JPH06267472A - マイクロ波イオン源 - Google Patents

マイクロ波イオン源

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JPH06267472A
JPH06267472A JP5051161A JP5116193A JPH06267472A JP H06267472 A JPH06267472 A JP H06267472A JP 5051161 A JP5051161 A JP 5051161A JP 5116193 A JP5116193 A JP 5116193A JP H06267472 A JPH06267472 A JP H06267472A
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JP
Japan
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magnetic field
discharge vessel
electrode
ion
microwave
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JP5051161A
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Kiyoshi Hashimoto
清 橋本
Shiro Asano
史朗 浅野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 確実に高電流密度イオンビームを引き出すこ
とができるマイクロ波イオン源を提供する。 【構成】 マイクロ波による放電プラズマを生成する放
電容器23の内部の内側引出電極31近傍に、この内側
引出電極31のイオン引出方向にほぼ直行する磁場を発
生させる永久磁石32,33が設けられている。このた
めイオン引出方向にほぼ直行する磁場によって内側引出
電極31の面に沿った領域近傍に高密度プラズマ領域が
形成される。そして磁場とマイクロ波の干渉で生まれた
高速電子は磁場に捕捉されるが、イオン成分や分子成分
は磁場を横切って内側引出電極31近傍に拡散する。ま
た高速電子が水素ガス等と衝突することで低速電子が生
じ、これがイオン成分の移動と共に磁場を横切り内側引
出電極31近傍に移動し、負水素イオンが生成され、電
子は磁場により偏向され引出しが抑制されるが負水素イ
オンは電極部29からビームとして引き出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば核融合等のため
に用いられるイオンを発生するマイクロ波イオン源に関
する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、マイクロ波放電は磁場があ
ることによって、より効率よく放電する。このため従来
よりマイクロ波イオン源は、放電容器内に磁場を形成す
るように磁石を配置して構成される。
【0003】以下、従来技術について図面を参照して説
明する。図6は従来のマイクロ波イオン源の概略構成を
示す縦断面図であり、図7は従来技術を説明するために
示す先に出願したマイクロ波イオン源の概略構成を示す
縦断面図である。
【0004】先ず、図6により説明する。1はマイクロ
波イオン源で、これは円筒状の放電容器2の外壁面に、
円環状の4個の永久磁石3,4,5,6が略等間隔とな
るように配設して構成されている。永久磁石3,4,
5,6は隣接するものが半径方向相反する向きに着磁さ
れたもので、放電容器2内の磁力線7は図に示すように
隣接するもの間に渡るように形成される。
【0005】また、放電容器2の閉塞された上端面には
内部にマイクロ波を導入する導波管8が開口するように
設けてあり、開口した下端面には複数の引出電極を有す
る電極部9が間に絶縁材10を介在させて取着されてお
り、各引出電極に所定の電圧を印加することによって内
部に生成されたプラズマからイオンが引き出される。な
お放電容器2には、図示しないが内部にプラズマを生成
するためのガスを導入するガス導入口が設けられてい
る。
【0006】上記のような磁石配置では放電容器2の内
壁付近の磁場が強く、中心部付近での磁場は弱いものと
なっている。また共鳴磁場領域は磁場が強い放電容器2
の内壁面近傍に存在し、プラズマの生成も内壁面近傍に
局在することになり、中心部付近でのプラズマは稀薄な
ものとなる。
【0007】そして、プラズマは放電容器2の内壁面近
傍に閉じ込められた格好になり、放電容器2の中心部付
近のプラズマ密度を高くすることが困難な状況にあっ
た。このため放電容器2内から電極部9を介しマイクロ
波イオン源1から外部に引き出せるイオンの密度は低い
ものであった。
【0008】これに対し本発明者は、特願平4−287
990号の明細書及び図面に記載したものを提案してい
る。すなわち、図7に示すようにマイクロ波イオン源1
1は、円筒状の放電容器12の外壁面にSmCoでなる
円環状の2個の永久磁石13,14が、所定の間隔を設
け放電容器の上部及び下部に夫々配設されるようにして
構成されている。そして永久磁石13,14は半径方向
相反する向きに着磁されたものである。
【0009】このような磁石配置では放電容器12の内
壁付近の磁場が弱くなっているが、放電容器12内の中
心部での磁束密度は大きなものとなり、両永久磁石1
3,14による放電容器12内の磁力線15は大きく中
心軸方向に張り出すようなものとなる。
【0010】このように構成されたものでは、プラズマ
が磁力線15に沿って生成されるので、磁力線15が大
きく張り出している中心部でも起こり、拡散によって放
電容器12内に広がる。そして放電容器12の中心部付
近でのプラズマ密度も高くなり、電極部9を介しマイク
ロ波イオン源11から外部に引き出せるイオンの密度を
比較的高いものとすることができる。
【0011】しかしながら、イオン源からより高電流密
度のイオンビームを引き出そうとする場合には、電極部
9の放電容器12内に面した引出電極近傍でのプラズマ
の密度がより高いものであることが必要であり、上記の
ものでは必ずしも引出電極近傍でのプラズマ密度がより
高いものとなるとは限らないものであった。そのためマ
イクロ波イオン源11から外部に、より高電流密度のイ
オンビームを確実に引き出すことは容易ではなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の技
術等では、常に引出電極近傍でのプラズマの密度をより
高いものとすることが、できるものとは必ずしも限らな
かった。このような状況に鑑みて本発明はなされたもの
で、その目的とするところは確実に引出電極近傍でのプ
ラズマ密度をより高いものとし、高電流密度イオンビー
ムを引き出すことができるマイクロ波イオン源を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロ波イオ
ン源は、減圧された放電容器の内部にマイクロ波を導入
して生成した放電プラズマから、放電容器内に面するよ
うに設けられた引出電極を介してイオンを放電容器の外
に引き出すようにしたマイクロ波イオン源において、放
電容器には、該放電容器の内部の前記引出電極近傍に、
該引出電極のイオン引出方向と交差する方向の磁場を発
生させる磁場発生手段が設けられていることを特徴とす
るものであり、また、磁場発生手段が、放電容器の外に
設けられた永久磁石によってなるものであることを特徴
とし、また、磁場発生手段が、放電容器の内部に設けら
れた永久磁石によってなるものであることを特徴とし、
また、磁場発生手段が、放電容器内に臨むように設けら
れた引出電極の電極面上に配設された永久磁石によって
なるものであることを特徴とし、また、永久磁石が冷却
手段を有する磁石カバーに収納されてなるものであるこ
とを特徴とし、さらに、引き出されるイオンが、水素負
イオンもしくは重水素負イオンであることを特徴とする
ものである。
【0014】
【作用】上記のように構成されたマイクロ波イオン源
は、マイクロ波による放電プラズマを生成する放電容器
の内部の引出電極近傍に、該引出電極のイオン引出方向
と交差する方向の磁場を発生させる磁場発生手段が設け
られている。このためイオン引出方向と交差する方向の
磁場によって引出電極の面に沿った領域近傍に高密度プ
ラズマ領域が形成され、イオン成分や分子成分は磁場を
横切って引出電極近傍に拡散する。そして引出電極によ
って所定のエネルギとなるように加速されて高電流密度
のイオンビームが引き出される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0016】先ず第1の実施例を図1により説明する。
図1は概略構成を示す縦断面図である。
【0017】図1において、21はマイクロ波イオン源
で、これは上端部が上板22によって閉塞された円筒状
の放電容器23で構成されている。そして上板22には
放電容器23の内部に所定の周波数、例えば2.45G
Hzのマイクロ波を導入する導入口24が開口してお
り、この導入口24には図示しないマイクロ波発振源に
片端部が接続された導波管25の他端部が接続されてい
る。
【0018】また、放電容器23の筒部26の下端開口
外縁にフランジ27が形成されている。そしてこのフラ
ンジ27には、放電容器23の軸方向をイオン引出方向
としてイオン引出しを行なう貫通孔28が多数対応して
形成された複数の引出電極を有する電極部29が、間に
絶縁材30を介在させて取着され、放電容器23の下端
開口が閉塞される。また電極部29の引出電極にはそれ
ぞれ図示しない電源によって所定の電圧が印加されるよ
うになっている。なお放電容器23には、その減圧され
た内部にプラズマを生成するためのガス、例えば水素あ
るいは重水素ガスをガス源から導入する図示しないガス
導入口が設けられている。
【0019】一方、電極部29の引出電極の内で、放電
容器23内に面している内側引出電極31の放電容器2
3内に面している上面には、その放電容器23のフラン
ジ27の外側の位置に、角棒状の永久磁石32,33が
放電容器23を挟むようにして平行に対向載置されてい
る。永久磁石32,33は互いの対向面が異なる極性を
有するよう同方向に着磁されており、これにより放電容
器23内の内側引出電極31の上面近傍に、その電極面
に沿って図中に破線で示すような磁力線34を生じるよ
うな磁場が形成される。すなわち、永久磁石32は放電
容器23側がS極に、外側がN極に着磁され、永久磁石
33は放電容器23側がN極に、外側がS極に着磁され
ている。
【0020】そして、永久磁石32,33の内側引出電
極31の上面の上方側近傍で放電容器23内を横断する
磁場によって、放電容器23内が上方側に第一室35が
区画され、下方側に内側引出電極31の上面近傍に第二
室36が区画されることになる。
【0021】このように構成したものでは、減圧した放
電容器23の内部を図示しないガス導入管を通じて供給
された水素または重水素によって所定のガス雰囲気にし
た後、導波管25を伝搬してきたマイクロ波を放電容器
23内に導入口24を通じて導入する。これにより内側
引出電極31近傍に形成されたイオン引出方向にほぼ直
交する磁場によって、第一室35の内側引出電極31面
に沿う領域に高密度プラズマ領域が形成される。同時に
磁場のある領域では磁場とマイクロ波の干渉で電子が加
速され、高速の電子成分が生まれ、水素分子の励起も促
進される。
【0022】そして負水素イオン(以下、Hと記す)
の生成は、内側引出電極31の上面に沿った磁場によ
り、いわゆる体積生成法と呼ばれる方法によって行なわ
れるとされ、そのHの生成過程は2段階の原子反応
で、 H2 +e(f)→H 2 +e ……(1) H 2 +e(s)→H +H ……(2) の(1)式で示されるような水素分子の高速電子による
励起過程と、さらに(2)式で示されるような低速電子
の解離性付着過程とでなり、これによってHは生成さ
れる。
【0023】すなわち、第一室35に生成された放電プ
ラズマは、内側引出電極31に向かって拡散するが、第
一室35から第二室36に拡散するには永久磁石32,
33の内側引出電極31面に沿った磁場を横切ることを
要するため、プラズマのイオン成分や分子成分はこの磁
場を横切って第二室36に移動し、内側引出電極31近
傍に拡散するものの、電子の高速成分は磁場に捕捉され
て第一室35から第二室36に移動することができな
い。
【0024】一方、高速電子が水素ガス等と衝突して生
じた低速電子は、水素または重水素の正イオンの移動と
共に、その電場に引かれて磁場を横切って第一室35か
ら第二室36の内側引出電極31近傍に移動する。
【0025】こうして第一室35と第二室36との間に
電子温度の分布の違いができ、この分布の差によって上
記のHの生成の2段階の原子反応のうち、第一室35
では(1)式で示されるような水素分子の高温電子によ
る励起反応が非常に促進され、第二室36では(2)式
で示されるような低速電子の解離性付着反応が促進され
る。そして、第二室36で生成されたHは所定電圧が
印加されている電極部29の各引出電極によって所定の
エネルギとなるように貫通孔28を通過しながら加速さ
れ、マイクロ波イオン源21からビームとして引き出さ
れる。
【0026】なお、この時Hと共に内側引出電極31
付近に存在する電子が引き出されようとするが、内側引
出電極31付近での磁場がイオンビーム引出方向とほぼ
直交しているので電子成分は偏向され、その引出しが抑
制される。このため、不要成分である電子成分の引出し
が減少し、また引き出される電子成分が減少するのでこ
れによる空間電荷の効果が作用せず、Hの引出しが阻
害されない。
【0027】上記のように本実施例によれば、電極部2
9の放電容器23内に面する内側引出電極31の上面近
傍に高密度のプラズマ領域が形成され、同時にHの生
成が促進され、さらに電極部29からの電子の引出しが
抑制され、電極部29の各引出電極を介してより高密度
のHビームを確実に引き出すことができる。
【0028】次に第2の実施例を図2及び図3により説
明する。図2は概略構成を示す縦断面図であり、図3は
要部断面図である。
【0029】図2において、41はマイクロ波イオン源
で、その電極部29の内側引出電極31の放電容器23
内に面する上面には、放電容器23の底部開口内縁に沿
うように磁石カバー42に収納された角棒状の永久磁石
32,33が、所定間隔を設けて平行に対向載置されて
いる。そして磁石カバー42には、冷媒を通流させるこ
とによって永久磁石32,33を冷却する冷却用配管4
3が設けられている。これにより放電容器23内の内側
引出電極31の上面近傍に、その電極面に沿って図中に
破線で示す磁力線34を生じるような磁場が形成され
る。
【0030】そして、内側引出電極31の上面の上方側
近傍で放電容器23内を横断する永久磁石32,33の
磁場によって、放電容器23内が上方側に第一室35が
区画され、下方側に内側電極31の上面近傍に第二室3
6が区画される。
【0031】このように構成されたものでは、第1の実
施例と同様にしてイオンビームの引出しが行なわれる。
すなわち、減圧した放電容器23の内部を所定のガス雰
囲気にし、マイクロ波を導入して第一室35に放電プラ
ズマを生成する。さらに第二室36で生成されたH
所定電圧が印加されている電極部29によって所定のエ
ネルギとなるように貫通孔28を通過しながら加速さ
れ、マイクロ波イオン源41からビームとして引き出さ
れる。この時、放電プラズマの熱によって永久磁石3
2,33は加熱されるが、冷却用配管43に冷媒を流す
ことによって冷却される。
【0032】以上のように本実施例においても、第1の
実施例と同様の作用・効果が得られる。
【0033】次に第3の実施例を図4及び図5により説
明する。図4は概略構成を示す縦断面図であり、図5は
投入電力に対するHビームの電流密度の特性図であ
る。
【0034】図4において、51はマイクロ波イオン源
で、これは上端部が上板22によって閉塞された直径1
5cm、軸方向長さ15cmの円筒状の放電容器52で
構成されている。そして上板22には放電容器52の内
部に所定の周波数、例えば2.45GHzのマイクロ波
を導入する導入口24が開口しており、この導入口24
には図示しないマイクロ波発振源に片端部が接続された
導波管25の他端部が接続されている。
【0035】また、放電容器52の筒部26の下端開口
外縁にフランジ27が形成されている。そしてこのフラ
ンジ27には、放電容器52の軸方向をイオン引出方向
としてイオン引出しを行なう貫通孔28が多数対応して
形成された複数の引出電極を有する電極部29が、間に
絶縁材30を介在させて取着され、放電容器52の下端
開口が閉塞される。また電極部29にはそれぞれ図示し
ない電源によって所定の電圧が印加されるようになって
いる。なお放電容器52には、その減圧された内部にプ
ラズマを生成するためのガス、例えば水素あるいは重水
素ガスをガス源から導入する図示しないガス導入口が設
けられている。
【0036】一方、放電容器52の筒部26の外壁面に
は、SmCoでなる円環状の2個の永久磁石53,54
が、一つは上板22で閉塞された上端部近傍に、他はフ
ランジ27が形成された底部開口近傍に、夫々環状面を
水平にするようにして軸方向上下に9.2cmの間隔を
おいて配設されている。これら一対の永久磁石53,5
4は半径方向の相反する向きに着磁されており、上方側
の永久磁石53は内径側がN極で外径側がS極に、下方
側の永久磁石54は内径側がS極で外径側がN極になっ
ている。このため、永久磁石53,54により放電容器
52内に形成される図中に破線で示した磁力線55は、
大きく筒部26の中心軸方向に張り出すようなものとな
っている。
【0037】また、内側引出電極31の放電容器52内
に面する上面には、放電容器52の底部開口内縁に沿う
ように磁石カバー42に収納された角棒状の永久磁石3
2,33が、所定間隔を設けて平行に対向載置されてい
る。そして磁石カバー42には、冷媒を通流させること
によって永久磁石32,33を冷却する冷却用配管43
が設けられている。これにより放電容器52内の内側引
出電極31の上面近傍に、その電極面に沿って図中に破
線で示す磁力線34を生じるような磁場が形成される。
【0038】そして、磁力線55の放電容器52内を半
径方向に横切るように形成された部分及び磁力線34に
よって、放電容器52内が上方側に第一室56が区画さ
れ、下方側に内側引出電極31の上面近傍に第二室57
が区画される。
【0039】このように構成したものでは、減圧した放
電容器52の内部を図示しないガス導入管を通じて供給
された水素または重水素によって所定のガス雰囲気にし
た後、導波管25を伝搬してきたマイクロ波を放電容器
52内に導入口24を通じて導入する。これによりマイ
クロ波は、磁界の比較的強い放電容器52の中心部付近
で周波数に応じた共鳴磁界でプラズマ電子と共鳴し、マ
イクロ波電界により電子を高エネルギに加速しガス分子
の電離が起こり第一室56に放電プラズマが生成され、
内側引出電極31近傍に形成されているイオン引出方向
にほぼ直交する磁場によって、第一室56の内側引出電
極31面に沿う領域に高密度プラズマ領域が形成され
る。同時に磁場のある領域では磁場とマイクロ波の干渉
で電子が加速され、高速の電子成分が生まれ、水素分子
の励起も促進される。
【0040】そして、プラズマのイオン成分や分子成分
はイオン引出方向にほぼ直交する磁場を横切って第二室
57に移動し、内側引出電極31近傍に拡散するが、高
速の電子成分は磁場に捕捉されて第一室56から第二室
57には移動しない。また高速電子が水素ガス等と衝突
することで生じた低速電子は、水素または重水素の正イ
オンの移動と共にその電場に引かれて磁場を横切り、第
一室56から第二室57の内側引出電極31近傍に移動
する。
【0041】第二室57では励起した水素分子と低速電
子の解離性付着反応が促進され、Hが生成される。そ
して生成されたHは、所定電圧が印加されている電極
部29の各引出電極によって所定のエネルギとなるよう
に貫通孔28を通過しながら加速され、マイクロ波イオ
ン源51からHビームとして引き出される。
【0042】なお、この時Hと共に内側引出電極31
付近に存在する電子が引き出されようとするが、上記の
各実施例と同様に内側引出電極31付近での磁場がイオ
ンビーム引出方向とほぼ直交しているので電子成分は偏
向され、その引出しが抑制される。このため、不要成分
である電子成分の引出しが減少し、また引き出される電
子成分が減少するのでこれによる空間電荷の効果が作用
せず、Hの引出しが阻害されない。
【0043】そして、このとき引き出されるHビーム
の電流密度は、放電容器52内の放電圧力を変化させ、
横軸に放電容器52内に投入した電力をとり縦軸に電流
密度をとって実線で示す図5の特性図のようになる。ま
た図5には、破線によって従来の内側引出電極31の上
面に永久磁石32,33が対向載置されていない状態で
のHビームの電流密度を示してあり、実線で示す本実
施例ものは破線で示す従来のものに比較して高い電流密
度のHビームを引き出すことができる。
【0044】以上のように本実施例によっても、電極部
29の放電容器52内に面する内側引出電極31の上面
近傍により高密度のプラズマ領域が形成され、同時にH
の生成がより促進されたものとなり、また電極部29
からの電子の引出しが抑制されたものとなって、電極部
29の各引出電極を介してより高密度のHビームを確
実に引き出すことができる。
【0045】尚、本発明は上記の各実施例のみに限定さ
れるものではなく、導入するマイクロ波は2.45GH
z以外の周波数であってもよく、また内側引出電極31
に載置する永久磁石の形状は角棒状に限るものではなく
弧状であってもよく、また極性も上記に限定されるもの
ではない等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実
施し得るものである。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、マイクロ波による放電プラズマを生成する放電容器
の内部の引出電極近傍に、該引出電極のイオン引出方向
と交差する方向の磁場を発生させる磁場発生手段が設け
られる構成としたことにより、確実に引出電極近傍での
プラズマ密度をより高いものとし、高電流密度イオンビ
ームを引き出すことができるマイクロ波イオン源を提供
することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の概略構成を示す縦断面
図である。
【図2】本発明の第2の実施例の概略構成を示す縦断面
図である。
【図3】本発明の第2の実施例における要部拡大断面図
である。
【図4】本発明の第3の実施例の概略構成を示す縦断面
図である。
【図5】本発明の第3の実施例における引出し電流密度
を示す特性図である。
【図6】従来例の概略構成を示す縦断面図である。
【図7】従来の技術を説明するために示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
23…放電容器 24…導入口 25…導波管 29…電極部 31…内側引出電極 32,33…永久磁石 34…磁力線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧された放電容器の内部にマイクロ波
    を導入して生成した放電プラズマから、前記放電容器内
    に面するように設けられた引出電極を介してイオンを前
    記放電容器の外に引き出すようにしたマイクロ波イオン
    源において、前記放電容器には、該放電容器の内部の前
    記引出電極近傍に、該引出電極のイオン引出方向と交差
    する方向の磁場を発生させる磁場発生手段が設けられて
    いることを特徴とするマイクロ波イオン源。
JP5051161A 1993-03-12 1993-03-12 マイクロ波イオン源 Pending JPH06267472A (ja)

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JP5051161A JPH06267472A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 マイクロ波イオン源

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JP5051161A JPH06267472A (ja) 1993-03-12 1993-03-12 マイクロ波イオン源

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JP (1) JPH06267472A (ja)

Cited By (3)

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CN113404658A (zh) * 2021-06-30 2021-09-17 哈尔滨工业大学 一种自中和射频离子推力器

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