JPH06235806A - レーザ用反射鏡 - Google Patents

レーザ用反射鏡

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JPH06235806A
JPH06235806A JP4453693A JP4453693A JPH06235806A JP H06235806 A JPH06235806 A JP H06235806A JP 4453693 A JP4453693 A JP 4453693A JP 4453693 A JP4453693 A JP 4453693A JP H06235806 A JPH06235806 A JP H06235806A
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JP
Japan
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laser
multilayer film
substrate
diamond
sample
Prior art date
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Pending
Application number
JP4453693A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Otani
実 大谷
Atsumichi Ishikura
淳理 石倉
Hidehiko Fujimura
秀彦 藤村
Mitsuharu Sawamura
光治 沢村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平均パワーの高いレーザ光に対する耐久性の
高いレーザ用反射鏡を実現する。 【構成】 基板の表面に、50nmないし1mmの膜厚
を有するダイヤモンド類の材料の薄膜を蒸着し、そのう
えに、誘電体材料の多層膜を蒸着する。ダイヤモンド類
はあらゆる物質中で熱伝導率が最も大きいために多層膜
に吸収された熱エネルギーを効果的に発散させ、多層膜
の温度上昇を防ぐ。従って、高出力で繰返し頻度の高い
レーザ光を照射しても、多層膜が熱変形や膜剥れを起こ
すおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、高出力で繰返し
頻度が高く、従って平均パワーの高いレーザ光を発生す
るレーザ共振器、あるいは、このようなレーザ光を用い
る光学系に適したレーザ用反射鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紫外域から赤外域の波長のレーザ光を反
射するレーザ用反射鏡は、光学ガラスや石英で作られた
基板に、前記波長域で吸収の少ない誘電体材料からなる
多層膜を形成させたものが一般的であり、特に露光装置
の露光光やアライメント光として用いられるエキシマレ
ーザ光のように、高出力で繰返し頻度が高く、従って平
均パワーの高いレーザ光に用いられるレーザ用反射鏡
は、その耐久性を向上させるために様々な工夫がなされ
ている。例えば、1/2波長光学膜厚の整数倍のアンダ
ーコートやオーバコートを行うことによって、多層膜の
レーザ損傷しきい値を上げたり(特開平2−97901
号公報参照)、熱伝導率の高い金属を基板の材料に用い
るか、または、熱伝導率の高い珪素化合物等を基板の表
面へ蒸着したうえで多層膜を形成することで多層膜の放
熱を促進する方法(特開平2−248093号公報およ
び特開昭60−66202号公報参照)が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、多層膜がレーザ光に対して、弱い吸収
をもつ場合には、微小吸収であっても、レーザ光の平均
パワーが高いと多層膜に蓄積される熱エネルギーも増大
し、前述のように、基板の材料に金属を用いたり、ある
いは珪素化合物を第1層として基板へ蒸着しても、これ
らによる放熱量は依然として不充分であり、多層膜の温
度上昇を避けることができない。その結果、多層膜の熱
変形や密着性の低下等の問題が発生する。
【0004】加えて、金属や珪素化合物は誘電体材料に
比べて吸収係数が可視域から近赤外域にかけて大きいた
めに、多層膜に対するレーザ光の入射角が設計値よりず
れた場合や、多層膜の反射率が100%未満の場合は、
レーザ光の一部が基板に到達し、これによって基板が損
傷するおそれがあり、また、可視域(560nm付近)
に吸収端があるために、可視光レーザによる透過アライ
メントは難しい。
【0005】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、平均パワーの高いレ
ーザ光に対する耐久性にすぐれたレーザ用反射鏡を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のレーザ用反射鏡は、基板と、誘電体材料の
多層膜からなるレーザ用反射鏡であって、前記基板と前
記多層膜の間にダイヤモンド類の材料からなる薄膜が設
けられていることを特徴とする。
【0007】また、ダイヤモンド類の材料からなる薄膜
の膜厚が50nmないし1mmであるとよい。
【0008】さらに、ダイヤモンド類の材料からなる薄
膜の表面粗さが100nm rms以下であるとよい。
【0009】
【作用】ダイヤモンド類の材料は、あらゆる物質中熱伝
導率が最大であるから、基板と多層膜の間にこのような
ダイヤモンド類の薄膜を設けることによって、多層膜に
吸収された熱エネルギーの発散を大幅に促進させ、多層
膜の温度上昇を防ぐことができる。また、ダイヤモンド
類は可視域から近赤外域の波長の光に対して吸収率がゼ
ロに近いために、レーザ用反射鏡に入射するレーザ光の
入射角が設計値よりずれたり、多層膜の反射率が100
%に満たない場合でも、レーザ光が基板まで到達してこ
れを損傷するおそれはない。加えて、240nm付近に
吸収端があるため、可視光レーザによる透過アライメン
トが容易になる。
【0010】ダイヤモンド類からなる薄膜の膜厚は50
nmないし1mmであることが望ましく、また、該薄膜
の表面粗さが100nm rms以下であれば、多層膜
の密着性を高めることができる。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を説明する。
【0012】(第1実施例)直径40mm、厚さ3mm
の基板である合成石英基板に、マイクロ波CVD法によ
って膜厚2μmのダイヤモンド類の材料からなる薄膜を
蒸着したうえで、Nd:YAGレーザの基本波(106
4nm)用の多層膜および3倍高調波(355nm)用
の多層膜を製作した。基本波用の多層膜は、1/4波長
膜厚のSiO2 とTiO2 の薄膜を交互に5層ずつ積層
した第1群と、同じく1/4波長膜厚のSiO2 とZr
2 の薄膜を交互に6層ずつ積層した第2群から構成さ
れ、3倍高調波用の多層膜は、1/4波長膜厚のSiO
2 とZrO2 を交互に5層ずつ積層した第1群と、同じ
く1/4波長膜厚のSiO2 とAl23 を交互に12
層ずつ積層した第2群から構成され、また、最終層の表
面には1/2波長膜厚のSiO2 のオーバーコートが設
けられ、反射率はレーザ波長で99%以上である。
【0013】次に、本実施例のレーザ用反射鏡のレーザ
光に対する耐力性を従来例と比較するために、同様の合
成石英基板に膜厚2μmのSiCの薄膜を蒸着したうえ
で上記と同様の多層膜を形成させたレーザ用反射鏡をサ
ンプルA、同様の合成石英基板に膜厚2μmの硬質炭素
の薄膜を蒸着したうえで上記と同様の多層膜を形成させ
たレーザ用反射鏡をサンプルB、本実施例のレーザ用反
射鏡をサンプルC、同様の合成石英基板に直接多層膜を
形成させたレーザ用反射鏡をサンプルDとして、各サン
プルの1ショットレーザ耐力と20Hz連続照射のレー
ザ耐力を測定した。その結果を表1に示す。なお、1シ
ョットレーザ耐力は、Nd:YAGレーザの基本波およ
び3倍高調波を各ショットごとに照射位置およびエネル
ギーを変えて照射し、レーザ用反射鏡の損傷の有無を観
察したものであり、20Hz連続照射のレーザ耐力は、
同じ照射位置に同じエネルギーのレーザ光を20Hzの
周波数で5分間照射してレーザ用反射鏡の損傷の有無を
観察したものである。
【0014】
【表1】 表1から、基本波と3倍高調波についてほぼ同じ傾向が
確認され、1ショットレーザ耐力は、合成石英基板に直
接多層膜を形成したサンプルDとサンプルCが最もすぐ
れており、次いで、サンプルA、サンプルBの順である
が、20Hz連続照射のレーザ耐力では、サンプルC、
サンプルD、サンプルA、サンプルBの順であり、特
に、基本波の場合には、サンプルC、すなわち、本実施
例のダイヤモンド類の材料の薄膜を合成石英基板に蒸着
したうえで多層膜を形成させたもののレーザ耐力が他の
サンプルのレーザ耐力を大幅に上まわることが判明し
た。
【0015】(第2実施例)直径40mm、厚さ3mm
の基板である合成石英基板に高周波スパッタ法(RFス
パッタ法)によって膜厚5μmのダイヤモンド類の材料
からなる薄膜を蒸着し、該薄膜の表面を表面粗さ10n
m rms以下に研磨したうえで、KrF(248n
m)エキシマレーザ用の多層膜を製作した。該多層膜
は、Al23 とSiO2 の薄膜を交互に28層ずつ積
層したものである。
【0016】次に、本実施例のレーザ用反射鏡のレーザ
光に対する耐久性を従来例と比較するために、同様の合
成石英基板に膜厚5μmのSiCの薄膜を蒸着し、その
表面を上記と同じ表面粗さに研磨したうえで上記と同様
の多層膜を形成させたレーザ用反射鏡をサンプルAと
し、本実施例のレーザ用反射鏡をサンプルBとし、上記
と同様の合成石英基板に直接上記と同様の多層膜を形成
させたものをサンプルCとして、各サンプルについて耐
久試験を行った。該耐久試験は、パルス幅15nsのK
rFレーザを、周波数200Hz、スポット直径5mm
で、エネルギーを一定にして5×107 回照射したの
ち、各サンプルの表面をノマルスキー顕微鏡で観察する
ことによって行った。1ショット当りのエネルギーを3
段階に変化させて耐久試験を行った結果を表2に示す。
【0017】
【表2】 ○:変化なし △:やや変化有り膜剥れなし ×:膜剥れ 表2から、照射されるレーザ光のエネルギーが高い場合
には、サンプルB、すなわち、本実施例のレーザ用反射
鏡の耐久性が他の2つのサンプルを大きく上まわること
が判かる。
【0018】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0019】平均パワーの高いレーザ光に対するレーザ
用反射鏡の耐久性を大幅に向上できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢村 光治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、誘電体材料の多層膜からなるレ
    ーザ用反射鏡であって、前記基板と前記多層膜の間にダ
    イヤモンド類の材料からなる薄膜が設けられていること
    を特徴とするレーザ用反射鏡。
  2. 【請求項2】 ダイヤモンド類の材料からなる薄膜の膜
    厚が50nmないし1mmであることを特徴とする請求
    項1記載のレーザ用反射鏡。
  3. 【請求項3】 ダイヤモンド類の材料からなる薄膜の表
    面粗さが100nmrms以下であることを特徴とする
    請求項1または2記載のレーザ用反射鏡。
JP4453693A 1993-02-09 1993-02-09 レーザ用反射鏡 Pending JPH06235806A (ja)

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JP4453693A JPH06235806A (ja) 1993-02-09 1993-02-09 レーザ用反射鏡

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017502333A (ja) * 2013-12-09 2017-01-19 エレメント シックス テクノロジーズ リミテッド 合成ダイヤモンド光学ミラー
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