JPH0622943Y2 - 電気接続用コネクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は電気接続用コネクタに係わり、特にカード状回
路支持体の一端面に形成された雌型接触子と嵌合される
雄型接触子を有する電気接続用コネクタに係わる。

［従来の技術］ IC搭載のカード状記憶体の一端面に形成された雌型接触
子と嵌合される雄型接触子を有する電気接続コネクタと
して、カード状記憶体の一方の主面に当接して該カード
状記憶体の雌型接触子の前記雄型接触子への嵌合を案内
する案内表面を有するコネクタ本体部と、該嵌合の際カ
ード状記憶体の前記一方の主面を前記案内表面に密接さ
せるべくカード状記憶体の他方の主面を弾性的に押圧す
るようにコネクタ本体部に取り付けられた押圧機構とか
らなるコネクタは、提案されている。

この種の従来提案されているコネクタでは、夫々が、一
端側で前記本体部に接続されており、他端側で前記嵌合
の際カード状記憶体の前記一方の主面を前記案内表面に
密接させるべくカード状記憶体の他方の主面を弾性的に
押圧するように構成された二つの押圧片によつて前記押
圧機構が形成されている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし乍ら、この従来提案されている電気接続用コネク
タでは、前記二つの押圧片の押圧部がカード状記憶体の
嵌合方向に直交する方向に実質的に一列に並んでいる故
に、カード状記憶体の前記雌型接触子形成端部とは逆側
の端部に、カード状記憶体の前記一方の主面を前記案内
面から浮かせるような方向のこじりが加えられた場合該
こじりに抗してカード状記憶体を支持し難い。従つて、
該端部側に前記方向にこじり力が加えられた場合、端面
側の雌型接触子が本体部の雄型接触子に嵌合され難かつ
たり、雄型接触子が曲げられる虞れがある。

本考案は、前記した点に鑑みなされたものであり、その
目的とするところは、前記こじり力に抗してカード状支
持体の嵌合離脱をより確実に案内し得る押圧機構を有す
る電気接続用コネクタを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案によれば、前記した目的は、押圧機構が、カード
状支持体の前記嵌合方向に離間した少なくとも二箇所で
カード状支持体の前記他方の主面の弾性的押圧を行うべ
く前記嵌合方向に交差する方向に並んだ少なくとも二列
の押圧片からなる電気接続用コネクタによつて達成され
る。

［作用及び効果］ 本考案の電気接続用コネクタでは、前記押圧機構がカー
ド状支持体の前記嵌合方向に離間した少なくとも二箇所
でカード状支持体の前記他方の主面の弾性的押圧を行う
べく前記嵌合方向に交差する方向に並んだ少なくとも二
列の押圧片からなる故に、カード状支持体の前記嵌合の
際該カード状支持体の前記一方の主面が前記方向のこじ
り力に抗して前記案内表面に密接せしめられ得るため、
該こじり力に抗してカード状支持体の嵌合離脱がより確
実に案内され得る。その結果、本考案の電気接続用コネ
クタでは、雄型及び雌型接触子の嵌合離脱が確実に行わ
れ得、雄型接触子が折り曲げられたりする虞れが少な
い。

［実施例］ 本発明の好ましい一実施例のコネクタでは、各列の各押
圧片は一端側で前記本体部に接続されており前記嵌合の
際カード状支持体の前記一方の主面を前記案内表面に密
接させるべく他端側でカード状支持体の他方の面を弾性
的に押圧するように片持ち梁状に構成されている。

また、本発明の好ましい一実施例のコネクタでは、前記
カード状支持体がIC搭載のカードである。

次に、本考案による好ましい一実施例を図面に基づいて
説明する。

第１図乃至第３図中、１はカード状回路支持体としての
IC搭載カード状記憶体であり、カード状記憶体１の端面
２には該カード状記憶体１へのデータの出し入れを行う
ために一列に（第１図の紙面に垂直な方向に）雌型接触
子３が形成されている。

一方、４は電気接続コネクタであり、コネクタ４は、一
端５側で開口した凹部６を有するケース状のコネクタ本
体部７と、該本体部７の前記開口部５と逆側の底壁８を
貫通して該底壁８に埋設固定された雄型接触子９と、カ
ード状記憶体１の一方の主面10をコネクタ１の案内面11
に押し付けるべくカード状記憶体１の他方の主面12を前
記案内面11側に押し付ける押圧機構13とからなる。

雄型接触子９は、カード状記憶体１の雌型接触子３と同
様に第１図の紙面に垂直な方向（Ｃ方向）に並んでい
る。尚、雄型接触子９の他方の凹部６外に突出した端部
14は例えば全体として二列の千鳥格子状の半田付け部を
形成するように折り曲げられている。

リン青銅などの導電性弾性体からなる押圧機構13は、第
１図の紙面に垂直な方向Ｃに伸長する二列の弾性押圧部
15,16を有する。一具体例の押圧機構13のより詳細な構
造は、第２図及び第３図に示されている。

第２図から判るとおり、ケース状のコネクタ本体部７の
開口５側の壁部17,18には凹状の切り欠き19,20が形成さ
れている。また、本体部７の壁部17の開口５側の縁部に
は、二列の係合孔21,22が形成されている。係合孔21
は、孔21a,21b,21c,21d,21eからなり、係合孔22は孔22
a,22b,22c,22dからなる。各孔21,22の数はより多くても
少なくてもよい。尚、この係合孔は三列以上あつてもよ
い。ケース状本体部７には、更に、取り付け孔23,24が
形成された装着部25,26が設けられている。

一方、押圧機構13は、コネクタ本体部７の壁部17の開口
５側の縁部27に沿つて伸長するように該縁部27と同様な
形状を有しており、コネクタ本体部７の係合孔21a，…
…，21e及び22a，……，22dと係合される舌状部28a，…
…，28e及び29a，……，29dを有している。押圧機構13
の押圧部15及び16は、コネクタ本体部７の縁部27に取り
付けられた状態では、壁部17の開口５側端部を越えて壁
部17の内側乃至裏側にまわりこんだ片持ち梁状の弾性突
出片部15a,15b,15c,15d,15e及び16a,16b,16c,16dからな
る。各片持ち梁状の弾性片部15,16はケース状本体部７
の開口５から奥に向かつて伸長している故に、カード１
のＡ方向の嵌合乃至挿入を容易とする反面、Ｂ方向の離
脱乃至抜けが誤つて生じる虞れが少ない。尚、弾性片1
5,16のカード１に当接する部分30は滑らかな凸状に湾曲
されている。

押圧機構13のコネクタ本体部７への固定は、該押圧機構
13の両端に形成された装着部31,32をボルト乃至ビスな
どの締付部材33を介して本体部７の装着部25,26に固定
することによつてなされる。

以上の如く構成された本考案による好ましい一実施例の
電気接続コネクタ４は、例えば、開口５へのアクセスが
可能なように他の装置乃至壁に埋設乃至配設されて用い
られる。このコネクタ４では、該コネクタ４へのカード
１の嵌合・離脱方向Ａ，Ｂに直交する方向Ｃに沿つて並
んだ二列の弾性押圧部15，及び16即ち15a,15b，……，1
5e，及び16a，……，16dがカード１の挿入方向に関して
開口部５と雄型接触子９との間に設けられている故に、
カード１が開口部５から凹部６にＡ方向に嵌合乃至挿入
されると、カード１の挿入端２が雄型接触子９のところ
に達する前に、二列の弾性片15,16の両方がカード１の
一方の主面12をＤ方向に押してカード１の他方の面10を
案内面11に押し付けるため、Ｃ方向の押圧片列が一列し
かない場合と比較してＥ方向（特にE1方向）のこじりに
対しても、カード１の面10の全体が確実に案内面11に押
し付けられ得、雌型接触子３が確実に雄型接触子９には
めあわされ得る。

また、コネクタ４では、弾性押圧片15,16が二列ある故
に、各押圧片の個々の押圧力は該弾性片が一列しかない
場合よりも小さくされ得る。従つて、カード１の挿入
（嵌合）乃至離脱のためにカード１がコネクタ本体７に
対してA,B方向に摺動される場合でも、カード１の表面
が各弾性片15,16によつて傷つけられる虞れが少なく、
使用者が不特定多数になり使用の仕方に習熟を期待し難
くても、カード１の寿命が比較的長く保たれ得る。ま
た、カード１の厚さが厚い場合でも薄い場合でも比較的
同様にカード１の嵌合・離脱を案内し得る。

しかも、コネクタ４では、カード１の嵌合の際カード１
の表面が押圧片15,16及び押圧機構13の基部13a並びに止
めねじ33を介して本体７の取付用の回路基板にアースさ
れ得るため、カード１の表面が静電気を帯びていても該
静電気が除去され得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による好ましい一実施例の電気接続コネ
クタへのカードの挿入を示す断面説明図、第２図は第１
図のコネクタの押圧機構装着前の状態の斜視説明図、第
３図は第１図のコネクタにおいて押圧機構の装着状態を
コネクタの一部について示す一部破断断面説明図であ
る。 １……カード状回路支持体、３……雌型接触子、 ７……コネクタ本体部、９……雄型接触子、 10,12……主面、11……案内面、13……押圧機構、 15,16……弾性押圧片部。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カード状回路支持体の一端面に形成された
   雌型接触子と嵌合される雄型接触子を有する電気接続コ
   ネクタであつて、 カード状支持体の一方の主面に当接して該カード状支持
   体の雌型接触子の前記雄型接触子への嵌合を案内する案
   内表面を有するコネクタ本体部と、 該嵌合の際カード状支持体の前記一方の主面を前記案内
   表面に密接させるべくカード状支持体の他方の主面を弾
   性的に押圧するようにコネクタ本体部に取り付けられた
   押圧機構とからなり、 該押圧機構が、カード状支持体の前記嵌合方向に離間し
   た少なくとも二箇所でカード状支持体の前記他方の主面
   の前記弾性的押圧を行うべく前記嵌合方向に交差する方
   向に並んだ少なくとも二列の押圧片からなる電気接続用
   コネクタ。
2. 【請求項２】各列の各押圧片は一端側で前記本体部に接
   続されており前記嵌合の際カード状支持体の前記一方の
   主面を前記案内表面に密接させるべく他端側でカード状
   支持体の他方の面を弾性的に押圧するように片持ち梁状
   に構成されている請求項１に記載のコネクタ。
3. 【請求項３】前記カード状支持体がIC搭載のカードであ
   る請求項１又は２のいずれか１つの項に記載のコネク
   タ。