JPH0623670Y2 - ステー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、例えばキャビネット等にあって、蓋板をこれ
に開閉自在なるよう取り付けるのに用いて好適なステー
に関する。

《従来の技術》 従来のこの種のものは第６図に例示した如く、２本のア
ームａ，ａ′の各一端部を枢軸ｂにて屈曲自在なるよう
枢着した構成としてあり、これを用いてキャビネットｃ
等に蓋板ｄを開閉自在にして、かつ開放状態が保持され
るよう取り付けるには、両アームａ，ａ′の各他端に夫
々枢着してある取付金具ｅ，ｆを、当該キャビネットｃ
等にあって、その側板ｃ′の内面と、蓋板ｄの内面ｄ′
とに夫々ビスｇ‥‥‥、ｈ‥‥‥等によって取着するこ
ととなる。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、上記従来のステーにおいては、アーム
ａ，ａ′と取付金具ｅ，ｆとが連設されて一体となって
いる為、該取付金具ｅ，ｆを、上記の如く側板ｃや蓋板
ｄにビス止めしようとする際、アームａ，ａ′が邪魔に
なって取付作業がし難く、面倒であり、かつ時間がかか
るだけでなく、設定位置に正確に取り付けるのが困難と
なり、取付位置が悪いためステーとしての機能を充分に
発揮できなくなるといった問題点を有している。

本考案は、従来のステーの有するこのような問題点に鑑
みてなされたもので、一端が枢着されている第１、第２
アームには、その他端部に何れも取付金具を固設してし
まうことなく、別体の第１、第２取付金具を用意してお
くようにし、上記第２アームの第２取付金具が、第２ア
ームの端部に枢着されている連結金具と、これを略９０
°の回転操作で着脱自在なるよう構成され、かつ蓋板等
にビス止め等により固定する固定金具とにより構成され
るようにして、単体である上記固定金具だけを蓋板等に
固定してしまい、当該固定金具に連結金具を連結させた
後、第１アームの第１取付金具をキャビネット側板等に
固定できるようになし、このことにより、上記第１、第
２取付金具の取り付け時にあって、第１、第２アームが
全く邪魔にならないようにするのが第１の目的である。

さらに、本考案では上記のように略９０°だけの回動操
作によって、第１アームに固設されたオイルダンパー
が、丁度キャビネットの側板等に平行状態にて近接して
くるようにし、この際、当該側板等に取着した第１取付
金具の角軸に、オイルダンパーの角孔を嵌合し、さらに
抜止ネジを上記の角軸に螺着するだけの簡易な操作だけ
で、短時間内に、所定位置に、高い精度で取り付け得る
ようにすると共に、オイルダンパーとしての作用を発揮
させようとするのが、第２の目的である。

《課題を解決するための手段》 本考案は上記の目的を達成するため、第１、第２アーム
相互を夫々の一端部にあって屈曲自在に枢着し、その各
他端部を夫々の第１、第２取付金具によってキャビネッ
ト等の側板内面と蓋板の内面などに枢着することで、蓋
板をキャビネット等に開閉自在に支持可能とし、上記第
２アームの第２取付金具を、同第２アーム端部に枢着さ
れる連結金具と、前記蓋板等にビス止め等によって固定
される固定金具とにより構成すると共に、当該連結金具
を略９０°回動することで、上記固定金具に脱自在にな
るよう連結し、さらに、前記した第１アームの他端部に
は、オイルダンパーの本体が固設され、この本体の中心
を回転自在なるよう設けられた可動軸には角孔を形成
し、この角孔に、上記第１アームの第１取付金具に設け
られた角軸を嵌合自在とし、かつ、この角軸の端面に穿
設したネジ孔に抜止ネジを螺着することで、当該オイル
ダンパーを、上記第１取付金具に回転可能なるよう係嵌
支持したことを特徴とするステーを提供しようとするも
のである。

《作用》 本考案に係るステーを用いてキャビネット等に蓋板を取
り付けるには、第２アームの一方端に設けた第２取付金
具における固定金具だけを、キャビネットの側板、又は
蓋板内面の予め設定した位置にビス等により所定向きに
固定した後、第２アームに枢着されている連結金具を、
上記固定金具に略９０°回動することで連結し、固定金
具と連結金具を軸方向へ離脱することのないようにす
る。

このようにして、当該ステーの一端を例えば蓋板内面に
固定すれば、第１アームに設けられたオイルダンパーの
本体は、キャビネット等の側板と平行状態となって近接
することになるから、この際第１アームの第１取付金具
をキャビネット等の側板内面にビス等により固定してお
けば、オイルダンパーの可動軸に開口する角孔を、上記
第１取付金具の角軸に係嵌して、抜止ネジを上記の角軸
に設けたネジ孔に螺着すれば、キャビネット等に対して
蓋板を、閉成に際しオイルダンパーによる制動力をきか
せた状態にて、開閉自在なるよう取り付けることができ
る。

《実施例》 以下本考案の実施例について図面を参照して説明する。

第１図〜第５図に示したように、２本の第１、第２アー
ム１，２は、夫々の一端が枢軸３によって屈曲状態から
伸長まで回動自在なるよう枢着されている。

２本の第１、第２アーム１，２のうち、第１アーム１は
オイルダンパー４の本体４ａから延設され、このオイル
ダンパー４は第１取付金具５に回転自在なるよう支持で
きるようにしてある。

すなわち、第３図に明示の如くオイルダンパー４の中心
における可動軸４ｂに貫通した角孔４ｃには、第１取付
金具５の中心から突設した角軸５ａを嵌合し、当該角軸
５ａの端面に穿設したネジ孔５ｂに抜止ネジ６を螺着す
ることで、当該オイルダンパー４は第１取付金具５に回
転可能なるよう係嵌支持されることとなり、このダンパ
ーによる抵抗力で、後述するように蓋板１２が開放位置
にて保持され得る構成としてある。

一方第２アーム２の他端には、第２取付金具７が設けら
れているが、この第２取付金具７は連結金具７ａと、固
定金具７ｂとによって構成され、当該連結金具７ａが上
記アーム２の他端にピン等の枢軸８により回動可能なる
よう枢着されている。

上記連結金具７ａとして図示されている実施例では、こ
れが厚肉板状に形成され、その先端中央部には連結用突
軸９が一体に突設してある。

この連結用突軸９は、径大で、かつ短い軸部９ａと、該
軸部９ａから、その半径方向へ対称に突設した係合突起
９ｂ，９ｂとにより形成されている。

一方、これに対応する図示の固定金具７ｂは厚肉板状に
して、一軸方向へ長く形成され、その中心部には連結用
軸孔１０が設けられている。

この連結用軸孔１０は、前記連結金具７ａの連結用突軸
９を軸方向にあって挿脱自在とする為に、当該連結用突
軸９と適合する軸孔１０ａと、該軸孔１０ａから半径方
向へ対称に凹設した凹溝１０ｂ，１０ｂと、上記軸孔１
０ａと同軸上にあって、上記両係合突起９ｂ，９ｂを回
転自在に嵌合可能な直径を有して凹設した係合凹孔１０
ｃとにより形成されている。

そこで、上記係合突起９ｂ，９ｂと凹溝１０ｂ，１０ｂ
を同一向きとした状態で、上記連結用突軸９を連結用軸
孔１０に押し込めば、連結用突軸９と連結用軸孔１０は
第２図（イ）に示した如く嵌合され、この状態から連結
金具１ａを同図に矢印ｉ，ｉ′で示した如く時計回り方
向、又は反時計回り方向へ所要角度（図示例では９０
度）回転すると、第２図（ロ）に示したように係合突起
９ｂ，９ｂは周方向へ回動し、連結用軸孔１０における
係合凹孔１０ｃの底面１０ｄと係当し、連結金具７ａと
固定金具７ｂとは軸方向にて連結状態となる。

従って、逆に係合突起９ｂ，９ｂが凹溝１０，１０ｂと
一致する位置まで、連結金具７ａを回転させれば、固定
金具７ｂから分離させることができる。

もちろん、上記の連結金具７ａと固定金具７ｂとを着脱
自在に連結するための手段は、実施例として図示したも
のに限られるものでなく、例えば雄螺子と雌螺子の螺合
とか、スリット入りの弾性受片内に球状の突起を強嵌す
るなどといった構成によっても、その目的を達成するこ
とができる。

上記構成のステーを用いて図示例の如くキャビネット１
１に蓋板１２を開閉自在なるよう取り付けるには、予め
蓋板１２の内面に固定金具７ｂを所定の向きにてビス１
３‥‥‥等により固定し、次に、上記実施例ではその連
結用軸孔１０に連結用突軸９を上述した如く嵌合、そし
て回転することで、固定金具７ｂに連結金具７ａを連結
する。

さらに、他方の第１取付金具５は、キャビネット１１に
おける側板１１ａの内面に、ビス１４‥‥‥等を用いて
固定し、その角軸５ａに可動軸４ｂの角孔４ｃを嵌合
し、抜止ネジ６を螺着することで、蓋板１２の取り付け
が終る。

尚、図示の実施例では、連結用突軸９を連結金具７ａ
に、連結用軸孔１０は固定金具７ｂに夫々設けた場合を
示してあるが、これとは反対に、連結用突軸９を固定金
具７ｂに、連結用軸孔１０は連結金具７ａに夫々設ける
ようにしてもよいこともちろんである。

《考案の効果》 本考案は、以上説明したように構成されているので、例
えばキャビネット等に蓋板を開閉自在なるよう取り付け
るに際しては、第２取付金具の固定金具だけを蓋板等に
固定した後、当該固定金具に略９０°だけ回動すること
で連結金具を連結し、このことで、オイルダンパーはキ
ャビネット等の側板等に平行状態となるから、キャビネ
ットの側板等に固定した第１取付金具の角軸に、オイル
ダンパーの角孔が嵌合し易くなり、この状態は抜止ネジ
の螺合だけで保持でき、第１、第２アーム等が取付作業
の邪魔となることなく、取り付け作業を容易かつ迅速に
行なうことができるだけでなく、正確な位置に取着され
る固定金具によって、高い精度の取付位置を保証するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るステーの一実施例を示す第２取付
金具の分解斜視図、第２図（イ）（ロ）は同取付金具の
連結手順を示した各正面図、第３図（イ）（ロ）は第１
取付金具とオイルダンパーを夫々示す各正面図、第４図
と第５図は夫々同ステーを用いてキャビネットに蓋板を
取り付けた状態の側面図と開蓋状態の正面図、第６図は
従来のステーを示す使用状態の側面図である。 １……第１アーム ２……第２アーム ４……オイルダンパー ４ａ……本体 ４ｂ……可動軸 ４ｃ……角孔 ５……第１取付金具 ５ａ……角軸 ６……抜止ネジ ７……第２取付金具 ７ａ……連結金具 ７ｂ……固定金具 １１……キャビネット １１ａ……側板 １２……蓋板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】第１、第２アーム相互を夫々の一端部にあ
   って屈曲自在に枢着し、その各他端部を夫々の第１、第
   ２取付金具によってキャビネット等の側板内面と蓋板の
   内面などに枢着することで、蓋板をキャビネット等に開
   閉自在に支持可能とし、上記第２アームの第２取付金具
   を、同第２アーム端部に枢着される連結金具と、前記蓋
   板等にビス止め等によって固定される固定金具とにより
   構成すると共に、当該連結金具を略９０°回動すること
   で、上記固定金具に着脱自在になるよう連結し、さら
   に、前記した第１アームの他端部には、オイルダンパー
   の本体が固設され、この本体の中心を回転自在なるよう
   設けられた可動軸には角孔を形成し、この角孔に、上記
   第１アームの第１取付金具に設けられた角軸を嵌合自在
   とし、かつ、この角軸の端面に穿設したネジ孔に抜止ネ
   ジを螺着することで、当該オイルダンパーを、上記第１
   取付金具に回転可能なるよう係嵌支持したことを特徴と
   するステー。