JPH06255077A - 印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の８重タワーに比べてレジスターを改善
することを目的とする。 【構成】 ２つの１０本シリンダーサテライト印刷機構
を縦に配列させる。各印刷機構に含まれているシリンダ
ーは、一方にしか回転できず、ゴムシリンダーは配属さ
れたパッドローラーにしか対向させない。これによっ
て、１本の印刷用ロールを４／４で印刷、または２本の
印刷用ロールを２／２で印刷することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、上と下にそれぞれ４本
ずつのゴムシリンダーおよび版シリンダー 対を含む印
刷機構で構成される印刷機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】このような印刷機は広く知られ、通常、
「８重タワー」と称される。図１ａ、１ｂは、上部８本
シリンダー印刷機構１および下部８本シリンダー印刷機
構２とによって構成される従来の８重タワーを示す。そ
れぞれの８本シリンダー印刷機構１、２は、４本の版シ
リンダー６、７、８、９および４本のゴムシリンダー１
０、１１、１２、１３によって構成される。以下に説明
されているシリンダー構成は、基本的に同じ構造を利用
するため、番号がついていないものには前記の番号が利
用される。図１ａに示されたような８重タワーでは印刷
対象物の印刷用ロール３（以下印刷用ロールと称する）
が垂直にガイドされる場合、下から上まで両面を４色刷
りとすることができる。このことは、すでに知られた方
法で、図中三角で示されている。さらに、図１ｂに示さ
れているように、印刷用ロール４は下方の８重タワーの
印刷機構２に、そして印刷用ロール５は上方の８重タワ
ー印刷機構１に引かれる場合、２本の印刷用ロール４、
５を両面に２色刷りすることも可能である。周知の通
り、このような８重タワー印刷機構は、単純な構造を持
ち、片方の回転方向にしか作動できない。さらに、同じ
平面で対立するゴムシリンダーしか接触させることが出
来ない。このような構造では、小数の印刷用ロールしか
利用できないが、この構造は単純でコストが低い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、色は、互いに
独立している８重タワー印刷機構１および２によって間
隔をおいて連続的に同じ面に付されるから、４／４印刷
の際にレジスター（トンボ）（図１ａ）の精度が悪く、
重大な欠点である。

【０００４】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図２
（ａ〜ｄ）に示されている、ブリッジ印刷機と呼ばれて
いる、タワー状印刷機も同じ利点や欠点がある。これら
の印刷機は、符号１４、１５、１６、１７で示されてい
るように、それぞれ４つの重なる「ブリッジ」によって
構成されている。

【０００５】それぞれの「ブリッジ」は、１つずつの版
シリンダー２０、２１と、これらにそれぞれ接触するゴ
ムシリンダー１８、１９とで構成されている。これによ
って、印刷用ロールが図に示されているように引かれる
場合、図２ａに示されているように、１本の印刷用ロー
ル２２は、−図１ａと同様に−４／４で印刷される。ま
たは、図２ｂのように、２本の印刷用ロール２３、２４
が２／２で印刷される。または、図２ｃに示されている
ように、１本の印刷用ロール２５は３／３、そしてもう
１本の印刷用ロール２６は１／１で印刷される。さら
に、図２ｄに示されているように、１本の印刷用ロール
２７は１／１、そしてもう１本の印刷用ロール２８は３
／３で印刷される。

【０００６】上記した通り、従来の印刷機は、図１に示
されている印刷機と同じ利点や欠点がある。

【０００７】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図３に
示されているような、２つ重なるいわゆる「９本シリン
ダーサテライト」で構成されているものも知られてい
る。この構造では、すべての色はそれぞれ上部、または
下部の印刷機構で刷ることができるため、レジスターが
正確である。しかし、このような９本シリンダーサテラ
イトの印刷機構では、例えば図３に示されているよう
に、２本の印刷用ロールを同時に印刷することは、少な
くとも簡単にはできない。図１および図２に示されてい
る印刷機と同様に、図３は、印刷用ロールを４／４で印
刷するため、３１、３２および３３に示されているゴム
／版とパッドローラーを有する上部９本シリンダーサテ
ライト印刷機構２９および下部９本シリンダーサテライ
ト印刷機構３０を示す。

【０００８】本発明は、従来の８重タワー（図１に示し
たように）に基づき、選択的に１または２本の印刷用ロ
ールの両面に印刷できる機能を確保しながら、レジスタ
ーを大幅に改善することを目的とする。上記の課題を解
決するために、少し複雑になるだけである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、請求項１に記
載されたもので上記の課題を解決する。以後、明細書
は、図４から図７までに示されている別の本発明による
実施例を説明している。これらの図は、本発明による印
刷用ロールの走行、および拡張ユニットを示す。

【００１０】本発明は、図４ａおよび図４ｂの３５、３
６によって示されている、２つの重なる１０本シリンダ
ーサテライト印刷機構で構成される。これによって、１
本の印刷用ロール３７を最大４／４印刷、あるいは２本
の印刷用ロール４１、４２（それぞれ完成された拡張ユ
ニットで）を最大２／２印刷することができる。本発明
に先行する技術と比べて、大幅に改善されているレジス
ターが得られる。この目的を達成するために、単なる各
１０本シリンダーサテライト３５および３６に２つずつ
のパッドローラーが必要になる。本発明の優位性は、従
来、もっとも柔軟性に富んだ、つまり最大の印刷用ロー
ルを引く可能性を持ち、常に切り替えのできる駆動装置
が配備されていた１０本シリンダーサテライトと比較す
ることによってわかる。要するに、印刷に関係のあるシ
リンダーの回転方向は、変えることができるほか、この
ような１０本シリンダーサテライトの２つのゴムシリン
ダーが配設されたパッドローラーも、互いに接触させる
ことができた（ゴム−ゴム印刷）。この場合以外、１０
本シリンダーサテライトの利用は無意味であった。

【００１１】本発明は、従来の概念から離れ、従来技術
と異なり、印刷に関係のあるシリンダーは、１つの方向
にしか回転できないようになっている。ゴムシリンダー
は、単なるパッドローラーと接触させるが、互いには
（つまりゴム−ゴム印刷）接触させない。これによっ
て、本発明による図４から図６まで示された印刷機構
は、２つの追加のパッドローラーをそれぞれ上部または
下部の印刷機構に配備することが比較的、安くできるた
め、従来の逆転（回転方向の逆転）できるゴム−ゴム印
刷機のゴム−ゴム方式よりも比較的安く製造することが
できる。

【００１２】さらに、２つの１０本シリンダーサテライ
トを縦に配列することは、従来、知られていなかった
し、しかもその有用性は明かではなかった。本発明は、
従来の思考パターンから離れ、特に２つの１０本シリン
ダーサテライトを縦に配列すること（図４の符号３５、
３６）を提案する。

【００１３】本発明による印刷機は、図４ａに示されて
いるように、１つの上部の印刷機構３５、および同様に
作られている下部の印刷機構３６からなる。それぞれの
印刷機構は、３５で示されているように、４本のゴムシ
リンダー／版シリンダー対３８、３９である。この構造
では、縦に配列されているゴムシリンダー（例えば３
９）がそれに配属されている同一のパッドローラー４０
に接触できる。特に、上方のパッドローラー４０の下
に、掃除、あるいは洗浄装置、または噴霧装置３４が配
置されている。これによって、下部の印刷機構３６から
運ばれる、このシリンダーについている色が除去され
る。

【００１４】図４ａに示されている本発明による印刷機
では、非常によいレジスターで１本の印刷用ロール３７
を４／４で印刷することができる。または、図４ｂによ
って、２本の印刷用ロール４１、４２をそれぞれ同時に
２／２で印刷することができる。この場合にも、１つの
色は連続的に前の色の上に印刷することができるため、
大きなレジスター誤差が起きず、非常によいレジスター
が得られる。

【００１５】図５および図６は、印刷用ロール４３、４
４、４５、４６、４７、４８の複数の走行可能性を示
す。いずれの場合も印刷用ロールが下から上へ引かれる
が、それぞれ異なる方法で本発明による印刷機を通る。
図５ａおよび５ｂに示されている、図４ａおよび４ｂに
対して対象的な印刷用ロールの走行に比べて、図６ａお
よび６ｂは、印刷用ロール４６、４７、４８の別の走行
を示す。

【００１６】この場合、良いレジスターを保ちながら、
図４あるいは図５に示されている印刷用ロールの走行に
比べて、印刷機構の部材は手が届きにくくなって、やや
メンテナンスがしずらくなる。

【００１７】図５ａ、５ｂは、印刷用ロール４３、４
４、４５の複数の走行可能性を示す。いずれの場合に
も、印刷用ロールは下から上へ引かれるが、それぞれ異
なる方法で本発明による印刷機を通る。図５ａおよび図
５ｂに示されている印刷用ロールの走行経路は、図４ａ
および４ｂに示されている走行経路に対して対象的であ
る。

【００１８】図６は、本発明による図４あるいは５に示
されている印刷機構の別の実施例を示す。ここでは各シ
リンダーの幾何学的な配列が変更されている。この配列
は、従来例として説明された、常に逆転できる駆動装
置、および互いにもパッドローラーにも接触できるゴム
シリンダーを有する考え方に基礎をおいている。この実
施例でも、または他に考えられるシリンダーの幾何学的
な配列でも本発明による印刷機構が構成できる。

【００１９】さらに、図６は印刷用ロール４６、４７、
４８の他の、下から上への走行を示す。しかし、この場
合、良いレジスターを保ちながら、図４あるいは図５に
示されている印刷用ロールの走行に比べて、印刷機構の
部材は手が届きにくくなって、ややメンテナンスがしず
らくなる。

【００２０】特に大きな利点は、部材が簡単に交換でき
ることである。例えば、図７による上の印刷機構では上
方のゴムシリンダー／版シリンダー対が省略された場
合、後で簡単に追加することができる。

【００２１】図７ａ、ｂ、ｄ、ｅに示された印刷機構で
は、１本の印刷用ロールを４／２印刷、あるいは２本の
印刷用ロールを２／１印刷するため、それぞれ版シリン
ダー９（あるいは７）を８本シリンダー印刷機構１ある
いは２から取り外さなければならない場合でも、ゴムシ
リンダー１３（あるいは１１）およびパッドローラーが
必要である。

【００２２】本発明は印刷機構のゴムシリンダー／版シ
リンダー対３８、３９を部分的に取り外したものも含ん
でいる。省略されたインキング装置を含むシリンダーを
後に取り付ける場合には、図７ａ、ｂ、ｄ、ｅで示され
た印刷機構では、それぞれの部材を取り付ける必要があ
るため、この印刷機が使用できずに、生産性が落ちる。
それに対して、図７ｇ、ｉで示された本発明による印刷
機において、省略されたインキング装置を含むシリンダ
ーを、完全な拡張モジュールによって、短時間で使用す
ることが可能である。

【００２３】明細書および図面において、本発明による
１０本シリンダー印刷機構は、特に有効的な縦の配列か
らなることが記載されている。しかし、請求項１の範囲
に記載された本発明による１０本シリンダー印刷機構
は、少々の欠点は生じるが、同様に横に配列することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来の８重タワー印刷機を示す概念図であ
る。

【図２】 従来の８重タワー印刷機を示す概念図であ
る。

【図３】 従来の９本シリンダーサテライト型印刷機を
示す概念図である。

【図４】 本発明の第１実施例を示す概念図である。

【図５】 本発明の第２実施例を示す概念図である。

【図６】 本発明の第３実施例を示す概念図である。

【図７】 本発明の第４実施例を示す概念図である。

【符号の説明】

３５、３６……印刷機構 ３７、４１、４２……印刷用ロール ３８、３９、４０……シリンダー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方の印刷機構（３５）、および下方の
   印刷機構（３６）で構成される印刷機は、最大４つのゴ
   ムシリンダーおよび版シリンダー対（３８、３９）を具
   備し、それぞれの印刷機構は、１０本シリンダーサテラ
   イトとして構成され、両方の１０本シリンダーサテライ
   ト印刷機構（３５、３６）は縦に配列され、この場合す
   べてのシリンダー（３８、３９、４０）が単一方向で予
   め決められた回転方向に駆動され、全てのゴムシリンダ
   ー（３９）が１つ、または２つの印刷用ロール（３７、
   ４１、４２）に圧力を伝えるためだけに作用し、配設さ
   れたパッドローラーにしか対向しないことを特徴とする
   印刷機。
2. 【請求項２】 それぞれのパッドローラー（サテライ
   ト）シリンダー（４０）の下に掃除、あるいは洗浄装
   置、または噴霧装置３４が配置されていることを特徴と
   する請求項１に記載の印刷機。
3. 【請求項３】 上方のシリンダー対（３８、３９）は、
   少なくとも１つの１０本シリンダーサテライトが部分的
   に部材を取り外してあることを特徴とする請求項１ある
   いは２に記載の印刷機。
4. 【請求項４】 印刷対象となる印刷用ロール（３７、４
   １、４２）は下から上へ印刷機構（３５、３６）に通さ
   れることを特徴とする前記の請求項１〜３のうちいずれ
   かに記載の印刷機。
5. 【請求項５】 印刷用ロールが走行することを特徴とす
   る前記の請求項１〜４のうちいずれかに記載の印刷機。