JPH06228712A - 高温強度および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品 - Google Patents

高温強度および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれからなる排気系部品

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JPH06228712A
JPH06228712A JP1622493A JP1622493A JPH06228712A JP H06228712 A JPH06228712 A JP H06228712A JP 1622493 A JP1622493 A JP 1622493A JP 1622493 A JP1622493 A JP 1622493A JP H06228712 A JPH06228712 A JP H06228712A
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JP
Japan
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cast steel
resistant cast
machinability
less
austenitic heat
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JP1622493A
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Norio Takahashi
紀雄 高橋
Toshio Fujita
利夫 藤田
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 1000℃という高温度での強度に優れさら
に被削性に優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼およびそれ
からなるエキゾーストマニホールドやタービンハウジン
グ等の自動車の排気系部品を得る。 【構成】 オーステナイト系耐熱鋳鋼は、重量比率で、
C:0.2〜0.6%,Si:1.5%未満,Mn:
1.0%以下,Ni:8〜20%,Cr:15〜30
%,Nb:0.2〜1.0%,W:2〜6%,B:0.
001〜0.01%,残部:Feおよび不可避不純物,
あるいはそれらにMo:0.2〜1.0%,S:0.0
2〜0.3%,REM(Ce,La,Nd,Pr),M
g,Caの1種または2種以上:0.001〜0.1%
からなる組成を有する。このオーステナイト系耐熱鋳鋼
は、自動車の排気系部品に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジンの排気
系部品等に適する耐熱鋳鋼に関し、高温度での強度が優
れかつ被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼および
それからなる排気系部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の耐熱鋳鉄、耐熱鋳鋼としては、例
えば表1に比較材として示すような組成のものがある。
自動車のエキゾーストマニホールドやタービンハウジン
グ等の排気系部品等においては、使用条件が高温過酷と
なることから、高Si球状黒鉛鋳鉄、フェライト系耐熱
鋳鋼や表1に示すようなニレジスト鋳鉄(Ni−Cr−
Cu系オーステナイト鋳鉄)等の耐熱鋳鉄などが採用さ
れていた。
【0003】オーステナイト系耐熱鋳鋼として、特開昭
61−87852号公報には、C,Si,Mn,N,N
i,Cr,V,Nb,Ti,B,WおよびFeからなる
組成を特定し、クリープ強度と耐力を向上する開示があ
る。また、特開昭61ー177352号公報には、C,
Si,Mn,Cr,Ni,Al,Ti,B,Nbおよび
Feからなる組成を限定し、酸素含有量および清浄度を
特定して、高温特性とともに室温特性をに改善する開示
がある。更に、特公昭57ー8183号公報には、Fe
−Ni−Crオーステナイト系耐熱鋳鋼の炭素量を増加
させるとともに、Nb,Coを添加して、高温耐酸化性
を低下させずに、高温強度を向上する開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来の耐熱鋳
鉄、耐熱鋳鋼のうち、高Si球状黒鉛鋳鉄は、室温強度
は比較的良好であるが、高温強度、耐酸化性が劣る。ま
たフェライト系耐熱鋳鋼は900℃以上の降温強度が絶
対的に劣るという問題がある。さらに、ニレジスト鋳鉄
は、900℃までは高温強度は比較的良好であるが、そ
れ以上の温度では耐久性が劣る。また、このニレジスト
鋳鉄は、Ni含有量が多く高価であるという問題点があ
る。
【0005】また、上記特開昭61ー87852号公報
のものは、C量が0.15重量%以下と低いことによ
り、900℃以上での高温強度が不足し、またTiを
0.002〜0.5重量%含有するため、大気溶解では
有害な非金属介在物の生成を招く恐れがある。
【0006】また、上記特開昭61ー177352号公
報のものは、Niを多量に含有するため、高温でイオウ
(S)雰囲気が存在すると、損傷を受ける恐れがある。
【0007】また、特公昭57ー8183号公報のもの
は、高炭素(C)のため、高温で長時間の使用中に脆化
する恐れがある。
【0008】従って、本発明は、上記従来の耐熱鋳鉄、
耐熱鋳鋼の問題点を解決し、より高温強度に優れ、さら
に被削性に優れ、かつ安価に製造可能な耐熱鋳鋼を提供
することを目的とする。
【0009】本発明のもう一つの目的は、かかる耐熱鋳
鋼からなる排気系部品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、Fe−Ni−Cr基オーステナ
イト系耐熱鋳鋼に、Nb,W,BあるいはそれらにMo
を添加することにより高温強度を向上することができる
ことを見い出し、さらにS,REM,Mg,Caを添加
することにより、被削性、室温延性を向上することがで
きることを見いだし本発明に想到した。
【0011】すなわち、本第1の発明の高温強度および
被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼は、重量比率
で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, B : 0.001〜 0.01%, S : 0.02 〜 0.3 %, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする。
【0012】本第1の発明の望ましい範囲は、重量比率
で、 C : 0.2 〜 0.5 %, Ni: 8 〜15 %, Cr:17 〜25 %, Nb: 0.2 〜 0.7 %, W : 2 〜 5 %, B : 0.001〜 0.008%, S : 0.02 〜 0.25 % である。
【0013】次に、本第2の発明の高温強度および被削
性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼は、重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, B : 0.001〜 0.01%, REM(Ce,La,Nd,Pr),Mg,Caの1種
または2種以上: 0.001〜0.1%, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする。
【0014】本第2の発明の望ましい範囲は、重量比率
で、 C : 0.2 〜 0.5 %, Ni: 8 〜15 %, Cr:17 〜25 %, Nb: 0.2 〜 0.7 %, W : 2 〜 5 %, B : 0.001〜 0.008%, REM:0.01 〜 0.1 % である。
【0015】次に、本第3の発明の高温強度および被削
性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼は、重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, Mo: 0.2 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.01%, S : 0.02 〜 0.3 %, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする。
【0016】本第3の発明の望ましい範囲は、重量比率
で、 C : 0.2 〜 0.5 %, Ni: 8 〜15 %, Cr:17 〜25 %, Nb: 0.2 〜 0.7 %, W : 2 〜 5 %, Mo: 0.3 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.008%, S :0.03 〜 0.25% である。
【0017】次に、本第4の発明の高温強度および被削
性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼は、重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, Mo: 0.2 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.01%, REM(Ce,La,Nd,Pr),Mg,Caの1種
または2種以上: 0.001〜0.1%, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする。
【0018】本第4の発明の望ましい範囲は、重量比率
で、 C : 0.2 〜 0.5 %, Ni: 8 〜15 %, Cr:17 〜25 %, Nb: 0.2 〜 0.7 %, W : 2 〜 5 %, Mo: 0.3 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.008%, REM:0.01 〜 0.1 % である。
【0019】次に、本第5の発明の高温強度および被削
性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼は、重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, B : 0.001〜 0.01%, S : 0.02 〜 0.3 %, REM(Ce,La,Nd,Pr),Mg,Caの1種
または2種以上: 0.001〜0.1%, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする。
【0020】本第5の発明の望ましい範囲は、重量比率
で、 C : 0.2 〜 0.5 %, Ni: 8 〜15 %, Cr:17 〜25 %, Nb: 0.2 〜 0.7 %, W : 2 〜 5 %, B : 0.001〜 0.008%, S : 0.03 〜 0.25% REM:0.01 〜 0.1 % である。
【0021】次に、本第6の発明の高温強度および被削
性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼は、重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, Mo: 0.2 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.01%, S : 0.02 〜 0.3 %, REM(Ce,La,Nd,Pr),Mg,Caの1種
または2種以上: 0.001〜0.1%, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする。
【0022】本第6の発明の望ましい範囲は、重量比率
で、 C : 0.2 〜 0.5 %, Ni: 8 〜15 %, Cr:17 〜25 %, Nb: 0.2 〜 0.7 %, W : 2 〜 5 %, Mo: 0.3 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.008%, S : 0.03 〜 0.25% REM:0.01 〜 0.1 % である。
【0023】
【作用】以下、本発明の高温強度および被削性の優れた
オーステナイト系耐熱鋳鋼の各合金元素の組成範囲の限
定理由について詳細に説明する。
【0024】(1)C(炭素):0.2〜0.6% Cは、溶湯の流動性すなわち鋳造性を良くする作用があ
り、また一部基地に固溶して、固溶強化する作用があ
る。さらに、一次炭化物を形成し、高温強度を高めるの
に必要である。このような作用を有効に発揮するために
は、Cは少なくとも0.2%以上を必要である。
【0025】一方、Cの含有量が0.6%を越えると二
次炭化物が過剰に析出し、靭性を著しく劣化する。この
ため、Cは0.2〜0.6%とする。望ましくは0.2
〜0.5%である。
【0026】(2)Si(ケイ素):1.5%未満 Siは、溶湯の脱酸剤としての役割を有するほか、耐酸
化性の改善に有効な元素である。しかし、過剰に加える
とオーステナイト組織が不安定になり、高温強度の劣化
を招くので、Siの含有量は1.5%未満とする。
【0027】(3)Mn(マンガン):1.0%以下 Mnは、Siと同様に溶湯の脱酸剤として有効である
が、あまり多く加えると耐酸化性が劣化するので、1.
0%以下とする。
【0028】(4)Ni(ニッケル):8〜 20% Niは、Crとともに本発明の耐熱鋳鋼をオーステナイ
ト組織とし、その組織を安定にして高温強度を高めるの
に有効な元素である。特に、900℃以上の高温域にお
いて良好な高温強度を有するためには、8%以上の添加
が必要である。Niの増加とともに上記特性は向上する
が、20%を越えても効果は飽和し、経済的にも不利で
ある。そのためNi含有量は8〜20%とする。望まし
くは8〜15%である。
【0029】(5)Cr(クロム):15〜30% Crは、上記Niと共存し、鋳鋼組織をオーステナイト
化して、高温強度や耐酸化性を高めるほか、炭化物を形
成し高温強度を高めるのに有効な元素である。特に、9
00℃以上の高温域でこれらの効果を有効なものにする
ためには、15%以上の添加が必要である。しかし、添
加量が30%を越えると、過剰に二次炭化物が析出する
こと、更にはσ相などの脆い析出物などが析出し、脆化
が著しくなる。そのためCr含有量を15〜30%とす
る。望ましくは17〜25%である。
【0030】(6)W(タングステン):2〜6% Wは高温強度を改善する。この効果を得るためには2%
以上の添加が必要である。しかし、多量に添加すると耐
酸化性が劣化するので6%が上限である。そのためWの
含有量は2〜6%とする。望ましくは2〜5%である。 (7)Mo(モリブデン):0.2〜1.0% Moは、Wと同様の作用を有する元素である。しかし、
Moの単独添加は、Wよりも効果が少ない。Wの一部を
置換し複合効果させるため、Moの含有量は0.2〜
1.0%である。望ましくは0.3〜1.0%である。
【0031】(8)Nb(ニオブ):0.2〜1.0% Nbは、Cと結合して微細な炭化物を形成し、高温強度
を改善する。また、Cr炭化物の生成を抑制することに
よって耐酸化性を向上させる。これらの効果を有効に発
揮させるためには、0.2%以上の添加が必要である。
しかし、多量の添加は靭性を劣化させるので上限を1.
0%とする。そのためNbの含有量は、0.2〜1.0
%とする。望ましくは0.2〜0.7%である。
【0032】(9)B(ボロン):0.001〜0.0
1% Bは、鋳鋼の結晶粒界を強化するほか、粒界炭化物を微
細にするとともに、その凝集粗大化を遅らせ高温強度と
靭性を改善する。この結果を得るためには、0.001
%以上の添加が望ましい。一方、Bの多量の添加は硼化
物を析出させ、高温強度を劣化させるので、0.01%
を上限とする。そのためBの含有量は0.001〜0.
01%とする。望ましくは0.001〜0.008%で
ある。
【0033】(10)S(硫黄):0.02〜0.3% Sは、鋳鋼においては球状化もしくは塊状の硫化物を生
成し機械加工のおいて切粉の分断を促進するため被削性
が向上する。この効果を得るためには0.02%以上の
添加が必要である。しかし、多量に添加すると粒界に硫
化物が多量に析出し、高温強度を劣化させるので0.3
%を上限とする。そのためSの含有量は0.02〜0.
3%とする。望ましくは0.03〜0.25%である。
【0034】(11)REM(レアアースメタル)[C
e(セリウム),La(ランタン),Nb(ネオジウ
ム),Pr(プルトニウム)],Mg(マグネシウ
ム), Ca(カルシウム):1種または2種以
上を0.001〜0.1% REM,Mg,Caは非金属介在物を形成して基地中に
分散し機械加工において切粉の分断を促進し被削性を向
上する。かたその形態が球状もしくは塊状にし室温延性
を向上させる。その効果を得るためには0.001%以
上の添加が必要である。しかし、多量に添加すると非金
属介在物の総量が増え、かえって延性が低下するので
0.1%を上限とする。そのためこれらの含有量は0.
001%〜0.1%とする。望ましくは0.01〜0.
1%である。
【0035】このような本発明の高温強度および被削性
の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼は、特に自動車の排
気系部品として、エンジンに取り付けられるエキゾース
トマニホールドやタービンハウジングとして薄肉に鋳造
して用い、加熱冷却のサイクルを受けても変形が僅かで
あり、優れた耐久性を有する。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0037】実施例1〜10、比較例11〜13 表1に示す種類の組成の耐熱材料について、JIS規格
Y形B号供試材を作製した。なお、鋳造にあたっては、
100kg用高周波炉を用いて大気溶解し、直ちに15
50℃以上で出湯して1500℃以上で注湯した。
【0038】本発明材(実施例1〜10)のオーステナ
イト系耐熱鋳鋼については、鋳造時の湯流れが良く、鋳
造欠陥の発生が見られなかった。次に、鋳造した本発明
材((実施例1〜10)、および比較例11〜13の供
試材(Yブロック)を加熱中にて800℃で2時間保持
後空冷する熱処理を行った。
【0039】なお、表1において、比較材(比較例11
〜13)は自動車のターボチャージャー用ハウジングや
エキゾーストマニホールド等の耐熱部品に使用されてい
るもので、比較例11および12の供試材は、それぞれ
ニレジスト鋳鉄D2およびD5Sである。
【0040】また、比較例13は汎用オーステナイト系
耐熱鋳鋼で,JIS規格SCH−12である。
【0041】
【表1】 化学成分(重量%) 実施例 C Si Mn Ni Cr Mo No.1 0.21 1.11 0.48 8.6 15.50 - 2 0.31 0.78 0.52 10.11 19.50 - 3 0.55 0.88 0.46 19.50 28.60 - 4 0.42 0.58 0.62 12.50 21.30 - 5 0.45 1.02 0.53 10.45 20.03 - 6 0.25 1.05 0.38 9.50 16.10 0.25 7 0.35 0.95 0.46 10.15 20.13 0.95 8 0.41 0.98 0.53 10.46 21.05 0.52 9 0.58 1.45 0.62 18.95 29.05 0.52 10 0.40 1.13 0.52 10.08 20.05 0.55 比較例 C Si Mn Ni Cr Mo 11 2.77 2.12 0.88 21.10 2.44 - 12 1.89 5.32 0.41 34.50 2.35 - 13 0.21 1.24 0.50 9.10 18.80 -
【0042】 (表1続き) 化学成分(重量%) 実施例 W Nb B S REM Mg Ca No.1 2.12 0.31 0.0015 0.035 - - - 2 3.05 0.45 0.0040 0.008 0.08 - - 3 5.82 0.94 0.0082 0.25 - 0.005 - 4 3.43 0.46 0.0035 0.05 - - 0.005 5 3.12 0.49 0.0038 0.11 0.06 0.005 0.005 6 2 85 0.36 0.0021 0.06 - - - 7 1.52 0.49 0.0034 0.003 0.08 - - 8 2.02 0.53 0.0085 0.10 - 0.005 - 9 2.11 0.88 0.0041 0.22 - - 0.005 10 2.18 0.48 0.0031 0.11 0.06 0.005 0.005 比較例 11 - - - - - 0.05 - 12 - - - - - 0.07 - 13 - - - - - - -
【0043】次に、各供試材を用いて、以下に述べる各
種の評価試験を行った。 (1)室温引張試験 標点間距離が50mm、標点の直径が14mmの丸棒試
験片(JIS4号試験片)を用いて行った。
【0044】(2)高温引張試験 標点間距離が50mm、標点の直径が10mmのつばつ
き試験片を用いて、1000℃で行った。
【0045】(3)熱疲労試験 標点間距離が20mm,標点間の直径が10mmの丸棒
試験片を用いて、加熱冷却に伴う伸び縮みを機械的に完
全に拘束した状態で、下記の条件で加熱冷却サイクルを
繰り返し、熱疲労破壊を起こさせた。 下限温度:150℃ 上限温度:1000℃ 各1サイククル:7分 なお、試験機として、電気−油圧サーボ方式の熱疲労試
験機を用いた。
【0046】(4)酸化試験 直径10mm,長さ20mmの丸棒試験片を作製し、1
000℃において200時間大気中に保持し、取り出し
後にショットブラスト処理を施して酸化スケールを除去
し、酸化試験前後の単位面積あたりの重量変化(酸化減
量:mg/mm2 )を求めることにより、耐酸化性を評
価した。
【0047】(5)被削性試験 被削性試験は、この種の材料でもっとも被削性が問題と
なるドリル試験にて調査した。表2に示すような条件で
試験を行い、10回穴明けを行った後、ドリルの逃げ面
摩耗幅を測定し、さらに1穴当りの摩耗幅を比較した。
【0048】
【表2】 切削条件 工作機械 : マシンニングセンタ(5.5kW) ドリル : ソリッド超硬ドリル(φ6.8) 切削速度 : 40m/min 送り : 0.2mm/rev、ステップフィード 穴深さ : 20mm 突出長さ : 42mm 切削油 : 油性
【0049】以上の室温引張試験結果を表3に、高温引
張試験結果を表4に、熱疲労試験結果および酸化試験結
果を表5に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】 高温引張試験(1000℃)結果 0.2%耐力 引張強さ 伸び (MPa) (MPa) (%) 実施例 No.1 40 69 52 2 48 82 28 3 70 110 32 4 60 95 48 5 54 90 60 6 50 86 36 7 56 95 30 8 62 93 24 9 72 115 45 10 65 105 38 比較例 No.11 30 41 33 12 33 44 29 13 35 55 49
【0052】
【表5】 熱疲労試験結果および酸化試験結果 熱疲労寿命 酸化減量 (サイクル) (mg/mm2実施例 No.1 92 50 2 105 40 3 155 18 4 208 38 5 240 35 6 175 45 7 195 30 8 168 25 9 215 16 10 200 28 比較例 No.11 56 765 12 85 55 13 80 85
【0053】
【表6】
【0054】表2、表3および表4から明らかなよう
に、本発明による実施例1〜10は、従来材である比較
例11〜12のニレジスト鋳鉄D2およびD5Sと比較
して、特に高温強度が著しく改善され、室温性質が同等
以上であることがわかる。更に、比較例13のSCH1
2と比較して、1000℃の高温強度が改善されている
ことがわかる。また、表5に示す通り、本発明材(実施
例1〜10)は通常のオーステナイト系耐熱鋳鋼SCH
12と比較してドリルの摩耗量が少なく、機械加工性に
も優れていることがわかる。
【0055】次に、実施例5、15のオーステナイト系
耐熱鋳鋼を用いて、自動車用排気系部品のエキゾースト
マニホールド(肉厚:2.5〜3.4mm)およびター
ビンハウジング(肉厚:2.7〜4.1mm)を鋳造し
た。得られた耐熱鋳鋼部品はいずれも健全なものであっ
た。
【0056】更に、これらの鋳鋼部品に機械加工を施し
て、切削性の評価を行ったが、いずれのものにも何等問
題は生じなかった。
【0057】次に、エキゾーストマニホールドとタービ
ンハウジングを組み付けた直列4気筒で排気量2000
ccの高性能ガソリンエンジン相当の排気ガスを発する
排気シミュレータにより、耐久試験を実施した。試験条
件として、6000回転相当での全負荷運転(連続14
分)−アイドリング(1分)−完全停止(14分)−ア
イドリング(1分)を1サイクルとする熱冷(GO−S
TOP)サイクルを、500サイクルまで実施した。全
負荷時の排気ガス温度は、タービンハウジングの入口温
度で、1050℃であった。この条件下でのエキゾース
トマニホールドの表面温度は、エキゾーストマニホール
ドの集合部で、約980℃、タービンハウジングの表面
温度は、ウエストゲート部で約1020℃であった。評
価試験の結果、熱変形によるガスの漏洩や熱亀裂は生じ
ず、優れた耐久性および信頼性を有することが確認され
た。
【0058】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明のオーステナ
イト系耐熱鋳鋼は、特に900℃を越える高温領域にお
いて強度に優れ、しかも室温延性を損なわず、かつ鋳造
性、加工性に優れているので、安価に製造することがで
る。このような本発明のオーステナイト系耐熱鋳鋼は、
エキゾーストマニホールドやタービンハウジング等の自
動車用排気系部品に好適である。本発明のオーステナイ
ト系耐熱鋳鋼からなる排気系部品は、高温強度に優れ、
極めて優れた耐久性を示す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, B : 0.001〜 0.01%, S : 0.02 〜 0.3 %, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする高温強度および被削性の優れ
    たオーステナイト系耐熱鋳鋼。
  2. 【請求項2】 重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, B : 0.001〜 0.01%, REM(Ce,La,Nd,Pr),Mg,Caの1種
    または2種以上: 0.001〜0.1%, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする高温強度および被削性の優れ
    たオーステナイト系耐熱鋳鋼。
  3. 【請求項3】 重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, Mo: 0.2 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.01%, S : 0.02 〜 0.3 %, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする高温強度および被削性の優れ
    たオーステナイト系耐熱鋳鋼。
  4. 【請求項4】 重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, Mo: 0.2 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.01%, REM(Ce,La,Nd,Pr),Mg,Caの1種
    または2種以上: 0.001〜0.1%, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする高温強度および被削性の優れ
    たオーステナイト系耐熱鋳鋼。
  5. 【請求項5】 重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, B : 0.001〜 0.01%, S : 0.02 〜 0.3 %, REM(Ce,La,Nd,Pr),Mg,Caの1種
    または2種以上: 0.001〜0.1%, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする高温強度および被削性の優れ
    たオーステナイト系耐熱鋳鋼。
  6. 【請求項6】 重量比率で、 C : 0.2 〜 0.6 %, Si: 1.5 %未満, Mn: 1.0 %以下, Ni: 8 〜20 %, Cr:15 〜30 %, Nb: 0.2 〜 1.0 %, W : 2 〜 6 %, Mo: 0.2 〜 1.0 %, B : 0.001〜 0.01%, S : 0.02 〜 0.3 %, REM(Ce,La,Nd,Pr),Mg,Caの1種
    または2種以上: 0.001〜0.1%, 残部:Feおよび不可避不純物 からなることを特徴とする高温強度および被削性の優れ
    たオーステナイト系耐熱鋳鋼。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の高温
    強度および被削性の優れたオーステナイト系耐熱鋳鋼か
    らなる排気系部品。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の排気系部品において、
    エキゾーストマニホールドであることを特徴とする排気
    系部品。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の排気系部品において、
    タービンハウジングであることを特徴とする排気系部
    品。
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