JPH06260362A - トロイダルコイル巻線機 - Google Patents

トロイダルコイル巻線機

Info

Publication number
JPH06260362A
JPH06260362A JP4551993A JP4551993A JPH06260362A JP H06260362 A JPH06260362 A JP H06260362A JP 4551993 A JP4551993 A JP 4551993A JP 4551993 A JP4551993 A JP 4551993A JP H06260362 A JPH06260362 A JP H06260362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
storage
piece
annular core
shuttle ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4551993A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadaji Sada
貞二 佐田
Tetsuya Kimura
哲也 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP4551993A priority Critical patent/JPH06260362A/ja
Publication of JPH06260362A publication Critical patent/JPH06260362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャトルリングの中心を環状コアが通らない
場合、すなわち、巻線時にシャトルリングに支持された
蓄線コマ及び環状コア間の距離が変化する場合に、蓄線
コマ及び環状コア間の線材の弛みの発生を防止すること 【構成】 蓄線コマ38はシャトルリング15に離接可
能に支持され、それらの間には磁力による吸引力が作用
している。ガイドプレート35は、シャトルリング15
の回転に伴って公転する蓄線コマ38に係合し、蓄線コ
マ38と環状コア14との間の距離が大きい領域では蓄
線コマ38をシャトルリング15に接近させる。このた
め、蓄線コマ38の自転には環状コア14から離れた位
置で大きな制動力が作用する。前記蓄線コマ38が公転
したときに蓄線コマ38と環状コア14との間の線材3
9が弛む領域には、線材39を巻き戻す手段42,52
が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線材の張力を制御しな
がら環状コアに線材を巻回してトロイダルコイルを製造
するトロイダルコイル巻線機に関する。
【0002】
【従来の技術】モ−タの構成要素であるトロイダルコイ
ルは、環状コアに線材を巻いて形成される。環状コアに
線材を巻くときに用いられる従来のトロイダルコイル巻
線機は、特開平1−272105号公報、特開平2−6
0116号公報等に記載されている。次に図8により、
従来のトロイダルコイル巻線機の概略を説明する。図8
において、環状コア01は、コア用基台02に支持され
た複数個のロ−ラ03(下部の2個は駆動用)に挟まれ
鉛直面内で回転する。この環状コア01に線材を巻くト
ロイダルコイル巻線機は、巻線機用基台04を有してい
る。巻線機用基台04上には複数のガイドローラ06
(1個のみ図示)、及びモータ07により回転駆動され
る駆動歯車08が配置されている。前記複数のガイドロ
ーラ06によって回転自在に支持された巻線リング(以
下、シャトルリングという)09は、その外周に形成さ
れた歯車に噛み合う前記駆動歯車08によって回転駆動
される。
【0003】前記シャトルリング09は、前記環状コア
01を貫通しており、その上面には蓄線コマ011が自
転可能に支持されている。蓄線コマ01の自転に対して
は一定のブレーキ(自転制動力)が加えられており、ま
た、蓄線コマ011には線材012が繰り出し可能に貯
えられている。したがって、前記シャトルリング09が
1回転すれば、蓄線コマ011は環状コア01の中心孔
を通って環状コア01を1周する。すなわち、シャトル
リング09の回転に伴って蓄線コマ011は公転する。
この蓄線コマ011が1周だけ公転する間に、一端が環
状コア01に固定された線材012は蓄線コマ011か
ら繰り出されながら環状コア01に1回転分が巻き付
く。
【0004】このようなトロイダルコイル巻線機におい
ては、巻線時に線材が弛むと弛んだ線材が他の構成部材
たとえばシャトルリング09を支持するガイドローラ0
6等に絡まったりして断線を起こす。したがって、蓄線
コマ011から繰り出される線材012の張力は、でき
るだけ一定に保持することが好ましい。巻線時に前記線
材012の張力を一定に保持するには、前記環状コア0
1の径とシャトルリング09の径をほぼ同径とし、か
つ、シャトルリング09の中心を環状コア01が通るよ
うにすればよい。このようにしておくと、蓄線コマ01
1が環状コア01を1周する間、蓄線コマ011と前記
環状コア01との間に張られる線材すなわち張設線材の
長さ(以下、前記張設線材の長さを、前記「環状コアと
蓄線コマとの距離」とする)が常に一定である。この場
合、蓄線コマ011に一定の制動力(ブレ−キ)を掛け
ておくだけで、線材の張力が一定に保たれる。この場
合、シャトルリング09を正逆どちらの方孔に回転させ
ても環状コア01への巻線が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、シャトル
リング09の中心を環状コア01が通るようにするため
には、シャトルリング09の外径が環状コア01の内径
よりもよりも小さいことが必要である。もし、シャトル
リング09の外径よりも環状コア01の内径が小さくな
ると、環状コア01がシャトルリング09の中心を通る
ことができなくなる。環状コア01がシャトルリング0
9の中心からずれた位置を通る状態で巻線を行う場合、
シャトルリング09の回転に伴い公転する蓄線コマ01
1と環状コア01との距離が変化する。
【0006】前記公転により蓄線コマ011が移動する
領域のうち、前記距離(蓄線コマ011と環状コア01
との距離)が増加する領域では、蓄線コマ011から繰
り出される線材(すなわち、前記張設線材)012に、
常時張力を発生させることができる。この場合は、環状
コア01に巻線を施すことが可能である。しかしなが
ら、前記公転により蓄線コマ011が移動する領域のう
ち、前記距離(蓄線コマ011と環状コア01との距
離)が減少する領域では、蓄線コマ011から繰り出さ
れる線材(すなわち、前記張設線材)012が弛む。こ
の場合は、前記張設線材012に張力が発生しないの
で、環状コア01に適切な巻線を施すことが困難とな
る。
【0007】したがって従来、サイズが定まっているシ
ャトルリング09を用いて環状コア01に巻線を行う場
合には、環状コア01のサイズが制限されるので、巻線
機は環状コア01のサイズに対応した専用機となり汎用
性に欠け各種サイズの環状コアに対応できない。このた
め、サイズが定まったシャトルリング09では、トロイ
ダルコイルの多種少量生産ができないという問題点があ
った。
【0008】本発明は、前記事情に鑑み、トロイダルコ
イル巻線機において、下記(O01)、(O02)の記載内
容を課題とする。 (O01) シャトルリングの中心を環状コアが通らない
場合、すなわち、巻線時にシャトルリングに支持された
蓄線コマ及び環状コア間の距離が変化する場合に、蓄線
コマ及び環状コア間の線材の弛みの発生を防止するこ
と。 (O02) 定まったサイズのシャトルリングを用いて種
々のサイズの環状コアに対する巻線を可能にすること。
【0009】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明を説明するが、本発明の要素に
は、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実
施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。な
お、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する
理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明
の範囲を実施例に限定するためではない。
【0010】前記課題を解決するために、本出願の第1
発明のトロイダルコイル巻線機は、環状コア(14)が
保持された所定の平面に垂直な平面内で回転可能且つ前
記環状コア(14)の孔を貫通するシャトルリング(1
5)、このシャトルリング(15)に自転可能に支持さ
れるとともにシャトルリング(15)の回転に伴って公
転し且つ線材(39)が繰り出し可能に蓄えられた蓄線
コマ(38)、この蓄線コマ(38)の前記自転に制動
力を作動させる自転制動力発生手段(41)、及び前記
シャトルリング(15)を回転させるシャトルリング回
転支持装置(19)を備え、前記シャトルリング(1
5)が回転したときに前記蓄線コマ(38)から繰り出
される線材(39)を前記環状コア(14)に巻き付け
るトロイダルコイル巻線機において、下記の構成要件
(Y01)を備えたことを特徴とする、(Y01) 前記シ
ャトルリング(15)の回転時に公転する蓄線コマ(3
8)の移動領域のうち、この蓄線コマ(38)と前記環
状コア(14)との間に張られる張設線材(39)の長
さとして定義される前記環状コア(14)と蓄線コマ
(38)との距離が減少する領域において、前記蓄線コ
マ(38)に線材巻戻し方向の回転力を作動させる線材
巻戻し手段(42,52)が設けられたこと。
【0011】また、本出願の第2発明のトロイダルコイ
ル巻線機は、前記第1発明のトロイダルコイル巻線機に
おいて、下記の要件(Y02)を備えたことを特徴とす
る、(Y02) 前記シャトルリング(15)の中心が前
記環状コア(14)を含む平面からずれた位置に配置さ
れて、前記環状コア(14)と蓄線コマ(38)との距
離が減少する領域が狭く且つ前記距離が増加する領域が
広くされたこと。
【0012】また、本出願の第3発明のトロイダルコイ
ル巻線機は、前記第1または2発明のトロイダルコイル
巻線機において、下記の要件(Y03)を備えたことを特
徴とする、(Y03) 前記自転制動力発生手段(41)
は、前記環状コア(14)と蓄線コマ(38)との距離
が増加する領域では、前記蓄線コマ(38)の自転に対
して前記距離の長いときに短いときよりも大きな制動力
を作用させる構成を備えたこと。
【0013】また、本出願の第4発明のトロイダルコイ
ル巻線機は、前記第3発明のトロイダルコイル巻線機に
おいて、前記自転制動力発生手段(41)が下記の要件
(Y04)〜(Y06)を備えたことを特徴とする、(Y0
4) 前記蓄線コマ(38)を前記自転の軸方向に移動
可能に支持することにより、蓄線コマ(38)を前記シ
ャトルリング(15)に対して接近した位置と離れた位
置との間で移動可能に支持する手段、(Y05) 前記蓄
線コマ(38)の前記シャトルリング(15)に対向す
る部分及び前記シャトルリング(15)の前記蓄線コマ
(38)に対向する部分にそれぞれ、永久磁石又は磁性
材料のうちの一方及び他方が設けられたこと、(Y06)
前記シャトルリング(15)の回転に伴って公転する
蓄線コマ(38)に係合し、蓄線コマ(38)と環状コ
ア(14)との間の前記距離が大きい領域では小さい領
域よりも蓄線コマ(38)をシャトルリング(15)に
接近させるリング状のガイドプレート(35)。
【0014】
【作用】次に、前述の特徴を備えた本発明の作用を説明
する。前述の特徴を備えた本出願の第1発明のトロイダ
ルコイル巻線機では、シャトルリング(15)は、環状
コア(14)が保持された所定の平面に垂直な平面内で
回転可能に配置され且つ前記環状コア(14)の孔を貫
通している。このシャトルリング(15)は、シャトル
リング回転支持装置(19)により回転させられる。こ
のシャトルリング(15)に自転可能に支持された蓄線
コマ(38)は、シャトルリング(15)の回転に伴っ
て、環状コア(14)を貫通しながら公転する。蓄線コ
マ(38)は、前記公転と同時に自転し、その自転によ
り蓄線コマ(38)から繰り出される線材(39)が環
状コア(14)に巻き付けられる。前記蓄線コマ(3
8)と前記環状コア(14)との間に張られる線材すな
わち張設線材(39)の長さとして定義される前記環状
コア(14)と蓄線コマ(38)との距離は、環状コア
(14)がシャトルリング(15)の中心を通っていな
い場合は、周期的に増減する。
【0015】前記蓄線コマ(38)には、自転制動力発
生手段(41)により前記自転に制動力が作用してい
る。このため、前記環状コア(14)と蓄線コマ(3
8)との距離が増加する領域においては、前記蓄線コマ
(38)から繰り出される線材(39)には張力が生じ
ているので、環状コア(14)への巻線は線材(39)
が弛むことなく適切に行える。前記環状コア(14)と
蓄線コマ(38)との距離が減少する領域においては、
線材巻戻し手段(42,52)により、前記蓄線コマ
(38)に線材巻戻し方向の回転力が作用させられる。
これにより、前記環状コア(14)と蓄線コマ(38)
との距離が減少する領域においても、環状コア(14)
への巻線は線材(39)が弛むことなく適切に行える。
【0016】前述の特徴を備えた本出願の第2発明のト
ロイダルコイル巻線機では、前記シャトルリング(1
5)の中心が前記環状コア(14)を含む平面からずれ
た位置に配置されて、前記環状コア(14)と蓄線コマ
(38)との距離が減少する領域は狭く且つ前記距離が
増加する領域は広くなっている。このため、前記環状コ
ア(14)と蓄線コマ(38)との距離が減少する領域
(すなわち、前記蓄線コマ(38)に線材(39)巻戻
し方向の回転力を作用させる範囲)を狭くすることがで
きる。したがって、前記蓄線コマ(38)に線材(3
9)巻戻し方向の回転力を作動させる線材巻戻し手段
(42,52)の構成を小型化することが可能となる。
【0017】前述の特徴を備えた本出願の第3発明のト
ロイダルコイル巻線機では、前記自転制動力発生手段
(41)が、前記環状コア(14)と蓄線コマ(38)
との距離が増加する領域で、前記蓄線コマ(38)の自
転に対して前記距離の長いときに短いときよりも大きな
制動力を作用させる。これにより、前記環状コア(1
4)と蓄線コマ(38)との距離が増加する領域におい
て、前記環状コア(14)と蓄線コマ(38)との間の
線材(39)に作用する張力の差を少なくすることがで
きる。この理由を次に説明する。
【0018】蓄線コマ(38)が等速度で公転している
とすると、単位時間当たりの蓄線コマ(38)の移動距
離は常に一定である。この場合、環状コア(14)に対
する蓄線コマ(38)の移動方向を考慮しなければ、蓄
線コマ(38)が環状コア(14)に近い程、一定時間
に蓄線コマ(38)が環状コア(14)の回りを回転移
動する角度は大きい。すなわち、巻線される環状コア
(14)から見た場合、蓄線コマ(38)が近くにいる
ときは遠くにいるときよりも単位時間当たりの回転角度
が大きくなる。したがって、環状コア(14)の断面形
状を円筒と仮定すると、環状コア(14)に巻かれる単
位時間当たり線材(39)の量は蓄線コマ(38)が環
状コア(14)の近くにいるときの方が多くなる。すな
わち、蓄線コマ(38)が等速度で公転している場合、
蓄線コマ(38)の位置が環状コア(14)に近い程、
蓄線コマ(38)からの線材(39)の繰り出し速度が
大きくなる。したがって、蓄線コマ(38)の自転制動
力が一定の場合、前記線材(39)の繰り出し速度が大
きい位置(蓄線コマ(38)と環状コア(14)が近い
位置)において、繰り出される線材(39)の張力が大
きくなる。そこで、蓄線コマ(38)が環状コア(1
4)に近い位置に有るときに、遠い位置に有るときより
も前記自転制動力を小さくすれば、前記環状コア(1
4)と蓄線コマ(38)との間の線材(39)に作用す
る張力の差を少なくすることができる。
【0019】前述の特徴を備えた本出願の第4発明のト
ロイダルコイル巻線機では、前記蓄線コマ(38)は、
前記自転の軸方向に移動可能に支持され、前記シャトル
リング(15)に対して接近した位置と離れた位置との
間で移動可能である。この蓄線コマ(38)はガイドプ
レート(35)に係合しながら前記シャトルリング(1
5)の回転に伴って公転するとき、蓄線コマ(38)と
環状コア(14)との間の前記距離が大きい領域では小
さい領域よりもシャトルリング(15)に接近させられ
る。前記蓄線コマ(38)及び前記シャトルリング(1
5)のそれぞれの対向する部分にはそれぞれ、永久磁石
又は磁性材料のうちの一方及び他方が設けられているの
で、蓄線コマ(38)とシャトルリング(15)とが接
近した領域では蓄線コマ(38)とシャトルリング(1
5)との間に大きな磁力(吸引力)が作用する。
【0020】この吸引力が大きい場合、蓄線コマ(3
8)が自転するときの自転部分とこれを支持する固定部
分との間の摩擦抵抗力が増大する。また、蓄線コマ(3
8)とシャトルリング(15)との間に作用する磁力が
大きくなると前記磁性材料に生じる渦電流に基づく自転
制動力も大きくなる。したがって、蓄線コマ(38)が
環状コア(14)から遠い位置に有るときに、近い位置
に有るときよりも前記自転制動力を大きくすることがで
きるので、前記環状コア(14)と蓄線コマ(38)と
の間の線材(39)に作用する張力の差を少なくするこ
とができる。
【0021】
【実施例】次に、図面に基づいて本発明のトロイダルコ
イル巻線機の実施例を説明する。図1は本発明のトロイ
ダルコイル巻線機の一実施例の全体図、図2は同実施例
の環状コアを支持する装置の説明図、図3はシャトルリ
ングとこれを支持するロ−ラと環状コア等の配置を示す
平面図、図4はシャトルリングを回転駆動するための回
転支持装置の説明図で、図4Aは前記図3のIVA−IVA
線断面図、図4Bは図3の矢印IVBから見た図で、図5
は蓄線コマの説明図、図6はシャトルリングの回転時に
環状コアと蓄線コマとの距離が増加又は減少する領域と
線材巻戻し手段の説明図、図7はガイドプレートの展開
図である。
【0022】なお、本発明の実施例の説明中において、
「前方」は図中の矢印X1方向、「後方」は図中の矢印
X2(図1参照)方向を意味する。また、図中、「○」
の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向か
う矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたもの
は紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
また、「左方」は図中の矢印Y1方向(図1,2参照)
すなわち前記「後方」を向いたときの左手側の方向を意
味し、「右方」は図中の矢印Y2方向を意味するものと
する。図1、2においてコア用基台1は、一対のガイド
レール2、2に沿って前後方向X1−X2方向に移動可能
に支持されており、モータ3により移動させられるよう
になっている。
【0023】コア用支持基台1にはシャフト支持部材4
(図2参照)が固定されており、シャフト支持部材4に
は、それぞれベアリング6を介して一対の段付のコア駆
動用シャフト7、7が回転可能に支持されている。コア
駆動用シャフト7には段が2か所設けられており、図2
中左側の段部にはベアリング6が装着され、図2中右側
の段部にはナット装着用のネジ7aが形成されている。
このコア駆動用シャフト7の軸方向(図2中左右方向)
の移動は、前記段部に装着されたベアリング6及びネジ
7aに螺着されたナットにより阻止されている。各コア
駆動用シャフト7は前記コア用基台1に支持された駆動
モータMにより歯車を介して回転駆動されるようになっ
ている。前記各コア駆動用シャフト7には、コア駆動用
ローラ8が装着されている。コア駆動用ローラ8は、耐
磨耗性の弾性材料から構成されている。
【0024】また、前記シャフト支持部材4には、ベア
リング11を介して一本のコア押さえ用シャフト12が
回転可能に支持されている。このコア押え用シャフト1
2は前記コア駆動用シャフト7とほぼ同様の構成によ
り、その軸方向(図2中左右方向)の移動が、段部に装
着されたベアリング11及び右端部に形成されたネジ1
2aに螺着されたナットにより阻止されている。また、
前記コア押さえ用シャフト12には、コア押さえ用ロー
ラ13が装着されている。コア押さえ用ローラ13も、
耐磨耗性の弾性材料から構成されている。前記一対のコ
ア駆動用ローラ8、8及びコア押さえ用ローラ13によ
って環状コア14が、図1で紙面を含む平面内に保持さ
れている。前記環状コア14は、前記コア用基台1が前
記一対のガイドレール2、2に沿って前後方向X1−X2
方向に移動したとき、図3,6の実線位置と二点鎖線位
置との間で移動するようになっている。
【0025】前記環状コア14が配置された平面に垂直
な平面(図1で紙面に垂直な左右方向に延びる平面)内
にはシャトルリング15が配置されている。このシャト
ルリング15は、前記環状コア14を貫通している。こ
の実施例では、シャトルリング15に対する環状コア1
4の位置が図3,6の実線又は二点鎖線に示す位置(す
なわち、シャトルリング15の中心を通るY軸(図6参
照)からずれた位置)に設定されている。この理由につ
いては後述する。
【0026】図4Aにおいて、前記シャトルリング15
は、外周部の上部に被駆動歯車15aが設けられ、内周
部上部に被ガイド用凸条15bが設けられている。前記
シャトルリング15を支持するための巻線機用基台16
(図1参照)は、複数の支柱17とそれらの支柱17に
よって支持された基板18とから構成されている。基板
18は(平面図)図3に示すような、四辺形の平板の一
辺が部分的に切除された形状を有している。そして、そ
の切除部分に前記環状コア14が基板18に対して垂直
に配置されている。図1において、前記基板18上には
シャトルリング回転支持装置19が支持されている。シ
ャトルリング回転支持装置19は、前記基板18上に配
置された回転可能な複数のシャトルリング外周ガイドロ
ーラ21(図3,4A参照)、および複数のシャトルリ
ング内周ガイドローラ22(図3,4A参照)を有して
いる。シャトルリング外周ガイドローラ21は、図4か
ら分かるように、シャトルリング15の被駆動歯車15
aの下面を支持するように配置されたフランジ部21aを
有している。
【0027】このシャトルリング外周ガイドローラ21
は、前記基板18に支持されたローラ支持軸23(図4
参照)の上端にベアリングを介して回転自在に支持され
ている。また、前記シャトルリング内周ガイドローラ2
2も前記シャトルリング外周ガイドローラ21と略同様
に構成され、基板18上に同様に支持されている。
【0028】図1,4Bから分かるように、前記基板1
8には、シャトルリング駆動モータ31によって回転駆
動されるシャトルリング駆動歯車32が配置されてい
る。このシャトルリング駆動歯車32は前記シャトルリ
ング15の被駆動歯車15aと噛み合ってシャトルリン
グ15を回転駆動するためのものである。図4Bにおい
て、前記シャトルリング駆動モータ31は、基板18の
下面に取り付けられおり、その出力軸31aに前記シャ
トルリング駆動歯車32が装着されている。
【0029】図1において、前記基板18上に複数本の
支柱34が設けられ、支柱34の上端にはリング状のガ
イドプレート35が固定されている。図7はガイドプレ
ート35を展開して示した展開図である。ガイドプレー
ト35は周方向に沿って厚みが異なり後述する蓄線コマ
が公転するときの蓄線コマの上下方向の位置を制御する
ためのものである。図7に示すθは、図6のθに対応し
ており、図6の矢印Yで示した軸から時計方向に計った
角度である。図7において、1周360度の範囲のう
ち、Y軸(θ=0度)を中心とする60度分35aは水
平な上面が高い位置に設定されている。また、θ=18
0度を中心とする180度分35bは水平な上面が低い
位置に設定されている。前記35aと35bとを接続する
2つの60度分35cは、一方が上り勾配で形成され他
方が下り勾配で形成されている。なお、前記ガイドプレ
ートの高低の落差は、線材径、巻線スピ−ドなどにより
求められ設計される。その設計の方法については後述す
る。
【0030】図5において、シャトルリング15の上面
にはシャフト36が固定されている。シャフト36に
は、ベアリング37を介して蓄線コマ38が装着されて
いる。蓄線コマ38は上下方向中央部及び下部に線材3
9を蓄える溝38aを有し、上部に前記ガイドプレート
35に支持されるフランジ38bを有している。前記蓄
線コマ38及びベアリング37は、前記シャフト36を
中心に回転自由且つ軸方向にスライド自由となってい
る。また、線材39は巻線の前工程にて蓄線コマ38に
巻取られ蓄線されている。前記蓄線コマ38の上端は、
前記シャフト36上端に固定された弱い板バネ40によ
り下方に押圧されている。この板バネ40は、蓄線コマ
38がシャフト36から離脱するのを防止している。
【0031】蓄線コマ38の下端面(すなわち、シャト
ルリング15に対向する面)には永久磁石41が取付ら
れている。この永久磁石41がシャトルリング15の側
に吸引されるようにシャトルリング15は磁性体で構成
されている。シャトルリング15が回転すると蓄線コマ
38は公転する。このとき、蓄線コマ38は図5に示す
ように、その上部のフランジ38b下面が前記ガイドプ
レート35上面にガイドされて、周期的にシャトルリン
グ15に近づいたり離れたりする。蓄線コマ38とシャ
トルリング15とが接近したときには、それらの間の吸
引力が大きくなる。前記吸引力が大きいときには、蓄線
コマ38が回転するときの回転部材とそれを支持する固
定部材(シャフト36及びガイドプレート35等)との
間の摩擦力が大きくなり蓄線コマ38の自転に制動力が
作用する。また、蓄線コマ38が自転するときにはシャ
トルリング15に渦電流が発生するので、極めて小さい
が渦電流による制動力も発生している。しかしながら、
この渦電流による制動力は無視できる程小さい。したが
って、前記永久磁石41及びシャトルリング15を構成
する磁性体により自転制動力発生手段が構成されてい
る。
【0032】前記自転制動力の大きさを調節することに
より、巻線時の蓄線コマ38の位置(公転位置)に応じ
て生じる線材39に加わる張力の変動を少なくするとが
できる。前記自転制動力の調節は、前記ガイドプレート
35の高低の落差を調節し、蓄線コマ38の位置(公転
位置)に応じて蓄線コマ38とシャトルリング15との
間の吸引力を調節することにより行うことができる。前
記ガイドプレート35の高さを定めるには例えば次のよ
うにすればよい。すなわち、本実施例と略同様の構成を
有し、蓄線コマ38の上下しない装置を用いて、シャト
ルリング15からの蓄線コマ38の高さを所定値に保持
した状態で線材の種類毎に巻線を行い、巻線時の蓄線コ
マの位置(公転位置)に対応して線材に加わる張力を線
材の種類毎に求める。前記所定値を変化させて(すなわ
ち、蓄線コマ38の高さを種々変化させて、巻線時の蓄
線コマの位置(公転位置)に対応して線材に加わる張力
を線材の種類毎に求める。このようにして得られたデー
タから、巻線時の蓄線コマの位置(公転位置)に対応し
て線材に加わる張力を一定にできる蓄線コマの高さ(す
なわち、前記ガイドプレート35の高低の落差)が線材
の種類毎に求められる。
【0033】図6から分かるように、前記シャトルリン
グ15の回転時に公転する蓄線コマ38の移動領域に
は、この蓄線コマ38と前記環状コア14との間に張ら
れる線材39の長さが増加する領域(図6のQ1からQ
2,Q3を通ってQoに至る範囲、なお、Q1〜Qoについ
ては後述)と減少する領域(図6のQoからQ4を通って
Q1に至る範囲、なお、Q4については後述)とがある。
前記線材39の長さが減少する領域では蓄線コマ38及
び環状コア14間の線材39に張力を発生させるため
に、蓄線コマ38を線材巻戻し方向に回転させる手段を
設けなければならない。したがって、前記線材39の長
さが増加する領域は広い方がよい。
【0034】図6から分かるように、環状コア14がシ
ャトルリング15の中心を通るY軸からずれた位置(実
線又は二点鎖線で示す位置)に配置された場合、Y軸上
に配置された場合に比べて、前記線材39の長さが増加
する領域を広くすることができる。したがって、この実
施例では、前記コア用基台1(図1,2,3参照)を前
記ガイドレール2,2上で前後方向(X1−X2方向)に
移動させることにより、環状コア14を、図3,6に示
す実線位置または二点鎖線位置に配置するようにしてい
る。すなわち、1個の環状コア14に巻線する場合、順
巻きの巻線領域と逆巻きの巻線領域とを交互に配置する
ことがある。この場合に環状コア14に順巻きに巻線す
るときには、図3,6において実線位置に環状コア14
を配置し、シャトルリング15を時計方向に回転させ
る。次に、環状コア14に逆巻きに巻線するときには、
図6において二点鎖線位置に環状コア14を配置し、シ
ャトルリング15を反時計方向に回転させる。
【0035】前記図6に示す順巻きの場合(環状コア1
4が実線位置に有り、シャトルリング15を時計方向に
回転させる場合)において、環状コア14の断面の4つ
の角をP1、P2、P3、P4とし、P1、P2を結ぶ直線と
シャトルリング15の内周との交点をQ1とし、P2、P
3を結ぶ直線とシャトルリング15の内周との交点をQ2
とし、P3、P4を結ぶ直線とシャトルリング15の内周
との交点をQ3とし、P4、P1を結ぶ直線とシャトルリ
ング15の内周との交点をQ4とし、シャトルリング1
5の中心OとP4とを結ぶ直線とシャトルリング15の
内周との交点をQoとする。また、直線P1Q1をL1、直
線P2Q2をL2、直線P3Q3をL3、直線P4Q4をL4と
し、直線P4QoをLoとする。この場合、蓄線コマ38
の公転に伴い、蓄線コマ38と環状コア14との間の線
材の長さは順次、L1から、L2、L3、Lo、L4、L1と
変化する。そして、線材の長さがLoから順次L4、L1
に変化する間、すなわち、点QoからQ1までの間が、前
記線材の長さの減少する領域である。
【0036】前記順巻きのときに前記蓄線コマ38と環
状コア14との間に張られる線材の長さ(すなわち前記
環状コア14と蓄線コマ38との距離)が減少する領域
には、前記蓄線コマ38に線材巻戻し方向の回転力を作
動させる順巻き用の線材巻戻し手段42が配置されてい
る。図1,6,5において、線材巻戻し手段42は、円
弧状の摩擦プレート43と、この摩擦プレート43に連
結された被ガイドバー44及びピストンロッド45を有
している。前記被ガイドバー44はガイドシリンダ46
により左右方向Y1−Y2方向にスライド可能に支持され
ている。また、前記ピストンロッド45は駆動シリンダ
47により左右方向(Y1−Y2方向)に移動させられ
る。前記符号43〜47で示された要素から前記順巻き
用の線材巻戻し手段42が構成されている。
【0037】そして、図6でシャトルリング15が時計
方向に回転して、環状コア14に順巻きの巻線を施す場
合には、前記線材巻戻し手段42の摩擦プレート43が
左方に移動し、前記蓄線コマ38に接触する位置に保持
される。この状態で蓄線コマ38がシャトルリング15
とともに公転すると、前記蓄線コマ38と環状コア14
との間に張られる線材の長さ(すなわち前記環状コア1
4と蓄線コマ38との距離)が減少する領域において、
蓄線コマ38は前記摩擦プレート43に摩擦接触して線
材巻戻し方向に自転する。
【0038】また、前記逆巻きのときには、前記蓄線コ
マ38は図3,6の二点鎖線位置に保持される。そし
て、シャトルリング15は反時計周りに回転される。こ
の場合の前記蓄線コマ38と環状コア14との間に張ら
れる線材39(図1,2,5参照)の長さ(すなわち前
記環状コア14と蓄線コマ38との距離)が減少する領
域には、前記蓄線コマ38に線材巻戻し方向の回転力を
作動させる逆巻き用の線材巻戻し手段52(図6参照)
が配置されている。この逆巻き用の線材巻戻し手段52
は、前記順巻き用の線材巻戻し手段42の要素43〜4
7に対応する要素53〜57、すなわち、円弧状の摩擦
プレート53、被ガイドバー54、ピストンロッド5
5、ガイドシリンダ56、駆動シリンダ57により構成
されている。この逆巻き用の線材巻き戻し手段52は、
図1に示すように、前記基板18(図1参照)に複数の
支柱61(1個のみ図示)を介して支持された支持部材
62によって支持されている。
【0039】(実施例の作用)次に、前記実施例の作用
を説明する。前述の実施例のトロイダルコイル巻線機で
は、前記環状コア14に所定回数の順巻きと所定回数の
逆巻きとが繰り返し行われる。前記順巻きの際には、前
記環状コア14が図6の実線で示す位置(シャトルリン
グ15の中心が前記環状コア14を含む平面からずれた
位置)に保持される。また、前記線材巻戻し手段42の
摩擦プレート43が左方(Y1方向)に移動し、前記蓄
線コマ38に接触する位置に保持され、且つ、前記線材
巻戻し手段52の摩擦プレート53が左方(Y1方向)
に移動し、前記蓄線コマ38から離れた位置に保持され
る。このとき前記摩擦プレート43は、前記順巻きのと
きに前記蓄線コマ38と環状コア14との間に張られる
線材の長さ(すなわち前記環状コア14と蓄線コマ38
との距離)が減少する領域に配置されている。
【0040】この状態で、シャトルリング15は時計方
向(図6の矢印方向)に回転される。このとき、シャト
ルリング15に自転可能に支持された蓄線コマ38は、
シャトルリング15の回転に伴って、環状コア14を貫
通しながら公転する。この公転時、環状コア14は一端
が前記環状コア14に固定された線材39に引っ張られ
て自転する。その自転により蓄線コマ38から繰り出さ
れる線材39が環状コア14に巻き付けられる。
【0041】前記蓄線コマ38と前記環状コア14との
間に張られる張設線材39の長さとして定義される前記
環状コア14と蓄線コマ38との距離は、環状コア14
がシャトルリング15の中心を通っていない場合は、周
期的に増減する。前記蓄線コマには、前記永久磁石41
及びシャトルリング15を構成する磁性体により自転制
動力発生手段が構成されている。この自転制動力発生手
段により前記自転に蓄線コマ38に制動力が作動してい
る。このため、前記環状コア14と蓄線コマ38との距
離が増加する領域においては、前記蓄線コマ38から繰
り出される線材39には張力が生じているので、環状コ
ア14への巻線は線材39が弛むことなく適切に行え
る。
【0042】また、前記蓄線コマ38は、ガイドプレー
ト35に係合しながら前記シャトルリング15の回転に
伴って公転するとき、蓄線コマ38と環状コア14との
間の前記距離が大きい領域では小さい領域よりもシャト
ルリング15に接近させられる。前記蓄線コマ38の下
端には永久磁石41が固定され、また前記シャトルリン
グ15は磁性材料で形成されているので、蓄線コマ38
と環状コア14とが接近した領域では蓄線コマ38とシ
ャトルリングとの間に大きな磁力(吸引力)が作用す
る。この吸引力が大きい場合、蓄線コマ38が自転する
ときの自転部分とこれを支持する固定部分(ガイドプレ
ート35等)との間の摩擦抵抗力が増大する。このよう
に、環状コア14と蓄線コマ38との距離が増加する領
域において、前記蓄線コマ38の自転に対して前記距離
の長いときに短いときよりも大きな制動力が作用する
と、前記環状コア14と蓄線コマ38との間の線材39
に作用する張力の差を少なくすることができる。
【0043】シャトルリング15が時計方向に回転し
て、環状コア14に順巻きの巻線が施される場合には、
前記線材巻戻し手段42の摩擦プレート43が左方(Y
1方向)に移動し、前記蓄線コマ38に接触する位置に
保持されている。このとき前記摩擦プレート43は、前
記蓄線コマ38と環状コア14との間に張られる線材の
長さ(すなわち前記環状コア14と蓄線コマ38との距
離)が減少する領域に配置されている。この場合前記蓄
線コマ38がシャトルリング15とともに公転して、前
記蓄線コマ38と環状コア14との間に張られる線材3
9の長さ(すなわち前記環状コア14と蓄線コマ38と
の距離)が減少する領域に進入すると、蓄線コマ38は
前記摩擦プレート43に摩擦接触して線材巻戻し方向に
自転する。このため、前記環状コア14と蓄線コマ38
との距離が減少する領域において線材39は巻戻され、
弛まない。
【0044】また、前記逆巻きの際には、前記環状コア
14が図6の二点鎖線で示す位置(シャトルリング15
の中心が前記環状コア14を含む平面からずれた位置)
に保持される。また、前記線材巻戻し手段42の摩擦プ
レート43が右方(Y2方向)に移動し、前記蓄線コマ
38から離れた位置に保持され、且つ、前記線材巻戻し
手段52の摩擦プレート53が右方(Y2方向)に移動
し、前記蓄線コマ38に接触する位置に保持される。こ
のとき前記摩擦プレート53は、前記蓄線コマ38と環
状コア14との間に張られる線材の長さ(すなわち前記
環状コア14と蓄線コマ38との距離)が減少する領域
に配置されている。この状態で、シャトルリング15は
反時計方向に回転される。このとき、前記順巻きと同様
に、線材39は弛むことなく、環状コア14に巻き付け
られる。
【0045】前記環状コア14の位置を図6のY軸から
ずらすことにより、前記順巻き及び逆巻きのいずれの場
合にも、前記環状コア14と蓄線コマ38との距離が減
少する領域を狭く且つ前記距離が増加する領域を広くす
ることができる。このように、前記環状コア14と蓄線
コマ38との距離が減少する領域を狭くすると、その領
域に配置する前記線材巻き戻し手段42,52の構成を
小型にすることができる。
【0046】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記(H01)〜(H02)に例示する。
【0047】(H01) 本発明は1個の環状コア14に
順巻き及び逆巻きの巻き線を施すトロイダルコイル巻線
機以外に、順巻き又は逆巻きの一方の巻き線のみを行う
トロイダルコイル巻線機にも適用することが可能であ
る。前記一方の巻き線のみを行う場合には、線材巻戻し
手段42,52の前記摩擦プレート43,53を移動さ
せる必要はなくなるので、線材巻き戻し手段42,52
の構成を簡素化することが可能となる。 (H02) 蓄線コマ38の自転制動力を発生させるため
のガイドプレート35と蓄線コマ38との間の押し付け
力(又は吸引力)は、磁性材料と永久磁石とを用いる代
わりに永久磁石と永久磁石とを用いることが可能であ
り、また、永久磁石41の代わりに電磁石を使用するこ
とも可能であり、さらに、板バネ、コイルバネ等の力を
使用することも可能であり、さらにまた、エアシリンダ
を使用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】前述の本発明のトロイダルコイル巻線機
は、下記の効果(E01)〜(E02)を奏することができ
る。 (E01) シャトルリングの中心を環状コアが通らない
場合、すなわち、巻線時にシャトルリングに支持された
蓄線コマ及び環状コア間の距離が変化する場合でも、常
に蓄線コマ及び環状コア間の線材に張力を発生させる
(線材の弛みを防止する)ことができる。 (E02) 定まったサイズのシャトルリングを用いて種
々のサイズの環状コアに対する巻線を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明のトロイダルコイル巻線機の一
実施例の全体説明図である。
【図2】 図2は同実施例の環状コアを支持する装置の
説明図である。
【図3】 図3は同実施例のシャトルリングを支持する
装置の説明図で、前記図1のIII−III線断面図である。
【図4】 図4は同実施例のシャトルリングを支持する
装置の説明図で、図4Aは前記図3のIVA−IVA線断面
図、図4Bは前記図3の矢印IVBから見た部分図であ
る。
【図5】 図5は同実施例の蓄線コマの説明図である。
【図6】 図6は同実施例のシャトルリングの回転に伴
い公転する蓄線コマと環状コアとの位置関係及び線材巻
戻し手段の説明図である。
【図7】 図7は同実施例の蓄線コマを昇降案内するガ
イドプレートの説明図で、展開図である。
【図8】 図8は従来のトロイダルコイル巻線機の全体
説明図である。
【符号の説明】
14…環状コア、15…シャトルリング、35…ガイド
プレート、38…蓄線コマ、39…線材、41…自転制
動力発生手段(永久磁石)、42,52…線材巻戻し手
段、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状コアが保持された所定の平面に垂直
    な平面内で回転可能且つ前記環状コアの孔を貫通するシ
    ャトルリング、このシャトルリングに自転可能に支持さ
    れるとともにシャトルリングの回転に伴って公転し且つ
    線材が繰り出し可能に蓄えられた蓄線コマ、この蓄線コ
    マの前記自転に制動力を作動させる自転制動力発生手
    段、及び前記シャトルリングを回転させるシャトルリン
    グ回転支持装置を備え、前記シャトルリングが回転した
    ときに前記蓄線コマから繰り出される線材を前記環状コ
    アに巻き付けるトロイダルコイル巻線機において、下記
    の構成要件(Y01)を備えたことを特徴とするトロイダ
    ルコイル巻線機、 (Y01) 前記シャトルリングの回転時に公転する蓄線
    コマの移動領域のうち、この蓄線コマと前記環状コアと
    の間に張られる張設線材の長さとして定義される前記環
    状コアと蓄線コマとの距離が減少する領域において、前
    記蓄線コマに線材巻戻し方向の回転力を作動させる線材
    巻戻し手段が設けられたこと。
  2. 【請求項2】 下記の要件(Y02)を備えたことを特徴
    とする請求項1記載のトロイダルコイル巻線機、 (Y02) 前記シャトルリングの中心が前記環状コアを
    含む平面からずれた位置に配置されて、前記環状コアと
    蓄線コマとの距離が減少する領域が狭く且つ前記距離が
    増加する領域が広くされたこと。
  3. 【請求項3】 下記の要件(Y03)を備えたことを特徴
    とする請求項1または2記載のトロイダルコイル巻線
    機、 (Y03) 前記自転制動力発生手段は、前記環状コアと
    蓄線コマとの距離が増加する領域では、前記蓄線コマの
    自転に対して前記距離の長いときに短いときよりも大き
    な制動力を作用させる構成を備えたこと。
  4. 【請求項4】 前記自転制動力発生手段が下記の要件
    (Y04)〜(Y06)を備えたことを特徴とする請求項3
    記載のトロイダルコイル巻線機、 (Y04) 前記蓄線コマを前記自転の軸方向に移動可能
    に支持することにより、蓄線コマを前記シャトルリング
    に対して接近した位置と離れた位置との間で移動可能に
    支持する手段、 (Y05) 前記蓄線コマの前記シャトルリングに対向す
    る部分及び前記シャトルリングの前記蓄線コマに対向す
    る部分にそれぞれ、永久磁石又は磁性材料のうちの一方
    及び他方が設けられたこと、 (Y06) 前記シャトルリングの回転に伴って公転する
    蓄線コマに係合し、蓄線コマと環状コアとの間の前記距
    離が大きい領域では小さい領域よりも蓄線コマをシャト
    ルリングに接近させるリング状のガイドプレート。
JP4551993A 1993-03-05 1993-03-05 トロイダルコイル巻線機 Pending JPH06260362A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4551993A JPH06260362A (ja) 1993-03-05 1993-03-05 トロイダルコイル巻線機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4551993A JPH06260362A (ja) 1993-03-05 1993-03-05 トロイダルコイル巻線機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06260362A true JPH06260362A (ja) 1994-09-16

Family

ID=12721670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4551993A Pending JPH06260362A (ja) 1993-03-05 1993-03-05 トロイダルコイル巻線機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06260362A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007508718A (ja) * 2003-10-15 2007-04-05 アクタウン エレクトロコイル インコーポレーテッド 磁気コア巻線方法、装置、及びそれから製造される製品
CN104240940A (zh) * 2014-09-12 2014-12-24 东莞市必德电子科技有限公司 一种半自动磁环绕线机
CN108447678A (zh) * 2018-06-22 2018-08-24 海盐伟佳电器科技有限公司 一种线圈自动绕线装置
CN112635192A (zh) * 2021-01-18 2021-04-09 上海庄珀电子科技有限公司 一种变压器环形铁芯固定绕线装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007508718A (ja) * 2003-10-15 2007-04-05 アクタウン エレクトロコイル インコーポレーテッド 磁気コア巻線方法、装置、及びそれから製造される製品
CN104240940A (zh) * 2014-09-12 2014-12-24 东莞市必德电子科技有限公司 一种半自动磁环绕线机
CN108447678A (zh) * 2018-06-22 2018-08-24 海盐伟佳电器科技有限公司 一种线圈自动绕线装置
CN108447678B (zh) * 2018-06-22 2024-02-06 海盐伟佳电器科技有限公司 一种线圈自动绕线装置
CN112635192A (zh) * 2021-01-18 2021-04-09 上海庄珀电子科技有限公司 一种变压器环形铁芯固定绕线装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2365691A (en) Apparatus for advancing filamentary material
JP2011527644A5 (ja)
JPH06260362A (ja) トロイダルコイル巻線機
GB2064600A (en) Yarn covering apparatus
JP2006306508A (ja) テーピング装置
US5109690A (en) Tension apparatus
US3695062A (en) Magnet drive for take up spool spindle in circular knitting machines
DE3118357C2 (de) Antriebseinrichtung zum gleichzeitigen Antrieb von zumindest einer Bandtransportrolle und der Nabe einer Bandaufwickelspule bei Magnetbandgeräten
GB1593348A (en) Device for winding a material onto a bobbin
JP4409259B2 (ja) トロイダルコアの巻線装置
JPH05343250A (ja) トロイダルコイル巻線機
JPH0759308A (ja) 外溝ステーターの巻線機
JPS6011740Y2 (ja) 円弧形コイル用巻線機
JPH10109827A (ja) 線条材の張力制御装置
US3592409A (en) Yarn-tensioning means for spiral winding machines
KR0176766B1 (ko) 코일 권선기의 텐션 조절장치
JP3251833B2 (ja) 張力調整装置
JP3280222B2 (ja) 線条材の張力制御装置
JP4365931B2 (ja) 巻玉解舒装置
JPS5852863Y2 (ja) 円弧形コイル用巻線機
KR860001757A (ko) 권취장치
JPH0659974B2 (ja) テンション装置
JPS63144818A (ja) 磁気カツプリングを用いた張力斑の少ない調節方法
JP2866273B2 (ja) 線条材の張力調整装置
JPH0211420Y2 (ja)