JPH0624151U - 折畳み式移動ルーム及びその照明ボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 対向する側のパネルが折畳み可能に構成さ
れ、キャスターにて移動出来る折畳み式移動ルームであ
って、上記パネルの折畳み操作がスムーズに行われ、し
かも移動に際して照明器具やその電気配線を取外すこと
のない折畳み式移動ルームの提供。 【構成】 折畳まれるパネル２ａ，２ｂの継手上方に照
明ボックス３を配置し、パネル上端又は継手部上端に突
出してスライダー８を取着し、このスライダー８を照明
ボックス３内に設けたガイドレール６に遊嵌し、更に照
明ボックス３内には照明器具を取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は折畳み式移動ルームに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

建物内に特別に閉じた空間を設け、会議室として利用したり、食堂や更衣室、 又は部品や付属品の調達室として利用するための各種ルーム（小屋）が用いられ ている。勿論、その他にも工場内の休憩室、コンピューター管理室等、その用途 はあらゆる分野に存在する訳であるが、これら従来の各種ルームは組立て型式の ルームである。

【０００３】 すなわち、複数枚の平坦パネルを巾木とポール及び天桟によって枠組みされた 空間に止着・配置し、また該パネルに代えて出入口用ドアを設けたり、ガラス窓 を形成したりしているが、組立て式といっても現場の作業者、又はオフィスの事 務員が自らの手で組立てることは出来ず、専門の技術者の手に委ねられている。

【０００４】 ところでこの種のルームは半永久的に同一場所に設置されるものではなく、往 々にして該設置場所を変更しなければならないケースが多い。例えば生産工場等 においては、部品の組立てから製品の搬出まで、数百メートルにも及ぶ生産ライ ンが作られ、該ラインに沿って所定の製品が製造されているが、該生産ラインの 横には部品の調達用としての各種ルーム、並びに作業員の休憩室のためのルーム 、コンピューター管理室用ルーム等が設置される。

【０００５】 しかしこのような生産ラインは製造される製品によって変更されるのが常であ るため、該生産ラインが変更されるならば、必然的に設置されたルームも撤去さ れて新たな場所への移動が強いられる。そしてこの移動のたびごとに専門技術者 の手を借りなければならず、いたって面倒な作業となってしまう。また該ルーム の移動に際しては単にパネルやポールの取外し作業のみならず、照明器具や電気 配線の取外しも行わねばならない。

【０００６】 そこで素人であっても上記ルームの移動を可能なものとするため、折畳み式移 動ルームが知られている。例えば実開昭６１−１００７０１号に係る「折畳み式 簡易建物」や、実開平３−５４５０３号の「折畳み式移動ルーム」がある。これ らのルームは隣接するパネルを蝶番により連結したもので、パネルは互いに屈曲 して折畳まれ、折畳んだ状態で所定の場所へ移動し、そこで再び伸展してルーム を構成する。

【０００７】 上記パネルの折畳み方法により色々な型式の移動ルームが構成され得るが、図 ６に示す移動ルームもその一つである。該移動ルームは一方側の相対向する側面 パネル(イ) 、(ロ) が屈曲して折畳まれ、別の対向パネル(ハ) 、(ニ) は互いにその 距離を縮めて収納される。そしてパネル(ハ) 、(ニ) 間にはその上端に２本の補強 材(ホ) 、(ホ) が設けられ、上記パネル(イ) 、(ロ) が折畳まれるとともに、その先 端はパネル(ハ) 、(ニ) の上端レールに沿って移動するように構成している。パネ ル(ハ) 、(ニ) の下端にはキャスター(ヘ) 、(ヘ) …が取着されていて、そのため折 畳んだルームを起立したままで移動することが出来る訳であるが、ルームとして 使用する場合には、図７に示すごとく天井材(ト) 、(ト) …を取着し、該天井材(ト ) 、(ト) …には照明器具(チ) 、(チ) …を設けている。

【０００８】 したがって、移動する際には上記天井材(ト) 、(ト) …及び照明器具(チ) 、(チ) …及びその電気配線が取外される。移動ルームをこのように折畳み型式とするな らば素人であっても、その移動を行い得るが、付属器具となる照明並びにその電 気配線の取着及び取外し作業を行うことは容易でないとともに、この種の作業は 有資格者でなければ施工出来ないことになっている。

【０００９】

【本考案が解決しようとする課題】

このように、従来の折畳み式移動ルームには上記のごとき問題がある。本考案 の対象とする移動ルームは、前記図６のように対向する一方側のパネルを折畳み 可能な構造としたルームであり、上記パネルの折畳み操作が容易に行い得るとと もに、照明器具等の付属器具の取外しを不要とする折畳み式移動ルームを提供す る。またパネルを折畳む際のガイドとして機能するとともに、照明器具を取付け した照明ボックスを提供する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案の折畳み式移動ルームはガイドレールを備え、このガイドレールを照明 ボックスに設ける。そしてガイドレールは内側へ折畳まれるパネルの継手部付近 に配置され、パネル上端に突出して取着したスライダーが、上記ガイドレールに 遊嵌して移動可能な状態にある。また照明ボックスにはこのガイドレールの他に 照明器具が取付けられており、パネルを折畳む際に照明器具を取外すことなく、 スライダーが移動するのに何ら障害にならない位置に取着されている。以下、本 考案に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案の折畳み式移動ルームを表わす実施例で、側面パネルが僅かに折 畳まれた状態を示し、また図２はパネルを進展して組立てた状態を示している。 この移動ルームはパネル１ａ、１ｂを対向され、またこれらパネル１ａ、１ｂの 側端には他のパネル２ａ、２ｂが屈曲可能に連結し、同じくパネル２ａ、２ｂも 屈曲可能に繋がっている。パネル１ａ、１ｂとパネル２ａ、２ｂ間の継手構造並 びにパネル２ａ、２ｂの継手構造を限定しないが、パネル２ａ、２ｂが屈曲して 折畳まれるならば、上記パネル１ａ、１ｂは平行を保ったままで接近し、パネル １ａ、１ｂ、２ａ、２ｂは互いに重なり合う。そして隣接する折畳みパネル２ａ 、２ｂの連結繋ぎ部の上方には照明ボックス３が配置され、対向する折畳みパネ ル２ａ、２ｂにまたがって配置されている。

【００１２】 またパネル１ａ、１ｂの下端にはキャスター４、４…が取着されていて、折畳 まれたルームをそのままの状態で移動させることができる。所定の場所に移動し たルームは折畳まれたパネル２ａ、２ｂを伸展して、図２のように上端には天井 材５、５…を載せて配置する。また床には床材（図示なし）を敷設するのが一般 的であるが、図２のように床材を使用しないで用いることも場合によっては必要 となる。

【００１３】 図３は上記照明ボックス３の断面を表わしたものであるが、該照明ボックス３ には２本のガイドレール６、６が長手方向に平行を成して取着されている。そし てコーナーには照明灯７、７が取付けられている。上記ガイドレール６にはスラ イダー８が移動可能な状態で遊嵌されていて、スライダー８は片側のパネル２ａ と対向する反対側パネル２ｂの継手部付近の上端から突出して取着している。

【００１４】 図４は上記スライダー８、８の位置を示した概略図であり、パネル２ａ、２ｂ を折畳むとともに、スライダー８、８はガイドレール６、６に沿って移動し、完 全に折畳まれるならば上記パネル２ａ、２ｂは重なり合い、しかも該パネル２ａ 、２ｂにパネル１ａ、１ｂが重合する。スライダー８は本体９と４個の垂直ロー ラ１０、１０…及び２個の水平ローラ１１、１１からなり、垂直ローラ１０、１ ０…は本体９の両側に軸支され、また水平ローラ１１は本体９の上面に軸支され ている。ガイドレール６は上記垂直ローラ１０、１０…をガイドするための上レ ール片１２と下レール片１３を両側から水平に内側へ伸ばし、水平ローラ１１は 対向する上レール片１２、１２の間に遊嵌して、これら各ローラによりスライダ ーは上・下、左・右に横ズレすることなく移動することができる。

【００１５】 図５はスライダー８の正面図を示しており、上記垂直ローラ１０、１０…及び 水平ローラ１１、１１は、同図のように取着されてガイドレール６に遊嵌してい る。勿論、本考案はこのスライダー８の構造を限定はせず、ガイドレール６に沿 って移動可能なものであればよい。図３はパネル２ａ、２ｂが完全に折畳まれて 該パネル２ａ、２ｂ、１ａ、１ｂが互いに重合している状態であるが、４枚のパ ネル２ａ、２ｂ、１ａ、１ｂは照明ボックス３内に納まり、この状態でパネル１ ａ、１ｂ下端に取着したキャスター４、４…を転がして移動する。また照明ボッ クス３の両側にはその側片１４、１４の下端を屈曲して天井材５を係止するため の支持片１５、１５を形成している。

【００１６】 ところで、この実施例では折畳まれる側のパネル枚数を片側２枚とした場合で あるが、照明ボックス３、３を２個用いて片側４枚パネルで構成することも出来 る。そして、スライダー８はパネル２ａ、２ｂの上端に取着しないで、パネル２ ａ、２ｂを連結する継手部に取着してもよく、ガイドレール６を１本とすること も可能である。以上述べたように、本考案の折畳み式移動ルームは対向する側を 折畳み可能なパネルで構成し、該パネルの継手上方に照明ボックスを配置し、こ の照明ボックスにはガイドレールを取着し、パネル又は継手部上端から突出した スライダーをガイドレールに遊嵌し、そして照明ボックスには照明器具を取付け たもので、次のような効果を得ることが出来る。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の折畳み式移動ルームは、折畳まれるパネルに取着したスライダーがガ イドレールに沿って移動可能に遊嵌されているため、パネルの折畳み操作はスム ーズに行われ得る。そしてガイドレールは照明ボックス内に取着され、しかも照 明ボックスには照明器具を取付けていて、パネルの折畳みに際して該照明器具を 取外す必要がない。したがって、本考案の移動ルームは素人であっても簡単にパ ネルを折畳んで所定の場所へ移すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の折畳み式移動ルームの全体図で、パネ
ルを僅かに折畳んだ状態。

【図２】本考案の折畳み式移動ルームの断面図。

【図３】パネルを折畳んだ状態の照明ボックスの断面。

【図４】ガイドレールとパネルの関係を示す該略図。

【図５】ガイドレールに遊嵌して移動するスライダーの
具体例。

【図６】従来の折畳み式移動ルームの全体図。

【図７】従来の折畳み式移動ルームの断面図。

【符号の説明】

１ パネル ２ パネル ３ 照明ボックス ４ キャスター ５ 天井材 ６ ガイドレール ７ 照明灯 ８ スライダー ９ 本体 10 垂直ローラ 11 水平ローラ 12 上レール片 13 下レール片 14 側片 15 支持片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する側のパネルを折畳み可能に構成
   し、パネル下端に取着したキャスターにて移動出来る折
   畳み式移動ルームにおいて、上記パネルの継手上方に照
   明ボックスを配置し、パネル上端又はパネルの継手部上
   端に突出してスライダーを取着し、このスライダーを照
   明ボックス内に設けたガイドレールに遊嵌し、更に該照
   明ボックス内には照明器具を取付けたことを特徴とする
   折畳み式移動ルーム。
2. 【請求項２】 対向する側のパネルを折畳み可能に構成
   し、パネル下端に取着したキャスターにて移動出来る折
   畳み式移動ルームであって、上記パネルを折畳むために
   連結したパネル継手部をガイドするガイドレールを設
   け、該ガイドレールは上記継手上方に配置して、パネル
   上端又はパネル継手部上端から突出して取着したスライ
   ダーを遊嵌し、該ガイドレールは照明器具とともに照明
   ボックス内に設けたことを特徴とする折畳み式移動ルー
   ムの照明ボックス。