JPH06265531A - シラン中の塩素分析方法 - Google Patents

シラン中の塩素分析方法

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JPH06265531A
JPH06265531A JP5107393A JP5107393A JPH06265531A JP H06265531 A JPH06265531 A JP H06265531A JP 5107393 A JP5107393 A JP 5107393A JP 5107393 A JP5107393 A JP 5107393A JP H06265531 A JPH06265531 A JP H06265531A
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JP
Japan
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water
silane
chlorine
gas
ion chromatography
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP5107393A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Takahashi
康弘 高橋
Hideharu Hasegawa
英晴 長谷川
Yoshiaki Utsunomiya
良明 宇都宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シランガス中の塩素不純物の分析方法の提
供。 【構成】 検査するべきシランを水と接触せしめて塩素
不純物を塩素イオンとして該水中に溶解させ、ついでこ
の水をイオンクロマトグラフィーを用いて塩素を検出し
分析する。 【効果】 大気中で極めて安全かつ容易にシラン中の塩
素を高精度で分析することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体プロセスにおいて
使用されるシラン(SiH4)中の塩素含有不純物を分
析するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体プロセスの高性能化に伴い、該プ
ロセスにおいて使用される各種のガスのうちでも、シラ
ンガスなどの特殊ガスの高純度化が強く求められてきて
いる。現在、特殊ガスのプロセスへの供給は、ますます
高濃度化する傾向にあり、従来の比較的低濃度のミキシ
ングガスから、100%原料ガスを供給して現地で適宜
に混合希釈して使用するオンサイトミキシングや、液体
材料を使用する物など、その姿を変えつつある。品質保
証面でも、従来の抜き取り検査から、全数分析の方向に
向っている。実際には、半導体プロセスに最もよく用い
られるシランガス(SiH4)に対してこの傾向が強く
見られ、半導体プロセスに悪影響を及ぼす不純物を含ま
ないシランガスを安定的に供給することが重要視されて
きている。ところで、シランガスに含まれる可能性のあ
る不純物としては、シランガスの製造方法によって差異
があるが、四塩化ケイ素(SiCl4)を原料としてシ
ランガスを製造する場合には、クロロシラン(SiH3
Cl,SiH2Cl2,SiHCl3及びSiCl4)等の
不純物が含有される可能性があり、高純度シランガス中
の不純物をチェックする際に、この種の塩素分の分析が
不可欠である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、塩素の分析方法
としては種々の方法が知られている。しかしながら、シ
ランガスは空気中で自然燃焼することから危険であり、
大気中でのサンプリングや塩素分の分離などの処理が難
しく、手間がかかる問題があり、簡易にかつ高精度でシ
ランガス中の塩素含有不純物を分析する方法は提供され
ていなかった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、シラン中の塩素含有不純物を安全かつ簡易に高精度
で分析することができる分析方法の提供を目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のシラン中の塩素
分析方法は、検査するべきシランを水と接触させ、次い
で該シランと接触させた水をイオンクロマトグラフィー
を用いて塩素を検出し分析することを特徴としている。
【0006】
【作用】シラン中に含まれている可能性のある塩素は、
殆どがSiH3Cl,SiH2Cl2,SiHCl3及びS
iCl4などのクロロシランとして存在する。これらの
クロロシランは水とそれぞれ次のように反応して塩化水
素(HCl)を生じる。 ・SiCl4+2H2O→SiO2+4HCl ・SiHCl3+2H2O→SiO2+3HCl+H2 ・SiH2Cl2+2H2O→SiO2+2HCl+2H2 ・SiH3Cl+H2O→(-SiH2O-)n+HCl また発生したHClは水に対する溶解度が82.3g/100g
2O(0℃,1atm)と非常に高いので、水が存在すれ
ば極めて容易に溶解し、水中では塩素イオン(Cl-
として存在する。本発明では、このようなことから、検
査するべきシランを水と接触せしめて塩素不純物を塩素
イオンとして該水中に溶解させ、ついでこの水をイオン
クロマトグラフィーを用いて分析することにより、安全
かつ容易にシラン中の塩素を高精度で分析することが可
能である。
【0007】シランと水とを接触させるための手段とし
ては特に限定されないが、例えば一定量の水を入れた吸
収容器にシランガスを導入し、水中にシランガスを通し
てバブリングし、水中を通過したシランガスを別の管路
で吸収容器外部に導き、適宜な除害装置に移送し、シラ
ンガスを安全に処理する方法が好ましい。また、塩素含
有不純物を塩素イオンとして溶解した水(吸収水)中の
塩素イオン濃度を分析するには、陰イオン交換樹脂を充
填したカラムによって塩素イオンを分離し、これを定量
するイオンクロマトグラフィーが用いられる。
【0008】
【実施例】
1.クロロシランのサンプリング実験 クロロシラン中の塩素分がH2O中に完全に捕集できる
か否かについて確認実験を行った。図1はこの確認実験
の装置構成の概略を示したものであり、図中符号1はサ
ンプルガス容器、A,B,Cはそれぞれ吸収瓶、2はN
2パージラインである。サンプルガスとしては、N2ガス
を主体としジクロロシラン(SiH2Cl2)を1.1ppm添
加した混合ガスを用いた。吸収瓶A,B,Cにはそれぞ
れ吸収液として純水100mlを収容して順次サンプルガス
を通過させるように接続した。最後の吸収瓶Cを通過し
たサンプルガスは除害装置に導いて除害処理する。
【0009】この装置を用いて塩素分のサンプリングを
行った。サンプリングはN2パージ,1.0リットル/minで1
0分;サンプルガス通気,0.5リットル/minで60分(サン
プリング量30リットル;N2パージ,1.0リットル/minで10分
の順で行った。サンプリング終了後、各吸収瓶A,B,
C中の吸収液について、イオンクロマトグラフィーによ
る塩素イオン(Cl-)の定量分析を行った。このイオ
ンクロマトグラフィーの分析条件は、 ・使用機種:DTONEX社製 4000i ・条件 :電気伝導度検出器 CDM−2 :グラジェントポンプ GPM−2 :クロマトグラフベーシック CHB−2 :陰イオンガードカラム HPIC−AG4A :陰イオン分離カラム HPIC−AS4A :陰イオンマイクロメンブラサプレッサー AMMS ・溶離液 :0.5mM NaHCO3水溶液 流量 1.5ml/min ・標準液 :Cl- 1ppm(超純水中) ・データ処理:島津社製 クロマトパック C−R6A とした。
【0010】SiH2Cl2は、 SiH2Cl2+2H2O→SiO2+2HCl+H2 のように水と反応するが、SiH2Cl2が完全に分解し
て水中に塩素イオンとして捕集されていると、その水中
の塩素イオン濃度は次のように求められる。サンプルガ
ス30リットル中に1.1ppmのSiH2Cl2は3.33×10-5リットル存
在し、またHClはSiH2Cl2の2倍生成するので、
2.97×10-6mol生成することになり、Cl-=35.5として
100ml中では1.05ppm(理論値)となる。表1に、イオン
クロマトグラフィーによる分析結果を示す。サンプルと
しては吸収瓶A,B,Cの吸収液と図1の装置によりN
2通気のみを行った溶液、さらに吸収液である純水の5
点を測定した。
【0011】
【表1】
【0012】この結果からSiH2Cl2と水との反応は
最初の吸収瓶Aで完全に行われ、理論値に近い分析値が
得られた。このようにサンプルガス中に含まれる塩素分
の捕集は100mlの純水での1段の捕集でほぼ完全に行わ
れているので、吸収瓶は1個で充分であることが証明さ
れた。また、パージ用のN2ガスや吸収液のH2Oからの
塩素のコンタミネーションは認められなかった。なお、
SiH3Cl,SiHCl3及びSiCl4についても水
と激しく反応し、SiH2Cl2と同様にHClを生成す
ることが知られている。したがってこれら3種類のクロ
ロシランガスについてもSiH2Cl2と同様にサンプリ
ングが可能であることは明らかである。
【0013】2.シランガスでの分析 上述のサンプリング実験の結果から、図2に示すサンプ
リング装置によりシランガス(SiH4)のサンプリン
グを行った。図2に示す通り、吸収瓶は1個とし、これ
に吸収液として純水100mlを入れて用いた。サンプリン
グ前後にはN2パージを行い、各シランガスは0.5リットル/
minで60分間通気し、トータルサンプリング量を30リットル
とした。シランガスとしては製造元の異なる3種(A
社、B社、C社)を用い、これら各サンプルガスの測定
を行った。イオンクロマトグラフィーによる分析結果を
表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】表2の結果より、市販シランガスの1つか
ら塩素含有不純物の存在が確認された。このイオンクロ
マトグラフィーの検出値は純水100ml中の塩素イオン濃
度であり、シランガス中の濃度ではない。そこで、検出
値をガス量に換算する必要がある。イオンクロマトグラ
フィ−での検出下限は0.05μg/ml以下であるのでこれを
ガス濃度に換算してみる。100%シランガス30リットルを吸
収液100mlに捕集した。25℃におけるSiH4の重さは3
9.43gであるので、約0.13ppmとなる。
【0016】以上の結果より、シランガス中のトータル
塩素を検出下限0.1ppmで分析できることが分かった。し
かし、サンプリングには30分間を要しN2パージと容器
の交換を考慮すると1検体で約1時間の作業時間とな
り、多数の検体を分析することを考えるとサンプリング
時間の短縮化が必要となる。サンプリング流速は0.5リット
ル/min程度が望ましいものと考えられるので、分析時間
の短縮化を図るには、分析計の感度を上げ、なおかつサ
ンプリング時間を短くする工夫が必要である。イオンク
ロマトグラフィーによる塩素イオンの検出下限は0.05pp
mとしたが、実際には0.005〜0.01ppmと考えられる。仮
に真の検出下限が0.01ppmとすると、サンプリング時間
を1/5の12分間とすることができ、SiH4のトータル塩
素を検出下限0.1ppmで分析できることになる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では検査す
るべきシランを水と接触せしめて塩素不純物を塩素イオ
ンとして該水中に溶解させ、ついでこの水をイオンクロ
マトグラフィーを用いて分析することにより、大気中で
極めて安全かつ容易にシラン中の塩素を高精度で分析す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】シランガス中の塩素のサンプリング装置の一例
を示す概略図である。
【図2】シランガス中の塩素のサンプリング装置の別の
例を示す概略図である。
【符号の説明】 1……サンプルガス容器、2……N2パージライン、
A,B,C……吸収瓶。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査するべきシランを水と接触させ、次
    いで該シランと接触させた水をイオンクロマトグラフィ
    ーを用いて塩素を検出し分析することを特徴とするシラ
    ン中の塩素分析方法。
JP5107393A 1993-03-11 1993-03-11 シラン中の塩素分析方法 Withdrawn JPH06265531A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109253995A (zh) * 2018-10-31 2019-01-22 中国石油天然气股份有限公司 一种天然气的汞同位素测试方法及其装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109253995A (zh) * 2018-10-31 2019-01-22 中国石油天然气股份有限公司 一种天然气的汞同位素测试方法及其装置
CN109253995B (zh) * 2018-10-31 2021-06-01 中国石油天然气股份有限公司 一种天然气的汞同位素测试方法及其装置
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