JPH06207311A - 紫外線透過防止性に優れたアクリル系合成繊維及びその製造方法 - Google Patents

紫外線透過防止性に優れたアクリル系合成繊維及びその製造方法

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JPH06207311A
JPH06207311A JP5017900A JP1790093A JPH06207311A JP H06207311 A JPH06207311 A JP H06207311A JP 5017900 A JP5017900 A JP 5017900A JP 1790093 A JP1790093 A JP 1790093A JP H06207311 A JPH06207311 A JP H06207311A
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JP
Japan
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synthetic fiber
acrylic synthetic
titanium oxide
ultraviolet
fiber
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Application number
JP5017900A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Yamamoto
俊博 山本
Yasuaki Nakayama
安明 中山
Toshiharu Yashiro
敏晴 八代
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐洗濯性を有しかつ繊維加工条件の範囲が広
い紫外線透過防止性に優れたアクリル系合成繊維を提供
するにある。更に斯かる紫外線透過防止性に優れたアク
リル系合成繊維を工業的容易にかつ安価に製造する方法
を提供するにある。 【構成】 本発明の紫外線透過防止性に優れたアクリル
系合成繊維は、アクリル系合成繊維において板状酸化チ
タンを含有している事を特徴とする。また本発明の方法
は、アクリル系合成繊維を湿式紡糸して製造するに際
し、板状酸化チタンを有機溶剤に均一に分散させ、次い
でアクリロニトリルを含む共重合体の有機溶剤溶液に添
加し、これを紡糸することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた紫外線透過防止性
を有するアクリル系合成繊維およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、紫外線は可視光線より波長の短
い200〜400nmの電磁波であることは周知の通り
であるがその波長領域により物理学的,生物学的作用が
異なり短波長紫外線(UV−C:200〜290n
m),中波長紫外線(UV−B:290〜320n
m),長波長紫外線(UV−A:320〜400nm)
に区分される。このうちUV−Cは大部分が大気中で吸
収されて地上には到達しないので、太陽光線で人体に対
して悪影響を与えるのは、290nm以上のUV−A及
びUV−Bである。特にUV−Bは急性の炎症による紅
斑生成と色素沈着作用を起こし、極めて有害でその人体
への作用はUV−Aの1000倍にも達すると言われて
いる。
【0003】そして、アクリル系合成繊維等は、充分で
ないものの紫外線遮蔽効果を有しているが、直射日光の
もとでは紫外線を透過させてしまい、日光による日焼け
等を生ずることが多い。
【0004】そこで、紫外線透過を防止する方法とし
て、従来紫外線吸収剤入りマイクロカプセルや紫外線吸
収剤をコーティング等により付与することや、粒状の酸
化チタン等の紫外線反射剤を紡糸原液にそのまま、また
はあらかじめ溶剤にて分散してから混合紡糸する方法が
行なわれてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紫外線
吸収剤入りマイクロカプセルや紫外線吸収剤を単に付与
する方法は、洗濯耐久性がなく、商品自体が欠陥品とな
ってしまう欠点があり、また紫外線反射剤を紡糸原液に
添加する方法は、紫外線反射剤をかなり多くの量を添加
しないと効果が得られないという欠点があった。
【0006】本発明者らは、上記欠点を改善すべく鋭意
研究の結果、本発明を完成したものである。
【0007】本発明の目的は、耐洗濯性を有しかつ繊維
加工条件の範囲が広い紫外線透過防止性に優れたアクリ
ル系合成繊維を提供するにある。更に他の目的は斯かる
紫外線透過防止性に優れたアクリル系合成繊維を工業的
容易にかつ安価に製造する方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の紫外線透過防止
性に優れたアクリル系合成繊維は、アクリル系合成繊維
において板状酸化チタンを含有している事を特徴とす
る。
【0009】また本発明の方法は、アクリル系合成繊維
を湿式紡糸して製造するに際し、板状酸化チタンを有機
溶剤に均一に分散させ、次いでアクリロニトリルを含む
共重合体の有機溶剤溶液に添加し、これを紡糸すること
を特徴とする。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明に使用するアクリロニトリルを含む
共重合体は、特に限定するものではないが、少なくとも
40重量%のアクリロニトリルを構成単位として含有す
るものであり、繊維形成能を有するものが好ましい。す
なわちアクリロニトリルを40重量%以上と他のビニル
系モノマー、例えばアクリル酸,メタクリル酸,或いは
これらのアルキルエステル類、酢酸ビニル,塩化ビニ
ル,塩化ビニリデン,アリルスルホン酸ソーダ,メタリ
ルスルホン酸ソーダ,ビニルスルホン酸ソーダ,スチレ
ンスルホン酸ソーダ,2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸ソーダなどを適宜組合せたものを6
0重量%以下の割合で共重合せしめたものが挙げられ
る。特にアクリロニトリル80重量%以上と20重量%
以下のビニル系モノマー及びスルホン酸基含有モノマー
の共重合体、又はアクリロニトリルを40重量%以上と
塩化ビニリデン及びスルホン酸基含有モノマーを20〜
60重量%含有する共重合体が好ましい。
【0012】本発明に使用する酸化チタンは板状のもの
である事が必要である。その作用は明確ではないが、板
状の酸化チタンは紡糸後の延伸により繊維軸方向に平行
に並ぶようになり少量でも優れた紫外線透過防止性が得
られるものと考えられる。添加量は上記アクリル系共重
合体に対して0.1〜10.0重量%、好ましくは1.
0〜5.0重量%含有せしめる。板状酸化チタンの含有
量が0.1重量%未満では繊維に充分な紫外線防止効果
を付与出来ず、また10重量%を超えると繊維性能が低
下すると共に紡糸における可紡性及び紡績性が低下す
る。
【0013】本発明の方法は板状酸化チタンを分散装置
を用いて有機溶剤に均一微分散させ、次いでアクリロニ
トリル系共重合体の有機溶剤溶液に添加し紡糸すること
によって繊維中に板状酸化チタンを均一に含有せしめる
のである。本発明の方法において使用する溶剤はジメチ
ルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,ジメチルスル
ホキシド,アセトン等の有機溶剤が挙げられる。分散装
置としては公知の湿式粉砕機ならば何でも良いが、分散
液を連続的に紡糸原液に添加せしめるためにはサンドグ
ラインダー,パールミル,グレンミル,ダイノミルなど
の流通管型粉砕機が好適である。
【0014】本発明において板状酸化チタンの有機溶剤
溶液の分散濃度は5〜40重量%、好ましくは15〜3
0重量%である。この濃度が5重量%未満では、板状酸
化チタンの添加量にもよるが紡糸原液の濃度が下がり可
紡性が低下するとともに繊維物性が低下する。また40
重量%を越えると、良好なる均一微分散状態が得られず
工業的容易に製造する事が困難となる。
【0015】紡糸は通常のアクリル系合成繊維と同様な
条件で行えば良く数段の浴槽を通し、順次延伸,水洗,
乾燥,後処理を行なう。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。実施例中(%)とあるのは「重量%」を意味す
る。
【0017】実施例1〜3、比較例1〜4 アクリロニトリル(AN)/メチルアクリレート(M
A)/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸ソーダ(SAM)=91.2/8.0/0.8から
なるアクリル系重合体のジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を準備した。そして板状の酸化チタンをサンド
グラインダーでDMFに分散した後、表1記載の量で上
記アクリル系共重合体溶液に添加しホモミキサーで充分
攪拌し紡糸原液とした。
【0018】上記原液を20℃、60%DMF水溶液中
に紡出し、脱溶媒をさせながら延伸水洗後油剤を付与し
て乾燥緻密化を行った。この繊維にクリンプを付与後、
湿熱120℃にて湿熱処理を行った。
【0019】尚比較例は、上記記載の添加量と異なるも
のをアクリロニトリル系共重合体に添加したもの(比較
例1,2)及び粒状の酸化チタン(粒子径0.007〜
0.20μ)をDMFに分散後アクリロニトリル系共重
合体に添加したもの(比較例3,4)である。
【0020】このようにして得られた紫外線透過防止繊
維を用い2/26番手の紡績糸とし、1/8Gの丸編機
により天竺組織の編地を作成し、UV遮蔽率を測定し
た。UV遮蔽率は島津製作所自記分光光度計UV210
0を使用して360nmの透過度を測定する事により評
価した。また、紡糸操業性の判定は実施例記載の条件で
製造した際の濾過圧,単糸切れ,ローラー捲き付きなど
を総合して「◎」,「○」,「△」,「×」の4段階で
行った。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例4 AN/塩化ビニリデン(VCl2 )/アリルスルホン酸
ソーダ(SAS)=57/40/3からなるアクリル系
共重合体のDMF溶液を準備した。実施例1で使用した
板状酸化チタンをサンドグラインダーでDMFに分散し
た後、アクリル系共重合体溶液にアクリル系重合体に対
して板状酸化チタンの量が5.0%になるように添加し
充分攪拌し紡糸原液とした。
【0023】上記紡糸原液を25℃,55%DMF水溶
液中に紡出し、脱溶媒をさせながら延伸水洗後油剤を付
与して乾燥緻密化を行った。この繊維にクリンプを付与
後湿熱115℃にて温熱処理を行った。
【0024】得られた繊維を実施例1と同様に編地にし
て、家庭洗濯0,5,10,20回後のUV遮蔽率を測
定した結果、表2に示すごとく20回の洗濯後でも良好
な紫外線透過防止効果を示した。
【0025】
【表2】
【0026】尚、洗濯は下記の通りの条件とした。 市販小型電機洗濯機使用 中性洗剤 1g/ l 浴 比 1:100 温度×時間 40℃×5分間 水 洗 10分間 乾 燥 80℃×1時間
【0027】
【発明の効果】本発明の紫外線透過防止性に優れたアク
リル系合成繊維は、優れた紫外線透過防止効果を有しか
つ通常のアクリル系合成繊維の繊維性能をそのまま有す
ると共に、洗濯後の紫外線透過防止効果の低下もほとん
ど無いものである。また本発明の紫外線透過防止性に優
れたアクリル系合成繊維の製造方法は斯かる繊維を通常
のアクリル系合成繊維の製造条件及び装置で工業的容易
にかつ安価に製造できるものである。
【0028】本発明によって得られた繊維は、通常のア
クリル系合成繊維,ポリエステル,ナイロン,木綿,レ
ーヨン,羊毛等他の繊維と混合して使用することも可能
であり、紫外線透過防止性能を有する衣料,靴下等幅広
い用途に使用することが出来るため、産業上極めて有意
義なものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系合成繊維において、板状酸化
    チタンを含有している事を特徴とする紫外線透過防止性
    に優れたアクリル系合成繊維。
  2. 【請求項2】 アクリル系合成繊維を湿式紡糸して製造
    するに際し、板状酸化チタンを有機溶剤に均一に分散さ
    せ、次いでアクリロニトリルを含む共重合体の有機溶剤
    溶液に添加し、これを紡糸する事を特徴とする紫外線透
    過防止性に優れたアクリル系合成繊維の製造方法。
JP5017900A 1993-01-07 1993-01-07 紫外線透過防止性に優れたアクリル系合成繊維及びその製造方法 Pending JPH06207311A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040011068A (ko) * 2002-07-27 2004-02-05 난야 플라스틱스 코오퍼레이션 자외선차폐 효과를 갖는 섬유 및 직물
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CN114481405A (zh) * 2022-02-08 2022-05-13 南通德来利纺织有限公司 一种复合纤维纺织布料
WO2022176705A1 (ja) * 2021-02-19 2022-08-25 株式会社カネカ 紫外線遮蔽性アクリル系繊維、それを含む紫外線遮蔽性布帛及び繊維製品、並びにその製造方法

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