JPH0626889Y2 - 内視鏡用光学アダプタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、内視鏡用の光学アダプター、詳しくは、内視
鏡の先端部に着脱自在に装着される光学アダプターに関
する。

［従来の技術］ 一般に、内視鏡を用いて体腔内を観察する場合、視野変
換や視野角を変えるのに内視鏡先端に対して着脱自在な
光学アダプターが使用されている。次に、従来のこの種
の光学アダプターの光学系の構成の一例を第６図によっ
て説明する。

第６図において、符号１は内視鏡の観察光学系、２は内
視鏡先端部に取り付けられた直視用の光学アダプターの
観察光学系を夫々示している。上記内視鏡の観察光学系
１は、結像レンズ３、カバーガラス４，５、イメージガ
イド６等からなり、カバーガラス４の前面には明るさ絞
り７が設けられている。これに対して光学アダプターの
観察光学系２は平凸の第１レンズ８，両凹の第２レンズ
９，フレア絞り１０等からなる高倍率用のものである。
なお符号１１は結像にあずかる光束周縁部主光線を示し
ている。この主光線１１は観察光学系１を通りイメージ
ガイド６の端面に結像される。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、このように明るさ絞りを内視鏡本体内の観察
光学系内に設けた内視鏡に、上述したような高倍率用の
光学アダプターを装着して、像を高倍率で見ようとする
場合、光学アダプター内での光束の広がりが大きくなり
過ぎ、光学アダプターの光学系の径が大きくなってしま
うという欠点を有していた。

従って、光学アダプターの外径を一定の外径におさめる
ためには、光束の一部の光線をカットして周辺の光量が
暗いままで使用せざるを得なかった。本考案はこのよう
な問題点に着目してなされたもので、視野変換，視野角
変換用の光学アダプター内の光束をカットして暗くする
ことなく、観察光学系の外径を小さくすることができる
内視鏡用光学アダプターを提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段および作用］ 本考案においては、上記問題点を解決するために、従
来、内視鏡の観察光学系内の一定位置にあった明るさ絞
りを、光学アダプター側の観察光学系内の、内視鏡の観
察光学系と光軸が一致する好適の位置に配置するように
したものである。

［実施例］ 第１図は、本考案の一実施例を示す内視鏡用光学アダプ
ターを、内視鏡先端部に結合した状態の光学系の構成図
であって、上記第６図中の構成部材と全く同一の構成部
材には同一符号を付すに止め、その説明は省略する。

本考案においては、従来第６図に示すように内視鏡の観
察光学系１内のカバーガラス４に設けられていた明るさ
絞り７に代えて、第１図に示すように、光学アダプター
の観察光学系２Ａの第２レンズ９の前面に明るさ絞り１
２が設けられている。このようにすれば、光学アダプタ
ーの観察光学系２Ａを内視鏡の観察光学系１に対して、
その光軸が一致するように結合した状態では、図から明
らかなように明るさ絞り１２が従来のものに比べ、前方
に移動しているので、周縁部の主光線１１Ａは従来の第
６図における周縁部の主光線１１（２点鎖線で示す）に
対してΔｔだけ上方に移動する。従って、それだけ一部
の光線をカットする等の支障を生じさせることなく、前
部レンズ８Ａを小さく、即ち光学アダプターの観察光学
系２Ａ全体を小さくすることができる。なお、この場
合、観察光学系１側の光線高は逆に高くなるが、光学ア
ダプターの光学系よりは小さく、内視鏡全体として外径
を小さくすることができる。また、望遠タイプの光学ア
ダプターを取り付け、被写体を高倍率で観察しようとす
るような場合には、アダプター光学系のレンズパワーを
強める必要があるので、光線高はより高くなるが、本考
案の構成を用いることによって光線高を押えることがで
きるという効果も得られる。

上記第１図における光学アダプターは直視型の例を示し
たものであるが、次に側視型の光学アダプターに適用し
た本考案の他の実施例を第２図〜第５図に基づいて説明
する。

第２図は、側視型の光学アダプター２２を内視鏡２１の
先端部に装着した状態を示す要部断面図である。なお、
内視鏡２１の観察光学系の構成は、上記第１図の観察光
学系と全く同様に構成されているので、同一構成部材に
ついては同一符号を付すに止め、その説明は省略する。

第２図において符号２３は内視鏡本体の先端金枠、２４
はこの先端金枠２３内に配設されたライトガイド、２５
はライトガイド２４の先端面に配設されたカバーガラ
ス、２６は上記先端金枠２３に着脱自在に取り付けられ
る光学アダプター本体、２７は同光学アダプター本体２
６のカバー、２８は光学アダプター本体２６内に配設さ
れたライトガイド、２８ａはその支持部材、２９はライ
トガイド２８の先端面に対応して配設された照明用レン
ズ、３０，３１は光学アダプターの観察光学系における
第１および第２レンズ、３２は上記第１および第２レン
ズ３０，３１間に配設され、光路を直角に曲げる光路変
換用プリズム、３３は上記第１レンズ３０の後面がわに
設けられたフレア絞り、３４は第２レンズ２９の前面が
わに設けられた、本考案による明るさ絞りを夫々示して
いる。

上記光学アダプター本体２６内のライトガイド２８は、
第３，４，５図に示すように成形されたものであって、
垂直方向から水平に折り曲げられた下半部が２叉となっ
ていて、１つの出射端２８ｂに対して２つの入射端２８
ｃ，２８ｄを有している。この夫々の入射端面は、支持
部材２８ａに支持されて、内視鏡本体の先端金枠２３の
カバーガラス２５を介して内視鏡本体２１内に水平に平
行して配設された同形状の２本のライトガイド２４の夫
々の先端面に相対している（第２図参照）。そして、同
ライトガイド２８の全周表面は遮光用の塗料でペイント
された後、カーボン入りの接着剤で固められて内部の光
が洩れて、観察光学系のプリズム３２等に入り、フレア
等の発生を生じることを防止している。なお、第３図に
おいて符号３５はカバー２７をアダプター本体２６に固
定する止めネジを示している。

このように構成された内視鏡用側視型の光学アダプター
２２においても、第２レンズ３１の前面がわに明るさ絞
り３４が設けられているので、前述した直視型の光学ア
ダプターの光学系２Ａの場合と全く同様に、高倍率のも
のでも一部の光線をカットすることなく側視型光学アダ
プター２２を小型にすることができる。

また、この場合明るさ絞り３４をプリズム３２のすぐ後
に配置しているため、主光線が低く、第１レンズ３０を
小さくできるので、その分第１レンズ３０をアダプター
の中心軸３６（第３図参照）に対して、より離して配置
でき、その分プリズム３２を大きくでき、光線をできる
だけカットしなくて済み、明るいアダプターを構成する
ことができる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、従来、内視鏡側
に設けられていた明るさ絞りを光学アダプター側に設け
るだけで、高倍率用の光学アダプター等においても、特
に一部の光をカットして暗くするようなこともなく、光
学アダプターの観察光学系を大幅に小型にできる光学ア
ダプターを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す内視鏡用光学アダプ
ターの観察光学系の構成図、 第２図は、本考案を側視型光学アダプターに適用した他
の実施例を示す断面図、 第３図，第４図は、上記第２図中のＡ−Ａ線およびＢ−
Ｂ線に夫々沿う断面図、 第５図は、上記第２図中のアダプター内のライトガイド
のみを取り出して示した斜視図、 第６図は、従来の内視鏡用光学アダプターの観察光学系
の一例を示す構成図である。 １……内視鏡の観察光学系 ２Ａ……光学アダプターの観察光学系 １２，３４……明るさ絞り

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】観察光学系と照明光学系とを内蔵した内視
   鏡の先端に着脱自在に装着される光学アダプターにおい
   て、 内視鏡の観察光学系と光軸が一致した、上記アダプター
   の観察光学系内に、明るさ絞りを設けたことを特徴とす
   る内視鏡用光学アダプター。