JPH06249338A - Hst油圧走行駆動装置 - Google Patents

Hst油圧走行駆動装置

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JPH06249338A
JPH06249338A JP4016493A JP4016493A JPH06249338A JP H06249338 A JPH06249338 A JP H06249338A JP 4016493 A JP4016493 A JP 4016493A JP 4016493 A JP4016493 A JP 4016493A JP H06249338 A JPH06249338 A JP H06249338A
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JP
Japan
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hydraulic pump
pressure
accelerator pedal
hydraulic
discharge
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JP4016493A
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English (en)
Inventor
Hisao Okui
久雄 奥井
Yoichi Mihara
陽一 三原
Morio Oshina
守雄 大科
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 慣性走行から加速する際のタイムラグを短縮
できるHST油圧走行駆動装置を提供する。 【構成】 油圧ポンプ2の傾転シリンダ12の駆動速度
を規制する絞り16の前後をバイパス管路30で結び、
切換弁31を介在させる。一対の主管路3,4の圧力の
高い方を高圧選択弁33で選択し、切換弁31のパイロ
ット管路32に導く。バイパス回路40を開いて慣性走
行するときの主管路3,4の圧力の低下に連動して切換
弁31をb位置に切換え、バイパス管路30を介した油
の流れを可能とする。慣性走行から加速へ移る際、油圧
ポンプ2の吐出流量が増加して油圧ポンプ2の吐出圧が
上がり始めるまで切換弁31をb位置に保持し、傾転シ
リンダ12の駆動速度を増速する。油圧ポンプ2の吐出
圧が上昇した後は切換弁31をa位置に切換え、絞り1
6の開度に応じた速度で傾転シリンダ12を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばホイールローダ
などの作業車両に用いられるHST油圧走行駆動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種のHST油圧走行駆動装置とし
て、例えば図7に示すように、原動機1に駆動される可
変容量形油圧ポンプ2と、一対の主管路3,4により油
圧ポンプ2に閉回路接続された油圧モータ5とを備えた
ものが知られている。この装置では、アクセルペダル
(不図示)が踏込まれて原動機1の回転数が増加する
と、原動機1に駆動されるチャージポンプ6の吐出圧が
1次リリーフ弁7の設定圧を越えてチャージポンプ6の
吐出油が高圧管路8へ導かれ、この吐出油の一部が絞り
9を介して低圧管路10へ導かれて管路8,10の間に
チャージポンプ6の吐出流量に応じた差圧が発生する。
この状態で前後進切換弁11をF位置またはR位置に切
換えると、傾転シリンダ12の油室12a,12bに管
路8,10の圧力が導かれ、これらの圧力差に応じて傾
転シリンダ12が駆動されて油圧ポンプ2の傾転角(吐
出容量)が変化する。油圧ポンプ2の傾転角と回転数の
変化に応じてポンプ吐出流量が変化し、これに伴って油
圧モータ5の回転数が増減する。油圧モータ5の回転は
プロペラシャフト13およびアクスルシャフト14を介
して駆動輪15に伝達され、これにより原動機1の回転
数に応じた速度で車両が走行する。
【0003】上述した装置における原動機1の回転数N
と油圧ポンプ2の吐出流量Q(車速に比例)との関係を
図8に示す。原動機1の回転数がX1に達するまでは管
路8,10の圧力差が傾転シリンダ12の最低駆動圧に
達しないので油圧ポンプ2は圧油を吐出せず、車両が停
止状態におかれる。回転数X1からX2までの間は、油圧
ポンプ2の回転数と傾転角の増加により吐出流量Qが2
次的な曲線を描いて増加する。回転数X2で油圧ポンプ
2の傾転角が最大となり、以降は回転数Nに比例して油
圧ポンプ2の吐出流量Qが増加する。吐出流量Qの変化
曲線は絞り9の開度によって変化する。絞り9の開度が
小さくなれば、図8に点線で示すように吐出開始時の原
動機回転数が低下するとともに、変化曲線の傾きが大き
くなる。また、上述した装置の傾転シリンダ12の駆動
速度は、低圧管路10に設けた絞り16の開度に依存す
る。
【0004】絞り9,16の開度は、油圧ポンプ17で
駆動される作業用のアクチュエータ18と走行用の油圧
モータ5とを複合動作させたときのマッチングを考慮し
て定められる。すなわち、複合動作時に適切な車速が得
られるように絞り9の開度が調整され、アクチュエータ
18の作動速度の変化と車速の変化とが適切に連動する
ように絞り16の開度が調整される。さらにこれらの開
度は、油圧ポンプ2が吐出を開始する回転数が原動機1
のアイドリング回転数より低くならないように、あるい
はアクセルペダルの操作に対する車速の変化が過敏にな
らないようになど、種々の観点から修正される。なお、
図中符号19は油圧ポンプ2の吐出流量の変化曲線を直
線的にするための2次リリーフ弁、20は傾転シリンダ
12が中立位置に戻るときのキャビテーションを防止す
るチェック弁である。
【0005】また、上述したHST油圧走行駆動装置で
は、例えば実開平3−12659号公報に記載されてい
るように、一対の主管路3,4の間にバイパス回路40
を設け、アクセルペダルを緩め操作(減速操作)したと
きにバイパス回路40を開いて油圧モータ5の吐出油を
吸込側へ還流させ、車両を慣性走行させている。慣性走
行中にアクセルペダルを踏込んだときは、バイパス回路
40を閉じて油圧ポンプ2の吐出油で油圧モータ5を駆
動する。慣性走行を行なう必要がないときは、バイパス
回路40を常時閉塞してアクセルペダルの緩め操作で油
圧モータ5の吐出側に閉じ込み圧を生じさせる。以下で
は、バイパス回路40を閉じかつアクセルペダルを緩め
たときの走行状態をHST走行と呼ぶ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9は、原動機1の回
転数N、油圧ポンプ2の吐出圧Pd、吸込圧Psおよび車
速Vと時間tとの関係をHST走行と慣性走行に分けて
示すもので、A点でアクセルペダルを緩め、B点でアク
セルペダルを踏込み操作する。HST走行中にアクセル
ペダルを踏込んだときは、油圧ポンプ2の吐出流量と油
圧モータ5の吐出流量が等しくかつ油圧ポンプ2の吸込
圧Psが高いため、原動機回転数Nの上昇に伴って直ち
に油圧ポンプ2の吐出圧Pdが立上がり、車速Vが上昇
する。一方、慣性走行中にアクセルペダルを踏込んだと
きは、油圧ポンプ2の吐出流量よりも油圧モータ5の吐
出流量の方が相当に大きく、かつ油圧ポンプ2の吸込圧
Psが低いため、原動機回転数Nの上昇に応じて油圧ポ
ンプ2の吐出流量が増加してもすぐには油圧ポンプ2の
吐出圧Pdが上昇せず、アクセルペダルを踏込んでから
車速Vが上昇し始めるまでにタイムラグΔtが生じる。
このΔtの間はオペレータの加速の意思に反して車速V
が減少する。
【0007】タイムラグΔtを短縮する手段として、図
7における絞り16の開度を大きく設定し、油圧ポンプ
2の傾転角の増加速度を速くすることが考えられる。し
かし、既述のように絞り16の開度は複合動作時のマッ
チング等を考慮して調整されるので、タイムラグΔtの
短縮のみを目的として変更することはできない。
【0008】本発明の目的は、慣性走行から加速へ移る
際、アクセルペダルを踏込んでから車速が上昇し始める
までのタイムラグを減少させることができるHST油圧
走行駆動装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】一実施例である図1に対
応づけて本発明を説明すると、本発明は、原動機1に駆
動される可変容量形油圧ポンプ2と、一対の主管路3,
4により可変容量形油圧ポンプ2に閉回路接続され、こ
の可変容量形油圧ポンプ2からの吐出油により駆動され
る油圧モータ5と、アクセルペダルを減速操作させたと
きに一対の主管路3,4を連通して油圧モータ5の吐出
側から吸込側への油の流れを可能とするバイパス手段4
0とを備えてなるHST油圧走行駆動装置に適用され
る。そして、上述した目的は、アクセルペダルの踏込み
操作に連動してバイパス手段40が一対の主管路3,4
を連通状態から遮断状態へ切換える過程で、可変容量形
油圧ポンプ2の吐出容量の変化速度を増速させる吐出容
量変化速度制御手段31を設けることにより達成され
る。請求項2の装置では、請求項1記載の装置におい
て、可変容量形油圧ポンプ2の吐出流量と油圧モータ5
の吐出流量との相対関係が切換ショックが発生しないほ
どになったことを条件として、バイパス手段40による
一対の主管路3,4の連通状態から遮断状態への切換え
操作を実行させるバイパス切換制御手段46を設けた。
【0010】
【作用】本発明の装置では、慣性走行中にアクセルペダ
ルを踏込んで加速へ移行するときに油圧ポンプ2の吐出
容量の変化速度が増速され、油圧ポンプ2の吐出流量が
急速に増加して油圧ポンプ2の吐出圧が早期に上昇す
る。慣性走行から加速するとき以外は、油圧ポンプ2の
吐出容量の変化速度が遅くなり、複合動作時等に適した
速度で油圧ポンプ2の吐出容量が変化する。請求項2の
装置では、慣性走行から加速へ移る際に、油圧ポンプ2
の吐出流量と油圧モータ5の吐出流量との差が切換ショ
ックが生じないほど小さくなるまで一対の主管路3,4
が連通状態におかれ、油圧ポンプ2と油圧モータ5の吐
出流量の相違による切換ショックの発生が抑制される。
このとき、油圧ポンプ2の吐出流容量の変化速度が増速
されるので、バイパス手段40による主管路3,4の連
通状態から遮断状態への切換時期が早まる。
【0011】なお、本発明の構成を説明する前記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0012】
【実施例】
−第1実施例− 以下、図1〜図3を参照して本発明の第1実施例を説明
する。なお、上述した図7に示す従来例と共通する構成
要素には従来と同一符号を付し、説明を省略する。図1
に示すように、本実施例のHST油圧走行駆動装置で
は、低圧管路10の絞り16の上流および下流を結ぶバ
イパス管路30に切換弁31が設けられている。切換弁
31がb位置のときはバイパス管路30が開放され、傾
転シリンダ12からの戻り油がバイパス管路30および
絞り16の双方から低圧管路10の下流側へ流れる。切
換弁31がa位置にあるときはバイパス管路30にキャ
ビテーション防止用のチェック弁20が接続され、傾転
シリンダ12からの戻り油が絞り16のみを通過する。
絞り16の開度は、従来と同様に複合動作時のマッチン
グ等を考慮して定められる。また、バイパス管路30の
流量は絞り16の流量よりも遥かに大きく定められる。
【0013】切換弁31は、パイロット管路32を介し
て導かれるパイロット圧Pcとばね31sによる設定圧
の差によって切換制御される。パイロット管路32は主
管路3,4の間に設けられた高圧選択弁33と接続さ
れ、主管路3,4の圧力の高い方がパイロット圧Pcと
して選択される。ばね31sによる設定圧は、HST走
行中にアクセルペダルを踏込み操作したときの油圧ポン
プ2の吐出圧(図9におけるC点)より低くかつ慣性走
行中の油圧ポンプ2の最大吸込圧(図9におけるD点)
よりも高い範囲に設定される。
【0014】図2に示すように、バイパス回路40は、
主管路3,4を結ぶバイパス管路41と、このバイパス
管路41を開閉する開閉弁42とを備える。開閉弁42
は、一対の主管路3,4の圧力Pa,Pbを検出する圧力
センサ43,44の出力信号と選択スイッチ45の切換
え位置に応じて駆動信号を変化させるコントローラ46
によって切換制御される。選択スイッチ45がオンされ
たときは、アクセルペダルの緩め操作によって油圧ポン
プ2の吸込圧Psが吐出圧Pdを越えたときに開閉弁42
がB位置に切換えられ、これによりバイパス管路41が
開放されて車両が慣性走行する。慣性走行中にアクセル
ペダルが踏込まれたときは、油圧ポンプ2の吸込圧Ps
と吐出圧Pdとの差ΔP(=Ps−Pd)が所定の閉塞基
準値α以下になったことを条件に開閉弁42がA位置に
戻され、バイパス管路41が閉塞される。選択スイッチ
45がオフのときは開閉弁42がA位置に固定され、バ
イパス管路41が常時閉塞される。なお、主管路3,4
の圧力Pa,Pbと油圧ポンプ2の吸込圧Ps、吐出圧Pd
の対応は、前後進切換弁11の切換位置や油圧モータ5
の回転方向によって判別される。
【0015】ここで、選択スイッチ45がオンのとき、
アクセルペダルが踏込まれても油圧ポンプ2の吸込圧P
sと吐出圧Pdの差ΔPが所定値以下になるまで開閉弁4
2の切換えを保留するのは、アクセルペダルの操作時点
では油圧モータ5の吐出流量と油圧ポンプ2の吐出流量
との差が大きく、直ちにバイパス回路40を閉じると大
きな切換ショックが発生するためである。したがって、
閉塞基準値αは、切換ショックが生じないほど油圧ポン
プ2の吐出流量が増加した時点で開閉弁42がA位置に
切換わるように設定される。
【0016】次に、以上の構成からなるHST油圧走行
駆動装置の動作を図3および図9を参照しつつ説明す
る。本実施例の装置では、切換弁31のばね31sによ
る設定圧が慣性走行中の油圧ポンプ2の吸込圧Ps、吐
出圧Pdより高いので、慣性走行中は切換弁31が必ず
b位置に切換わる。この状態でアクセルペダルを踏込ん
だ場合、直ちに油圧ポンプ2の吐出流量が増加し始める
ものの、その吐出流量が油圧モータ5の吐出流量よりも
相当に小さく、かつバイパス回路40もすぐには閉塞さ
れないため、車両は慣性走行を続けようとする。しか
し、慣性走行を続ける限り切換弁31がb位置に保持さ
れ、傾転シリンダ12からの戻り油がバイパス管路30
および絞り16の双方から低圧管路10へ流出するの
で、絞り16のみを戻り油が通過する場合に比して傾転
シリンダ12の駆動速度が増速されて油圧ポンプ2の吐
出流量が急速に増加する。これにより、油圧ポンプ2の
吐出圧Pdが早期に上昇してバイパス回路40も早期に
閉じ、アクセルペダルを踏込んでから実際に車速が上昇
するまでのタイムラグΔt(図9)が大幅に短縮され
る。
【0017】油圧ポンプ2の吐出圧Pdが上昇すると、
この圧力が高圧選択弁33でパイロット圧Pcとして選
択されて切換弁31がa位置に切換わる。これにより、
傾転シリンダ12が絞り16の開度に応じた速度で駆動
され、車速が複合動作時のマッチングなどに適した速度
で上昇する。バイパス回路40を常時閉塞状態においた
場合は、アクセルペダルを緩めたときに油圧ポンプ2の
吸込圧Psが上昇し、アクセルペダルを踏込んだとき油
圧ポンプ2の吐出圧Pdが上昇する。このため、原動機
1の回転数がアイドリング回転数付近まで低下して主管
路3,4の圧力がともに低く保たれるような場合を除
き、切換弁31のパイロット圧Pcが高く維持されて切
換弁31がa位置に保持される。したがって、車速の変
化速度は絞り16の開度に支配される。
【0018】図3は原動機回転数Nを一定割合で変化さ
せたときの、油圧ポンプ2の傾転角θおよび油圧ポンプ
2の吐出流量Qの変化を切換弁31の切換位置に応じて
表したものである。この図から明らかなように、原動機
回転数Nの変化が同じであっても、切換弁31がb位置
にあるときは傾転角θの増加速度が速くなって油圧ポン
プ2の吐出流量Qの増加も速くなり、切換弁31がa位
置にあるときは傾転角θおよび吐出流量Qの増加が緩や
かになる。
【0019】以上のように、本実施例では慣性走行から
加速へ移る過程で傾転シリンダ12の駆動速度を増速し
ているので、アクセルペダルを踏込み操作してから車速
が上昇し始めるまでのタイムラグが短縮される。しか
も、車速が上昇し始めた後は、傾転シリンダ12の駆動
速度を絞り16の開度に応じた速度に戻しているので、
作業機用アクチュエータ18と油圧モータ5の複合動作
時のマッチングや乗り心地を損ねることがない。
【0020】本実施例では、特に慣性走行から加速へ移
る際の傾転シリンダ12の駆動速度を増速させつつバイ
パス回路40の開状態から閉状態への切換時期を遅らせ
ているので、バイパス回路40の閉塞による切換ショッ
クを防止しつつバイパス回路40の閉塞時期を早めて、
慣性走行から加速への移行を円滑かつ迅速に行ない得
る。
【0021】なお、本実施例では前後進いずれでも慣性
走行を行なうことを前提として高圧選択弁33を用いた
が、前進のみ慣性走行を行なうときは高圧選択弁33を
省略し、前進時に油圧ポンプ2の吐出側となる主管路の
圧力をパイロット圧Pcとして導けば良い。また、切換
弁31も油圧パイロット式に限らない。切換弁31を電
磁式とする場合は、高圧選択弁33で選択されたパイロ
ット圧Pcの変化を圧力センサで検出し、その検出値に
基づいて切換弁31を切換制御すれば良い。切換弁31
を設ける代りに絞り16を可変式とし、パイロット圧P
cの変化に応じてその開度を切換えるようにしても良
い。
【0022】−第2実施例− 次に、図4および図5を参照して本発明の第2実施例を
説明する。なお、上述した従来例、第1実施例と共通す
る構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。図4
に示すように、本実施例のHST油圧走行駆動装置で
は、油圧ポンプ2の傾転角θが、コントローラ50から
の信号によって駆動される電気式の傾転レギュレータ5
1で制御される。コントローラ50は、ポテンショメー
タ52が検出するアクセルペダル53の踏込み量φと、
圧力センサ54が検出するパイロット管路32のパイロ
ット圧Pcと、回転数センサ55が検出する油圧モータ
5の出力回転数Nmと、傾転レギュレータ50に内蔵さ
れたセンサが検出する油圧ポンプ2の傾転角θとに基づ
いて傾転レギュレータ51を制御する。以下、図5によ
りコントローラ50の処理手順を説明する。
【0023】コントローラ50による処理は、原動機1
が起動され、かつ前後進切換弁11(図1参照)がFま
たはR位置にあるときに実行される。最初のステップS
1ではアクセルペダル53の踏込み量φが変化したか否
かを判断し、踏込み量φが変化しないときは判断を繰り
返す。アクセルペダル53の踏込み量φが変化するとス
テップS2に進み、踏込み量φの微分値が正か否か、す
なわちアクセルペダル53の踏込み操作か緩め操作かを
判断する。微分値が正(踏込み操作)であれば次のステ
ップS3で油圧ポンプ2の傾転角θが最大傾転角θmax
未満か否かを判断し、最大傾転角θmaxに満たないとき
に次のステップS4へ進む。最大傾転角θmaxに達して
いるときは傾転角θをこれ以上増やせないので、アクセ
ルペダル53の緩め操作を待つべくステップS1に戻
る。
【0024】ステップS4では、パイロット圧Pcが設
定圧P0未満か否かを判断し、パイロット圧Pcが設定圧
0に満たないときは次のステップS5へ進む。設定圧
0は第1実施例における切換弁31のばね31s(図
1参照)による設定圧に等しく定められる。ステップS
5では、油圧モータ5の出力回転数Nmと傾転レギュレ
ータ51の駆動速度uとの関係を定めた線図に基づい
て、アクセルペダル53が踏込み操作されたときの油圧
モータ5の出力回転数に対応する駆動速度を求める。こ
の線図は、油圧モータ5の出力回転数が高くなるほど傾
転レギュレータ51の駆動速度が増加するように設定さ
れ、その変化率は油圧ポンプ2や油圧モータ5の特性に
応じて定められる。駆動速度uの初期値u0は、複合動
作時のマッチング等を考慮して定められる傾転レギュレ
ータ51の駆動速度の最適値である。
【0025】次のステップS6では、アクセルペダル5
3の踏込み量φと油圧ポンプ2の傾転角θとの関係を定
めた線図に基づいて、アクセルペダル53の踏込み量φ
に対応する傾転角θの目標値を求める。この線図は、ア
クセルペダル53の踏込み量φが初期値φ0を越えて増
加するほど傾転角θが増加するように設定され、その初
期値φ0や変化率は、第1実施例における絞り9の開度
と同様に複合動作時のマッチング等を考慮して定められ
る。次のステップS7ではステップS5で求めた駆動速
度にしたがって傾転レギュレータ51を駆動する。ステ
ップS8ではパイロット圧Pcが設定圧P0に達したか否
かを判断し、設定圧P0に達したときステップS9に進
んで傾転レギュレータ51の駆動速度を初期値u0に戻
す。ステップS10では油圧ポンプ2の傾転角θが先に
求めた目標値に達したか否かを判断し、目標値に達した
ならばステップS11で傾転シリンダ51の駆動を停止
し、新たなアクセルペダル53の操作に対応すべくステ
ップS1に戻る。
【0026】ステップS2で踏込み量φの微分値が負、
すなわちアクセルペダル53が緩め操作されたと判断さ
れた場合、およびステップS4でパイロット圧Pcが設
定圧P0以上と判断された場合は、傾転レギュレータ5
1の駆動速度を初期値u0から変更することなく、ステ
ップS12でアクセルペダル53の踏込み量φに対応す
る傾転角θの目標値を求め、ステップS13で傾転レギ
ュレータ51を駆動してステップS10へ進む。なお、
ステップS12で用いる線図はステップS6のものと同
じである。
【0027】以上の処理によれば、アクセルペダル53
を踏込んだ時点でパイロット圧Pcが設定圧P0に満たな
い場合にのみ傾転レギュレータ51の駆動速度が増速さ
れ、パイロット圧Pcが設定圧P0に達すれば駆動速度が
初期値u0に戻るので、油圧ポンプ2の吸込圧Ps、吐出
圧Pdがともに低くなる慣性走行状態から、アクセルペ
ダル53が踏込まれて油圧ポンプ2の吐出圧Pdが上昇
するまで油圧ポンプ2の傾転角θの変化速度が増加し、
アクセルペダル53を操作してから車速が上昇し始める
までの時間が短縮される。慣性走行状態から加速すると
き以外は、傾転レギュレータ51の駆動速度が初期値u
0に固定され、複合動作時のマッチング等に適した速度
で傾転角θが変化する。
【0028】本実施例では、油圧モータ5の回転数が高
いほど傾転レギュレータ51の駆動速度が高く設定され
るので、慣性走行時の車速が高くて油圧モータ5の吐出
流量と油圧ポンプ2の吐出流量との差が大きいときで
も、油圧ポンプ2の吐出流量が油圧モータ5の吐出流量
に追い付くまでの時間が拡大しない。ただし、傾転レギ
ュレータ51の駆動速度の増加度を油圧モータ5の回転
数に拘らず一定としても、高速走行時に実用上問題とな
るほどのタイムラグが生じなければ、ステップS5のよ
うに線図から駆動速度を決定する必要がないことは勿論
である。
【0029】本実施例では、油圧ポンプ2の傾転角θを
電気式の傾転レギュレータ51で変化させたが、油圧駆
動の傾転シリンダ12(図1参照)を用いその駆動圧や
流量を電磁比例弁で制御する場合には、電磁比例弁への
駆動信号を同様に制御して傾転シリンダ12の駆動速度
を変化させれば良い。
【0030】以上の実施例では、慣性走行から加速へ移
る際のバイパス回路40の閉塞時期を油圧ポンプ2の油
圧モータ5の吐出流量の差に基づいて遅延させて切換シ
ョックの発生を防止したが、本発明はこのような制御を
省略した装置にも適用される。ただし、切換ショックの
防止を考慮しない場合は、アクセルペダルの踏込みによ
って油圧モータ5の吐出側に吐出圧が立上がるので、図
1の高圧選択弁33を用いることができず、油圧ポンプ
2の吐出圧Psのみをパイロット圧Pcに導いて切換弁3
1を切換える必要がある。
【0031】また、各実施例のように切換ショックを防
止する場合でも、油圧ポンプ2の吸込圧Psと吐出圧Pd
との差ΔPに基づいてバイパス回路40の閉塞時期を制
御する例に限らず、主管路3,4の流量差を流量計で検
出して油圧ポンプ2と油圧モータ5の吐出流量の差が所
定値以内になったときにバイパス回路40を閉じても良
い。油圧モータ5の吐出流量をその回転数から求め、油
圧ポンプ2の吐出流量をその傾転角と原動機回転数から
求めて両者を比較しても良い。
【0032】バイパス回路も開閉弁42を用いたものに
限らない。図6は、バイパス回路60を、一対の主管路
3,4を結ぶバイパス管路61と、これを開閉する開閉
弁62およびチェック弁63とから構成した例である。
この例では、油圧ポンプ2から主管路3へ圧油を吐出さ
せた状態で開閉弁62をB位置に切換えた場合、アクセ
ルペダルの緩め操作で主管路4の圧力Pbが主管路3の
圧力Paを越えるとチェック弁63が開いて車両が慣性
走行し、アクセルペダルの踏込み操作で主管路3の圧力
Paが主管路4の圧力Pbを越えるとチェック弁63が閉
じてバイパス回路60が閉塞される。したがって、慣性
走行から加速へ移る際は、油圧ポンプ2の吐出圧Pdが
上昇するまでバイパス回路60が開き続け、各実施例と
同様に切換ショックが防止される。なお、開閉弁62は
アクセルペダルの操作と無関係に操作されるもので、慣
性走行を行なうときはB位置に、HST走行を行なうと
きはA位置に切換えられる。
【0033】以上の実施例では、バイパス回路40,6
0がバイパス手段を、切換弁31,コントローラ50が
吐出容量変化速度制御手段を、コントローラ46,チェ
ック弁63がバイパス切換制御手段を構成する。また、
以上の実施例ではHST走行と慣性走行の選択が可能な
装置を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、アクセル
ペダルの緩め操作で必ず慣性走行をさせる装置にも適用
される。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のHST油
圧走行駆動装置では、慣性走行から加速へ移る際に油圧
ポンプの吐出容量の変化速度が増速されるので、複合動
作時のマッチングやアクセルペダルの操作に対する加速
感などを損ねることなく、アクセルペダルを踏込み操作
してから車速が上昇を始めるまでのタイムラグを短縮で
きる。請求項2の装置では、慣性走行から加速へ移る
際、切換ショックが生じないほどに油圧ポンプの吐出流
量が増加するまでバイパス手段による主管路の連通状態
が保持され、この間、油圧ポンプの吐出容量の変化速度
が増速されるので、切換ショックを防止しつつアクセル
ペダルの操作から車速が上昇し始めるまでのタイムラグ
を短縮して、慣性走行から加速への移行を円滑に行ない
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るHST油圧走行駆動
装置の回路構成を示す図。
【図2】図1のバイパス回路の詳細を示す図。
【図3】図1の装置において原動機回転数を変化させた
ときの油圧ポンプの吐出流量と傾転角の変化を示す図。
【図4】本発明の第2実施例に係るHST油圧走行駆動
装置の回路構成を示す図。
【図5】図4の装置のコントローラにおける処理手順を
示すフローチャート。
【図6】図2のバイパス回路の変形例を示す図。
【図7】従来のHST油圧走行駆動装置の回路構成を示
す図。
【図8】図7の装置における原動機回転数と油圧ポンプ
の吐出流量との関係を示す図。
【図9】HST走行から加速する場合および慣性走行か
ら加速する場合の原動機回転数、油圧ポンプの吐出圧、
吸込圧および車速の変化を示す図。
【符号の説明】
1 原動機 2 可変容量形油圧ポンプ 3,4 主管路 5 油圧モータ 31 切換弁 40,60 バイパス手段 46 バイパス回路の開閉時期を制御するコントローラ 50 油圧ポンプの傾転角を制御するコントローラ 63 バイパス回路の開閉時期を制御するチェック弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機に駆動される可変容量形油圧ポン
    プと、 一対の主管路により前記可変容量形油圧ポンプに閉回路
    接続され、この可変容量形油圧ポンプからの吐出油によ
    り駆動される油圧モータと、 アクセルペダルを減速操作させたときに前記一対の主管
    路を連通して前記油圧モータの吐出側から吸込側への油
    の流れを可能とするバイパス手段とを備えてなるHST
    油圧走行駆動装置において、 前記アクセルペダルの踏込み操作に連動して前記バイパ
    ス手段が前記一対の主管路を連通状態から遮断状態へ切
    換える過程で、前記可変容量形油圧ポンプの吐出容量の
    変化速度を増速させる吐出容量変化速度制御手段を設け
    たことを特徴とするHST油圧走行駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のHST油圧走行駆動装置
    において、前記可変容量形油圧ポンプの吐出流量と前記
    油圧モータの吐出流量との相対関係が切換ショックが発
    生しないほどになったことを条件として、前記バイパス
    手段による前記一対の主管路の連通状態から遮断状態へ
    の切換え操作を実行させるバイパス切換制御手段を設け
    たことを特徴とするHST油圧走行駆動装置。
JP4016493A 1993-03-01 1993-03-01 Hst油圧走行駆動装置 Pending JPH06249338A (ja)

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