JPH06217797A - ナトリウムイオンの定量方法 - Google Patents
ナトリウムイオンの定量方法Info
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- JPH06217797A JPH06217797A JP1192493A JP1192493A JPH06217797A JP H06217797 A JPH06217797 A JP H06217797A JP 1192493 A JP1192493 A JP 1192493A JP 1192493 A JP1192493 A JP 1192493A JP H06217797 A JPH06217797 A JP H06217797A
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- sodium ion
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- sodium
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡便にかつ迅速なナトリウムイオンの定量法
を提供する。 【構成】 水性媒体中、試料中のナトリウムイオンを及
び単環式クラウンエーテルの存在下、β−ガラクトシダ
ーゼにβ−ガラクトシダーゼの基質を作用させ、反応後
β−ガラクトシダーゼの基質または反応生成物の量の変
化を測定することを特徴とするナトリウムイオンの定量
方法。
を提供する。 【構成】 水性媒体中、試料中のナトリウムイオンを及
び単環式クラウンエーテルの存在下、β−ガラクトシダ
ーゼにβ−ガラクトシダーゼの基質を作用させ、反応後
β−ガラクトシダーゼの基質または反応生成物の量の変
化を測定することを特徴とするナトリウムイオンの定量
方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単環式クラウンエーテル
の存在下、β−ガラクトシダーゼ反応を用いたナトリウ
ムイオンの定量方法に関する。
の存在下、β−ガラクトシダーゼ反応を用いたナトリウ
ムイオンの定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】β−ガラクトシダーゼの基質にβ−ガラ
クトシダーゼを作用させるとナトリウムイオン量に比例
してβ−ガラクトシダーゼの活性が増加することが知ら
れており、これを利用する生体試料中のナトリウムイオ
ンの酵素的定量方法が知られている。該定量方法におい
ては、一般に生体試料中のナトリウムイオン濃度が高濃
度であるため、検量線の直線性が得られにくく、ナトリ
ウムイオン濃度を減少させる目的で、次式(A)
クトシダーゼを作用させるとナトリウムイオン量に比例
してβ−ガラクトシダーゼの活性が増加することが知ら
れており、これを利用する生体試料中のナトリウムイオ
ンの酵素的定量方法が知られている。該定量方法におい
ては、一般に生体試料中のナトリウムイオン濃度が高濃
度であるため、検量線の直線性が得られにくく、ナトリ
ウムイオン濃度を減少させる目的で、次式(A)
【0003】
【化2】
【0004】で表される4,7,13,16,21- ペンタオキサ-
1,10-ジアザビシクロ[8.8.5] トリコサン〔クリプトフ
ィクス(商標名)221〕を添加する方法が知られてい
る〔クリニカルケミストリー(Clinical Chemistory),
34巻,2295 頁,1988年〕。
1,10-ジアザビシクロ[8.8.5] トリコサン〔クリプトフ
ィクス(商標名)221〕を添加する方法が知られてい
る〔クリニカルケミストリー(Clinical Chemistory),
34巻,2295 頁,1988年〕。
【0005】18−クラウン−6等の単環式クラウンエ
ーテルがナトリウムイオンと配位することがジャーナル
オブ オルガニックケミストリー(J.Org.Chem.),47
巻,147頁,1982年に記載されている。
ーテルがナトリウムイオンと配位することがジャーナル
オブ オルガニックケミストリー(J.Org.Chem.),47
巻,147頁,1982年に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】クリプトフィクス22
1等二環式化合物を用いる方法は、クリプテートの解離
速度が小さく測定までの予備反応に時間がかかり、測定
操作の簡便さに欠けること、またこのような性質からク
リプトフィクス221とβ−ガラクトシダーゼをプレイ
ンキュベーションさせるため、クリプトフィクス221
によりβ−ガラクトシダーゼの安定性が損なわれ低濃度
のナトリウムイオンの定量性に欠けること等の問題があ
り、より良い方法の開発が望まれている。
1等二環式化合物を用いる方法は、クリプテートの解離
速度が小さく測定までの予備反応に時間がかかり、測定
操作の簡便さに欠けること、またこのような性質からク
リプトフィクス221とβ−ガラクトシダーゼをプレイ
ンキュベーションさせるため、クリプトフィクス221
によりβ−ガラクトシダーゼの安定性が損なわれ低濃度
のナトリウムイオンの定量性に欠けること等の問題があ
り、より良い方法の開発が望まれている。
【0007】本発明により、定量性が良く、迅速かつ簡
便な生体中のナトリウムイオンの新規な定量方法が提供
される。
便な生体中のナトリウムイオンの新規な定量方法が提供
される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水性媒体中、
試料中のナトリウムイオン及び単環式クラウンエーテル
の存在下、β−ガラクトシダーゼにβ−ガラクトシダー
ゼの基質を作用させ、反応後β−ガラクトシダーゼの基
質または反応生成物の量の変化を測定することを特徴と
するナトリウムイオンの定量方法に関する。
試料中のナトリウムイオン及び単環式クラウンエーテル
の存在下、β−ガラクトシダーゼにβ−ガラクトシダー
ゼの基質を作用させ、反応後β−ガラクトシダーゼの基
質または反応生成物の量の変化を測定することを特徴と
するナトリウムイオンの定量方法に関する。
【0009】本発明において、水性媒体とは、緩衝液、
生理食塩水等水を含有する液体を表し、緩衝液として
は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩
衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、コハク酸緩衝液、シ
ュウ酸緩衝液、フタル酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、グリシ
ン緩衝液、バルビタール緩衝液またはグッド(GOO
D)の緩衝液等があげられる。
生理食塩水等水を含有する液体を表し、緩衝液として
は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩
衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、コハク酸緩衝液、シ
ュウ酸緩衝液、フタル酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、グリシ
ン緩衝液、バルビタール緩衝液またはグッド(GOO
D)の緩衝液等があげられる。
【0010】ナトリウムイオンを含む試料とは、水性媒
体に混和する試料であればどのようなものでもよいが、
血液、血清、細胞等原子吸光法では測定しにくい生体中
の試料についても測定できる。
体に混和する試料であればどのようなものでもよいが、
血液、血清、細胞等原子吸光法では測定しにくい生体中
の試料についても測定できる。
【0011】単環式クラウンエーテルとは、単環式クラ
ウンエーテルでナトリウムイオンと錯体を形成するもの
であればどのようなものでもよいが、式(I)
ウンエーテルでナトリウムイオンと錯体を形成するもの
であればどのようなものでもよいが、式(I)
【0012】
【化3】
【0013】{式中、mは0〜2の整数を表し、nは4
〜8の整数を表し、R1 、R2 およびR3 は同一または
異なって、水素、鎖中に1〜3個のエーテル結合を有し
てもよいヒドロキシ置換もしくは非置換の低級アルキ
ル、低級アルコキシ、低級アルケニルまたはアラルキル
を表し、ここで化合物中に複数存在するR1 、R2 およ
びR3 (m=2の場合)は同一または異なってもよく、
またm=2のとき、−CH 2 CH2 NR3 −は、隣接ま
たは−OCR1 R2 CH2 −のくり返し単位の任意の位
置にはさまれていてもよい}で表される化合物であるこ
とが好ましい。
〜8の整数を表し、R1 、R2 およびR3 は同一または
異なって、水素、鎖中に1〜3個のエーテル結合を有し
てもよいヒドロキシ置換もしくは非置換の低級アルキ
ル、低級アルコキシ、低級アルケニルまたはアラルキル
を表し、ここで化合物中に複数存在するR1 、R2 およ
びR3 (m=2の場合)は同一または異なってもよく、
またm=2のとき、−CH 2 CH2 NR3 −は、隣接ま
たは−OCR1 R2 CH2 −のくり返し単位の任意の位
置にはさまれていてもよい}で表される化合物であるこ
とが好ましい。
【0014】式(I)において、低級アルキルおよび低
級アルコキシのアルキル部分とは、直鎖または分岐状の
炭素数1〜6のアルキルを表し、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、ヘキシル等があげられ、エーテル結合を有
し、ヒドロキシで置換されていてもよいアルキルとして
は例えば、−CH2 OCH3 、−CH2 OCH2 CH2
OCH3 、−CH2 CH(OH)CH2 OCH3 、−C
H2 CH2 OCH3 、−CH2 CH2 OCH2 CH 2 O
CH3 等があげられる。低級アルケニルとは直鎖または
分岐状の炭素数2〜6の例えばビニル、アリル、イソプ
ロペニル等があげられる。アラルキルとしては、炭素数
7〜20のベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、フ
ェニルプロピル等があげられる。
級アルコキシのアルキル部分とは、直鎖または分岐状の
炭素数1〜6のアルキルを表し、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、ヘキシル等があげられ、エーテル結合を有
し、ヒドロキシで置換されていてもよいアルキルとして
は例えば、−CH2 OCH3 、−CH2 OCH2 CH2
OCH3 、−CH2 CH(OH)CH2 OCH3 、−C
H2 CH2 OCH3 、−CH2 CH2 OCH2 CH 2 O
CH3 等があげられる。低級アルケニルとは直鎖または
分岐状の炭素数2〜6の例えばビニル、アリル、イソプ
ロペニル等があげられる。アラルキルとしては、炭素数
7〜20のベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、フ
ェニルプロピル等があげられる。
【0015】以下、式(I)で示される化合物を化合物
(I)と称する。化合物(I)は市販されていて入手で
き、また「機能性環状化合物の応用,武田裕之編,アイ
・ピー・シー社刊,1990年」等を参考にして製造す
ることができる。
(I)と称する。化合物(I)は市販されていて入手で
き、また「機能性環状化合物の応用,武田裕之編,アイ
・ピー・シー社刊,1990年」等を参考にして製造す
ることができる。
【0016】本発明に用いられる代表的な化合物(I)
の構造を第1表に示す。
の構造を第1表に示す。
【0017】
【表1】
【0018】本発明におけるβ−ガラクトシダーゼとは
酵素番号〔EC.3.2.1.23〕に属する酵素であ
ればよく、動物中、微生物中または植物中から採取した
β−ガラクトシダーゼあるいはそれらを遺伝子工学によ
り改変し製造した酵素が含まれる。
酵素番号〔EC.3.2.1.23〕に属する酵素であ
ればよく、動物中、微生物中または植物中から採取した
β−ガラクトシダーゼあるいはそれらを遺伝子工学によ
り改変し製造した酵素が含まれる。
【0019】β−ガラクトシダーゼの基質とは、、合成
品あるいは天然物のいずれでもよく、例えば、β−D−
ガラクトシド、アリールβ−D−ガラクトシド、アルキ
ルβ−D−ガラクトシド、3,6−ジヒドロキシフルオ
ランβ−D−ガラクトシド、ニトロフェニルβ−D−ピ
ラノグリコシド、ニトロフェニルβ−D−ガラクトシ
ド、ラクチノール、ラクトース、4−メチルウムベリフ
ェリルβ−D−ガラクトシド等があげられる。
品あるいは天然物のいずれでもよく、例えば、β−D−
ガラクトシド、アリールβ−D−ガラクトシド、アルキ
ルβ−D−ガラクトシド、3,6−ジヒドロキシフルオ
ランβ−D−ガラクトシド、ニトロフェニルβ−D−ピ
ラノグリコシド、ニトロフェニルβ−D−ガラクトシ
ド、ラクチノール、ラクトース、4−メチルウムベリフ
ェリルβ−D−ガラクトシド等があげられる。
【0020】反応液中で減少するβ−ガラクトシダーゼ
の基質量の変化は、前述の例えば、ニトロフェニルエス
テル等の基質の減少を吸光度等で測定することにより求
めることができる。
の基質量の変化は、前述の例えば、ニトロフェニルエス
テル等の基質の減少を吸光度等で測定することにより求
めることができる。
【0021】反応液中で生成するβ−ガラクトシダーゼ
反応生成物の量は、例えば前述の基質から、β−ガラク
トシダーゼ反応により生成するガラクトース、アグリコ
ン部、3,6−ジヒドロキシフルオラン、ニトロフェノ
ール等を比色法、吸光光度法、蛍光光度法、酸化還元測
定法、高速液体クロマトグラフィー法等で測定すること
により求めることができる。また、該酵素反応をガラク
トースデヒドロゲナーゼ等と共役させて、生成する還元
型補酵素量を定量してもよい。
反応生成物の量は、例えば前述の基質から、β−ガラク
トシダーゼ反応により生成するガラクトース、アグリコ
ン部、3,6−ジヒドロキシフルオラン、ニトロフェノ
ール等を比色法、吸光光度法、蛍光光度法、酸化還元測
定法、高速液体クロマトグラフィー法等で測定すること
により求めることができる。また、該酵素反応をガラク
トースデヒドロゲナーゼ等と共役させて、生成する還元
型補酵素量を定量してもよい。
【0022】以下に本発明のナトリウムイオンの定量法
について説明する。トリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、コハ
ク酸緩衝液、シュウ酸緩衝液、フタル酸緩衝液、ホウ酸
緩衝液、グリシン緩衝液、バルビタール緩衝液またはグ
ッド(GOOD)の緩衝液等の緩衝液(150〜100
0mM/L溶液:pH6.5〜9.5)に、化合物
(I)の50〜1000mM/L溶液および試料を加え
る。該溶液にβ−ガトシダーゼの基質250μM/L〜
4mM/Lまたはβ−ガラクトトシダーゼ25〜750
0単位/Lを添加し、8〜50℃で1秒間以上予備反応
させる。次に前記と同量のβ−ガラクトトシダーゼおよ
びβ−ガラクトシダーゼの基質を各々加え、8〜50℃
で1秒以上反応させる。反応液中で減少するβ−ガラク
トシダーゼの基質量を上述の方法により測定するかまた
は反応液中で生成するβ−ガラクトシダーゼ反応生成物
の量を上述の方法により測定し、β−ガラクトシダーゼ
反応で消費された基質量を測定する。当該酵素反応にお
いては、試料中のナトリウムイオン相当量の基質が消費
されるので、当該測定法によりナトリウムイオンの定量
を行うことができる。
について説明する。トリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、コハ
ク酸緩衝液、シュウ酸緩衝液、フタル酸緩衝液、ホウ酸
緩衝液、グリシン緩衝液、バルビタール緩衝液またはグ
ッド(GOOD)の緩衝液等の緩衝液(150〜100
0mM/L溶液:pH6.5〜9.5)に、化合物
(I)の50〜1000mM/L溶液および試料を加え
る。該溶液にβ−ガトシダーゼの基質250μM/L〜
4mM/Lまたはβ−ガラクトトシダーゼ25〜750
0単位/Lを添加し、8〜50℃で1秒間以上予備反応
させる。次に前記と同量のβ−ガラクトトシダーゼおよ
びβ−ガラクトシダーゼの基質を各々加え、8〜50℃
で1秒以上反応させる。反応液中で減少するβ−ガラク
トシダーゼの基質量を上述の方法により測定するかまた
は反応液中で生成するβ−ガラクトシダーゼ反応生成物
の量を上述の方法により測定し、β−ガラクトシダーゼ
反応で消費された基質量を測定する。当該酵素反応にお
いては、試料中のナトリウムイオン相当量の基質が消費
されるので、当該測定法によりナトリウムイオンの定量
を行うことができる。
【0023】本発明方法を実施する際、反応液の濁りの
発生防止等のため、必要に応じてトリトンX−100等
の界面活性剤を加えることができる。また必要に応じて
ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン
(HSA)、ヒト免疫グロブリン、卵白アルブミン等の
タンパク質、ジメチルスルホキシド等の可溶化剤、ジチ
オスライトール等の抗酸化剤、硫酸マグネシウム等のβ
−ガラクトシダーゼの活性化剤、塩化リチウム、リチウ
ムエチレンビス(オキシエチレンニトリロ)テトラ酢酸
リチウム(EGTA)等のクラウンエーテルの効果を増
強するためのナトリウムの阻害剤を添加することも可能
である。
発生防止等のため、必要に応じてトリトンX−100等
の界面活性剤を加えることができる。また必要に応じて
ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン
(HSA)、ヒト免疫グロブリン、卵白アルブミン等の
タンパク質、ジメチルスルホキシド等の可溶化剤、ジチ
オスライトール等の抗酸化剤、硫酸マグネシウム等のβ
−ガラクトシダーゼの活性化剤、塩化リチウム、リチウ
ムエチレンビス(オキシエチレンニトリロ)テトラ酢酸
リチウム(EGTA)等のクラウンエーテルの効果を増
強するためのナトリウムの阻害剤を添加することも可能
である。
【0024】本発明に用いた単環式クラウンエーテル
は、クリプトフィクス221よりナトリウムとの結合力
が極めて弱いものの、ナトリウムイオンの取り込み、放
出速度が大きいため、測定までの予備反応に時間がかか
らず、β−ガラクトシダーゼとのプレインキュベーショ
ンの必要が無いため、β−ガラクトシダーゼの安定性を
損なうことも無い。従って単環式クラウンエーテルを用
いた本発明により、定量性が良く、迅速かつ簡便な生体
中のナトリウムイオンの新規な定量方法が提供される。
は、クリプトフィクス221よりナトリウムとの結合力
が極めて弱いものの、ナトリウムイオンの取り込み、放
出速度が大きいため、測定までの予備反応に時間がかか
らず、β−ガラクトシダーゼとのプレインキュベーショ
ンの必要が無いため、β−ガラクトシダーゼの安定性を
損なうことも無い。従って単環式クラウンエーテルを用
いた本発明により、定量性が良く、迅速かつ簡便な生体
中のナトリウムイオンの新規な定量方法が提供される。
【0025】以下に本発明の実施例を示す。
【0026】
実施例1 (1)ナトリウムイオン検量線用標準液の作成 塩化ナトリウム(和光純薬工業製)を蒸留水で希釈し、
反応液中70mM/L、140mM/L、180mM/
Lのナトリウム検量線用標準液を調製した。
反応液中70mM/L、140mM/L、180mM/
Lのナトリウム検量線用標準液を調製した。
【0027】(2)ナトリウムイオンの定量試験管にナ
トリウムイオン検量線用標準液0.03mLを添加した
後、予め37℃に加温したβ−ガラクトシダーゼ(シグ
マ社製)550単位/L、DL−ジチオスライトール
(シグマ社製)5mM/L、硫酸マグネシウム(シグマ
社製)11.2mM/L、塩化リチウム(和光純薬)2
4mM/LおよびリチウムEGTA(シグマ社製)0.
5mM/Lを含む500mMトリス−塩酸緩衝液(pH
7.4)2.0mLを加えた。これに予め37℃に加温
した18−クラウン−6(和光純薬製)360mM/L
およびo−ニトロフェニルβ−D−ピラノグリコシド
(メルク社製)2mM/Lを含む蒸留水1.0mLを加
え、攪拌混合させて37℃で反応させて1分間に生成す
るp−ニトロフェノールの量を、分光光度計(UV34
00日立製)を用いて420nmの可視部の吸収強度か
ら定量した。得られた検量線を図1に示した。
トリウムイオン検量線用標準液0.03mLを添加した
後、予め37℃に加温したβ−ガラクトシダーゼ(シグ
マ社製)550単位/L、DL−ジチオスライトール
(シグマ社製)5mM/L、硫酸マグネシウム(シグマ
社製)11.2mM/L、塩化リチウム(和光純薬)2
4mM/LおよびリチウムEGTA(シグマ社製)0.
5mM/Lを含む500mMトリス−塩酸緩衝液(pH
7.4)2.0mLを加えた。これに予め37℃に加温
した18−クラウン−6(和光純薬製)360mM/L
およびo−ニトロフェニルβ−D−ピラノグリコシド
(メルク社製)2mM/Lを含む蒸留水1.0mLを加
え、攪拌混合させて37℃で反応させて1分間に生成す
るp−ニトロフェノールの量を、分光光度計(UV34
00日立製)を用いて420nmの可視部の吸収強度か
ら定量した。得られた検量線を図1に示した。
【0028】クリプトフィクス221はβ−ガラクトシ
ダーゼとのプレインキュベーションを必要とする方法で
110〜160mMのナトリウム濃度で検量線の直線性
が得られることが知られている(Clinical Chemistory
,34巻,2295 頁,1988年) 。図1によれば、18−ク
ラウン−6はクリプトフィクス221と異なり、β−ガ
ラクトシダーゼとのプレインキュベーションを行わない
より簡便な方法で、70〜180mMのナトリウム濃度
で検量線の直線性が得られた。
ダーゼとのプレインキュベーションを必要とする方法で
110〜160mMのナトリウム濃度で検量線の直線性
が得られることが知られている(Clinical Chemistory
,34巻,2295 頁,1988年) 。図1によれば、18−ク
ラウン−6はクリプトフィクス221と異なり、β−ガ
ラクトシダーゼとのプレインキュベーションを行わない
より簡便な方法で、70〜180mMのナトリウム濃度
で検量線の直線性が得られた。
【0029】実施例2ナトリウムイオン検量線用標準液
の代わりにヒトから得た血清2検体を試料として用い、
アルブミン5g/Lを反応液に添加する以外は、実施例
1と同様の方法によりナトリウム濃度を測定した。結果
を第2表に示した。
の代わりにヒトから得た血清2検体を試料として用い、
アルブミン5g/Lを反応液に添加する以外は、実施例
1と同様の方法によりナトリウム濃度を測定した。結果
を第2表に示した。
【0030】
【表2】
【0031】第2表によれば、本発明方法による測定値
と炎光法による測定値が一致した。
と炎光法による測定値が一致した。
【0032】実施例318−クラウン−6の代わりにN
−〔2−(メトキシエトキシ)エチル〕モノアゾ−15
−クラウン−5を用いる以外は実施例1と同様の方法に
より得た検量線を図2に示した。
−〔2−(メトキシエトキシ)エチル〕モノアゾ−15
−クラウン−5を用いる以外は実施例1と同様の方法に
より得た検量線を図2に示した。
【0033】図2によれば、N−〔2−(メトキシエト
キシ)エチル〕モノアゾ−15−クラウン−5も18−
クラウン−6と同様にプレインキュベーションを行わな
いより簡便な方法で、110〜180mMのナトリウム
濃度で検量線の直線性が得られた。
キシ)エチル〕モノアゾ−15−クラウン−5も18−
クラウン−6と同様にプレインキュベーションを行わな
いより簡便な方法で、110〜180mMのナトリウム
濃度で検量線の直線性が得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明により、定量性および再現性がよ
く、簡便にかつ迅速にナトリウムイオンを測定すること
ができる方法が提供される。
く、簡便にかつ迅速にナトリウムイオンを測定すること
ができる方法が提供される。
【図1】 18−クラウン−6を用いたときのナトリウ
ムの検量線。
ムの検量線。
【図2】 N−〔2−(メトキシエトキシ)エチル〕モ
ノアゾ−15−クラウン−5を用いたときのナトリウム
の検量線。
ノアゾ−15−クラウン−5を用いたときのナトリウム
の検量線。
Claims (2)
- 【請求項1】 水性媒体中、試料中のナトリウムイオン
及び単環式クラウンエーテルの存在下、β−ガラクトシ
ダーゼにβ−ガラクトシダーゼの基質を作用させ、反応
後β−ガラクトシダーゼの基質または反応生成物の量の
変化を測定することを特徴とするナトリウムイオンの定
量方法。 - 【請求項2】 単環式クラウンエーテルが式(I) 【化1】 {式中、mは0〜2の整数を表し、nは4〜8の整数を
表し、R1 、R2 およびR3 は同一または異なって、水
素、鎖中に1〜3個のエーテル結合を有してもよいヒド
ロキシ置換もしくは非置換の低級アルキル、低級アルコ
キシ、低級アルケニルまたはアラルキルを表し、ここで
化合物中に複数存在するR1 、R2 およびR3 (m=2
の場合)は同一または異なってもよく、またm=2のと
き、−CH 2 CH2 NR3 −は、隣接または−OCR1
R2 CH2 −のくり返し単位の任意の位置にはさまれて
いてもよい}で表される化合物である請求項1記載の定
量方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1192493A JPH06217797A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | ナトリウムイオンの定量方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1192493A JPH06217797A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | ナトリウムイオンの定量方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06217797A true JPH06217797A (ja) | 1994-08-09 |
Family
ID=11791238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1192493A Withdrawn JPH06217797A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | ナトリウムイオンの定量方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06217797A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016031885A1 (ja) * | 2014-08-27 | 2016-03-03 | 合同酒精株式会社 | ラクターゼ溶液及びそれを用いた乳 |
KR20160044275A (ko) * | 2014-10-15 | 2016-04-25 | 경희대학교 산학협력단 | 초임계 추출용 신규 킬레이트 리간드, 이의 제조방법 및 이를 이용한 금속추출방법 |
-
1993
- 1993-01-27 JP JP1192493A patent/JPH06217797A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016031885A1 (ja) * | 2014-08-27 | 2016-03-03 | 合同酒精株式会社 | ラクターゼ溶液及びそれを用いた乳 |
JP5931303B1 (ja) * | 2014-08-27 | 2016-06-08 | 合同酒精株式会社 | ラクターゼ溶液及びそれを用いた乳 |
KR20160044275A (ko) * | 2014-10-15 | 2016-04-25 | 경희대학교 산학협력단 | 초임계 추출용 신규 킬레이트 리간드, 이의 제조방법 및 이를 이용한 금속추출방법 |
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