JPH06218210A - 電気掃除機集塵袋用フィルター材 - Google Patents

電気掃除機集塵袋用フィルター材

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JPH06218210A
JPH06218210A JP27070193A JP27070193A JPH06218210A JP H06218210 A JPH06218210 A JP H06218210A JP 27070193 A JP27070193 A JP 27070193A JP 27070193 A JP27070193 A JP 27070193A JP H06218210 A JPH06218210 A JP H06218210A
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JP
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filter material
fiber
weight
fibers
dust
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JP27070193A
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Masatoshi Minegishi
政敏 峰岸
Akira Kono
晃 河野
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のフィルター材よりも低圧損・高集塵で
且つ強度と柔軟性を有するフィルター材を提供し、吸込
仕事率300〜400Wのハイパワーの電気掃除機の集
塵袋に適用が可能なものにする。 【構成】 繊維配合を従来のフィルター材よりも植物繊
維を減し合成繊維と合成バインダー繊維、マイクロガラ
ス繊維を増やして1層または2層で湿式抄紙した原紙に
対し、エマルジョン型バインダーを含浸加工して成るフ
ィルター材。 【効果】 低圧損・高集塵で且つ強度と柔軟性を有する
フィルター材が得られ、ハイパワーの電気掃除機の集塵
袋として吸込仕事率・集塵向率・開き・袋破れ全て問題
なしとすることが塵来た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸込仕事率300〜40
0Wのハイパワー電気掃除機の集塵袋に適用が可能な低
圧損・高集塵・高強度なフィルター材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電気掃除機集塵袋に供するフィル
ター材は、麻パルプ、木材パルプ、エスパルトパルプな
どの植物繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、ビニロン
繊維、ポリエステル繊維などの合成繊維、PVA繊維、
ポリエステルバインダー繊維などの合成バインダー繊
維、そしてマイクロガラス繊維を適度な比率で混合して
湿式抄紙して、充分な強度とフィルターとしての適度な
通気性と集塵効率を持たせて提供していた。
【0003】しかし、最近の各メーカーの電気掃除機の
機種は吸込仕事率が300〜400Wという従来のおよ
そ200Wに比べると非常にハイパワーな機種が開発さ
れ数量が伸びてきて、市場の傾向はこのハイパワーな機
種が主流になってきている。このハイパワーな機種は、
吸込仕事率即ち吸込力の向上と共に、集塵性能について
も高い水準が求められている。従来の電気掃除機集塵袋
をハイパワーな機種に用いると、初期漏れが多く、即ち
ダスト20g程度吸った時点での掃除機本体内部のダス
トの汚れが目立つ、また、通気性が不足し、圧損が高い
ため吸込仕事率が300Wに達しない、紙質の柔軟性が
少ないため風を受けても膨らみにくい、即ちいわゆる開
きが悪く、集塵容量が不足する、紙質としては伸びが小
さくハイパワーの風を受けると破れ易い、という不都合
がある。ハイパワーな機種の電気掃除機集塵袋として適
用できるようにするために、より空気抵抗が少なく、且
つ微細な塵の捕捉性の優れたいわゆる低圧損高集塵のフ
ィルター性能と、袋の開きが良く、また袋が破れにくい
性質を備えたフィルター材が求められるようになった。
【0004】上記の低圧損で且つ集塵効率の高い集塵袋
をつくるためには、フィルター材としては相当に大きな
風量に対しても空気の通過の阻害を起こさない即ち通気
性のよいこと、また、極微細な塵を空気の排出側へ漏ら
さず捕捉するために紙層中に極めて細かい空隙の孔が数
多く存在していること、という互いに矛盾する2つの要
件を同時に満たす必要がある。この2要件を満たすに
は、特開昭62−191015号公報の記述に見られる
様に、通気性を上げる方向に寄与する繊維例えばポリエ
ステル繊維の様な水酸基を持たない合成繊維、そして集
塵性を上げるためにマイクロガラス繊維を従来品に比べ
相当多く配合しないといけなくなるため、麻パルプある
いは木材パルプといった強度を与える繊維の配合量が大
幅に少なくなる。強度についても従来品以上が求められ
るので、圧損と集塵効率の両者を共に満足な値を得る様
に品質設計すると、集塵袋としての充分な強度を持たせ
ることが出来ない。従って、従来より用いてきた繊維の
組合せだけでは、吸込仕事率300〜400Wの電気掃
除機に適用する集塵袋フィルター材を提供することは出
来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、既述の如く
従来の技術のみでは成し得なかった低圧損・高集塵・高
強度のバランスのとれた品質を可能なものとし、吸込仕
事率300〜400Wの電気掃除機に適用可能な集塵袋
用フィルター材を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、植物繊維、合
成繊維、合成バインダー繊維、マイクロガラス繊維から
なる1層または2層で構成されるシートに対してエマル
ジョン型バインダーを含浸加工させて成ることを特徴と
する集塵袋用フィルター材である。以下、詳細に説明す
る。
【0007】本発明では、植物繊維として木材パルプ、
麻パルプ、合成繊維としてポリエステル繊維、ビニロン
繊維、合成バインダー繊維としてポリエステルバインダ
ー繊維、PVA繊維、繊維径1μm以下のマイクロガラ
ス繊維を用いて一度繊維シートを形成する。本発明で
は、ポリエステル繊維とポリエステルバインダー繊維を
従来のフィルター材よりも多く配合して通気性を上げ、
マイクロガラス繊維を従来のフィルター材よりも多く配
合して集塵性を高くし、そうすると木材パルプ、麻パル
プ等の強度に寄与する繊維の配合が減り、またポリエス
テル繊維あるいはマイクロガラス繊維は強度に寄与しな
いので、バインダーを含浸加工させて強度を持たせるこ
とにより、低圧損・高集塵で高強度な集塵袋用フィルタ
ー材を提供するものである。
【0008】本発明で用いる繊維について説明する。木
材パルプと麻パルプは繊維シートに強度を付与するもの
であり、麻パルプの方が木材パルプよりも通気性・強度
共に優れるので、低圧損または高強度を必要とする場合
には麻パルプを用いる。麻パルプとしてはマニラ麻のサ
ーモ・メカニカルパルプ(以下TMPと省略)、木材パ
ルプとしてはNBKPが強度を付与するには好ましい。
ビニロン繊維とPVA繊維は特に強い強度が必要とされ
る時にのみ配合する。PVA繊維は融点60〜70℃の
全融タイプを用いる。PVA繊維が融けてビニロン繊維
や他の繊維を接着し、PVA繊維のバインダー効果とビ
ニロン繊維自身の強度により繊維シートを補強する。ポ
リエステルバインダー繊維は芯がポリエステル、その外
側が変性ポリエステルで構成される芯鞘構造であり、外
側の変性ポリエステルの融点が110℃と200℃の2
種類ある。前者は抄紙工程で融かし、後者は加工工程で
融かす。ポリエステルバインダー繊維の鞘の部分が融け
ることによりポリエステル繊維や他の繊維が接着され
る。繊度についてはマイクロガラス繊維は1μm以下、
ポリエステル繊維は5〜15μm(0.5〜2デニー
ル)、ポリエステルバインダー繊維は15〜20μm
(2〜4デニール)、ビニロン繊維とPVA繊維は10
〜15μm(1〜2デニール)である。ポリエステルバ
インダー繊維の融解後は芯部のみが残るので断面積がお
よそ半分になり繊度は10〜15μm(1〜2デニー
ル)になる。ポリエステル繊維と融解後のポリエステル
バインダー繊維の繊度が5〜15μmの範囲で等間隔に
3水準となるように異なる繊度のものを配合する。この
ように繊度の異なるポリエステル繊維を組み合わせてフ
ィルター材の空洞を複雑化し、ダストを捕捉しやすくす
る。繊維長については抄造性より3〜7mmの範囲が好
ましい。
【0009】本発明で用いるバインダーの種類はアクリ
ル系共重合物、エチレン酢酸ビニル系共重合物、エチレ
ン塩化ビニル系共重合物など、エマルジョンタイプで皮
膜を大きくつくらず、適度な柔軟性と強度を併せ持つも
ので、製袋に用いる接着剤との相性が良いという性質の
ものが好ましく、バインダーの種類は特に限定するもの
ではない。バインダーのガラス転移点によって、フィル
ター材の柔軟性が変化する。フィルター材の柔軟性が圧
損と集塵効率に影響を与えるので、適度なガラス転移点
を持つバインダーを選ぶ必要がある。圧損を低くするに
は、空気抵抗を少なくするので、フィルター材は柔軟で
ある方がよいのでガラス転移点が低いバインダーを用い
る。集塵効率を高くするには、集塵袋としては風を受け
て伸びて目が開くことによるダストの漏れを抑える必要
があり、フィルター材は硬い方がよいのでガラス転移点
が高いバインダーを用いる。
【0010】本発明のバインダーの含浸加工の方法は、
タブサイズロールによる含浸方式が一般的であるが、特
に限定するものではない。含浸後の乾燥についてはマイ
クロガラス繊維による細かい孔の空隙を保つために、熱
風乾燥機によってポーラスに仕上げることが好ましい。
【0011】本発明のフィルター材の紙層は2層構造も
しくは1層構造からなる。2層構造である場合には、集
塵袋として使用した時に塵を含んだ空気の入り側である
ダスト層(以下DSと省略)と、出側であるクリーン層
(以下CSと省略)の2層から構成される。DSでは塵
の大部分を捕捉するので目を開ける必要と通気性を上げ
る必要があり、比較的繊度の大きい繊維を配合する。C
Sでは2μm以下の極めて細かい塵を捕捉するので目を
詰める必要があり、マイクロガラス繊維などの繊度の小
さい繊維を配合して細かい空隙構造をつくる。従来のフ
ィルター材も同様に2層構造であるが、本発明は合成繊
維とマイクロガラス繊維の配合量が多い点が従来のフィ
ルター材と異なっている。DSとCSの坪量の比率につ
いては、特に限定はしないが、マイクロガラス繊維のシ
ート全体に対する配合量が適正な値となるように比率を
決めればよい。即ち、CSの比率を高くすると、マイク
ロガラス繊維のシート全体に対する配合量が多くなり集
塵効率が上がり、一方、DSが小さくなり目が詰まって
圧損が高くなるので、集塵効率と圧損のバランスがとれ
るように比率を決める。DSとCSの両方の機能を1層
で持たせて、マイクロガラス繊維の配合量を多くして、
集塵効率を高くしたものが、本発明の1層構造のもので
ある。または2層で構成し、各層の繊維配合を本発明の
1層構造と同じにして抄造してもよい。
【0012】本発明の2層からなるフィルター材は、植
物繊維50〜60重量%、合成繊維30〜40重量%、
合成バインダー繊維10〜15重量%からなるDS、植
物繊維30〜40重量%、合成繊維30〜50重量%、
合成バインダー繊維10〜15重量%、マイクロガラス
繊維8〜16重量%からなるCSの2層で繊維シートが
先ず構成される。2層の坪量の比率はマイクロガラス繊
維がフィルター材の坪量に対し4〜7重量%となるよう
に決めればよい。4重量%以下では集塵効率が未達とな
り、7重量%以上では目が詰まり圧損が高くなるので好
ましくない。2層の坪量の比率はDSが50〜60重量
%、CSが40〜50重量%の範囲であれば、マイクロ
ガラス繊維の配合量が4〜7重量%となり集塵効率が適
正となり、またDSの大きさも圧損を下げるのに充分な
大きさとなる。DSの植物繊維が50重量%未満では強
度が不足し好ましくなく、60重量%以上では目が詰ま
り圧損が高くなるので好ましくない。DSの合成繊維3
0重量%未満ではポリエステル繊維が不足となり、通気
性が低下するほか、柔軟性がなくなり開きが悪くなり好
ましくない。合成繊維40重量%以上では、植物繊維あ
るいは合成バインダー繊維の配合量が不足し、強度不足
となるので好ましくない。DSの合成バインダー繊維1
0重量%未満では、ポリエステル繊維あるいはビニロン
繊維を接着するのには不足となるので好ましくない。合
成バインダー繊維15重量%以上では、繊維の融けた部
分が目を詰めるので圧損が高くなり好ましくない。CS
についても同様な考え方で植物繊維、合成繊維、合成バ
インダー繊維の配合量の範囲を限定した。繊度について
はCSは小さくする必要があるのでポリエステル繊維は
5〜10μm(0.4〜0.6デニール)の繊度のもの
を主に用いて目を詰めるとよい。各層の繊維配合の比率
によって強度・集塵効率・圧損のバランスをとっている
ので上記の範囲を外れると好ましくない。
【0013】本発明の2層からなるフィルター材の繊維
シートの坪量は35.0〜49.0g/m2である。3
5.0g/m2以下だとフィルター材としての強度が低
下し、また厚みも減少して集塵容量が低下するので好ま
しくない。49.0g/m2以上では厚みが出るため通
気性が低下するので好ましくない。
【0014】本発明の2層からなるフィルター材はガラ
ス転移点0℃以上のエマルジョン型バインダーを繊維シ
ート重量に対して11〜18重量%含浸加工して成る。
ガラス転移点0℃以下のエマルジョン型バインダーでは
軟らかすぎるためフィルター材が軟かくなり集塵袋とし
て使用中に風を受けて伸びが大きくなり目が開いて塵が
漏れるので集塵効率が低下し好ましくない。エマルジョ
ン型バインダーの付着量が11重量%よりも少ないと、
集塵袋として充分な強度を持たせることが出来ず、電気
掃除機で吸引中に、破れ易くなるほか、強度が弱いので
伸びが大きくなり、伸びて目が開いてダストが漏れて集
塵効率が低下するので好ましくない。18重量%よりも
多いと、バインダーによってシートがZ方向に締まり、
繊維間の空隙がつぶれて目が詰まり、塵を捕捉するスペ
ースが小さくなり、通気性と集塵効率共に悪影響を及ぼ
すので好ましくない。
【0015】本発明の2層からなるフィルター材のフラ
ジール通気度はJIS L1096の測定法により10
cc/cm2/s以上である。JIS L1096によるフラ
ジール通気度の測定方法とはオリフィスの前後の差圧を
0.5inchH2Oに合わせた時の空気量cc/cm2/sを求
めるものである。ここで言うオリフィスの前後の差圧こ
そは圧損でありフラジール通気度の測定の原理とは圧損
を一定にした時の空気量を測定することである。一方、
圧損の測定の原理とは空気量を一定にした時の圧損を測
定することである。即ち、圧損とフラジール通気度は反
比例の関係を示すので、フィルター材としてフラジール
通気度が適正値であれば、適度な圧損の値を得ることが
出来る。フラジール通気度が高いほど空気抵抗が少なく
なり、低圧損になり、電気掃除機として風量を大きく出
来るので、吸込仕事率を大きくすることが出来る。本発
明では繊維径0.5〜1.0μmのマイクロガラス繊維
を少なくともフィルター材の重量に対し4重量%以上配
合しフィルター材として細かい孔の空隙構造を持たせ集
塵効率を上げながらも、フラジール通気度が10cc/cm
2/s以上を確保し、集塵袋としての圧損が低くなるよう
にした。フラジール通気度が10cc/cm2/s未満である
と、圧損が高くなり吸込仕事率300W未満となり好ま
しくない。
【0016】本発明の1層からなるフィルター材は植物
繊維5〜20重量%、合成繊維15〜35重量%、合成
バインダー繊維35〜60重量%、マイクロガラス繊維
15〜18重量%からなるシートが先ず抄造される。本
発明の2層からなるフィルター材よりも高強度・高集塵
効率の2点が特徴でありマイクロガラス繊維の配合量は
多く、ビニロン繊維とPVA繊維で強度を向上させ、ポ
リエステルバインダー繊維(融点200℃)の繊度を大
きいものを用い加工工程でプレス圧をかけずに熱処理す
ることにより通気性を上げ、植物繊維は強度・通気性共
に出やすい麻TMPを用いる。植物繊維が5重量%未満
ではポリエステル繊維とポリエステルバインダー繊維の
配合量が多くなりフィルター材としては伸びが大きくな
り集塵効率が低下するので好ましくない。植物繊維が2
0重量%以上では目が詰まり圧損が高くなるので好まし
くない。合成繊維15重量%未満ではポリエステル繊維
が不足となり、通気性が低下するほか、柔軟性がなくな
り開きが悪くなり好ましくない。合成繊維35重量%以
上だと、ポリエステル繊維あるいはビニロン繊維を接着
させる合成バインダー繊維の配合量が不足し、脱毛また
は強度不足となるので好ましくない。合成バインダー繊
維35重量%未満では、ポリエステル繊維あるいはビニ
ロン繊維を接着するのには不足となるほか、繊度15〜
20μm(2〜4デニール)のポリエステルバインダー
繊維が不足し目を開けることが出来なくなるので好まし
くない。合成バインダー繊維60重量%以上では、繊維
の融けた部分が目を詰めるので圧損が高くなり好ましく
ない。マイクロガラス繊維15重量%未満では、集塵効
率が未達となるので好ましくない。18重量%以上で
は、圧損が高くなりすぎて好ましくない。上記の繊維配
合の範囲であれば強度・通気性・集塵効率のバランスが
とれるので、範囲を外れると好ましくない。
【0017】本発明の1層からなるフィルター材の繊維
シートの坪量は39.0〜49.0g/m2である。3
9.0g/m2以下だとフィルター材としての強度が低
下し、また厚みも減少して集塵容量が低下するので好ま
しくない。49.0g/m2以上では厚みが出るため通
気性が低下するので好ましくない。
【0018】本発明の1層からなるフィルター材はガラ
ス転移点33℃以上のエマルジョン型バインダーを繊維
シート重量に対して11〜18重量%含浸加工して成
る。高集塵のフィルター材とするには、伸びを小さくし
て集塵袋として使用中に風を受けて伸びて目が開くこと
による塵の漏れを抑える必要があるので、ガラス転移点
33℃未満のエマルジョン型バインダーでは軟らかすぎ
るため伸びが大きくなるので好ましくない。エマルジョ
ン型バインダーの付着量が11重量%よりも少ないと、
集塵袋として充分な強度を持たせることが出来ず、電気
掃除機で吸引中に破れ易くなるほか、強度が弱いので伸
びが大きくなり、伸びて目が開いてダストが漏れて集塵
効率が低下するので好ましくない。18重量%よりも多
いと、バインダーによってシートがZ方向に締まり、繊
維間の空隙がつぶれて目が詰まり、塵を捕捉するスペー
スが小さくなり、通気性と集塵効率共に悪影響を及ぼす
ので好ましくない。
【0019】本発明の1層からなるフィルター材のフラ
ジール通気度はJIS L1096の測定法により10
cc/cm2/s以上である。10cc/cm2/sよりも低いと、
集塵袋としての圧損が高くなり吸込仕事率が300Wに
満たなくなるので好ましくない。
【0020】本発明の1層からなるフィルター材は、J
IS L1085の測定法により引張ヨコ9kg/50mm以
上、且つ破断伸びヨコ7〜9%である。ここで横方向の
み問題とした理由は、抄紙機の繊維配向性によって縦方
向の強度が横方向より強いので、弱い方の横方向のみが
袋破れに関し問題となるからである。集塵袋がダストを
捕捉し、その収容量が多くなるほど集塵袋の目が詰まっ
て通気性が低下し、風で膨らみ易くなるので伸びて切れ
る袋破れを起こし易くなる。集塵中の袋破れが起こりに
くくするためには、フィルター材の引張強度が強いほど
好ましい。フィルター材の引張強度と袋破れの関係につ
いて鋭意検討を行った結果、引張ヨコ8kg/50mm以上な
らダスト400g以上吸引しても袋破れは起きないこと
を確認したが、本発明のフィルター材はこれに更に安全
を見込んで引張ヨコ9kg/50mm以上としたものである。
また、フィルター材としての適度な硬さを持たせるため
に、破断伸びを規定した。破断伸びヨコ7%未満ではフ
ィルター材としては硬すぎるので集塵袋としての開きが
悪くなり集塵容量が低下する。破断伸びヨコ9%以上で
はフィルター材としては軟らかすぎるので、集塵袋とし
て電気掃除機の風を受けて伸びて目が開いてダストが漏
れ易くなり集塵効率が低下する。
【0021】本発明のフィルター材の集塵性能について
は,従来のフィルター材よりも高い水準にあり、吸込仕
事率300〜400Wの電気掃除機の集塵袋に適用して
1ミクロン程度の大きさのダニ等の塵でも充分捕捉出来
るものである。また、初期漏れが少なく、電気掃除機の
本体の内部が汚れないのが長所である。集塵袋からのダ
ストの漏れは、使用開始初期が最も多く、初期を過ぎる
とダストでフィルター材の目が詰まってあまり漏れなく
なり、どんなフィルター材でも漏れ個数は変わらなくな
る。従って初期漏れまでのダストの漏れ個数は、集塵袋
のライフに於けるダストの漏れ総個数の大部分を占める
のであり、初期漏れをいかに少なく抑えるかが集塵効率
を上げるのに最も重要なことである。本発明の集塵効率
の測定法については、フィルター材単板でJIS B9
908による粉塵(粒径0.5〜2.0μm)捕集効率
の測定と、フィルター材より集塵袋をつくり電気掃除機
に装着して行う実技テストの両方で行った。前者の測定
法はフィルター材が新しい状態でのダストの捕捉能力を
見るのに適しており即ち初期漏れを予測するのに有効な
方法である。後者の測定法は初期漏れを含めて集塵袋の
ライフに至るまでの総合判定が可能な方法である。即ち
電気掃除機のハイパワーの風を受けて、フィルター材と
しては相当の応力が生じる状態下での塵の捕捉を観察出
来る。本発明のフィルター材の集塵効率は、後者の測定
法で従来の99.95 %レベルから99.96%以上もしくは99.
97 %以上に向上した。集塵効率と初期漏れ(ダスト投
入量20gまでの漏れ個数)、ダスト投入量30g〜2
00gの漏れ個数、及びダスト投入量200gまでの漏
れ総個数の関係を表1に記す。ダストはポルトランドセ
メントでダスト径0.5〜1.0μmである。表1を見
ると集塵効率99.985%と99.950%では初期漏れで6倍以
上の差があることが分かる。
【0022】
【表1】
【0023】本発明の1層構成のフィルター材は、マイ
クロガラス繊維を多く配合し集塵効率を一段と高くして
いることに最も特徴があるが、同じ特徴を生かしながら
2層構成で製造してもよい。即ち、2層の坪量比はDS
30〜50重量%、CS50〜70重量%で構成し、各
層の繊維配合が植物繊維5〜20重量%、合成繊維15
〜35重量%、合成バインダー繊維35〜60重量%、
マイクロガラス繊維11〜18重量%で、坪量39.0
〜49.0g/m2の2層シートに対し、ガラス転移点
33℃以上のエマルジョン型バインダーを11〜18重
量%含浸加工させて成るフィルター材である。以下に詳
細に説明する。
【0024】本発明の1層構成のフィルター材と同様に
高集塵・低圧損・高強度なフィルター材を2層構成で製
造する場合にも、配合する繊維及びバインダーは全て同
じであり、組成も同じである。DSが低密度で目がより
開いていて、CSが高密度で細かい空隙となるように2
層に密度の勾配がつくように繊維配合がDSとCSで若
干異なっているのが特徴である。即ちDSでは繊度の大
きいポリエステルバインダー繊維の比率を上げ、マイク
ロガラス繊維の比率を下げて目を開けるが、CSはこれ
と全く逆の傾向にして細かい空隙構造をつくる。そのた
めCSのマイクロガラス繊維の配合量は多くなるので、
CSの坪量を大きくとる方が有利となる。CSの坪量比
が50%未満となると、細かいダストを捕捉するスペー
スが狭くなり集塵効率が低下するので好ましくない。C
Sの坪量比が上がると集塵効率には有利となるがDSが
小さくなるためフィルター材としては目が開けられなく
なり、圧損が上がってくる。DSの坪量比が30%未満
となると、圧損が高くなりすぎるので好ましくない。
【0025】各層の繊維配合は植物繊維5〜20重量
%、合成繊維15〜35重量%、合成バインダー繊維3
5〜60重量%、マイクロガラス繊維11〜18重量%
で、2層で構成される坪量39.0〜49.0g/m2
の原紙が先ず抄造される。植物繊維が5重量%未満では
ポリエステル繊維とポリエステルバインダー繊維の配合
量が多くなりフィルター材としては伸びが大きくなり集
塵効率が低下するので好ましくない。植物繊維が20重
量%以上では目が詰まり圧損が高くなるので好ましくな
い。合成繊維15重量%未満ではポリエステル繊維が不
足となり、通気性の低下するほか、柔軟性がなくなり開
きが悪くなり好ましくない。合成繊維35重量%以上だ
と、ポリエステル繊維あるいはビニロン繊維を接着させ
る合成バインダー繊維の配合量が不足し、脱毛または強
度不足となるので好ましくない。合成バインダー繊維3
5重量%未満では、ポリエステル繊維あるいはビニロン
繊維を接着するのには不足となるほか、繊度15〜20
μm(2〜4デニール)のポリエステルバインダー繊維
が不足し目を開けることが出来なくなるので好ましくな
い。合成バインダー繊維60重量%以上では、繊維の融
けた部分が目を詰めるので圧損が高くなり好ましくな
い。マイクロガラス繊維11重量%未満では、集塵効率
が未達となるので好ましくない。18重量%以上では、
圧損が高くなりすぎて好ましくない。原紙の坪量が3
9.0g/m2未満では、強度が不足するほか、厚みも
減って集塵効率も低下するので好ましくない。原紙の坪
量が49.0g/m2以上では圧損が高くなり好ましく
ない。
【0026】エマルジョン型バインダーの種類及び付着
量は本発明の1層で構成されるフィルター材と全く同様
であり、フィルター材のフラジール通気度、引張ヨコ、
破断伸びヨコについても同様である。
【0027】本発明のフィルター材のフラジール通気度
と集塵効率の両方の規格を満たすには,フィルター材と
しての空隙構造・密度・通気性を適度な状態に保つ必要
があり,この状態のバランスが崩れると,互いに矛盾す
る関係にあるフラジール通気度と集塵効率のいずれかが
規格の下限を切るので,マイクロガラス繊維の配合量・
エマルジョン型バインダーの付着量などの配合の要因の
ほかに、工程要因としてプレスパートやヤンキードライ
ヤー入口の諸圧力をコントロールする必要がある。
【0028】
【作用】本発明のフィルター材は、従来のフィルター材
と比較するとポリエステル繊維などの通気性の優れた繊
維を多く配合して圧力損失を低くし且つ柔軟性を出し、
繊維径1.0μm以下のマイクロガラス繊維を多く配合
して集塵効率を上げ、一方、木材パルプや麻パルプなど
植物繊維の配合は少なくなるので、エマルジョン型バイ
ンダーを含浸加工して強度を付与したものである。この
エマルジョン型バインダーのガラス転移点が高いほど、
フィルター材の伸びを小さく抑えることが出来、集塵袋
としては風を受けて伸びて目が開きダストが漏れること
が防げるので集塵効率が向上する。エマルジョン型バイ
ンダーのガラス転移点が低いほど、フィルター材は軟ら
かくなり圧力損失は低くなり開きも良くなるが、集塵効
率が低下する。層の構成は1層でも2層でも可能で、マ
イクロガラス繊維を最大限度配合すれば、一段と集塵効
率が向上する。かくして、圧力損失が低く、ハイパワー
の電気掃除機の集塵袋に用いても吸込仕事率が300W
以上出せて、初期漏れが少なく、袋破れがしにくく、開
きが良い、というフィルター材を提供することが出来
る。
【0029】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
表2〜3に代表的な実施例と比較例の配合、層構成を示
す。表4〜6に、全部の実施例と比較例について、原紙
のDS、CS夫々の植物繊維、合成繊維、合成バインダ
ー繊維、マイクロガラス繊維の配合比率、DSとCSの
坪量比、マイクロガラス繊維のフィルター材に対する配
合比率、原紙の坪量、エマルジョン型バインダーのガラ
ス転移点(以下TG と省略)、付着量(原紙に対する比
率)を示す。
【0030】尚、実施例において記載の%は全て重量%
によるものである。フィルター材の測定項目は、坪量、
厚み、密度、フラジール通気度、引裂タテ、破裂、引張
ヨコ、破断伸びヨコ、集塵効率、圧損、フィルター材よ
り作成した集塵袋を松下電器製の電気掃除機・キャニス
ターMC−S69P(吸込仕事率330〜340W)に
装着して運転して行う評価項目は、吸込仕事率、集塵効
率、初期漏れ、開き、袋破れであり、結果を表7〜15
に示す。表7〜9に2層構成のフィルター材、表10〜
12に1層構成のフィルター材、表13〜15に2層構
成(DSとCSにマイクロガラス繊維を含む)フィルタ
ー材の結果を夫々示した。
【0031】坪量・厚さ・引裂タテはJIS L−10
85に、フラジール通気度・破裂はJIS L−109
6に、引張ヨコ・破断伸びヨコはJIS L−1068
に従って測定した。強度に関しては繊維の配向性がマシ
ン方向により多く並ぶので引張はタテに充分強く,引裂
はヨコに充分強いため共に問題ないので,引張ヨコと破
断伸びヨコと引裂タテのみ項目に入れた。
【0032】フィルター材単板での集塵効率の測定方法
を述べる。JIS B9908に従って測定する。フィ
ルター材(試験片)をセットし、空気を流速5.3cm/
秒で試験片を通過させて、試験片の前後でサンプリング
した空気中のダストの粒子数を光散乱式粒子計数器(K
C−11、リオン株式会社製)を用いて測定し、数1に
示す式で集塵効率を算出する。粒子数の測定は粒径0.
5〜1.0μmの範囲と、粒径1.0〜2.0μmの範
囲を夫々行い、集塵効率を算出した。
【0033】
【数1】A=(B−C)/B×100 A:集塵効率(%) B:通過前の粒子数 C:通過後の粒子数
【0034】フィルター材単板での圧損の測定方法を述
べる。図1の測定機に於いて、フィルター材(試験片)
3を試験片取付台2に置いてクランプする。空気吸込用
のファン1を運転し空気を吸引して加減抵抗器8で調節
して空気流量測定用のマノメータ6が示す水頭差を10
0mmH2Oに合わせ、その時の圧損測定用のマノメータ
7の水頭差の読みを初期圧損とした。次に、JIS Z
8901に規定される試験用ダスト第4種を粉塵投入口
5から0.5g/sec の速度で5g投入した後の圧損を
同様に測定し、これを5g投入した後の圧損とした。
【0035】吸込仕事率は、電気掃除機を定格電圧で空
運転し、本体に集塵袋がない場合と集塵袋を装着した場
合について、JIS C9108に従って測定した。集
塵袋を装着すると集塵袋自身の圧損によって吸込仕事率
が低下するので、吸込仕事率が300W未満まで低下し
たものは×、300W以上を保ったものは○を記した。
【0036】集塵効率は、空気の清浄な環境下(0.3
μm粒子の捕集効率99.97%以上の無塵室内)で行
う。先ず、電気掃除機の本体から集塵袋を外した状態で
電気掃除機を定格電圧で運転する。次に試験用ダストと
して乾燥したポルトランドセメント0.1gを先端パイ
プから1分間で吸わせて、電気掃除機の排気口からダス
トを含む空気を光散乱式粒子計数記(KC−11、リオ
ン株式会社製)でサンプリングし、径1.0μmのダス
トの粒子数を測定し、これを塵漏れ量X0 とする。次
に、電気掃除機の本体に集塵袋を取り付けて、電気掃除
機を定格電圧で運転し、乾燥したポルトランドセメント
10gを先端パイプから40秒間で吸わせて1分間放置
し、同様に径1.0μmのダストの粒子数を測定し、こ
れを塵漏れ量X1 とする。これを1サイクルとして20
回繰り返し、即ち同じ集塵袋で合計200gまで吸わせ
て、X1 〜X20を測定する。また、1サイクル測定後毎
回掃除機の内部を高圧エアーで清掃する。ここで集塵効
率を数1にて算出した。
【0037】
【数2】η=(A−B)/A×100 (%) η:集塵効率 A:X0 × 100×20 (ダスト吸収の合計) B:X1 +……+X20 (ダスト漏れの合計)
【0038】初期漏れは、集塵効率を測定途中の電気掃
除機にダスト20gまで投入し終わった時の本体の汚れ
を観察し、◎:汚れていない、○:汚れが目立たない、
△:汚れがやや目立つ、×:汚れが目立つ、の4段階で
評価し記した。
【0039】集塵袋の開きは、電気掃除機の本体に集塵
袋を装着して、ポルトランドセメントは用いず、電気掃
除機を定格電圧で2分間運転し空気のみ吸引させ停機し
た後の集塵袋の開きの状態を観察し、本体内部のスペー
ス一杯に膨らんだ場合は○、一部分でも膨らんでいない
場合は×を記した。
【0040】袋破れは、電気掃除機の本体に集塵袋を装
着して、電気掃除機を定格電圧で30分間予備運転す
る。ポルトランドセメント200gを1分間で吸わせた
後、2分間放置する。その後はポルトランドセメント2
0gを40秒間で吸わせた後2分間放置することを集塵
袋が破れるまで繰り返す。集塵袋が破れた時のポルトラ
ンドセメントの投入量を測定した。投入量が400g以
上あれば◎、300g〜400gであれば○、300g
未満であれば×を表5、8に記した。
【0041】比較例1 表2に示す如く,DSとしてNBKPアラウコ36%、
ポリエステル繊維(クラレ製、繊度1.5デニール(=
11.5μm)、繊維長5mm)20%、芯鞘型ポリエ
ステルバインダー繊維(ユニチカ製メルティー408
0、繊度4デニール(=20μm)、繊維長5mm、鞘
部融点110℃)40%、PVA繊維(クラレ製VPB
107-1 ×3 、繊度1デニール(=10μm)、繊維長3
mm、70℃で全融)4%で配合し、CSとして麻TM
P(東邦ワラパルプ製、麻1B1S)12%、NBKP
アラウコ50%、ポリエステル繊維(帝人製、繊度0.
5デニール(=7μm)、繊維長5mm)6%、ポリエ
ステル繊維(クラレ製、繊度1.5デニール(=11.
5μm)、繊維長5mm)6%、芯鞘型ポリエステルバ
インダー繊維(ユニチカ製メルティー4080、繊度2
デニール(=14μm)、繊維長5mm、鞘部融点11
0℃)18%、PVA繊維(クラレ製VPB107-1 ×3
、繊度1デニール(=10μm)、繊維長3mm、7
0℃で全融)4%、マイクロガラス繊維(シュラー社製
106−253、繊度0.6μm、以下M.Gと省略)
4%で配合し、円網抄紙機により2層の坪量比1:1で
抄造し、ヤンキードライヤーで120℃で乾燥し、坪量
50g/m2のフィルター材として巻き取った。M.G
の配合量はフィルター材に対して2%になった。このフ
ィルター材より集塵袋を製袋し、電気掃除機(松下電器
製キャニスターMC−S69P)に取り付け、集塵袋の
評価を行った。フィルター材の物性と集塵袋の評価結果
を表7〜9に示す。
【0042】比較例2 CSのM.G4%→2%とし、ポリエステル繊維(帝人
製、繊度0.5デニール(=7μm)、繊維長5mm)
6%→8%とする以外は全く比較例1と同様にフィルタ
ー材を製造した。M.Gの配合量はフィルター材に対し
て1%になった。結果を表7〜9に示す。
【0043】実施例1 表2に示す如く,DSとして麻TMP(東邦ワラパルプ
製、麻1B1S)11%、NBKPアラウコ42%、ポ
リエステル繊維(帝人製、繊度0.5デニール(=7μ
m)、繊維長5mm)18%、ポリエステル繊維(クラ
レ製、繊度1.5デニール(=11.5μm)、繊維長
5mm)18%、芯鞘型ポリエステルバインダー繊維
(ユニチカ製メルティー4080、繊度2デニール(=
14μm)、繊維長5mm、鞘部融点110℃)11%
で配合し、CSとして麻TMP(東邦ワラパルプ製、麻
1B1S)9%、NBKPアラウコ29%、ポリエステ
ル繊維(帝人製、繊度0.5デニール(=7μm)、繊
維長5mm)42%、芯鞘型ポリエステルバインダー繊
維(ユニチカ製メルティー4080、繊度2デニール
(=14μm)、繊維長 5mm、鞘部融点110
℃)11%、M.G9%で配合し、円網抄紙機により2
層の坪量比1:1で抄造し、ヤンキードライヤーで12
0℃で乾燥し、坪量44g/m2の原紙として巻き取っ
た。この原紙を加工機に送りエチレン酢酸ビニル系エマ
ルジョン型バインダー(住友化学製スミカフレックス7
02(S−702と省略)、TG 0℃)を含浸加工し付
着量を固形分で対原紙坪量13.6%とし、熱風乾燥機
で130〜160℃で乾燥し、マシンカレンダーで自重
加圧して、フィルター材として巻き取った。M.Gの配
合量はフィルター材に対して4%になった。結果を表7
〜9に示す。
【0044】実施例2 エチレン酢酸ビニル系エマルジョン型バインダー(S−
702)の付着量を固形分で対原紙坪量11.1%とす
る以外は全く実施例1と同様にフィルター材を製造し
た。結果を表7〜9に示す。
【0045】実施例3 エチレン酢酸ビニル系エマルジョン型バインダー(S−
702)の付着量を固形分で対原紙坪量17.7%とす
る以外は全く実施例1と同様にフィルター材を製造し
た。結果を表7〜9に示す。
【0046】比較例3 エチレン酢酸ビニル系エマルジョン型バインダー(S−
702)の付着量を固形分で対原紙坪量10.0%とす
る以外は全く実施例1と同様にフィルター材を製造し
た。結果を表7〜9に示す。
【0047】比較例4 エチレン酢酸ビニル系エマルジョン型バインダー(S−
702)の付着量を固形分で対原紙坪量19.1%とす
る以外は全く実施例1と同様にフィルター材を製造し
た。結果を表7〜9に示す。
【0048】比較例5 エチレン酢酸ビニル系エマルジョン型バインダー(住友
化学製スミカフレックス751、TG −15℃)を含浸
加工し付着量は固形分で対原紙坪量17.7%とする以
外は実施例1と全く同様にフィルター材を製造した。結
果を表7〜9に示す。
【0049】実施例4 エチレン酢酸ビニル系エマルジョン型バインダー(住友
化学製スミカフレックス701、TG 20℃)を含浸加
工し付着量は固形分で対原紙坪量13.6%とする以外
は実施例1と全く同様にフィルター材を製造した。結果
を表7〜9に示す。
【0050】実施例5 エチレン塩化ビニル系エマルジョン型バインダー(住友
化学製スミエリート1310、TG 30℃)を含浸加工
し付着量は固形分で対原紙坪量13.6%とする以外は
実施例1と全く同様にフィルター材を製造した。結果を
表7〜9に示す。
【0051】実施例6 アクリル系エマルジョン型バインダー(住友化学製CX
G−103B、TG 33℃)を含浸加工し付着量は固形
分で対原紙坪量13.6%とする以外は実施例1と全く
同様にフィルター材を製造した。結果を表7〜9に示
す。
【0052】実施例7 CSのM.G9%→16%とし、ポリエステル繊維(帝
人製、繊度0.5デニール(=7μm)、繊維長5m
m)42%→35%とする以外は全く実施例1と同様に
フィルター材を製造した。M.Gのフィルター材に対す
る配合量は7%になった。結果を表7〜9に示す。
【0053】比較例6 CSのM.G9%→7%とし、ポリエステル繊維(帝人
製、繊度0.5デニール(=7μm)、繊維長5mm)
42%→44%とする以外は全く実施例1と同様にフィ
ルター材を製造した。M.Gのフィルター材に対する配
合量は3%になった。結果を表7〜9に示す。
【0054】比較例7 CSのM.G9%→18%とし、ポリエステル繊維(帝
人製、繊度0.5デニール(=7μm)、繊維長5m
m)42%→33%とする以外は全く実施例1と同様に
フィルター材を製造した。M.Gのフィルター材に対す
る配合量は8%になった。結果を表7〜9に示す。
【0055】実施例8 原紙の坪量を49g/m2とし、バインダーの付着量を
固形分で対原紙坪量11.1%とする以外は全く実施例
1と同様にフィルター材を製造した。結果を表7〜9に
示す。
【0056】実施例9 原紙の坪量を35g/m2とし、バインダーの付着量を
固形分で対原紙坪量17.7%とする以外は全く実施例
1と同様にフィルター材を製造した。結果を表7〜9に
示す。
【0057】比較例8 原紙の坪量を50g/m2とし、バインダーの付着量を
固形分で対原紙坪量11.1%とする以外は全く実施例
1と同様にフィルター材を製造した。結果を表7〜9に
示す。
【0058】比較例9 原紙の坪量を34g/m2とし、バインダーの付着量を
固形分で対原紙坪量17.7%とする以外は全く実施例
1と同様にフィルター材を製造した。結果を表7〜9に
示す。
【0059】実施例10 表2に示す如く、麻TMP(東邦ワラパルプ製、麻1B
1S)16%、ポリエステル繊維(帝人製、繊度0.5
デニール(=7μm)、繊維長5mm)16%、ビニロ
ン繊維(クラレ製RKW、繊度2デニール(=15μ
m)、繊維長6mm)10%、芯鞘型ポリエステルバイ
ンダー繊維(ユニチカ製メルティー4080、繊度2デ
ニール(=14μm)、繊維長5mm、鞘部融点110
℃)15%、芯鞘型ポリエステルバインダー繊維(ユニ
チカ製メルティー2080、繊度4デニール(=20μ
m)、繊維長5mm、鞘部融点200℃)24%、PV
A繊維(クラレ製VPB107−1×3、繊度1デニー
ル(=10μm)、繊維長3mm、鞘部融点70℃)3
%、M.G16%で配合し、円網抄紙機により1層で抄
造し、ヤンキードライヤーで120℃で乾燥し、坪量4
4g/m2の原紙として巻き取った。この原紙を加工機
に送りアクリル系エマルジョン型バインダー(住友化学
製CXG−104、TG 40℃)を含浸加工し付着量を
固形分で対原紙坪量13.6%とし、熱風乾燥機で13
0〜160℃で乾燥し、マシンカレンダーで自重加圧し
て、フィルター材として巻き取った。結果を表10〜1
2に示す。
【0060】実施例11 バインダーの付着量を固形分で対原紙坪量11.1%と
する以外は全く実施例10と同様にフィルター材を製造
した。結果を表10〜12に示す。
【0061】実施例12 バインダーの付着量を固形分で対原紙坪量17.7%と
する以外は全く実施例10と同様にフィルター材を製造
した。結果を表10〜12に示す。
【0062】比較例10 バインダーの付着量を固形分で対原紙坪量10.0%と
する以外は全く実施例10と同様にフィルター材を製造
した。結果を表10〜12に示す。
【0063】比較例11 バインダーの付仲量を固形分で対原紙坪量19.1%と
する以外は全く実施例10と同様にフィルター材を製造
した。結果を表10〜12は示す。
【0064】実施例13 ポリエステル繊維(帝人製、繊度0.5デニール(=7
μm)、繊維長5mm)16%→17%、M.G16%
→15%とする以外は全く実施例10と同様にフィルタ
ー材を製造した。結果を表10〜12に示す。
【0065】実施例14 ポリエステル繊維(帝人製、繊度0.5デニール(=7
μm)、繊維長5mm)16%→14%、M.G16%
→18%とする以外は全く実施例10と同様にフィルタ
ー材を製造した。結果を表10〜12に示す。
【0066】比較例12 ポリエステル繊維(帝人製、繊度0.5デニール(=7
μm)、繊維長5mm)16%→18%、M.G16%
→14%とする以外は全く実施例10と同様にフィルタ
ー材を製造した。結果を表10〜12に示す。
【0067】比較例13 ポリエステル繊維(帝人製、繊度0.5デニール(=7
μm)、繊維長5mm)16%→13%、M.G16%
→19%とする以外は全く実施例10と同様にフィルタ
ー材を製造した。結果を表10〜12に示す。
【0068】実施例15 原紙の坪量を39g/m2とし、バインダーの付着量を
固形分で対原紙坪量17.7%とする以外は全く実施例
10と同様にフィルター材を製造した。結果を表10〜
12に示す。
【0069】実施例16 原紙の坪量を49g/m2とし、バインダーの付着量を
固形分で対原紙坪量11.1%とする以外は全く実施例
10と同様にフィルター材を製造した。結果を表10〜
12に示す。
【0070】比較例14 原紙の坪量を38g/m2とし、バインダーの付着量を
固形分で対原紙坪量17.7%とする以外は全く実施例
10と同様にフィルター材を製造した。結果を表10〜
12に示す。
【0071】比較例15 原紙の坪量を50g/m2とし、バインダーの付着量を
固形分で対原紙坪量11.1%とする以外は全く実施例
10と同様にフィルター材を製造した。結果を表10〜
12に示す。
【0072】実施例17 麻TMP16%→5%、芯鞘型ポリエステルバインダー
繊維(ユニチカ製メルティー4080、繊度2デニール
(=14μm)、繊維長5mm、鞘部融点110℃)1
5%→26%とし、バインダーの付着量を固形分で対原
紙坪量17.7%とする以外は実施例10と全く同様に
フィルター材を製造した。結果を表10〜12に示す。
【0073】実施例18 麻TMP16%→20%、芯鞘型ポリエステルバインダ
ー繊維(ユニチカ製メルティー4080、繊度2デニー
ル(=14μm)、繊維長5mm、鞘部融点110℃)
15%→11%とし、バインダーの付着量を固形分で対
原紙坪量11.1%とする以外は実施例10と全く同様
にフィルター材を製造した。結果を表10〜12に示
す。
【0074】比較例16 麻TMP16%→4%、芯鞘型ポリエステルバインダー
繊維(ユニチカ製メルティー4080、繊度2デニール
(=14μm)、繊維長5mm、鞘部融点110℃)1
5%→27%とし、バインダーの付着量を固形分で対原
紙坪量17.7%とする以外は実施例10と全く同様に
フィルター材を製造した。結果を表10〜12に示す。
【0075】比較例17 麻TMP16%→21%、芯鞘型ポリエステルバインダ
ー繊維(ユニチカ製メルティー4080、繊度2デニー
ル(=14μm)、繊維長5mm、鞘部融点110℃)
15%→10%とし、バインダーの付着量を固形分で対
原紙坪量11.1%とする以外は実施例10と全く同様
にフィルター材を製造した。結果を表10〜12に示
す。
【0076】実施例19 アクリル系エマルジョン型バインダー(住友化学製CX
G−103B、TG 33℃)を含浸加工する以外は実施
例10と全く同様にフィルター材を製造した。結果を表
10〜12に示す。
【0077】比較例18 アクリル系エマルジョン型バインダー(住友化学製CX
G−103A、TG 26℃)を含浸加工する以外は実施
例10と全く同様にフィルター材を製造した。結果を表
10〜12に示す。
【0078】比較例19 エチレン塩化ビニル系エマルジョン型バインダー(住友
化学製スミエリート1310、TG 30℃)を含浸加工
する以外は実施例10と全く同様にフィルター材を製造
した。結果を表10〜12に示す。
【0079】実施例20 表2に示す繊維配合でDSとCSの坪量比50:50で
構成される44g/m2の原紙に、加工は実施例10と
全く同様にしてフィルター材を製造した。結果を表13
〜15に示す。
【0080】実施例21 表2に示す繊維配合でDSとCSの坪量比41:59で
構成される44g/m2の原紙に、加工は実施例10と
全く同様にしてフィルター材を製造した。結果を表13
〜15に示す。
【0081】実施例22 表2に示す繊維配合でDSとCSの坪量比32:68で
構成される44g/m2の原紙に、加工は実施例10と
全く同様にしてフィルター材を製造した。結果を表13
〜15に示す。
【0082】比較例20 繊維配合は実施例20と全く同じで、DSとCSの坪量
比55:45で構成される44g/m2の原紙に、加工
は実施例10と全く同様にしてフィルター材を製造し
た。結果を表13〜15に示す。
【0083】比較例21 繊維配合は実施例22と全く同じで、DSとCSの坪量
比27:73で構成される44g/m2の原紙に、加工
は実施例10と全く同様にしてフィルター材を製造し
た。結果を表13〜15に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
【表7】
【0090】
【表8】
【0091】
【表9】
【0092】
【表10】
【0093】
【表11】
【0094】
【表12】
【0095】
【表13】
【0096】
【表14】
【0097】
【表15】
【0098】以下に全ての実施例と比較例の結果につい
て説明する。比較例1〜2は従来のフィルター材、実施
例1〜9は本発明の2層構成のフィルター材、実施例1
0〜22は本発明の更に高集塵なフィルター材で、その
うち実施例10〜19は1層、実施例20〜22は2層
で構成したものである。
【0099】実施例1〜9に対し比較例3〜9、実施例
10〜19に対し比較例10〜19、実施例20〜22
に対し比較例20〜21を載せた。
【0100】図2でフィルター材のフラジール通気度と
初期圧損及びダスト5g投入時の圧損の関係、図3でフ
ィルター材のフラジール通気度と吸込仕事率の関係を示
した。フィルター材のフラジール通気度が高くなるほど
初期圧損及びダスト5g投入時の圧損は低くなり、吸込
仕事率は高くなることが分かる。フラジール通気度が1
0cc/cm2 以上あれば吸込仕事率が300W以上になる
ことが分かる。
【0101】図4でフィルター材単板の集塵効率と、集
塵袋としての電気掃除機での集塵効率の関係を示した。
正の相関があり単板の集塵効率が良ければ集塵袋として
も集塵効率が良いことが分かる。
【0102】比較例1は従来のフィルター材であり集塵
効率が高くないので初期漏れが多く、目は詰まっていて
紙質は硬いので吸込仕事率は300W未満、開きは悪
く、袋破れも早い。比較例2はマイクロガラス繊維を減
らして目を開けたため吸込仕事率は300W以上となっ
たが初期漏れ、開き、袋破れはいずれも好ましくない結
果でハイパワーの電気掃除機の集塵袋としては相応しく
なかった。
【0103】実施例1〜3、比較例3〜4はバインダー
の付着量の影響を見たもので、バインダーの付着量が少
なくなるとフィルター材の伸びが大きくなることによる
集塵効率の低下、強度が落ち袋破れが早くなり好ましく
ない。付着量が多くなるとフィルター材の目が詰まり吸
込仕事率の低下、集塵効率の低下となる。
【0104】比較例5、実施例4〜6はバインダーのT
G の影響を見たもので、TG の低いバインダーを用いる
とフィルター材の伸びが大きくなることにより集塵効率
の低下となる。バインダーのTG が高くなるほどフィル
ター材の伸びが小さくなることにより集塵効率が上が
る。TG が高ければ特に問題はないが、0℃よりもTG
が低いバインダーを用いると集塵効率が未達となり好ま
しくない。
【0105】実施例7、比較例6〜7はマイクロガラス
繊維の配合量の影響を見たもので、CSに16%までな
ら吸込仕事率300W以上を保てるが、これより多くな
ると目が詰まりすぎ吸込仕事率が未達となる。CSに8
%未満となると集塵効率が低下し初期漏れが目立つよう
になる。
【0106】実施例8〜9、比較例8〜9は原紙の坪量
の影響を見たもので、坪量を上げると圧損が高くなるの
でバインダーの付着量を減らす必要があり、そのためフ
ィルター材は伸び易くなり集塵効率が低下する。坪量を
下げると強度が低下するのでバインダーの付着量を増や
す必要があり、そのためフィルター材の目が詰まって集
塵効率が低下する。原紙の坪量が35〜49g/m2
範囲を外れると集塵効率が未達となり好ましくない。
【0107】実施例10〜12、比較例10〜11はバ
インダーの付着量の影響を見たもので、バインダーの付
着量が少なくなるとフィルター材の伸びが大きくなるこ
とによる集塵効率の低下、強度が落ち袋破れが早くなり
好ましくない。付着量が多くなるとフィルター材の目が
詰まり吸込仕事率の低下、集塵効率の低下となる。
【0108】実施例13〜14、比較例12〜13はマ
イクロガラス繊維の配合量の影響を見たもので、18%
までなら吸込仕事率300W以上を保てるが、これより
多くなると目が詰まりすぎ吸込仕事率が未達となる。1
5%未満となると集塵効率が低下し初期漏れがやや見え
るようになる。
【0109】実施例15〜16、比較例14〜15は原
紙の坪量の影響を見たもので、坪量を上げると圧損が高
くなるのでバインダーの付着量を減らす必要があり、そ
のためフィルター材は伸び易くなり集塵効率が低下す
る。坪量を下げると強度が低下するのでバインダーの付
着量を増やす必要があり、そのためフィルター材の目が
詰まって集塵効率が低下する。原紙の坪量が39〜49
g/m2の範囲を外れると集塵効率が未達となり好まし
くない。
【0110】実施例17〜18、比較例16〜17は植
物繊維の配合量の影響を見たもので、配合量を減らすと
強度を出すためにはポリエステルバインダー繊維を増配
し、バインダーの付着量を増やすのでフィルター材は伸
び易く、また目も詰まるので集塵効率、吸込仕事率が共
に低下する。配合量を増やすと目が詰まるのでバインダ
ーの付着量を減らすことが必要となり、そのためフィル
ター材は伸び易くなり集塵効率が低下する。配合量が5
%未満では集塵効率が未達となり、20%より多いと吸
込仕事率が未達となる。
【0111】実施例19、比較例18〜19はバインダ
ーのTG の影響を見たもので、TGの低いバインダーを
用いるとフィルター材の伸びが大きくなることにより集
塵効率の低下となる。TG 33℃のバインダーであれば
集塵効率は達成出来るが、それよりもTG の低いバイン
ダーを用いると集塵効率が未達となる。
【0112】実施例20〜22、比較例20〜21は2
層構成で高集塵なフィルター材を製造する場合のDSと
CSの坪量比の影響を見たもので、DSの比率が大きい
ほど圧損を低く出来るが集塵効率が悪くなる。CSの比
率が大きいほど集塵効率が良くなり圧損は高くなる。集
塵効率を達成するには最低CSの比率が50%は必要
で、吸込仕事率を達成するには最低DSの比率が30%
は必要であることを示す。
【0113】フィルター材の伸びが大きいと、集塵袋と
しては電気掃除機の風を受けて目が開くのでダストが漏
れ、集塵効率が低下することを実施例10、比較例18
で説明する。比較例18はバインダーのTG が26℃、
実施例10のそれは40℃であること以外は全て同じで
ある。TG が低いので比較例18はフィルター材として
は軟らかいため伸びが大きい。ダスト投入量が 100gを
過ぎてから伸びの影響が出始め、目が開くため徐々にダ
ストの漏れが増えるため、初期漏れは少なく良好である
のに集塵効率が未達となった。表16に実施例10、比
較例18のダスト投入量 200gまでの漏れの経過と集塵
効率を示す。
【0114】
【表16】
【0115】
【発明の効果】本発明によって、従来のフィルター材に
比べると、通気性が良く、しかも細かい空隙構造を有し
集塵効率が高く、強度もありまた柔軟性のあるフィルタ
ー材を提供することが出来た。そのため本発明のフィル
ター材より集塵袋をつくり吸込仕事率300〜400W
のハイパワー電靴掃除機に使用すると、吸込仕事率・集
塵効率・初期漏れ・開き・袋破れの5項目全て良好な結
果が得られた。従来のフィルター材ではハイパワー電気
掃除機の集塵袋に適用することが無理であったが、本発
明のフィルター材によって可能にすることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧力損失の測定機の概略図。
【図2】本発明のフィルター材のフラジール通気度と、
初期圧損及び5g投入時の圧損の関係。
【図3】本発明のフィルター材のフラジール通気度と、
電気掃除機の集塵袋の実技試験での吸込仕事率の関係。
【図4】本発明のフィルター材の単板の集塵効率と、電
気掃除機の集塵袋の実技試験での集塵効率の関係。
【符号の説明】
1 空気吸込用のファン 2 試験片取付台 3 試験片 4 ヘパフィルター 5 粉塵投入口 6 空気流量測定用マノメータ 7 圧力損失用マノメータ 8 加減抵抗器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維50〜60重量%、合成繊維3
    0〜40重量%、合成バインダー繊維10〜15重量%
    からなるダスト層、植物繊維30〜40重量%、合成繊
    維30〜50重量%、合成バインダー繊維10〜15重
    量%、マイクロガラス繊維8〜16重量%からなるクリ
    ーン層の2層で構成される坪量35.0〜49.0g/
    2のシートに対し、ガラス転移点0℃以上のエマルジ
    ョン型バインダーを11〜18重量%含浸加工させて成
    ることを特徴とする電気掃除機集塵袋用フィルター材。
  2. 【請求項2】 マイクロガラス繊維がフィルター材全重
    量に対して4〜7重量%含まれることを特徴とする請求
    項1記載の電気掃除機集塵袋用フィルター材。
  3. 【請求項3】 フラジール通気度がJIS L1096
    の測定法により10cc/cm2/s以上である請求項1また
    は2記載の電気掃除機集塵袋用フィルター材。
  4. 【請求項4】 植物繊維5〜20重量%、合成繊維15
    〜35重量%、合成バインダー繊維35〜60重量%、
    マイクロガラス繊維15〜18%からなる1層で構成さ
    れる坪量39.0〜49.0g/m2のシートに対し、
    ガラス転移点33℃以上のエマルジョン型バインダーを
    11〜18重量%含浸加工させて成ることを特徴とする
    電気掃除機集塵袋用フィルター材。
  5. 【請求項5】 JIS L1096の測定法によりフラ
    ジール通気度が10cc/cm2/s以上である請求項4記載
    の電気掃除機集塵袋用フィルター材。
  6. 【請求項6】 JIS L1085の測定法により引張
    ヨコ9kg/50mm以上、且つ破断伸び7〜9%である請求
    項4または5記載の電気掃除機集塵袋用フィルター材。
  7. 【請求項7】 ダスト層30〜50重量%、クリーン層
    50〜70重量%の2層で構成され、且つ各層の繊維配
    合が植物繊維5〜20重量%、合成繊維15〜35重量
    %、合成バインダー繊維35〜60重量%、マイクロガ
    ラス繊維11〜18%で、坪量39.0〜49.0g/
    2の2層シートに対し、ガラス転移点33℃以上のエ
    マルジョン型バインダーを11〜18重量%含浸加工さ
    せて成ることを特徴とする電気掃除機集塵袋用フィルタ
    ー材。
  8. 【請求項8】 JIS L1096の測定法によりフラ
    ジール通気度が10cc/cm2/s以上である請求項7記載
    の電気掃除機集塵袋用フィルター材。
  9. 【請求項9】 JIS L1085の測定法により引張
    ヨコ9kg/50mm以上、且つ破断伸び7〜9%である請求
    項7または8記載の電気掃除機集塵袋用フィルター材。
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