JPH06256725A - 光ディスク基板の貼り合わせ方法 - Google Patents

光ディスク基板の貼り合わせ方法

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JPH06256725A
JPH06256725A JP5043980A JP4398093A JPH06256725A JP H06256725 A JPH06256725 A JP H06256725A JP 5043980 A JP5043980 A JP 5043980A JP 4398093 A JP4398093 A JP 4398093A JP H06256725 A JPH06256725 A JP H06256725A
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JP
Japan
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compound
weight
parts
optical disk
adhesive
Prior art date
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Application number
JP5043980A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Otsuki
司 大槻
Masato Yanagi
正人 柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP5043980A priority Critical patent/JPH06256725A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】優れた作業性を示し,貼り合わせた後は硬化し
て強固な接着力を発現する,光ディスク基板の貼り合わ
せ方法を提供する。 【構成】1)粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部,
2)共役二重結合を有し酸素吸収能と過酸化物生成能を
併せ持ち,酸素吸収量が0.1〜3.0%(吸収酸素重
量/重量),活性酸素量が0.05〜1.0%(活性酸
素重量/重量)である化合物(B)30〜150重量部
からなるよう配合した硬化性粘着剤を積層してなる硬化
性粘着シートを用いた光ディスク基板の貼り合わせ方
法。または,(A)100重量部,化合物(B)30〜
150重量部に,3)エチレン性不飽和基を有する化合
物またはオリゴマー(C)を,化合物(B)の活性酸素
1モルに対し,化合物(C)のエチレン性不飽和基が0
モルより多く140モルより小さくなるよう配合してな
る硬化性粘着剤を積層してなる硬化性粘着シートを用い
た光ディスク基板の貼り合わせ方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,接合時には優れた粘着
性を有して光ディスク基板に仮接着でき,貼り合わせた
だけで徐々に硬化して強固な接着力を示す硬化性粘着シ
ート(もしくはテープ)を用いた光ディスク基板の貼り
合わせ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク基板の貼り合わせには,接着
剤や粘着シートを用いる方法がある。接着剤を用いる方
法は,ディスク基板の片側の所定の場所に接着剤を塗布
して,ディスク基板同士を貼り合わせるものであるが,
接着剤の塗布,貼り合わせ,乾燥の工程が必要であり,
どのような硬化様式の接着剤を用いても貼り合わせ工程
終了までに1分以上を要する。また,接着剤の使用は,
貼り合わせ作業現場の作業環境を悪化させるばかりでな
く,接着剤の均一塗布,貼り合わせ時のはみ出し防止な
ど作業効率を低下させる要素を増す結果になる。接着剤
を用いた方法による光ディスク基板の貼り合わせ強度は
非常に大きいが,以上のような理由から,最近では光デ
ィスク基板の貼り合わせは,粘着シートを用いる方法に
変わりつつある。粘着シートによる貼り合わせは,作業
性が極めて優れており,貼り合わせに要する時間は,接
着剤を用いる方法の10分の1以下である。しかし,粘
着シートは,粘着層にガラス転移点温度の低い樹脂を用
いるため,もともと大きな接着強度は期待できる接合材
ではなく,貼り合わせ後,ズレや剥離を起こしやすかっ
た。特に50度以上の雰囲気では接着信頼性は著しく低
下し,このような環境にわずかでも曝される用途では,
使用することが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,接着剤を用
いた方法の貼り合わせ作業の煩雑さ及び粘着シートを用
いる方法の接着信頼性不足の解消を狙いとしている。貼
り合わせ時は粘着シートと同レベルの良好な作業性を示
し,貼り合わせ後は接着剤なみの信頼性を発現する光デ
ィスク基板の接着方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】課題達成のための手段と
して,本発明では硬化性粘着シートを用いた光ディスク
基板の貼り合わせ方法を提供している。図1は代表的な
エアサンドイッチ構造の光ディスクを示した。図2はそ
の断面図である。エアサンドイッチ構造では2枚の円盤
状の光ディスク基板の間を中空にするため,リング状の
スペーサーを円盤の中心部と外周の2カ所に挟んでい
る。硬化性粘着シートは図3のような剥離ライナーと硬
化性粘着剤層の二重構造からなり,スペーサーの表と裏
にそれぞれ貼り付けてから,剥離ライナーを剥し,二枚
の円盤をスペーサーの両側に押し付け接着する。押し付
けるときの圧力は,粘着剤がはみ出さず,ディスク基板
が傷つかない程度に設定すればが良いが,所定の強度に
達するまで1日から1週間を要する。接着面に気泡が混
入すると,硬化は著しく阻害される。従って,真空プレ
スを使用して真空下に接着する方法は,この硬化には非
常に好適である。この貼り合わせ方法は,粘着シートを
用いた方法と全く同じであるが,粘着シートの場合,貼
り合わせた後も接着強度に殆ど変化がないのに対し,本
発明の硬化性粘着シートを用いた方法では,貼り合わせ
直後から硬化が進行し,接着強度は徐々に上昇し接着剤
なみの信頼性を示す。
【0005】本発明の光ディスク基板貼り合わせ方法
は,何のエネルギーも加えることなく貼り合わせただけ
で硬化する粘着シートを用いて始めて達成できるもので
あり,シートとした場合の保存安定性と硬化性の両方に
優れた硬化性粘着シートを作る必要があった。また,光
ディスク基板のスペーサーの片面または両面に硬化性粘
着シートの粘着面を貼り付け,剥離ライナーを付けたま
ま,打ち抜きなどの加工を行なった後,剥離ライナーを
剥してもう一つの被着体と貼り合わせるという接着方法
を可能にするため,二つの被着体を貼り合わされるまで
は,室温雰囲気中に放置されても硬化が進まず,貼り合
わせてはじめて,硬化が進行し接着するという性能を必
要とした。硬化性粘着シートは,この要求性能には好適
であったが,使用前の保存性と貼り合わせ後の硬化性
が,二律背反の関係にあり,硬化性を良くしようとすれ
ば保存安定性が劣り,保存安定性を良くすれば硬化性が
劣るというように,実用的に使用できるレベルの性能を
有するものを得ることは難しかったが,硬化組成物の構
成素材を鋭意検討した結果,保存安定性と保存性に優れ
た硬化性粘着シートが得られ,課題を解決することがで
きた。
【0006】その構成は, 1)粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部と,2)共役
二重結合を有し酸素吸収能と過酸化物生成能を併せ持
ち,酸素吸収量が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/重
量),活性酸素量が0.05〜1.0%(活性酸素重量
/重量)である化合物(B)30〜150重量部を配合
した硬化性粘着剤である。また,粘着性ゴム系樹脂
(A)100重量部,化合物(B)30〜150重量部
に,更に,3)エチレン性不飽和基を有する化合物また
はオリゴマー(C)を,化合物(B)の活性酸素1モル
に対し,化合物(C)のエチレン性不飽和基が0モルよ
り多く140モルより小さくなるよう配合してなる硬化
性粘着剤である。
【0007】本発明の光ディスク基板の貼り合わせに用
いる硬化性粘着シートは,被着体を貼り合わせた後,樹
脂を硬化させ接着を発現させるものである。従って,樹
脂の硬化による接着という点では,従来からある硬化性
粘着シートとあまり変わらない。しかし,本発明の硬化
様式は,従来からある様式とは全く異なる新規硬化機構
から構成されるものであり,この硬化機構を更に詳細に
検討した結果,本発明の光ディスク基板の貼り合わせに
用いる硬化性粘着シートを見出すに至った。本発明の硬
化性粘着シートの硬化機構は,共役二重結合を有する化
合物を組成物の一つとした場合に特有のものであり,共
役二重結合部分の活発な反応性を利用したものである。
共役二重結合に関する反応には多くの反応があるが,最
も重要な反応は,空気中の酸素を吸収する酸化反応と,
ディールスアルダー反応である。特に,共役二重結合部
分の自動酸化は,有機過酸化物を徐々に生成し,活性酸
素を系内に蓄積する。有機過酸化物の分解によりラジカ
ルを発生し,このラジカルが樹脂の架橋反応や不飽和結
合の反応を開始させ,樹脂の硬化を起さしめる。しか
し,自動酸化の速度は,共役二重結合を有している化合
物といえども,室温での加工された粘着シート内の固相
反応であるため,非常に緩やかである。これは,酸素の
吸収酸化,過酸化物の生成,分解,ラジカルによる樹脂
の硬化まで一貫して非常に遅い反応といえる。一方,周
辺酸素を吸収する自動酸化反応の過程で生成した有機過
酸化物の分解によるラジカルは,被着体に貼り合わされ
た場合,周辺酸素に消費されることなく,硬化反応に対
し有効に寄与する。しかしながら,被着体を貼り合わせ
ずシートとして保存している間は,生成した有機過酸化
物より発生するラジカルは,粘着層や剥離ライナーが有
している微量の空気で消費され,硬化を起こさせるほど
の量には到達せず,樹脂の硬化反応は起こらない。被着
体同士が貼り合わされてはじめて,酸素の供給が遮断さ
れ周辺酸素が完全に消費されて,不飽和樹脂へのラジカ
ルの寄与が旺盛になり,硬化反応を引き起こす。従っ
て,被着体を貼り合わされるまでは,非常に遅い速度で
はあるが,有機過酸化物の生成と分解が絶えず繰り返さ
れいる。しかし,化合物(B)は大量に存在するため,
保存中に完全に酸化されるまでには至らず,硬化性は維
持される。
【0008】シートの保存安定性と硬化性を両立させる
ためには,化合物(B)の酸素吸収能と有機過酸化物生
成能が適切なレベルでなければならない。酸素吸収能及
び有機過酸化物生成能が大きすぎると,シートとして保
存中に有機過酸化物を過剰に生成し,周辺酸素によるラ
ジカル消費では追随できず硬化してしまう。小さすぎる
とほとんど硬化しなかったり硬化時間が長すぎて実用的
に使用できなくなる。共役二重結合より生成する有機過
酸化物は殆どハイドロパーオキサイドであると推定され
るが,化合物(B)の酸素吸収能や有機過酸化物生成能
のレベルは適切である必要がある。
【0009】請求項1の粘着性ゴム系樹脂(A)と化合
物(B)からなる硬化性粘着シートでは,化合物(B)
から誘導されたラジカルが粘着性ゴム系樹脂(A)に作
用し,架橋反応を起こし硬化する。あるいは化合物
(B)自体が架橋剤となって反応していることも考えら
れる。請求項2は,粘着性ゴム系樹脂(A),化合物
(B)に,エチレン性不飽和基を有する化合物(C)を
加えた硬化性粘着シートであるが,硬化様式は請求項1
の場合と同様,化合物(B)が周辺酸素を吸収して酸化
し,有機過酸化物を生成して,その分解により発生した
ラジカルが,粘着性ゴム系樹脂(A),化合物(C)に
作用し,硬化反応を引き起こす。特に,化合物(C)の
エチレン性不飽和基に直接作用し,ラジカル重合により
硬化する。更に,請求項2の発明では,有機過酸化物に
よる反応以外に,共役二重結合部分とエチレン性不飽和
基の間でディールスアルダー反応が旺盛になり,分子量
の増大による効果も硬化に寄与する。
【0010】以上の硬化反応は,嫌気硬化と類似してい
るが,硬化性粘着シートを構成する組成物の面より見る
と全く異なるものである。その作用効果も,従来の嫌気
性硬化シートとは異なり,今まで両立が困難であった保
存安定性と硬化性の両方とも本発明の硬化性粘着シート
では確保できるようになった。従来,嫌気硬化性組成物
として知られているものは,特公昭61−45674,
特公平2−5791などで例示されているように,ポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート,エポキシア
クリレートなどの(メタ)アクリロイル基を有する重合
性単量体ないしはオリゴマーに,ベンゾイルパーオキサ
イド,クメンヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化
物,必要であれば促進剤や安定剤などの成分を加えたも
のである。この組成でも有機過酸化物の分解によりラジ
カルを発生し硬化反応は起こるが,保存安定性と硬化性
の二律背反を解消できず,シートとしての保存安定性を
確保することは困難である。これに対し本発明では,化
合物(B)が周辺酸素を吸収し,自ら酸素欠乏状態を作
り出す役割と有機過酸化物を生成する役割の両方を果た
し,徐々に有機過酸化物の生成と分解を継続的に繰り返
すという巧妙な仕組みにより,保存安定性と硬化性の二
律背反を解消できるようになった。更に,本発明では,
常温でのディールスアルダー反応など共役二重結合を有
する化合物に特有の反応を起こすことによって,硬化を
進める点で,従来からある嫌気硬化性組成物及びそれか
らなるシートとは完全に一線を画するものである。ま
た,粘着性ゴム系樹脂(A),化合物(B),化合物
(C)は,粘着性ゴム系樹脂(A)をマトリックスとす
るミクロ相分離構造を形成し,化合物(B),化合物
(C)を球状粒子とした海島構造として存在するため,
酸素の供給も極めて穏やかで,空気酸化も緩慢であるた
め,ラジカルの急激な増加も抑えられる。これがシート
としての保存安定性と硬化性との両立に大きく寄与して
いる。
【0011】粘着性ゴム系樹脂(A)とは,粘着性アク
リルポリマー,天然および合成のシス−1,4−ポリイ
ソプレンゴム,ブチルゴム,ハロゲン化ブチルゴム,部
分加硫ブチルゴム,スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロックコポリマー(SBS),スチレン−イソプレン−
スチレンブロックコポリマー(SIS),スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SE
BS),シリコンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴ
ム,ブタジエンゴムなどの,粘着剤用ゴム系樹脂として
用いられているものであり,いわゆるエラストマーと称
されているポリマーである。とりわけ,粘着性アクリル
ポリマーは,構造,分子量とも自在に製造することがで
き,化合物(B),化合物(C)と良好なミクロ相分離
構造を形成し,粘着性ゴム系樹脂(A)には好適であ
る。粘着性アクリルポリマーとは,水酸基,三級アミノ
基,カルボキシル基,アミド基,ニトリル基などの官能
基を有するものであり,一般に粘着剤用アクリル樹脂と
して用いられているものである。これらの官能基を有す
るアクリルポリマーは,水酸基,三級アミノ基,カルボ
キシル基,アミド基,ニトリル基などを有するモノマー
のうちの一種または数種と,アルキル(メタ)アクリレ
ート,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,ビニルエーテ
ル,スチレンなどのモノマーとの共重合体などである。
【0012】水酸基を有するモノマーとしては,2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート,N−メチロールアクリ
ルアミドなどがあり,三級アミノ基を有するモノマーと
しては,ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート,
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどをあげ
ることができる。カルボキシル基を有するモノマーとし
ては,アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸などがあ
る。アミド基を有するモノマーとしては,アクリルアミ
ド,メタクリルアミド,N−メチル(メタ)アクリルア
ミドなどがある。ニトリル基を有するモノマーとしては
アクリロニトリル,メタクリロニトリル,クロトノニト
リル,フマロニトリルなどがある。また,アルキル(メ
タ)アクリレートとしては,メチル(メタ)アクリレー
トブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレ
ートがある。その他,一般にアクリルポリマーの合成に
用いられるモノマーをポリマーの合成にも用いることが
できる。
【0013】反応は通常のラジカル重合であり,反応方
法に何等制限はなく,溶液重合,塊状重合,乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが,反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては,メチルエチル
ケトン,メチルイソブチルケトン,トルエン,セロソル
ブ,酢酸エチル,酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく,単独でも,複数の溶媒を混
合してもよい。また,重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド,アセチルパーオキサ
イド,メチルエチルケトンパーオキサイド,ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物,アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく,とくに制限はない。
【0014】化合物(B)は,共役二重結合を有し,酸
素吸収能と有機過酸化物生成能を併せ持ち,酸素吸収量
が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/重量),活性酸素
量が0.01〜1.0%(活性酸素重量/重量)である
化合物である。酸素吸収量及び活性酸素量は以下の方法
で測定したものである。 1)酸素吸収量の測定 化合物(B)を,25℃,300±25psi,168
時間の条件下において,その重量増加を測定する。試料
は,粉砕して200〜300メッシュとするか,20〜
50μmの薄膜とする。 2)活性酸素量の測定 化合物(B)をクロロホルムに溶解し,還元剤として過
剰のヨウ化カリウム溶液を加え,遊離したヨウ素をチオ
硫酸ナトリウム溶液で滴定する。必要に応じて氷酢酸,
メタノールを加える。試料は,粉砕して200〜300
メッシュとするか,20〜50μmの薄膜とし,60
℃,10日間放置した直後に測定する。
【0015】化合物(B)として適用できる化合物に
は,ロジン,重合ロジン,及びその多価アルコールエス
テル,ブタジエン,シクロペンタジエンなどの環状ジエ
ン類,フラン類,不飽和高級脂肪酸,及びそのトリグリ
セリドなどがある。とりわけ,ロジン,重合ロジン,及
びその多価アルコールエステルは,共役二重結合部分の
酸素吸収能や有機過酸化物生成能が最適であり,本発明
の化合物(B)には好適である。ロジンには,ウッドロ
ジン(酸素吸収量9.25%,活性酸素量2.61
%),ガムロジン,トール油ロジン,水添ロジンなどが
ある。ロジンの多価アルコールエステルにはグリセリン
エステル,ペンタエリスリトールエステルがあり,グリ
セリンエステルには,エステルガム8D(酸素吸収量
5.05%,活性酸素量0.56%),エステルガム8
L−JA(酸素吸収量4.22%,活性酸素量0.51
%)(何れもハーキュリーズ社製ロジングリセリンエス
テル),ペンタエリスリトールエステルのは,ペンタリ
ンA−JA(酸素吸収量1.80%,活性酸素量0.1
0%),ペンタリンA−J,エステルR−95,エステ
ルR−105(酸素吸収量1.50%,活性酸素量0.
56%),ペンタリン4850,ペンタリン4851
(何れもハーキュリーズ社製ロジンペンタエリスリトー
ルエステル)などがある。水添ロジンには,ステベライ
ト,フォーラルAX(ハーキュリーズ社製水添ロジン)
などがある。水添ロジンエステルとしては,水添ロジン
のメチルエステル,トリエチレングリコールエステル,
グリセリンエステル,ペンタエリスリトールエステルが
あり,水添ロジンメチルエステルとしてはハーコリンD
(ハーキュリーズ社製),水添ロジントリエチレングリ
コールエステルとしては,ステベライトエステル3(ハ
ーキュリーズ社製),水添ロジングリセリンエステルと
してはステベライトエステル5J(酸素吸収量0.10
%未満,活性酸素量0.04%),ステベライトエステ
ル7,ステベライトエステル10(酸素吸収量0.10
%未満,活性酸素量0.04%),フォーラル85(酸
素吸収量0.10%未満,活性酸素量0.12%)(何
れもハーキュリーズ社製水添ロジンエステル),水添ロ
ジンペンタエリスリトールエステルとしては,ペンタリ
ンH(酸素吸収量0.10%未満,活性酸素量0.26
%),フォーラル105(何れもハーキュリーズ社製ペ
ンタエリスリトールエステル)などがある。二塩基性変
性ロジンエステルとしては,ペンタリン4820,ペン
タリン4821,ペンタリン4740,ペンタリン83
0(何れもハーキュリーズ社製二塩基酸変性ロジンエス
テル)などがある。重合ロジンには,ポリペール(酸素
吸収量1.00%,活性酸素量0.06%),ダイマレ
ックス(酸素吸収量0.30%,活性酸素量0.14
%)(何れもハーキュリーズ社製重合ロジン)などがあ
る。重合ロジンエステルとしては,重合ロジンのグリセ
リンエステル及びペンタエリスリトールエステルがあ
り,エステルガム10D(酸素吸収量0.52%,活性
酸素量0.35%)(ハーキュリーズ社製重合ロジング
リセリンエステル),ペンタリンC−J(酸素吸収量
0.15%,活性酸素量0.18%),ペンタリンK,
ペンタリン2590(酸素吸収量0.30%,活性酸素
量0.07%)(何れもハーキュリーズ社製重合ロジン
ペンタエリスリトールエステル)などがある。
【0016】ロジンの中で,ウッドロジン,ガムロジ
ン,トール油ロジンは酸素吸収量が大き過ぎ,水添ロジ
ンは酸素吸収量が小さ過ぎる傾向があり,何れも単独で
は化合物(B)として使えない場合が多い。これらの多
価アルコールエステルも,酸素吸収量は同様の傾向を示
すが,適度な酸素吸収量を有するものもあり,エステル
R105などのようなロジンペンタエリスリトールエス
テルは化合物(B)として使用できる。重合ロジン及び
重合ロジン多価アルコールエステルは,概ね,酸素吸収
量が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/重量),活性酸
素量も0.001〜0.5%(活性酸素重量/重量)で
あり,化合物(B)として適切なものが多い。特に好ま
しくは,ダイマレックスレジンのような重合ロジン,ペ
ンタリンC−Jのような重合ロジンペンタエリスリトー
ルエステルが化合物(B)として好適である。酸素化合
物(B)の添加量は,粘着性ゴム系樹脂(A)100重
量部に対し,30〜150重量部であるが,40〜70
重量部が硬化性と保存安定性の両立に好ましい。なお,
ロジン化合物は,粘着付与剤として使用できるが,本発
明の硬化性粘着シートにおける使用目的は有機過酸化物
生成反応やディールスアルダー反応などその反応性にあ
り,従来の粘着付与剤としての使用法とは本質的に異な
るものである。
【0017】エチレン性不飽和基を有する化合物または
オリゴマー(C)としては,ジエチレングリコールジメ
タクリレート,ジエチレングリコールジメタクリレー
ト,トリエチレングリコールジメタクリレート,テトラ
エチレングリコールジメタクリレート,ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート,トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)クリレートなどの多価アルコール類のポ
リ(メタ)アクリレートあるいはモノ(メタ)アクリレ
ートや,ポリエステル系,ポリエーテル系,ポリウレタ
ン系,エポキシオリゴマー系,ポリサルファイド系,ポ
リカプロラクトン系,ポリカーボネート系などのポリ
(メタ)アクリレートあるいはモノ(メタ)アクリレー
トなどが挙げられる。とりわけ,特開昭61−1261
28号公報に製造方法が記載されている,水酸基を有す
る化合物,環状酸無水物,エチレン性不飽和基を有する
エポキシドを,開環重合して得られる不飽和ポリエステ
ルオリゴマーは,化合物(C)として好適である。
【0018】化合物(C)の配合量は,化合物(B)の
活性酸素1モルに対し,化合物(C)のエチレン性不飽
和基が0モルよりも多く140モルよりも少なくなるこ
とが好ましい。化合物(B)の活性酸素1モルに対し,
化合物(C)のエチレン性不飽和基が140モルより多
くなると,硬化性が乏しくなり,粘着特性と接着特性の
バランスも悪くなる。硬化性粘着シートの保存安定性と
硬化性の両立及び硬化前の粘着特性と硬化後の接着強度
の両立を図るためには,粘着性ゴム系樹脂(A),化合
物(B),化合物(C)が,粘着性ゴム系樹脂(A)を
マトリックスとするミクロ相分離構造を形成することが
必要である。特に,化合物(C)は5〜100重量部配
合した場合,保存安定性と硬化性のバランスが良い。
【0019】硬化前の粘着特性を改善し,特に凝集力を
高めるために,さらにポリイソシアネート(D)を添加
して,粘着性アクリル樹脂(A),化合物(B),化合
物(C)を部分架橋させることができる。このようなポ
リイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート,
4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート,ヘキサ
メチレンジイソシアネート,m−キシレンジイソシアネ
ート,p−キシレンジイソシアネート,1,5−ナフタ
レンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,
リジンジイソシアネート,水添4,4´−ジフェニルメ
タンジイソシアネート,水添トリレンジイソシアネート
などのジイソシアネート類,あるいはこれらとグリコー
ル類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダク
ト体,あるいはこれらの混合物があり,必要に応じてト
リフェニルメタントリイソシアネート,ポリメチレンポ
リフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソ
シアネート類もジイソシアネート類と混合して用いるこ
とができる。ポリイソシアネート(D)は,粘着性ゴム
系樹脂(A),化合物(B),または,粘着性ゴム系樹
脂(A),化合物(B),化合物(C)からなる硬化性
粘着剤100重量部に対して,0.05〜2.0重量
部,好ましくは0.1〜1.5重量部の割合で用いられ
る。
【0020】重合禁止剤(E)としては,ハイドロキノ
ン,ハイドロキノンモノメチルエーテル,tert−ブ
チルカテコール,p−ベンゾキノン,2−メルカプトベ
ンゾイミダゾール,2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリン,N,N−ジ−β−ナフチル−p−フ
ェニレンジアミン,4,4−ブチリデン−ビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール,フェニル−β−ナフ
チルアミン,2,2−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチル)フェノール,2−メルカプトベンゾイミダ
ゾール,ジフェニルピクリルヒドラジル,ガルビノキシ
ル,フェルダジル,N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアルミニウム塩,イオウ,ニトロ化合物などのラ
ジカル重合禁止剤が用いられる。これらの重合禁止剤の
中で,N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミ
ニウム塩は,硬化性粘着シートの保存安定性と硬化性の
両方を満足させる上で特に好ましい。重合禁止剤(E)
の添加により,保存安定性は著しく改善されるが,硬化
に要する時間は長くなる傾向がある。重合禁止剤(E)
の添加量は,粘着性ゴム系樹脂(A),化合物(B),
または,粘着性ゴム系樹脂(A),化合物(B),化合
物(C)からなる硬化性粘着剤100重量部に対して,
0.001〜1.0重量部,好ましくは0.005〜
0.5重量部の割合で用いられる。
【0021】本発明の光ディスク基板の貼り合わせに用
いる硬化性粘着剤は,必要に応じて顔料,染料,無機充
填剤,金属粉,シランカップリング剤,粘着付与剤など
を加えることができる。硬化性粘着シートの製造は,シ
リコーン処理を施した紙や布などからなる剥離ライナー
上に塗工し,必要があれば乾燥により溶媒を除去し,必
要があれば裁断などの加工を行ない,両面の硬化性粘着
シートの形にする。補強や衝撃緩和のためにセロファ
ン,ポリエチレンテレフタレートフィルムなど非通気性
基材を芯材として,硬化性粘着剤を塗工して用いること
もできる。また,不織布などの通気性基材に硬化性粘着
剤を非通気的に含浸して用いることもできる。
【0022】光ディスク基板は,光記録媒体として一般
に用いられている射出成形基板,2P基板,押出成形基
板の何れでもよい。これらの中で機械的強度,吸湿性,
経済性の点からアクリル系樹脂,ポリカーボネート系樹
脂,ポリオレフィン系樹脂,ポリスチレン系樹脂とポリ
カーボネート系樹脂,ポリスチレン系樹脂とポリフェニ
レンオキシド系樹脂の混合樹脂による射出成形基板が好
ましくポリカーボネート樹脂射出成形基板がさらに好ま
しい。また,スペーサーの材料の具体例としては,アク
リル系樹脂,ポリカーボネート系樹脂,ポリオレフィン
系樹脂,ポリスチレン系樹脂,ポリフェニレンオキシド
系樹脂などが挙げられる。また,記録膜は,有機系でも
無機系でもその種類は問わない。一般に化学的作用に弱
いとされている有機系の記録膜においても,本発明の貼
り合わせ方法に従えば,反射率の低下や制御信号の減少
などの影響は見られない。
【0023】硬化性粘着シートは,剥離ライナーを除い
た粘着剤層が2つの光ディスク基板間にスペーサーを介
して挟持され,その良好な粘着性によって仮接着した
後,徐々に硬化を進行させ,光ディスク基板同士を強固
に接着させることができる。また,粘着シートに発泡体
などを用いることにより,それ自体の厚さでスペーサー
を介することなく,光ディスク基板を貼り合わせること
ができる。この場合は発泡体層がスペーサーの役目をす
る。
【0024】
【実施例】以下,実施例により本発明を説明する。例
中,部とは重量部を,%とは重量%を,それぞれ表わ
す。
【0025】粘着性ゴム系樹脂(A)の合成 ポリマー1 ブチルアクリレート 92.0部 アクリルアミド 2.8部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.2部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成の
混合物125部に,上記の同組成の混合物125部を滴
下し,滴下終了後,12時間加熱還流させ,冷却し,ポ
リマー1の溶液(固形分40%)を得た。
【0026】ポリマー2 カリフレックス TR−1101 40.0部 (SBS,シェル化学(株)製粘着性ゴム系樹脂) トルエン 60.0部 上記組成物を窒素雰囲気中50℃で撹拌溶解し,ポリマ
ー2の溶液(固形分40%)を得た。
【0027】化合物(B)溶液の作製 ロジン化合物1 エステルR105 40.0部 (ハーキュリーズ社製重合ロジンペンタエリスリトール
エステル) 酢酸エチル 60.0部 ロジン化合物2 中国ロジン 40.0部 酢酸エチル 60.0部 ロジン化合物3 フォーラル85 40.0部 (ハーキュリーズ社製水添ロジングリセリンエステル) 酢酸エチル 60.0部 室温で上記組成の混合物をそれぞれ1時間撹拌し,ロジ
ン化合物1〜3の溶液(固形分40%)を得た。
【0028】化合物(C)溶液の作製 不飽和ポリエステルオリゴマー1 エチレングリコール 2.0部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 51.0部 グリシジルメタクリレート 47.0部 N,N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物をそれぞれ混合し,空気雰囲気中,80℃で
10時間反応させ,冷却後,酢酸エチル125部を加え
て,重量平均分子量2100,数平均分子量1670の
不飽和ポリエステルオリゴマー1の溶液(固形分40
%)を得た。
【0029】
【実施例1】ポリマー1の溶液45.0部,ロジン化合
物1の溶液30.0部を十分に混合し,シリコーン処理
を施したポリエチレン塗工上質紙(以下剥離ライナーと
する)上に,乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布
し,60℃で3分間乾燥して剥離ライナーを重ね合わ
せ,粘着シートを得た。得られた粘着シートについて,
硬化前の粘着特性(剥離接着力,タック,保持力),硬
化後の剪断接着力,粘着シートの保存安定性,光ディス
クとしての性能の評価を行ない,表1の結果を得た。
【0030】(1)硬化前の剥離接着力 片方の剥離ライナーを剥し,得られた粘着シートの粘着
面に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート
を貼着し,幅25mmに切断し,次にもう一方の剥離ラ
イナーを剥離させ,生じた粘着面をポリカーボネート板
に貼着し,30分間放置した後,25℃,相対湿度65
%の条件下,剥離速度300mm/分で180度剥離接
着力を測定した。
【0031】(2)硬化前のタック 傾斜角30度の斜面に得られた粘着シートの片方の剥離
ライナーを剥離し,25℃,相対湿度65%の条件下,
助走距離10cmで,ステンレススチール製ボールを転
がし,粘着面10cm以内のところで停止する最大のボ
ールの番号を測定した。ボールの番号は1/16から1
まで31種類ある「ボールの呼称」の32倍の数値で表
示した。
【0032】(3)硬化前の保持力 片方の剥離ライナーを剥し,得られた粘着シートの粘着
面に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート
を貼着し,幅25mm,長さ100mmの大きさに切断
し,次にもう一方の剥離ライナーを剥離させ,生じた粘
着面のうち,たて25mm,横25mmの部分をポリカ
ーボネート板に貼着し,40℃,荷重1kgで粘着シー
トがポリカーボネート板より落下するまでの時間(秒)
を測定した。
【0033】(4)硬化後の剪断接着力 縦50mm,横10mm,厚さ0.5mmの2枚のポリ
カーボネート板片側の一端に,縦10mm,横10mm
に切断した粘着シートの,片方の剥離ライナーを剥離し
て得られた粘着シートの粘着面を貼着し,もう一方の剥
離ライナーを剥離させ,生じた粘着面に気泡が入らない
ように貼着し,20℃で1週間放置して硬化させた後,
25℃,相対湿度65%の条件下,引張り速度5mm/
分で剪断強度を測定した。
【0034】(5)粘着シートの保存安定性 片方の剥離ライナーを剥し,得られた粘着シートの粘着
面に,シリコン処理した厚さ50μmのポリエチレンテ
レフタレートシートを貼着し,もう一方の剥離ライナー
を剥し,更にもう一枚のシリコン処理した厚さ50μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせ,
酸素透過が乏しい状態で50℃,2週間保存後,粘着性
があるかどうかで保存安定性を評価した。硬化して粘着
性のないものを不良,十分粘着性があるものを良好とし
た。
【0035】(6)光ディスクとしての性能 厚さ1.2mm,直径130mmの射出成形ポリカーボ
ネート樹脂基板にバナジルテトラブチルフタロシアニン
の3%ヘキサン溶液を塗布して記録膜を形成した。この
記録膜付基板とポリカーボネート製のスペーサーとを上
記の嫌気硬化性粘着シートで貼り合わせ硬化させた。さ
らに,貼り合わせたスペーサー付基板と新たな記録膜付
基板とを同一の嫌気硬化性粘着シートで貼り合わせエア
サンドイッチ構造とした。このようにして貼り合わせた
光ディスクをターンテーブルに乗せ,1800rpmの
速度で回転させながら,830nmの発振波長を有する
ドライブを用いて,レーザービームを樹脂基板を通して
記録層に集束するように制御し,光ディスクの内周から
外周にかけての反射率を測定した。同様の測定を,貼り
合わせを行なっていない光ディスク基板でも行ない,貼
り合わせた光ディスクと比較した。また,トラック制御
信号の大きさを内周から外周にかけて調べ,反射率と同
様に貼り合わせ前後で比較した。この貼り合わせ前後の
比較で,何れも差異が20%未満の場合を良好とした。
【0036】
【実施例2】実施例1と同様に,ポリマー1の溶液4
5.0部,ロジン化合物1の溶液30.0部を十分に混
合した樹脂混合物に,さらにコロネートL(日本ポリウ
レタン工業(株)製アダクトポリイソシアネート)0.
3部を加えて粘着シートを作製し,さらに50℃で3日
間熟成させた。得られた粘着シートについて,硬化前の
粘着特性,硬化後の剪断接着力,粘着シートの保存安定
性,光ディスクとしての性能を測定した。以上の測定結
果は表1に示した。
【0037】
【実施例3】実施例2と同様に,ポリマー1の溶液4
5.0部,ロジン化合物1の溶液30.0部,コロネー
トL(日本ポリウレタン工業(株)製アダクトポリイソ
シアネート)0.3部を均一に混合し,さらに重合禁止
剤として,N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンア
ルミニウム塩0.01部を加え,実施例2と同様に,粘
着シートを得た。得られた粘着シートについて,硬化前
の粘着特性,硬化後の剪断接着力,粘着シートの保存安
定性,光ディスクとしての性能を測定した。以上の測定
結果は表1に示した。
【0038】
【実施例4】実施例3と同様に,ポリマー1の溶液4
5.0部,ロジン化合物1の溶液30.0部,コロネー
トL(日本ポリウレタン工業(株)製アダクトポリイソ
シアネート)0.3部,N−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミンアルミニウム塩0.01部に,さらに,不飽
和ポリエステルオリゴマー1の溶液25.0部を加え,
実施例3と同様に,粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートについて,硬化前の粘着特性,硬化後の剪断接着
力,粘着シートの保存安定性,光ディスクとしての性能
を測定した。以上の測定結果は表1に示した。
【0039】
【実施例5】実施例4のポリマー1をポリマー2へ変え
る以外は全く同様に操作して,硬化前の粘着特性,硬化
後の剪断接着力,粘着シートの保存安定性,光ディスク
としての性能を測定した。以上の測定結果は表1に示し
た。
【0040】
【比較例1】実施例4のロジン化合物1をロジン化合物
2へ変える以外は全く同様に操作して,硬化前の粘着特
性,硬化後の剪断接着力,粘着シートの保存安定性,光
ディスクとしての性能を測定した。以上の測定結果は表
1に示した。
【比較例2】実施例4のロジン化合物1をロジン化合物
3へ変える以外は全く同様に操作して,硬化前の粘着特
性,硬化後の剪断接着力,粘着シートの保存安定性,光
ディスクとしての性能を測定した。以上の測定結果は表
1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】光ディスク基板を硬化性粘着シートで貼
り合わせて得られた光ディスクの性能は,貼り合わせる
前と変わらない。表1に示されたように,硬化前の剥離
接着力,タック,保持力で表される粘着特性,貼り合わ
せ1週間放置後の剪断接着力で表される接着特性はとも
に優れている。更に,シートとしての保存安定性も優れ
ていた。このように,本発明により,貼り合わせ時には
優れた粘着特性により,貼り合わせ作業を簡略化でき,
貼り合わせ後は徐々に硬化して強固な接着力が得られる
ようになり,耐久性のある光ディスクの製造が可能にな
った。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】エアーサンドイッチ構造を有する光ディスクの
斜視断面図。
【図2】光ディスクの正面断面図。
【図3】硬化性粘着シートの断面図。
【符号の説明】
1.スペーサー 2.光ディスク基板 3.記録層
4.中心孔 5.剥離ライナー 6.粘着剤層
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/027 7/028

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)粘着性ゴム系樹脂(A)100重量
    部,2)共役二重結合を有し酸素吸収能と過酸化物生成
    能を併せ持ち,酸素吸収量が0.1〜3.0%(吸収酸
    素重量/重量),活性酸素量が0.05〜1.0%(活
    性酸素重量/重量)である化合物(B)30〜150重
    量部からなるよう配合した硬化性粘着剤を,非通気性基
    材に積層するか,或いは多孔質基材に非通気的に含浸し
    てなる硬化性粘着シートもしくはテープを用いた光ディ
    スク基板の貼り合わせ方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の粘着性ゴム系樹脂(A)
    100重量部,化合物(B)30〜150重量部に,
    3)エチレン性不飽和基を有する化合物またはオリゴマ
    ー(C)を,化合物(B)の活性酸素1モルに対し,化
    合物(C)のエチレン性不飽和基が0モルより多く14
    0モルより小さくなるよう配合してなる硬化性粘着剤
    を,非通気性基材に積層するか,或いは多孔質基材に非
    通気的に含浸してなる硬化性粘着シートもしくはテープ
    を用いた光ディスク基板の貼り合わせ方法。
  3. 【請求項3】 化合物(B)が,ロジン,重合ロジン,
    及びそれらの多価アルコールエステルのうちの1つ以上
    からなることを特徴とする請求項1記載の光ディスク基
    板の貼り合わせ方法。
  4. 【請求項4】 粘着性ゴム系樹脂(A),化合物(B)
    からなる請求項1の硬化性粘着剤100重量部に対し,
    または,粘着性ゴム系樹脂(A),化合物(B),化合
    物(C)からなる硬化性粘着剤100重量部に対し, 1)ポリイソシアネート(E) 0.05〜2.0重
    量部 2)重合禁止剤(F) 0.001〜1.0
    重量部 の何れかまたは両方を加えることを特徴とする光ディス
    ク基板の貼り合わせ方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013527861A (ja) * 2010-04-05 2013-07-04 エルジー・ハウシス・リミテッド 粘着剤組成物、粘着シート及びタッチパネル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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