JP7495922B2 - 反射光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、基板及びその上の金属層を備えたVUV波長域用の反射光学素子に関する。本願は、2018年7月11日の独国特許出願10 2018 211 499.4号の優先権を主張し、その内容の全体を参照する。
特に、真空紫外線(VUV放射)とも称する約100nm~200nmの比較的短波長の紫外線波長域では、透過光学素子だけを用いることは不可能であり、反射光学素子にも頼らざるを得ないことが多い。基板上に金属層と、その上に保護層又は高反射層系とを備えた反射光学素子は、この場合に特に有意義であることが分かっている。保護層又は保護層系は、1つ又は複数のフッ化物を含み得る。このような反射光学素子を製造する方法は、例えば特許文献1から既知である。これは、基板上に室温で2つの第1層を蒸着させてから約200℃で第3層を蒸着させることを含む。
しかしながら、リソグラフィで、特にマスク及びウェーハの検査でも起こり得るような高い放射強度では、反射光学素子が保護層を含み且つ照射が真空で行われたとしても、数日又は数時間以内でも既に反射光学素子の激しい劣化が起こるのに伴い大きな反射率の損失が起こり得ることが観察されている。
米国特許出願公開第2017/0031067号明細書
本発明の目的は、寿命を延ばすことができる反射光学素子及び製造方法を提案することである。
この目的は、基板及びその上の金属層を備えたVUV波長域用の反射光学素子であって、金属層に対して基板とは反対側に少なくとも1つの金属フッ化物層と、当該金属フッ化物層に対して基板とは反対側に少なくとも1つの酸化物層とを備え、金属層に対して基板とは反対側の層の厚さは、VUV波長域の入射主要波長の反射時に形成される定在波の電場が少なくとも1つの酸化物層の領域で極小値を有するように選択され、主要波長は、VUV波長域の最小波長から主要波長までの少なくとも1つの酸化物層の材料の消衰係数の積分が、VUV波長域の最小波長から最大波長までの対応する積分の15%~47%、好ましくは18%~44%、特に好ましくは約33%であるように選択される、反射光学素子により達成される。
特に記載の主要波長に関する層厚の設計の場合、少なくとも1つの酸化物層の吸収は、低電場強度領域に位置決めすることにより大幅に低減させることができ、その結果として、少なくとも1つの酸化物層により起こり得る反射率の損失を低減することができ、こうして酸化物の保護機能を特に良好に利用することができることが分かった。これは、酸化物層の反射率の損失が比較的大きくなり得る約160nm未満の波長に特に有利である。結果として、例えばリソグラフィプロセス又はウェーハ及び特にマスクを含む光学素子の光学検査で起こり得るような高出力密度での照射の場合に特に、対応する反射光学素子の寿命を延ばすことが可能である。ここで提案されるタイプの反射光学素子は、個々の波長から全VUV波長域までの任意のVUV波長帯域幅での使用に供され得る。
好ましくは、目標通りに施されたか又は金属基板の表面により形成されるこれらの反射光学素子の金属層は、アルミニウム、アルミニウム-シリコン合金、アルミニウム-マンガン合金、アルミニウム-シリコン-マンガン合金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含む。これらの材料は、100nm~200nmの波長域で十分に良く反射する。
好ましくは、金属フッ化物層は、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、チオライト、クライオライト、フッ化エルビウム、フッ化ネオジム、フッ化ガドリニウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化サマリウム、フッ化ホルミウム、フッ化ハフニウム、フッ化ランタン、フッ化ユーロピウム、フッ化ルテチウム、フッ化セリウム、フッ化バリウム、フッ化イットリウム、又はそれらの組み合わせを含む。これらのフッ化物は、100nm~200nmの波長域で吸収が十分に低く、比較的低い放射強度で、この放射の反射が起こる金属表面を特に酸化による損傷から保護するのに十分な耐性がある。
酸化物層は、二酸化ケイ素、フッ素ドープ二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ルテチウム、酸化カルシウム、酸化ハフニウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、又はそれらの組み合わせを含むのが有利である。これらの酸化物は、リソグラフィプロセスで又は特にウェーハ及びマスクの検査システムで起こり得るような高放射強度でも、特に酸化による金属表面の損傷からの保護を可能にする。
好ましくは、基板は、石英、チタンドープ石英ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、セラミック、ガラスセラミック、ケイ素、炭化ケイ素、特に反応焼結ケイ素-炭化ケイ素複合材料、アルミニウム、銅又はアルミニウム-銅合金からなる。他の酸化物系又は非酸化物系セラミックスも基板材料として適している。言及した基板材料は、熱膨張率が低い結果として、高放射強度でも良好な寸法安定性を有する。特に高い放射強度では冷却した基板が有利である。その目的で、十分に良好な熱伝導率を有する材料、例えば結晶質又は非晶質シリコン、炭化ケイ素、反応焼結ケイ素-炭化ケイ素複合材料、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、アルミニウム、銅又はアルミニウム-同合金等が適している。さらに、これらの表面の1つの研磨により、提案される金属は、100nm~200nmの波長域の放射線を反射するのに直接用いることができ、別個の金属層は不要である。
好ましくは、機能層が基板と金属層との間に配置される。機能層は、多層に具現することもできる。機能層は、1つ又は複数の機能を果たすことができる。
特に好ましくは、機能層は、接着促進層及び/又は研磨層として具現される。層が基板から剥離するリスクを減らすことができるので、反射光学素子の寿命を接着促進層により延ばすことができる。研磨層は、施された層を通して続くと共に散乱放射線の増加の結果として反射率の損失につながり得る表面の粗さを補償することができる。
機能層は、ケイ素、炭素、アルミニウム、ニッケル、コバルト、ホウ素、タンタル、ジルコニウム、タングステン、ニオブ、モリブデン、バナジウム、クロム、銅、チタン、ハフニウム、それらの合金、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、若しくは他の化合物、又はそれらの組み合わせを含むのが有利である。
VUV波長域用の反射光学素子を製造する方法であって、少なくとも1つの第1層及び少なくとも1つの第2層を基板に施し、2つの層の一方は金属フッ化物層であり、他方は酸化物層である方法が提案される。100nm~200m、好ましくは120nm~190nmの範囲の波長用の寿命が改善された反射光学素子を、このようにして得ることができることが分かった。例えば特にマグネトロンスパッタリング、イオンアシスト蒸着、プラズマ成膜、加熱蒸発等の、全ての既知のコーティングプロセスが原理上は適している。これまで専ら用いられていた金属フッ化物層に比べて、酸化物層には、より単純に且つより多くの可能なタイプのコーティングにより製造できるという利点がある。特に、より緻密な層及び/又は薄い層でさえも酸化物に基づいて良好に製造することができる。
好ましい変形形態において、この反射光学素子は、原子層堆積(ALDとも称する)により製造することができる。特に緻密な、したがって例えば酸化に対して耐性のある層を、原子層堆積により製造することができる。原子層堆積により、特に薄く平滑な層を堆積させ、吸収及び散乱による反射率の損失をこのようにして低減することもできる。原子層堆積は、例えば独国特許出願公開第198 53 598号明細書において既知であり、その内容の全体を参照する。さらに、原子層堆積により、層厚を特に良好に制御することができ、こうして少なくとも1つの酸化物層を、反射時に形成される定在波の極小値に特に正確に位置決めすることができる。
場合によっては、金属フッ化物を第1層として施すことができ、酸化物、好ましくは金属酸化物を第2層として施すことができる。第2層の酸化物は、その下の金属フッ化物からなる第1層を含め特に良好な保護機能の達成を可能にし、反射率を第1及び第2層の厚さの適合により最適化することができる。
好ましい一変形形態において、第1層を施す前に金属層を基板に施すことができる。これは、特に非金属基板の場合に有利である。金属基板の場合、その表面を研磨することもできる結果として、上記表面で最大限の反射率が生じる。特に好ましくは、金属層は、対応する金属を真空で加熱することにより蒸着される。
任意のステップとして、第1層を施す前に、原子層堆積により金属フッ化物層を基板又は金属層に施すことができる。金属フッ化物層は、金属層又は特に金属基板の場合の基板表面をいわばシールし、原子層堆積により第1及び第2層を施すための専用コーティング室に基板を入れなければならない場合に金属表面の汚染を防止するので、これは生産技術面で有利である。特に好ましくは、金属フッ化物層は、対応する金属フッ化物を真空で加熱することにより蒸着される。
場合によっては、金属層に加えて又は金属層の代替として、少なくとも第1及び第2層を施す前又は施した後に誘電体層系を施すことができ、誘電体層系は、作動波長で低屈折率を有する材料からなる少なくとも1つの層と、作動波長で高屈折率を有する材料からなる少なくとも1つの層とを含む。誘電体層系は、特に狭い波長域の反射率を高める働きをすることができる。
好ましい例示的な実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。
VUVリソグラフィ用の装置の概略図を示す。 ウェーハ検査システムの概略図を示す。 第1反射光学素子の概略図を示す。 第2反射光学素子の概略図を示す。 第3反射光学素子の概略図を示す。 第4反射光学素子の概略図を示す。 製造方法の一実施形態の順序を示す。 製造方法のさらに別の実施形態の順序を示す。 金属層上の種々の材料に関する波長の関数としての反射光学素子の反射率を示す。 120nmの波長を有する放射線の反射時に形成される定常波と、第1層構成とを示す。 120nmの波長を有する放射線の反射時に形成される定常波と、第2層構成とを示す。 図9からの第1層構成の一実施形態に関する波長の関数としての反射光学素子の反射率を示す。 124nmの波長を有する放射線の反射時に形成される定常波と、第3層構成とを示す。 図13からの第3層構成の一実施形態に関する波長の関数としての反射光学素子の反射率を示す。 124nmの波長を有する放射線の反射時に形成される定常波と、第4層構成とを示す。 図15からの第4層構成の一実施形態に関する波長の関数としての反射光学素子の反射率を示す。
図1は、特に100nm~200nmの範囲の波長用の、VUVリソグラフィ用の装置1の概略基本図を示す。VUVリソグラフィ装置1は、基本構成部品として特に2つの光学系12、14、照明系12及び投影系14を備える。リソグラフィの実行には、例えば193nm、157nm、又は126nmで発光し且つVUVリソグラフィ装置の一体部分であり得る放射源10、特に好ましくはエキシマレーザが必要である。放射源10が発した放射線11は、レチクルとも称するマスク13を照明できるように照明系12を用いて調整される。ここに示す例では、照明系12は、透過及び反射光学素子を含む。例えば放射線11を集束させる透過光学素子120と、例えば放射線を偏向させる反射光学素子121とを、ここでは代表的に示す。既知のように、照明系12において、多種多様な透過光学素子、反射光学素子、及び他の光学素子を任意のより一層複雑な形で相互に組み合わせることができる。
マスク13は、その表面上に構造を有し、当該構造が、投影系14を用いて露光対象の素子15、例えば半導体コンポーネントの製造の状況ではウェーハに転写される。本例では、マスク13は透過光学素子として具現される。さらに他の実施形態において、これは反射光学素子として構成されることもできる。投影系14は、ここに示す例では少なくとも1つの透過光学素子を含む。ここに示す例では、2つの透過光学素子140、141が代表的に示されており、これらは例えば特にマスク13上の構造をウェーハ15の露光に望まれるサイズに縮小する働きをする。投影系14には、特に反射光学素子も設けることができ、多種多様な光学素子を任意に既知の形で相互に組み合わせることができる。透過光学素子を有しない光学系を用いることもできることを指摘しておく。
反射光学素子121は、金属反射コーティングを有する反射面1210を有するミラーである。特に広い波長域、例えば100nm~200nmで良好な反射率で用いることができるように、アルミニウムからなる金属層が金属反射コーティングとして有意義であることが分かった。さらに他の適当な金属は、特に斜入射で用いられる貴金属及び白金金属である。図1に示す例に関連して、特に真空紫外波長域用の1つの反射光学素子121についてしか述べていないが、言うまでもなく2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上のこのタイプの光学素子を例えばVUVリソグラフィ用の光学系に設けることができることを指摘しておく。特に、反射光学素子(単数又は複数)は、基板及びその上の金属層を含むVUV波長域用の反射光学素子であり、当該素子は、金属層に対して基板とは反対側に少なくとも1つの金属フッ化物層と、当該金属フッ化物層に対して基板とは反対側に少なくとも1つの酸化物層とを含むものであり、金属層に対して基板とは反対側の層の厚さは、VUV波長域の入射主要波長の反射時に形成される定在波の電場が少なくとも1つの酸化物層の領域で極小値を有するように選択され、主要波長は、VUV波長域の最小波長から主要波長までの少なくとも1つの酸化物層の材料の消衰係数の積分が、VUV波長域の最小波長から最大波長までの対応する積分の15%~47%、好ましくは18%~44%、特に好ましくは約33%であるように選択されることを特徴とする。これらの反射光学素子は、高反射率と共に長い寿命を有することができる。
このタイプの反射光学素子は、ウェーハ又はマスク検査システムで用いることもできる。ウェーハ検査システム2の例示的な一実施形態を図2に概略的に示す。説明はマスク検査システムにも適用可能である。
ウェーハ検査システム2は、放射源20を備え、その放射線を光学系22によりウェーハ25へ指向させる。この目的で、放射線は凹面ミラー220からウェーハ25へ反射される。マスク検査システムの場合、検査対象のマスクがウェーハ25の代わりに配置され得る。ウェーハ25により反射、回折、及び/又は屈折した放射線は、光学系22に同様に関連する凹面ミラー221によりさらなる評価のために検出器23へ指向される。放射源20は、実質的に連続した放射線スペクトルを提供するために、例えば1つのみの放射源又は複数の個別の放射源の組み合わせであり得る。変更形態において、1つ又は複数の狭帯域放射源を用いることもできる。好ましくは、波長又は波長帯は、100nm~200nm、特に好ましくは110nm~190nmの範囲である。
例えばVUVリソグラフィ装置1又はウェーハ若しくはマスク検査システム1の動作中に、各反射光学素子121、220、221の反射面1210、2210、2220の酸化が起こり得る。その寿命を延ばすために、光学系22の両方の及び場合によってはさらに他の(図示しない)光学素子と、リソグラフィ装置1のミラー121とは、図3、図4、又は図5を参照して説明するように構成され得る。
図3、図4、及び図5は、100nm~200nm、好ましくは120nm~190nmの波長用の反射光学素子3、4、5の可能な例示的な実施形態を概略的に示す。これらは、反射面37、47、57をそれぞれ有し、反射面は、図4及び図5に示す例では金属層49、59の形態の金属反射コーティングを有し、図3に示す例では金属基板31の研磨32により形成される。基板31は、アルミニウム、銅、又はアルミニウム-銅合金からなることが有利である。金属層49、59は、基板41、51上にそれぞれ施される。これは、基板41、51上に直接施され得るか、又は接着促進層及び/又は例えば平滑化層若しくは研磨層等の他の機能層が、金属層49、59と基板41、51との間に設けられ得る。図4に示す例示的な実施形態において、ケイ素、炭素、アルミニウム、ニッケル、コバルト、ホウ素、タンタル、ジルコニウム、タングステン、ニオブ、モリブデン、バナジウム、クロム、銅、チタン、ハフニウム、それらの合金、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、若しくは他の化合物、又はそれらの組み合わせを含む機能層42が、基板41と金属層49との間に配置される。研磨層としては、本例では、これは非晶質シリコン、炭素、ニッケル、又はニッケル-リンからなり得ることが好ましい。接着促進層としては、本例では、これは上述の材料の1つからなり得ることが好ましく、有利には基板材料及び金属層49の金属の両方に対する十分な接着を確保するよう留意すべきである。基板41、51は、石英、チタンドープ石英ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、セラミック、ガラスセラミック、炭化ケイ素、反応焼結ケイ素-炭化ケイ素複合材料、ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は酸窒化アルミニウムからなることが好ましい。これらは、アルミニウム、銅、又はアルミニウム-銅合金からなることもできる。金属層49、59は、アルミニウム、アルミニウム-シリコン合金、アルミニウム-マグネシウム合金、アルミニウム-シリコン-マグネシウム合金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、マグネシウム、又はそれらの組み合わせであることが好ましい。
金属層49、59及び/又は金属表面32を保護するために、金属フッ化物及び/又は酸化物、好ましくは金属酸化物又は二酸化ケイ素からなる少なくとも2つの層33、35、43、45、53、55が設けられる。本例では、これら2つの層は、原子層堆積により施すことができ、入射主要波長の反射時に形成される定在波の電場が少なくとも1つの酸化物層の領域で極小値を有するような層厚を有する。原子層堆積により、特に薄く平滑な層を堆積させ、吸収及び散乱による反射率の損失をこのようにして低減することができる。これにより、厚さわずか数ナノメートルの酸化物層でさえも施すことが可能となり、この層は、これまで用いられていた金属フッ化物に比べて酸化に対するより良い保護を与えるが、所望の範囲の多くの波長で金属フッ化物よりも吸収が高い。概して、原子層堆積により施された層は、さらに特に緻密であり、したがって同じ材料だが低密度を有する層よりも例えば酸化に対して耐性がある。代替として又は追加として、少なくとも1つの酸化物層の吸収は、低電場強度領域に位置決めすることにより大幅に低減させることができ、その結果として酸化物の保護機能を特に良好に利用することができる。原子層堆積により特に薄い層を製造できるので、結果として少なくとも1つの酸化物層を反射時に形成される定在波の節に特に正確に位置決めすることができる。原子層堆積以外には、例えば特にマグネトロンスパッタリング、イオンアシスト蒸着、プラズマ成膜、加熱蒸発等の、他のコーティングプロセスも適している。VUV波長域用の反射光学素子で酸化物層を保護層として用いる可能性は、高強度照射でも良好な寿命を有する反射光学素子を利用可能にするという意外な可能性につながる。
好ましくは、金属フッ化物層33、43、53は基板側に配置され、酸化物又は金属酸化物層35、45、55は上記金属フッ化物層に対して基板とは反対側に配置される。金属フッ化物として特に適しているのは、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、チオライト、クライオライト、フッ化エルビウム、フッ化ネオジム、フッ化ガドリニウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化サマリウム、フッ化ホルミウム、フッ化ハフニウム、フッ化ランタン、フッ化ユーロピウム、フッ化ルテチウム、フッ化セリウム、フッ化バリウム、フッ化イットリウム、又はそれらの組み合わせである。酸化物として特に適しているのは、二酸化ケイ素、フッ素ドープ二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ルテチウム、酸化カルシウム、酸化ハフニウム、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、又はそれらの組み合わせである。第2層の酸化物は、その下の金属フッ化物からなる第1層を含め特に良好な保護機能の達成を可能にし、第1及び第2層の厚さの適合により、特に放射線の反射時に形成される定常波の電場強度の極小値に酸化物層を位置決めすることにより、反射率を最適化することができる。
図3及び図4に示す例とは対照的に、図5に示す例では、それぞれ1つの金属フッ化物層及び1つの酸化物層だけでなく、交互に配置された3つの金属フッ化物層53及び2つの酸化物層55が設けられる。異なる変形形態において、これらの層の2つ、3つ、4つ、又は5つが、例えば原子層堆積により施されていてもよい。この場合、金属層59に対して基板とは反対側の層53、55の厚さは、入射作動波長の反射時に形成される定在波の電場がいずれの場合も酸化物層55の少なくとも一方、好ましくは両方の領域で極小値を有するように選択されるようになっている。層53、55は、反射率を高める働きをし得る誘電体層系を共に形成する。変形形態において、6つ以上の層を設けるか又は金属層59を省くことも可能である。さらに他の変形形態において、作動波長で異なる屈折率を有する材料として第1及び第2層の材料とは異なる材料を含む誘電体層系を設けることができる。それぞれ2つ以上の金属フッ化物層又は2つ以上の酸化物層が、それぞれ1つの金属フッ化物若しくは酸化物だけ、又はそれぞれ部分的に若しくは完全に異なる金属フッ化物若しくは酸化物からなる層を含むことができる。
図6は、反射面を有する反射光学素子6のさらに別の実施形態を単に例として示す。その目的で、金属層69が基板61上に設けられ、従来施される金属フッ化物層63’、63”からなる誘電体層系が金属層に対して基板とは反対側に設けられる。周囲に対する最終的なシールとして、基板側にさらに別の金属フッ化物層63と、基板とは反対側に酸化物層65とが設けられ、これら2つの層は、本例では原子層堆積により施される。
これら全ての記述された反射光学素子の実施形態の設計は、良好な寿命及び良好な反射率を有するために、金属層に対して基板とは反対側の層の厚さが、VUV波長域の入射主要波長の反射時に形成される定在波の電場が少なくとも1つの酸化物層の領域で極小値を有するように選択されるようなものであり、主要波長は、VUV波長域の最小波長から主要波長までの少なくとも1つの酸化物層の材料の消衰係数の積分が、VUV波長域の最小波長から最大波長までの対応する積分の15%~47%、好ましくは18%~44%、特に好ましくは約33%であるように選択される。
図7は、ここで提案される、VUV波長域の作動波長用の反射光学素子を製造する方法の一実施形態の順序を例として示す。第1ステップ101「基板へのアルミニウム層の蒸着」において、アルミニウムを真空中での加熱、すなわち加熱蒸着により基板に施す。基板材料に応じて、基板表面に予め接着促進層及び/又は平滑化層を設けておいてもよい。
第2ステップ703「アルミニウム層へのフッ化マグネシウム層の蒸着」において、原子層堆積用のコーティング室への導入前の取り扱い及び搬送中の基板の又は金属層の表面の汚染を回避するために、フッ化マグネシウム層を施す。その目的で、フッ化マグネシウム層も同様に加熱蒸着により施され、これは、前のステップと同じコーティング室内で実行することができる。フッ化マグネシウム層層の厚さにより、入射主要波長の反射時に形成される定在波の電場が酸化物層の領域で極小値を有するのに寄与することが可能である。1つのみの作動波長が用いられる場合、主要波長は作動波長に等しい。複数の波長が用いられるか又は多くの場合のように波長域が用いられる場合、短波長であるほど反射率が少なくとも1つの酸化物層により低下する可能性が高くなり得るので、これらの波長から又はこの波長域内で短波長側を主要波長として選択することが勧められる。特に、主要波長は、VUV波長域の最小波長から主要波長までの少なくとも1つの酸化物層の材料の消衰係数の積分が、VUV波長域の最小波長から最大波長までの対応する積分の15%~47%、好ましくは18%~44%、特に好ましくは約33%であるように選択することができる。例えば、120nm~190nmの波長域について二酸化ケイ素を考える場合、このようにして主要波長は約124nmとなる。酸化アルミニウムでは、このようにして上記波長域について主要波長が130nmとなる。数理最適化手法において、例えば用いる層材料の光学定数及びそれらの層厚を考慮し、場合によっては作動波長域のできる限り多くの波長について変えることで、主要波長を求めることにより、全反射率をさらに高めることができる。
第3ステップ705「蒸着済みフッ化マグネシウム層へのプラズマ成膜による二酸化ケイ素層の形成」において、アルミニウム層及びフッ化マグネシウム層の特に酸化に対する保護として、酸化物層を周囲又は真空に対する最終的なシールとして施す。プラズマ成膜により、特に緻密な、したがって耐性のある層が得られる。さらに、層厚を良好に制御することができる。変形形態において、全てのコーティングステップで、例えば特にマグネトロンスパッタリング、イオンアシスト蒸着、加熱蒸発の代わりにプラズマ成膜、プラズマ成膜の代わりに加熱蒸発等、他のタイプのコーティングを選択することも可能である。
図8は、ここで提案される、VUV波長域の作動波長用の反射光学素子を製造する方法のさらに別の実施形態の順序を例として示す。第1ステップ801「基板へのアルミニウム層の蒸着」において、ここに示す例ではアルミニウムを真空中での加熱により基板に施す。基板材料に応じて、基板表面に予め接着促進層及び/又は平滑化層を設けておいてもよい。
第2ステップ803「アルミニウム層へのフッ化マグネシウム層の蒸着」において、第1層を施す前に、原子層堆積用のコーティング室への導入前の取り扱い及び搬送中の基板の又は金属層の表面の汚染を回避するために、フッ化マグネシウム層を施す。その目的で、ここに示す例ではフッ化マグネシウム層を真空中で加熱し、これは、前のステップと同じコーティング室内で実行することができる。
ステップ805「蒸着済みフッ化マグネシウム層への原子層堆積によるフッ化マグネシウムからなる第1層の形成」及び807「形成済みフッ化マグネシウム層への原子層堆積による酸化マグネシウムからなる第2層の形成」を実行するために、アルミニウム及びフッ化マグネシウムでコーティングされた基板を続いてさらに別のコーティング室に入れる。変形形態において、これら2つのステップ805及び807を所望の頻度で繰り返すことができる。さらに他の実施形態において、アルミニウム層に加えて又はアルミニウム層の代替として、第1及び第2層を施す前に誘電体層系を施すことができ、誘電体層系は、反射光学素子の光学特性に目標通りの影響を及ぼすために、作動波長で低屈折率を有する材料からなる少なくとも1つの層と、作動波長で高屈折率を有する材料からなる少なくとも1つの層とを含む。その目的で、これらの層について、第1及び第2層の材料を用いるか又は他の材料を選択することが可能である。
図9において、いずれもアルミニウム反射コーティングを有する種々のミラーの反射率を、120nm~200nmの波長の関数として記す。コーティングされず酸化されていないアルミニウム表面は、全波長域で理想的には最大0.92の反射率を達成すると思われる。しかしながら、酸化の結果として非常に短時間に酸化アルミニウム層が形成され、この層の反射率(Al2O3で示す)は、短波長側に向かってわずか0.2の値まで減少し続ける。フッ化マグネシウムからなる保護層は、全体を通して反射率を0.9よりも高く保つことができる。(MgF2で示す)。しかしながら、リソグラフィ及びウェーハ及びマスクの検査で必要な放射強度では、わずか数時間後に、フッ化マグネシウムからなる保護層があるにもかかわらずアルミニウム表面の酸化が観察されて反射率が大幅に低下し得ることが分かった。アルミニウムミラーは、例えば二酸化ケイ素保護層を有する場合に寿命が長くなる。しかしながら、二酸化ケイ素は、120nm~150nmの波長域では吸収が部分的に非常に大きいことから、120nm~127nmの範囲の反射率(SiO2で示す)が酸化したアルミニウムミラーの反射率よりも低くさえなる。
したがって、良好な寿命と共に反射率の損失を最小化するために、金属フッ化物層の厚さを対応して選択することにより、最小限の吸収しか起こり得ない、反射時に形成される定在波の電場強度の極小値に酸化物層を配置することが提案される。さらに、酸化物層は、できる限り薄く緻密に施すことができる。アルミニウム表面での120nmの放射線の反射時に形成される定在波を、図10及び図11に示す。図10、図11では、アルミニウム層は負の距離から0nmまでである。それに対して、電場の絶対値の2乗として表される電場分布は約38nmの周期で変動する。2つの異なる層構成を、上方に例として概略的に示す。図10では、第1フッ化マグネシウム層B1がアルミニウム層Aの上に設けられ、できる限り薄い二酸化ケイ素層Cがアルミニウム層の前方約25nmで第1電場分布極小値に配置されて、二酸化ケイ素層の吸収を最小化するようにする。さらに別のフッ化マグネシウム層B2がその上に配置され得る。図11では、第2フッ化マグネシウム層B2は、第1フッ化マグネシウム層B1と同様に、薄い第2二酸化ケイ素薄層C2が同様に定在波の電場分布の極小値に、ここに示す例ではアルミニウム層の前方約61nmの第2極小値に配置されるような厚さを有する。
形成される定在波の周期は、用いる層材料に応じて変わることを指摘しておく。この点で、フッ化マグネシウムは、VUV波長域で低屈折率を有するとみなされるべきであり周期が長くなる一方で、高屈折率材料は周期が短くなる。この点で、例えば、例えばフッ化ランタンを有する同様の層構成の層厚は小さくなる。
図12は、120nm~200nmの波長域での図9からの層構成に従ったミラーの反射率を示す。このミラーは、アルミニウム層上に21nmの第1フッ化マグネシウム層、8nmの二酸化ケイ素層、及び33nmの第2フッ化マグネシウム層を含む。対応する反射率を破線の層(dashed layer)として示す。比較のために、8nm厚の二酸化ケイ素層のみでコーティングしたアルミニウムミラーの反射率も実線で示す。125nm付近の波長での電場強度極小値の領域に二酸化ケイ素層を位置決めする結果として、高放射強度でも長寿命であると共に、短波長域でも0.85を超える反射率を達成することが可能である。
図13は、図4に示す構造を有する反射光学素子の場合に124nmで形成される定在波を示す。この例に関与するのは、厚さ70nmの蒸着したアルミニウム反射コーティングA、その上の26nm厚のフッ化マグネシウム層B、及び周囲に対する最終的なシールを提供する5nm厚の二酸化ケイ素層Cである。フッ化マグネシウム層B及び二酸化ケイ素層Cの両方が、ここに示す例では原子層堆積により施される。層厚は、定在波が極小値を有する場所により吸収性の高い二酸化ケイ素層Cが位置するような寸法である。
120nm~200nmの波長域でのこの反射光学素子の垂直入射の場合の反射率を図14に示し、これは、この全波長域で実質的に90%~85%である。図3に示す対応する反射光学素子、すなわち例えばアルミニウム基板を有し、アルミニウムからなる専用金属反射コーティングを有しないが同一のフッ化マグネシウム層及び二酸化ケイ素層を有する反射光学素子の場合、同一の定在波が124nmで形成され、120nm~200nmの波長域での垂直入射の場合の反射率プロファイルは同一となることを指摘しておく。
図15は、図6に示す構成を有する反射光学素子の場合に124nmで形成される定在波を示す。上記素子は、ここに示す例では厚さ70nmのアルミニウム反射コーティングAを有する。その上には、124nmで異なる屈折率を有する交互に配置された層、すなわち、いずれの場合も厚さ19nmの蒸着したフッ化マグネシウム61からなる3つの層B及びいずれの場合も14.5nmの蒸着されたフッ化ランタンからなる2つの層B’の多層系が施される。上記多層系の基板及び反射コーティングAとは反対側には、ここに示す例では原子層堆積により、厚さ14nmのフッ化ランタンの層B”と、周囲に対する最終的なシールを提供する二酸化ケイ素からなる厚さ5nmの層Cとがある。層厚は、定在波が極小値を有する場所により吸収性の高い二酸化ケイ素層Cが位置するような寸法である。
120nm~200nmの波長域でのこの反射光学素子の垂直入射の場合の反射率を図16に示す。約120nm~約135nm及び約168nm~約200nmの範囲で、90%を超える反射率さえ達成される。反射率は、約135nm~約168nmの波長域で70%を下回らない。
特に広帯域放射線での照射に関する反射率を最適化するために、主要波長は、VUV波長域の最小波長から主要波長までの少なくとも1つの酸化物層の材料の消衰係数の積分が、VUV波長域の最小波長から最大波長までの対応する積分の15%~47%、好ましくは18%~44%、特に好ましくは約33%であるように選択される。反射光学素子での主要波長の反射時に生じる定在波の極小値の位置から、全帯域で最大反射率を最大化するために少なくとも1つの酸化物層を位置決めすべき場所が得られる。
ここで提案される手順により、製造及び設計の両方に関して、100nm~200nm、好ましくは120nm~190nmの範囲の波長用の反射光学素子の提供が可能となり、この反射光学素子は、少なくとも1つの酸化物層を設ける結果として、比較的高い放射強度で用いられる場合でも、驚くほど良好な反射率と共に長寿命を有することができる。
1 VUVリソグラフィ装置
2 ウェーハ検査システム
3 反射光学素子
4 反射光学素子
5 反射光学素子
6 反射光学素子
10 放射源
11 放射線
12 照明系
13 マスク
14 投影系
15 露光対象素子
20 放射源
21 放射線
22 光学系
23 検出器
25 ウェーハ
31 基板
32 基板表面
33 金属フッ化物層
35 酸化物層
37 反射面
41 基板
42 機能層
43 金属フッ化物層
45 酸化物層
47 反射面
49 金属層
51 基板
53 金属フッ化物層
55 酸化物層
57 反射面
59 金属層
61 金属フッ化物層
63、63’、63’” 金属フッ化物層
65 酸化物層
67 反射面
69 金属層
120 レンズ素子
121 ミラー
140 レンズ素子
141 レンズ素子
220 ミラー
221 ミラー
701 方法ステップ
703 方法ステップ
705 方法ステップ
801 方法ステップ
803 方法ステップ
805 方法ステップ
807 方法ステップ
1210 反射面
2210 反射面
2220 反射面
A アルミニウム層
B フッ化マグネシウム層
B’ フッ化ランタン層(蒸着)
B” フッ化ランタン層(原子層堆積)
B1 フッ化マグネシウム層
B2 フッ化マグネシウム層
C 二酸化ケイ素層
C1 二酸化ケイ素層
C2 二酸化ケイ素層

Claims (10)

  1. 基板及びその上の金属層を備えたVUV波長域用の反射光学素子であって、前記金属層(32、49、59)に対して前記基板とは反対側に少なくとも1つの金属フッ化物層(33、43、53)と、該金属フッ化物層に対して前記基板とは反対側に少なくとも1つの酸化物層(35、45、55)とを備えた反射光学素子において、前記金属層(32、49、59)に対して前記基板とは反対側の層(33、35、43、45、53、55)の厚さは、VUV波長域の入射主要波長の反射時に形成される定在波の電場が前記少なくとも1つの酸化物層(35、45、55)の領域で極小値を有するように選択され、前記少なくとも1つの酸化物層の厚さは、前記定在波の電場分布の周期の半分よりも小さく、前記主要波長は、VUV波長域の最小波長から前記主要波長までの前記少なくとも1つの酸化物層の材料の消衰係数の積分が、VUV波長域の前記最小波長から最大波長までの対応する積分の15%~47%であるように選択されることを特徴とする反射光学素子。
  2. 請求項1に記載の反射光学素子において、前記金属層(32、49、59)は、アルミニウム、アルミニウム-シリコン合金、アルミニウム-マンガン合金、アルミニウム-シリコン-マンガン合金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする反射光学素子。
  3. 請求項1又は2に記載の反射光学素子において、前記金属フッ化物層(33、43、53)は、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、チオライト、クライオライト、フッ化エルビウム、フッ化ネオジム、フッ化ガドリニウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化サマリウム、フッ化ホルミウム、フッ化ハフニウム、フッ化ランタン、フッ化ユーロピウム、フッ化ルテチウム、フッ化セリウム、フッ化バリウム、フッ化イットリウム、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする反射光学素子。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の反射光学素子において、前記酸化物層(35、45、55)は、二酸化ケイ素、フッ素ドープ二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ルテチウム、酸化カルシウム、酸化ハフニウム、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする反射光学素子。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の反射光学素子において、前記基板(31、41、51)は、石英、チタンドープ石英ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、セラミック、ガラスセラミック、ケイ素、炭化ケイ素、ケイ素-炭化ケイ素複合材料、アルミニウム、銅、又はアルミニウム-銅合金からなることを特徴とする反射光学素子。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の反射光学素子において、機能層(42)が前記基板(31、41、51)と前記金属層(32、49、59)との間に配置されることを特徴とする反射光学素子。
  7. 請求項6に記載の反射光学素子において、前記機能層は、接着促進層又は研磨層として具現されることを特徴とする反射光学素子。
  8. 請求項6又は7に記載の反射光学素子において、前記機能層(42)は、ケイ素、炭素、アルミニウム、ニッケル、コバルト、ホウ素、タンタル、ジルコニウム、タングステン、ニオブ、モリブデン、バナジウム、クロム、銅、チタン、ハフニウム、それらの合金、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、若しくは他の化合物、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする反射光学素子。
  9. 請求項1~8の何れか1項に記載の反射光学素子において、前記少なくとも1つの酸化物層は、前記少なくとも1つの金属フッ化物層の何れよりも薄いことを特徴とする反射光学素子。
  10. 請求項1~8の何れか1項に記載の反射光学素子において、前記少なくとも1つの酸化物層の厚さは8nm以下であることを特徴とする反射光学素子。
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