JPH06235831A - 光ファイバクラッド材の製造法 - Google Patents

光ファイバクラッド材の製造法

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JPH06235831A
JPH06235831A JP5021506A JP2150693A JPH06235831A JP H06235831 A JPH06235831 A JP H06235831A JP 5021506 A JP5021506 A JP 5021506A JP 2150693 A JP2150693 A JP 2150693A JP H06235831 A JPH06235831 A JP H06235831A
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久晃 小林
Masaharu Hattori
正治 服部
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 屈折率が低いばかりでなく、無色透明性に
優れ、かつ、残存モノマーが少ないという特性をバラン
ス良く備えた光ファイバクラッド材を工業的に効率良く
安定して製造する。 【構成】 長鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレー
ト単位を含有する共重合体を、規制された重合条件で重
合し、連結管を経て連続脱モノマーして、無色透明性に
優れ、かつ残存モノマー率が0.5%以下と少ない光フ
ァイバ用クラッド材の共重合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無色透明性に優れ、残
存モノマー量が少なく、かつ、屈折率が低い光ファイバ
クラッド材を工業的に効率良く製造するために好適な方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバは、一般に、コアと該コアよ
りも低屈折率のクラッドとの2種の素材の組み合わせで
構成されている。
【0003】コアには、石英、多成分ガラスあるいはポ
リメタクリル酸メチルに代表されるような透明性の優れ
た重合体が使用される。
【0004】一方、クラッドは、コア内部に光を止めて
おくためにコア素材よりも低屈折率であることが要求さ
れ、弗素含有樹脂が広く使用されている。
【0005】この弗素含有樹脂としては、従来から、 a. 弗化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合
体(特公昭63−67164号公報)、ヘキサフルオロ
アセトン/弗化ビニリデン共重合体(特開昭61−22
305号公報)などの弗化ビニリデン共重合体、 b. 直鎖状のフルオロアルキル基を持つ(メタ)アク
リレート/メタクリル酸メチル共重合体(特公昭43−
8978号、特開昭49−107790号公報)などの
短鎖フルオロアルキルメタクリレート共重合体、 c. α−フルオロアクリレート共重合体(特開昭59
−227908号)などが、提案されている。
【0006】しかし、弗化ビニリデン共重合体は、機械
特性、熱安定性に優れるものの、結晶性のため透明性に
劣り、短鎖フルオロアルキルメタクリレート共重合体
は、無色透明性が良好であるが、屈折率がそれほど低く
なく、機械特性が劣り、また、α−フルオロアクリレー
ト共重合体は屈折率が低いものの、α−フルオロ基の熱
脱離により着色しやすく十分な無色透明性を有しないな
ど、それぞれ長所・短所を有し、光ファイバ用クラッド
材としての要求をいずれも十分満足できるものは無かっ
た。
【0007】そこで、これらのクラッド材としての要求
をいずれも十分満足できる素材として、長鎖のフルオロ
アルキル(メタ)アクリレートを用いる次のような共重
合体が提案されている。
【0008】d. 長鎖フルオロアルキル(メタ)アク
リレートとメチルメタクリレートとの二元共重合体、 e. 長鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレート、短
鎖フルオロアルキルメタクリレート及びメタクリル酸メ
チルの三元共重合体(特開昭62−265606号、6
4−76003号、64−79704号公報)、 f. 長鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレート、メ
チルメタクリレート及び嵩高いエステルを有するメタク
リル酸との多元共重合体(特開昭63−180907号
公報) ところが、これら長鎖フルオロアルキル(メタ)アクリ
レートを含有する(メタ)アクリレート系共重合体は、
従来は、ガラス板に挟むなどして塊状重合しその後に粉
砕するというように工程が多くしかも少量ずつ製造され
るために極めて非効率であり、工業的製造には不適当で
あった。
【0009】また、こうして得られた共重合体は、残存
モノマー量が3%程度あるいはそれ以上と揮発物を多く
含むため、そのままクラッド材として用いると、溶融押
出し時にその残存モノマーなどが揮発することによって
発泡を生じ易く、また、得られる光ファイバの線径変動
が大きくなり、性能の高い光ファイバを安定して製造す
ることが困難である。そこで、重合後、脱モノマー工
程、あるいは乾燥工程などにより揮発物を除去して残存
モノマー量を減らすことが必要である。例えば、重合し
て得られた共重合体を粉砕後、130℃で乾燥する方法
(特開昭62−265606号公報)が提案されている
が、このような低温乾燥では、沸点の高い長鎖フルオロ
アルキル(メタ)アクリレートを十分に脱モノマーさせ
ることが困難である。一方、十分な脱モノマーのために
乾燥温度を高くする方法も考えられるが、熱履歴を高く
するとそれに伴い共重合体が白濁してきて透明性が悪化
するという問題が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、長
鎖フルオロアルキル(メタ)アクリレートを含む共重合
体からなり、屈折率が低く、無色透明性に優れ、かつ、
残存モノマー量が十分に少ないという特性をバランス良
く備えた光ファイバクラッド材を工業的に効率良く製造
する方法を提供することを主たる目的とする。
【0011】即ち、本発明は、重合及び脱モノマーにお
ける製造条件を特定するとともに、これらの工程を連続
化するにより、前記共重合体でも、白濁が生じず、か
つ、十分に残存モノマー量を少なくすることができる工
業的実施に好適な方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係る光ファイバクラッド材の製造方法は、
重合部、脱モノマー部及びそれらの連結部を有する重合
・脱モノマー装置を用いて、下記一般式[I]で表わさ
れるフルオロアルキル(メタ)アクリレート単位を20
〜75重量%、下記一般式[II]で表わされるフルオロ
アルキル(メタ)アクリレート単位を20〜75重量
%、下記一般式[III]で表わされる(メタ)アクリル酸
(アルキルエステル)を5〜40重量%、及び下記一般
式[IV]で表わされるN−(フルオロ)アルキルマレイ
ミド単位を0〜0.2重量%未満からなる(メタ)アク
リレート系共重合体を重合し続いて脱モノマーして光フ
ァイバクラッド材を製造する方法であって、前記重合部
は、重合温度165℃以下で、重合率45%以上かつ重
合部出の共重合体混合物中の未反応モノマー濃度[M]
(モル/l)に対する残存重合開始剤濃度[I](モル
/l)の値が、実質的に下記(1)式: [I]/[M]<3.0×10-5 ・・・(1) となるように重合を行い、続いて前記連結部及び前記脱
モノマー部を連続的に通過させて脱モノマーを行い吐出
することにより、残存モノマー率0.5%以下かつ無色
透明の光ファイバクラッド材とすることを特徴とするも
のである。
【0013】
【化5】 (ここで、X1 はCH3 、H、CF3 またはF、nは1
または2、mは5から10までの整数、X2 はHまたは
Fを表す)
【化6】 (ここで、X1 はCH3 、H、CF3 またはF、nは1
または2、mは0から4までの整数、X2 はHまたはF
を表す、ただし分子中に少なくとも1個のFを含む)
【化7】 (ここで、X1 はCH3 またはH、nは0から10まで
の整数を表す)
【化8】 (ここで、R1 はメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ヘキシル、
シクロヘキシルの群から選ばれるアルキル基もしくはこ
れらからのフルオロアルキル基を表す)上記一般式
[I]で表わされるフルオロアルキル(メタ)アクリレ
ート単位(以下、単に、長鎖フルオロ単位という)は、
弗素含有率が高いので、共重合体の屈折率を低減させる
ためには極めて有効であり、その効果を発揮するために
は一般式[I]におけるmが5以上であること、及び2
0重量%以上含有することが必要であり、更には30重
量%以上が好ましい。また、共重合体の透明性を損わな
いためには、一般式[I]におけるmは10以下とする
ことが必要である。
【0014】一方、長鎖フルオロ単位は、フルオロアル
キル基の炭素数が5以上と多いので、その炭素数が4以
下の短鎖フルオロ単位(一般式[II])の場合に比し、
沸点が高く、かつ得られる共重合体の熱分解すなわち解
重合が進行し易いので、残存モノマー率が増大し易く、
この結果、溶融押出し時の粘度低下や発泡が生じ易くな
る。また、一方で、停止反応が極めて遅くなり重合開始
剤が分解してなくなったとしても残存モノマーと後重合
を起こし易くなるという相反する特性を有している。し
かも、この長鎖フルオロ単位を含む共重合体は、重合後
の脱モノマー工程における熱履歴を高くするほどこの解
重合及び/又は後重合は激しくなる傾向にあるので、組
成分布が激しくなって共重合体の白濁が生じ易いのであ
る。従って、この長鎖フルオロ単位は、75重量%以下
含有することが必要であり、更には60重量%以下が好
ましい。
【0015】上記一般式[II]で表わされるフルオロア
ルキル(メタ)アクリレート単位(以下、単に、短鎖フ
ルオロ単位という)は、共重合体の屈折率低減効果の点
では長鎖フルオロ単位よりも弗素含有率が低い分だけや
や劣るが、重合後の解重合及び/又は後重合は長鎖フル
オロ単位よりも抑制させることができるので、20重量
%以上含有させることが必要である。しかし、多くなり
過ぎると、クラッド材として十分低い屈折率を得ること
が困難となるので、短鎖フルオロ単位は多くとも75重
量%とすることが必要であり、更に30〜60重量%が
好ましい。
【0016】上記一般式[III]で表わされる(メタ)ア
クリル酸(アルキルエステル)単位(以下、単に、アク
リル酸単位という)は、5〜40重量%とすることが必
要である。このアクリル酸単位として、エステルがメチ
ル、エチルなどのアクリル酸アルキルエステルを用いる
場合には、共重合体の解重合抑制と可撓性改良を図るこ
とができる。また、エステルがアダマンチル、ボルニ
ル、トリシクロデカニル、シクロヘキシルなどの脂環式
メタクリル酸エステルを用いる場合には、共重合体のガ
ラス転移温度を高めることができる。更にまた、エステ
ルがメチル、エチルなどのメタクリル酸アルキルエステ
ルを用いる場合には、共重合体に可撓性及び光ファイバ
コアとの密着性を付与することができる。これらのアク
リル酸単位の中ではメタクリル酸メチルを10〜30重
量%含有することが好ましい。
【0017】前記一般式[III]で表わされるN−(フル
オロ)アルキルマレイミド単位は、0.2重量%未満の
少量ならば含有してもよい。
【0018】更に、本発明の効果を妨げない範囲ならば
その他の単量体、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定
剤、可塑剤などを含有してもよい。
【0019】さて、前述したように、従来の方法では工
業的に効率良く上記組成のクラッド材を製造することが
困難であった。そこで、我々は種々検討を重ねた結果、
長鎖フルオロ単位がその嵩高さのため熱分解(解重合)
しやすいとともに後重合しやすいため白濁しやすいとい
うことが原因となっており、そして、以下〜の要件
を全て満足する製造条件をとることによりそれら問題は
回避できることを見出して本発明をなすに至ったのであ
る。
【0020】 重合槽にて、重合温度165℃以下
で、重合率45%以上となるように重合を行い、続いて
脱モノマーを行い吐出することできるように重合部と脱
モノマー部とが連結した装置であることが、工業的に効
率良く上記クラッド材を製造するために必要である。
【0021】 重合部出の共重合体混合物中の未反応
モノマー濃度[M](モル/l)に対する残存重合開始
剤濃度[I](モル/l)の値が、実質的に下記(1)
式: [I]/[M]<3.0×10-5 ・・・(1) となる条件にて重合し、更に重合がほとんど進まないこ
の状態の共重合体混合物を、連結部を介して脱モノマー
部へ供給することが、後重合を抑制するために必要であ
る。
【0022】 連結部及び脱モノマー部を連続的に通
過させて脱モノマーを行い吐出する連続式脱モノマー方
法をとることが、熱履歴を小さくして熱分解及び/又は
後重合を抑制するために必要である。
【0023】以下それらの各条件について説明する。
【0024】 工業的に効率良く上記クラッド材を製
造するためには、周知のように重合部、脱モノマー部が
連結した装置が極めて効率的である。重合装置は槽型、
管型いずれでもよく、またその槽は数個連なっても良
く、連続式、回分式いずれであっても構わない。この時
の重合方法は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、あるい
は乳化重合いずれであってもよいが、得られるクラッド
材の無色透明性が良好となる塊状重合、溶液重合が好ま
しい。なお、塊状重合では高沸点モノマーである長鎖フ
ルオロ単位を容易に蒸留精製して分留し再利用でき、溶
液重合では高重合率にすることによりモノマーを一度で
効率良く使用でき、溶媒は蒸留精製などで容易に再利用
できる。
【0025】重合温度は、165℃を越えると、共重合
体の立体規則性においてシンジオタクチック成分が減少
してガラス転移温度が低下し、また脱モノマー部にて共
重合体が着色しやすくなるばかりでなく、分子量調節剤
を含有しなくても共重合体の分子量が十分上がらないの
で好ましくない。また、重合率45%未満では、生産性
が極めて低くなるため不適当である。更に、重合率は5
0%以上であることが好ましい。
【0026】 長鎖フルオロ単位は後重合し易いた
め、連結部及び脱モノマー部において重合開始剤が十分
に残存していると後重合が生じるとともに、熱分解も伴
うため共重合体に白濁を生じる。従って、重合槽出にお
ける共重合体混合物中の残存重合開始剤濃度を連結部及
び脱モノマー部における重合開始にほとんど関与しない
濃度まで十分に低くしておく必要がある。即ち、重合槽
における重合開始は仕込み重合開始剤によって十分に引
き起こされ、かつ、重合槽出においてはその残存重合開
始剤は重合開始にほとんど関与しない濃度になるという
重合条件を選ぶ必要がある。種々検討の結果、前記
(1)式で示したように、未反応モノマー濃度に対する
残存重合開始剤濃度の値([I]/[M])が3.0×
10-5未満となる条件を満たすことが有効であることが
分かった。更に好ましくは、2.0×10-5未満であ
る。
【0027】なお、[I]/[M]は、一般に連続重合
については次式(2)により、回分重合については次式
(3)により、求めることができる。
【0028】[I]/[M]=[I]0 /[M]/[A
・exp(−E/RT)・θ+1]・・・(2) [I]/[M]=[I]0 /[M]・exp[−A・e
xp(−E/RT)・t] ・・・(3) (ここで、[I]0 は仕込み重合開始剤濃度、A、Eは
重合開始剤の種類によって決まる定数(それぞれ、頻度
因子、活性化エネルギー)、Rは気体定数(=1.98
7)、Tは重合温度(K)、θは平均滞留時間(h
r)、tは重合時間(hr)を表す。なお、A、Eは文
献に記載された値を用いればよい。)従って、具体的に
は、重合開始剤の種類とその仕込み濃度、重合温度、平
均滞留時間あるいは重合時間を適正に選ぶ必要がある
が、それらの組合せは、重合率、平均分子量などを考慮
して、前記(2) あるいは(3) 式に応じて選べば良
い。
【0029】この時の重合開始剤としては、一般のアゾ
化合物、過酸化物などのラジカル重合開始剤が使用でき
るとともに、分子量が高い場合には、一般の分子量調節
剤を用いて重合させることもできる。更にまた、重合禁
止剤を重合終了後重合槽内、あるいは連結部に投入する
ことにより、実質的に重合開始能力をなくす方法をとっ
てもよい。なお、この重合開始剤、分子量調節剤、重合
禁止剤の種類は、クラッド材の無色透明性を損なわない
ものであれば特に限定されない。
【0030】このようにして重合槽出の重合開始剤濃度
を規制することにより、連結部や脱モノマー部における
後重合を抑えることができ、白濁を抑制できる。
【0031】 脱モノマー時における共重合体の白濁
を防止するためには、共重合体を連続供給して脱モノマ
ーした後、連続吐出する連続式脱モノマー方法をとるこ
とが必要である。これに対し、回分式脱モノマー法ある
いは加熱真空乾燥では、前述のように熱履歴が大きくな
り熱分解及び/又は後重合が引き起こされるため共重合
体が極めて白濁しやすい。
【0032】連続脱モノマーする場合でも、熱履歴をで
きる限り小さくする条件をとることが好ましい。具体的
には、脱モノマー部内のベント部最高温度280℃、吐
出ラインを含めた実質的に脱モノマーされない押出部を
200〜250℃、かつ、ベント部最高温度≧押出部温
度として、平均滞留時間30分以内(望ましくは25分
以内)で連結部〜脱モノマー部を連続的に通過させるこ
とが好ましい。
【0033】更に、この脱モノマー工程によって共重合
体中のモノマー含有量、即ち、残存モノマー率を0.5
%以下の水準まで低下させることが、溶融押出し時の発
泡を防止し、光ファイバの線径変動を抑制し、性能の高
い光ファイバを得るために必要である。更には、残存モ
ノマー率を0.4%以下まで低下させることが好まし
い。
【0034】このようにして脱モノマーして得られたク
ラッド材は、光ファイバ製糸工程に送られ、コア成分と
ともに溶融同時押出され、通常の方法によって光ファイ
バを製造される。
【0035】更に得られた光ファイバは、被覆工程にお
いて、ポリエチレン,ポリプロピレンまたはそれらの共
重合体,あるいはブレンド品,有機シラン基を含有する
オレフィン系ポリマー,エチレン−酢酸ビニル,ポリ塩
化ビニル,ポリ弗化ビニリデン,ナイロン樹脂,ポリエ
ステル樹脂,ナイロンエラストマー,ポリエステルエラ
ストマーあるいはポリウレタン、ポリウレタンエラスト
マーといった樹脂を被覆し、コードとしてもよい。更
に、ケブラーなどのテンションメンバーを被せた上で更
に上記の樹脂で被覆を行なってケ−ブルとしてもよい。
これらの被覆温度は240℃以下であれば、光ファイバ
の透光性能を損なうことなく加工することができる。
【0036】また、クラッド材とコア材とを溶融押出し
た後、クラッド材のガラス転移温度以上の温度域でクラ
ッド材を融着させ、シート状光ファイバに成形させても
よい。
【0037】あるいは、多芯口金を用いてコア材が島、
クラッド材が海を形成する海島構造に押出して光ファイ
バとしてもよい。
【0038】更に、本発明法で得られるクラッド材は、
耐溶剤性にも優れるため、更に耐熱性に優れる樹脂溶液
または接着性に富む樹脂溶液あるいは着色染料や蛍光染
料を含んだ溶液を塗布し、塗膜を形成させることもでき
る。更に光ファイバを織物にして面状発熱体を成形する
ことも可能である。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0040】まず、実施例において使用したフルオロア
ルキル(メタ)アクリレートの構造を以下に示す。
【0041】
【化9】 また、実施例中で用いられるクラッド材及び光ファイバ
の各特性はそれぞれ次のようにして測定した。
【0042】屈折率: ASTM D542−50に従
い、アッベの屈折計によって測定した。
【0043】残存モノマー率: ガスクロ分析にて、ク
ラッド材中に含まれる各モノマーの残存量を求め、その
残存モノマー量の合計を、クラッド材に対する割合(%
表示)でもって記した。
【0044】光線透過率: JIS K6714に従
い、積分球式光線透過率測定装置にて、厚さ3.0mm
の試験片で測定した。
【0045】透光損失: ハロゲン平行光650nmに
おいて、いわゆるカットバック法によって20m/2m
の透光損失値差から計算して示した。
【0046】線径変動巾: レイザー線径測定器にて1
時間測定し、その間の最大・最小値の差を示した。
【0047】[実施例1]次の成分、 17FM 50.0重量部 4FM 21.0重量部 5FM 10.0重量部 メタクリル酸メチル 19.0重量部 と、これら全モノマー混合物1モルに対するモル比で ジ−tert−ブチルパーオキサイド 7.0×10-5 n−ブチルメルカプタン 0.5×10-5 を混合して減圧脱気した後、モノマー供給槽から一槽式
完全混合型重合槽に連続的に仕込んだ。重合は155℃
で、平均滞留時間4時間と設定した結果、重合率は56
%で安定した。なお、重合部出の共重合体混合物中の未
反応モノマー濃度[M](モル/l)に対する残存重合
開始剤濃度[I](モル/l)は、前記(2)式より、
1.7×10-5と算出できた。得られた共重合体混合物
(共重合体 No.A)を、ギアポンプで180℃に設定し
た連結部を通過させてベント付き押出機に連続供給し、
前半210℃、及び後半260℃に設定したベント部、
230℃に設定した押出部、平均滞留時間15分で吐出
してチップ化し、クラッド材とした。
【0048】得られたクラッド材は、表1に示すように
残存モノマー率が少なく無色透明性に優れていた。
【0049】この共重合体をクラッド材とし、ポリメタ
クリル酸メチルをコア材として、通常の方法で複合紡糸
を行って1000μ径の光ファイバを得た。
【0050】得られた光ファイバは、表1に示すように
透光損失も線径変動も小さく、性能の優れた光ファイバ
であった。
【0051】[比較例1]実施例1の全モノマー混合物
100重量部に対し、 アゾビスイソブチロニトリル 0.1重量部 n−ブチルメルカプタン 0.01重量部 を混合して減圧脱気した後、80℃で15時間、110
℃で3時間塊状重合した。重合率は96%であり、
[I]/[M]は前記(3)式より0.0であった。得
られた共重合体(共重合体 No.A)を130℃で12時
間真空乾燥機で回分式に脱モノマーした以外は実施例1
と同様にしてクラッド材及び光ファイバを得た。
【0052】脱モノマーして得られたクラッド材は、残
存モノマーが多く、光ファイバの線径変動が大きかっ
た。
【0053】[比較例2]200℃で5時間真空乾燥機
で回分式に脱モノマーした以外は比較例1と同様にして
クラッド材及び光ファイバを得た。
【0054】脱モノマーして得られたクラッド材は残存
モノマーが比較例1の場合よりも減っていて、光ファイ
バの線径変動は小さくなったが、逆に、共重合体が白く
濁って光ファイバの透光性が劣った。
【0055】[比較例3]重合温度を140℃とした以
外は、実施例1と同様にしてクラッド材及び光ファイバ
を得た。重合率は54%で安定し、[I]/[M]は前
記(2)式より5.5×10-5であった。得られたクラ
ッド材は表1に示すように白濁し、光ファイバの透光性
が劣っていた。
【0056】[実施例2]次の成分、 17FM 41.0重量部 17FA 9.0重量部 3FM 30.0重量部 メタクリル酸メチル 20.0重量部 と、これら全モノマー混合物1モルに対するモル比で アゾビス-1,1,3,3- テトラメチルブタン 10.0×1
-5 n−ブチルメルカプタン 0.8×1
-5 を混合して、重合温度は150℃、平均滞留時間2.5
hrとして重合した(共重合体 No.B)以外は、実施例
1と同様にしてクラッド材及び光ファイバを得た。な
お、重合率は57%で安定し、[I]/[M]は、前記
(2)式より1.7×10-5であった。
【0057】得られたクラッド材は表1に示すように残
存モノマー率が少なく無色透明性に優れていた。また、
得られた光ファイバは、表1に示すように透光損失も線
径変動も十分に小さく、性能の優れた光ファイバであっ
た。
【0058】[実施例3]実施例2の全モノマー混合物
1モルに対するモル比で、 アゾビスイソブチロニトリル 50.0×10-5 n−ブチルメルカプタン 4.0×10-5 及び 上記全混合物100重量部に対し、 酢酸ブチル 50重量部 を混合し、減圧脱気した後、一槽式完全混合型重合槽に
仕込んで、80℃で3hr、更に100℃で3hr重合
した以外は、実施例2と同様にしてクラッド材及び光フ
ァイバを得た。重合率は98%であり、[I]/[M]
は前記(3)式より0.0であった。
【0059】得られたクラッド材は表1に示すように残
存モノマー率が少なく無色透明性に優れていた。また、
得られた光ファイバは、表1に示すように透光損失も線
径変動も十分に小さく、性能の優れた光ファイバであっ
た。
【0060】[比較例4]80℃、3hrで重合を終え
た以外は、実施例3と同様にしてクラッド材及び光ファ
イバを得た。その時の重合率は92%であり、[I]/
[M]は前記(3)式より、少なくとも129×10-5
を越える値であった。
【0061】得られたクラッド材は時間とともにやや白
濁したが、混合して評価したところ、表1に示すように
透明性がやや劣り、光ファイバの透光性もやや劣ってい
た。
【0062】[実施例4]次の成分、 17FM 30.0重量部 3FM 50.0重量部 α−F,3FA 10.0重量部 メタクリル酸メチル 8.0重量部 メタクリル酸 2.0重量部 と、これら全モノマー混合物1モルに対するモル比で アゾビスイソブチロニトリル 20.0×10-5 n−ブチルメルカプタン 1.0×10-5 を混合して減圧脱気した後、100℃に設定した一槽式
完全混合型重合槽に仕込んで3hr塊状重合した以外
は、実施例1と同様にしてクラッド材及び光ファイバを
得た(共重合体 No.C)。その時の重合率は65%であ
り、[I]/[M]は前記(3)式より0.0であっ
た。
【0063】得られたクラッド材は表1に示すように残
存モノマー率が少なく無色透明性に優れていた。また、
得られた光ファイバは表1に示すように透光損失も線径
変動も十分に小さく、性能の優れた光ファイバであっ
た。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明法により得られる、長鎖フルオロ
単位を含有する低屈折率共重合体からなるクラッド材
は、無色透明性に優れ、かつ、残存モノマー量が少ない
という、光ファイバクラッド材用に好適な特性を具備
し、しかも、工業的に安定して製造することができる。
【0066】従って、開口数が高く、透光性が良好で、
線径変動の小さい光ファイバを工業的に安定して製造す
ることが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合部、脱モノマー部及びそれらの連
    結部を有する重合・脱モノマー装置を用いて、下記一般
    式[I]で表わされるフルオロアルキル(メタ)アクリ
    レート単位を20〜75重量%、下記一般式[II]で表
    わされるフルオロアルキル(メタ)アクリレート単位を
    20〜75重量%、下記一般式[III]で表わされる(メ
    タ)アクリル酸(アルキルエステル)を5〜40重量
    %、及び下記一般式[IV]で表わされるN−(フルオ
    ロ)アルキルマレイミド単位を0〜0.2重量%未満か
    らなる(メタ)アクリレート系共重合体を重合し続いて
    脱モノマーして光ファイバクラッド材を製造する方法で
    あって、前記重合部は、重合温度165℃以下で、重合
    率45%以上かつ重合部出の共重合体混合物中の未反応
    モノマー濃度[M](モル/l)に対する残存重合開始
    剤濃度[I](モル/l)の値が、実質的に下記(1)
    式: [I]/[M]<3.0×10-5 ・・・(1) となるように重合を行い、続いて前記連結部及び前記脱
    モノマー部を連続的に通過させて脱モノマーを行い吐出
    することにより、残存モノマー率0.5%以下かつ無色
    透明の光ファイバクラッド材とすることを特徴とする光
    ファイバクラッド材の製造方法。 【化1】 (ここで、X1 はCH3 、H、CF3 またはF、nは1
    または2、mは5から10までの整数、X2 はHまたは
    Fを表す) 【化2】 (ここで、X1 はCH3 、H、CF3 またはF、nは1
    または2、mは0から4までの整数、X2 はHまたはF
    を表す、ただし分子中に少なくとも1個のFを含む) 【化3】 (ここで、X1 はCH3 またはH、nは0から10まで
    の整数を表す) 【化4】 (ここで、R1 はメチル、エチル、プロピル、イソプロ
    ピル、ブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ヘキシル、
    シクロヘキシルの群から選ばれるアルキル基もしくはこ
    れらからのフルオロアルキル基を表す)
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