JPH0622620Y2 - 総輪操舵装置 - Google Patents

総輪操舵装置

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JPH0622620Y2
JPH0622620Y2 JP1987119162U JP11916287U JPH0622620Y2 JP H0622620 Y2 JPH0622620 Y2 JP H0622620Y2 JP 1987119162 U JP1987119162 U JP 1987119162U JP 11916287 U JP11916287 U JP 11916287U JP H0622620 Y2 JPH0622620 Y2 JP H0622620Y2
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rod
cam
groove
drag link
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Inventor
俊雄 宮田
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日野自動車工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、自動車における総輪操舵装置に係り、特に遊
星ギヤを用いたり電子制御による油圧機構を用いたりせ
ず、単純なカム溝を形成したカム板により小舵角の範囲
ではフロントとリヤを同位相に、大舵角の範囲ではフロ
ントとリヤを逆位相に操舵できるようにした構造が極め
て簡易でありながら信頼性が高く安価な総輪操舵装置に
関する。
従来技術 総輪操舵装置は、自動車の走行中にステアリング操作を
して該自動車を左又は右に旋回させる場合に、ステアリ
ング操作をしてフロントタイヤにスリップ角をつけてグ
リップ力を発生させて車体前部を旋回方向に向かせてか
ら初めてリヤタイヤにスリップ角をつけてグリップ力を
出させて旋回を開始させるという前輪操舵装置を改善
し、フロントタイヤにグリップ力が出てからリヤタイヤ
にグリップ力が出るまでのタイムラグをなくし、フロン
トタイヤと同時にリヤタイヤにもグリップ力を生じさせ
てフロントとリヤにおけるヨーイングの発生を同時化
し、主として高速走行時にはフロントとリヤを同位相で
操舵し、高速走行時における自動車の旋回性能と操舵安
全性を向上させるものである。また低速走行時において
舵角が大きい場合には、フロントとリヤを逆位相で操舵
し、最小回転半径を小さくして小回りが効くようにし、
狭い場所での旋回を容易化するものである。
従って、総輪操舵装置を自動車に装着することは、その
「走り」、「旋回し」、「止まる」という三大機能の一
つである「旋回性能」を飛躍的に向上させる点で極めて
好ましいことである。しかしながら従来は「小舵角範囲
ではフロントとリヤを同位相に、大舵角範囲ではフロン
トとリヤを逆位相にする。」という機能を得るために、
遊星ギヤを用いたかなり複雑で重量の増加を伴なう高価
な機械式の舵角応動方式や、電子制御される油圧駆動方
式を採用したものが実用化されているが、該従来例によ
ると、上記のように機構が複雑なため、重量の増加とコ
ストの上昇を招くという欠点があった。また実開昭61
−66069には、リヤステアリング装置が開示されて
いるが、該従来例は、ガイドギヤ、ピニオンギヤにより
従動子を延長トロコイド曲線上を直線移動させるように
したものであり、目的は本願と共通するものの、トロコ
イド曲線と無関係の本願考案とはその構成が全く異なる
ものである。また「延長トロコイド曲線」なる曲線がど
のようなものか開示されておらず、従動子がどのような
軌跡で運動するのか不明である。
また特公昭60−44186には、車輌の操舵方法が開
示されているが、該従来例は、本願と類似するカム溝を
有するカム板を開示しおり、その点で本願と共通する目
的、構成を有するものの、その細部において全く異なる
構成を有するものである。即ち、該従来例のカム板はロ
ッドの直線運動により同様に直線的に往復運動する構成
であり、しかも他のリンク機構を介すことなくカム溝で
直接後輪転舵部材を動かす構成となっているため、カム
溝の中立点の位置が後輪転舵部材の位置に配置されなけ
ればならないという制約があり、リヤ用の操舵装置を前
後軸の任意の位置に配置できない点で不便であった。
また実開昭57−114768には、操舵装置が開示さ
れているが、該従来例は、車輌の前後車輪に連結された
一対のタイロッドに連結され車輌の横方向を向いて配設
されたレバーの回転中心をアクチュエータにより移動さ
せることにより車輌前側のタイロッドの動きに対して後
側のタイロッドの動きを同じ又は反対として後輪の正逆
位相操舵を行うようにしたものであり、本願発明とはそ
の構成が全く異なり、また作用効果においても、該従来
例では任意に後輪の操舵特性を変更できる利点はある
が、構造が複雑であり、かつコストが相当高くつくとい
う欠点があった。
また実開昭61−11474には、前後輪操舵式自動車
の後輪操舵装置が開示されているが、該従来例は、前輪
の転舵に合わせて後輪転舵の動きを生じさせるカム部材
のカム溝が車輌の前後方向を向くように車体に固着され
ており、しかも後輪の転舵の際にはカム部材のカム溝に
沿ってピンが動く構造となっているので、車輌の走行中
に後輪からタイロッドを通じてレバーに力が伝わると、
ピンがカム溝中を移動し得るので、後輪がふらつくとい
う欠点があった。従って、後軸にかかる負荷が非常に大
きい後軸駆動の大型、中型トラック及びバスには使用で
きないという欠点があった。また車輌の横方向中央に付
けないと、左右対称の動きができない点で不利であっ
た。
目的 本考案は、上記した従来技術の欠点を除くためになされ
たものであって、その目的とするところは、フロントア
クスル及びリヤアクスルの双方にナックルアーム、キン
グピン及びナックル等の舵取機構を備え、これら前後の
舵取機構を連動機構により機械的に連結した総輪操舵装
置において、該連動機構に、車体に回動自在に枢着され
たカム板を用い、該カム板のカム溝を、直進走行用の中
立点を中心にしてその両側に小舵角の範囲でリヤがフロ
ントに対して同位相に操舵されるようにした曲率半径の
小さい同位相溝が点対称に形成されると共に該同位相溝
に連続して大舵角の範囲でリヤがフロントに対して逆位
相に操舵されるようにした曲率半径の大きい逆位相溝が
形成されたものとすることによって、単一のカム板をフ
ロントの舵取機構によって回動させ、そのカム溝に従動
するロッドを介してリヤアクスルの舵取機構を連動操作
できるようにすることであり、またこれによって構造が
極めて簡易でありながら、信頼性が高く、軽量で安価な
総輪操舵装置を得ることである。
また回転式のカム板でリヤアクスルの操舵を行わせると
共に、該回転式のカム板を一対のドラッグリンクとロッ
ドを介して前後軸に連結することにより、カム板を前後
軸の間の任意の位置に配置することを可能とすることで
あり、またこれによって総輪操舵装置の設計の自由度を
大きくすることである。
また他の目的は、前輪の転舵に応じて後輪の転舵の動き
を生じさせる板カムと後輪に連結された第2のドラッグ
リンクとに連結されたロッドを、車体に固着された軸受
部材により車輌の前後方向に摺動自在に支持すると共
に、カム板の回転中心を該ロッドの軸心上に位置させる
ことにより、車輌の走行中に後輪がふらつく力が第2の
ドラッグリンク及びロッドに作用しても該力がカム板の
回転中心を向くようにして該ロッドがカム溝に対して略
直角に交差するようにすることで、ロッドの動きを拘束
し、このような場合にカム板の回転が生じないようにし
て後輪のふらつきを防止することである。
構成 要するに本考案は、フロントアクスル及びリヤアクスル
の双方にナックルアーム、キングピン及びナックル等の
舵取機構を備え、これら前後の舵取機構を連動機構によ
り機械的に連結した総輪操舵装置において、該連動機構
は、前記フロント側の舵取機構に連結された第1のドラ
ッグリンクと、前記リヤ側の舵取機構に連結された第2
のドラッグリンクと、該第2のドラッグリンクに一端が
連結され車体に固着された軸受部材に車輌の前後方向に
摺動自在に支持されたロッドと、車体に回動自在に枢着
され腕部に前記第1のドラッグリンクの一端が連結され
該腕部と一体の平板状のカム部に形成されたカム溝に前
記ロッドの他の一端が係合して従動するようにしたカム
板とを備え、該カム板の回転中心を前記ロッドの軸心上
に位置させ、該カム板の前記カム溝は、直進走行用の中
立点を中心にしてその両側に小舵角の範囲でリヤがフロ
ントに対して同位相に操舵されるようにした曲率半径の
小さい同位相溝が点対称に形成されると共に該同位相溝
に連続して大舵角の範囲でリヤがフロントに対して逆位
相に操舵される曲率半径の大きい逆位相溝が形成された
ものであることを特徴とするものである。
以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明する。本考
案に係る総輪操舵装置1は、第1図に示すように、フロ
ントアクスル2及びリヤアクスル3の双方にナックルア
ーム4、ナックルアーム5、キングピン6、キングピン
8及びナックル9、ナックル10等の舵取機構11、舵
取機構12を備え、これら前後の舵取機構11、舵取機
構12を連動機構13により機械的に連結したものであ
って、連動機構13は、第1のドラッグリンク21と、
第2のドラッグリンク22と、ロッド15と、カム板1
6とを備えている。
フロントアクスル2の両端には、フロントタイヤ18が
回動自在に取り付けられ、また該両端にはナックル9が
夫々キングピン6により回動自在に枢着されている。ナ
ックルアーム4はナックル9と一体的に形成され、その
一端4aには主ドラッグリンク19及び第1のドラッグ
リンク21が連結されている。主ドラッグリンク19は
ステアリングギヤボックス(図示せず)の出力部材であ
るピットマンアーム(図示せず)に連結されている。ま
たナックルアーム4の他の一端4bにはタイロッド17
が連結されている。
リヤアクスル3の両端には、リヤタイヤ20が回動自在
に取り付けられ、また該両端にはナックル10がキング
ピン8により回動自在に枢着されている。ナックルアー
ム5はナックル10と一体的に形成され、その一端5a
には第2のドラッグリンク22が連結されている。また
ナックルアーム5の他の一端5bにはタイロッド25が
連結されている。
第1のドラッグリンク21は、第2図も参照してフロン
ト側の舵取機構11、即ちナックルアーム4の一端4a
に連結されると共に、ボールジョイント26を介してカ
ム板16の腕部16aに大きな自由度をもって連結され
ている。ボールジョイント26はナット28によりその
一端が腕部16aに固定されている。
第2のドラッグリンク22は、リヤ側の舵取機構12、
即ちナックルアーム5の一端5aに連結されており、ロ
ッド15の前後の往復運動をナックルアーム5を介して
ナックル10に伝達するように構成されている。
ロッド15は、第2のドラッグリンク22に一端15a
が連結され、車体30に固着された軸受部材31に車輌
の前後方向に摺動自在に支持されており、他の一端15
bには軸受32が固定され、該軸受32の内輪32aに
ナット33により回転軸34が固定され、その下端34
aに従動ローラ35が固定され、該従動ローラ35はカ
ム板16のカム溝Gに転動自在に嵌合し、該カム溝Gに
対して従動するようになっている。またロッド15の一
端15aにはボールジョイント38がナット39により固
定され、該ボールジョイント38に第2のドラッグリン
ク22が大きな自由度をもって連結されている。
カム板16は、車体30に固定された枢軸40及びこれ
に内輪41aがナット42により固定された軸受41を
介して回動自在に枢着されており、その腕部16aには
第1のドラッグリンク21が連結され、該腕部16aと
一体のカム部16bに形成されたカム溝Gにはロッド1
5の一端15bが上記のように連結されている。そしてロ
ッド15の軸心上(X−X線上)にカム板16の回転中
心Oを位置させてあり、ロッド15はカム溝Gに対し
て略直角に交差している。
次に、第3図から第6図を参照して、本考案に係る総輪
操舵装置1の最大の特徴部分をなすカム溝Gについて詳
細に説明する。カム溝Gは、直進走行用の中立点Nを中
心にしてその両側に小舵角の範囲でリヤがフロントに対
して同位相に操舵されるようにした曲率半径の小さい同
位相溝G,Gが点対称に形成されると共に、該同位
相溝G,Gに連続して大舵角の範囲でリヤがフロン
トに対して逆位相に操舵される曲率半径の大きい逆位相
溝G,Gが形成されたものである。カム溝Gは、第
3図においては、内部の広幅の部分であり、その上方の
溝16cは回転軸34のボス部34bが隙間をもって移
動できるようにするためのものである。この溝16c
は、第4図、第7図、第8図及び第10図においては実
線で示され、重要なカム溝Gは破線で示されており、第
5図及び第6図においては、カム溝Gの中心線が一点鎖
線で示されている。
第5図において、カム溝Gは基本的にX−X軸、Y−Y
軸の交点となるカム板16の回転中心Oより図中左斜
め下に下がったところに位置する中心Oを中心とする
曲率半径Rの円弧の一部である。そして中立点Nの両
側の角度α+Δαの範囲及び角度β+Δβの範囲のみが
この円弧と異なる形状に形成されている。即ち、角度α
の範囲において、同位相溝Gは中立点Nから一旦半径
方向外側に偏奇して再び半径方向内側にもどり、角度Δ
αの範囲で緩かに逆位相溝Gに接続されている。また
角度βの範囲において、同位相溝Gは中立点Nから一
旦半径方向内側に偏奇して再び半径方向外側にもどり、
角度Δβの範囲で緩かに逆位相溝Gに接続されてい
る。
作用 本考案は、上記のように構成されており、以下その作用
について説明する。まず第1図及び第4図により直進走
行状態について説明すると、この状態ではステアリング
操作がなされないので、主ドラッグリンク19は静止し
ており、ナックルアーム4が静止しているため、カム板
16は何ら回転せず従動ローラ35はカム溝Gの中立点
Nに位置している。このためリヤ側の舵取機構12は全
く動作せず、フロントタイヤ18、リヤタイヤ20共直
進走行状態に保たれる。
次に、走行中にわずかに右旋回する場合について第7図
及び第9図により説明すると、ステアリングホイールが
わずかに右方向に操舵されると、主ドラッグリンク19
は矢印Aの如く前方に引かれてナックルアーム4が矢印
Bの如く右方向に回転し、ナックルアーム4、ナックル
9及びタイロッド17を介して左右のフロントタイヤ1
8が矢印Cの如くわずかに右に転舵される。
これと同時にナックルアーム4の右回転により第1のド
ラッグリンク21が矢印Dの如く前方に引かれ、腕部1
6aを介してカム板16が矢印Eの如く図中反時計方向
にわずかに回転する。この結果、第7図に示すように、
従動ローラ35が角度βの範囲において同位相溝G
従動して回転中心Oに対して接近し、これによってロ
ッド15が矢印Fの如く前方に引かれ、同様に第2のド
ラッグリンク22が矢印Hの如く引かれてナックルアー
ム5が右方向に矢印Iの如くわずかに回転し、ナックル
10を介してリヤタイヤ20が矢印Jの如くフロントタ
イヤ18と同位相方向にわずかに転舵される。そしてこ
のリヤタイヤ20の同位相の転舵は、本考案に係る総輪
操舵装置1の連動機構13によって同時に行われ、リヤ
タイヤ20にはフロントタイヤ18に対するタイムラグ
を生ずることなくグリップ力が生じ、コーナリングがス
テアリング操作と同時に開始される。従って高速走行中
における小さな舵角の範囲でのステアリング特性が非常
に敏速となり、旋回が容易となる。
また第8図に示すように、走行中にわずかに左旋回する
場合には、上記と逆に第1のドラッグリンク21が後方
に押されるため、カム板16は矢印Kの如くわずかに右
回転し、この結果ロッド15の従動ローラ35は角度α
の範囲において、同位相溝Gに従動して回転中心O
から矢印Lの如く離反し、この結果リヤ側の舵取機構1
2は第9図と逆方向に転舵され、フロントタイヤ18と
同位相方向に転舵され、左旋回が敏速に行われる。
このようにして、自動車の走行中において舵角の小さい
ステアリング操作がなされた場合には、左右いずれの旋
回時においても、連動機構13の作用によってリヤタイ
ヤ20がフロントタイヤ18と同位相にかつ同時に転舵
され、主として高速走行中における操縦安定性が向上す
る。
次に、第10図及び第11図により、ステアリングの舵
角が大きく、リヤタイヤ20がフロントタイヤ18と逆
位相方向に転舵される場合について説明する。ステアリ
ングホイールが大きく右方向に操舵されると、主ドラッ
グリンク19は矢印Mの如く大きく前方に引かれてナッ
クルアーム4が矢印Pの如く右方向に大きく回転し、ナ
ックルアーム4、ナックル9及びタイロッド17を介し
て左右のフロントタイヤ18が矢印Qの如く大きく右に
転舵される。
これと同時にナックルアーム4の右回転により第1のド
ラッグリンク21が矢印Sの如く大きく前方に引かれ、
腕部16aを介してカム板16が矢印Tの如く図中反時
計方向に大きく角度β+Δβの範囲を超えて回転する。
この結果、第10図に示すように、従動ローラ35が逆
位相溝Gに従動して回転中心Oから大きく離反し、
これによってロッド15が矢印Uの如く後方に押され、
同様に第2のドラッグリンク22が矢印Vの如く押され
てナックルアーム5が左方向の矢印Wの如く大きく回転
し、ナックル10を介してリヤタイヤ20が矢印Zの如
くフロントタイヤ18と逆位相方向に大きく転舵され
る。またこのリヤタイヤ20の転舵はフロントタイヤ1
8の転舵と同時に行われ、自動車の主として低速走行中
における小さな回転半径での旋回が可能となり、狭い道
路での旋回や、車庫入れ等の際の操縦を容易化すること
ができる。
また大きな舵角での左旋回の場合には、上記と逆にカム
板16の逆位相溝Gに従動ローラ35が従動して、ロ
ッド15及び第2のドラッグリンク22が前方に引か
れ、リヤタイヤ20が右方向、即ちフロントタイヤ18
と逆位相方向に転舵されることとなり、全く同様な結果
が得られる。
なお、フロントタイヤ18の転舵に応じてリヤタイヤ2
0の転舵の動きを生じさせるカム板16とリヤタイヤに
連結された第2のドラッグリンク22とに連結されたロ
ッド15を、車体30に固着された軸受部材31により
車輌の前後方向に摺動自在に支持すると共に、カム板1
6の回転中心Oを該ロッド15の軸心上に位置させた
ので、車輌の走行中にリヤタイヤ20がふらつく力が第
2のドラッグリンク22及びロッド15に作用しても該
力がカム板16の回転中心Oを向き、またロッド15
は略直角にカム溝Gに交差しているため、ロッド15の
動きは拘束され、このような場合にカム板16の回転が
生じないようにしてリヤタイヤ20のふらつきを防止す
ることができる。
次に、第12図に示す本考案に係る総輪操舵装置1の別
実施例について説明すると、リヤタイヤ20の転舵を行
うための操作力を軽減するため、第2のドラッグリンク
22とナックルアーム5との間にパワーステアリングブ
ースタ50を配設したものであり、パワーステアリング
ブースタ50はその基端部50aがナックルアーム5の
一端5aに連結され、ピストンロッド51の一端51aが
車体30に固定されたブラケット52に連結されてい
る。なお、これら以外の構成は第1図に示す実施例と同
一であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し
て説明を省略する。
この実施例においては、リヤタイヤ20を転舵するため
の操作力がパワーステアリングブースタ50によって増
幅されるため、ステアリング操作が軽快となり、またリ
ヤタイヤ20から連動機構13に対する反力が小さくな
るため、従動ローラ35とカム溝G間の負荷も軽減さ
れ、その耐久性が増大する。
以上のように、本考案によれば、単一のカム板16を主
要部とする連動機構13を設けるのみで、小舵角の場合
にはリヤタイヤ20をフロントタイヤ18と同位相に、
大舵角の場合にはこれを逆位相に転舵することができる
ものであり、総輪操舵装置1の構造は極めて簡易であ
る。またカム板16のカム溝G、同位相溝G、同位相
溝G、逆位相溝G及び逆位相溝Gの形状を適宜調
整することにより、同位相、逆位相のタイミングや、リ
ヤタイヤ20の転舵量を任意に設定することが可能であ
る。
なお、図示の実施例では、総輪操舵装置1を4輪操舵の
ものとして説明したが、これは4輪操舵に限定されるも
のではなく、フロントアクスル2及びリヤアクスル3が
夫々2軸以上の自動車の総輪操舵についても実施できる
ことは明らかである。
効果 本考案は、上記のようにフロントアクスル及びリヤアク
スルの双方にナックルアーム、キングピン及びナックル
等の舵取機構を備え、これら前後の舵取機構を連動機構
により機械的に連結した総輪操舵装置において、該連動
機構に車体に回動自在に枢着されたカム板を用い、該カ
ム板のカム溝を直進走行用の中立点を中心にしてその両
側に小舵角の範囲でリヤがフロントに対して同位相に操
舵されるようにした曲率半径の小さい同位相溝が点対称
に形成されると共に該同位相溝の連続して大舵角の範囲
でリヤがフロントに対して逆位相に操舵される曲率半径
の大きい逆位相溝が形成されたものとしたので、単一の
カム板をフロントの舵取機構によって回動させ、そのカ
ム溝に従動するロッドを介してリヤアクスルの舵取機構
を連動操作できることとなり、この結果構造が極めて簡
易でありながら、信頼性が高く、軽量で安価な総輪操舵
装置を得ることができる効果がある。また回転式のカム
板でリヤアクスルの操舵を行わせると共に、該回転式の
カム板を一対のドラッグリンクとロッドを介して前後軸
に連結したので、カム板を前後軸の間の任意の位置に配
置することが可能となり、またこの結果総輪操舵装置の
設計の自由度を大きくすることができる効果がある。
また前輪の転舵に応じて後輪の転舵の動きを生じさせる
板カムと後輪に連結された第2のドラッグリンクとに連
結されたロッドを、車体に固着された軸受部材により車
輌の前後方向に摺動自在に支持すると共に、カム板の回
転中心を該ロッドの軸心上に位置させたので、車輌の走
行中に後輪がふらつく力が第2のドラッグリンク及びロ
ッドに作用しても該力がカム板の回転中心を向き、また
ロッドがカム溝に対して略直角に交差するため、ロッド
の動きが拘束され、このような場合にカム板の回転が生
じないので、後輪のふらつきを防止することができる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図から第11図は本考案の実施例に係り、第1図は
直進走行状態における総輪操舵装置の平面図、第2図は
連動機構の縦断面図、第3図はカム板の斜視図、第4図
は直進走行状態におけるカム板とロッドとの相互関係を
示す平面図、第5図はカム板のカム溝の形状を示す線
図、第6図は第5図と同様な線図、第7図は小さな舵角
で右旋回する場合のカム板とロッドとの相互関係を示す
平面図、第8図は小さな舵角で左旋回する場合のカム板
とロッドとの相互関係を示す平面図、第9図は小さな舵
角で右旋回する場合における同位相転舵状態を示す総輪
操舵装置の平面図、第10図は大きな舵角で右旋回する
場合のカム板とロッドとの相互関係を示す平面図、第1
1図は大きな舵角で右旋回する場合の逆位相転舵状態を
示す総輪操舵装置の平面図、第12図は本考案の別実施
例に係る総輪操舵装置の平面図である。 1は総輪操舵装置、2はフロントアクスル、3はリヤア
クスル、4,5はナックルアーム、6,8はキングピ
ン、9,10はナックル、11はフロント側の舵取機
構、12はリヤ側の舵取機構、13は連動機構、15は
ロッド、15aは一端、15bは他の一端、16はカム
板、16aは腕部、16bはカム部、21は第1のドラ
ッグリンク、21aは一端、22は第2のドラッグリン
ク、Gはカム溝、G,Gは同位相溝、G,G
逆位相溝、Nは中立点、Oはカム板の回転中心であ
る。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロントアクスル及びリヤアクスルの双方
    にナックルアーム、キングピン及びナックル等の舵取機
    構を備え、これら前後の舵取機構を連動機構により機械
    的に連結した総輪操舵装置において、該連動機構は、前
    記フロント側の舵取機構に連結された第1のドラッグリ
    ンクと、前記リヤ側の舵取機構に連結された第2のドラ
    ッグリンクと、該第2のドラッグリンクに一端が連結さ
    れ車体に固着された軸受部材に車輌の前後方向に摺動自
    在に支持されたロッドと、車体に回動自在に枢着され腕
    部に前記第1のドラッグリンクの一端が連結され該腕部
    と一体の平板状のカム部に形成されたカム溝に前記ロッ
    ドの他の一端が係合して従動するようにしたカム板とを
    備え、該カム板の回転中心を前記ロッドの軸心上に位置
    させ、該カム板の前記カム溝は、直進走行用の中立点を
    中心にしてその両側に小舵角の範囲でリヤがフロントに
    対して同位相に操舵されるようにした曲率半径の小さい
    同位相溝が点対称に形成されると共に該同位相溝に連続
    して大舵角の範囲でリヤがフロントに対して逆位相に操
    舵される曲率半径の大きい逆位相溝が形成されたもので
    あることを特徴とする総輪操舵装置。
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