JPH06223634A - 多層絶縁電線とその製造方法 - Google Patents
多層絶縁電線とその製造方法Info
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Abstract
縁性に優れ、しかもコイル加工性も優れている多層絶縁
電線を提供する。 【構成】 導体4a,6a側から1層目4b,6bおよ
び2層目4c,6cの絶縁層が、(a)脂肪族アルコー
ル成分と酸成分とを結合して形成される熱可塑性直鎖ポ
リエステル樹脂100重量部に対し、側鎖にカルボン酸
またはカルボン酸の金属塩を有するエチレン系共重合体
5〜40重量部を配合して成る押出被覆層、(b)全部
または一部が脂環族アルコール成分と酸成分とを結合し
て形成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂を主成分と
する押出被覆層、(c)全部または一部が脂環族アルコ
ール成分と酸成分とを結合して形成される熱可塑性直鎖
ポリエステル樹脂100重量部に対し、側鎖にカルボン
酸またはカルボン酸の金属塩を有するエチレン系共重合
体50重量部以下を配合して成る押出被覆層、のいずれ
かであり、3層目の絶縁層4d,6dが、熱可塑性ポリ
アミド樹脂または熱可塑性ポリアミド樹脂を主成分とす
る押出被覆層である。
Description
ている多層絶縁電線とその製造方法に関し、更に詳しく
は、絶縁層相互間の剥離性が適正であり、半田浴に浸漬
するとその絶縁層が短時間で除去されて導体に半田を付
着させることができるので半田付け特性に優れ、また、
絶縁層の絶縁特性は経時劣化を起こしにくく、更には、
コイル加工性が優れていて、電気・電子機器などに組込
む変圧器の巻線やリード線として用いて有用な多層絶縁
電線とその製造方法に関する。
ional Electrotechnical Communication Standard) Pu
b. 950,65,335,601などによって規定されている。すな
わち、これらの規格では、巻線において導体を被覆する
エナメル皮膜は絶縁層と認定しない、一次巻線と二次巻
線の間には少なくとも3層の絶縁層が形成されているか
または絶縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線
と二次巻線の縁面距離は、印加電圧によっても異なる
が、5mm以上であること、また一次側と二次側に300
0Vを印加したときに1分以上耐えること、などが規定
されている。
圧器では、図1で例示するような断面構造が採用されて
いる。すなわち、フェライトコア1に鍔付きのボビン2
が嵌め込まれ、ボビン2の周面両側端に縁面距離を確保
するための絶縁バリヤ3が配置された状態でエナメル被
覆された一次巻線4が巻回されたのち、この一次巻線4
の上に、絶縁テープ5を少なくとも3層巻回し、更にこ
の絶縁テープ層の上に縁面距離を確保するための絶縁バ
リヤ3を配置したのち、同じくエナメル被覆された二次
巻線6が巻回された構造である。
変圧器に代わり、図2で示したように、絶縁バリヤ3や
絶縁テープ層5を含まない構造の変圧器が登場しはじめ
ている。この変圧器は、図1の構造の変圧器に比べて、
全体を小型化することができ、また、絶縁テープの巻回
作業を省略できるなどの利点を備えている。
る一次巻線4および二次巻線6では、いずれか一方もし
くは両方の導体4a(6a)の外周に少なくとも3層の
絶縁層4b(6b),4c(6c),4d(6d)が形
成されていること、しかもこれらの各絶縁層の間では互
いの層間剥離が可能であることが前記したIEC規格と
の関係で必要になる。
に絶縁テープを巻回して1層目の絶縁層を形成し、更に
その上に、絶縁テープを巻回して2層目の絶縁層、3層
目の絶縁層を順次形成して互いに層間剥離する3層構造
の絶縁層を形成したものが知られている(実開平3−1
06626号公報参照)。また、ポリウレタンによるエ
ナメル被覆がなされた導体の外周にフッ素系樹脂を順次
押出被覆して、全体として3層構造の押出被覆層を絶縁
層とする巻線が知られている(実開平3−56112号
公報)。
巻線の場合は、絶縁テープの巻回作業が不可避であるた
め生産は著しく低くなり、そのため製造コストは上昇す
るという問題がある。また、後者の巻線の場合、絶縁層
はフッ素系樹脂で形成されているので耐熱性が良好であ
るという利点を備えているが、一方では、層間の密着性
が悪いため絶縁電線としての信頼性に欠けるという問題
がある。
には、その絶縁電線をガイドノズルで導きつつコイルボ
ビンに巻き付けていくが、このとき、絶縁電線がガイド
ノズルと擦れて絶縁層が導体から剥離したり、また各絶
縁層の層間が剥離するという事態が発生しやすくなる。
そして、このような状態で電線がコイルボビンに巻回さ
れると、巻回された絶縁電線相互の擦れなどにより、絶
縁層が破れてしまう。このような状態になると、コイル
の電気特性、例えば絶縁破壊特性が損なわれることにな
る。
しても除去することができないため、例えば絶縁電線を
リードピンに接続するときに行う端末加工に際しては、
端末の絶縁層を信頼性の低い機械的な手段で剥離しなけ
ればならないという問題がある。このような問題を解決
するために、電気絶縁性や耐熱性に優れ、しかも半田の
溶融温度で容易に分解するポリエチレンテレフタレート
(PET)系樹脂を、導体の外周に押出被覆して絶縁層
にすることが検討されている。
条件の下で結晶化されてはじめて、本来の耐熱性,機械
特性を発揮するものであり、押出により被覆する場合に
は高い結晶度の皮膜を得ることができず、経時的な耐電
圧特性に今なお改善の余地がある。また、3層の絶縁層
の全てを上記PET系樹脂で形成した電線の場合、その
電線をコイル加工して得られたコイルの絶縁特性に改善
の余地が残されている。
T系樹脂層における表面の摩擦係数が高いために、コイ
ル加工時に電線に印加される巻張力などの作用で最外層
が摩擦しあってそこにクラックなどの損傷が生じやす
く、しかも、各層はいずれもPET系樹脂から成るため
比較的密着性が良好であり、したがって、最外層に発生
したクラックなどがノッチ効果によって下層の絶縁層に
まで波及しやすいということに起因するものと考えられ
る。
た3層絶縁電線における上記した問題を解決し、絶縁層
相互間の剥離性が適正であり、前記したIEC規格を満
足することは勿論のこと、絶縁層の電気絶縁性の経時劣
化が従来の電線に比べて小さく、また、コイル加工性が
一層優れているので、コイル加工時に絶縁特性等が損な
われることがなく、信頼性が一層優れている3層絶縁電
線とその製造方法の提供を目的とする。
成するために、本発明においては、導体と前記導体を被
覆する3層以上の絶縁層とから成る多層絶縁電線におい
て、導体側から1層目および2層目の絶縁層が、(a)
熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重量部に対し、側
鎖にカルボン酸またはカルボン酸の金属塩を有するエチ
レン系共重合体5〜40重量部を配合して成る樹脂混和
物の押出被覆層(以下、押出被覆層aという)、(b)
全部または一部がシクロヘキサンジメタノールであるア
ルコール成分と酸成分とを結合して形成される熱可塑性
直鎖ポリエステル樹脂を主成分とする押出被覆層(以
下、押出被覆層bという)、(c)全部または一部がシ
クロヘキサンジメタノールであるアルコール成分と酸成
分とを結合して形成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹
脂100重量部に対し、側鎖にカルボン酸またはカルボ
ン酸の金属塩を有するエチレン系共重合体50重量部以
下を配合して成る樹脂混和物の押出被覆層(以下、押出
被覆層cという)のいずれかであり、3層目の絶縁層
が、熱可塑性ポリアミド樹脂または熱可塑性ポリアミド
樹脂を主成分とする樹脂混和物の押出被覆層であること
を特徴とする多層絶縁電線が提供される。
層以上の絶縁層を押出被覆で形成する多層絶縁電線の製
造方法において、所定層の押出被覆が終了した時点で、
その押出被覆層の表面を100℃以下に冷却する操作を
行うことを特徴とする多層絶縁電線の製造方法が提供さ
れる。本発明の多層絶縁電線においては、導体側から1
層目、2層目の絶縁層が共に押出被覆層a,押出被覆層
bまたは押出被覆層cから選ばれた1種によって形成さ
れていてもよいが、別種によって形成されていてもよ
い。
れも押出被覆層aであるものは、とくに半田付け特性が
優れた絶縁電線になる(以下、これを第1の電線とい
う)。また、1層目と2層目の絶縁層が押出被覆層bま
たは押出被覆層cであるものは、とくに耐熱性が優れた
絶縁電線になる(以下、これを第2の電線という)。こ
れら第1の電線,第2の電線において、1層目と2層目
の絶縁層を構成する樹脂または樹脂混和物は、成分組成
が異なっていてもよい。
一方の層を押出被覆層aとし、他方の層を押出被覆層b
または押出被覆層cにすると、得られる多層絶縁電線
は、半田付け特性や耐熱性でバランスのとれたものにな
る。押出被覆層aを構成する樹脂混和物は、後述する熱
可塑性の直鎖ポリエステル樹脂とエチレン系共重合体と
を必須成分とする。
としては、芳香族ジカルボン酸またはその一部が脂肪族
ジカルボン酸で置換されているジカルボン酸と脂肪族ジ
オールとのエステル反応で得られたものが用いられる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET),
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT),ポリエチ
レンナフレート樹脂などを代表例としてあげることがで
きる。
時に用いる芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレ
フタル酸,イソフタル酸,テレフタルジカルボン酸,ジ
フェニルスルホンジカルボン酸,ジフェノキシエタンジ
カルボン酸,ジフェニルエーテルカルボン酸,メチルテ
レフタル酸,メチルイソフタル酸などをあげることがで
きる。これらのうち、とくにテレフタル酸は好適なもの
である。
族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸,アジピン
酸,セバシン酸などをあげることができる。これらの脂
肪族ジカルボン酸の置換量は、芳香族ジカルボン酸の3
0モル%未満であることが好ましく、とくに20モル%
未満であることが好ましい。一方、エステル反応に用い
る脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコー
ル,トリメチレングリコール,テトラメチレングリコー
ル,ヘキサンジオール,デカンジオールなどをあげるこ
とができる。これらのうち、エチレングリコール,テト
ラメチルグリコールは好適である。また、脂肪族ジオー
ルとしては、その一部がポリエチレングリコールやポリ
テトラメチレングリコールのようなオキシグリコールに
なっていてもよい。
必須成分は、例えば、ポリエチレンの側鎖にカルボン酸
もしくはカルボン酸の金属塩を結合させたエチレン系共
重合体である。このエチレン系共重合体は、前記した熱
可塑性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化を抑制する働きを
し、そのことにより、形成した絶縁層の電気的特性の経
時劣化を抑制すると同時に、1層目と2層目の各絶縁層
間の層間において良好な剥離性の確保に寄与する。
アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸のような不飽和
モノカルボン酸や、マレイン酸,フマル酸,フタル酸の
ような不飽和ジカルボン酸をあげることができ、またこ
れらの金属塩としては、Zn,Na,K,Mgなどの塩
をあげることができる。このようなエチレン系共重合体
としては、例えば、エチレン−メタアクリル酸共重合体
のカルボン酸の一部を金属塩にし、一般にアイオノマー
と呼ばれる樹脂(例えば、ハイミラン;商品名、三井ポ
リケミカル(株)製),エチレン−アクリル酸共重合体
(例えば、EAA;商品名、ダウケミカル社製),側鎖
にカルボン酸を有するエチレン系グラフト重合体(例え
ば、アドマー;商品名、三井石油化学工業(株)製)を
あげることができる。
リエステル樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、
前者100重量部に対し、後者は5〜40重量部の範囲
に設定される。後者の配合量が5重量部より少ない場合
は、形成された絶縁層の耐熱性に問題はないが、熱可塑
性直鎖ポリエステル樹脂の結晶化抑制効果は小さくな
り、そのため、コイル加工時に絶縁層の表面に微小クラ
ックが発生する、いわゆるクレージング現象が多発す
る。また、絶縁層の経時劣化が進んで絶縁破壊電圧の著
しい低下を引き起こすようになる。他方、配合量が40
重量部より多くなると、絶縁層の耐熱性は著しく劣化し
てしまう。両者の好ましい配合割合は、前者100重量
部に対し、後者は7〜25重量部である。
以下のような熱可塑性の直鎖ポリエステル樹脂である。
すなわち、全部または一部が脂環族アルコールのシクロ
ヘキサンジメタノールであるアルコール成分と酸成分と
を縮合して形成される直鎖ポリエステル樹脂であり、具
体的には、ポリシクロヘキサンジメタンテレフタレート
樹脂(PCT)をあげることができる。この樹脂は前記
したPETなどに比べてより優れた耐熱性を備えてい
る。
電圧の低下を抑制することを考えると、変性樹脂とし
て、例えば、ポリアミド樹脂,ポリカーボネート樹脂,
ポリウレタン樹脂などを、熱可塑性直鎖ポリエステル樹
脂100重量部に対して10〜100重量部配合するこ
とが好ましい。このようなPCT系樹脂としては、例え
ば、EKTAR−DN,EKTAR−DA,EKTAR
−GN(商品名、東レ(株)製)を好適なものとして使
用することができる。
記したPCT系樹脂と、押出被覆層aの形成に用いた樹
脂混和物における必須材料であるエチレン系共重合体と
の樹脂混和物である。この樹脂混和物において、PCT
系樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、前者10
0重量部に対し、後者は50重量部以下に設定される。
と、PCT系樹脂の優れた耐熱性が低下してしまい、形
成された絶縁層の耐熱性に問題が生ずるからである。両
者の好ましい配合割合は、前者100重量部に対し、後
者5〜30重量部である。本発明の多層絶縁電線におけ
る3層目の絶縁層は、熱可塑性ポリアミド樹脂またはこ
れを主成分とする樹脂混和物で形成される。この3層目
の絶縁層は表面における摩擦係数が比較的小さく、また
機械的強度も優れているので、電線のコイル加工時にお
ける最外層へのクラックなどの損傷を最小限に抑制する
ことができる。また2層目の絶縁層(ポリエステル系樹
脂層)との密着性も低いので、最外層に損傷が生じた場
合でもその損傷が2層目の絶縁層に波及する事態は抑制
される。その結果、コイル加工後の絶縁特性の低下を防
止することができる。
aまたは押出被覆層cの形成時に配合するポリエチレン
系共重合体の量が少ない場合や、押出被覆層bまたは押
出被覆層cに使用するPCT系樹脂を製造するときに用
いるアルコール成分であるシクロヘキサンジメタノール
の量が少ない場合に生起しやすい絶縁破壊電圧の経時劣
化を緩和する働きもする。
ば、4−ナイロン,6−ナイロン,10−ナイロン,1
1−ナイロン,12−ナイロン,4,6−ナイロン,
6,6−ナイロン,6,10−ナイロン,6,12−ナ
イロン、またはそれらの共重合ナイロン(いずれも、デ
ュポン社製の商品名)をあげることができる。とくに、
4,6−ナイロンは耐熱性に優れているという点で好適
である。
エチレン−メタクリル酸共重合体,エチレン−アクリル
酸共重合体,ポリエチレン,前記した熱可塑性直鎖ポリ
エステル樹脂,ポリウレタン系樹脂,ポリカーボネート
樹脂などの1種または2種以上を混和してもよい。この
場合、混和の割合は、ポリアミド樹脂100重量部に対
し3〜50重量部であることが好ましい。
の絶縁層を、いずれも、シクロヘキサンジメタノールで
60モル%以上置換されているPCT系樹脂100重量
部に対し、側鎖にカルボン酸のZn塩を有するポリエチ
レン系共重合体20重量部以下を混和した樹脂混和物で
形成し、3層目の絶縁層を4,6−ナイロンで形成した
ものは、電線の耐熱クラスを、E種(120℃)レベル
からB種(130℃)レベルにまで向上させることがで
きて有用である。
または樹脂混和物を導体の外周に押出被覆して所望厚み
の1層目の絶縁層を形成し、ついで、この1層目の絶縁
層の外周に2層目用の樹脂または樹脂混和物を押出被覆
して所望厚みの2層目の絶縁層を形成し、更に、この2
層目の絶縁層の外周に3層目用のポリアミド樹脂を押出
被覆して所望厚みの3層目の絶縁層を形成することによ
り製造される。
覆時に用いる樹脂混和物は、各層について同じ組成のも
のであってもよいし、上記した許容される配合割合の範
囲内で成分の組成を変化させたものであってもよい。ま
た、形成された3層の絶縁層の全体の厚みは100μm
以下に管理することが好ましく、また、2層目の絶縁層
の厚みを他の絶縁層の厚い方の厚みの2倍以上の厚みに
すると、IEC規格950で規定する電気的特性を容易
に実現することができる。
時には、下層の押出被覆が終了した時点で、その押出被
覆層の表面を、例えば水冷または空冷のような方法で1
00℃以下に冷却したのち、上層の押出被覆層を形成す
ると、上,下の押出被覆層間における剥離性が向上して
有効である。この冷却操作は、とくに1層目の押出被覆
を終了した時点で行うことが好適である。
上の絶縁層はいずれも樹脂混和物の押出被覆法で形成さ
れるので、製造時の生産性は非常に高くなる。また、層
間剥離性は良好であるとともに、端末加工時には、直接
半田付けを行うことができる。そして、1層目,2層目
の絶縁層では、ベース樹脂であるポリエステル樹脂やP
CT系樹脂の結晶化は抑制され、そのため、絶縁層の電
気特性などの劣化は非常に起こりづらくなる。
リアミド樹脂またはそれを主成分とする樹脂混和物で形
成されているので、外表面の摩擦係数は小さくなり、そ
のため、コイル加工時における最外層の損傷は抑制され
るようになる。また、1層目と2層目の経時劣化も緩和
される。
て、各押出被覆層用の樹脂混和物を調製した。導体とし
て線径0.6mmの軟銅線を用意し、その外周に、上記樹脂
混和物を押出被覆して、表示の厚みで1層目の押出被覆
層を形成したのち、2層目の押出被覆層を形成し、更に
2層目の外周に上記樹脂混和物を押出被覆して3層絶縁
電線を製造した。
は、各押出被覆後の表面を100℃以下に水冷した。ま
た、比較例4の電線の各絶縁層は、表示した絶縁フィル
ムを巻回したものである。
の仕様で各種の特性を測定した。 半田付け性:電線の末端約40mmの部分を温度400℃
の溶融半田に浸漬し、浸漬した30mmの部分に半田が付
着するまでの時間(秒)を測定。この時間が短いほど半
田付け性に優れていることを表す。
覆のそれぞれの電線につき、JISC3003で測定す
る2個撚り法に準じて片方に裸銅線を用い、そのときの
絶縁破壊電圧を測定。また、3層被覆の電線について
は、大気中に1年間放置したのち上記と同じ方法で絶縁
破壊電圧を測定し、電気絶縁性の経時変化を調べた。
3003に準拠して2個撚りし、その状態で、温度20
0℃で7日間の加熱処理を施したのち絶縁破壊電圧を測
定。この値が大きいほど耐熱性に優れていることを表
す。 耐クレージング性:電線を6ヶ月間大気中に放置したの
ち、その電線を直径12mmのコイル巻き枠に整列機械巻
きし、そのときに電線表面にクレージングが発生したか
否かを観察。
に亘りカッターナイフで切り裂いたのち、電線の周方向
にも、1本、全周に亘って切込みを入れ、電線の一端を
よじり器に固定し、他端をよじり器のチャックに挟んで
電線を真っ直ぐに保持し、この状態でチャックを回転さ
せて電線を長手方向によじり、3層の絶縁層が各層に剥
離する回転数を調べた。なお、剥離は、周方向に切込み
を入れた部分の一部の皮膜が剥離できた時点とする。こ
の回転数が少ないものほど層間剥離性に優れている。
有する導電性角芯に、コイルを加工機を用いて6kgの張
力をかけながら電線を整列巻き(50ターン)し、電線
と角芯の間に電圧3000Vを印加したときに、絶縁破
壊が起こるまでの時間を測定。この試験はコイル各10
個ずつで行い、結果は平均値で評価。この時間が長いほ
ど、コイル加工時に絶縁層に損傷が起こっていないこ
と、すなわちコイル加工性に優れていることを表す。な
お、ガイドノズルとしては、先端の孔径が電線の外径よ
り0.05mm大きいものを用い、また線速は20m/分に
設定した。
場合と同様に整列巻きを行なってコイルを加工し、得ら
れた各10個のコイルにつき、電線を角芯から解いてそ
の表面を観察し、絶縁層に破れが発生した個数を調べ
た。以上の結果を一括して表2に示した。
(以下、変性材という)と熱可塑性ポリエステル樹脂と
からなる樹脂混和物で1層目,2層目が形成され、3層
目が熱可塑性ポリアミド樹脂で形成された実施例1〜5
の絶縁電線は、とくに半田付け特性に優れており、他の
特性も良好である。
は、いずれも、上記層間剥離性の試験時に、まず最初
に、3層目と2層目で層間剥離が起こり、ついで、1層
目と2層目の層間剥離が起こるというように、絶縁層の
外側から剥離した。このことは、電線に外力が加わった
とき、絶縁層においては、外側から剥離が生じ内側ほど
剥離が防止されるということを意味している。したがっ
て、これら実施例の各電線は信頼性の高いものになって
いる。
設けた、実施例1の絶縁電線は層間剥離性が優れてい
る。 3)上記変性材を配合せず、熱可塑性ポリエステル樹脂
単独で1層目,2層目を形成した比較例1の絶縁電線
は、特性の経時変化が著しい。また、コイル加工性も悪
い。コイル加工性が悪いことは、最外層が熱可塑性直鎖
ポリエステル樹脂で形成されているからであると考えら
れる。
配合された樹脂混和物を用いて形成した比較例2の絶縁
電線は、耐熱性が悪い。 5)比較例3は、1層目,2層目に加え、3層目も変性
材が配合された熱可塑性ポリエステル樹脂で絶縁層が形
成されたものである。この絶縁電線は、3層目が熱可塑
性ポリアミド樹脂で形成されていないため、コイル加工
性が悪い。
較例4の絶縁電線は、半田付けできない。また、絶縁破
壊電圧が低く絶縁特性が悪い。更に、最外層に凹凸があ
ってコイル加工性の結果も悪い。 7)全く異なる樹脂(テフロン)で絶縁層を形成した比
較例5の絶縁電線も半田付けできない。また層間剥離性
は8回であり、層間の密着性が悪すぎる。
樹脂で形成されている比較例6の電線はコイル加工性が
悪い。これは、絶縁層と導体との密着性が良好でないう
えに、1層目と2層目,2層目と3層目がそれぞれ異種
類の樹脂が接触する状態であるため全体としての密着性
が非常に悪くなっているからであると考えられる。ま
た、この比較例6の電線は絶縁破壊電圧が低い。これ
は、ポリアミド樹脂からなる絶縁層が2層存在するから
であると考えられる。
成されている比較例7の電線は、比較例6と同じよう
に、絶縁破壊特性が悪い。 実施例6〜8,比較例8,9 表3に示した各成分を表示の割合で混練して、各押出被
覆層用の樹脂混和物を調製した。
その外周に、上記樹脂混和物を押出被覆して、表示の厚
みで1層目の押出被覆層を形成したのち、2層目の押出
被覆層を形成し、更に2層目の外周に上記樹脂混和物を
押出被覆して3層絶縁電線を製造した。なお、実施例
6,7を製造する際には、各押出被覆工程の後、その表
面を100℃以下に水冷した。
5と同様の仕様で各種の特性を測定した。ただし、耐熱
性試験における加熱温度は230℃に設定した。以上の
結果を表4に示した。
〜8の絶縁電線は、いずれの特性も優れている。とくに
耐熱性試験を230℃という高い温度で行ったにもかか
わらず良好な結果が得られており、これら実施例6〜8
が耐熱性に優れていることがわかる。また、これら実施
例6〜8の絶縁電線は、実施例1〜5のものと同じよう
に外側の絶縁層から順次剥離していった。
と2層目を形成したものであるが、良好な特性を示して
いる。PCT系樹脂を用いた場合は、上記変性材を配合
しなくても経時変化の問題を無視できる(前記比較例1
参照)。ただし、このような良好な特性を得るために
は、3層目を熱可塑性ポリアミド樹脂で形成することが
必要であると考えられる(比較例8を参照)。
6,7の絶縁電線は、層間剥離性が優れている。 4)最外層がPET系樹脂で形成された比較例8の絶縁
電線は、経時変化が大きい。これは最外層をポリアミド
樹脂ではなく、PET系樹脂で形成したためPCTの劣
化が進みやすくなっているからであると考えられる。ま
た、これはコイル加工性が劣っていた。
7の絶縁電線では、耐熱性が低下している。
多層絶縁電線は、その絶縁層がいずれも押出被覆で形成
されるので製造時における生産性は高く、また、絶縁層
は半田付け特性,耐熱性,耐クレージング性,層間剥離
性,電気絶縁性が優れしかも特性の経時劣化は小さいの
で、IEC規格を満足する新規構造の変圧器の巻線やリ
ード線として有用である。そして、最外層はポリアミド
樹脂を主成分とする被覆層になっているので、その摩擦
係数は小さい。したがって、コイル加工時には、最外層
に損傷はつきづらくなり、コイル加工後の絶縁特性の劣
化は起こりにくくなる。また、本発明方法によれば、多
層絶縁電線を効率よく製造することができる。
示す断面図である。
層が、いずれも、前記(a)の押出被覆層である請求項
1の多層絶縁電線。
層が、いずれも、前記(b)または(c)の押出被覆層
である請求項1の多層絶縁電線。
目の絶縁層または3層目のいずれか厚い方の絶縁層の厚
みの2倍以上である請求項1の多層絶縁電線。
ンから成る請求項1の多層絶縁電線。
沿う切れ目とを絶縁層に刻設した状態で前記電線を直線
状に保持し、前記電線の長手方向を中心軸にして前記電
線を捻回したときに、導体が切れる前に、前記絶縁層の
各層が互いに分離する、請求項1の多層絶縁電線。
覆で形成する多層絶縁電線の製造方法において、所定層
の押出被覆が終了した時点で、押出被覆層の表面を10
0℃以下に冷却する操作を行うことを特徴とする多層絶
縁電線の製造方法。
に、導体側から1層目の絶縁層を押出被覆して形成した
のち、前記絶縁層の表面を100℃以下に冷却する操作
を行うことを特徴とする多層絶縁電線の製造方法。
ional Electrotechnical Communication Standard) Pu
b. 950,65,335,601などによって規定されている。すな
わち、これらの規格では、巻線において導体を被覆する
エナメル皮膜は絶縁層と認定しない、一次巻線と二次巻
線の間には少なくとも3層の絶縁層が形成されているか
または絶縁層の厚みは0.4mm以上であること、一次巻線
と二次巻線の沿面距離は、印加電圧によっても異なる
が、5mm以上であること、また一次側と二次側に300
0Vを印加したときに1分以上耐えること、などが規定
されている。
圧器では、図1で例示するような断面構造が採用されて
いる。すなわち、フェライトコア1に鍔付きのボビン2
が嵌め込まれ、ボビン2の周面両側端に沿面距離を確保
するための絶縁バリヤ3が配置された状態でエナメル被
覆された一次巻線4が巻回されたのち、この一次巻線4
の上に、絶縁テープ5を少なくとも3層巻回し、更にこ
の絶縁テープ層の上に沿面距離を確保するための絶縁バ
リヤ3を配置したのち、同じくエナメル被覆された二次
巻線6が巻回された構造である。
た3層絶縁電線における上記した問題を解決し、絶縁層
相互間の剥離性が適正であり、前記したIEC規格を満
足することは勿論のこと、絶縁層の電気絶縁性の経時劣
化が従来の電線に比べて小さく、また、コイル加工性が
一層優れているので、コイル加工時に絶縁特性等が損な
われることがなく、信頼性が一層優れている多層絶縁電
線とその製造方法の提供を目的とする。
成するために、本発明においては、導体と前記導体を被
覆する3層以上の絶縁層とから成る多層絶縁電線におい
て、導体側から1層目および2層目の絶縁層が、(a)
脂肪族アルコール成分と酸成分とを結合して形成される
熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重量部に対し、側
鎖にカルボン酸またはカルボン酸の金属塩を有するエチ
レン系共重合体5〜40重量部を配合して成る樹脂混和
物の押出被覆層(以下、押出被覆層aという)、(b)
全部または一部が脂環族アルコール成分と酸成分とを結
合して形成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂を主成
分とする押出被覆層(以下、押出被覆層bという)、
(c)全部または一部が脂環族アルコール成分と酸成分
とを結合して形成される熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂
100重量部に対し、側鎖にカルボン酸またはカルボン
酸の金属塩を有するエチレン系共重合体50重量部以下
を配合して成る樹脂混和物の押出被覆層(以下、押出被
覆層cという)のいずれかであり、3層目の絶縁層が、
熱可塑性ポリアミド樹脂または熱可塑性ポリアミド樹脂
を主成分とする樹脂混和物の押出被覆層であることを特
徴とする多層絶縁電線が提供される。
としては、酸成分である芳香族ジカルボン酸またはその
一部が脂肪族ジカルボン酸で置換されているジカルボン
酸と脂肪族アルコール成分である脂肪族ジオールとのエ
ステル反応で得られたものが用いられる。例えば、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂(PET),ポリブチレン
テレフタレート樹脂(PBT),ポリエチレンナフレー
ト樹脂などを代表例としてあげることができる。
酸としては、例えば、アクリル酸,メタクリル酸,クロ
トン酸のような不飽和モノカルボン酸や、マレイン酸,
フマル酸,フタル酸のような不飽和ジカルボン酸をあげ
ることができ、またこれらの金属塩としては、Zn,N
a,K,Mgなどの塩をあげることができる。このよう
なエチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−メ
タアクリル酸共重合体のカルボン酸の一部を金属塩に
し、一般にアイオノマーと呼ばれる樹脂(例えば、ハイ
ミラン;商品名、三井ポリケミカル(株)製),エチレ
ン−アクリル酸共重合体(例えば、EAA;商品名、ダ
ウケミカル社製),側鎖にカルボン酸を有するエチレン
系グラフト重合体(例えば、アドマー;商品名、三井石
油化学工業(株)製)をあげることができる。
全部または一部が脂環族アルコール成分と酸成分とを結
合して形成される熱可塑性の直鎖ポリエステル樹脂であ
る。なかでも好適なものは、全部または一部がシクロヘ
キサンジメタノールと酸成分とを縮合して形成される熱
可塑性直鎖ポリエステル樹脂であり、具体的には、ポリ
シクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂(PC
T)をあげることができる。この樹脂は前記したPET
などに比べてより優れた耐熱性を備えている。
電圧の低下を抑制することを考えると、変性樹脂とし
て、例えば、ポリアミド樹脂,ポリカーボネート樹脂,
ポリウレタン樹脂などを、上記熱可塑性直鎖ポリエステ
ル樹脂100重量部に対して10〜100重量部配合す
ることが好ましい。このようなPCT系樹脂としては、
例えば、EKTAR−DN,EKTAR−DA,EKT
AR−GN(商品名、東レ(株)製)を好適なものとし
て使用することができる。
えば前記したPCT系樹脂と、押出被覆層aの形成に用
いた樹脂混和物における必須材料であるエチレン系共重
合体との樹脂混和物である。この樹脂混和物において、
PCT系樹脂とエチレン系共重合体との配合割合は、前
者100重量部に対し、後者は50重量部以下に設定さ
れる。
aまたは押出被覆層cの形成時に配合するポリエチレン
系共重合体の量が少ない場合や、押出被覆層bまたは押
出被覆層cに使用する樹脂、例えばPCT系樹脂を製造
するときに用いる脂環族アルコール成分、例えばシクロ
ヘキサンジメタノールの量が少ない場合に生起しやすい
絶縁破壊電圧の経時劣化を緩和する働きもする。
の絶縁層を、いずれも、脂環族アルコール成分、とくに
シクロヘキサンジメタノールで60モル%以上置換され
ているPCT系樹脂100重量部に対し、側鎖にカルボ
ン酸のZn塩を有するポリエチレン系共重合体20重量
部以下を混和した樹脂混和物で形成し、3層目の絶縁層
を4,6−ナイロンで形成したものは、電線の耐熱クラ
スを、E種(120℃)レベルからB種(130℃)レ
ベルにまで向上させることができて有用である。
上の絶縁層はいずれも樹脂混和物の押出被覆法で形成さ
れるので、製造時の生産性は非常に高くなる。また、層
間剥離性は良好であるとともに、端末加工時には、直接
半田付けを行うことができる。そして、1層目,2層目
の絶縁層では、ベース樹脂であるPCT系樹脂等のポリ
エステル樹脂の結晶化は抑制され、そのため、絶縁層の
電気特性などの劣化は非常に起こりづらくなる。
覆のそれぞれの電線につき、JISC3003で規定す
る2個撚り法に準じて片方に裸銅線を用い、そのときの
絶縁破壊電圧を測定。また、3層被覆の電線について
は、大気中に1年間放置したのち上記と同じ方法で絶縁
破壊電圧を測定し、電気絶縁性の経時変化を調べた。
と2層目を形成したものであるが、良好な特性を示して
いる。PCT系樹脂を用いた場合は、ほとんど経時変化
の問題を無視できる(前記比較例1参照)。ただし、こ
のような良好な特性を得るためには、3層目を熱可塑性
ポリアミド樹脂で形成することが必要であると考えられ
る(比較例8を参照)。
9の絶縁電線では、耐熱性が低下している。
Claims (8)
- 【請求項1】 導体と前記導体を被覆する3層以上の絶
縁層とから成る多層絶縁電線において、導体側から1層
目および2層目の絶縁層が、 (a)熱可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重量部に対
し、側鎖にカルボン酸またはカルボン酸の金属塩を有す
るエチレン系共重合体5〜40重量部を配合して成る樹
脂混和物の押出被覆層、 (b)全部または一部がシクロヘキサンジメタノールで
あるアルコール成分と酸成分とを結合して形成される熱
可塑性直鎖ポリエステル樹脂を主成分とする押出被覆
層、 (c)全部または一部がシクロヘキサンジメタノールで
あるアルコール成分と酸成分とを結合して形成される熱
可塑性直鎖ポリエステル樹脂100重量部に対し、側鎖
にカルボン酸またはカルボン酸の金属塩を有するエチレ
ン系共重合体50重量部以下を配合して成る樹脂混和物
の押出被覆層、のいずれかであり、3層目の絶縁層が、
熱可塑性ポリアミド樹脂または熱可塑性ポリアミド樹脂
を主成分とする樹脂混和物の押出被覆層であることを特
徴とする多層絶縁電線。 - 【請求項2】 前記1層目の絶縁層および2層目の絶縁
層が、いずれも、前記(a)の押出被覆層である請求項
1の多層絶縁電線。 - 【請求項3】 前記1層目の絶縁層および2層目の絶縁
層が、いずれも、前記(b)または(c)の押出被覆層
である請求項1の多層絶縁電線。 - 【請求項4】 前記2層目の絶縁層の厚みが、前記1層
目の絶縁層または3層目のいずれか厚い方の絶縁層の厚
みの2倍以上である請求項1の多層絶縁電線。 - 【請求項5】 前記3層目の絶縁層が、4,6−ナイロ
ンから成る請求項1の多層絶縁電線。 - 【請求項6】 電線の長手方向に沿う切れ目と周方向に
沿う切れ目とを絶縁層に刻設した状態で前記電線を直線
状に保持し、前記電線の長手方向を中心軸にして前記電
線を捻回したときに、導体が切れる前に、前記絶縁層の
各層が互いに分離する、請求項1の多層絶縁電線。 - 【請求項7】 導体の表面に3層以上の絶縁層を押出被
覆で形成する多層絶縁電線の製造方法において、所定層
の押出被覆が終了した時点で、押出被覆層の表面を10
0℃以下に冷却する操作を行うことを特徴とする多層絶
縁電線の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1の多層絶縁電線を製造する際
に、導体側から1層目の絶縁層を押出被覆して形成した
のち、前記絶縁層の表面を100℃以下に冷却する操作
を行うことを特徴とする多層絶縁電線の製造方法。
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