JPH06216771A - 周波数シンセサイザ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】所望の周波数にロックするまでの時間を短縮す
る。 【構成】予め設定された電圧を出力する電圧発生装置８
を設ける。この電圧発生装置８の出力電圧をループフィ
ルタ４に印加するか否かを切り換える第１のアナログス
イッチ９を設ける。位相比較器３の出力をループフィル
タ４に出力するか否かを切り換える第２のアナログスイ
ッチ１０を設ける。固定分周器２と可変分周器６との分
周比を制御する前に、制御装置７がアナログスイッチ９
をオンとしアナログスイッチ１０をオフとする。これに
より、所望の周波数を得る前に予め電圧制御型発振器５
を所望の周波数に近い周波数で発振させておく。固定分
周器２と可変分周器６との分周比を制御した段階で、ア
ナログスイッチ９をオフとし、アナログスイッチ１０を
オンとして、フィードバックループを形成する。これよ
り、フィードバックループが所望の周波数にロックしや
すくする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複数の所望の周波数を
得る周波数シンセサイザに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】複数チャンネルを用いて情報伝送を行う
装置などでは、複数の所望の周波数を得るために周波数
シンセサイザが用いられる。周波数シンセサイザは、図
３に示すように、基準となる周波数の信号を発生する基
準信号発振器１と、基準信号の周波数を分周する固定分
周器２と、制御電圧に応じて発振周波数を可変自在な電
圧制御型発振器５と、電圧制御型発振器５の出力を分周
する可変分周器６と、上記固定分周器２と可変分周器６
との夫々の出力との位相を比較してその位相差に応じた
信号を発生させる位相比較器３と、位相比較器の出力を
積分し位相差に応じた制御電圧を発生するループフィル
タ４と、所望の周波数を得るために固定分周器２と可変
分周器６との分周比を制御する制御装置７とで構成して
ある。

【０００３】上記周波数シンセサイザでは、制御装置７
で所望の周波数に応じて固定分周器２及び可変分周器６
の分周比が設定され、位相比較器３、ループフィルタ
４、電圧制御型発振器５及び可変分周器６からなるフィ
ードバックループで、位相比較器３の位相差を無くすよ
うに帰還がかかる。そして、位相差が無くなったとき
の、電圧制御型発振器５の出力として所望の周波数が得
られる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の周波
数シンセサイザでは、特定周波数にフィードバックルー
プがロックさせる場合、周波数引込み過程を経てロック
過程に至るため、所望の周波数が得られるまに時間がか
かるという問題があった。本発明は上述の点に鑑みて為
されたものであり、その目的とするところは、特定周波
数にフィードバックループがロックするまでの時間を極
力短くすることができる周波数シンセサイザを提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、基準となる周波数の信号を発生する基
準信号発振器と、基準信号の周波数を分周する固定分周
器と、制御電圧に応じて発振周波数を可変自在な電圧制
御型発振器と、電圧制御型発振器の出力を分周する可変
分周器と、上記固定分周器と可変分周器との夫々の出力
との位相を比較してその位相差に応じた信号を発生させ
る位相比較器と、位相比較器の出力を積分し位相差に応
じた制御電圧を発生するループフィルタと、所望する周
波数に応じて固定分周器と可変分周器との分周比を制御
する制御装置と、電圧制御型発振器を所望される周波数
に近い周波数で発振させるために予め設定された電圧を
出力する電圧発生装置と、電圧発生装置の出力電圧をル
ープフィルタに印加するか否かを切り換える第１のアナ
ログスイッチと、位相比較器の出力をループフィルタに
出力するか否かを切り換える第２のアナログスイッチと
を備え、所望の周波数を得るために固定分周器と可変分
周器との分周比を制御する前に、制御装置が第１のアナ
ログスイッチをオンとすると共に、第２のアナログスイ
ッチをオフとし、電圧制御型発振器を所望される周波数
に近い周波数で発振させておき、固定分周器と可変分周
器との分周比を制御した段階で、第１のアナログスイッ
チをオフとし、第２のアナログスイッチをオンとしてい
る。

【０００６】なお、すべての所望する周波数に対して、
フィードバックループがロックするまでの時間を短くす
るために、所望する周波数に応じて制御装置が可変電圧
発生装置の出力電圧を変化させることが好ましい。

【０００７】

【作用】本発明は、上述のように電圧制御型発振器を所
望される周波数に近い周波数で発振させるために予め設
定された電圧を出力する電圧発生装置と、電圧発生装置
の出力電圧をループフィルタに印加するか否かを切り換
える第１のアナログスイッチと、位相比較器の出力をル
ープフィルタに出力するか否かを切り換える第２のアナ
ログスイッチとを備え、所望の周波数を得るために固定
分周器と可変分周器との分周比を制御する前に、制御装
置が第１のアナログスイッチをオンとすると共に、第２
のアナログスイッチをオフとし、電圧制御型発振器を所
望される周波数に近い周波数で発振させておき、固定分
周器と可変分周器との分周比を制御した段階で、第１の
アナログスイッチをオフとし、第２のアナログスイッチ
をオンとすることにより、所望の周波数を得るときの初
期動作時点の電圧制御型発振器を所望される周波数に近
い周波数で発振させ、位相比較器、ループフィルタ、電
圧制御型発振器及び可変分周器からなるフィードバック
ループを所望の周波数にロックしやすくして、ロックす
るまでの時間を短縮する。

【０００８】また、所望する周波数に応じて制御装置が
可変電圧発生装置の出力電圧を変化させることにより、
すべての所望の周波数に対して、所望の周波数を得ると
きの初期動作時点の電圧制御型発振器を所望される周波
数に近い周波数で発振させ、フィードバックループを所
望の周波数にロックしやすくして、すべての所望の周波
数に対して一様にロックするまでの時間を短縮する。

【０００９】

【実施例】図１に本発明の周波数シンセサイザの一実施
例を示す。本実施例では、図３で説明した従来の周波数
シンセサイザにおいて、予め設定された電圧を出力する
電圧発生装置８と、この電圧発生装置８の出力電圧をル
ープフィルタ４に印加するか否かを切り換える第１のア
ナログスイッチ９と、位相比較器３の出力をループフィ
ルタ４に出力するか否かを切り換える第２のアナログス
イッチ１０とを新たに設け、アナログスイッチ９，１０
の切換制御を制御装置７で行うようにしてある。

【００１０】まず、所望の周波数を得るために固定分周
器２と可変分周器６との分周比を制御する前には、制御
装置７がアナログスイッチ９をオンとすると共に、アナ
ログスイッチ１０をオフとし、電圧制御型発振器５を一
定周波数で発振させる。ここで、このときの電圧制御型
発振器５が発振する周波数は所望の周波数に近い周波数
になるように、電圧発生装置８の出力電圧を設定してあ
る。例えば、所望される周波数の周波数帯の中心周波数
で電圧制御型発振器５が発振するように、電圧発生装置
８の出力電圧を設定すればよい。

【００１１】そして、制御装置７が固定分周器２と可変
分周器６との分周比を制御した段階で、アナログスイッ
チ９をオフとし、アナログスイッチ１０をオンとして、
位相比較器３、ループフィルタ４、電圧制御型発振器５
及び可変分周器６からなるフィードバックループを形成
させる。その後は従来で説明した動作で、位相比較器３
の位相差を無くすように帰還がかかかり、所望の周波数
にロックする。このようにすれば、電圧制御型発振器５
を予め所望の周波数に近い周波数で発振させることがで
き、所望の周波数にロックされるまでの時間を短縮させ
ることができる。例えば、従来のこの種の周波数シンセ
サイザにおける周波数引込み過程を経由することなく、
すぐにロック過程に移行するために、所望の周波数にロ
ックされるまでの時間を短縮することができる。また、
ループフィルタ４のコンデンサを充電する時間も、予め
電圧発生装置８の出力電圧をループフィルタ４に印加し
ておくことで短縮でき、所望の周波数にロックされるま
での時間を短縮させることに寄与する。

【００１２】ところで、上述の場合には予め所定の電圧
を、所望の周波数を得るために固定分周器２と可変分周
器６との分周比を制御する以前に、ループフィルタ４に
印加するものであった。この場合、所望するすべての周
波数に対して一様に電圧制御型発振器５の発振する周波
数が近いわけではない。つまりは、所望する周波数によ
ってロックするまでの時間にばらつきを生じる。

【００１３】そこで、この点を改善するために、電圧発
生装置８の代わりに可変電圧発生装置８’を用い、所望
する周波数に応じて可変電圧発生装置８’の出力電圧を
変化させればよい。即ち、図２に示すように、制御装置
７が可変電圧発生装置８’の出力電圧を調整する制御ラ
インを設け、所望の周波数に応じてロックしやすい発振
周波数となるように電圧制御型発振器５の発振周波数を
可変する。

【００１４】このようにすれば、すべての所望の周波数
で一様にロックするまでの時間を短縮させることが可能
となる。但し、この場合には例えば所望する周波数をサ
イクリックに巡回させて切り換えるなどといったよう
に、予め次の所望する周波数を制御装置７が分かってい
る必要がある。

【００１５】

【発明の効果】本発明は上述のように、電圧制御型発振
器を所望される周波数に近い周波数で発振させるために
予め設定された電圧を出力する電圧発生装置と、電圧発
生装置の出力電圧をループフィルタに印加するか否かを
切り換える第１のアナログスイッチと、位相比較器の出
力をループフィルタに出力するか否かを切り換える第２
のアナログスイッチとを備え、所望の周波数を得るため
に固定分周器と可変分周器との分周比を制御する前に、
制御装置が第１のアナログスイッチをオンとすると共
に、第２のアナログスイッチをオフとし、電圧制御型発
振器を所望される周波数に近い周波数で発振させてお
き、固定分周器と可変分周器との分周比を制御した段階
で、第１のアナログスイッチをオフとし、第２のアナロ
グスイッチをオンとしているので、所望の周波数を得る
ときの初期動作時点の電圧制御型発振器を所望される周
波数に近い周波数で発振させることができ、このため位
相比較器、ループフィルタ、電圧制御型発振器及び可変
分周器からなるフィードバックループを所望の周波数に
ロックしやすくでき、ロックするまでの時間を短縮する
ことができる。

【００１６】また、所望する周波数に応じて制御装置が
可変電圧発生装置の出力電圧を変化させることにより、
すべての所望の周波数に対して、所望の周波数を得ると
きの初期動作時点の電圧制御型発振器を所望される周波
数に近い周波数で発振させ、フィードバックループを所
望の周波数にロックしやすくでき、すべての所望の周波
数に対して一様にロックするまでの時間を短縮すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の回路構成を示すブロック図
である。

【図２】他の実施例の回路構成を示すブロック図であ
る。

【図３】従来例の回路構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ 基準信号発振器 ２ 固定分周器 ３ 位相比較器 ４ ループフィルタ ５ 電圧制御型発振器 ６ 可変分周器 ７ 制御装置 ８ 電圧発生装置 ８’可変電圧発生装置 ９ 第１のアナログスイッチ １０ 第２のアナログスイッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基準となる周波数の信号を発生する基準
   信号発振器と、基準信号の周波数を分周する固定分周器
   と、制御電圧に応じて発振周波数を可変自在な電圧制御
   型発振器と、電圧制御型発振器の出力を分周する可変分
   周器と、上記固定分周器と可変分周器との夫々の出力と
   の位相を比較してその位相差に応じた信号を発生させる
   位相比較器と、位相比較器の出力を積分し位相差に応じ
   た制御電圧を発生するループフィルタと、所望する周波
   数に応じて固定分周器と可変分周器との分周比を制御す
   る制御装置と、電圧制御型発振器を所望される周波数に
   近い周波数で発振させるために予め設定された電圧を出
   力する電圧発生装置と、電圧発生装置の出力電圧をルー
   プフィルタに印加するか否かを切り換える第１のアナロ
   グスイッチと、位相比較器の出力をループフィルタに出
   力するか否かを切り換える第２のアナログスイッチとを
   備え、所望の周波数を得るために固定分周器と可変分周
   器との分周比を制御する前に、制御装置が第１のアナロ
   グスイッチをオンとすると共に、第２のアナログスイッ
   チをオフとし、電圧制御型発振器を所望される周波数に
   近い周波数で発振させておき、固定分周器と可変分周器
   との分周比を制御した段階で、第１のアナログスイッチ
   をオフとし、第２のアナログスイッチをオンとして成る
   ことを特徴とする周波数シンセサイザ。
2. 【請求項２】 所望する周波数に応じて制御装置が可変
   電圧発生装置の出力電圧を変化させて成ることを特徴と
   する請求項１記載の周波数シンセサイザ。