JPH0625383Y2 - 自動車用ドアガラスラン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、自動車ドアのドアフレームの内周に沿って取
付けるドアガラスランに関するものである。

［従来技術］ 第１図に示すような自動車において、ドアフレーム１の
内周にはドアガラスランが取付けられる。

第６図に示すように、ドアガラスラン３は、その直線部
には押出成形材３Ａ、３Ｂを用い、これ等の端末を型成
形にて接続してコーナ部３Ｃを形成している。

この型成形コーナ部３Ｃは、押出成形材３Ａ、３Ｂの端
末を直角方向に対向せしめて金型のキャビティ内にセッ
トするとともに、コーナ部３Ｃの中空シール部を成形す
るための中子（コア）をセットし、キャビティ内のコア
まわりにコーナ部形成材料を注入することにより成形さ
れる。

成形後、コアは抜き取られる。従って型成形コーナ部３
Ｃには不可避的に第６図ないし第８図に示すようにコア
抜き孔４が残存する。型成形コーナ部３Ｃをソリッドゴ
ムとしたときは、コアが抜き取りにくいため、コア抜き
孔４は可成り大きいものとなる。

第９図は型成形コーナ部３Ｃがドアフレーム１に取付け
られた状態、特に不完全な取付状態を示す。即ち、ドア
ガラス２が押付けられる中空シール部３１の外壁に形成
した凹部３１１にドアフレーム１の突縁１１が係合すべ
き所、凹部３１１が突縁１１よりも内側に入り込んだ状
態となっている。

これは、主として型成形コーナ部３Ｃのコア抜き孔４部
分では剛性が低く、変形しやすいことによるもので、ド
アガラスラン組付時にこのような不完全状態で組付けら
れることがあり、また正規に組付けられても、その後、
何等かの原因で中空シール部３１の外壁が押されて、こ
のような不完全状態となることがある。そして中空シー
ル部３１の外壁は外観に現れる部分であって、かかる不
完全状態は見栄を損ねる。

そこで、中空シール部31を手でつまんで下方へ引張っ
て、正規の組付状態に修正することがなされているが、
可成り強く引張らないと中空シール部３１が形状復元し
ないのが実情である。

［本考案が解決しようとする課題］ 本考案は上記の不都合を解決することを課題としてなさ
れたもので、型成形コーナ部が上記したような不完全な
組付け状態となりにくく、たとえなつたとしても、容易
に正規の状態に復元し得るドアガラスランを提供しよう
とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は第３図および第５図に示すように、型成形コー
ナ部３Ｃのコア抜き孔４に、対向する開口縁を結ぶ方向
に支柱４０を形成したことを特徴とする。

［作用、効果］ 支柱４０を形成したことによりコア抜き孔４を閉じよう
とする力に対する反力が増大する。従って、組付け時
に、第９図に示すような不完全な組付けになりにくくな
り、たとえ不完全な組付けとなっても、中空シール部３
１を軽く引けば、支柱４０による反力に助勢されて中空
シール部３１は容易に原形に復元する。

［実施例］ 第２図ないし第４図に示す実施例において、押出成形材
３Ａ、３Ｂは、ドアガラス閉時にドアガラス周縁により
押付けられる中空シール部３１と、中空シール部３１か
ら伸出し、リップ状の先端がドアガラス内面に接するイ
ンナシール部３２を備えている。押出成形材３Ａ、３Ｂ
のうち、中空シール部３１のドアガラスにより押付けら
れる部分、およびインナシール部３２のドアガラス内面
に接する先端部はスポンジゴムよりなり、他はソリッド
ゴムよりなる。

両押出成形材３Ａ、３Ｂは、ソケットゴムの型成形コー
ナ部３Ｃにて接続している。型成形コーナ部３Ｃは押出
成形材３Ａ、３Ｃとほぼ同一の断面形状に成形してあ
り、その中空シール部３１の基底面にたんざく形のコア
抜き孔４を有する。コア抜き孔４はその中央、即ちコー
ナ屈曲部位置に、対向開口縁を結ぶ支柱４０が形成して
ある。

この支柱４０は、コーナ部３Ｃを型成形するときに２個
のコアを並設して用い、両コアの隣接部分に支柱４０を
成形すべき空間部を設け、その中に成形材料が注入され
ることにより形成される。そして、この支柱４０により
コア抜き孔４まわりの剛性が増し、かつコア抜き孔４を
つぶす方向の押付力に対する反力が増す。

従って第９図に示すように、コア抜き孔４がつぶされ
て、型成形コーナ部がドアフレーム１の中へ入り込み、
外観を損ねる組付けが生じることがほどんどなくなる。
そしてたとえ、かかる組付けが生じたとしても、中空シ
ール部３１を軽く引張れば、支柱４０の反力に助勢さ
れ、第４図に示すように中空シール部３１の外壁凹所３
１１とドアフレーム１の突縁１１とが係合した正規状態
になる。

なお、コア抜き孔４の支柱４０は第５図に示すように、
コア抜き孔４の一方の開口縁から突出し、先端が他方の
開口縁に接近対向する構造としてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のドアガラスランを装着する自動車の斜
視図、第２図は第１図のＣ部（コーナ部）における本考
案のドアガラスランの斜視図、第３図は第２図のドアガ
ラスランのＡ矢視図、第４図は第２図のIV-IV線位置で
のドアガラスラン組付状態断面図、第５図は本考案の他
のドアガラスランの第３図に対応する部分を示す図、第
６図ないし第９図は従来例を示すもので、第６図はドア
ガラスランのコーナ部の斜視図、第７図は第６図のドア
ガラスランのＡ矢視図、第８図は第６図のVIII-VIII線
断面図、第９図はドアガラスランの組付状態断面図であ
る。 １……ドアフレーム ３……ドアガラスラン ３Ｃ……型成形コーナ部 ４……コア抜き孔 ４０……支柱

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車ドアのドアフレームの内周に沿って
   取付けるドアガラスランであって、コーナ部を型成形に
   て形成したドアガラスランにおいて、型成形コーナ部の
   コア抜き孔の中央部に、コア抜き孔の対向する開口縁を
   結ぶ方向に支柱を設けたことを特徴とする自動車用ドア
   ガラスラン。