JP3023392B2 - 塗装物品およびその製造方法 - Google Patents

塗装物品およびその製造方法

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JP3023392B2 JP3246306A JP24630691A JP3023392B2 JP 3023392 B2 JP3023392 B2 JP 3023392B2 JP 3246306 A JP3246306 A JP 3246306A JP 24630691 A JP24630691 A JP 24630691A JP 3023392 B2 JP3023392 B2 JP 3023392B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属系基材の塗装物
品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレスなどの鋼板、アルミニ
ウムなどの非鉄金属の塗装物品として有機系被膜を形成
したものや水ガラス系被膜を形成したものが知られてい
る。しかしながら、ほとんどが着色層を有するものであ
る。最近、金属の材質感を残し、金属の欠点である腐食
するという欠点を克服する塗装物品が望まれるようにな
ってきた。そのニーズを反映して、一部では弗素系クリ
ヤー塗装されたステンレス基材や水ガラス系のコーティ
ング材を塗装したものがあるが、長期の耐久性という面
では充分ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、長期の耐久性
が充分であるコーティング材を検討したところ、後で詳
しく説明するような、透明性を有する第1および第2の
コーティング材が良いことを見いだした。しかし、これ
らのようなコーティング材からなる被膜は、直接ステン
レスやアルミニウムのような金属系基材に長期に密着さ
せることは難しい。通常のプライマーを使用してそのコ
ーティング材を塗装することも検討したが、基材の材質
感を残すような場合には、プライマーに紫外線があたり
プライマーが劣化してしまうという問題があった。
【0004】そこで、この発明は、金属系基材の材質感
を残し、長期にわたって防食性、耐候性、耐汚染性等を
確保し、メインテナンスフリーな塗装物品を提供するこ
と、および、そのような物品の製造方法を提供すること
を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記従来の
塗装物品の問題点の解決方法を鋭意検討した結果、金属
系基材を脱脂洗浄し表面を清浄化し、化成処理を行った
後、有機溶媒あるいは水に分散されたコロイダルシリカ
(コロイド状シリカ)と水がある中で、あるいは、有機
溶剤と水の存在下で、アルコキシシランを加水分解、縮
重合させたコーティング材(以下、「第1のコーティン
グ材」と言う)を塗装、硬化させるか、有機溶媒あるい
は水に分散されたコロイダルシリカ中でアルコキシシラ
ンを部分加水分解したシリカ分散オリゴマーとシラノー
ル基含有オルガノポリシロキサンおよび触媒からなるコ
ーティング材(以下、「第2のコーティング材」と言
う)を塗装、硬化させることで問題点をすべて解決する
ことを見いだし、この発明を完成するにいたった。
【0006】すなわち、この発明の塗装物品は、金属基
材上に、第1層として化成処理被膜が形成され、第1層
の上に第2層として、下記一般式: R’m Si(OR”)4-m … 〔ただし、R’はメチル基、エチル基またはフェニル
基、 R”は炭素数1〜4のアルキル基、 mは、0、1または2である。〕で示される化合物Iお
よびコロイダルシリカのうちの少なくとも化合物Iから
なる原材料を加水分解、縮重合させ、末端がシラノール
のプレポリマーを重合させてなる被膜が形成されている
ものである。この被膜は、該プレポリマーからなる第1
のコーティング材から形成された珪素化合物からなって
いて、透明性を有する。
【0007】この発明の塗装物品は、また、金属基材上
に、第1層として化成処理被膜が形成され、第1層の上
に第2層として、下記に示す珪素化合物からなる透明性
を有する被膜が形成されているものである。すなわち、
この珪素化合物は、下記成分A、BおよびCを必須成分
とする第2のコーティング材からなるものである。 (A)一般式 R1 n SiX4-n … 〔式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。〕で表される加水分解性
オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイ
ダルシリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシラン
のシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)平均組成式 R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 … 〔式中、R2 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそ
れぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b
<4の関係を満たす数である。〕で表される、分子中に
シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。 (C)触媒。
【0008】この発明の塗装物品の製造方法は、金属基
材上に、第1層として化成処理被膜を形成した後、第2
層として、上記第1のコーティング材を塗装、硬化させ
て透明性を有する被膜を形成するようになっている。こ
の発明の塗装物品の製造方法は、また、金属基材上に、
第1層として化成処理被膜を形成した後、第2層とし
て、上記第2のコーティング材を塗装、硬化させて透明
性を有する被膜を形成するようになっている。
【0009】この発明に用いられる化成処理被膜とは、
通常のクロメート処理およびリン酸塩化成処理で得られ
る被膜を指す。化成処理被膜は、クロム酸クロメート、
リン酸クロメート、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リ
ン酸鉄等がある。特に、ステンレス、アルミ基材には、
クロメート処理がよく、特にこの発明で用いる珪素化合
物被膜との長期密着性を確保するには、シリカ粉末ある
いはコロイドシリカを含有したクロメート処理がよい。
また、他に全クロム成分中3価のクロムイオンを含んで
いてもよいが、Cr3+/Cr6+≦1が好ましい。一部水
溶性有機樹脂を含んでもよいが、有機樹脂の添加量は5
%以下がよい。もし、5%を超える量が添加されている
場合、クロメート液の安定性が悪くなったり、性能面で
は密着性の低下および長期耐久性に悪影響を与えたりす
る。また、化成処理被膜は、全クロム量が5mg/m2以上
となるようにするのが好ましい。5mg/m2未満の場合、
珪素化合物被膜との密着性および防食性に悪影響を及ぼ
す。処理方法は、浸漬処理、塗装処理等、特にこだわら
ないが処理量があまり多くなると着色し、第2層である
珪素化合物を塗装しても目立つため、30mg/m2以下に
するのがよい。また、その時の温度は、たとえば、常温
でよい。塗布した後の処理被膜の乾燥は、常温でもよい
が、作業性から50℃以上で乾燥させる方がよい。好ま
しくは、80℃から120℃が良い。
【0010】化成処理被膜単独では、長期にわたっては
耐水性がなく(たとえば、Cr6+がながれ出る)、防食
性も不充分である。化成処理被膜を形成した後、珪素化
合物被膜を第2層として施すが、この発明で用いられる
珪素化合物被膜を得るための材料について次に説明す
る。第1のコーティング材は、上記一般式で表される
化合物Iおよびコロイド状シリカのうちの少なくとも化
合物Iからなる原材料を加水分解、縮重合させてなる末
端がシラノールのプレポリマーを必須成分するものであ
る。このコーティング材は、たとえば、下記の成分a、
bおよびcを主成分とする混合物が加水分解および重縮
合反応してなり、重量平均分子量Mwがポリスチレン換
算で500〜3000、かつ、分子量分布Mw/Mnが
1.1〜3.0(Mnは数平均分子量)である、末端シ
ラノールのプレポリマーを必須成分とするコーティング
材である。このコーティング材は、pH値が3.8〜
6.0に調整されている方が安定性がよい。 (a)上記一般式においてn=0で表される珪素化合
物および/またはコロイダルシリカを20〜200重量
部。 (b)上記一般式においてn=1で表される珪素化合
物100重量部。 (c)上記一般式においてn=2で表される珪素化合
物0〜80重量部。
【0011】この発明で用いる第1のコーティング材
(無機系コーティング材組成物)は、たとえば、上記各
原料ケイ素化合物成分a、bおよびcを適当な溶剤で希
釈し、そこに硬化剤および触媒を必要量添加して加水分
解および重縮合反応を行わせることによりプレポリマー
を生成させて調製される。同プレポリマーの分子量は、
重量平均分子量Mwがポリスチレン換算で500〜30
00、かつ、分子量分布Mw/Mn(Mnは数平均分子
量)が1.0〜3.0である必要があり、好ましくは、
Mw=600〜3000、かつ、Mw/Mn=1.2〜
1.8である。前記プレポリマーの重量平均分子量およ
び分子量分布が前記範囲よりも小さいときには、縮重合
の際の硬化収縮が大きくなる傾向にあり、焼付け後に塗
膜にクラックが発生しやすくなる傾向になる。また、前
記範囲よりも大きいときには、反応が遅すぎて硬化しに
くいか、または、硬化しても柔らかい塗膜になったり、
塗膜のレベリング性が非常に悪いものとなる傾向にあ
る。
【0012】前記コロイダルシリカは、微粒子シリカ成
分が水、メタノール等の有機溶剤、これらの混合溶剤に
分散されたものであるが、その粒径、溶剤種等は特に限
定されるものではない。なお、上記成分aとしてコロイ
ド状シリカを用いる場合、上記配合割合は、分散媒も含
む重量部である。この発明で使用される硬化剤として
は、たとえば水が用いられ、この量としては、特に限定
はないが、コーティング材組成物中の重量%で、好まし
くは45%以下、より好ましくは25%以下がよい。
【0013】この発明で使用される触媒は特に限定され
ないが、たとえば、塩酸、燐酸、硫酸等の無機酸や、蟻
酸、酢酸、クロロ酢酸等の有機酸の希薄溶液などの酸性
触媒、後で述べる塩基性触媒などを単独であるいは2以
上併せて使用することができる。また、上記成分aとし
てシリカゾルを用いる場合には、シリカゾルが酸性を示
すものであり、これが触媒の代わりになるので、触媒と
しては何も入れなくてもよい。
【0014】この発明で用いる無機系コーティング材組
成物は、pH値を3.8〜6.0に調整することによっ
て、上記の分子量の範囲内で、安定して使用することが
できる。pH値が前記範囲外であると、コーティング材
組成物の安定性が悪いため、塗料調製時からの使用でき
る期間が限られてしまうことがある。ここで、pH値調
整方法は特に限定されるものではないが、たとえば、コ
ーティング材の原料混合時にpH値が3.8未満となっ
た場合は、たとえば、アンモニア等の塩基性試薬を用い
て前記範囲内のpHに調整すればよく、pH値が6.0
を越えた場合も、たとえば、塩酸等の酸性試薬を用いて
調整すればよい。また、pHによっては、分子量が小さ
いままで反応が進まず、上記分子量範囲に到達させるの
に時間がかかる場合は、コーティング材を加熱して反応
を促進してもよいし、酸性試薬でpH値を下げて反応を
進めた後、塩基性試薬で所定のpH値に戻すようにして
もよい。
【0015】上で述べたようにpHの調整されたか、あ
るいは、pH調整のされていないコーティング材に、少
なくとも使用時に、すなわち、使用にいたるまでの間ま
たは使用時に、塩基性触媒を添加するようにすれば、縮
合反応を促進し、塗膜中の架橋点を増やすことができる
ので、安定して耐クラック性の良い塗膜を得ることがで
きる。また、架橋反応が促進されることによって、硬化
時間を短縮し、あるいは、硬化温度を下げることができ
るため、経済的であり、しかも、低温焼付けしかできな
い基材にも適用できる効果もある。塩基性触媒として
は、アミン類(たとえば、トリエタノールアミン等)、
アミノシラン類(たとえば、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等)
や、無機酸(たとえば、塩酸、硝酸、リン酸など)およ
び有機酸(たとえば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸など)
のアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
n−ブチルアミン等の塩、あるいは、無機酸および有機
酸の塩と第4級アンモニウム塩との複分解塩等がある
が、その種類、添加量については特に限定されるもので
はない。
【0016】以上の製法によって調製された無機系コー
ティング材組成物には、上記の成分の他、必要に応じ
て、各種着色剤、上記シリカゾル以外の充填剤(たとえ
ば、アルミナゾル、ヒュームドシリカなどの無機充填
剤)、希釈溶剤、増粘剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等
種々の添加剤が1種以上加えられてもよい。前記希釈溶
剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル(IPAとも言う)等のアルコール;エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル等が例示され、これら
は、単独であるいは複数で使用される。
【0017】この発明における、無機系コーティング材
組成物の塗装方法は、たとえば、スプレー塗装、ロール
塗装、フローコーター塗装、浸漬塗装などが挙げられ、
特に限定されない。また、塗装後の乾燥・焼付け条件に
ついても、特に限定されないが、60〜200℃程度で
行うことが好ましい。また、上記成分aの割合が20重
量部未満または200重量部を越えると、耐クラック性
が悪いという問題がある。上記成分cが80重量部を越
えると塗膜が柔らかすぎて実用的でない。
【0018】次に、第2のコーティング材について説明
する。このコーティング材は、下記のA成分、B成分お
よびC成分を必須成分とするものである。 (A)一般式 R1 n SiX4-n … 〔式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。〕で表される加水分解性
オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイ
ダルシリカ中で部分加水分解してなる、オルガノシラン
のシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)平均組成式 R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 … 〔式中、R2 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそ
れぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b
<4の関係を満たす数である。〕で表される、分子中に
シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。 (C)触媒。
【0019】この発明で用いられるA成分のシリカ分散
オリゴマーは被膜形成に際して、硬化反応に預かる官能
性基としての加水分解性基(X)を有するベースポリマ
ーの主成分である。これは有機溶媒または水(有機溶媒
と水との混合溶媒も含む)に分散されたコロイダルシリ
カに、一般式で表される加水分解性オルガノシランの
1種または2種以上を加え、コロイダルシリカ中の水あ
るいは別途添加された水で、該加水分解性オルガノシラ
ンを部分加水分解することで得られる。
【0020】一般式で表される加水分解性オルガノシ
ラン中のR1 は炭素数1〜8の置換または非置換の1価
の炭化水素基を示し、たとえば、メチル基、エチル、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2−フ
ェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニ
ルプロピル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル
基などのようなアリール基;ビニル基、アリル基などの
ようなアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロ
ピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのよ
うなハロゲン置換炭化水素基;および、γ−メタクリロ
キシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプ
ロピル基などの置換炭化水素基などを例示することがで
きる。これらの中でも合成の容易さ、あるいは入手の容
易さから炭素数1〜4のアルキル基およびフェニル基が
好ましい。
【0021】加水分解性基Xとしては、アルコキシ基、
アセトキシ基、オキシム基〔−O−N=C(−R’)−
R〕、エノキシ基〔−O−C(−R)=C(−R”)−
R’〕、アミノ基、アミノキシ基〔−O−N(−R)−
R’〕、アミド基〔−N(−R’)−CO−R〕〔ここ
で、R、R’およびR”は、たとえば、それぞれ、独立
に水素または1価の炭化水素基などである〕などが挙げ
られる。入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶液
を調製しやすいことからアルコキシ基が好ましい。
【0022】このような加水分解性オルガノシランとし
ては、一般式中のnが0〜3の整数であるモノ−、ジ
−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキシシラン
類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシ
シラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミ
ドシラン類などが挙げられる。入手の容易さおよびシリ
カ分散オルガノシランオリゴマー溶液を調製しやすいこ
とからアルコキシシラン類が好ましい。
【0023】特に、n=0のテトラアルコキシシランと
してはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランな
どが例示でき、n=1のオルガノトリアルコキシシラン
としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
などが例示できる。また、n=2のジオルガノジアルコ
キシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキ
シシランなどが例示でき、n=3のトリオルガノアルコ
キシシランとしてはトリメチルメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラ
ン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示でき
る。さらに、一般にシランカップリング剤とよばれるオ
ルガノシラン化合物もアルコキシシラン類に含まれる。
【0024】これらの一般式で表される加水分解性オ
ルガノシランのうち50モル%以上がn=1で表される
三官能性のものであることが好ましく、より好ましくは
60モル%以上であり、最も好ましくは70モル%以上
である。これが50モル%未満では十分な塗膜硬度が得
られないと共に、乾燥硬化性が劣り易いことがある。A
成分中のコロイダルシリカは、この発明で用いる第2の
コーティング材(コーティング用組成物)の硬化被膜の
硬度を高くするために必須のものである。このようなコ
ロイダルシリカとしては、水分散性あるいはアルコール
などの非水系の有機溶媒分散性コロイダルシリカが使用
できる。一般にこのようなコロイダルシリカは固形分と
してのシリカを20〜50重量%含有しており、この値
からシリカ配合量を決定できる。また、水分散性コロイ
ダルシリカを使用する場合、固形分以外の成分として存
在する水は成分Aの有機ケイ素化合物の加水分解に用い
ることができる。これらは通常水ガラスから作られる
が、このようなコロイダルシリカは市販品を容易に入手
することができる。また、有機溶媒分散コロイダルシリ
カは前記水分散性コロイダルシリカの水を有機溶媒と置
換することで容易に調製することができる。このような
有機溶剤分散コロイダルシリカも水分散コロイダルシリ
カ同様に市販品として容易に入手することができる。コ
ロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類は、たと
えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコー
ル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエー
テル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコ
ール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジ
エチレングリコールの誘導体およびジアセトンアルコー
ル等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれ
る1種もしくは2種以上のものを使用することができ
る。これらの親水性有機溶剤として併用してトルエン、
キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシ
ムなども用いることができる。
【0025】A成分中においてコロイダルシリカはシリ
カ分として5〜95重量%の範囲で含有される。より好
ましくは10〜90重量%、最も好ましくは20〜85
重量%の範囲である。含有量が5重量%未満であると所
望の被膜硬度が得られず、また、95重量%を超えると
シリカの均一分散が困難となりA成分がゲル化などの不
都合を招来することがある。
【0026】A成分のシリカ分散オリゴマーは、通常加
水分解性オルガノシランを水分散コロイダルシリカまた
は有機溶媒分散コロイダルシリカ中で部分加水分解して
得ることができる。加水分解性オルガノシランに対する
水の使用量は、加水分解性基(X)1モルに対して水
0.001〜0.5モルが好ましい。0.001モル未
満だと十分な部分加水分解物が得られず、0.5モルを
越えると部分加水分解物の安定性が悪くなることがあ
る。部分加水分解する方法は特に限定されず、加水分解
性オルガノシランとコロイダルシリカとを混合して、必
要量の水を添加配合すればよく、このとき部分加水分解
反応は常温で進行する。部分加水分解反応を促進させる
ため60〜100℃に加温してもよい。さらに部分加水
分解反応を促進させる目的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化
シラン、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマ
ロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタル酸、グリコール
酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュ
ウ酸などの有機酸および無機酸を触媒に用いてもよい。
【0027】A成分は長期的に安定して性能を得るため
には、液のpHを2.0〜7.0、好ましくはpH2.
5〜6.5、より好ましくはpH3.0〜6.0にする
とよい。pHがこの範囲外であると、特に水の使用量が
X1モルに対し0.3モル以上でA成分の長期的な性能
低下が著しくなることがある。A成分のpHがこの範囲
外にあるときは、この範囲より酸性側であれば、アンモ
ニア、エチレンジアミン等の塩基性試薬を添加して調整
すれば良く、塩基性側のときも塩酸、硝酸、酢酸等の酸
性試薬を用いて調整すれば良い。しかし、その調整方法
は特に限定されるものではない。
【0028】B成分のシラノール基含有ポリオルガノシ
ロキサンは、この発明の特徴をなす重要な成分である。
このようなB成分は上記平均組成式で表すことができ
る。式中、R2 としては上記式中のR1 と同じもの
が例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル
基、フェニル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル
基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換
炭化水素基、より好ましくはメチル基およびフェニル基
である。また、式中、aおよびbはそれぞれ上記の関係
を満たす数であり、aが0.2未満またはbが3を超え
ると硬化被膜にクラックを生じるなどの不都合があり、
また、aが2を超え4以下の場合またはbが0.000
1未満では硬化がうまく進行しない。
【0029】このようなシラノール基含有ポリオルガノ
シロキサンは、たとえば、メチルトリクロロシラン、ジ
メチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジ
フェニルジクロロシラン、もしくは、これらに対応する
アルコキシシランの1種もしくは2種以上の混合物を公
知の方法により大量の水で加水分解することで得ること
ができる。シラノール基含有ポリオルガノシロキサンを
得るのに、アルコキシシランを用いて公知の方法で加水
分解した場合、加水分解されないアルコキシ基が微量に
残る場合がある。つまりシラノール基と極微量のアルコ
キシ基が共存するようなポリオルガノシロキサンが得ら
れることもあるが、この発明では、このようなポリオル
ガノシロキサンを用いても差し支えない。
【0030】この発明のC成分である硬化触媒は、上記
A成分とB成分との縮合反応を促進し、被膜を硬化させ
るものである。このような触媒としては、たとえば、ア
ルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル錫ジマレート等のカルボン酸の金
属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルア
ミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミ
ン塩;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸第
4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミンのような
アミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シラン
カップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、
塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウ
ムキレート等のアルミニウム化合物、水酸化カリウムな
どのアルカリ触媒;テトライソプロピルチタネート、テ
トラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセ
トネート等のチタニウム化合物、メチルトリクロロシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシ
ラン等のハロゲン化シラン等があるが、前記触媒の他に
A成分およびB成分との縮合反応に有効なものであれば
特に制限はない。
【0031】A成分およびB成分の配合割合は、A成分
1〜99重量部に対してB成分99〜1重量部であり、
より好ましくはA成分5〜95重量部に対してB成分9
5〜5重量部、最も好ましくはA成分10〜90重量部
に対してB成分90〜10重量部である。ただし、A成
分とB成分の合計は100重量部である。A成分が1重
量部未満であると常温硬化性に劣り、また十分な被膜硬
度が得られないし、一方、A成分が99重量部を超える
と硬化性が不安定でかつ良好な塗膜が得られないことが
ある。
【0032】また、C成分の添加量は、A成分とB成分
との合計100重量部に対して0.0001〜10重量
部であることが好ましく、より好ましくは0.0005
〜8重量部であり、最も好ましくは0.0007〜5重
量部である。C成分の添加量が0.0001重量部未満
だと常温で硬化しないことがあり、また、10重量部を
超えると耐熱性、耐候性が悪くなることがある。
【0033】A成分のシリカ分散オリゴマーに含有され
る加水分解性基とB成分のシラノール基とは、C成分の
硬化触媒存在下で、常温もしくは低温(たとえば、温度
100℃以下)加熱することにより縮合反応して硬化被
膜を形成する。従って、湿気硬化タイプのコーティング
用組成物のように、この発明で用いる第2のコーティン
グ材(コーティング用組成物)は常温で硬化するときに
も湿度の影響をほとんど受けない。また、加熱処理によ
り縮合反応を促進して硬化被膜を形成することができ
る。
【0034】以上の製法によって調製された無機系コー
ティング材は、上記の成分の他、必要に応じて、各種着
色剤、上記シリカゾル以外の充填剤(アルミナゾル、ヒ
ュームドシリカ等の無機充填剤)、希釈溶剤、増粘剤、
界面活性剤、紫外線吸収剤等種々の添加剤が1種以上加
えられてもよい。前記希釈剤としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール;エチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノ
メチルエーテル等が例示され、これらは、単独であるい
は複数で使用される。また、これらの親水性有機溶剤と
併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトオキシムなども使用することができる。
【0035】このコーティング材の保存方法としては、
A、BおよびC成分をそれぞれ別々に保存する3梱包形
態をとるのが一般的であるが、A成分とC成分の混合成
分とB成分を分けて2梱包形態としておき、使用時に両
者を混合するか、すべての成分を混合して一容器内に保
存する1梱包形態とすることも可能である。このコーテ
ィング材は、通常の塗布方法でコーティングすることが
でき、たとえば、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フロー等
の各種塗布方法を選択できる。硬化条件は、5℃以上、
200℃以下が好ましく、10℃以上、150℃以下が
より好ましい。5℃未満であれば硬化しにくく、200
℃を超えると発泡のおそれがある。第2層の塗装膜厚
は、硬化後3ミクロン以上となるようにするのが好まし
い。3ミクロン未満の場合、ピンホールができやすく防
食性が悪化することがある。
【0036】この発明の塗装物品、あるいは、この発明
の製造方法により得られた塗装物品は、ステンレスなど
の鋼板、アルミニウムなどの非鉄金属の材質感を残し、
長期の防食性、耐候性、耐汚染性等を有したメインテナ
ンスフリーなものである。このため、このような塗装物
品は、たとえば、外装用の壁材、屋根材、雨樋などの部
材として利用される。
【0037】
【作用】金属系基材の表面に、第1層として化成処理被
膜を、その上に第2層として上記第1または第2のコー
ティング材からなる透明性を有する被膜を形成すること
により、防食性、耐候性、耐汚染性等が確保され、メイ
ンテナンスフリーとすることができる。しかも、その透
明被膜の上から下地である金属が透けて見えるので、金
属の材質感が得られる。
【0038】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
以下では、「部」は「重量部」のことである。まず、塗
装に用いたコーティング材、その成分を説明する。 (C−1)メチルトリメトキシシラン100部にテトラ
エトキシシラン20部、IPAオルガノシリカゾル(商
品名「OSCAL1432」触媒化成社製)150部、
ジメチルジメトキシシラン40部、イソプロピルアルコ
ール(IPA)100部を混合し、更にH2 O200部
を添加して攪拌した。これを60℃の恒温槽中で分子量
をMw=1200に調整した。この液をC−1と言う。
なお、分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー)により、測定機種名HLC8020(東ソ
ー株式会社製)を用いて、標準ポリスチレンで検量線を
作成し、測定したものである。
【0039】以下に示す分子量もこの装置を用いて測定
を行った。 (C−2)C−1の液100部に対して充填剤としてヒ
ュームドシリカ(商品名「アエロジル♯200」日本ア
エロジル社製)を3部加え、グレンミルで分散させ、コ
ーティング液C−2を得た。 (C−3)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよ
び温度計を取り付けたフラスコ中にIPA−ST(イソ
プロピルアルコール分散コロイダルシリカゾル:粒子径
10〜20mμ、固形分30%、H2 O0.5%、日産
化学工業社製)100部、メチルトリメトキシシラン6
8部、ジメチルジメトキシシラン18部、水2.7部、
無水酢酸0.1部を投入して攪拌しながら80℃の温度
で約3時間かけて部分加水分解反応を行い冷却してA成
分を得た。このものは、室温で48時間放置したときの
固形分が36%であった。A成分の調製条件 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …1×10-1 ・A成分のシリカ分含有率 …40.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …77モル% また、攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロ
ートおよび温度計を取り付けたフラスコにメチルトリイ
ソプロポキシシラン220部(1モル)とトルエン15
0部との混合液を計り取り、1%塩酸水溶液108部を
上記混合液に20分で滴下してメチルトリイソプロポキ
シシランを加水分解した。滴下40分後に攪拌を止め、
二層に分離した少量の塩酸を含んだ下層の水とイソプロ
ピルアルコールの混合液を分液し、次に残ったトルエン
の樹脂溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエンを減
圧除去した後、イソプロピルアルコールで希釈し平均分
子量約2000のシラノール基含有オルガノポリシロキ
サンのイソプロピルアルコール40%溶液としてB成分
を得た。 (C−4)大日本塗料株式会社製弗素クリヤー(ルミフ
ロン系)(商品名「Vフロン♯2000クリヤー」)を
C−4と称する。 (C−5)水ガラス系セラミックコーティング剤(CR
M−700(S)奥野製薬工業株式会社製、原液pH=
12.0)をC−5と称する。 (C−6)日本油脂株式会社製弗素クリヤー(カイナー
系)(商品名「プレカラーNo. 8300クリヤー」)を
C−6と称する。
【0040】−実施例1〜6− ここでの実施例は、第1のコーティング材を用いた場合
である。実施にあたり、基材は、日新製鋼社製ヘアライ
仕上げのステンレス基材(SUS304)を用いた。基
材の脱脂は、アルカリ脱脂により行った。その後、イオ
ン交換水で水洗した後、基材に対して表1に示す化成処
理を行い、イオン交換水で水洗した後、100℃で30
分乾燥させた。
【0041】
【0042】化成処理後、塗装(無機コーティング)を
施して塗装物品を得た。実施例1〜3ではコーティング
材(C−1)をスプレーで塗装し、塗布膜厚は8μmと
し、セッティングを5分間とった後、180℃で20分
の焼き付けを行った。実施例4〜6では、コーティング
材(C−2)を使用し、同様の処理を施した。 −実施例7〜9− ここでの実施例は、第2のコーティング材を用いた場合
である。
【0043】C−3のA成分とB成分を用い、A成分6
5部とB成分35部に触媒(C成分)としてN−β−ア
ミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ンを3部混合して第2のコーティング材を調製した。こ
の第2のコーティング材を、実施例1〜6と同様に処理
した基材にスプレーで塗装し、塗布膜厚は8μmとし、
セッティングを5分間とった後、60℃で20分間の焼
き付けを行って、塗装物品を得た。
【0044】−比較例1− 実施例1において、化成処理を行わなかったこと以外は
実施例1と同様にして塗装物品を得た。 −比較例2− 実施例と同様にして基材に表1に示すクロメート処理N
o.K−3を施した後、無機コーティングを行う代わり
にC−4のコーティング材をスプレーで膜厚が25μm
になるように塗布し、5分間セッティングをとった後、
200℃で10分間の焼き付けを行って塗装物品を得
た。
【0045】−比較例3− 実施例と同様にして基材に表1に示すクロメート処理N
o.K−3を施した後、無機コーティングを行う代わり
に、基板の予備熱処理(230℃×30分)をした後、
C−5のコーティング材を膜厚が20μmになるように
スプレーで塗装した後、230℃で20分焼成を行って
塗装物品を得た。
【0046】−比較例4− 実施例と同様にして基材に表1に示すクロメート処理N
o.K−3を施した後、無機コーティングを行う代わり
にC−6のコーティング材をスプレーで膜厚が20μm
になるように塗布し、5分間セッティングをとった後、
240℃で10分間の焼き付けを行って塗装物品を得
た。
【0047】得られた塗装物品について、密着性、防食
性および耐候性を調べ、結果を表2に示した。密着性
は、煮沸水に7時間浸漬後、風乾し、3時間以内に粘着
テープ(セロハンテープ)で確認した。防食性は、ソル
トスプレー試験2000時間後の状況を目視で評価し
た。
【0048】耐候性は、アイスーパーUVテスターで、
次の表を1サイクルとする(8時間+4時間=12時間
を1サイクル)試験をUV照射時間1000時間まで行
った後の状況を評価した。試験条件 時 間 8時間 4時間 UV照射 有り(100mW/cm2 ) 無 し 温 度 63℃ 35℃ 湿 度 50% 90%以上(結露あり)
【0049】
【表2】
【0050】表2にみるように、金属系基材の上に、第
1層として化成処理層および第2層として第1または第
2のコーティング材からなる被膜が形成されていること
により、密着性、防食性および耐候性のすべてにすぐれ
た塗装物品が得られるが、化成処理層が形成されていな
いか、または、第1および第2のコーティング材からな
る被膜が形成されていないと、それら3つの特性の1以
上が劣っている。
【0051】
【発明の効果】この発明によれば、金属系基材の材質感
を残し、長期にわたって防食性、耐候性、耐汚染性等を
確保し、メインテナンスフリーな塗装物品が提供され
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 183/06 C09D 183/06 (72)発明者 吉本 順一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 皆川 英明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 本田 英志 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−130170(JP,A) 特開 昭61−162563(JP,A) 特開 平3−31380(JP,A) 特開 平3−197548(JP,A) 特開 昭58−101153(JP,A) 特開 昭60−225672(JP,A) 特開 平3−275348(JP,A) 特開 平3−31380(JP,A) 特公 昭53−5042(JP,B2) 欧州特許出願公開430156(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 7/14 B05D 1/36 B05D 3/10 B05D 5/00 B05D 7/24 302 C09D 183/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基材上に、第1層として化成処理被
    膜が形成され、第1層の上に第2層として、下記一般
    式: R’m Si(OR”)4-m … 〔ただし、R’はメチル基、エチル基またはフェニル
    基、 R”は炭素数1〜4のアルキル基、 mは、0、1または2である。〕 で示される化合物Iおよびコロイダルシリカのうちの少
    なくとも化合物Iからなる原材料を加水分解、縮重合さ
    せ、重量平均分子量(ポリスチレン換算)Mw500〜
    3000、分子量分布Mw/Mn(Mnは数平均分子
    量)1.0〜3.0であり末端がシラノールのプレポリ
    マーを重合させてなる珪素化合物からなる透明性を有す
    る被膜が形成されている塗装物品。
  2. 【請求項2】 金属基材上に、第1層として化成処理被
    膜が形成され、第1層の上に第2層として、下記成分
    A、BおよびCを必須成分とするコーティング用組成物
    からなる透明性を有する被膜が形成されている塗装物
    品。 (A)一般式 R1 n SiX4-n … 〔式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
    炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
    数、Xは加水分解性基を示す。〕 で表される加水分解性オルガノシランを有機溶媒または
    水に分散されたコロイダルシリカ中で部分加水分解して
    なる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)平均組成式 R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 … 〔式中、R2 は同一または異種の置換もしくは非置換の
    炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそ
    れぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b
    <4の関係を満たす数である。〕 で表される、分子中にシラノール基を含有するポリオル
    ガノシロキサン。 (C)触媒。
  3. 【請求項3】 金属基材上に、第1層として化成処理被
    膜を形成した後、第2層として、下記一般式: R’m Si(OR”)4-m … 〔ただし、R’はメチル基、エチル基またはフェニル
    基、 R”は炭素数1〜4のアルキル基、 mは、0、1または2である。〕 で示される化合物Iおよびコロイダルシリカのうちの少
    なくとも化合物Iからなる原材料を加水分解、縮重合さ
    せ、重量平均分子量(ポリスチレン換算)Mw500〜
    3000、分子量分布Mw/Mn(Mnは数平均分子
    量)1.0〜3.0であり末端がシラノールのプレポリ
    マーを重合させてなる珪素化合物からなる透明性を有す
    る被膜を形成する塗装物品の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属基材上に、第1層として化成処理被
    膜を形成した後、第2層として、下記成分A、Bおよび
    Cを必須成分とするコーティング用組成物からなる透明
    性を有する被膜を形成する塗装物品の製造方法。 (A)一般式 R1 n SiX4-n … 〔式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
    炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
    数、Xは加水分解性基を示す。〕 で表される加水分解性オルガノシランを有機溶媒または
    水に分散されたコロイダルシリカ中で部分加水分解して
    なる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)平均組成式 R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 … 〔式中、R2 は同一または異種の置換もしくは非置換の
    炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそ
    れぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b
    <4の関係を満たす数である。〕 で表される、分子中にシラノール基を含有するポリオル
    ガノシロキサン。 (C)触媒。
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