JPH06235354A - 内燃機関の蒸発燃料蒸散防止装置の故障診断装置及び蒸発燃料供給系の保護装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料蒸散防止装置の故障診断装置及び蒸発燃料供給系の保護装置

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JPH06235354A
JPH06235354A JP5241863A JP24186393A JPH06235354A JP H06235354 A JPH06235354 A JP H06235354A JP 5241863 A JP5241863 A JP 5241863A JP 24186393 A JP24186393 A JP 24186393A JP H06235354 A JPH06235354 A JP H06235354A
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pressure
fuel
evaporated fuel
leak
engine
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JP5241863A
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Shuichi Yoneyama
修一 米山
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸気系に供
給する蒸発燃料供給系のリーク診断を、燃料蒸気圧力に
影響されずに精度良く行なう。 【構成】蒸発燃料配管2a・2b、キャニスタ3、およ
び燃料タンク1内の空間容積で構成される蒸発燃料供給
系の内部空間容積を、機関吸気負圧によって所定負圧に
吸引した後パージカットバルブ4を閉じた時に前記負圧
が大気圧へ向かって上昇する時の圧力上昇速度を少なく
とも2点で検出し、これら圧力上昇速度の変化量を求め
ることにより、燃料タンク1内の燃料蒸気圧力がリーク
診断精度に与える影響を排除できるので、精度良くリー
ク診断を行なえるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンクに溜まる蒸
発燃料の大気中への蒸散を防止するための蒸発燃料蒸散
防止装置の故障診断装置及び燃料タンクから吸着手段を
介して吸気系に至る蒸発燃料供給系の保護装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の燃料タンク等において
気化した蒸発燃料が、大気中に放出され、環境破壊の原
因となることを防止するために、吸着手段(キャニス
タ)に吸着された蒸発燃料を、機関の吸気負圧を利用し
て吸気通路に導くようにした蒸発燃料蒸散防止装置を設
け、これにより、蒸発燃料を吸入空気と共に燃焼室内に
吸入させて燃焼させることで(以下、パージ処理と言
う。)、大気中への蒸発燃料の蒸散を防止することが提
案されている。
【0003】しかしながら、かかる蒸発燃料蒸散防止装
置に、後述するような故障が発生すると、該故障によっ
て不都合が生じる。つまり、前記蒸発燃料配管の途中に
リーク穴や、蒸発燃料配管の接合部にシール不良部等が
生じた場合には、該蒸発燃料を大気中に蒸散させてしま
うこととなり、十分に該装置の効果を発揮できないこと
があった。
【0004】そこで、例えば、Environmental Protect
ion Agency(EPA〔米国環境保護庁〕)やCalifornia
Air Resources Board(CARB〔カリフォルニア州大
気資源局〕)等は、該蒸発燃料配管等からの蒸発燃料の
リーク量が許容値以下であるか否かを診断して、該許容
値を越える場合には対策を講じ蒸発燃料の大気中への蒸
散を未然に防止することを要求すると共に、そのリーク
診断装置(故障診断装置)、および診断方法等を提案し
ている。
【0005】かかる従来の蒸発燃料リーク診断装置を図
21に示す。図21によると、燃料タンク1に蒸発燃料
配管2aの一端部が結合され、他端部は蒸発燃料を吸着
するためのキャニスタ3に結合されている。前記蒸発燃
料配管2aの途中には、蒸発燃料配管内の圧力を検出す
る圧力センサ6が設けられている。該圧力センサ6の信
号はエンジンコントロールモジュール50に入力され、
該信号に基づいて蒸発燃料配管内の圧力変化速度が求め
られるようになっている。
【0006】また、該エンジンコントロールモジュール
50には、蒸発燃料のリーク診断用の判定値が記憶され
ていて、該判定値と前述した圧力変化速度とを比較する
ことで、蒸発燃料のリークを診断できるようになってい
る。そして、前記キャニスタ3に蒸発燃料配管2bの一
端部が結合され、他端部は機関の吸気通路に結合される
と共に、その途中にはパージカットバルブ4が設けられ
ている。前記キャニスタ3には、通常の機関運転時およ
び蒸発燃料を吸気通路に導入する際には開弁して大気と
連通し、リーク診断時には閉弁して大気と遮断できるド
レンカットバルブ5が設けられている。
【0007】かかる構成を有する従来の蒸発燃料リーク
診断装置により、図22に示すフローチャートに基づい
て蒸発燃料のリーク診断が行なわれる。ステップ1(図
では、S1と記してある。以下同様)では、所定の機関
運転状態においてパージカットバルブ4を開くことによ
り、機関の吸気負圧により、キャニスタ3に吸着されて
いた蒸発燃料が機関に吸引される。
【0008】ステップ2では、ドレンカットバルブ5を
閉じることにより、蒸発燃料配管2a、2b、キャニス
タ3、燃料タンク1内空間、で構成される蒸発燃料供給
系(以下、単に蒸発燃料供給系と言う)に機関吸引負圧
が導かれる。ステップ3では、蒸発燃料供給系の圧力が
所定の負圧まで達したか、或いは吸引が所定時間行なわ
れたか否かを判断する。
【0009】ステップ4では、パージカットバルブ4を
閉じる。これにより、負圧を維持する内部空間(以下、
蒸発燃料配管2a、2b、キャニスタ3、燃料タンク1
の内部空間、で構成される蒸発燃料供給系を、パージカ
ットバルブ4、ドレンカットバルブ5で閉じて形成され
る空間を内部空間と言う)が形成される。ステップ5で
は、前記内部空間内の圧力変化をモニターし、大気圧力
に向かう圧力変化速度(圧力上昇速度)を検出する(図
18参照)。
【0010】ステップ6では、前記圧力変化速度が予め
記憶されている判定値に比べ大きい場合には、ステップ
7へ進み、蒸発燃料のリーク量が許容値を越えていると
診断し、前記圧力変化速度が前記判定値以下の場合に
は、ステップ8へ進み、蒸発燃料のリーク量は許容値以
下であると診断するようになっている。その後は、ステ
ップ9において、ドレンカットバルブ5を開弁して本フ
ローチャートを終了する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の蒸発燃料のリーク診断装置では、図18に示すよ
うに、前記内部空間内の圧力変化速度が、蒸発燃料の燃
料蒸気圧力に大きく影響を受けるために、リークに起因
した圧力変化速度のみを精度良く検出することは困難で
あった。そのため、リーク診断に際して以下のような問
題があった。例えば、大気圧力に向かう圧力変化速度
(圧力上昇速度)に関してリーク判定値を設定した場合
において、燃料タンク内の燃料温度が高く、すなわち前
記蒸発燃料量が少なく燃料蒸気圧力が低い時に合わせて
リーク判定値を設定したとすると、燃料温度が高い時に
は燃料温度が低い時に較べて燃料蒸気圧力が高くなるた
めに、圧力変化速度は見掛け上大きくなるので、実際に
蒸発燃料のリーク量が許容値を越えていない場合におい
ても、蒸発燃料のリークがあると診断される可能性があ
った。
【0012】本発明は、かかる従来の実情に鑑みなされ
たもので、蒸発燃料の蒸気圧力の影響を受けずに、蒸発
燃料のリーク診断を精度良く行なえる内燃機関の蒸発燃
料蒸散防止装置の故障診断装置を提供することを第1の
目的とする。また、かかる蒸発燃料の蒸気圧力を積極的
に利用することで、蒸発燃料のリーク診断を行なうこと
ができるようにした内燃機関の蒸発燃料蒸散防止装置の
故障診断装置を提供することを第2の目的とする。
【0013】ところで、他の蒸発燃料蒸散防止装置の故
障による不具合としては、以下のようなものがある。す
なわち、前記パージカットバルブ4を開弁して、前記キ
ャニスタ3に吸着された蒸発燃料を吸入させる際に、前
記ドレンカットバルブ5も同時に開弁し、前記キャニス
タ3と外気(大気或いはスロットル弁の上流側吸気通
路)とを連通させることによって、その吸入効率を高め
るようにしているが、このとき、例えば前記ドレンカッ
トバルブ5が固着等して閉弁したままであったり、或い
は前記ドレンカットバルブ5が介装される連通路自体が
潰れてしまっている場合等には、前記連通が遮断される
ことになって、前記蒸発燃料供給系内の負圧が過剰に増
大する。このため、例えば蒸発燃料供給系のなかでも特
に構造的に弱い燃料タンク1が潰れてしまうことが考え
られる。
【0014】このため、本発明の第3の目的は、前記吸
着手段(キャニスタ)と外気との連通状態の異常を検出
し、該異常時に前記蒸発燃料供給系内の負圧が過剰に増
大することによる故障発生を回避するようにした内燃機
関の蒸発燃料供給系の保護装置を提供することを第3の
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明にかかる蒸発燃料蒸散防止装置の故障診断装置
は、図1に示すように、燃料タンクの内部に溜まる蒸発
燃料を吸着手段により一時的に吸着し、所定の機関運転
状態で前記吸着手段を機関の吸気系と連通させ、機関の
吸気負圧によって吸着手段から蒸発燃料を離脱吸引して
吸気系に導き処理するようにした蒸発燃料蒸散防止装置
を備えた内燃機関において、所定の条件で前記燃料タン
クから吸着手段を介して吸気系に至る蒸発燃料供給系内
の圧力を検出する圧力検出手段Aと、前記蒸発燃料供給
系を機関の吸気系にのみ連通させたときの前記蒸発燃料
供給系内の圧力変化速度、或いは前記吸気系のみに連通
することによって所定負圧に達した蒸発燃料供給系を吸
気系と遮断したあとの前記蒸発燃料供給系内の圧力変化
速度のうち何れか一方の圧力変化速度を少なくとも2点
以上検出し、該圧力変化速度の変化量に基づいて前記蒸
発燃料供給系のリーク状態を診断する蒸発燃料リーク診
断手段Bと、を含んで構成した。
【0016】請求項2に記載の蒸発燃料蒸散防止装置の
故障診断装置は、図2に示すように、燃料タンクの内部
に溜まる蒸発燃料を吸着手段により一時的に吸着し、所
定の機関運転状態で前記吸着手段を機関の吸気系と連通
させ、機関の吸気負圧によって吸着手段から蒸発燃料を
離脱吸引して吸気系に導き処理するようにした蒸発燃料
蒸散防止装置を備えた内燃機関において、所定の条件で
前記燃料タンクから吸着手段を介して吸気系に至る蒸発
燃料供給系内の圧力を検出する圧力検出手段Aと、前記
圧力検出手段Aからの圧力に関する情報と予め設定され
たリーク判定値とに基づいて前記蒸発燃料供給系のリー
ク状態を診断する蒸発燃料リーク診断手段Cと、燃料タ
ンク内における燃料蒸気発生量を予測検出する燃料蒸気
発生量検出手段Dと、前記燃料蒸気発生量検出手段Dに
より予測検出された燃料蒸気発生量に応じて前記リーク
判定値を補正するリーク判定値補正手段Eと、を含んで
構成した。
【0017】請求項3に記載の蒸発燃料蒸散防止装置の
故障診断装置は、図3に示すように、燃料タンクの内部
に溜まる蒸発燃料を吸着手段により一時的に吸着し、所
定の機関運転状態で前記吸着手段を機関の吸気系と連通
させ、機関の吸気負圧によって吸着手段から蒸発燃料を
離脱吸引して吸気系に導き処理するようにした蒸発燃料
蒸散防止装置を備えた内燃機関において、前記吸着手段
の上流側通路に介装され所定圧力で開弁して燃料タンク
の内部に溜まった蒸発燃料を通過させるチェックバルブ
Fと、前記チェックバルブと前記燃料タンクとの間の蒸
発燃料供給系内閉空間の圧力を検出する圧力検出手段G
と、前記閉空間が大気圧より高く設定された所定圧力値
以上となる条件を検出するリーク診断開始条件検出手段
Hと、前記リーク診断開始条件検出手段Hにより前記閉
空間が大気圧より高く設定された所定圧力値以上となる
条件を検出して後に、前記圧力検出手段Gにより検出さ
れた圧力値と予め設定されたリーク判定値とに基づいて
リーク状態を診断する蒸発燃料リーク診断手段Iと、を
含んで構成した。
【0018】請求項4に記載の蒸発燃料供給系の保護装
置は、図4に示すように、燃料タンクの内部に溜まる蒸
発燃料を吸着手段により一時的に吸着し、所定の機関運
転状態で前記吸着手段を機関の吸気系と連通させ、機関
の吸気負圧によって吸着手段から蒸発燃料を離脱吸引し
て吸気系に導き処理するようにした蒸発燃料蒸散防止装
置を備えた内燃機関において、前記燃料タンクから吸着
手段を介して吸気系に至る蒸発燃料供給系内の圧力を検
出する圧力検出手段Aと、前記吸着手段と吸気系との連
通時に、前記圧力検出手段Aにより検出された圧力値が
所定値以下の異常値であるときには前記蒸発燃料供給系
と吸気系との連通を遮断する連通遮断手段Jと、を含ん
で構成した。
【0019】
【作用】請求項1に記載の蒸発燃料蒸散防止装置の故障
診断装置の構成では、圧力検出手段の信号に基づいて、
蒸発燃料供給系と機関吸気系とを連通して蒸発燃料供給
系内を機関吸気負圧によって吸引するときの蒸発燃料供
給系内の圧力変化速度(圧力低下速度)、或いは前記吸
気系のみに連通することによって所定負圧に達した蒸発
燃料供給系を吸気系と遮断したあと前記蒸発燃料供給系
内の圧力が大気圧力へ向かう圧力変化速度(圧力上昇速
度)のうち何れか一方の圧力変化速度を少なくとも2点
以上検出し、該圧力変化速度の変化量(即ち、圧力変化
速度の傾き)を求める。かかる変化量は、図9に示すよ
うに、燃料蒸気による圧力変動分を排除した蒸発燃料の
リーク量にのみ依存する値であるので、該変化量を利用
してリーク診断を行なうことにより、燃料蒸気圧力の影
響を排除した精度の良い蒸発燃料のリーク診断が可能と
なる。
【0020】請求項2に記載の蒸発燃料蒸散防止装置の
故障診断装置の構成では、リーク判定値補正手段によ
り、燃料蒸気発生量検出手段により燃料蒸気発生量を予
測検出して、該予測に基づきリーク判定値を燃料蒸気圧
力上昇分を考慮したリーク判定値に補正するようになし
たので、燃料蒸気圧力の影響を排除した精度の良い蒸発
燃料のリーク診断が可能となる。
【0021】請求項3に記載の蒸発燃料蒸散防止装置の
故障診断装置の構成では、リーク診断開始条件検出手段
により、前記チェックバルブと燃料タンクとの間の蒸発
燃料供給系の閉空間が大気圧より高く設定された所定圧
力値以上となる条件か否かを判断し、条件成立と判断し
た場合には、前記閉空間の圧力値を検出して、該圧力値
とリーク判定値とを比較することによってリーク診断を
行なう。これは、図17に示すように、燃料タンク内に
おいて燃料蒸気が発生すると、その燃料蒸気圧力の影響
で前記閉空間が大気圧より高くなることを積極的に利用
したもので、前記検出された圧力値がリーク判定値(大
気圧近傍)より高い場合にはリークは無いと診断し、前
記検出された圧力値が前記リーク判定値以下の場合には
リークが有ると診断することができる。
【0022】そして、請求項4に記載の蒸発燃料供給系
の保護装置の構成では、前記連通遮断手段により、前記
吸着手段と吸気系との連通時に、前記圧力検出手段によ
り検出された圧力値が所定値以下の異常値であるときに
前記蒸発燃料供給系と吸気系との連通を遮断する。これ
により、蒸発燃料供給系内の圧力が過剰に増大するのが
防止され、例えば構造的に最も弱い燃料タンク等が潰れ
る等の蒸発燃料供給系の故障を防止することができる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の第1の実施例を添付の図面
に基づき説明する。但し、図21において示した従来例
との同一部分は、同一符号を付している。図5におい
て、燃料タンク1には、上壁に蒸発燃料配管2aの一端
部が結合され、該蒸発燃料配管2aの他端部は蒸発燃料
を一時的に吸着するキャニスタ3に結合されている。前
記蒸発燃料配管2aの途中には、蒸発燃料供給系内の圧
力を検出する圧力センサ6が設けられている。ここで、
圧力センサ6が圧力検出手段を構成する。
【0024】そして、前記キャニスタ3に蒸発燃料配管
2bの一端部が結合され、他端部は機関の吸気通路に結
合されると共に、その途中にはパージカットバルブ4が
設けられている。また、前記キャニスタ3には、従来例
と同様にドレンカットバルブ5が設けられている。尚、
チェックバルブ7は、従来例同様に無くても構わない
が、備えていれば、燃料タンク1とキャニスタ3との間
に所定圧力で開弁して蒸発燃料をキャニスタ3に送り、
所定圧力未満で蒸発燃料の燃料タンク1への逆流を防止
することができるので、確実に蒸発燃料をキャニスタ3
に吸着させることができるが、図6に示すように、チェ
ックバルブ7をバイパスするバイパス通路30と、該バ
イパス通路30の途中にバイパスバルブ31を加えて構
成して、蒸発燃料のリーク診断時にバイパスバルブ31
を開弁してチェックバルブ7をバイパスする状態で行な
えば、チェックバルブ7の開弁圧の影響を受けてリーク
診断に誤差が生じるのを排除することも可能である。そ
して、リーク診断後は前記バイパスバルブ31を閉弁す
ることで、蒸発燃料の流れ方向を前記チェックバルブ7
により規制できる。
【0025】前記圧力センサ6の信号は、エンジンコン
トロールモジュール50に入力され、エンジンコントロ
ールモジュール50において、該信号に基づく圧力変化
がモニターされ圧力変化速度、及び圧力変化速度の変化
量(圧力変化速度の傾き)を求めることができるように
なっている。ここにおいて、圧力変化速度の変化量は、
少なくとも2つの測定点における圧力変化速度で求めれ
ばよいが、かかる2つの測定点は所定負圧近傍、大気圧
力近傍の2点であればより好ましい(図8参照)。
【0026】また、該エンジンコントロールモジュール
50の内部メモリには、蒸発燃料のリーク診断用の判定
テーブルが記憶されていて、検出した圧力変化速度の変
化量と該判定テーブルとにより、蒸発燃料のリーク診断
が行なえるようになっている。ここで、例えば図8に示
すように、所定負圧から大気圧力へ圧力が変化する場合
において、所定負圧近傍での圧力変化速度(ΔP1)
と、大気圧近傍での圧力変化速度(ΔP2)とを少なく
とも測定し、かかる2点の圧力変化速度の変化量(ΔΔ
P=ΔP1−ΔP2)を求める場合を一例として詳細に
説明すると、燃料蒸気が発生して燃料蒸気圧力が前記内
部空間容積の圧力検出の際に付加されたとしても、図9
に示すように、前記内部空間容積内の圧力に対する圧力
変化速度の直線(ΔP1とΔP2とを通る直線)は、燃
料蒸気圧力分だけ平行移動するような傾向にあり、圧力
変化速度の傾き(変化量)(ΔΔP=ΔP1−ΔP2)
には変化が少ないという特性があることがわかる。すな
わち、圧力変化速度の傾きは、燃料蒸気圧力の影響を殆
ど受けずにリーク穴径(面積)にのみ依存する値である
ことがわかる。
【0027】したがって、この特性を利用して、リーク
穴面積に対する前記圧力変化速度の変化量(ΔΔP)の
影響を調べると、図10に示すような傾向を得るため、
燃料蒸気圧力をも考慮したリーク判定値を設定すること
ができるのである。かかる構成を有する蒸発燃料リーク
診断装置により、図7に示すフローチャートに基づい
て、エンジンコントロールモジュール50は蒸発燃料供
給系のリーク診断を行なう。
【0028】ステップ10では、所定の機関運転状態に
おいてパージカットバルブ4を開くことにより、機関の
吸気負圧により、キャニスタ3内に吸着された蒸発燃料
が機関に吸引される。ステップ11において、ドレンカ
ットバルブ5を閉じることにより、蒸発燃料配管2a、
2b、キャニスタ3、燃料タンク1内空間、で構成され
る蒸発燃料供給系に機関吸引負圧が導かれる。
【0029】ステップ12において、圧力センサ6の信
号を基に、蒸発燃料供給系内の圧力が所定の負圧まで達
したか、或いは吸引が所定時間行なわれたか否かを判断
する。達していなければステップ11へ戻り、達した場
合にはステップ13へ進む。ステップ13において、パ
ージバルブ4を閉じる。これにより、負圧を維持する内
部空間が形成される。
【0030】ステップ14において、圧力センサ6の信
号を基に前記内部空間の圧力変化をモニターし、大気圧
力に向かう圧力変化速度を測定するが、その際に、図8
に示すように所定負圧近傍での圧力変化速度(ΔP1)
と、大気圧近傍での圧力変化速度(ΔP2)とを少なく
とも測定し、かかる2点の圧力変化速度の変化量(ΔΔ
P=ΔP1−ΔP2)を求める。ここでは、説明を簡単
にするために2点の圧力変化速度の差としたが、2点以
上を検出して単回帰分析等により傾きを求めてもよい。
【0031】つづいて、ステップ15において、前記圧
力変化速度の変化量(ΔΔP)が図10に示すリーク判
定値を越えた場合には、ステップ16へ進み、蒸発燃料
のリーク量は許容値を越えていると診断し、前記圧力変
化速度の変化量(ΔΔP)がリーク判定値以下の場合に
は、ステップ17へ進み、蒸発燃料のリーク量は許容値
以下であると診断する。ここで、ステップ15、16、
17が蒸発燃料リーク診断手段を構成する。
【0032】その後、ステップ18において、ドレンカ
ットバルブ5を開弁して本フローチャートを終了する。
このように、第1の実施例では、燃料蒸気圧力の影響を
受けない圧力変化速度の変化量(傾き)を求め、該変化
量に基づいてリーク診断を行なうようになしたので、燃
料蒸気圧の影響を考慮に入れた精度の良い蒸発燃料のリ
ーク診断を行なうことができる。
【0033】なお、本実施例においては、前記内部空間
内圧力が大気圧力に向かう圧力変化速度(圧力上昇速
度)の変化量(傾き)を求める方法で説明したが、前記
内部空間容積内を負圧に吸引するときの圧力変化速度
(圧力低下速度)の変化量(傾き)を求める方法でも良
いのは勿論である。尚、チェックバルブ7をバイパスす
るバイパス通路30と、該バイパス通路30の途中にバ
イパスバルブ31を加えて構成した場合には、ステップ
11において、前記バイパスバルブ31を開弁させるこ
とにより、リーク診断時にチェックバルブ7の開弁圧力
の影響を受けないようにすることができるので、リーク
位置がチェックバルブ7より燃料タンク1側にあるか、
あるいは機関側にあるかによって生じる誤差を少なくす
ることができ、より精度の高い蒸発燃料のリーク診断を
可能にする。
【0034】つづいて、本発明の第2の実施例を添付の
図面に基づき説明する。第2の実施例の構成は、図11
に示すように、第1の実施例の構成に対して、燃料タン
ク1に燃料の温度(Tf ) を検出する燃料温度センサ2
0が新たに設けられ、燃料温度センサ20からの出力信
号がエンジンコントロールモジュール50に入力され
る。コントロールユニット50では、該検出された燃料
温度(Tf) に基づいて燃料蒸気発生量(換言すれば燃
料蒸気圧力)を予測検出できるようになっている(図1
3参照)。ここで、燃料温度センサ20とコントロール
ユニット50とが燃料蒸気発生量検出手段を構成する。
【0035】圧力センサ6の信号は、従来例同様に、エ
ンジンコントロールモジュール50に入力され、該信号
に基づいて蒸発燃料配管内の圧力変化速度が求められる
ようになっている。そして、第2の実施例におけるエン
ジンコントロールモジュール50の内部メモリには、蒸
発燃料のリーク診断用の判定値が記憶されていて、該判
定値と検出した圧力変化速度とを比較することで、蒸発
燃料のリークを診断できるようになっているが、図14
に示すリーク判定値補正テーブルのように、前記燃料温
度センサ20により検出される燃料蒸気発生量〔或いは
燃料温度(Tf ) そのものでも構わない)に基づいて燃
料蒸気圧分を予測考慮したリーク判定値に補正されるよ
うになっている。かかるリーク判定値補正テーブルが、
リーク判定値補正手段を構成する。
【0036】ここで、図12に示すフローチャートに基
づき、コントロールモジュール50が行なう蒸発燃料の
リーク診断について説明する。ステップ20では、所定
の機関運転状態においてパージカットバルブ4を開くこ
とにより、機関の吸気負圧により、キャニスタ3内に吸
着された蒸発燃料が機関に吸引される。
【0037】ステップ21において、燃料温度センサ2
0の信号に基づいて、燃料タンク内の燃料温度(Tf )
を検出する。ステップ22において、検出された燃料温
度(Tf ) が所定値以上であるか否かを判断する。所定
値以上の場合には、ステップ23へ進む。所定値より低
い場合には、リーク診断を禁止して本フローを終了す
る。
【0038】ステップ23において、ドレンカットバル
ブ5を閉じることにより、蒸発燃料供給系内に機関の吸
引負圧負圧が導かれる。ステップ24において、圧力セ
ンサ6の信号を基に、蒸発燃料配管内の圧力が所定の負
圧まで達したか、或いは吸引が所定時間行なわれたか否
かを判断する。達していなければステップ23へ戻り、
達した場合にはステップ25へ進む。
【0039】ステップ25において、パージカットバル
ブ4を閉じる。これにより、負圧を維持する内部空間が
形成される。ステップ26において、図18に示すよう
に、圧力センサ6の信号を基に前記内部空間内の圧力変
化をモニターし、大気圧力に向かう圧力変化速度(圧力
上昇速度)を検出する。
【0040】ステップ27において、前記検出された圧
力変化速度が前記燃料温度(Tf )に応じた前記判定値
を越えた場合には、ステップ28へ進み、蒸発燃料のリ
ーク量は許容値を越えていると診断し、前記圧力変化速
度が判定値以下の場合には、ステップ29へ進み、蒸発
燃料のリーク量は許容値以下であると診断する。ここ
で、ステップ27、28、29が蒸発燃料リーク診断手
段を構成する。
【0041】その後、ステップ30において、ドレンカ
ットバルブ5を開弁して本フローチャートを終了する。
かかる構成を有する第2の実施例によれば、燃料温度セ
ンサ20により燃料タンク内に残存する燃料温度
(Tf ) を検出し、これに応じて燃料蒸気発生量を予測
し、該予測に基づいてリーク判定値を燃料蒸気圧力分を
考慮した値に補正するようになしたので、蒸発燃料の蒸
気圧力の影響を受けない精度の良い蒸発燃料のリーク診
断を行なうことができる。
【0042】なお、第2の実施例では、所定負圧に吸引
した後大気圧力に向かう圧力変化速度(圧力上昇速度)
を検出したが、所定負圧に吸引する時の圧力変化速度
(圧力低下速度)を検出する場合にも適用可能であるこ
とは勿論である。また、燃料蒸気発生量検出手段とし
て、燃料温度センサ20を用いたが、機関に供給されず
に燃料タンクに戻される高温のリターン燃料量を流量計
等で検出して或いは機関運転条件より推定して、そのリ
ターン量の大小によって燃料タンク内の燃料温度を予測
するようにしても勿論構わない。
【0043】次に、本発明の第3の実施例について、添
付の図面に基づき説明する。第3の実施例の構成は、図
15に示す如く、第1・第2の実施例に対してドレンバ
ルブ5を省略した構成である。また、パージカットバル
ブ4についても、本実施例においては、リーク診断には
使用せず、単にキャニスタ3に吸着された蒸発燃料を機
関に吸引する時にのみ作動するようになっている。そし
て、圧力検出手段を構成する圧力センサ6は、その取り
付け位置がチェックバルブ7と燃料タンク1との間に限
定される。ここにおいて、圧力センサ6は、これに代え
て所定の圧力値以上でON信号をコントロールユニット
50に出力する圧力スイッチとすることもできる。
【0044】一方、キャニスタ3と燃料タンク1との間
の閉空間の圧力が大気圧より高く設定された所定圧力値
以上となる条件を検出するリーク診断開始条件検出手段
として、燃料タンク内の燃料が所定温度以上であること
を検出する燃料温度センサ21が設けられる。このこと
は、第2の実施例と同様に、燃料温度センサ21により
検出される燃料温度に基づいて燃料蒸気発生量が予測で
きること、すなわち、所定温度以上であれば前記閉空間
の内圧が大気圧以上に上昇することを利用しているので
ある。
【0045】ここにおいても、第2の実施例同様に、燃
料温度を直接検出する燃料温度センサ21の代わりに、
機関に供給されずに燃料タンクに戻される高温のリター
ン燃料量を流量計等で検出して或いは機関運転条件より
推定して、そのリターン量の大小によって燃料タンク内
の燃料温度を予測することも可能である。また、機関へ
の燃料供給停止中において燃料タンク内の液体燃料が燃
料蒸気となって液体燃料量が減少したことを燃料ゲージ
20等により検出して、リーク診断開始条件を検出する
こともできる。
【0046】そしてさらに、リーク診断開始条件検出手
段として給油等のために燃料タンク給油口に設けられる
フィラーキャップが開閉したことを検出できるフィラー
キャップセンサ22を設けて、該フィラーキャップセン
サ22によりフィラーキャップが一旦開けられてその後
閉じられたことを検出してもよい。これは、フィラーキ
ャップが開かれることにより燃料タンク1内に新気が導
入され、燃料タンク1内の飽和状態が解かれ前記閉空間
の圧力が開閉前に較べてより高い側に上昇すること、併
せて、燃料タンク1内が大気圧に一旦戻されることを利
用するものである。例えば、キャニスタ3に貯留されて
いた蒸発燃料を機関へ吸入させた際に燃料タンク1内も
機関の吸気負圧を受け負圧となる場合があるが、かかる
場合には燃料蒸気が発生しても燃料タンク1内が大気圧
以下の負圧に維持されたままの状態になることがある。
この場合に、フィラーキャップが一旦開けられてその後
閉じられたことを検出して、燃料タンク1内が大気圧に
一旦戻されたことを条件にリーク診断を開始するように
なせば、後述するリーク診断の際に誤診断を防止するこ
とができ、極めて有効なリーク診断開始条件検出手段と
なる。
【0047】前記燃料温度センサ21、燃料ゲージ2
0、フィラーキャップセンサ22は、夫々単独に設けら
れてもリーク診断開始条件検出手段として成立するもの
であるが、これらを組み合わせて用いれば、より検出精
度が向上するものである。前記各リーク診断開始条件検
出手段の信号は、コントロールユニット50に入力され
る。
【0048】ところで、圧力センサ6の信号はエンジン
コントロールモジュール50に入力されて、チェックバ
ルブ7と燃料タンク1内空間との間の閉空間部分の圧力
値がモニターされる。そして、エンジンコントロールモ
ジュール50では、かかる閉空間の圧力値と予め設定さ
れているリーク判定値(大気圧近傍)とを比較すること
で、蒸発燃料のリークを診断するようになっている。
【0049】以下に、図16に示すフローチャートに基
づく、コントロールモジュール50が行なう蒸発燃料の
リーク診断について説明する。ステップ40では、前述
した各種センサの信号がコントロールユニット50に読
み込まれる。ステップ41では、これら各種信号に基づ
いてリーク診断開始条件が成立したか否かを判断する。
成立したと判断した場合にはステップ42へ進み、成立
していないと判断した場合には、ステップ40へ戻る。
【0050】ステップ42では、所定時間経過したか否
かを判断する。所定時間経過していなければステップ4
0へ戻り、所定時間経過した場合にはステップ43へ進
む。ステップ43では、圧力センサ6の信号を基に前記
空間内の圧力値を検出する。或いは、圧力スイッチのO
N信号を読み込むようにしてもよい。ステップ44にお
いて、前記検出された圧力値がリーク判定値と比較され
る。図17に示すように、前記検出された圧力値がリー
ク判定値以下の場合には、ステップ45へ進み、蒸発燃
料のリーク量は許容値を越えていると診断し、前記検出
された圧力値がリーク判定値より大きい場合には、ステ
ップ46へ進み、蒸発燃料のリーク量は許容値以下であ
ると診断する。或いは、圧力スイッチのON・OFF信
号で判断するようにしてもよい。ここで、ステップ4
4、45、46が蒸発燃料リーク診断手段を構成する。
【0051】このように、第3の実施例によれば、蒸発
燃料の蒸気圧力を積極的に利用して燃料供給系内のリー
ク状態を診断することにより、ドレンカットバルブ5を
必要としない簡単な構成でリーク診断を行なうことがで
きる。なお、前記第1、第2の実施例において、燃料タ
ンク内に残存する燃料の量にってリーク診断の判定精度
が低下するような場合(例えば、機関の吸引負圧により
燃料タンクから燃料自体が吸い上げられてしまうような
場合)等には、診断を行なわないようにするのは当然の
ことである。
【0052】次に、本発明の第3の目的であるところ
の、前記吸着手段(キャニスタ)と外気との連通状態の
異常を検出し、該異常時における蒸発燃料供給系の故障
を回避するための蒸発燃料供給系の保護装置について、
第4の実施例に基づいて説明する。第4の実施例におけ
る全体構成は、図19に示すように、図5に示したもの
と同様である。但し、ドレンカットバルブ5を介装する
連通路に新たに符号5’が付されている。
【0053】そして、連通遮断手段としての機能を備え
るコントロールユニット50は、以下のような連通遮断
制御を行なうことで、ドレンカットバルブ5が閉弁した
ままになった場合や、或いは連通路5’が何らかの外力
によって潰れてしまった場合等の異常状態を検出すると
共に、該異常状態が検出されたときには、パージ処理を
禁止する等して、蒸発燃料供給系内の負圧が極大化し
て、蒸発燃料供給系の故障、例えば燃料タンク1が潰れ
るのを防止する。
【0054】前記連通遮断制御に関して、図20に示す
フローチャートに従って説明することにする。ステップ
50では、機関運転中であるか否かを判断する。YES
であれば、ステップ51へ進み、NOであればそのまま
本フローを終了する。ステップ51では、パージカット
バルブ4の開閉状態を表すフラグFSHUTが0(開
弁)か1(閉弁)かを判断する。0(開弁)の場合に
は、ステップ52へ進む。1(閉弁)の場合には、ステ
ップ54へ進む。
【0055】ステップ52では、圧力センサ6により検
出される蒸発燃料供給系内の圧力値(負圧)が所定値以
下であるか否かを判断する。ところで、パージカットバ
ルブ4を開弁しても、ドレンカットバルブ5が閉弁した
ままになった場合や連通路5’が目詰まりしていない限
り、キャニスタ3と外気とが連通されるので、蒸発燃料
供給系内は大きな負圧にならない。
【0056】したがって、YESの場合には、蒸発燃料
供給系内の負圧が所定負圧以下の異常負圧となっている
のであるから、ドレンカットバルブ5が閉弁したままか
或いは連通路5’が潰れていると判断して、ステップ5
3へ進む。NOの場合には、正常であるとして、そのま
ま本フローを終了する。ステップ53では、燃料タンク
1の潰れ等の故障発生を防止すべく、機関吸気負圧が蒸
発燃料供給系に導かれないように、パージカットバルブ
4を閉弁すると共に、FSHUTを1にして、さらに別
のルーチンで行なうパージ処理を禁止した後、ステップ
54へ進む。なお、このとき、該異常負圧が発生してい
ることを、運転者に認知させて修理等の処理を促すよう
にしてもよい。
【0057】該ステップ53が、連通遮断手段を構成す
る。ステップ54では、機関運転が停止されたか否かを
判断する。YESの場合には、ステップ55へ進んで、
再びパージカットバルブ4を開弁し、FSHUTを0に
した後、本フローを終了する。一方、NOの場合には、
機関の運転が継続されているので、燃料タンク1の潰れ
等の故障発生を防止すべく、パージカットバルブ4を閉
弁維持して、本フローを終了する。
【0058】このように、第4の実施例によれば、ドレ
ンカットバルブ5が固着等によって開弁作動できなくな
った場合や、連通路5’が何らかの外力によって潰れて
しまった場合等の異常状態を検出し、該異常状態が検出
されたときには、パージ処理等を禁止することで、蒸発
燃料供給系内の負圧の極大化に伴う蒸発燃料供給系の故
障、特に燃料タンク1が潰れてしまうことを防止するこ
とができる。また、これらの故障を運転者に認知させて
処置を促すようにしてもよい。
【0059】ところで、本実施例では、リーク診断用の
ドレンカットバルブ5を備えるものについて説明した
が、該ドレンカットバルブ5を備えないものにも適用で
きることは自明である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、燃料蒸気圧力の影響を殆ど受けない圧力
変化速度の変化量(傾き)を求め、該変化量に基づいて
リーク診断を行なうようになしたので、燃料蒸気圧の影
響を考慮に入れた精度の高い蒸発燃料のリーク診断を行
なうことができる。
【0061】請求項2に記載の発明では、燃料タンク内
に残存している燃料の温度を検出し、これに応じて燃料
蒸気発生量を予測し、該予測に基づいてリーク判定値を
燃料蒸気圧力分を考慮した値に補正するようになしたの
で、蒸発燃料の蒸気圧力の影響を受けない精度の高い蒸
発燃料のリーク診断を行なうことができる。請求項3に
記載の発明により、蒸発燃料の蒸気圧力を積極的に利用
して燃料供給系内のリーク状態を診断することにより、
ドレンカットバルブを必要としない簡単な構成でリーク
診断を行なうことができる。
【0062】また、請求項4に記載の発明によれば、前
記吸着手段と機関吸気系との連通時に、蒸発燃料供給系
内が異常負圧となったときには、前記連通を遮断するよ
うになしたので、蒸発燃料供給系内の負圧の極大化に伴
う蒸発燃料供給系の故障、特に燃料タンクが潰れてしま
うことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明にかかる蒸発燃料リーク
診断装置の構成を示すブロック図。
【図2】請求項2に記載の発明にかかる蒸発燃料リーク
診断装置の構成を示すブロック図。
【図3】請求項3に記載の発明にかかる蒸発燃料リーク
診断装置の構成を示すブロック図。
【図4】請求項4に記載の発明にかかる蒸発燃料供給系
の保護装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第1の実施例にかかる全体構成図。
【図6】本発明の第1の実施例にかかる別の全体構成
図。
【図7】本発明の第1の実施例にかかるフローチャー
ト。
【図8】本発明の第1の実施例にかかる所定負圧近傍で
の圧力変化速度(ΔP1)と大気圧近傍での圧力変化速
度(ΔP2)を示す図。
【図9】本発明の第1の実施例にかかる燃料蒸気発生の
有無による内部空間内の圧力変化速度の変化量(ΔΔ
P)を示す図。
【図10】本発明の第1の実施例にかかるリーク面積と
内部空間内圧力変化速度の変化量(ΔΔP)の関係と、
リーク判定値とを示す図。
【図11】本発明の第2の実施例にかかる全体構成図。
【図12】本発明の第2の実施例にかかるフローチャー
ト。
【図13】燃料温度(Tf)と燃料蒸気発生量との関係
を示す図。
【図14】本発明の第2の実施例にかかるリーク判定値
補正テーブル。
【図15】本発明の第3の実施例にかかる全体構成図。
【図16】本発明の第3の実施例にかかるフローチャー
ト。
【図17】本発明の第3の実施例にかかるリーク状態判
定方法を示す図。
【図18】同じリーク量の時の燃料蒸気発生の有無によ
る内部空間圧力の負圧吸引変化(圧力低下速度)とリー
クダウン圧力変化(圧力上昇速度)を示すタイムチャー
ト。
【図19】本発明の第4の実施例にかかる全体構成図。
【図20】本発明の第4の実施例にかかる連通遮断制御
を説明するフローチャート。
【図21】従来例にかかる全体構成図。
【図22】従来例にかかるフローチャート。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2 蒸発燃料配管 2a 蒸発燃料配管 2b 蒸発燃料配管 3 キャニスタ 4 パージカットバルブ 5 ドレンカットバルブ 5’ 連通路 6 圧力センサ 7 チェックバルブ 20 燃料残量ゲージ 21 燃料温度センサ 22 フィラーキャップセンサ 50 エンジンコントロールモジュール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンクの内部に溜まる蒸発燃料を吸着
    手段により一時的に吸着し、所定の機関運転状態で前記
    吸着手段を機関の吸気系と連通させ、機関の吸気負圧に
    よって吸着手段から蒸発燃料を離脱吸引して吸気系に導
    き処理するようにした蒸発燃料蒸散防止装置を備えた内
    燃機関において、 所定の条件で前記燃料タンクから吸着手段を介して吸気
    系に至る蒸発燃料供給系内の圧力を検出する圧力検出手
    段と、 前記蒸発燃料供給系を機関の吸気系にのみ連通させたと
    きの前記蒸発燃料供給系内の圧力変化速度、或いは前記
    吸気系のみに連通することによって所定負圧に達した蒸
    発燃料供給系を吸気系と遮断したあとの前記蒸発燃料供
    給系内の圧力変化速度のうち何れか一方の圧力変化速度
    を少なくとも2点以上検出し、該圧力変化速度の変化量
    に基づいて前記蒸発燃料供給系のリーク状態を診断する
    蒸発燃料リーク診断手段と、 を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料
    蒸散防止装置の故障診断装置。
  2. 【請求項2】燃料タンクの内部に溜まる蒸発燃料を吸着
    手段により一時的に吸着し、所定の機関運転状態で前記
    吸着手段を機関の吸気系と連通させ、機関の吸気負圧に
    よって吸着手段から蒸発燃料を離脱吸引して吸気系に導
    き処理するようにした蒸発燃料蒸散防止装置を備えた内
    燃機関において、 所定の条件で前記燃料タンクから吸着手段を介して吸気
    系に至る蒸発燃料供給系内の圧力を検出する圧力検出手
    段と、 前記圧力検出手段からの圧力に関する情報と予め設定さ
    れたリーク判定値とに基づいて前記蒸発燃料供給系のリ
    ーク状態を診断する蒸発燃料リーク診断手段と、 燃料タンク内における燃料蒸気発生量を予測検出する燃
    料蒸気発生量検出手段と、 前記燃料蒸気発生量検出手段により予測検出された燃料
    蒸気発生量に応じて前記リーク判定値を補正するリーク
    判定値補正手段と、 を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料
    蒸散防止装置の故障診断装置。
  3. 【請求項3】燃料タンクの内部に溜まる蒸発燃料を吸着
    手段により一時的に吸着し、所定の機関運転状態で前記
    吸着手段を機関の吸気系と連通させ、機関の吸気負圧に
    よって吸着手段から蒸発燃料を離脱吸引して吸気系に導
    き処理するようにした蒸発燃料蒸散防止装置を備えた内
    燃機関において、 前記吸着手段の上流側通路に介装され所定圧力で開弁し
    て燃料タンクの内部に溜まった蒸発燃料を通過させるチ
    ェックバルブと、 前記チェックバルブと前記燃料タンクとの間の蒸発燃料
    供給系内閉空間の圧力を検出する圧力検出手段と、 前記閉空間が大気圧より高く設定された所定圧力値以上
    となる条件を検出するリーク診断開始条件検出手段と、 前記リーク診断開始条件検出手段により前記閉空間が大
    気圧より高く設定された所定圧力値以上となる条件を検
    出して後に、前記圧力検出手段により検出された圧力値
    と予め設定されたリーク判定値とに基づいてリーク状態
    を診断する蒸発燃料リーク診断手段と、 を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料
    蒸散防止装置の故障診断装置。
  4. 【請求項4】燃料タンクの内部に溜まる蒸発燃料を吸着
    手段により一時的に吸着し、所定の機関運転状態で前記
    吸着手段を機関の吸気系と連通させ、機関の吸気負圧に
    よって吸着手段から蒸発燃料を離脱吸引して吸気系に導
    き処理するようにした蒸発燃料蒸散防止装置を備えた内
    燃機関において、 前記燃料タンクから吸着手段を介して吸気系に至る蒸発
    燃料供給系内の圧力を検出する圧力検出手段と、 前記吸着手段と吸気系との連通時に、前記圧力検出手段
    により検出された圧力値が所定値以下の異常値であると
    きに前記蒸発燃料供給系と吸気系との連通を遮断する連
    通遮断手段と、 を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料
    供給系の保護装置。
JP5241863A 1992-12-16 1993-09-28 内燃機関の蒸発燃料蒸散防止装置の故障診断装置及び蒸発燃料供給系の保護装置 Pending JPH06235354A (ja)

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