JPH0624839A - ジルコン質耐火物 - Google Patents
ジルコン質耐火物Info
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- JPH0624839A JPH0624839A JP4182726A JP18272692A JPH0624839A JP H0624839 A JPH0624839 A JP H0624839A JP 4182726 A JP4182726 A JP 4182726A JP 18272692 A JP18272692 A JP 18272692A JP H0624839 A JPH0624839 A JP H0624839A
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- Japan
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- powder
- zircon
- apparent porosity
- slag
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱衝撃性を低下させることなくスラグによ
る溶損を少なくできて、スラグによる溶損を受けやすい
箇所にも使用可能なジルコン質耐火物を提供する。 【構成】 天然ジルコン粉末に、高純度ジルコン粉末、
ZrO2粉末およびSiO2粉末の混合粉末、ZrO2ファイバーお
よびSiO2粉末の混合物うち少なくとも1種類を混合し
て、焼成し、見かけ気孔率を3%以上15%以下とした。 【効果】 見かけ気孔率が3%以下で生じる熱膨張率の
増加による耐熱衝撃性の低下を防止できるとともに、15
%以上で生じる耐スラグ溶損性の低下を防止できる。
る溶損を少なくできて、スラグによる溶損を受けやすい
箇所にも使用可能なジルコン質耐火物を提供する。 【構成】 天然ジルコン粉末に、高純度ジルコン粉末、
ZrO2粉末およびSiO2粉末の混合粉末、ZrO2ファイバーお
よびSiO2粉末の混合物うち少なくとも1種類を混合し
て、焼成し、見かけ気孔率を3%以上15%以下とした。 【効果】 見かけ気孔率が3%以下で生じる熱膨張率の
増加による耐熱衝撃性の低下を防止できるとともに、15
%以上で生じる耐スラグ溶損性の低下を防止できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業廃棄物の溶融炉の
炉壁やスラグにより溶損を受ける部位や、ガラス溶融装
置に使用されるジルコン質耐火物に関する。
炉壁やスラグにより溶損を受ける部位や、ガラス溶融装
置に使用されるジルコン質耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ジルコン質耐火物は製鋼用および
ガラス溶融炉用耐火物として広く用いられている。
ガラス溶融炉用耐火物として広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶融物中に金
属スラグが存在した場合に溶損が激しいという問題があ
り、従来のジルコン質耐火物は産業廃棄物の溶融炉の炉
壁やスラグにより溶損を受ける部位などに適さないとい
う問題があった。これは、耐熱衝撃性を付与している気
孔率の高さ(見かけ気孔率17〜26%)がスラグの浸潤を
引起すことになり、溶損が進行するためである。
属スラグが存在した場合に溶損が激しいという問題があ
り、従来のジルコン質耐火物は産業廃棄物の溶融炉の炉
壁やスラグにより溶損を受ける部位などに適さないとい
う問題があった。これは、耐熱衝撃性を付与している気
孔率の高さ(見かけ気孔率17〜26%)がスラグの浸潤を
引起すことになり、溶損が進行するためである。
【0004】本発明は、上記問題点を解決して、耐熱衝
撃性を低下させることなくスラグによる溶損を少なくで
きて、スラグによる溶損を受けやすい箇所にも使用可能
なジルコン質耐火物を提供することを目的とする。
撃性を低下させることなくスラグによる溶損を少なくで
きて、スラグによる溶損を受けやすい箇所にも使用可能
なジルコン質耐火物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明のジルコン質耐火物は、ジルコン粉末を焼成
し、またはジルコン粉末に、ZrO2粉末とSiO2粉末の混合
粉末および/またはZrO2ファイバーとSiO2粉末の混合物
を混合して焼成し、見かけ気孔率を3%以上15%以下と
したものである。
めに本発明のジルコン質耐火物は、ジルコン粉末を焼成
し、またはジルコン粉末に、ZrO2粉末とSiO2粉末の混合
粉末および/またはZrO2ファイバーとSiO2粉末の混合物
を混合して焼成し、見かけ気孔率を3%以上15%以下と
したものである。
【0006】
【作用】上記構成によれは、耐火物の見かけ気孔率を3
%以上とすることにより、熱膨張率の増大を抑制して耐
熱衝撃性を保持し、見かけ気孔率を15%以下とすること
により、耐スラグ溶損性を向上することができ、耐熱衝
撃性を低下させることなくスラグによる溶損を少なくで
きて、溶損を受けやすい箇所にも使用可能なジルコン質
耐火物を提供することができる。
%以上とすることにより、熱膨張率の増大を抑制して耐
熱衝撃性を保持し、見かけ気孔率を15%以下とすること
により、耐スラグ溶損性を向上することができ、耐熱衝
撃性を低下させることなくスラグによる溶損を少なくで
きて、溶損を受けやすい箇所にも使用可能なジルコン質
耐火物を提供することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明に係るジルコン質耐火物の一実
施例を説明する。産業廃棄物の溶融炉の炉壁やスラグに
より溶損を受ける部位や、ガラス溶融炉に使用されるジ
ルコン質耐火物に要求される性質は、下記の2点であ
る。 (1)耐熱衝撃性において、急冷温度差1000℃で20回の
繰り返しにもクラックが発生しないこと。 (2)金属スラグの溶解物に200 時間の浸漬を行って
も、外観上の著しい変化がないこと。
施例を説明する。産業廃棄物の溶融炉の炉壁やスラグに
より溶損を受ける部位や、ガラス溶融炉に使用されるジ
ルコン質耐火物に要求される性質は、下記の2点であ
る。 (1)耐熱衝撃性において、急冷温度差1000℃で20回の
繰り返しにもクラックが発生しないこと。 (2)金属スラグの溶解物に200 時間の浸漬を行って
も、外観上の著しい変化がないこと。
【0008】上記2点を満足するために本発明のジルコ
ン質耐火物は、原料母材である天然ジルコン粉末に、高
純度ジルコン(ZrSiO4)粉末を15重量%以上、30重量%
未満を配合して分散媒体(たとえばエタノール)により
混練し、乾燥してから成形した後大気中で焼成し、見か
け気孔率を3%以上、15%以下としたものである。
ン質耐火物は、原料母材である天然ジルコン粉末に、高
純度ジルコン(ZrSiO4)粉末を15重量%以上、30重量%
未満を配合して分散媒体(たとえばエタノール)により
混練し、乾燥してから成形した後大気中で焼成し、見か
け気孔率を3%以上、15%以下としたものである。
【0009】また、本発明のジルコン質耐火物は、原料
母材である天然ジルコン粉末に、高純度ジルコニア(Zr
O2)粉末+酸化けい素(SiO2)粉末の混合粉末を5重量
%以上30、重量%未満を配合して、分散媒体(たとえば
エタノール)により混練し、乾燥してから成形した後大
気中で焼成し、見かけ気孔率を3%以上、15%以下とし
たものである。
母材である天然ジルコン粉末に、高純度ジルコニア(Zr
O2)粉末+酸化けい素(SiO2)粉末の混合粉末を5重量
%以上30、重量%未満を配合して、分散媒体(たとえば
エタノール)により混練し、乾燥してから成形した後大
気中で焼成し、見かけ気孔率を3%以上、15%以下とし
たものである。
【0010】さらに、本発明のジルコン質耐火物は、原
料母材である天然ジルコン粉末に、ジルコニアファイバ
ー(ZrO2)+酸化けい素(SiO2)粉末の混合物を5重量
%以上、30重量%未満を配合して、分散媒体(たとえば
エタノール)により混練し、乾燥してから成形した後大
気中で焼成し、見かけ気孔率を3%以上、15%以下とし
たものである。
料母材である天然ジルコン粉末に、ジルコニアファイバ
ー(ZrO2)+酸化けい素(SiO2)粉末の混合物を5重量
%以上、30重量%未満を配合して、分散媒体(たとえば
エタノール)により混練し、乾燥してから成形した後大
気中で焼成し、見かけ気孔率を3%以上、15%以下とし
たものである。
【0011】さらにまた、本発明のジルコン質耐火物
は、原料母材である天然ジルコン粉末に、高純度ジルコ
ン(ZrSiO4)粉末と高純度ジルコニア(ZrO2)粉末+酸
化けい素(SiO2粉末)の混合粉末とを5重量%以上、30
重量%未満を配合して、分散媒体(たとえばエタノー
ル)により混練し、乾燥してから成形した後大気中で焼
成し、見かけ気孔率を3%以上、15%以下としたもので
ある。
は、原料母材である天然ジルコン粉末に、高純度ジルコ
ン(ZrSiO4)粉末と高純度ジルコニア(ZrO2)粉末+酸
化けい素(SiO2粉末)の混合粉末とを5重量%以上、30
重量%未満を配合して、分散媒体(たとえばエタノー
ル)により混練し、乾燥してから成形した後大気中で焼
成し、見かけ気孔率を3%以上、15%以下としたもので
ある。
【0012】また、本発明のジルコン質耐火物は、原料
母材である天然ジルコン粉末に、高純度ジルコニア(Zr
O2)粉末とジルコニアファイバー(ZrSiO4)粉末+酸化
けい素(SiO2)粉末の混合物とを5重量%以上、30重量
%未満を配合して、分散媒体(たとえばエタノール)に
より混練し、乾燥してから成形した後大気中で焼成し、
見かけ気孔率を3%以上、15%以下としたものである。
母材である天然ジルコン粉末に、高純度ジルコニア(Zr
O2)粉末とジルコニアファイバー(ZrSiO4)粉末+酸化
けい素(SiO2)粉末の混合物とを5重量%以上、30重量
%未満を配合して、分散媒体(たとえばエタノール)に
より混練し、乾燥してから成形した後大気中で焼成し、
見かけ気孔率を3%以上、15%以下としたものである。
【0013】さらに、本発明のジルコン質耐火物は、原
料母材である天然ジルコン粉末に、高純度ジルコン(Zr
SiO4)粉末と高純度ジルコニア(ZrO2)粉末+酸化けい
素(SiO2粉末)の混合粉末とジルコニアファイバー(Zr
O2)+酸化けい素(SiO2)粉末の混合物とを5重量%以
上、30重量%未満を配合して、分散媒体(たとえばエタ
ノール)により混練し、乾燥してから成形した後大気中
で焼成し、見かけ気孔率を3%以上、15%以下としたも
のである。
料母材である天然ジルコン粉末に、高純度ジルコン(Zr
SiO4)粉末と高純度ジルコニア(ZrO2)粉末+酸化けい
素(SiO2粉末)の混合粉末とジルコニアファイバー(Zr
O2)+酸化けい素(SiO2)粉末の混合物とを5重量%以
上、30重量%未満を配合して、分散媒体(たとえばエタ
ノール)により混練し、乾燥してから成形した後大気中
で焼成し、見かけ気孔率を3%以上、15%以下としたも
のである。
【0014】なお、ここで天然ジルコン(オーストラリ
ア産)の組成は、ZrO2( +HfO2) :66.4重量%、Total
SiO2:32.8重量%、TiO2:0.13重量%、Fe 2O3 :0.10重
量%、Al2O3 :0.20重量%、Cr2O3 :0.007 重量%、Ca
O :0.02重量%、MgO :0.02重量%、その他不純物であ
る。
ア産)の組成は、ZrO2( +HfO2) :66.4重量%、Total
SiO2:32.8重量%、TiO2:0.13重量%、Fe 2O3 :0.10重
量%、Al2O3 :0.20重量%、Cr2O3 :0.007 重量%、Ca
O :0.02重量%、MgO :0.02重量%、その他不純物であ
る。
【0015】次に、天然ジルコン粉末と高純度ジルコン
(ZrSiO4)粉末とZrO2粉末+SiO2粉末の混合粉末とZrO2
ファイバー+SiO2粉末の混合粉末とを適宜混合して焼成
した実験結果を表1に示す。
(ZrSiO4)粉末とZrO2粉末+SiO2粉末の混合粉末とZrO2
ファイバー+SiO2粉末の混合粉末とを適宜混合して焼成
した実験結果を表1に示す。
【0016】ここで使用した原料は ・母材の天然ジルコン粉末は、粒度粒度:1〜2000μ
m、平均粒径:400 μm ・高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末は、純度99.9%以上、平
均粒径:0.5 μm ・高純度ジルコニア(ZrO2)粉末は、純度99.9%以上、
平均粒径:0.3 μm ・酸化けい素(SiO2)粉末は、平均粒径:0.5 μm ・ジルコニアファイバー(ZrO2)は、繊維長:500 〜20
00μm、線径:5μmである。
m、平均粒径:400 μm ・高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末は、純度99.9%以上、平
均粒径:0.5 μm ・高純度ジルコニア(ZrO2)粉末は、純度99.9%以上、
平均粒径:0.3 μm ・酸化けい素(SiO2)粉末は、平均粒径:0.5 μm ・ジルコニアファイバー(ZrO2)は、繊維長:500 〜20
00μm、線径:5μmである。
【0017】予め、高純度ジルコニア(ZrO2)粉末と酸
化けい素(SiO2)粉末、およびジルコニアファイバー
(ZrO2)と酸化けい素(SiO2)粉末は、ZrO2とSiO2を等
モル比で配合してボールミルまたはハンドミキサーによ
り十分混練しておく。
化けい素(SiO2)粉末、およびジルコニアファイバー
(ZrO2)と酸化けい素(SiO2)粉末は、ZrO2とSiO2を等
モル比で配合してボールミルまたはハンドミキサーによ
り十分混練しておく。
【0018】これらの原料粉末を表1および表2に示す
ように配合し、エタノールを分散媒体としてハンドミキ
サーにより混練する。次にこの原料を100 ℃で10時間乾
燥した後、100 ×100 mm角,長さ100mm のゴム型に入
れ、1ton/cm2 の圧力で冷間静水圧成形法(CIP)に
より成形し、さらにこの成形体を大気中で1500℃,2時
間焼成を行い、試料を得た。
ように配合し、エタノールを分散媒体としてハンドミキ
サーにより混練する。次にこの原料を100 ℃で10時間乾
燥した後、100 ×100 mm角,長さ100mm のゴム型に入
れ、1ton/cm2 の圧力で冷間静水圧成形法(CIP)に
より成形し、さらにこの成形体を大気中で1500℃,2時
間焼成を行い、試料を得た。
【0019】この様にして得られた試料を、 ・耐熱衝撃試験:急冷温度差1000℃,繰り返し荷重回数
20回 30mm×30mm角、長さ50mmの試験片を、1000℃30分加熱→
10〜20℃の水中に30分浸漬→300 ℃30分乾燥→浸透探傷
試験(カラーチェック)→300 ℃30分乾燥→以下繰り返
し。 ・浸漬テスト:金属スラグ(1400℃)の成分、SiO2:50
重量%、Al2O3 :10重量%、CaO:20重量%、Fe2O3 :10
重量%、Na2O:10重量% ・見かけ気孔率検査:JISR2205による。を行っ
た。
20回 30mm×30mm角、長さ50mmの試験片を、1000℃30分加熱→
10〜20℃の水中に30分浸漬→300 ℃30分乾燥→浸透探傷
試験(カラーチェック)→300 ℃30分乾燥→以下繰り返
し。 ・浸漬テスト:金属スラグ(1400℃)の成分、SiO2:50
重量%、Al2O3 :10重量%、CaO:20重量%、Fe2O3 :10
重量%、Na2O:10重量% ・見かけ気孔率検査:JISR2205による。を行っ
た。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】試料番号1〜4は、それぞれ母材原料であ
る天然ジルコン粉末と、添加材料である高純度ジルコン
(ZrSiO4)粉末と、高純度ジルコニア(ZrO2)粉末+酸
化けい素(SiO2)粉末と、ジルコニアファイバー(Zr
O2)+酸化けい素(SiO2)粉末をそれぞれ100 %で製造
した試料で、試料番号1は耐スラグ溶損性に問題があ
り、見かけ気孔率は大きい。また試料番号2,3は耐熱
衝撃性に問題があり、見かけ気孔率が小さい。さらに試
料番号4では成形ができなかった。
る天然ジルコン粉末と、添加材料である高純度ジルコン
(ZrSiO4)粉末と、高純度ジルコニア(ZrO2)粉末+酸
化けい素(SiO2)粉末と、ジルコニアファイバー(Zr
O2)+酸化けい素(SiO2)粉末をそれぞれ100 %で製造
した試料で、試料番号1は耐スラグ溶損性に問題があ
り、見かけ気孔率は大きい。また試料番号2,3は耐熱
衝撃性に問題があり、見かけ気孔率が小さい。さらに試
料番号4では成形ができなかった。
【0023】試料番号5〜8は、それぞれ母材原料であ
る天然ジルコン粉末に高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末を
5〜30重量%添加して製造したもので、試料番号5〜7
の高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末を5〜25重量%添加し
たものについては、耐熱衝撃性および耐スラグ溶損性も
良好で、見かけ気孔率は3〜15パーセントの範囲であ
る。しかし、高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末を30重量%
添加した試料番号8については耐熱衝撃性に問題があ
り、見かけ気孔率も2%と小さい。
る天然ジルコン粉末に高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末を
5〜30重量%添加して製造したもので、試料番号5〜7
の高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末を5〜25重量%添加し
たものについては、耐熱衝撃性および耐スラグ溶損性も
良好で、見かけ気孔率は3〜15パーセントの範囲であ
る。しかし、高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末を30重量%
添加した試料番号8については耐熱衝撃性に問題があ
り、見かけ気孔率も2%と小さい。
【0024】試料番号9,10および試料番号13,14は、
それぞれ母材原料である天然ジルコン粉末に、高純度ジ
ルコニア(ZrO2)粉末+酸化けい素(SiO2)粉末、また
はジルコニアファイバー(ZrO2)+酸化けい素(SiO2)
粉末を添加したもので、試料番号9,10の添加物が10重
量%では、耐熱衝撃性および耐スラグ溶損性も良好で見
かけ気孔率は13〜14%の範囲である。しかし添加物が30
重量%の試料番号13では、見かけ気孔率が2%と小さく
耐熱衝撃性問題があり、また試料番号14では成形ができ
なかった。
それぞれ母材原料である天然ジルコン粉末に、高純度ジ
ルコニア(ZrO2)粉末+酸化けい素(SiO2)粉末、また
はジルコニアファイバー(ZrO2)+酸化けい素(SiO2)
粉末を添加したもので、試料番号9,10の添加物が10重
量%では、耐熱衝撃性および耐スラグ溶損性も良好で見
かけ気孔率は13〜14%の範囲である。しかし添加物が30
重量%の試料番号13では、見かけ気孔率が2%と小さく
耐熱衝撃性問題があり、また試料番号14では成形ができ
なかった。
【0025】試料番号11,12および試料番号15〜17は、
それぞれ母材原料である天然ジルコン粉末に、添加物を
2種類または3種類添加したもので、試料番号11,12,
16の添加物の全体量が10〜25重量%では、耐熱衝撃性お
よび耐スラグ溶損性も良好で見かけ気孔率は5〜13%の
範囲にあり、添加物を2種類以上添加しても特性的に問
題はないことがわかった。しかし、添加物の全体量が30
重量%となる試料番号15,17については耐熱衝撃性に問
題があり、見かけ気孔率も2%と小さい。
それぞれ母材原料である天然ジルコン粉末に、添加物を
2種類または3種類添加したもので、試料番号11,12,
16の添加物の全体量が10〜25重量%では、耐熱衝撃性お
よび耐スラグ溶損性も良好で見かけ気孔率は5〜13%の
範囲にあり、添加物を2種類以上添加しても特性的に問
題はないことがわかった。しかし、添加物の全体量が30
重量%となる試料番号15,17については耐熱衝撃性に問
題があり、見かけ気孔率も2%と小さい。
【0026】次に、上記の試料番号6の本発明品と比較
品とを実際にガラス繊維溶融炉に使用して耐久試験を行
った結果を表2に示す。この時本発明品の試料番号6と
比較例の試料番号1と比較試料Cr2O3 質耐火物とを50×
50mm角,厚さ30 mm に形成し、溶融温度1300℃のガラス
繊維溶融炉に使用し、保持時間を200 時間とした。
品とを実際にガラス繊維溶融炉に使用して耐久試験を行
った結果を表2に示す。この時本発明品の試料番号6と
比較例の試料番号1と比較試料Cr2O3 質耐火物とを50×
50mm角,厚さ30 mm に形成し、溶融温度1300℃のガラス
繊維溶融炉に使用し、保持時間を200 時間とした。
【0027】
【表3】
【0028】以上の実験結果によれば、まず見かけ気孔
率が3〜15%の焼成物が、きわめて良好な耐熱衝撃性お
よび耐スラグ溶損性を備えていることが判明した。ここ
で、見かけ気孔率が3%未満であれば、緻密になり熱膨
張率がますため、耐熱衝撃性が著しく低下することが判
明した。また反対に、見かけ気孔率が15%を越えると、
天然ジルコンに含まれる不純物がスラグと反応して溶損
が進行し、耐スラグ溶損性が低下することが判明した。
また、この見かけ気孔率が3〜15%範囲のジルコン質耐
火物を得るためには、天然ジルコン粉末(粒度粒度:1
〜2000μm、平均粒径:400 μm)に添加される添加物
は、高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末と、高純度ジルコニ
ア(ZrO2)粉末+酸化けい素(SiO2)粉末と、ジルコニ
アファイバー(ZrO2)+酸化けい素(SiO2)粉末のうち
の1種類が5%以上で30%未満であることがわかっ
た。
率が3〜15%の焼成物が、きわめて良好な耐熱衝撃性お
よび耐スラグ溶損性を備えていることが判明した。ここ
で、見かけ気孔率が3%未満であれば、緻密になり熱膨
張率がますため、耐熱衝撃性が著しく低下することが判
明した。また反対に、見かけ気孔率が15%を越えると、
天然ジルコンに含まれる不純物がスラグと反応して溶損
が進行し、耐スラグ溶損性が低下することが判明した。
また、この見かけ気孔率が3〜15%範囲のジルコン質耐
火物を得るためには、天然ジルコン粉末(粒度粒度:1
〜2000μm、平均粒径:400 μm)に添加される添加物
は、高純度ジルコン(ZrSiO4)粉末と、高純度ジルコニ
ア(ZrO2)粉末+酸化けい素(SiO2)粉末と、ジルコニ
アファイバー(ZrO2)+酸化けい素(SiO2)粉末のうち
の1種類が5%以上で30%未満であることがわかっ
た。
【0029】また、表2の結果からも明らかなようにガ
ラス繊維溶融炉でも充分に実用が可能なことが確認でき
た。
ラス繊維溶融炉でも充分に実用が可能なことが確認でき
た。
【0030】
【発明の効果】以上に述べたごとく本発明によれば、耐
火物の見かけ気孔率を3%以上とすることにより、熱膨
張率の増大を抑制して耐熱衝撃性を保持し、見かけ気孔
率を15%以下とすることにより、耐スラグ溶損性を向上
することができ、耐熱衝撃性を低下させることなくスラ
グによる溶損を少なくできて、溶損を受けやすい箇所に
も使用可能なジルコン質耐火物を提供することができ
る。
火物の見かけ気孔率を3%以上とすることにより、熱膨
張率の増大を抑制して耐熱衝撃性を保持し、見かけ気孔
率を15%以下とすることにより、耐スラグ溶損性を向上
することができ、耐熱衝撃性を低下させることなくスラ
グによる溶損を少なくできて、溶損を受けやすい箇所に
も使用可能なジルコン質耐火物を提供することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ジルコン粉末を焼成し、またはジルコン
粉末に、ZrO2粉末とSiO2粉末の混合粉末および/または
ZrO2ファイバーとSiO2粉末の混合物を混合して焼成し、
見かけ気孔率を3%以上15%以下としたことを特徴とす
るジルコン質耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4182726A JPH0624839A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | ジルコン質耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4182726A JPH0624839A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | ジルコン質耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0624839A true JPH0624839A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16123374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4182726A Pending JPH0624839A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | ジルコン質耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0624839A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7238635B2 (en) | 2003-12-16 | 2007-07-03 | Corning Incorporated | Creep resistant zircon refractory material used in a glass manufacturing system |
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1992
- 1992-07-10 JP JP4182726A patent/JPH0624839A/ja active Pending
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