JPH06207597A - 天井扇風機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リモートコントローラを用いて天井扇風機を
運転するにあたり、自動的に回転方向の設定ができ、ま
た室内空間を快適な温度に保つとともに天井扇風機を経
済的に運転し、さらにより快適な室内環境を実現する。 【構成】 リモートコントローラ７の居住域温度検出部
１２で居住域温度を読み込み、自動的に夏冬の季節を判
定してモータ２の回転方向を決定する。また、本体側制
御部３は居住域温度と天井付近温度から、制御テーブル
に基づいて、モータ２の回転方向および回転速度を自動
的に制御して快適性を維持する。さらに快適設定スイッ
チ１５を選択することにより、複数の制御テーブルの１
つが選択され、その条件に基づいてモータ２を自動的に
制御し、使用者の好みの環境を作り出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、運転制御を遠隔操作で
きるリモートコントローラを備えた天井扇風機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、天井扇風機は夏場に涼風を発生す
るだけでなく、冬場には天井付近に集まる暖気を循環さ
せることにより暖房効率を高める手段として多く利用さ
れている。

【０００３】以下、その構成について図３および図４を
参照にしながら説明する。図に示すように、天井扇風機
本体１０１には、モータ１０２と制御部１０３を備え、
制御部１０３はモータ１０２の回転方向と速度を制御す
る演算装置１０５を有し、さらに受信部１０４と接続さ
れている。リモートコントローラ１０６は操作部１０
７、送信部１０８、制御部１０９および演算装置部１１
０からなり、操作部１０３を操作すると制御部１０９の
働きにより、送信部１０８から天井扇風機本体１０１の
受信部１０４に制御信号が送られ、制御部１０３によっ
てモータ１０２の回転方向と速度が制御されるようにな
っている。

【０００４】上記構成において、まず夏場においてはリ
モートコントローラ１０６の操作部１０７で例えば運転
ＯＮ，正回転、強風量を設定すると、送信部１０８より
制御信号が天井扇風機本体１０１の受信部１０４に送ら
れ、制御部１０３がモータ１０２の回転方向および回転
速度を制御して正回転、強風量で涼風運転される。

【０００５】また、タイマーを設定したときも同様に制
御信号として受信部１０４に送られ、設定時間だけ運転
して停止するものである。

【０００６】次に冬場においては、ドリフト感を避ける
ためにリモートコントローラ１０６の操作部１０７で運
転ＯＮ，逆回転、弱風量を設定すると、送信部１０８よ
り制御信号が天井扇風機本体１０１の受信部１０４に送
られ、制御部１０３がモータ１０２の回転方向および回
転速度を制御して逆回転、弱風量で暖房時の室内循環を
行うものであった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の天井
扇風機では、使用者は夏場と冬場で異なるモータの回転
方向を設定しなくてはならず、操作性がよくないという
課題があった。

【０００８】また、天井扇風機本体の運転をおこなう
と、次第に室温の均一化がなされ快適な状態に近づく
が、そのまま運転を続けているとその状態を維持できず
にかえって不快と感じることがあるという課題があっ
た。

【０００９】また、天井扇風機本体の適正な運転制御
を、使用者の好みに合わせてリモートコントローラで細
かく操作することは難しいという課題があった。

【００１０】本発明は上記課題を解決するもので、使用
者が夏場と冬場に応じて回転方向の設定をしなくても自
動的に設定できることを第１の目的とする。

【００１１】第２の目的は居住域と天井付近の温度差が
ほとんどなくなり、かつ居住域の温度が快適温度になれ
ば、モータの回転を制御して室温全体を快適温度に保つ
とともに、天井扇風機を経済的に運転することにある。

【００１２】第３の目的は簡単な操作で使用者にとっ
て、より快適な室内環境を実現することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の目的を達
成するための第１の手段は、天井扇風機本体と、この天
井扇風機本体を遠隔制御できるリモートコントローラか
らなる天井扇風機において、前記天井扇風機本体は羽根
を回転するモータと、前記リモートコントローラからの
信号を受ける受信部と、前記モータの回転方向を制御す
る本体側制御部を備え、前記リモートコントローラは居
住域温度を検出する居住域温度検出部と、この居住域温
度検出部の検出温度を送信する発信部を備え、前記本体
側制御部は受信した検出温度を判定して、前記モータの
回転方向を決定する構成としたものである。

【００１４】また第２の目的を達成するための第２の手
段は、天井扇風機本体に天井付近温度を検出する高所温
度検出部を設け、本体側制御部はこの高所温度検出部の
検出温度を取り込むとともに、リモートコントローラに
設けた居住域温度検出部の検出温度を受信部を介して取
り込み、それぞれの検出温度から、あらかじめ定めた制
御テーブルに基づいて、モータの回転方向および回転速
度を制御する構成としたものである。

【００１５】また第３の目的を達成するための第３の手
段は、リモートコントローラに複数の温度モードを選択
できる快適設定スイッチを設け、本体側制御部は快適設
定スイッチで選択された温度モードの信号を受信部を介
して取り込み、複数の制御テーブルの中からこの温度モ
ードに対応する制御テーブルを選び、この制御テーブル
に基づいてモータを運転制御する構成としたものであ
る。

【００１６】

【作用】本発明は上記した第１の手段の構成により、リ
モートコントローラで検知した居住域温度を天井扇風機
本体の制御部が受信し、その温度があらかじめ設定した
しきい値以上であればモータを正回転、しきい値以下で
あれば逆回転させるものである。

【００１７】また第２の手段の構成により、本体側制御
部は居住域温度Ｔ１と天井付近の温度Ｔ２を用いて演算
し、この演算結果をあらかじめ設定した制御テーブルに
当てはめて、モータの運転方法を決定するものである。

【００１８】また第３の手段の構成により、快適選択ス
イッチの操作で、あらかじめ設定した制御テーブルの１
つが選択され、本体側制御部は居住域温度Ｔ１と天井付
近温度Ｔ２を用いて演算し、この演算結果を選択された
制御テーブルに当てはめて、モータの運転方法を決定す
るものである。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の第１実施例について図１およ
び図２を参照しながら説明する。図に示すように、天井
扇風機本体１は羽根を回転するモータ２と、制御信号を
受信する受信部４と、受信部４で受けた信号によりモー
タ２の運転を制御する本体側制御部３を有している。本
体制御部３はマイクロコンピュータからなる演算装置５
を備えている。

【００２０】リモートコントローラ７は使用者が操作す
る操作部８と、前記受信部に送信する送信部９と、マイ
クロコンピュータからなる演算装置部１０を有する操作
側制御部１１と、居住域温度を検知する居住域温度検出
部１２とを有している。操作部８、送信部９および居住
域温度検出部１２は、リモートコントローラ７内部で演
算装置部１０を有する操作側制御部１１と結ばれてい
る。

【００２１】上記構成により、運転スイッチ１３が押さ
れると制御部１１は、温度検出部１２で検出した居住域
温度Ｔ１を読み込み、演算装置部１０が居住域温度Ｔ１
をＡ／Ｄ変換し、このデータを送信部９を介して天井機
本体１に送信する。この信号は天井扇風機本体１の受信
部４を介して制御部３に入力され、制御部３はＴ１＜２
０℃のときはモータ２を逆回転、Ｔ１≧２０℃のときは
モータ２を正回転させるものである。

【００２２】このように本発明の第１実施例によれば、
リモートコントローラで検出した居住域温度に合わせて
自動的にモータの回転方向が定まるため、天井扇風機の
回転方向を使用者が設定する手間を省き、操作性を改善
することができる。

【００２３】なお、本実施例ではしきい値を２０℃とし
たが、冬期と夏期とを区別できる温度であれば、２０℃
以外の適当な温度としてもよい。

【００２４】また、本実施例では温度データを天井扇風
機本体１の制御部３に送り、モータの回転方向を制御部
３が判断しているが、リモートコントローラ７内部の制
御部１１で回転方向を判断し、その信号を天井扇風機本
体１側に送信してもよい。

【００２５】また、本実施例ではリモートコントローラ
７から天井扇風機本体１へはワイアレスにより送信して
いるが、操作側制御部１１と本体側制御部３を直接信号
線で接続して送信するようにしてもよい。

【００２６】次に本発明の第２実施例について図１およ
び図２を参照しながら説明する。なお第１実施例と同一
構成部品は同一番号を付して詳しい説明は省略する。

【００２７】図に示すように天井扇風機本体１には天井
付近の温度Ｔ２を検出する高所温度検出部６が設けら
れ、演算装置５を有する本体側制御部３と接続されてい
る。

【００２８】リモートコントローラ７の操作部８には自
動運転スイッチ１４が設けられ、自動運転スイッチ１４
は操作側制御部１１に操作信号を入力するものである。

【００２９】上記構成により、自動運転スイッチ１４が
押されると、制御部１１は温度検出部１２で検出した居
住域温度Ｔ１を読み込み、演算装置部１０がＴ１をＡ／
Ｄ変換し、このデータを送信部９を介して天井機本体１
に送信する。本体側制御部３は高所温度検出部６で検出
した天井付近温度Ｔ２を読み込むとともに、受信部４を
介して居住域温度Ｔ１を読み込み、モータ２の回転方向
および回転速度を決定し、モータ２を運転制御する。

【００３０】ここで居住域温度Ｔ１と天井付近温度Ｔ２
の温度差をΔＴとして、Ｔ１とΔＴの関係から（表１）
に示す運転制御を行う。

【００３１】

【表１】

【００３２】この判定を例えば５分間隔で行うことによ
り、モータ２の運転をきめ細かく制御して快適温度を保
つとともに、経済的な運転をすることができる。

【００３３】このように本発明の第２実施例の構成によ
れば、居住域温度Ｔ１と天井付近温度Ｔ２を検出してそ
の条件に基づく最適な運転を行うことにより、部屋全体
の温度をすみやかに均一化し、またその快適状態を経済
的に維持することができる。

【００３４】なお、本実施例ではモータの運転制御の条
件として（表１）の温度値および温度幅を設定している
が、この値に限定されるものではなく、必要に応じて適
宜設定することにより使用条件に合わせた運転制御をす
ることができる。

【００３５】つぎに本発明の第３実施例について図１お
よび図２を参照にしながら説明する。なお第１実施例お
よび第２実施例に記載したものと同一構成部品は同一番
号を付して詳しい説明は省略する。

【００３６】図に示すようにリモートコントローラ７に
は快適設定スイッチ１５が設けられ、使用者の好みの温
度環境として、低め・標準・高め、の選択ができるよう
になっている。この快適設定スイッチ１５は操作側制御
部１１の入力側に接続されている。

【００３７】上記構成により、快適設定スイッチ１５を
低め・標準・高めのいずれかに設定して、リモートコン
トローラ７から天井扇風機本体１に送信すると、運転制
御条件として定められた制御テーブルを低めの場合は
（表２）のように、高めの場合は（表３）のように変更
する。

【００３８】

【表２】

【００３９】

【表３】

【００４０】なお標準の場合は（表１）の値となる。
（表２）および（表３）は、運転制御条件として定めら
れた温度設定値Ｔ１、ΔＴの値を（表１）をもとにスラ
イドさせたものである。

【００４１】このように本発明の第３実施例によれば、
リモートコントローラ７に設けた快適設定スイッチ１５
の操作により複数の制御テーブルの１つが選択され、選
択された制御テーブルに基づいてモータを細かく運転制
御できるようにしたことにより、簡単な操作で使用者の
好みに合う快適な室内環境を実現することができるもの
である。

【００４２】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば居住域温度Ｔ１をあらかじめ設定したしきい
値と比較することにより自動的にモータの回転方向が設
定されるため、設定の手間が省け、操作が楽になるとい
う効果のある天井扇風機が提供できる。

【００４３】また、居住域温度と天井付近の温度の関係
から、あらかじめ設定した制御テーブルに基づいてモー
タを運転制御することにより、快適温度に保つとともに
経済的な運転ができる効果のある天井扇風機が提供でき
る。

【００４４】さらに快適設定スイッチの操作により複数
の制御テーブルの１つを選択し、これに基づいて使用者
の好みに合わせた温度環境となるようにモータが自動的
に運転制御されるため、簡単な操作で使用者にとって快
適な環境を実現できる効果のある天井扇風機が提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例〜第３実施例のブロック図

【図２】同外観図

【図３】従来の天井扇風機のブロック図

【図４】同外観図

【符号の説明】

１ 天井扇風機本体 ２ モータ ３ 本体側制御部 ４ 受信部 ６ 高所温度検出部 ７ リモートコントローラ ９ 送信部 １２ 居住域温度検出部 １５ 快適設定スイッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井扇風機本体と、この天井扇風機本体
   を遠隔制御できるリモートコントローラからなる天井扇
   風機において、前記天井扇風機本体は羽根を回転するモ
   ータと、前記リモートコントローラからの信号を受ける
   受信部と、前記モータの回転方向を制御する本体側制御
   部を備え、前記リモートコントローラは居住域温度を検
   出する居住域温度検出部と、この居住域温度検出部の検
   出温度を送信する発信部を備え、前記本体側制御部は受
   信した検出温度を判定して、前記モータの回転方向を決
   定する天井扇風機。
2. 【請求項２】 天井扇風機本体に天井付近温度を検出す
   る高所温度検出部を設け、本体側制御部はこの高所温度
   検出部の検出温度を取り込むとともに、リモートコント
   ローラに設けた居住域温度検出部の検出温度を受信部を
   介して取り込み、それぞれの検出温度から、あらかじめ
   定めた制御テーブルに基づいて、モータの回転方向およ
   び回転速度を制御する請求項１記載の天井扇風機。
3. 【請求項３】 リモートコントローラに複数の温度モー
   ドを選択できる快適設定スイッチを設け、本体側制御部
   は快適設定スイッチで選択された温度モードの信号を受
   信部を介して取り込み、複数の制御テーブルの中からこ
   の温度モードに対応する制御テーブルを選び、この制御
   テーブルに基づいてモータを運転制御してなる請求項２
   記載の天井扇風機。