JPH06242170A - 耐雷ホーンの劣化検出器 - Google Patents

耐雷ホーンの劣化検出器

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JPH06242170A
JPH06242170A JP2697793A JP2697793A JPH06242170A JP H06242170 A JPH06242170 A JP H06242170A JP 2697793 A JP2697793 A JP 2697793A JP 2697793 A JP2697793 A JP 2697793A JP H06242170 A JPH06242170 A JP H06242170A
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current
lightning protection
voltage
protection horn
unit
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JP2697793A
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Tetsuya Nakayama
哲也 中山
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】停止線において、耐雷ホーンの劣化状態をより
正確に検出することができる劣化検出器を提供すること
を目的とする。 【構成】直流高電圧ユニット42の複数の直流高電圧及
び交流高電圧ユニット43の複数の交流高電圧は切替ユ
ニット46及び電源供給ケーブル34を介して耐雷ホー
ンの課電側に供給される。電圧電流計測ユニット44,
45は各直流高電圧及び各直流電流と、各交流高電圧及
び各交流電流とをそれぞれ計測する。演算ユニット48
は電圧電流計測ユニット44,45の計測結果に基づい
て耐雷ホーンの絶縁抵抗、静電容量及び漏れ電流を算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送電線路に雷サージ電
流が流れた場合には、それを速やかに大地に放電すると
ともに、その後に生じる商用周波の続流を抑制遮断する
耐雷ホーンの劣化検出器に関するものである。より詳し
くは送電線路を停電状態にした停止線において、耐雷ホ
ーンの故障ではなく、耐雷ホーンの劣化状態を検出する
ための劣化検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、送電線路に使用される耐雷ホーン
の劣化検出には、送電線路に給電した活線状態と、送電
線路を停電させた停止線状態で行われる二通りの劣化検
出方法が用いられている。
【0003】活線での劣化検出では、耐雷ホーンと並列
にコンデンサを接続して耐雷ホーンの分圧電圧を実質的
になくす。この後、耐雷ホーンの課電側及び接地側間に
直流電圧を印加して耐雷ホーンの絶縁抵抗を計測し、そ
の妥当性を評価する方法が用いられる。
【0004】また、停止線での劣化検出では、例えば5
00V又は1000Vの直流電圧を発生するメガーと呼
ばれる絶縁抵抗計が使用される。そして、このメガーか
ら発生された電圧を耐雷ホーンの課電側端子に印加し、
メガーの接地側端子に耐雷ホーンの接地側端子を接続
し、耐雷ホーンの絶縁抵抗を計測し、その妥当性を評価
する方法が用いられる。なお、耐雷ホーンの漏れ電流の
計測は行われていない。
【0005】また、停止線での耐雷ホーンの劣化検出に
は低電圧の交流電圧を印加可能な容量メータを使用して
静電容量を計測し、絶縁状態の妥当性を評価する方法が
用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、活線での耐
雷ホーンの劣化検出では送電線路に給電されていて電気
的条件の厳しさがあるため、絶縁抵抗しか計測できず計
測項目の選択に限界がある。そのため、活線では耐雷ホ
ーンが健全状態であるか故障しているかの検出に止ま
り、健全状態と故障状態との中間である劣化状態を検出
することは困難である。
【0007】また、停止線での耐雷ホーンの劣化検出で
は送電線路が停電されているため、電気的条件は緩和さ
れる。ところが、耐雷ホーンは酸化亜鉛(ZnO)素子
を主体としており、電圧−電流特性がオームの法則に従
わない非直線特性を持つ。そのため、耐雷ホーンの絶縁
抵抗又は静電容量をそれぞれ単独で計測しても、絶縁抵
抗の誤判定が生ずるおそれがある。例えば、500V〜
1000Vクラスのメガーで耐雷ホーンの絶縁抵抗を計
測したとき、計測値が一般に絶縁良好とされる2000
メガΩ以上であったとする。ところが、劣化が極端に進
んでいると、若干電圧を上げて絶縁抵抗を計測すると、
耐雷ホーンが導通状態となってしまうことがある。
【0008】また、耐雷ホーンの絶縁抵抗又は静電容量
をそれぞれ単独で計測しても、耐雷ホーンの劣化状態に
よって計測値の変化具合が異なることがある。そのた
め、耐雷ホーンの劣化判定はむずかしく、熟練が必要と
される。
【0009】また、メガーや容量メータ等の個々の計測
器を用いることはその量や重量の面で山岳地への運搬管
理がむずかしくなる。さらに、これらの計測器を使用し
た計測の手間や、計測結果の記録、判定、安全管理が煩
雑なものとなる。特に、耐雷ホーンの劣化状態の判定に
おいて、鉄塔への取付直後の値からどのように経時変化
したかの評価が現地で簡単にできなかった。また、計測
後のデータの整理及び保管にも手間を要するという問題
があった。
【0010】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、電圧値が異なる複数の
電圧による計測結果と、絶縁抵抗、静電容量又は漏れ電
流等の電気的特性のうち複数の特性を計測することによ
り、耐雷ホーンの劣化状態をより正確に検出することが
できる劣化検出器を提供することにある。
【0011】また、本発明の目的は、耐雷ホーンの劣化
状態の検出作業を容易に行うことができる劣化検出器を
提供することにある。また、本発明の目的は、絶縁抵
抗、静電容量又は漏れ電流等の電気的特性の計測結果の
記録を容易に行うことができる劣化検出器を提供するこ
とにある。
【0012】また、本発明の目的は、予め絶縁抵抗、静
電容量又は漏れ電流等の判定値を入力しておくことによ
り、耐雷ホーンの劣化状態の判定を容易に行うことがで
きる劣化検出器を提供することにある。
【0013】また、本発明の目的は、耐雷ホーンの劣化
状態の経時変化を容易に評価できるとともに、データの
整理及び保管を容易に行うことができる劣化検出器を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、電圧−電流特性が非直線性の限流素子に
より送電線に侵入した雷サージ電流を鉄塔を介して大地
に放電するとともに続流を遮断する耐雷ホーンの劣化状
態を検出する劣化検出器であって、電圧値が異なる複数
の直流高電圧を出力可能な直流高電圧ユニットと、電圧
値が異なる複数の交流高電圧を出力可能な交流高電圧ユ
ニットと、直流高電圧ユニット及び交流高電圧ユニット
から出力される高電圧を耐雷ホーンの課電側に供給する
ための電源供給ケーブルと、耐雷ホーンに供給された直
流高電圧と流れる直流電流とをそれぞれ計測するための
第1の電流計測ユニットと、耐雷ホーンに供給された交
流高電圧と流れる交流電流とをそれぞれ計測するための
第2の電流計測ユニットと、異なる2つ以上の直流高電
圧と直流電流、さらに交流高電圧と交流電流とから絶縁
抵抗をそれぞれ求める算出手段とを備えて構成してい
る。
【0015】
【作用】本発明によれば、電圧値の異なる複数の電圧に
よる絶縁抵抗がそれぞれ算出されるので、耐雷ホーンの
劣化状態がより正確に検出される。
【0016】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
従って説明する。図1は本実施例における劣化検出器2
1を示しており、この劣化検出器21を使用して図3に
示す耐雷ホーン装置Aにおける耐雷ホーン11の劣化状
態を検出するようになっている。
【0017】まず、耐雷ホーン装置Aを図3に従って説
明する。鉄塔の支持アーム1の先端下面には吊下金具2
が固定され、同吊下金具2には懸垂碍子3を複数直列に
連結した吊下碍子4が吊下されている。吊下碍子4の下
端部にはホーン取付金具5が連結され、同取付金具5の
右側には線路方向に延出する課電側のアークホーン6が
取付られている。ホーン取付金具5の下部には懸垂クラ
ンプ7を介して送電線8が支持されている。
【0018】一方、前記支持アーム1の先端には取付ア
ダプタ10が線路方向に延びるように取り付けられてい
る。取付アダプタ10の先端には、その内部に電圧−電
流特性が非直線性の酸化亜鉛等よりなる限流素子を収容
した耐雷ホーン11が垂直状態で固定されている。耐雷
ホーン11の上部の接地側電極12は接地金具13を介
して取付アダプタ10に接続されている。耐雷ホーン1
1の下部の課電側電極14には接地側のアークホーン1
5が取着され、同アークホーン15は前記アークホーン
6との間に所定の気中放電間隔Gをもって対向してい
る。又、耐雷ホーン11の上下においてそれぞれ取付ア
ダプタ10あるいは課電側電極14には、耐雷ホーン1
1を囲繞するように接地側及び課電側のアーキングリン
グ16,17が設けられている。
【0019】そして、送電線8に雷サージが侵入する
と、このサージ電流は懸垂クランプ7、ホーン取付金具
5を経てアークホーン6に流れ、気中放電間隔Gを介し
てアークホーン15に閃絡する。そして、サージ電流は
耐雷ホーン11の課電側電極14からその内部の限流素
子(図示略)を経て接地側電極12へ流れ、さらに接地
金具13、取付アダプタ10を経て支持アーム1へ流れ
て大地に放電される。その後生じる商用周波数による続
流は耐雷ホーン11の前記限流素子及び気中放電間隔G
により抑制遮断される。
【0020】次に、劣化検出器21を図1,図2に従っ
て説明する。図1に示すように、劣化検出器21の本体
ケース22の上部には蓋23が開閉可能に取着されてい
る。本体ケース22の上面に設けられた操作盤24上に
は電源スイッチ25、スタートボタン26、非常ボタン
27、入力キー28、ディスプレイ29、カードリーダ
30、カードライタ31等が設けられている。
【0021】電源スイッチ25は図2に示す電池ユニッ
ト41からこの劣化検出器21に電源を投入又は遮断す
るためのスイッチである。スタートボタン26は耐雷ホ
ーンの劣化検出作業を開始するためのボタンであり、非
常ボタン27は劣化検出作業中の耐雷ホーンへの給電を
非常停止するためのボタンである。入力キー28は耐雷
ホーンの劣化状態を判定するための判定値、線路名、鉄
塔番号、計測日、相名、回線名等を予め入力するための
もので、必要に応じて使用される。判定値としては絶縁
抵抗値、静電容量値及び漏れ電流値等がある。カードリ
ーダ30はICカード(図示せず)から耐雷ホーンの劣
化状態を判定するための判定値、線路名、鉄塔番号、計
測日、相名、回線名等を読み込むためのものである。カ
ードライタ31はこの劣化検出器21による計測値、判
定結果、線路名、鉄塔番号、計測日、相名及び回線名等
をICカードに書き込むためのものである。ディスプレ
イ29は劣化検出作業中における計測値又は判定結果等
を表示するためのものである。
【0022】本体ケース22の側面には高電圧引き出し
部32が設けられ、同引き出し部32の上面にはプラグ
インソケット33が備えられている。プラグインソケッ
ト33には電源供給ケーブル34が接続されるようにな
っている。本体ケース22の側面には接地端子35が設
けられており、同端子35は図示しない接地ケーブルを
介して鉄塔に接続されるようになっている。また、本体
ケース22の前面下部には電池を収納するためのバッテ
リケース36が設けられている。
【0023】前記電源供給ケーブル34は接地シース付
ケーブルからなり、一端には前記プラグインソケット3
3に挿入されるプラグ37が設けられ、他端にはケーブ
ルヘッド38が設けられている。ケーブルヘッド38の
先端には鉤状の係止金具39が設けられ、この金具39
は図3に示す耐雷ホーン11における課電側のアーキン
グリング17に係止されて電圧を供給するようになって
いる。また、ケーブルヘッド38には同ヘッド38を移
動操作するための環状のキャリヤ38aが取着されてい
る。
【0024】なお、本体ケース22の両側には運搬用ベ
ルトを装着するための吊下フック40が突設されてい
る。そして、本実施例の劣化検出器21は山岳地への運
搬上、およそ30kgの重量となるように構成されてい
る。
【0025】次に、前記劣化検出器21の電気的構成を
図2に従って説明する。劣化検出器21は前記電源スイ
ッチ25、スタートボタン26、非常ボタン27、入力
キー28、カードリーダ30等を備えている。また、劣
化検出器21は電池ユニット41、直流高電圧ユニット
42、交流高電圧ユニット43、電圧電流計測ユニット
44,45、切替ユニット46、制御ユニット47、演
算ユニット48、表示ユニット49及び記録ユニット5
0を備えている。直流高電圧ユニット42、交流高電圧
ユニット43、電圧電流計測ユニット44,45、切替
ユニット46、制御ユニット47、演算ユニット48、
表示ユニット49及び記録ユニット50には電池ユニッ
ト41から電源が供給されるようになっている。
【0026】制御ユニット47の入力側にはスタートボ
タン26及び非常ボタン27が接続されている。制御ユ
ニット47はスタートボタン26が操作されると、前記
各ユニット41〜46、48〜50を制御し、耐雷ホー
ンの絶縁抵抗、静電容量及び漏れ電流の計測を自動的に
行わせ、これらの計測が終了すると劣化検出作業を停止
させるようになっている。
【0027】電池ユニット41には前記電源スイッチ2
5が接続され、電源スイッチ25の操作に基づいて劣化
検出器21への電源の投入又は遮断を行う。また、電源
投入後において、電池ユニット41は制御ユニット47
の制御信号に基づいて直流高電圧ユニット42及び交流
高電圧ユニット43に直流電源を交互に供給する。
【0028】直流高電圧ユニット42は電池ユニット4
1から供給された直流電源を制御ユニット47の制御信
号に基づいて電圧値が異なる複数の直流高電圧に変換
し、その直流高電圧を電圧電流計測ユニット44に出力
する。
【0029】交流高電圧ユニット43は電池ユニット4
1から供給された直流電源を制御ユニット47の制御信
号に基づいて電圧値が異なる複数の交流高電圧に変換
し、その交流高電圧を電圧電流計測ユニット45に出力
する。また、交流高電圧ユニット43は制御ユニット4
7の制御信号に基づいて周波数fが異なる複数の交流高
電圧をも出力できるようになっている。
【0030】一般に、22〜154kVの線路に多くの
耐雷ホーンが用いられる。最も電圧値が高い154kV
線路用で示す。154kV用の耐雷ホーンでは、線路最
高電圧を161kVとなり、出荷時点では常規対地電圧
Vo=161kV/√3=93kV(実効値:rms)
までの複数の電圧で漏れ電流や静電容量が計測されてい
る。従って、交流高電圧の上限値は耐雷ホーンの定格電
圧に相当する1線地絡時の健全相上昇電圧√3Voが望
ましい。また、劣化検出器21の検出精度の向上具合、
検出器全体の大きさや重量等の増加具合を考慮すると、
交流高電圧の下限値としては常規対地電圧Voの2分の
1程度を考えておくのが実用的と考えられる。耐雷ホー
ンは通常の使用状態では常規対地電圧Voの2分の1以
上を分担することはその構成上考えられないので、この
点においても交流高電圧の上限値は常規対地電圧Voの
2分の1程度が実用的であると考えられる。本実施例で
は交流高電圧ユニット43はVo/2とVo/4の交流
高電圧を出力するようになっている。
【0031】また、前記直流高電圧ユニット42の直流
高電圧の波高値は交流高電圧の波高値と合わせた値で考
えておけばよい。なお、電流容量は酸化亜鉛素子の電圧
−電流特性をもとに決定すればよいが、1mA(波高
値)以上あれば必要充分である。
【0032】電圧電流計測ユニット44は供給されてい
る直流高電圧の値を制御ユニット47の制御信号に基づ
いて計測するとともに、その計測値を演算ユニット48
に出力する。また、電圧電流計測ユニット44は供給さ
れている直流高電圧を切替ユニット46に出力して耐雷
ホーンに流れる直流電流を計測するとともに、その計測
値を演算ユニット48に出力する。
【0033】電圧電流計測ユニット45は供給されてい
る交流高電圧の値を制御ユニット47の制御信号に基づ
いて計測するとともに、その計測値を演算ユニット48
に出力する。また、電圧電流計測ユニット45は供給さ
れている交流高電圧を切替ユニット46に出力して耐雷
ホーンに流れる交流電流を計測するとともに、その計測
値を演算ユニット48に出力する。
【0034】切替ユニット46は制御ユニット47の制
御信号に基づいて電圧電流計測ユニット44,45を交
互に選択し、直流高電圧又は交流高電圧をプラグインソ
ケット33及び電圧供給ケーブル34を介して前記課電
側のアーキングリング17に供給する。
【0035】演算ユニット48の入力側には前記入力キ
ー28及びカードリーダ30が接続され、演算ユニット
48にはこれらから耐雷ホーン11の劣化状態を判定す
るための判定値が入力される。演算ユニット48の出力
側には前記ディスプレイ29を含む表示ユニット49が
接続されるとともに、前記カードライタ31を含む記録
ユニット50が接続されている。
【0036】演算ユニット48は電圧電流計測ユニット
44からの直流電圧値及び直流電流値と、電圧電流計測
ユニット45からの交流電圧値及び交流電流値とに基づ
いて演算を実行し、耐雷ホーンの絶縁抵抗、静電容量及
び漏れ電流を算出する。直流電圧をVD 、直流電流をI
D 、交流電圧をVA 、交流電流をIA とする。この場
合、交流電流IA が耐雷ホーンの全漏れ電流I0 として
算出され、直流電流IDが耐雷ホーンの抵抗分による漏
れ電流IR として算出される。直流電圧VD を直流電流
D で割った値が直流絶縁抵抗RD として算出され、交
流電圧VA を交流電流IA で割った値が交流絶縁抵抗R
A として算出される。また、静電容量CAは交流電圧、
交流電流、及びその周波数とに基づき、CA =IA
(2πf・V A )で算出される。
【0037】そして、演算ユニット48は上記のように
算出した絶縁抵抗、静電容量及び漏れ電流と、前記判定
値における絶縁抵抗、静電容量及び漏れ電流とをそれぞ
れ比較することにより耐雷ホーンの劣化状態を判定す
る。演算ユニット48は算出した絶縁抵抗、静電容量及
び漏れ電流と、判定結果とを表示ユニット49及び記録
ユニット50に出力する。
【0038】表示ユニット49は絶縁抵抗、静電容量及
び漏れ電流と、判定結果とを制御ユニット47の制御信
号に基づいて前記ディスプレイ29に表示させる。記録
ユニット50はカードライタ31にICカードが挿入さ
れると、絶縁抵抗,静電容量及び漏れ電流の計測値、判
定結果、線路名、鉄塔番号、計測日、相名及び回線名等
を制御ユニット47の制御信号に基づいてICカードに
書き込む。
【0039】次に、上記のように構成された劣化検出器
21の使用方法を、既設送電線に取り付ける例で示す。
まず、送電線8を停電状態にして新品の耐雷ホーン11
を鉄塔に取り付ける。耐雷ホーン11の取付工事終了
後、鉄塔上において、劣化検出器21のプラグインソケ
ット33に電源供給ケーブル34を接続するとともに、
接地端子35及び接地ケーブルを介して本体ケース22
を鉄塔に接続する。
【0040】この後、図3に示すように、絶縁ロッド5
1の先端部にキャリヤ38aを係止してケーブルヘッド
38を移動操作し、係止金具39を耐雷ホーン11のア
ーキングリング17に係止する。
【0041】この状態で、電源スイッチ25の操作によ
り劣化検出器21に電源を投入し、スタートボタン26
を操作する。すると、直流高電圧ユニット42から電圧
値が異なる複数の直流高電圧が出力され、これらの直流
高電圧は電圧電流計測ユニット44、切替ユニット46
及び電源供給ケーブル34を介してアーキングリング1
7に印加される。各直流高電圧の値及び各電圧に対応す
る直流電流が電圧電流計測ユニット44にて計測され、
その計測値が演算ユニット48に出力される。
【0042】この後、交流高電圧ユニット43から電圧
値が異なる複数の交流高電圧が出力され、これらの交流
高電圧は電圧電流計測ユニット45、切替ユニット46
及び電源供給ケーブル34を介してアーキングリング1
7に印加される。各交流高電圧の値及び各電圧に対応す
る交流電流が電圧電流計測ユニット45にて計測され、
その計測値が演算ユニット48に出力される。
【0043】電圧電流計測ユニット44,45による計
測が終了すると、直流高電圧ユニット42及び交流高電
圧ユニット43への電源供給は絶たれる。そして、演算
ユニット48により各直流電圧値及び各直流電流値に基
づいて耐雷ホーン11の各直流絶縁抵抗が算出されると
ともに、各直流電流値が耐雷ホーン11の各抵抗分漏れ
電流として算出される。また、演算ユニット48により
各交流電圧値及び各交流電流値に基づいて耐雷ホーン1
1の各交流絶縁抵抗が算出されるとともに、各交流電流
値が耐雷ホーン11の各全漏れ電流として算出される。
また、演算ユニット48により各交流電圧値、各交流電
流値、及びその周波数とに基づいて耐雷ホーン11の各
静電容量が算出される。
【0044】上記のように算出された絶縁抵抗、静電容
量及び漏れ電流は表示ユニット49によりディスプレイ
29上に表示される。また、カードライタ31にICカ
ードが挿入されると、記録ユニット50により絶縁抵
抗、静電容量及び漏れ電流の計測値、線路名、鉄塔番
号、計測日、相名及び回線名等が初期値としてICカー
ドに書き込まれる。
【0045】この後、電源スイッチ25が操作される
と、電池ユニット41の電源供給が絶たれ、劣化検出作
業が完了する。次の耐雷ホーン11の点検時において、
送電線8を停電状態にし、前記と同様にして係止金具3
9を耐雷ホーン11のアーキングリング17に係止す
る。この状態で、電源スイッチ25の操作により劣化検
出器21に電源を投入し、初期値を記録したICカード
をカードリーダ30に挿入する。すると、ICカードか
ら耐雷ホーン11の絶縁抵抗、静電容量及び漏れ電流の
初期値が読み出される。
【0046】この後、スタートボタン26を操作する
と、前記と同様にして各直流高電圧の値及び各電圧に対
応する直流電流が電圧電流計測ユニット44にて計測さ
れる。演算ユニット48により各直流電圧値及び各直流
電流値に基づく耐雷ホーン11の各直流絶縁抵抗及び各
抵抗分漏れ電流が算出される。そして、算出された各直
流絶縁抵抗及び各抵抗分漏れ電流と、ICカードから読
み出された各直流絶縁抵抗及び各抵抗分漏れ電流の初期
値とが演算ユニット48により比較され、耐雷ホーン1
1の劣化状態が判定される。
【0047】また、前記と同様にして各交流高電圧の値
及び各電圧に対応する交流電流が電圧電流計測ユニット
45にて計測される。演算ユニット48により各交流電
圧値及び各交流電流値に基づく耐雷ホーン11の各交流
絶縁抵抗、各静電容量及び各全漏れ電流が算出される。
そして、算出された各交流絶縁抵抗、各静電容量及び各
全漏れ電流と、ICカードから読み出された各交流絶縁
抵抗、各静電容量及び各全漏れ電流の初期値とが演算ユ
ニット48により比較され、耐雷ホーン11の劣化状態
が判定される。
【0048】上記のように演算ユニット48により算出
された絶縁抵抗、静電容量、漏れ電流及び判定結果は表
示ユニット49によりディスプレイ29上に表示され、
作業者は検出作業を実行しながら耐雷ホーン11の劣化
状態を視認できる。また、カードライタ31にICカー
ドが挿入されると、記録ユニット50により絶縁抵抗、
静電容量及び漏れ電流の計測値、判定結果、線路名、鉄
塔番号、計測日、相名及び回線名等が経時変化としてI
Cカードに書き込まれる。
【0049】以後の耐雷ホーン11の点検時において、
前記と同様にしてその計測時における絶縁抵抗、静電容
量及び漏れ電流の計測値、判定結果、線路名、鉄塔番
号、計測日、相名及び回線名等が経時変化としてICカ
ードに書き込まれる。
【0050】さて、本実施例の劣化検出器21では、電
圧値が異なる複数の直流高電圧及び各直流高電圧による
各直流電流に基づいて耐雷ホーン11の各直流絶縁抵抗
及び各抵抗分漏れ電流を算出している。また、電圧値が
異なる複数の交流高電圧及び各交流高電圧による各交流
電流に基づいて耐雷ホーン11の各交流絶縁抵抗、各全
漏れ電流及び各静電容量を算出している。従って、耐雷
ホーン11の劣化状態をより正確に検出することができ
る。
【0051】また、本実施例の劣化検出器21では、耐
雷ホーン11の絶縁抵抗、静電容量、漏れ電流、判定結
果をディスプレイ29上に表示させるようにしているの
で、作業者は作業を行いながら、耐雷ホーン11の劣化
状態を視認することができる。
【0052】また、本実施例の劣化検出器21では、入
力キー28又はカードリーダ30により絶縁抵抗、静電
容量及び漏れ電流の判定値を入力し、絶縁抵抗、静電容
量及び漏れ電流の計測結果と各判定値とを比較して耐雷
ホーン11の劣化状態を判定するようにした。このた
め、耐雷ホーン11の劣化状態の判定を容易に行うこと
ができる。
【0053】また、本実施例の劣化検出器21では、耐
雷ホーン11の絶縁抵抗、静電容量、漏れ電流及び判定
結果等をICカードに記録するようにした。このため、
耐雷ホーン11の劣化状態の経時変化を容易に評価でき
るとともに、データの整理及び保管を容易に行うことが
できる。
【0054】また、本実施例の劣化検出器21では、本
体ケース22内に直流及び交流高電圧ユニット42,4
3、電圧電流計測ユニット44,45を設け、1つの電
池ユニット41から直流及び交流高電圧ユニット42,
43に電源を供給している。また、切替ユニット46に
より電圧電流計測ユニット44,45を切替選択するよ
うにしている。このため、劣化検出器21の小型軽量化
を図ることができ、山岳地への運搬管理を容易に行うこ
とができる。
【0055】なお、本実施例では絶縁抵抗、静電容量及
び漏れ電流の3種の電気的特性に基づいて耐雷ホーン1
1の劣化判定を行うようにしたが、この3種の電気的特
性のうち、いずか2種の特性に基づいて耐雷ホーン11
の劣化判定を行ってもよい。
【0056】また、劣化検出器21には計測時における
気温を計測するための気温計測ユニットを設け、耐雷ホ
ーンの各種計測値と気温とに基づいてある標準状態の値
をつくり、この値を用いることにより劣化状態の判定を
行うようにしてもよい。特に、耐雷ホーン11の限流素
子部に流れる漏れ電流が数百μA以下の場合には温度に
よる電流値の変化が顕著である。このように、温度によ
る補正を行うことによって、適正な劣化状態の判定を行
うことが可能となり、誤判定を防止することができる。
【0057】また、本実施例における交流高電圧ユニッ
ト43の出力周波数fを変更することにより、複数点で
静電容量を計測するようにしてもよい。また、本実施例
では耐雷ホーンの劣化状態を示す計測値及び判定値等を
電気的に記憶するICカードを用いたが、光学的又は磁
気的に記憶する記録媒体を用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
電圧値が異なる複数の電圧による絶縁抵抗を計測するこ
とにより、耐雷ホーンの劣化状態をより正確に検出する
ことができる。
【0059】また、本発明によれば、電圧値が異なる複
数の電圧による計測結果と、絶縁抵抗、静電容量又は漏
れ電流等の電気的特性のうち複数の特性を計測すること
により、耐雷ホーンの劣化状態をより正確に検出するこ
とができる。
【0060】また、耐雷ホーンの劣化状態の検出作業を
容易に行うことができるとともに、予め絶縁抵抗、静電
容量又は漏れ電流等の判定値を入力しておくことによ
り、耐雷ホーンの劣化状態の判定を容易に行うことがで
きる。
【0061】さらに、絶縁抵抗、静電容量又は漏れ電流
等の電気的特性の計測結果の記録を容易に行うことがで
きるとともに、耐雷ホーンの経時変化の評価、データの
整理及び保管を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例を示す劣化検出器
の斜視図である。
【図2】劣化検出器の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図3】一例の耐雷ホーン装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1…鉄塔、8…送電線、11…耐雷ホーン、28…入力
手段としての入力キー、29…表示手段としてのディス
プレイ、30…入力手段としてのカードリーダ、31…
記録手段としてのカードライタ、34…電源供給ケーブ
ル、42…直流高電圧ユニット、43…交流高電圧ユニ
ット、44…第1の電流計測ユニットとしての電圧電流
計測ユニット、45…第2の電流計測ユニットとしての
電圧電流計測ユニット、48…算出手段及び判定手段と
しての演算ユニット。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧−電流特性が非直線性の限流素子に
    より送電線(8)に侵入した雷サージ電流を鉄塔(1)
    を介して大地に放電するとともに続流を遮断する耐雷ホ
    ーン(11)の劣化状態を検出する劣化検出器であっ
    て、 電圧値が異なる複数の直流高電圧を出力可能な直流高電
    圧ユニット(42)と、 電圧値が異なる複数の交流高電圧を出力可能な交流高電
    圧ユニット(43)と、 直流高電圧ユニット(42)及び交流高電圧ユニット
    (43)から出力される高電圧を耐雷ホーン(11)の
    課電側に供給するための電源供給ケーブル(34)と、 耐雷ホーン(11)に供給された直流高電圧と流れる直
    流電流とをそれぞれ計測するための第1の電流計測ユニ
    ット(44)と、 耐雷ホーン(11)に供給された交流高電圧と流れる交
    流電流とをそれぞれ計測するための第2の電流計測ユニ
    ット(45)と、 異なる2つ以上の直流高電圧と直流電流、さらに交流高
    電圧と交流電流とから絶縁抵抗をそれぞれ求める算出手
    段(48)とを備えることを特徴とする耐雷ホーンの劣
    化検出器。
  2. 【請求項2】 算出手段(48)は直流電流と交流電流
    とからそれぞれ漏れ電流を算出するとともに、交流電圧
    と交流電流とから静電容量を算出するものであることを
    特徴とする請求項1に記載の耐雷ホーンの劣化検出器。
  3. 【請求項3】 算出手段(48)による算出結果を表示
    するための表示手段(29)と、 算出結果を記録するための記録手段(31)とを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の耐雷ホーンの劣化検
    出器。
  4. 【請求項4】 絶縁抵抗、静電容量又は漏れ電流の判定
    値を予め入力するための入力手段(28,30)と、 前記算出手段(48)による算出結果と入力手段(2
    8,30)により入力された判定値とを比較する判定手
    段(48)とを備えることを特徴とする請求項1に記載
    の耐雷ホーンの劣化検出器。
  5. 【請求項5】 算出手段(48)による算出結果及び判
    定手段(48)による判定結果を表示するための表示手
    段(29)と、 算出結果及び判定手段(48)による判定結果を記録す
    るための記録手段(31)とを備えることを特徴とする
    請求項1に記載の耐雷ホーンの劣化検出器。
  6. 【請求項6】 記録手段(31)の記録項目が絶縁抵
    抗、静電容量又は漏れ電流の判定結果に加え、耐雷ホー
    ン(11)を設置した線路名、鉄塔番号、計測日、相
    名、回線名であることを特徴とする請求項3又は請求項
    5に記載の耐雷ホーンの劣化検出器。
JP2697793A 1993-02-16 1993-02-16 耐雷ホーンの劣化検出器 Pending JPH06242170A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011058957A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Ngk Insulators Ltd 避雷器の劣化検出方法及び装置

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JP2011058957A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Ngk Insulators Ltd 避雷器の劣化検出方法及び装置

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