JPH0621389U - 電力変換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、電力変換装置に関し、放電用抵抗が
断線し、回生運転移行したときに、前記放電用抵抗が異
常であることを検知する電力変換装置を提供することを
目的とする。 【構成】そこで、順変換器２と、順変換器２の直流正負
極間に挿入されたコンデンサと、前記コンデンサの端子
電圧が直流側正負端子間に印加される交流を出力する逆
変換器８と、前記コンデンサの端子電圧が設定電圧を超
えるとオンされる放電用スイッチ７を介して前記コンデ
ンサに並列接続された放電用抵抗４を備え、逆変換器８
の各スイッチング素子が逆並列接続されたダイオードを
備える回生機能を有する電力変換装置において、放電用
スイッチ７に並列に設けられた電流作動装置と、この電
流作動装置の出力に基づき放電用抵抗４の正常／異常を
検知する検知器１３とを備えることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電力変換装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

以下、従来の技術を図面を参照して説明する。

【０００３】 図２は回生機能を持つ従来のインバータ装置の回路図である。同図において、 １は三相の交流電源、２はダイオードブリッジの順変換器であって、交流電源１ からの三相交流を直流に変換する。３は電解コンデンサであって、順変換器２の 直流側の正極Ｐと負極Ｎとの間に挿入されている。４は放電用抵抗、５はダイオ ード、７は逆並列接続のダイオード６を有する放電用スイッチ（この例ではトラ ンジスタ）であって、４〜７は電解コンデンサ３の放電回路を形成する。８は逆 変換器であって、直流を三相交流に変換して交流モータ９に供給する。この逆変 換器８はフライホイルダイオード８Ａを有する６個のトランジスタ８Ｂをブリッ ジ接続して構成されている。１０はトランジスタ８Ｂのベース端子にベース信号 を供給するベース回路である。なお、電解コンデンサ３の端子電圧Ｖｃは図示し ない電圧センサーを介して取り出され、図示しない装置で監視されている。この 装置は電解コンデンサ３の端子電圧Ｖｃが設定値まで上昇すると、放電用スイッ チ７をＯＮさせる。

【０００４】 上記構成において、電解コンデンサ３は順変換器２の直流出力により充電され 、この電解コンデンサ３の充電電圧が逆変換器８の直流側端子に印加される。逆 変換器８の上記６個のトランジスタ８Ｂはベース回路１０より出力されるベース 信号によりＯＮ／ＯＦＦ制御され、三相交流を生成する。この三相交流を交流モ ータ９に供給し、交流モータ９は図示しない負荷を駆動させる。

【０００５】 交流モータ９が回生運転に移行して発電動作に切り換わると、交流モータ９か ら発生した交流は、逆変換器８の上記した６個のフライホイルダイオード８Ａで 直流に変換され、電解コンデンサ３を充電する。これにより、電解コンデンサ３ の端子電圧が上昇するので、この端子電圧Ｖｃと上記した比較器に記憶させた設 定値とを比較し、端子電圧Ｖｃが設定値Ｖｓを超えると、上記した電圧検出装置 から放電用スイッチ７に対して回生運転開始信号が発せられ、放電用スイッチ７ をオン状態になる。このことにより放電回路が閉成され、この放電回路により電 解コンデンサ３の電荷は放電用抵抗４−放電用スイッチ７を通して放電し、電解 コンデンサ３の端子電圧Ｖｃは低下する。

【０００６】 なお、交流電源１の電圧が良質でなく、規定の電圧より大きく上昇した場合で も、電荷が電解コンデンサ３に充電されるので、上述したように電解コンデンサ に充電された電荷が放電される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来の電力変換装置では、放電用抵抗が断線しているのを看過し て運転した場合、上記した回生運転に移行すると、放電用スイッチがオンしても 上記した放電回路は形成されず、電解コンデンサの電荷は放出されないので、電 解コンデンサの端子電圧Ｖｃが、半導体素子の耐圧破壊を招くような異常レベル まで上昇し、ついには、半導体素子の耐圧破壊を招くという問題点があった。

【０００８】 本考案は、この問題を解決するためになされたもので、放電用抵抗が断線し、 回生運転に移行したとき、放電用抵抗が正常／異常であることを検知する電力変 換装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の電力変換器では、順変換器と、この順変 換器の直流正負極間に挿入されたコンデンサと、このコンデンサの端子電圧が直 流側正負端子間に印加される交流を出力する逆変換器と、前記コンデンサの端子 電圧が設定電圧を超えるとオンされる放電用スイッチを介して上記コンデンサに 並列接続された放電用抵抗を備え、上記逆変換器の各スイッチング素子が逆並列 接続されたダイオードを備える回生機能を有する電力変換装置において、上記放 電用スイッチに並列に設けられた電流作動装置と、この電流作動装置の出力に基 づき上記放電用抵抗の正常／異常を検知する検知器とを備えることを特徴として いる。

【００１０】

【作用】

上述した本考案の電力変換器では、放電用抵抗が正常／異常であるかを検知す ることができる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

【００１２】 図１は、本考案の一実施例のインバータ装置の回路図である。同図において、 １２はフォトカプラであって、電流制限用抵抗１１を介して放電用スイッチ７に 並列に接続されている。１３はフォトカプラー１２の出力を入力し、当該出力か ら放電用抵抗４の断線の有無を検知する検知器であって、放電用抵抗４の断線を 検知すると断線検知信号を発生する。１４はインバータ装置を制御し、また、電 解コンデンサ３の端子電圧Ｖｃを監視するＣＰＵである。１５はスピーカーや回 転灯などの警報装置であって、ＣＰＵ１４から警報信号が発せられたときに作動 する。なお、その他の構成要素は図２に示す構成要素と同一であるから、同一構 成要素には同一符号を付してある。

【００１３】 上記構成おいて、放電用抵抗４が正常であるときは、フォトカプラー１２のフ ォトダイオード１２Ａには、放電用抵抗４および電流制限用抵抗１１を通して電 流が流れる。この電流はフォトダイオード１２ＡをＯＮさせ、フォトダイオード １２Ａからの光を受光したフォトトランジスタ１２ＢがＯＮするに充分な電流で あり、フォトトランジスタ１２ＢのＯＮ出力が検知器１３に入力されている。

【００１４】 放電用抵抗４が断線すると、フォトカプラー１２のフォトダイオード１２Ａに は電流が流れなくなるので、フォトトランジスタ１２ＢはＯＦＦされ、検知器１ ３に入力されていた上記ＯＮ信号が消滅し、検知器１３は異常検知信号を発生し てＣＰＵ１４に送る。

【００１５】 異常検知信号を受けたＣＰＵ１４はベース回路１０の動作を停止させる等の予 めプログラムされている異常時対策を実行すると共に警報装置１５を作動させ、 放電用抵抗４の断線をオペレータに報知する。

【００１６】 なお、放電用抵抗４は発電制動用抵抗でもよい。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上詳述したように、放電用抵抗に異常が生じると、これが自動的に 検知されてオペレータに報知されるから放電用抵抗が断線しているにもかかわら ず、運転を開始したり、運転を継続したりする恐れがなくなり、インバータ装置 の主回路を構成する素子の耐圧破壊を防ぐことができ、従来に比し、信頼性を向 上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のインバータ装置の回路図で
ある。

【図２】回生機能を持つ従来のインバータ装置の回路図
である。

【符号の説明】

２ 順変換器 ３ 電解コンデンサ ４ 放電用抵抗 ７ 放電用スイッチ ８ 逆変換器 ８Ａ フライホイルダイオード １２ フォトカプラ １３ 検知器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】順変換器と、この順変換器の直流正負極間
   に挿入されたコンデンサと、このコンデンサの端子電圧
   が直流側正負端子間に印加される交流を出力する逆変換
   器と、前記コンデンサの端子電圧が設定電圧を超えると
   オンされる放電用スイッチを介して上記コンデンサに並
   列接続された放電用抵抗を備え、上記逆変換器の各スイ
   ッチング素子が逆並列接続されたダイオードを備える回
   生機能を有する電力変換装置において、上記放電用スイ
   ッチに並列に設けられた電流作動装置と、この電流作動
   装置の出力に基づき上記放電用抵抗の正常／異常を検知
   する検知器とを備えることを特徴とする電力変換装置。