン等が挙げられる。プ
ライマー組成物の成分である無機系着色顔料および/
または体質顔料のうち、無機系着色顔料としては、特に
限定はされないが、酸化チタン等の焼成顔料等が挙げら
れる。体質顔料としては、特に限定はされないが、タル
ク;リンモリブデン酸アルミニウム系等の防錆顔料等が
挙げられる。ただし、無機系着色顔料ないし体質顔料
(併用の場合は合計)の含有量(以下、「PWC」と称
する)は、プライマー組成物の全固形分量に対して35
〜45重量%である。PWCが、この範囲を外れると、
密着性や耐水性に問題が出てくるからである。
【0019】プライマー組成物の成分である、シリコ
ーン変性エポキシ樹脂およびメラミン樹脂を溶解し得る
溶剤としては、特に限定はされないが、たとえば、アル
コール系溶剤、グルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶
剤等が挙げられる。これらの溶剤のより具体的な例は。
下記の通りである。 アルコール系溶剤:ブチルアルコール等。
【0020】グルコール系溶剤:ブチルセロソルブ、メ
トキシプロパノール等。 芳香族炭化水素系溶剤:キシレン、トルエン等。 溶剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよい。プライマー組成物は、必要に応じて、各種添
加剤を含有していてもよい。添加剤としては、特に限定
はされないが、たとえば、チタネート系カップリング
剤、沈降防止剤、分散剤等が挙げられる。
【0021】溶剤として前記アルコール系溶剤、グルコ
ール系溶剤および芳香族炭化水素系溶剤を併用し、か
つ、前記添加剤を用いる場合、プライマー組成物の各成
分の配合は、特に限定されるわけではないが、下記の例
があげられる。 シリコーン変性エポキシ樹脂 40.0〜60.0重量部 メラミン樹脂 3.0〜5.0重量部 無機系着色顔料 7.0〜13.0重量部 体質顔料 4.0〜10.0重量部 アルコール系溶剤 6.0〜10.0重量部 グルコール系溶剤 7.0〜11.0重量部 芳香族炭化水素系溶剤 9.0〜13.0重量部 添加剤 0.5〜1.5重量部 プライマー組成物をステンレス基材に塗装する方法につ
いては、特に限定はされないが、たとえば、スプレー塗
装、ロール塗装、浸漬塗装等が挙げられる。
【0022】プライマーの塗布量は、望ましくは5〜1
00μm、より望ましくは15〜40μmである。5μ
m未満の場合は、下地に対する隠蔽性がなくなったり、
密着性に問題が生じたりし、また、100μmを超える
場合は、焼付時に発泡等の問題を起こしやすいため、好
ましくないからである。プライマー組成物の焼付乾燥温
度は、50〜200℃の範囲であることが好ましく、1
20〜180℃の範囲であることがより好ましい。
【0023】下地層用としての化成処理層としては、以
下の化成処理被膜が例示される。この発明に用いられる
化成処理被膜とは、通常のクロメート処理およびリン酸
塩化成処理で得られる被膜を指す。化成処理被膜は、ク
ロム酸クロメート、リン酸クロメート、リン酸亜鉛、リ
ン酸カルシウム、リン酸鉄等がある。特に、ステンレ
ス、アルミ基材には、クロメート処理がよく、特にこの
発明で用いる珪素化合物被膜との長期密着性を確保する
には、シリカ粉末あるいはコロイドシリカを含有したク
ロメート処理がよい。また、他に全クロム成分中3価の
クロムイオンを含んでいてもよいが、Cr3+/Cr6+
1が好ましい。一部水溶性有機樹脂を含んでもよいが、
有機樹脂の添加量は5%以下がよい。もし、5%を超え
る量が添加されている場合、クロメート液の安定性が悪
くなったり、性能面では密着性の低下および長期耐久性
に悪影響を与えたりする。また、化成処理被膜は、全ク
ロム量が5mg/m2以上となるようにするのが好ましい。
5mg/m2未満の場合、珪素化合物被膜との密着性および
防食性に悪影響を及ぼす。処理方法は、浸漬処理、塗装
処理等、特にこだわらないが処理量があまり多くなると
着色し、第2層である珪素化合物を塗装しても目立つた
め、30mg/m2以下にするのがよい。また、その時の温
度は、たとえば、常温でよい。塗布した後の処理被膜の
乾燥は、常温でもよいが、作業性から50℃以上で乾燥
させる方がよい。好ましくは、80℃から120℃が良
い。
【0024】化成処理被膜単独では、長期にわたっては
耐水性がなく(たとえば、Cr6+がながれ出る)、防食
性も不充分である。プライマー層が形成された後は、ケ
イ素アルコキシド系コーティング層が形成される。この
ケイ素アルコキシド系コーティング層を形成するために
は、以下に述べる、ケイ素アルコキシド系コーティング
剤−Aまたはケイ素アルコキシド系コーティング剤−B
が用いられる。
【0025】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A
は、前記一般式(I)で表されるケイ素化合物および/
またはその部分加水分解物を主成分とするものである。
このケイ素アルコキシド系コーティング剤−Aは、たと
えば、下記の成分(i)、(ii) および (iii)を主成分
とする混合物を適当な溶剤で希釈し、硬化剤および触媒
を必要量添加して加水分解および縮重合反応させて得ら
れる、重量平均分子量Mwがポリスチレン換算で500〜
3,000、かつ、分子量分布Mw/Mn が1.1〜3.0
(Mnは数平均分子量)であるものが好ましい。より好ま
しくはMw=600〜3,000、かつ、Mw/Mn =1.2
〜1.8である。重量平均分子量および分子量分布が前
記範囲よりも小さい時には、縮重合の際の硬化収縮が大
きくなったり、焼付後に塗膜にクラックが発生しやすく
なったりする傾向にある。また、重量平均分子量および
分子量分布が前記範囲よりも大きい時には、反応が遅す
ぎて硬化しにくいか、または、硬化しても柔らかい塗膜
になったり、塗膜のレベリング性が非常に悪いものとな
ったりする傾向にある。
【0026】(i):一般式(I)においてm=0で示
されるケイ素化合物およびコロイド状シリカ20〜20
0重量部。 (ii) :一般式(I)においてm=1で示されるケイ素
化合物100重量部。 (iii):一般式(I)においてm=2で示されるケイ素
化合物0〜80重量部。
【0027】前記コロイド状シリカは、微粒子シリカ成
分を水、メタノール等の有機溶剤またはこれらの混合溶
剤中に分散して使用するが、それらがコロイド状である
限り、その粒径、溶剤種等は、特に限定されるものでは
ない。ない、前記成分(i)のコロイド状シリカ配合割
合は、分散媒も含む重量部である。ケイ素アルコキシド
系コーティング剤−Aに必要に応じて用いられる前記硬
化剤としては、特に限定はされないが、たとえば、塩
酸、リン酸、硫酸等の無機酸や、蟻酸、酢酸、クロロ酢
酸等の有機酸の希薄溶液等の酸性触媒、後で述べる塩基
性触媒等を単独でまたは2種以上を併せて使用すること
ができる。また、前記成分(i)としてシリカゾルを用
いる場合は、シリカゾルが酸性を示すものであり、これ
が触媒の代わりとなるので、触媒としては何も入れなく
てもよい。
【0028】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A
は、そのpH値を3.8〜6.0に調整することによっ
て、前記の分子量の範囲内で、安定して使用することが
できる。pH値が前記範囲外であると、コーティング剤−
Aの安定性が悪くなり、塗料調製後の使用できる期間が
限られることがある。ここで、pH値調整方法は、特に限
定はされないが、たとえば、コーティング剤−Aの原料
混合時にpH値が3.8未満となった場合は、アンモニア
等の塩基性試薬を用いて前記範囲内のpH値に調整すれば
よく、pH値が6.0を超えた場合も、塩酸等の酸性試薬
を用いてpH調整すればよい。また、pH値によっては、分
子量が小さいままで反応が進まず、前記分子量範囲に到
達するのに時間がかかる場合は、コーティング剤−Aを
加熱して反応を促進させてもよいし、酸性試薬でpH値を
下げて反応を進めた後、塩基性試薬で所定のpH値に戻す
ようにしてもよい。
【0029】上記のようにpH値を調整した場合、また
は、pH調整をしない場合でも、使用にいたるまでの間、
または、少なくとも使用時に、コーティング剤−Aに、
塩基性触媒を添加すれば、縮合反応を促進し、塗膜中の
架橋点を増やすことができるので、安定して耐クラック
性の良い塗膜を得ることができる。また、架橋反応を促
進することによって、硬化時間を短縮し、あるいは、硬
化温度を下げることができるため、経済的である。
【0030】コーティング剤−Aに必要に応じて用いら
れる塩基性触媒としては、特に限定はされないが、たと
えば、トリエタノールアミン等のアミン類;γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、等のアミノシラン類;無機酸(たとえ
ば、塩酸、硝酸、リン酸等)または有機酸(たとえば、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸等)のアンモニア、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン等の
塩、あるいは、無機酸または有機酸の塩と第4級アンモ
ニウム塩との複分解塩等が例示される。これらの種類、
添加量についても、特に限定はされない。
【0031】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A
には、前記の成分の他、必要に応じて、前記シリカゾル
以外の充填剤(たとえば、アルミナゾル、ヒュームドシ
リカ等の無機充填剤)、希釈溶剤、増粘剤、界面活性
剤、紫外線吸収剤等の種々の添加剤が1種以上含まれて
いてもよい。前記希釈溶剤としては、特に限定はされな
いが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール(IPAともいう)等のアルコール類;エチレン
グリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられる。これ
らは、1種のみまたは2種以上併せて用いられる。
【0032】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A
の塗装方法については、特に限定はされないが、たとえ
ば、スプレー塗装、ロール塗装、フローコーター塗装、
浸漬塗装等が挙げられる。また、塗装後の乾燥、焼付条
件についても、特に限定はされないが、60〜200℃
程度で行うことが好ましい。前記組成において、成分
(i)の割合が20重量部未満または200重量部を超
えると、耐クラック性が悪いという問題がある。前記成
分(ii) が80重量部を超えると、塗膜が柔らかすぎて
実用的でない。
【0033】次に、ケイ素アルコキシド系コーティング
剤−Bについて説明する。このコーティング剤−Bは、
下記の成分(a)、成分(b)および成分(c)を必須
成分とするものである。 (a)一般式(R3)n SiX4-n (II) (式中、R3 は各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8
の1価の炭化水素基を表し、Xは加水分解性基を表し、
nは0〜3の整数である。)で表される加水分解性オル
ガノシランを有機溶媒および/または水に分散されたコ
ロイド状シリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシ
ランのシリカ分散オリゴマー溶液。
【0034】 (b)平均組成式(R4)Si(OH) d (4-c-d)/2 (III) (式中、R4 は各々置換もしくは非置換の炭素数1〜8
の1価の炭化水素基を表し、cは0.2≦c≦2、dは
0.0001≦d≦3であり、c+d<4である。)で
表される、分子中にシラノール基を有するポリオルガノ
シロキサン。
【0035】(c)硬化触媒。 ケイ素アルコキシド系コーティング剤−Bに用いられる
成分(a)のシリカ分散オリゴマーは、被膜形成に際し
て、硬化反応に預かる加水分解性基Xを有するベースポ
リマーの主成分である。これは、コロイド状シリカが分
散された有機溶媒および/または水に前記一般式(II)
で表される加水分解性オルガノシランの1種または2種
以上を加え、分散液中の水または別途添加された水で、
この加水分解性オルガノシランを部分加水分解すること
により得ることができる。
【0036】加水分解性オルガノシランを表す前記一般
式(II)中のR3 の具体例としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル等のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシ
ル等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル、2−フ
ェニルプロピル、3−フェニルプロピル等のアラルキル
基;フェニル、トリル等のアリール基;ビニル、アリル
等のアルケニル基;クロロメチル、γ−クロロプロピ
ル、3,3,3−トリフルオロプロピル等のハロゲン置
換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル、γ−グリ
シドキシプロピル、3,4−エポキシシクロヘキシルエ
チル、γ−メルカプトプロピル等の置換炭化水素基等が
挙げられる。これらの中でも、合成の容易さおよび入手
の容易さから、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニ
ル基が好ましい。
【0037】加水分解性基Xの例としては、アルコキシ
ル基、アセトキシ基、オキシム基〔−O−N=C(−
R′)−R〕、エノキシ基〔−O−C(−R)=C(−
R″)−R′〕、アミノ基、アミノキシ基〔−O−N
(−R)−R′〕、アミド基〔−N(−R′)−CO−
R〕(ここで、R、R′およびR″は、たとえば、各々
水素原子または1価の炭化水素基等である)等が挙げら
れる。入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶液を
調製しやすいことから、アルコキシル基が好ましい。
【0038】このような加水分解性オルガノシランとし
ては、前記一般式(II)中のnが0〜3の整数であるモ
ノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキシ
シラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エ
ノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン
類、アミドシラン類等が挙げられる。入手の容易さおよ
びシリカ分散オリゴマー溶液を調製しやすいことから、
アルコキシシラン類が好ましい。
【0039】特に、n=0のテトラアルコキシシランと
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン
等が例示でき、n=1のオルガノトリアルコキシシラン
としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
等が例示できる。また、n=2のジオルガノジアルコキ
シシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシ
シラン等が例示でき、n=3のトリオルガノアルコキシ
シランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチ
ルエトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、
ジメチルイソブチルメトキシシラン等が例示できる。さ
らに、一般にシランカップリング剤と呼ばれるオルガノ
シラン化合物もアルコキシシラン類に含まれる。
【0040】前記一般式(II)で表される加水分解性オ
ルガノシランのうち、50モル%以上がn=1で示され
る3官能性のものであることが好ましく、より好ましく
は60モル%以上であり、最も好ましくは70モル%以
上である。n=1で示される3官能性のものが50モル
%未満では、充分な塗膜硬度が得られないとともに、乾
燥硬化性が劣ることがある。
【0041】成分(a)中のコロイド状シリカは、成分
(a)を含有するケイ素アルコキシド系コーティング剤
−Bの硬化被膜の硬度を高くするために必須のものであ
る。このようなコロイド状シリカとしては、水分散性、
あるいは、アルコール等の非水系の有機溶媒分散性のコ
ロイド状シリカが使用できる。一般に、このようなコロ
イド状シリカ分散液は、固形分としてのシリカを20〜
50重量%含有しており、この値からシリカ配合量が決
定できる。また、水分散性コロイド状シリカを使用する
場合、固形分以外の成分として存在する水は、成分
(a)中の加水分解性オルガノシランの加水分解に用い
ることができる。これらは、通常、水ガラスから作られ
るが、このようなコロイド状シリカ分散物は、市販品を
容易に入手することができる。
【0042】また、有機溶媒分散コロイド状シリカは、
前記水分散性コロイド状シリカの水を有機溶媒と置換す
ることで容易に調製することができる。このような有機
溶媒分散コロイド状シリカも、水分散性コロイド状シリ
カと同様に市販品として容易に入手することができる。
コロイド状シリカが分散している有機溶媒の種類は、た
とえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコ
ール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエ
ーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリ
コール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の
ジエチレングリコールの誘導体またはジアセトンアルコ
ール等を挙げることができる。これらは、単独でまたは
2種以上が併せて用いられる。これらの親水性有機溶媒
と併用して、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
メチルエチルケトオキシム等も用いることができる。
【0043】成分(a)は、コロイド状シリカを5〜9
5重量%の範囲で含有することが好ましい。より好まし
くは10〜90重量%、最も好ましくは20〜85重量
%の範囲である。この含有量が5重量%未満であると、
所望の被膜硬度が得られず、また、95重量%を超える
と、シリカの均一分散が困難となり、成分(a)がゲル
化する等の不都合を招来することがある。
【0044】成分(a)のシリカ分散オリゴマーは、通
常、加水分解性オルガノシランを水分散コロイド状シリ
カまたは有機溶媒分散コロイド状シリカ中で部分加水分
解することによって得ることができる。加水分解性オル
ガノシランに対する水の使用量は、加水分解性基(X)
1モルに対して水0.001〜0.5モルが好ましい。
0.001モル未満では、充分な部分加水分解物が得ら
れず、0.5モルを超えると、部分加水分解物の安定性
が悪くなることがある。部分加水分解する方法は、特に
限定はされないが、加水分解性オルガノシランとコロイ
ド状シリカとを混合して、必要量の水を添加配合すれば
よく、このとき、部分加水分解反応は常温で進行する。
部分加水分解反応を促進させるため60〜100℃に加
温してもよい。さらに、部分加水分解反応を促進させる
目的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、
クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピ
オン酸、グルタル酸、グリコール酸、マレイン酸、マロ
ン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸または
無機酸を触媒に用いてもよい。
【0045】成分(a)は、長期的に安定した性能を得
るためには、液のpH値を2.0〜7.0、好ましくは
2.5〜6.5、より好ましくは3.0〜6.0にする
とよい。pHがこの範囲外であると、特に水の使用量が加
水分解性基(X)1モルに対し0.3モル以上で成分
(a)の長期的な性能低下が著しくなることがある。成
分(a)のpHがこの範囲外にあるときは、この範囲より
も酸性側であれば、アンモニア、エチレンジアミン等の
塩基性試薬を添加して調整すればよく、塩基性側のとき
は、塩酸、硝酸、酢酸等の酸性試薬を用いて調整すれば
よい。しかし、その調整方法は、特に限定されるもので
はない。
【0046】成分(b)のシラノール基を有するポリオ
ルガノシロキサンは、この発明の特徴をなす重要な成分
である。このような成分(b)は、前記平均組成式(II
I)で表される。式(III)中、R4 としては、前記式(I
I)中のR3 と同じものが例示されるが、好ましくは、
炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ビニル基、γ
−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピ
ル基、γ−アミノプロピル基、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル基等の置換炭化水素基、より好ましくはメチ
ル基またはフェニル基である。また、前記式(III)中、
cおよびdはそれぞれ前記の関係を満たす数であり、c
が0.2未満またはdが3を超えると、硬化被膜にクラ
ックが生じる等の不都合があり、また、cが2を超えd
が0.0001未満では、硬化が好ましく進行しない。
【0047】このようなシラノール基を有するポリオル
ガノシロキサンは、たとえば、メチルトリクロロシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラ
ン、ジフェニルジクロロシラン、または、これらに対応
するアルコキシシランの1種もしくは2種以上を公知の
方法により大量の水で加水分解することにより得ること
ができる。シラノール基を有するポリオルガノシロキサ
ンを得るために、アルコキシシランを用いて公知の方法
で加水分解した場合、加水分解されないアルコキシル基
が微量に残る場合がある。つまり、シラノール基と極微
量のアルコキシル基とが共存するようなポリオルガノシ
ロキサンが得られることもあるが、この発明では、この
ようなポリオルガノシロキサンも用いることができる。
【0048】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−B
の成分(c)である硬化触媒は、前記成分(a)と成分
(b)との縮合反応を促進し、被膜を硬化させるもので
ある。このような触媒としては、特に限定はされない
が、たとえば、アルキルチタン酸塩、オクチル酸スズ、
ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレート
等のカルボン酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソ
エート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミン
アセテート等のアミン塩;酢酸テトラメチルアンモニウ
ム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチレ
ンペンタミン等のアミン類;N−β−アミノエチル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノ
エチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等
のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホ
ン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキ
シド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物;
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;テトライソ
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニ
ウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合
物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン
等が挙げられる。しかし、これらの触媒の他にも、成分
(a)と成分(b)との縮合反応の促進に有効なもので
あれば用いることができ、特に制限はない。
【0049】成分(a)および成分(b)の配合割合
は、成分(a)と成分(b)の合計量を100重量部と
して、成分(a)1〜99重量部に対して成分(b)9
9〜1重量部であり、より好ましくは成分(a)5〜9
5重量部に対して成分(b)95〜5重量部、特に好ま
しくは成分(a)10〜90重量部に対して成分(b)
90〜10重量部である。成分(a)が1重量部未満で
あると、常温硬化性が劣り、また、充分な被膜硬度が得
られない。一方、成分(a)が99重量部を超えると、
硬化性が不安定で且つ良好な塗膜が得られないことがあ
る。
【0050】成分(c)の添加量は、成分(a)と成分
(b)の合計100重量部に対して0.0001〜10
重量部であることが好ましく、より好ましくは0.00
05〜8重量部であり、特に好ましくは0.0007〜
5重量部である。成分(c)の添加量が0.0001重
量部未満では、常温で硬化しないことがあり、10重量
部を超えると、耐熱性や耐候性が悪くなることがある。
【0051】成分(a)のシリカ分散オリゴマーに含有
される加水分解性基と成分(b)のシラノール基とは、
成分(c)の硬化触媒の存在下で常温または低温(たと
えば、温度100℃以下)で縮合反応し、硬化被膜を形
成する。したがって、湿気硬化タイプのコーティング組
成物とは異なり、この発明で用いられるケイ素アルコキ
シド系コーティング剤−Bは、常温で硬化するときにも
湿度の影響をほとんど受けない。一方、加熱処理により
縮合反応を促進して硬化被膜を形成することができる。
【0052】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−B
には、前記の成分の他、必要に応じて、前記シリカゾル
以外の充填剤(アルミナゾル、ヒュームドシリカ等の無
機充填剤)、希釈溶剤、増粘剤、界面活性剤、紫外線吸
収剤等の種々の添加剤が1種以上含まれていてもよい。
前記希釈溶剤としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IP
Aともいう)等のアルコール類;エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられ
る。これらは、1種のみまたは2種以上併せて用いられ
る。これらの親水性有機溶媒と併用して、トルエン、キ
シレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシ
ム等も用いることができる。
【0053】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−B
の保存方法としては、成分(a)、(b)および(c)
をそれぞれ別々に保存する3梱包形態をとるのが一般的
であるが、成分(a)と成分(c)の混合成分と成分
(b)を分けて2梱包形態とし、使用時に両者を混合す
るか、すべての成分を混合して一容器内に保存する1梱
包形態とすることも可能である。
【0054】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−B
は、通常の塗装方法でコーティングすることができ、た
とえば、刷毛塗り、スプレー塗装、ロール塗装、フロー
コーター塗装、浸漬塗装等の各種塗布方法を選択でき
る。硬化条件は、5〜200℃が好ましく、10〜15
0℃がより好ましい。5℃未満であると、硬化しにくく
なり、200℃を超えると、発泡の恐れがある。第2層
の塗装膜厚は、硬化後3μm以上となるようにするのが
好ましい。3μm未満では、ピンホールができやすくな
り、防食性が悪化することがある。
【0055】
【作用】この発明の場合、ベースである金属素材の表面
に、耐久性に富む無機系塗装膜が形成されているため、
長期の耐久性という点では十分であり、塗膜であるた
め、フッ素系フィルム、アクリル系フィルム等を金属素
材にラミネートする場合と違い種々の形状品に対応でき
る上、有機系フッ素系被膜の場合のような水漏れ防止の
ための特殊な接着作業も不要であって施工性の低下も問
題とならない。無機系塗装膜は凹凸模様の表面に上に形
成されているため、接着面積増大と投錨効果で密着性も
よりよくなるし、凹凸模様が表面に現出しているため高
デザイン性も実現できている。
【0056】
【実施例】次に、この発明の実施例と比較例を示すが、
この発明は下記実施例に限定されない。以下では、原則
として、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を
示す。下記の実施例で用いたプライマー組成物P−1は
表1および下記に示すものである。また、下記の実施例
で用いた化成処理層形成用の処理も表2に示した。
【0057】プライマー組成物P−1 プライマー組成物P−1として、イサム塗料(株)製の
E−1焼付プライマーF−039を用いた。このE−1
焼付プライマーF−039は、下記の手順により調製さ
れたものである。まず、エポキシ樹脂をキレート配位性
官能基で交互構造としたシリコーン変性エポキシ樹脂
(分子量5,000〜10,000のものと20,00
0〜40,000のもが半々)50部およびメラミン樹
脂4部に対し、溶剤として、ブチルアルコール、ブチル
セロスルブおよびキシレンの8:9:6の重量比の混合
溶剤23部を添加し、ディスパーにより1000rpm で
15分間攪拌する。15分後、さらに攪拌しながら無機
系着色顔料として酸化チタン10部と体質顔料としてタ
ルクおよびリンモリブデン酸アルミニウムを合計7部加
える。その後、さらに10分程、攪拌を続け、粗練りを
行う。粗練りが終了した液をサンドグラインドミルにか
けて分散を行い、分散終了後、キシレン5部を添加する
ことにより、プライマーF−039を得る。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】また、下記の実施例および比較例で用いた
ケイ素アルコキシド系コーティング剤は下記の通りであ
る。ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A(A−1)の
調製 メチルトリメトキシシラン100部、テトラエトキシシ
ラン20部、IPAオルガノシリカゾル(商品名「OS
CAL1432」、触媒化成工業(株)製、SiO2
有量30%)150部、ジメチルジメトキシシラン40
部およびイソプロピルアルコール(IPA)100部を
混合し、さらに水200部を添加して攪拌した。これを
60℃の恒温槽中で分子量Mwを1200に調整するこ
とにより、ケイ素アルコキシド系コーティング剤A−1
を得た。なお、分子量は、GPC(ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィー、東ソー(株)製:HLC802
0)を用いて、標準ポリスチレンで検量線を作成し、測
定した。
【0061】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A
(A−2)の調製 メチルトリメトキシシラン100部、テトラエトキシシ
ラン10部、IPAオルガノシリカゾル(商品名「OS
CAL1432」、触媒化成工業(株)製、SiO2
有量30%)110部、ジメチルジメトキシシラン20
部およびイソプロピルアルコール(IPA)100部を
混合した。この混合溶液に、触媒として1N塩酸1部と
水5部を加えて、S−1液を作製した。
【0062】このS−1液100部に粉末シリカ(日本
アエロジル(株)製、アエロジルR972)0.3部を
添加した。ディスパーを用い、容器内にガラスビーズを
添加して、2000rpm で15分間分散し、得られたS
−2液を25℃で3日間密栓して保存した。使用時に、
S−2液100部に対して水27部、IPA27部およ
び触媒として1N塩酸0.2部を加え、25℃下500
rpm で10分間攪拌することにより、ケイ素アルコキシ
ド系コーティング剤A−2を得た。
【0063】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−B
(B−1)の調製 成分(a)の調製 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計を
取りつけたフラスコ中にイソプロパノール分散コロイダ
ルシリカゾルIPA−ST(粒子径10〜20μm、固
形分30%、日産化学工業社製)100部、メチルトリ
メトキシシラン65部、水5.05部を投入して攪拌し
ながら、65℃で5時間かけて部分加水分解反応を行っ
た後、冷却することにより、成分(a)を得た。このも
のは、室温で48時間放置したときの固形分が36%で
あった。この成分(a)の調製条件は、下記の通りであ
る。
【0064】 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 … 0.1モル ・シリカ分含有量 … 47.2% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル% … 100モル%成分(b)の調製 メチルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)と
トルエン160部との混合液を計り取り、攪拌機、加温
ジャケット、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を
取りつけたフラスコに仕込み、その後、1%塩酸水溶液
105部を、攪拌されている上記の混合液に30分かけ
て滴下して、メチルトリイソプロポキシシランを加水分
解した。滴下終了後、さらに40分経過した時に攪拌を
止め、2層に分離した少量の塩酸を含んだ下層の水・イ
ソプロピルアルコールの混合液を分液した。次いで、後
の残ったトルエンと樹脂を含有する溶液中の塩酸を水洗
で除去し、さらにトルエンを減圧除去した後、イソプロ
ピルアルコールで希釈することにより、平均分子量約2
000のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン(高
分子シラノール)(成分(b))のイソプロピルアルコ
ール40%溶液を得た。なお、分子量は、GPC(ゲル
パーミェーションクロマトグラフィー、東ソー(株)
製:HLC−802UR)を用いて、標準ポリスチレン
で検量線を作成し、測定したものである。
【0065】使用に際しては、前記で得られた成分
(a)100部に対してヒュームドシリカとして日本ア
エロジル社製♯200を3部添加した後、サンドミルを
用いて1000rpm で20分間処理した。得られた液
に、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン0.5部およびジブチル錫ジラウレー
ト1部を成分(c)の硬化触媒として加えて、液A′を
調製した。この液A′と、前記で得られたシラノール基
含有ポリオルガノシロキサン(成分(b))のイソプロ
ピルアルコール40%溶液とを、成分(a)と成分
(b)の重量比が50:50になるように混合すること
により、ケイ素アルコキシド系コーティング剤B−1を
得た。
【0066】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A
(A−3)の調製 ケイ素アルコキシド系コーティング剤A−1に、着色剤
として黒色系用のCuO−MnO−Cr2 3 複合酸化
物微粒状顔料をケイ素アルコキシド系コーティング剤1
00部に対し3部の割合で配合した。ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A(A−4)の
調製 ケイ素アルコキシド系コーティング剤A−2に、着色剤
として黒色系用のCuO−MnO−Cr2 3 複合酸化
物微粒状顔料をケイ素アルコキシド系コーティング剤1
00部に対し3部の割合で配合した。
【0067】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−B
(B−2)の調製 ケイ素アルコキシド系コーティング剤B−1に、着色剤
として黒色系用のCuO−MnO−Cr2 3 複合酸化
物微粒状顔料をケイ素アルコキシド系コーティング剤1
00部に対し3部の割合で配合した。ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A(A−5)の
調製 ケイ素アルコキシド系コーティング剤A−1に、着色剤
として黒色系用のCuO−MnO−Cr2 3 複合酸化
物顔料をケイ素アルコキシド系コーティング剤100部
に対し35部の割合で配合した。
【0068】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−A
(A−6)の調製 ケイ素アルコキシド系コーティング剤A−2に、着色剤
として黒色系用のCuO−MnO−Cr2 3 複合酸化
物顔料をケイ素アルコキシド系コーティング剤100部
に対し35部の割合で配合した。ケイ素アルコキシド系コーティング剤−B(B−3)の
調製 ケイ素アルコキシド系コーティング剤B−1に、着色剤
として黒色系用のCuO−MnO−Cr2 3 複合酸化
物顔料をケイ素アルコキシド系コーティング剤100部
に対し35部の割合で配合した。
【0069】ケイ素アルコキシド系コーティング剤−B
(B−3)の調製 着色剤の添加のタイミングは調整途中でも最後の段階で
もいずれでもよく特定の段階に限らない。B−1〜3は
実施例の場合、常温程度で硬化させた。着色剤3部添加
の場合、透明膜となり、35部添加の場合は不透明膜と
なる。 −実施例1〜6− 実施例1〜6では、表3にみるように、建築用材料に成
形加工するとともに表面に凹凸模様のついた金属基材を
用い、下地処理したあとケイ素アルコキシド系コーティ
ング剤を用いて透明な無機系塗装膜を凹凸模様のある面
に形成した。梨(ナシ)地模様は深さ2mm、ストライ
プ模様は深さ2.5mmであって、ロール成形で模様形
成したものである。
【0070】下地層を形成する前に脱脂を行った。脱脂
は、例えば、アルカリ脱脂を行った後、イオン交換水で
洗浄した後、120℃で10分間乾燥させることにより
行った。プライマー組成物としてP−1の場合はスプレ
ー塗装で膜厚を20μmとして、焼付は150℃で20
分間行った。ケイ素アルコキシド系コーティング剤A−
1はスプレー塗装し、膜厚を25μmとして、焼付は1
50〜180℃で15〜30分間行った。
【0071】−実施例7〜12− 実施例7〜12では、表4にみるように、ケイ素アルコ
キシド系コーティング剤がA−2である他は、実施例1
〜6とほぼ同様にした。 −実施例13〜18− 実施例13〜18では、表5にみるように、ケイ素アル
コキシド系コーティング剤がB−1である他は、実施例
1〜6とほぼ同様にした。
【0072】−実施例19〜24− 実施例19〜24では、表6にみるように、ケイ素アル
コキシド系コーティング剤がA−3である他は、実施例
1〜6とほぼ同様にした。 −実施例25〜30− 実施例25〜30では、表7にみるように、ケイ素アル
コキシド系コーティング剤がA−4である他は、実施例
1〜6とほぼ同様にした。
【0073】−実施例31〜36− 実施例31〜36では、表8にみるように、ケイ素アル
コキシド系コーティング剤がB−2である他は、実施例
1〜6とほぼ同様にした。 −実施例37〜42− 実施例37〜42では、表9にみるように、ケイ素アル
コキシド系コーティング剤がA−5である他は、実施例
1〜6とほぼ同様にした。
【0074】−実施例43〜48− 実施例43〜48では、表10にみるように、ケイ素ア
ルコキシド系コーティング剤がA−6である他は、実施
例1〜6とほぼ同様にした。 −実施例49〜54− 実施例49〜54では、表11にみるように、ケイ素ア
ルコキシド系コーティング剤がB−3である他は、実施
例1〜6とほぼ同様にした。
【0075】−比較例1− 比較例1では、表12にみるように、凹凸模様がない他
は実施例1と同様にした。 −比較例2− 比較例2では、表12にみるように、凹凸模様がない他
は実施例3と同様にした。
【0076】−比較例3− 比較例3では、表12にみるように、凹凸模様がない他
は実施例5と同様にした。 −比較例4− 比較例4では、表12にみるように、凹凸模様がない他
は実施例6と同様にした。
【0077】−比較例5− 比較例5では、ケイ素アルコキシド系コーティング膜の
代わりにアクリル−シリコン塗料により有機系の塗装膜
を形成した他は、比較例1と同様にした。以上の実施例
および比較例で得られた建築用材料について、塗膜密着
性、耐腐食性および耐候性を調べた。
【0078】塗膜密着性は、煮沸水にステンレス塗装物
品を5時間浸漬後、風乾し、3時間以内に粘着テープ
(セロハンテープ)で確認した。耐腐食性は、ソルトス
プレー試験2,000時間後の状況を目視で評価した。
耐候性は、アイス−パーUVテスターで、下記の条件を
1サイクルとする(8時間+4時間=12時間を1サイ
クル)試験をUV照射時間1,000時間まで行った後
の状況を評価した。
【0079】 試験条件 時間: 8時間 4時間 UV照射: あり(100mW/cm2) なし 温度: 63℃ 35℃ 湿度: 50% 90%以上(結露あり) それらの結果を各表に併記した。
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】
【表9】
【0087】
【表10】
【0088】
【表11】
【0089】
【表12】
【0090】各表にみるように、実施例の建築用材料
は、塗膜密着性、耐腐食性および耐候性のいずれについ
ても充分であり、比較例の建築用材料よりも優れている
ことが確認された。
【0091】
【発明の効果】この発明の場合、ベースである金属素材
の表面に耐久性に富む無機系塗装膜が形成されているた
め、充分な長期の耐久性があり、塗膜であるため、フィ
ルムを金属素材にラミネートする場合と違い種々の形状
品に対応できる上、水漏れ防止のための特殊な接着作業
も不要であって施工性の低下も問題とならないのに加え
て、無機系塗装膜は凹凸模様の表面に上に形成されてい
るため、接着面積増大と投錨効果で密着性もよりよくな
るし、凹凸模様が表面に現出しているため高デザイン性
も実現できており、したがって、この発明の建築用材料
は非常に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の形状に加工され表面に凹凸模様が
    施されてなる金属系素材をベースとし、前記凹凸模様が
    施されてなる表面の上に無機系塗装膜を有する建築用材
    料。
JP6415293A 1993-03-23 1993-03-23 建築用材料 Pending JPH06269732A (ja)

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JP6415293A JPH06269732A (ja) 1993-03-23 1993-03-23 建築用材料

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