JPH062072B2 - N−アセチルグルコサミン、グルコサミン、マンノ−ス又はアロ−スを末端に含む少糖類の製造方法 - Google Patents

N−アセチルグルコサミン、グルコサミン、マンノ−ス又はアロ−スを末端に含む少糖類の製造方法

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JPH062072B2
JPH062072B2 JP62035241A JP3524187A JPH062072B2 JP H062072 B2 JPH062072 B2 JP H062072B2 JP 62035241 A JP62035241 A JP 62035241A JP 3524187 A JP3524187 A JP 3524187A JP H062072 B2 JPH062072 B2 JP H062072B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、オリゴ糖に作用して糖転移作用を行う酵素
(ディスプロポーショネイティング・エンザイム・4−
α−Glucanotransferase,E.C.
2.4.1.25,以下D−酵素と略記)をでん粉また
はデキストリンとN−アセチルグルコサミン、グルコサ
ミン、マンノースまたはアロースとを混合、反応させ、
マルトオリゴ糖の還元性末端に上記の糖質がα−1,4
結合で結合した新しい少糖類を製造する方法に関するも
のである。いずれの少糖質も温和な甘味を有し、やや粘
性を示す水飴状である。
従来の技術 D−酵素は、元来マルトオリゴ糖を基質とし、そのグル
コシド結合を切断するとともに、その切り端を他のオリ
ゴ糖に転移させる酵素で、その反応はたとえば次式のよ
うに示すことができる。
G−G−G+G−G−G→G−G−G−G−G+G すなわち、酵素はマルトオリゴ糖のグリコシド結合を適
当な位置で切断し、ついでその切断部分を未反応のオリ
ゴ糖(受容体)に転移する。オリゴ糖は基質であるとと
もに受容体でもある。
本発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、この受容体としてオリゴ糖以外にどのよ
うな糖質が有効であるか鋭意検討した結果、マルトオリ
ゴ糖以外に、グルコース、N−アセチルグルコサミン、
グルコサミン、マンノース、さらにアロースも有効に受
容体になりうることを明らかにした。転移酵素としてよ
く知られているCyclodextrinGlucan
otransferfse(CGT−ase,E.C.
2.4.1.19)の場合、本発明者らの研究により、
グルコース、キシロース、ソルボースまたはそれらのC
1位置換体は有効な受容体になりうるが、N−アセチル
グルコサミン、グルコサミン、マンノース、アロースな
どは受容体になりえないことをすでに明らかにしている
(S.Kitahata and S.Okada,
J.Biochem.,79 641(1976))。
すなわちCGT−aseの有効な受容体になりうるため
にはC2,C3,C4位OHの立体配置が重要で、C2
およびC3位OHの立体配置がグルコースと異なるN−
アセチルグルコサミン、グルコサミン、マンノース、ア
ロースは受容体にはなり得ない。しかるに、D−酵素の
場合、有効な受容体になりうるためには、C4位OHの
立体配置は重要であるが、C2,C3位OHの立体配置
は関係ないという大きな相異点を見出した。
問題点を解決するための手段 ここで使用する酵素としては、マルトオリゴ糖に作用し
糖転移作用を行うD−酵素であれば、ジャガイモ起源の
酵素以外は、いずれも使用可能である。たとえば、甘
藷、スイートコーン、緑豆などの高等植物、Bacil
lus subtilis Pseudomonas
stutzeri,Escherichia coli
などの微生物の生産する酵素である。特に微生物の生産
する酵素は受容体特異性が高く、さらに最近、酵素生産
量の高い菌株が見い出され、実用性が高まってきてい
る。
つぎに、本酵素はマルトオリゴ糖を基質とするが、受容
体が存在すると、より高分子のデキストリン、でん粉も
基質となり得る。そこで、でん粉やデキストリンなど高
分子基質とグルコサミンなどの混合系にD−酵素を作用
させると、マルトオリゴ糖が反応系に存在しないので効
率よく目的とするグルコサミン等を含む少糖類を合成で
きることを見出し、本発明を完成することができた。
使用しうるでん粉あるいはデキストリンとしては、とう
もろこし、米などの地上でん粉だけでなく、馬鈴薯、甘
藷など地下でん粉も使用できる。工業的には、生でん粉
を酸または酵素で部分分解した液化でん粉(分解率5〜
20%)を使用するのが望ましい。でん粉またはデキス
トリン濃度としては、1%以下でも転移反応は進行する
が、工業生産の場合には、でん粉濃度20〜30%程度
が望ましい。
この反応は転移反応であるので、でん粉またはデキスト
リンの濃度の他、受容体濃度および両者の混合比も重要
である。でん粉と受容体の混合比が1:1の時、反応は
最も良く進行する。
使用する酵素は、適当な組成の培地(実施例1)を用い
37℃、5〜48時間好気培養して調製する。培養菌体
を超音波破砕して得た菌体抽出液を粗酵素液とし、さら
に種々な方法で高度に精製する。粗酵素液と精製酵素液
について、酵素活性(その測定法は後述の通り)を同一
にそろえて、マルトトリオースに作用させ、還元力の増
加を調べると共に、反応生成物をペーパークロマトグラ
フィーにより調べた。その結果、両反応液とも還元力の
増加は全く認められず、ペーパークロマトグラフィーに
より一連のマルトオリゴ糖を生成している事が確められ
た。すなわち、粗酵素液中には、マルトトリオースを加
水分解する酵素(α−アミラーゼ,グルコアミラーゼ,
α−グルコシダーゼ)は含まれておらず、粗酵素液をそ
のまま酵素剤として利用できることが判明した。
本酵素の作用至適PHは6.5付近であり、安定PH範
囲は6.0〜8.0である。また、本酵素の作用最適温
度は35℃、温度安定性(15分処理)は45℃付近ま
でである。
<酵素活性測定法> 0.1%マルトトリオース500μl(PH7.0,2
0mMリン酸緩衝液)に酵素液50μlを加え、40℃
にて10分間反応させる。生成するグルコース量をNA
DP、ヘキソキナーゼ、グルコース−6−リン酸デヒド
ロゲナーゼを用いて定量することにより酵素活性を測定
した。この条件下で10分間に1μgのグルコースを生
成する酵素量を1単位とした。
生成物の確認 転移生成物の構造を知るため、実施例1で得られるN−
アセチルグルコサミンを含む少糖類をペーパークロマト
グラフィーにて分離を行ない、N−アセチルグルコサミ
ンの次に位するRf値のものを抽出した。
この物質は、酸化水分解するとグルコースとN−アセ
チルグルコサミンが1:1生成する。Timmelの
方法により、測定した重合度は2.0である。水素化
ホウ素ナトリウムで還元後、酸加水分解すると、N−ア
セチルグルコサミンが消失する。完全メチル化後、酸
加水分解するとN−アセチル−3,6−ジ−0−メチル
−4−0−アセチルグルコサミンを与える。以上の結果
から1,4−α−グルコシル−N−アセチルグルコサミ
ンと同定した。
また、1,4−α−グルコシル−N−アセチルグルコサ
ミン(G−NAcG)以外のスポットを与える物質をグ
ルコアミラーゼで分解するとグルコースとG−NAcG
を与える。β−アミラーゼで分解するとマルトースを生
成する。これらの事実とD−酵素の作用特異性より考
え、D−酵素による反応は次式のように進行しているこ
とが確かめられた。
つぎにマンノースを含む場合についても生成物をペーパ
ークロマトグラフィーにより分離し、マンノースのすぐ
下のRf値を示すものを抽出した。この物質の構造をN
−アセチルグルコサミンの場合と同様の方法で調べた。
本物質は、酸加水分解により、グルコースとマンノー
スを1:1の比率で生成する。Timmelの方法に
より測定した重合度は2.0である。水素化ホウ素ナ
トリウムで還元後、酸加水分解するとマンノースが消失
する。完全メチル化後酸加水分解すると、2,3,6
−トリ−0−メチル−マンニトールを生成する。以上の
結果より、1,4−α−グルコシル−マンノースと同定
した。また、オリゴ糖についても、グルコアミラーゼで
分解するとグルコースと1,4−α−グルコシル−マン
ノースを生成し、β−アミラーゼ消化により、マルトー
スを生成することより、還元性末端にマンノースを含む
少糖類であることを認めた。
グルコサミンおよびアロースを含む少糖類についても、
ほぼ同様の実験を行い構造を調べ、それぞれ還元性末端
にグルコサミンまたはアロースをα−1,4結合で結合
したマルトオリゴ糖であることを確認した。
実施例 (実施例1) ポリペプトン1.5%、酵母エキス0.5%、マルトー
ス1%、塩化マグネシウム10-3M、硫酸第1鉄2×1
-6M、リン酸緩衝液(PH7.0)0.1Mを含む培
地15を殺菌後、E.coli IFO 3806株
を植菌して、ジャーファーメンターにより37℃、5時
間好気培養した。遠心分離により集菌し、菌体を洗浄
後、超音波破砕により得た菌体抽出液を粗酵素液として
使用した(全活性4.2×10単位)。
可溶性でん粉100gを水1に溶解させ、N−アセチ
ルグルコサミン100gを加えた溶液に上記の酵素剤1
0ml(3.5×10単位)を加え、PH7.0にて4
0℃、48時間反応させる。100℃、10分間加熱
し、酵素反応を止めた後、活性炭を0.2%添加、濾
過、濃縮すると水分25%無色粘稠な水飴状物質210
gが得られた。
本物質1mgを瀘紙にスポットし、n−ブタノール:ピリ
ジン:水(6:4:3)の組成の溶媒系で4重展開後、
硝酸銀により発色するとN−アセチルグルコサミン(N
AcG)のほか、さらにグルコース1〜数個結合したG
−NAcG、G−G−NAcG、G−G−G−NAc
G、G−G−G−G−NAcGと思われる一連のスポッ
トが認められた。
(実施例2) 馬鈴薯でん粉100gに市販の細菌液化型α−アミラー
ゼ200mgを加え、水1中で加熱溶解させた。分解率
3%の段階で煮沸し酵素反応を止め、約5%の分解率の
液化でん粉液を得た。アロース80gを加え溶解後、前
記酵素液10mlを加え、40℃、48時間反応させた。
反応液を0.2%活性炭処理ならびにイオン交換樹脂処
理により精製を行い、濃縮すると水分20%の無色粘稠
な水飴状物質190gが得られた。ペーパークロマトグ
ラフィーにより生成物を調べると、アロースのほか、ア
ロースにグルコースが1〜数個結合したと思われる一連
のスポットを認めることができた。
発明の効果 本反応には、これらでん粉から製造したマルトースなど
重合度2〜5程度のオリゴ糖も基質となりうるが、これ
らの糖質が反応系に多量存在していると、添加したグル
コサミンなどと共に受容体になり、目的とするグルコサ
ミン等を含んだ少糖類の収率が低下する。
でん粉量が受容体量の1/2以下になると、でん粉は良
く分解され転移反応は進行するが、反応後期になっても
反応液中に未反応の受容体が多量残存する。一方、でん
粉量が受容体量の2倍以上になると、加えた受容体の大
部分は転移反応を受けるが、でん粉の分解が不十分とな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】でん粉またはデキストリンと、N−アセチ
    ルグルコサミン、グルコサミン、マンノースまたはアロ
    ースとの混合液にディスプロポーショネイティング・エ
    ンザイムを作用させることによるN−アセチルグルコサ
    ミン、グルコサミン、マンノースまたはアロースを末端
    に含む少糖類の製造方法。
JP62035241A 1987-02-18 1987-02-18 N−アセチルグルコサミン、グルコサミン、マンノ−ス又はアロ−スを末端に含む少糖類の製造方法 Expired - Fee Related JPH062072B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS564238A (en) * 1979-06-23 1981-01-17 Mitsubishi Electric Corp Forming of pattern

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