JPH06237972A - 医療容器用ゴム栓 - Google Patents
医療容器用ゴム栓Info
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- JPH06237972A JPH06237972A JP5051532A JP5153293A JPH06237972A JP H06237972 A JPH06237972 A JP H06237972A JP 5051532 A JP5051532 A JP 5051532A JP 5153293 A JP5153293 A JP 5153293A JP H06237972 A JPH06237972 A JP H06237972A
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- rubber
- rubber stopper
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 針の穿刺抵抗が小さく、針刺通後の再シ−ル
性にも問題がなく、ガスバリヤ−性がよく、強靱な機械
的物性と優れたゴム弾性を有する射出成形可能な医療容
器用ゴム栓を提供すること。 【構成】 結晶性ポリプロピレン10〜45重量%に、粒子
径 0.1〜4μm のほぼ完全に架橋したブチルゴム55〜90
重量%が分散された動的架橋熱可塑性エラストマ−から
なる医療容器用ゴム栓。
性にも問題がなく、ガスバリヤ−性がよく、強靱な機械
的物性と優れたゴム弾性を有する射出成形可能な医療容
器用ゴム栓を提供すること。 【構成】 結晶性ポリプロピレン10〜45重量%に、粒子
径 0.1〜4μm のほぼ完全に架橋したブチルゴム55〜90
重量%が分散された動的架橋熱可塑性エラストマ−から
なる医療容器用ゴム栓。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療容器、特に真空採血
管の口部を閉塞するための射出成形可能な医療容器用ゴ
ム栓に関する。
管の口部を閉塞するための射出成形可能な医療容器用ゴ
ム栓に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薬剤や薬液を収納する薬瓶、ある
いは真空採血管の口部を閉塞し内容物を外部雰囲気から
遮断したり、内部真空度を維持したりするために、スチ
レンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等
の合成ゴムからなるゴム栓が使用されてきた。しかしな
がら、かかるゴム栓は加硫促進剤や加硫活性剤等の添加
剤を添加して加硫成形されるので、滅菌時にこれらの添
加剤が滲出して薬剤や薬液側に移行したり、あるいは血
餅がゴム栓に付着したりして血液成分の検査に支障をき
たす問題点があった。
いは真空採血管の口部を閉塞し内容物を外部雰囲気から
遮断したり、内部真空度を維持したりするために、スチ
レンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等
の合成ゴムからなるゴム栓が使用されてきた。しかしな
がら、かかるゴム栓は加硫促進剤や加硫活性剤等の添加
剤を添加して加硫成形されるので、滅菌時にこれらの添
加剤が滲出して薬剤や薬液側に移行したり、あるいは血
餅がゴム栓に付着したりして血液成分の検査に支障をき
たす問題点があった。
【0003】かかる従来のゴム栓材料が有している薬
剤、薬液あるいは血液との接触において支障をきたす欠
点を改良したゴム栓として、特開平58-58057号公報にブ
チル系ゴムと熱可塑性エラストマ−との重合体混合物か
らなる医療容器用栓体が提案されている。このゴム栓は
ゴムに硫黄、加硫促進剤、加硫活性剤等の添加剤を含ま
ず、加硫成形のための長い時間を要さないで、熱可塑性
プラスチック加工機で短時間に射出成形してゴム栓を成
形できる利点を有する。また、このゴム栓はガスバリヤ
−性もよいので長期にわたって医療容器内の真空度を維
持することができ、真空採血管用のゴム栓として好適な
性質を有している。
剤、薬液あるいは血液との接触において支障をきたす欠
点を改良したゴム栓として、特開平58-58057号公報にブ
チル系ゴムと熱可塑性エラストマ−との重合体混合物か
らなる医療容器用栓体が提案されている。このゴム栓は
ゴムに硫黄、加硫促進剤、加硫活性剤等の添加剤を含ま
ず、加硫成形のための長い時間を要さないで、熱可塑性
プラスチック加工機で短時間に射出成形してゴム栓を成
形できる利点を有する。また、このゴム栓はガスバリヤ
−性もよいので長期にわたって医療容器内の真空度を維
持することができ、真空採血管用のゴム栓として好適な
性質を有している。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、かかる
ゴム栓は強靱性に欠け、ゴム栓を医療容器の口部へ打栓
するときや注射針をゴム栓に穿刺する際にゴム片や微粒
子が落下したりして医療容器内に収容されている内容物
と混合する問題があった。かかるゴム栓の欠点を改良し
たものとして、特開昭60−144346号公報にブチルゴムと
高分子量ポリエチレンとの混合物を加硫成型してなる医
薬品用ゴム栓も提案されているが、このゴム栓は加硫成
型して製造されるためにゴム栓の成形に長い時間を要す
るとともに、圧縮永久歪みが大きいために、太径の針等
で穿刺した際、穿刺後の再シ−ル性に問題があった。本
発明の目的は針の穿刺抵抗が小さく、針刺通後の再シ−
ル性にも問題がなく、ガスバリヤ−性がよく、強靱な機
械的物性と優れたゴム弾性を有する射出成形可能な医療
容器用ゴム栓を提供することである。
ゴム栓は強靱性に欠け、ゴム栓を医療容器の口部へ打栓
するときや注射針をゴム栓に穿刺する際にゴム片や微粒
子が落下したりして医療容器内に収容されている内容物
と混合する問題があった。かかるゴム栓の欠点を改良し
たものとして、特開昭60−144346号公報にブチルゴムと
高分子量ポリエチレンとの混合物を加硫成型してなる医
薬品用ゴム栓も提案されているが、このゴム栓は加硫成
型して製造されるためにゴム栓の成形に長い時間を要す
るとともに、圧縮永久歪みが大きいために、太径の針等
で穿刺した際、穿刺後の再シ−ル性に問題があった。本
発明の目的は針の穿刺抵抗が小さく、針刺通後の再シ−
ル性にも問題がなく、ガスバリヤ−性がよく、強靱な機
械的物性と優れたゴム弾性を有する射出成形可能な医療
容器用ゴム栓を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は結晶性ポリプロ
ピレン10〜45重量%に、粒子径 0.1〜4μm のほぼ完全
に架橋したブチルゴム55〜90重量%が分散された動的架
橋熱可塑性エラストマ−からなる医療容器用ゴム栓であ
る。また、本発明は前記医療容器用ゴム栓において、針
穿刺部のゴム栓の厚さが 3.0〜7.0 mmである医療容器用
ゴム栓である。
ピレン10〜45重量%に、粒子径 0.1〜4μm のほぼ完全
に架橋したブチルゴム55〜90重量%が分散された動的架
橋熱可塑性エラストマ−からなる医療容器用ゴム栓であ
る。また、本発明は前記医療容器用ゴム栓において、針
穿刺部のゴム栓の厚さが 3.0〜7.0 mmである医療容器用
ゴム栓である。
【0006】本発明で使用される結晶性ポリプロピレン
は結晶化度が90%以上のポリプロピレンであり、ポリプ
ロピレンと架橋したブチルゴムとの合計重量に対して10
〜45重量%配合されるのが好ましい。ポリプロピレンは
結晶化度が高い程、ポリプロピレンの結晶が架橋したブ
チルゴムの分子鎖と絡み合いエラストマ−の強度が高く
なって好ましい。エラストマ−中のポリプロピレンの量
が10重量%未満で架橋したブチルゴムが90重量%以上に
なると、エラストマ−中でポリプロピレンが連続相を形
成せずに分散するので残留歪が大きくなり、ゴム栓は針
刺通後の再シ−ル性が困難になる傾向がある。また、ポ
リプロピレンの量が45重量%を越え架橋したブチルゴム
が55重量%以下になると、エラストマ−は弾性がなくな
りゴム栓は針の穿刺性が悪くなる傾向がある。
は結晶化度が90%以上のポリプロピレンであり、ポリプ
ロピレンと架橋したブチルゴムとの合計重量に対して10
〜45重量%配合されるのが好ましい。ポリプロピレンは
結晶化度が高い程、ポリプロピレンの結晶が架橋したブ
チルゴムの分子鎖と絡み合いエラストマ−の強度が高く
なって好ましい。エラストマ−中のポリプロピレンの量
が10重量%未満で架橋したブチルゴムが90重量%以上に
なると、エラストマ−中でポリプロピレンが連続相を形
成せずに分散するので残留歪が大きくなり、ゴム栓は針
刺通後の再シ−ル性が困難になる傾向がある。また、ポ
リプロピレンの量が45重量%を越え架橋したブチルゴム
が55重量%以下になると、エラストマ−は弾性がなくな
りゴム栓は針の穿刺性が悪くなる傾向がある。
【0007】本発明で使用されるエラストマ−はポリプ
ロピレンの連続相中に架橋した微細径のブチルゴムが分
散した構造をしている。ブチルゴムの粒子径は 0.1〜4
μmが好ましい。粒子径が4μm を超えると、エラスト
マ−の強度が低くなり射出成形が困難になる傾向があ
る。粒子径は小さければ小さい程エラストマ−の強度が
高くなって好ましいが、現在の混練機ではせいぜい 0.1
μm 程度のブチルゴムの粒子しか形成されにくい。ブチ
ルゴム微粒子はポリプロピレン連続相中でほぼ完全に架
橋されているのがエラストマ−の強度が高くなり、永久
伸びが低くなって好ましい。すなわち、エラストマ−を
キシレン中で 155℃、30分間ソックスレ−抽出したとき
の残査量が使用したブチルゴムに対して10重量%以下、
特に5重量%以下になるのが好ましい。
ロピレンの連続相中に架橋した微細径のブチルゴムが分
散した構造をしている。ブチルゴムの粒子径は 0.1〜4
μmが好ましい。粒子径が4μm を超えると、エラスト
マ−の強度が低くなり射出成形が困難になる傾向があ
る。粒子径は小さければ小さい程エラストマ−の強度が
高くなって好ましいが、現在の混練機ではせいぜい 0.1
μm 程度のブチルゴムの粒子しか形成されにくい。ブチ
ルゴム微粒子はポリプロピレン連続相中でほぼ完全に架
橋されているのがエラストマ−の強度が高くなり、永久
伸びが低くなって好ましい。すなわち、エラストマ−を
キシレン中で 155℃、30分間ソックスレ−抽出したとき
の残査量が使用したブチルゴムに対して10重量%以下、
特に5重量%以下になるのが好ましい。
【0008】本発明で使用する動的架橋熱可塑性エラス
トマ−を製造するには、ポリプロピレン、ブチルゴム、
および亜鉛華、ステアリン酸、酸化マグネシウム等の加
硫活性剤をポリプロピレンとブチルゴムの合計重量に対
して 0.1〜3重量%添加し、その混合物を 180〜220 ℃
の温度に加熱してポリプロピレンを溶融させる。次いで
溶融混合物をプラベンダ−ミキサ−、バンバリ−ミキサ
−または2軸混練押出機で 60rpm以上、好ましくは100r
pm以上の高剪断速度で攪拌させることによって、ポリプ
ロピレン溶融物中にブチルゴムの微粒子が分散した状態
になる。かかる状態の溶融混合物中に硫黄、キノイド加
硫剤、シラン系加硫剤、アミン系加硫剤等の加硫剤を
0.1〜3重量%およびジチオカルバミン酸系、キサント
ゲン酸系、チウラム系、スルフエンアミド系、グアニジ
ン系等の加硫促進剤を 0.1〜3重量%を同時に添加する
か、あるいは加硫剤添加後数分してから加硫促進剤を添
加することによって、分散状態のブチルゴム微粒子が架
橋される。架橋時間は架橋時の温度によって異なるが、
通常1〜10分間である。架橋がほぼ完全に終了した溶融
混合物、あるいは架橋が終了寸前の溶融混合物を2軸混
練押出機を使用してシ−ト状に水中に押し出して急冷
し、次いでペレット状に成形することによってエラスト
マ−として製品化される。本発明のエラストマ−は架橋
前またはペレット成形後ゴム栓に成形する前に、血液、
薬液あるいは薬剤に無害の顔料、染料、安定剤、可塑
剤、酸化防止剤、加工助剤、エクステンダ−油、補強
剤、充填剤等の添加剤を少量添加してエラストマ−を目
的に合う性質に変性してもよい。
トマ−を製造するには、ポリプロピレン、ブチルゴム、
および亜鉛華、ステアリン酸、酸化マグネシウム等の加
硫活性剤をポリプロピレンとブチルゴムの合計重量に対
して 0.1〜3重量%添加し、その混合物を 180〜220 ℃
の温度に加熱してポリプロピレンを溶融させる。次いで
溶融混合物をプラベンダ−ミキサ−、バンバリ−ミキサ
−または2軸混練押出機で 60rpm以上、好ましくは100r
pm以上の高剪断速度で攪拌させることによって、ポリプ
ロピレン溶融物中にブチルゴムの微粒子が分散した状態
になる。かかる状態の溶融混合物中に硫黄、キノイド加
硫剤、シラン系加硫剤、アミン系加硫剤等の加硫剤を
0.1〜3重量%およびジチオカルバミン酸系、キサント
ゲン酸系、チウラム系、スルフエンアミド系、グアニジ
ン系等の加硫促進剤を 0.1〜3重量%を同時に添加する
か、あるいは加硫剤添加後数分してから加硫促進剤を添
加することによって、分散状態のブチルゴム微粒子が架
橋される。架橋時間は架橋時の温度によって異なるが、
通常1〜10分間である。架橋がほぼ完全に終了した溶融
混合物、あるいは架橋が終了寸前の溶融混合物を2軸混
練押出機を使用してシ−ト状に水中に押し出して急冷
し、次いでペレット状に成形することによってエラスト
マ−として製品化される。本発明のエラストマ−は架橋
前またはペレット成形後ゴム栓に成形する前に、血液、
薬液あるいは薬剤に無害の顔料、染料、安定剤、可塑
剤、酸化防止剤、加工助剤、エクステンダ−油、補強
剤、充填剤等の添加剤を少量添加してエラストマ−を目
的に合う性質に変性してもよい。
【0009】本発明の動的架橋熱可塑性エラストマ−の
ペレットは 190〜230 ℃に加熱溶融されて、例えば図1
のゴム栓の形状に射出成形される。図1は真空採血管用
のゴム栓の一例を示すゴム栓の断面図である。図中1は
胴体、2はフランジ部、3は脚部、4は天面部、5は底
部、6は真空採血管を示す。真空採血管6の開口部から
嵌入されたゴム栓は胴体1および脚部3の側壁が真空採
血管6の内壁を圧迫しながらフランジ部2が真空採血管
6の開口部に到達するまで押し込まれ、真空採血管6を
密封し、真空採血管6内部を真空にして真空度を保持す
る。胴部1の外径は真空採血管6の内径よりやや大き
く、ゴム栓は圧縮されて真空採血管6に嵌入される。
針、例えば両頭針の一方の針は天面部4から胴体1を貫
挿して底部5から真空採血管6の内部に貫通され、採血
者の静脈に穿刺して他方の針から供給された血液は減圧
になっている真空採血管6の内部に収容される。天面部
4から底部5までの針穿刺部のゴム栓の厚さDは 3.0〜
7.0 mmが好ましい。ゴム栓の厚さDが 3.0mm未満である
と、真空採血管内部の真空度の保持が困難になる傾向が
ある。またゴム栓の厚さDが 7.0mmを超えると、針のゴ
ム栓への穿刺抵抗が大きくなり容易に穿刺しにくくなる
傾向がある。なお、図1のゴム栓の外壁または底部5お
よび脚部3の真空採血管6側の表面をポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、エチレン/酢酸ビニル共重合体等
のガス遮断性の優れた樹脂からなるフイルムまたはシ−
トでラミネ−トしたり、これらの樹脂をコ−チングする
ことによってゴム栓による真空採血管内部の真空度保持
率は更に向上することができる。
ペレットは 190〜230 ℃に加熱溶融されて、例えば図1
のゴム栓の形状に射出成形される。図1は真空採血管用
のゴム栓の一例を示すゴム栓の断面図である。図中1は
胴体、2はフランジ部、3は脚部、4は天面部、5は底
部、6は真空採血管を示す。真空採血管6の開口部から
嵌入されたゴム栓は胴体1および脚部3の側壁が真空採
血管6の内壁を圧迫しながらフランジ部2が真空採血管
6の開口部に到達するまで押し込まれ、真空採血管6を
密封し、真空採血管6内部を真空にして真空度を保持す
る。胴部1の外径は真空採血管6の内径よりやや大き
く、ゴム栓は圧縮されて真空採血管6に嵌入される。
針、例えば両頭針の一方の針は天面部4から胴体1を貫
挿して底部5から真空採血管6の内部に貫通され、採血
者の静脈に穿刺して他方の針から供給された血液は減圧
になっている真空採血管6の内部に収容される。天面部
4から底部5までの針穿刺部のゴム栓の厚さDは 3.0〜
7.0 mmが好ましい。ゴム栓の厚さDが 3.0mm未満である
と、真空採血管内部の真空度の保持が困難になる傾向が
ある。またゴム栓の厚さDが 7.0mmを超えると、針のゴ
ム栓への穿刺抵抗が大きくなり容易に穿刺しにくくなる
傾向がある。なお、図1のゴム栓の外壁または底部5お
よび脚部3の真空採血管6側の表面をポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、エチレン/酢酸ビニル共重合体等
のガス遮断性の優れた樹脂からなるフイルムまたはシ−
トでラミネ−トしたり、これらの樹脂をコ−チングする
ことによってゴム栓による真空採血管内部の真空度保持
率は更に向上することができる。
【0010】
【作用】本発明のゴム栓材料であるエラストマ−は、ポ
リプロピレンの連続相の中に架橋したブチルゴム微細粒
子が分散し、かつポリプロピレンの結晶が架橋したブチ
ルゴムの分子鎖と絡み合い、ブチルゴム分散相の架橋密
度も高い分子構造をしており、強靱な機械的物性と優れ
たゴム弾性を有する。そしてエラストマ−はペレット形
状で保管でき射出成形によってゴム栓に成形できる。か
かるエラストマ−から成形されたゴム栓は注射針の穿刺
抵抗が小さく、針刺通後の再シ−ル性も問題がない。し
かもこのエラストマ−はガスバリヤ−性がよいのでゴム
栓を薬瓶や真空採血管の口部の閉塞に使用した際、内容
物を外部雰囲気から遮断したり、内部真空度を長期間保
持することができる。
リプロピレンの連続相の中に架橋したブチルゴム微細粒
子が分散し、かつポリプロピレンの結晶が架橋したブチ
ルゴムの分子鎖と絡み合い、ブチルゴム分散相の架橋密
度も高い分子構造をしており、強靱な機械的物性と優れ
たゴム弾性を有する。そしてエラストマ−はペレット形
状で保管でき射出成形によってゴム栓に成形できる。か
かるエラストマ−から成形されたゴム栓は注射針の穿刺
抵抗が小さく、針刺通後の再シ−ル性も問題がない。し
かもこのエラストマ−はガスバリヤ−性がよいのでゴム
栓を薬瓶や真空採血管の口部の閉塞に使用した際、内容
物を外部雰囲気から遮断したり、内部真空度を長期間保
持することができる。
【0011】
【実施例】以下実施例にて本発明の一例を説明する。
【実施例1】オレフイン系熱可塑性エラストマ−、SARL
INK 2160(DSM社製、ポリプロピレン20重量%とブチルゴ
ム80重量%とからなる動的架橋熱可塑性エラトマ−)の
ペレットを 220℃の温度で図1に示すゴム栓の形状に射
出成形した。図1のゴム栓の針穿刺部の厚さDを種々変
えた場合のゴム栓の穿刺抵抗と、これらのゴム栓を真空
採血管の開口部に嵌入して真空採血管を閉塞し内部を減
圧にした後2年間真空採血管を真空に保持したときの真
空採血管内部の真空度保持率を図2に示す。ゴム栓の穿
刺抵抗は島津オ−トグラフS-500D機を使用し、引張速度
100mm/分で測定したときの最高到達点(単位 Kg)であ
る。2年後の真空度保持率は容積7mlのガラス製採血管
をゴム栓で閉塞し、初期採血量5mlになるように採血管
内部を減圧する。2年間室温に放置後採血して採血量を
測定し、初期採血量に対する割合で真空度保持率(単位
%)を算出した。図2から明らかなように、ゴム栓の
針穿刺部の厚さDが 3.0〜7.0mm の場合にはゴム栓の穿
刺抵抗が小さく、2年後の真空度保持率も90%以上を保
持するので好ましい。これに対し、針穿刺部の厚さDが
3.0mm未満のゴム栓の場合には、2年後の真空採血管内
部の真空度保持率が90%未満にまで低下するので好まし
くなく、針穿刺部の厚さDが 7.0mmを超えるゴム栓の場
合には、針の穿刺抵抗が 0.8Kg以上になるので好ましく
ない。
INK 2160(DSM社製、ポリプロピレン20重量%とブチルゴ
ム80重量%とからなる動的架橋熱可塑性エラトマ−)の
ペレットを 220℃の温度で図1に示すゴム栓の形状に射
出成形した。図1のゴム栓の針穿刺部の厚さDを種々変
えた場合のゴム栓の穿刺抵抗と、これらのゴム栓を真空
採血管の開口部に嵌入して真空採血管を閉塞し内部を減
圧にした後2年間真空採血管を真空に保持したときの真
空採血管内部の真空度保持率を図2に示す。ゴム栓の穿
刺抵抗は島津オ−トグラフS-500D機を使用し、引張速度
100mm/分で測定したときの最高到達点(単位 Kg)であ
る。2年後の真空度保持率は容積7mlのガラス製採血管
をゴム栓で閉塞し、初期採血量5mlになるように採血管
内部を減圧する。2年間室温に放置後採血して採血量を
測定し、初期採血量に対する割合で真空度保持率(単位
%)を算出した。図2から明らかなように、ゴム栓の
針穿刺部の厚さDが 3.0〜7.0mm の場合にはゴム栓の穿
刺抵抗が小さく、2年後の真空度保持率も90%以上を保
持するので好ましい。これに対し、針穿刺部の厚さDが
3.0mm未満のゴム栓の場合には、2年後の真空採血管内
部の真空度保持率が90%未満にまで低下するので好まし
くなく、針穿刺部の厚さDが 7.0mmを超えるゴム栓の場
合には、針の穿刺抵抗が 0.8Kg以上になるので好ましく
ない。
【0012】
【実施例2】実施例1で使用したオレフイン系熱可塑性
エラストマ−を 220℃の温度で融解し、厚さ6mmのシ−
トに射出成形した。このシ−トのガス透過率および穿刺
抵抗を表1に示す。
エラストマ−を 220℃の温度で融解し、厚さ6mmのシ−
トに射出成形した。このシ−トのガス透過率および穿刺
抵抗を表1に示す。
【比較例1〜4】表1に示す種々の熱可塑性エラストマ
−を使用し、実施例2で使用した射出成形機で厚さ6mm
のシ−トに射出成形した。このシ−トのガス透過率およ
び穿刺抵抗を表1に示す。
−を使用し、実施例2で使用した射出成形機で厚さ6mm
のシ−トに射出成形した。このシ−トのガス透過率およ
び穿刺抵抗を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1のポリマ−成分において、PPはポリ
プロピレン、EPDMはエチレン・プロピレン・ジエン
タ−ポリマ−、BRはポリブタジエンを示す。表1のガ
ス透過率は東洋精機製作所製M-C3型測定装置を使用し、
JIS-K-7126のA法によって測定した。(単位 ml・mm/m
2 ・day ・atm ) また、穿刺抵抗は実施例1と同じ測定方法で測定した。
表1から明らかなように、本発明の実施例2のシ−トは
ガス透過率および穿刺抵抗において、ゴム栓の規格値で
あるガス透過率100ml・mm/m2 ・day ・atm、および
穿刺抵抗0.8 Kg/6mmを満足させているが、他の比較例
1〜4のゴム材料は何れもどちらか一方または両方が規
格値を満足させていない。
プロピレン、EPDMはエチレン・プロピレン・ジエン
タ−ポリマ−、BRはポリブタジエンを示す。表1のガ
ス透過率は東洋精機製作所製M-C3型測定装置を使用し、
JIS-K-7126のA法によって測定した。(単位 ml・mm/m
2 ・day ・atm ) また、穿刺抵抗は実施例1と同じ測定方法で測定した。
表1から明らかなように、本発明の実施例2のシ−トは
ガス透過率および穿刺抵抗において、ゴム栓の規格値で
あるガス透過率100ml・mm/m2 ・day ・atm、および
穿刺抵抗0.8 Kg/6mmを満足させているが、他の比較例
1〜4のゴム材料は何れもどちらか一方または両方が規
格値を満足させていない。
【0015】
【発明の効果】本発明の医療容器用ゴム栓は強靱な機械
的物性を有しているので、ゴム栓を医療容器の口部へ打
栓するときや注射針をゴム栓に穿刺する際にゴム片や微
粒子が落下したりして医療容器の内容物と混合したりす
ることはない。また、本発明の医療容器用ゴム栓は優れ
たゴム弾性を有し、圧縮歪みも小さいので注射針の穿刺
抵抗が小さく、針刺通後の再シ−ル性もよく容器内に注
入した薬液や血液が洩れる問題はない。更に、本発明の
医療容器用ゴム栓材料はペレット形状で保管でき射出成
形によってゴム栓に成形できるので、従来の加硫成形に
よるゴム栓の製造よりも短時間でゴム栓を製造すること
ができる。更にまた、本発明の医療容器用ゴム栓材料は
ガスバリヤ−性がよいので、ゴム栓を薬瓶や真空採血管
の口部の閉塞に使用した際、内容物を外部雰囲気から遮
断したり、内部真空度を長期間保持することができる。
的物性を有しているので、ゴム栓を医療容器の口部へ打
栓するときや注射針をゴム栓に穿刺する際にゴム片や微
粒子が落下したりして医療容器の内容物と混合したりす
ることはない。また、本発明の医療容器用ゴム栓は優れ
たゴム弾性を有し、圧縮歪みも小さいので注射針の穿刺
抵抗が小さく、針刺通後の再シ−ル性もよく容器内に注
入した薬液や血液が洩れる問題はない。更に、本発明の
医療容器用ゴム栓材料はペレット形状で保管でき射出成
形によってゴム栓に成形できるので、従来の加硫成形に
よるゴム栓の製造よりも短時間でゴム栓を製造すること
ができる。更にまた、本発明の医療容器用ゴム栓材料は
ガスバリヤ−性がよいので、ゴム栓を薬瓶や真空採血管
の口部の閉塞に使用した際、内容物を外部雰囲気から遮
断したり、内部真空度を長期間保持することができる。
【図1】本発明の真空採血管用ゴム栓の一例を示すゴム
栓の断面図。
栓の断面図。
【図2】図1のゴム栓の針穿刺部の厚さDを種々変えた
場合のゴム栓の穿刺抵抗と、これらのゴム栓を真空採血
管の開口部に嵌入して真空採血管を閉塞し内部を減圧に
した後2年間真空採血管を真空に保持したときの真空採
血管内部の真空度保持率を示すグラフ。
場合のゴム栓の穿刺抵抗と、これらのゴム栓を真空採血
管の開口部に嵌入して真空採血管を閉塞し内部を減圧に
した後2年間真空採血管を真空に保持したときの真空採
血管内部の真空度保持率を示すグラフ。
1 胴体 2 フランジ部 3 脚部 4 天面部 5 底部 6 真空採血管
Claims (2)
- 【請求項1】 結晶性ポリプロピレン10〜45重量%に、
粒子径 0.1〜4μmのほぼ完全に架橋したブチルゴム55
〜90重量%が分散された動的架橋熱可塑性エラストマ−
からなる医療容器用ゴム栓。 - 【請求項2】 針穿刺部のゴム栓の厚さが 3.0〜7.0 mm
である請求項1記載の医療容器用ゴム栓。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5051532A JP3035900B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 医療容器用ゴム栓 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5051532A JP3035900B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 医療容器用ゴム栓 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06237972A true JPH06237972A (ja) | 1994-08-30 |
JP3035900B2 JP3035900B2 (ja) | 2000-04-24 |
Family
ID=12889639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5051532A Expired - Fee Related JP3035900B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 医療容器用ゴム栓 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3035900B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009154416A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Mimaki Engineering Co Ltd | インクパック |
-
1993
- 1993-02-17 JP JP5051532A patent/JP3035900B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009154416A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Mimaki Engineering Co Ltd | インクパック |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3035900B2 (ja) | 2000-04-24 |
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R250 | Receipt of annual fees |
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