JP2527345B2 - a−ガラクトシルフラクトシドを原料に用いるa−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 - Google Patents
a−ガラクトシルフラクトシドを原料に用いるa−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法Info
- Publication number
- JP2527345B2 JP2527345B2 JP62295801A JP29580187A JP2527345B2 JP 2527345 B2 JP2527345 B2 JP 2527345B2 JP 62295801 A JP62295801 A JP 62295801A JP 29580187 A JP29580187 A JP 29580187A JP 2527345 B2 JP2527345 B2 JP 2527345B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- galactosylfructoside
- galactosidase
- galactosyl group
- enzyme
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はα−ガラクトシダーゼの基質にα−ガラクト
シルフラクトシドを用いることにより効率よく安価にα
−ガラクトシル基を含む有用オリゴ糖あるいは配糖体を
製造する方法に関するものである。
シルフラクトシドを用いることにより効率よく安価にα
−ガラクトシル基を含む有用オリゴ糖あるいは配糖体を
製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 近年、ラフィノース、スターキオースなどの非還元末
端にα−ガラクトース基を有するオリゴ糖が腸内有用細
菌であるビフィズス菌増殖因子として有効であると認め
られ、これらオリゴ糖を甘味料として用いることが検討
されている。ラフィノース、スターキオースの供給源と
しては、大豆オリゴ糖またはビート中のラフィノースが
ある。しかしながら、上記ラフィノース、スターキオー
スの原料として考えられる大豆オリゴ糖は量的に少ない
ため大量供給が難しく、また、価格も高い。ビート中の
ラフィノースも、供給時期が10月〜3月と限定されるこ
と、および、現在のところ価格が高いという欠点をもっ
ている。
端にα−ガラクトース基を有するオリゴ糖が腸内有用細
菌であるビフィズス菌増殖因子として有効であると認め
られ、これらオリゴ糖を甘味料として用いることが検討
されている。ラフィノース、スターキオースの供給源と
しては、大豆オリゴ糖またはビート中のラフィノースが
ある。しかしながら、上記ラフィノース、スターキオー
スの原料として考えられる大豆オリゴ糖は量的に少ない
ため大量供給が難しく、また、価格も高い。ビート中の
ラフィノースも、供給時期が10月〜3月と限定されるこ
と、および、現在のところ価格が高いという欠点をもっ
ている。
一方、オリゴ糖あるいは配糖体の合成法としては糖転
移酵素または加水分解酵素の糖転移作用を利用する方法
が開発されている。例えばβ−フラクトフラノシダーゼ
によるフラクトオリゴ糖、β−ガラクトシダーゼによる
β−ガラクトオリゴ糖の製造がある。同様にα−ガラク
トシダーゼの糖転移作用を利用してα−ガラクトシル基
を持ったオリゴ糖、配糖体等の有用化合物を製造する方
法が考えらえるが、この場合、α−ガラクトシル基を供
給する安価な原料が必要である。しかしながら、現在の
ところα結合したガラクトースを含むオリゴ糖、多糖は
天然界に少なく、ラフィノース、スターキオース、ベル
バスコースなどのラフィノース族オリゴ糖やプランテオ
ースあるいはそれらの誘導体しか存在せず、どれも大量
供給が難しい。
移酵素または加水分解酵素の糖転移作用を利用する方法
が開発されている。例えばβ−フラクトフラノシダーゼ
によるフラクトオリゴ糖、β−ガラクトシダーゼによる
β−ガラクトオリゴ糖の製造がある。同様にα−ガラク
トシダーゼの糖転移作用を利用してα−ガラクトシル基
を持ったオリゴ糖、配糖体等の有用化合物を製造する方
法が考えらえるが、この場合、α−ガラクトシル基を供
給する安価な原料が必要である。しかしながら、現在の
ところα結合したガラクトースを含むオリゴ糖、多糖は
天然界に少なく、ラフィノース、スターキオース、ベル
バスコースなどのラフィノース族オリゴ糖やプランテオ
ースあるいはそれらの誘導体しか存在せず、どれも大量
供給が難しい。
[本発明が解決しようとする問題点] そこで、本発明の目的はα−ガラクトシル基を有する
安価な原料を提供することにあり、更にこの基質を使用
してα−ガラクトシダーゼの転移反応を利用しα−ガラ
クトシル基を持ったオリコ糖、配糖体の合成法を提供す
ることにある。
安価な原料を提供することにあり、更にこの基質を使用
してα−ガラクトシダーゼの転移反応を利用しα−ガラ
クトシル基を持ったオリコ糖、配糖体の合成法を提供す
ることにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは種々研究を重ねた結果、α−ガラクトシ
ルフラクトシドがα−ガラクトシダーゼの糖転移作用に
おけるガラクトシル基の供与体として使えることを見い
出し本発明に至った。すなわち、本発明はガラクトース
とフラクトース残基を含む化合物(例えば、シュークロ
ース、ラフィノース、スターキオースなど)にレバンシ
ュークラーゼを作用させ、α−ガラクトシルフラクトシ
ドを合成し、このα−ガラクトシルフラクトシドを基質
としてα−ガラクトシダーゼの転移作用によってα−ガ
ラクトシル基を転移させα−ガラクトシル基を含む有用
なオリゴ糖、配糖体あるいは多糖を合成することを特徴
とするものである。
ルフラクトシドがα−ガラクトシダーゼの糖転移作用に
おけるガラクトシル基の供与体として使えることを見い
出し本発明に至った。すなわち、本発明はガラクトース
とフラクトース残基を含む化合物(例えば、シュークロ
ース、ラフィノース、スターキオースなど)にレバンシ
ュークラーゼを作用させ、α−ガラクトシルフラクトシ
ドを合成し、このα−ガラクトシルフラクトシドを基質
としてα−ガラクトシダーゼの転移作用によってα−ガ
ラクトシル基を転移させα−ガラクトシル基を含む有用
なオリゴ糖、配糖体あるいは多糖を合成することを特徴
とするものである。
以下に、本発明について詳述する。
使用しうるガラクトースとしては市販のガラクトース
はもちろん、α−ガラクトシル基あるいはβ−ガラクト
シル基を含む天然のオリゴ糖、配糖体あるいは多糖から
酵素(β−ガラクタナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α
−ガラクトシダーゼなど)あるいは酸を使用しても加水
分解することにより調製したガラクトースも使用でき
る。レバンシュークラーゼは糖転移酵素であるが、シュ
ークロースとガラクトースに本酵素を作用させた場合フ
ラクトースがβ−2.6結合で結合したレバンの合成反
応、ガラクトースへの転移によるα−ガラクトシルフラ
クトシドの合成反応および加水分解反応の三つの反応を
触媒する。三つの反応の比率は供与体であるシュークロ
ース、受容体であるガラクトースを濃度比や反応温度に
より影響を受ける。α−ガラクトシルフラクトシドを効
率よく合成させるには受容体と供与体のモル比を大きく
する方が良く、1:1から4:1が望ましい。また、基質濃度
は高い方が良く、20〜50%が望ましい。反応温度は、低
温ほど転移反応が起こり易く10〜30℃で適当である。反
応のpH及び反応時間は、レバンシュークラーゼが作用し
てα−ガラクトシルフラクトシドが生成されれば良く、
pH3.0〜10、反応時間は1〜48時間が適用される。
はもちろん、α−ガラクトシル基あるいはβ−ガラクト
シル基を含む天然のオリゴ糖、配糖体あるいは多糖から
酵素(β−ガラクタナーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α
−ガラクトシダーゼなど)あるいは酸を使用しても加水
分解することにより調製したガラクトースも使用でき
る。レバンシュークラーゼは糖転移酵素であるが、シュ
ークロースとガラクトースに本酵素を作用させた場合フ
ラクトースがβ−2.6結合で結合したレバンの合成反
応、ガラクトースへの転移によるα−ガラクトシルフラ
クトシドの合成反応および加水分解反応の三つの反応を
触媒する。三つの反応の比率は供与体であるシュークロ
ース、受容体であるガラクトースを濃度比や反応温度に
より影響を受ける。α−ガラクトシルフラクトシドを効
率よく合成させるには受容体と供与体のモル比を大きく
する方が良く、1:1から4:1が望ましい。また、基質濃度
は高い方が良く、20〜50%が望ましい。反応温度は、低
温ほど転移反応が起こり易く10〜30℃で適当である。反
応のpH及び反応時間は、レバンシュークラーゼが作用し
てα−ガラクトシルフラクトシドが生成されれば良く、
pH3.0〜10、反応時間は1〜48時間が適用される。
α−ガラクトシダーゼは本来加水分解酵素であるが、
気質濃度を高めると糖転移作用をも触媒するようにな
る。従って、α−グラクトシダーゼの糖転移作用を利用
し、α−ガラクトシルフラクトシドを供与体に用いて、
ラフィノース、スターキオース、ガラクトビオース、α
−ガラクトシルグリセリンなどを合成する場合、基質濃
度は高い方が良い。通常10〜50%濃度を用いる方が好ま
しい。α−アラクトシダーゼの作用条件は用いる酵素に
よって異なるが、pH3.0〜10.0、好ましくは5.0〜8.0の
範囲で、反応温度は20〜80℃、好ましくは50〜70℃の範
囲である。反応時間は、酵素の使用量によって異なる
が、基質のα−ガラクトシルフラクトシドが約90%程度
分解されるまで行うことが好ましく通常1〜48時間であ
る。しかしながら、本発明の以上の条件、あるいは反応
形態のみに限定されるものではない。
気質濃度を高めると糖転移作用をも触媒するようにな
る。従って、α−グラクトシダーゼの糖転移作用を利用
し、α−ガラクトシルフラクトシドを供与体に用いて、
ラフィノース、スターキオース、ガラクトビオース、α
−ガラクトシルグリセリンなどを合成する場合、基質濃
度は高い方が良い。通常10〜50%濃度を用いる方が好ま
しい。α−アラクトシダーゼの作用条件は用いる酵素に
よって異なるが、pH3.0〜10.0、好ましくは5.0〜8.0の
範囲で、反応温度は20〜80℃、好ましくは50〜70℃の範
囲である。反応時間は、酵素の使用量によって異なる
が、基質のα−ガラクトシルフラクトシドが約90%程度
分解されるまで行うことが好ましく通常1〜48時間であ
る。しかしながら、本発明の以上の条件、あるいは反応
形態のみに限定されるものではない。
ここで、α−ガラクシルフラクトシドを合成するのに
使用しうるレバンシュークラーゼ(EC 2,4,1,10)とし
ては、ガラクトースとシュークロースもしくはラフィノ
ースなどのフラクトース残基を含む化合物の溶液に作用
してシュークロースもしくはラフィノースなどのフラク
トース残基を含む化合物のフラクトース残基をガラクト
ースのC1位に転移して、非還元性のα−ガラクトシルフ
ラクトシドを生成しうる酵素であれば良く、酵素の起源
・種類に限定されない。例えば、バチルス・サブチリス
(Bacillus subtilis)、アエロバクター・レバニカム
(Aerobacter levanicum)、アセトバクター・サブオキ
シダンス(Acetobacter suboxydans)、グレコノバクタ
ー・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)、ストレ
プトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutan
s)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococc
us salivalius)などの多くの微生物が生産するレバン
シュークラーゼが本発明の目的に利用できる。
使用しうるレバンシュークラーゼ(EC 2,4,1,10)とし
ては、ガラクトースとシュークロースもしくはラフィノ
ースなどのフラクトース残基を含む化合物の溶液に作用
してシュークロースもしくはラフィノースなどのフラク
トース残基を含む化合物のフラクトース残基をガラクト
ースのC1位に転移して、非還元性のα−ガラクトシルフ
ラクトシドを生成しうる酵素であれば良く、酵素の起源
・種類に限定されない。例えば、バチルス・サブチリス
(Bacillus subtilis)、アエロバクター・レバニカム
(Aerobacter levanicum)、アセトバクター・サブオキ
シダンス(Acetobacter suboxydans)、グレコノバクタ
ー・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)、ストレ
プトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutan
s)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococc
us salivalius)などの多くの微生物が生産するレバン
シュークラーゼが本発明の目的に利用できる。
また、α−ガラクトシダーゼは、メリビオース、ラフ
ィノース、スターキオース、あるいはフェニル−α−ガ
ラクトシドのようなα−ガラクトシル基を含むオリゴ糖
や配糖体を分解し、糖転移作用を触媒する酵素であれば
良く、酵素の起源・種類に限定されない。例えばピクノ
ポラス・シナバリス(Pycnoporus cinnabarinus)、ス
トレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、
デプロコッカス・ニューモニア(Diplococcus pneumoni
ae)、モルティエレラ・ビナセ(Mortiellela vinace
a)などの微生物やビシア・サティバ(Vicia sativa)
などの植物が生産するα−ガラクトシダーゼが使用でき
る。これらの微生物からレバンシュークラーゼあるいは
α−アラクトシダーゼを生産する方法は、通常液体培養
もしくは固体培養が用いられる。液体培養の場合はその
培養上澄液を、固体培養の場合はその抽出液を、そのま
ま酵素剤として利用できる。また、場合によって菌体を
そのまま酵素剤として利用することも可能である。ま
た、必要に応じて既知の方法で精製した酵素も使用でき
る。これら酵素あるいは酵素を生産する菌体は固定化し
てカラムに詰めたり膜に固定化して連続式であるいはバ
ッチ式で繰り返し反応に利用することも可能である。
ィノース、スターキオース、あるいはフェニル−α−ガ
ラクトシドのようなα−ガラクトシル基を含むオリゴ糖
や配糖体を分解し、糖転移作用を触媒する酵素であれば
良く、酵素の起源・種類に限定されない。例えばピクノ
ポラス・シナバリス(Pycnoporus cinnabarinus)、ス
トレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、
デプロコッカス・ニューモニア(Diplococcus pneumoni
ae)、モルティエレラ・ビナセ(Mortiellela vinace
a)などの微生物やビシア・サティバ(Vicia sativa)
などの植物が生産するα−ガラクトシダーゼが使用でき
る。これらの微生物からレバンシュークラーゼあるいは
α−アラクトシダーゼを生産する方法は、通常液体培養
もしくは固体培養が用いられる。液体培養の場合はその
培養上澄液を、固体培養の場合はその抽出液を、そのま
ま酵素剤として利用できる。また、場合によって菌体を
そのまま酵素剤として利用することも可能である。ま
た、必要に応じて既知の方法で精製した酵素も使用でき
る。これら酵素あるいは酵素を生産する菌体は固定化し
てカラムに詰めたり膜に固定化して連続式であるいはバ
ッチ式で繰り返し反応に利用することも可能である。
[発明の効果] 現在、α−ガラクトシル基を含む有用なオリゴ糖や配
糖体を酵素的に合成する場合、安価で大量に存在するα
−ガラクトシル基の供給源は天然界では知られていな
い。本発明のα−ガラクトシルフラクトシドは、ガラク
トースとフラクトシル基を持つ化合物からレバンシュー
クラーゼによって大量に合成できる。また、レバンシュ
ークラーゼは、転移酵素であるため率良く安価合成が可
能である。このα−ガラクトシルフラクトシドを基質に
用いることにより、α−ガラクトシダーゼの転移作用に
よってα−ガラクトシル基を含む有用なオリゴ糖や配糖
体を酵素的に安価かつ大量に合成できる。
糖体を酵素的に合成する場合、安価で大量に存在するα
−ガラクトシル基の供給源は天然界では知られていな
い。本発明のα−ガラクトシルフラクトシドは、ガラク
トースとフラクトシル基を持つ化合物からレバンシュー
クラーゼによって大量に合成できる。また、レバンシュ
ークラーゼは、転移酵素であるため率良く安価合成が可
能である。このα−ガラクトシルフラクトシドを基質に
用いることにより、α−ガラクトシダーゼの転移作用に
よってα−ガラクトシル基を含む有用なオリゴ糖や配糖
体を酵素的に安価かつ大量に合成できる。
次に本発明の詳細を実施例を挙げて説明する。
[実施例] 酵素の活性 レバンシュークラーゼの活性測定法 20%(w/v)シュークロース溶液0.5mlおよび100mMリ
ン酸緩衝液(pH7.0)、0.4mlにレバンシュークラーゼ溶
液0.1mlを加えて30℃で10分間反応させる。この反応液
を10分間加熱して酵素を失活させた後、生じたグルコー
ス量をグルコースオーキシダーゼ法で測定した。酵素活
性1単位は、この条件下で1分間に1μmoleのグルコー
スを生成する酵素量と定義した。
ン酸緩衝液(pH7.0)、0.4mlにレバンシュークラーゼ溶
液0.1mlを加えて30℃で10分間反応させる。この反応液
を10分間加熱して酵素を失活させた後、生じたグルコー
ス量をグルコースオーキシダーゼ法で測定した。酵素活
性1単位は、この条件下で1分間に1μmoleのグルコー
スを生成する酵素量と定義した。
α−ガラクトシダーゼの活性測定法 10mMパラニトロフェニル−α−ガラクトシド0.2mlと1
00mM酢酸緩衝液(pH5.5)0.2mlにα−ガラクトシダーゼ
溶液0.05mlを加えて40℃10分間反応させる。反応後、0.
2M Na2CO3 0.5mlを加えて反応を止め、遊離してくるパ
ラニトロフェノール量を分光光度計にて400nmを吸光度
を計ることにより測定した。酵素活性1単位は、この条
件下で1分間に1μmoleのパラニトロフェノールを生成
する酵素量と定義した。
00mM酢酸緩衝液(pH5.5)0.2mlにα−ガラクトシダーゼ
溶液0.05mlを加えて40℃10分間反応させる。反応後、0.
2M Na2CO3 0.5mlを加えて反応を止め、遊離してくるパ
ラニトロフェノール量を分光光度計にて400nmを吸光度
を計ることにより測定した。酵素活性1単位は、この条
件下で1分間に1μmoleのパラニトロフェノールを生成
する酵素量と定義した。
酵素標品の調製 レバンシュークラーゼ 5%大豆粕抽出液(20倍量の0.2% NaOH溶液で100℃
1時間抽出する)、%庶糖、0.6%リン酸二アンモニウ
ム、0.02%ヨウ化カリウム、0.02%硫酸マグネシウム、
0.3%酢酸カルシウムを含む培地(pH7.0)200mlを1l三
角フラスコに分注し、120℃15分間のオートクレーブに
より滅菌した後、Bacillus subtilis var.saccharolyti
cusを植菌し、37℃にて40〜44時間静置培養した。遠心
分離により得た菌体を20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸
濁し、ホモジナイザーにより1分間処理した後、遠心分
離により上澄液を得た。これを粗酵素液として以下の実
験に使用した。
1時間抽出する)、%庶糖、0.6%リン酸二アンモニウ
ム、0.02%ヨウ化カリウム、0.02%硫酸マグネシウム、
0.3%酢酸カルシウムを含む培地(pH7.0)200mlを1l三
角フラスコに分注し、120℃15分間のオートクレーブに
より滅菌した後、Bacillus subtilis var.saccharolyti
cusを植菌し、37℃にて40〜44時間静置培養した。遠心
分離により得た菌体を20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に懸
濁し、ホモジナイザーにより1分間処理した後、遠心分
離により上澄液を得た。これを粗酵素液として以下の実
験に使用した。
α−ガラクトシダーゼ シュークロース2%、ペプトン3%、酵母エキス0.5
%、(NH4)2SO41%、KH2PO40.5%、MgSO4・7H2O0.05%
からなる培地51(pH5.0)を殺菌後、Pycronoporus cinn
abarinus IFO6139株を植菌し、30℃10日間振とう培養し
た。遠心分離によって得た上澄液に0.75飽和になるよう
に硫安を加え、一夜放置した。沈澱物を集め200mlのpH
5.0を酢酸緩衝液に溶解し、同緩衝液に対して透析した
標品をα−ガラクトシダーゼの粗酵素標品とした。
%、(NH4)2SO41%、KH2PO40.5%、MgSO4・7H2O0.05%
からなる培地51(pH5.0)を殺菌後、Pycronoporus cinn
abarinus IFO6139株を植菌し、30℃10日間振とう培養し
た。遠心分離によって得た上澄液に0.75飽和になるよう
に硫安を加え、一夜放置した。沈澱物を集め200mlのpH
5.0を酢酸緩衝液に溶解し、同緩衝液に対して透析した
標品をα−ガラクトシダーゼの粗酵素標品とした。
実施例1 α−ガラクトシルフラクトシドの作成 シュークロース10gとガラクトース20gを含むpH7.0の
リン酸緩衝液100mlにレバンシュークラーゼ溶液(20単
位/ml)1mlを加え、30℃にて48時間反応させた。反応液
を活性炭カラムクロマトグラフィーにかけ、オリゴ糖類
を吸着させた後、エチルアルコール0%〜20%の濃度勾
配により溶出させた。溶出液を濃縮乾燥して転移生成物
9gを得た。転移生成物は還元性を有しないこと、およ
び、サッカラーゼにより完全にガラクトースとフラクト
ースに加水分解されることからα−ガラクトシルフラク
トシドと同定した。
リン酸緩衝液100mlにレバンシュークラーゼ溶液(20単
位/ml)1mlを加え、30℃にて48時間反応させた。反応液
を活性炭カラムクロマトグラフィーにかけ、オリゴ糖類
を吸着させた後、エチルアルコール0%〜20%の濃度勾
配により溶出させた。溶出液を濃縮乾燥して転移生成物
9gを得た。転移生成物は還元性を有しないこと、およ
び、サッカラーゼにより完全にガラクトースとフラクト
ースに加水分解されることからα−ガラクトシルフラク
トシドと同定した。
α−ガラクトシダーゼによるオリゴ糖の作成 α−ガラクトシルフラクトシド(1g)とシュークロー
ス(1g)を含むpH5.0の酢酸緩衝液5mlに、上記の様に調
製したα−ガラクトシダーゼ溶液(8単位/ml)0.5mlを
加え70℃24時間反応させた。反応液を10分間煮沸加熱し
酵素を失活させた後、反応液1μlを紙にスポットし
n−ブタノール:ピリジン:水=6:4:3の組成を溶媒系
で4重展開後、フロログルシン法にようケトース呈色を
行うと、ラフィノースに相当する位置にスポットが検出
された。この反応液を活性炭カラムクロマトグラフィー
にかけ、オリゴ糖類を吸着させた後、エチルアルコール
の濃度勾配により溶出させた。3量体画分を集め、濃縮
し凍結乾燥標品1.1gを得た。
ス(1g)を含むpH5.0の酢酸緩衝液5mlに、上記の様に調
製したα−ガラクトシダーゼ溶液(8単位/ml)0.5mlを
加え70℃24時間反応させた。反応液を10分間煮沸加熱し
酵素を失活させた後、反応液1μlを紙にスポットし
n−ブタノール:ピリジン:水=6:4:3の組成を溶媒系
で4重展開後、フロログルシン法にようケトース呈色を
行うと、ラフィノースに相当する位置にスポットが検出
された。この反応液を活性炭カラムクロマトグラフィー
にかけ、オリゴ糖類を吸着させた後、エチルアルコール
の濃度勾配により溶出させた。3量体画分を集め、濃縮
し凍結乾燥標品1.1gを得た。
本標品は、(a)α−アラクトシダーゼで加水分解す
るとガラクトースとシュークロースを等モル生成するこ
と、(b)β−フラクトシダーゼで加水分解すると、等
モルのメリビオースとフラクトースを生成すること、
(c)α−ガラクトシダーゼとβ−フラクトシダーゼと
の加水分解するとガラクトース、グルコース、フラクト
ースを1モルずつ生成すること、(d)ペーパークロマ
トグラフィーの移動度がラフィノースと一致する。以上
のことからラフィノースであると同定した。
るとガラクトースとシュークロースを等モル生成するこ
と、(b)β−フラクトシダーゼで加水分解すると、等
モルのメリビオースとフラクトースを生成すること、
(c)α−ガラクトシダーゼとβ−フラクトシダーゼと
の加水分解するとガラクトース、グルコース、フラクト
ースを1モルずつ生成すること、(d)ペーパークロマ
トグラフィーの移動度がラフィノースと一致する。以上
のことからラフィノースであると同定した。
実施例2 (α−ガラクトシル基を有するオリゴ糖の作
成) シュークロース1gとガラクトース2gを含むpH7.0リン
酸緩衝液5mlにレバンシュークラーゼを実施例1−と
同様に作用させた後、実施例1−で使用したα−ガラ
クトシダーゼ溶液0.2mlを加え、さらに70℃24時間反応
させた。反応液1μlを紙スポットし、ペーパークロ
マトグラフィーにより反応生成物をケトース呈色で調べ
た結果、ラフィノースと思われるスポットが確認され
た。実施例1−の場合と同様に活性炭カラムクロマト
グラフィーにより3量体区分を単離し、酵素法により構
造を確認した結果ラフィノースであることが明らかとな
った。
成) シュークロース1gとガラクトース2gを含むpH7.0リン
酸緩衝液5mlにレバンシュークラーゼを実施例1−と
同様に作用させた後、実施例1−で使用したα−ガラ
クトシダーゼ溶液0.2mlを加え、さらに70℃24時間反応
させた。反応液1μlを紙スポットし、ペーパークロ
マトグラフィーにより反応生成物をケトース呈色で調べ
た結果、ラフィノースと思われるスポットが確認され
た。実施例1−の場合と同様に活性炭カラムクロマト
グラフィーにより3量体区分を単離し、酵素法により構
造を確認した結果ラフィノースであることが明らかとな
った。
実施例3 (α−ガラクトシル基を有する配糖体の作
成) α−ガラクトシルフラクトシド(500mg)とグリセリ
ン1gを含むpH5.0の酢酸緩衝液3mlに実施例1−で使用
したα−ガラクトシダーゼ溶液0.3mlを加え、70℃48時
間反応させた。反応液を10分間加熱し酵素を熱失活させ
た。反応液に1N NaOH溶液0.3mlを加えて60分間加熱し還
元糖を分解し、イオン交換樹脂で処理をした後ペーパー
クロマトグラフィーにより反応生成物を調べた結果、グ
ルコースに相当する位置にスポットが確認された。この
グルコースに相当する区分をペーパーから抽出し、性質
を調べた。(a)この標品は還元力を有しない(b)α
−ガラクトシダーゼにより加水分解するとガラストース
とグリセリンを等モル生成する。以上のことよりこの標
品はガラクトシルグリセリンであると同定した。
成) α−ガラクトシルフラクトシド(500mg)とグリセリ
ン1gを含むpH5.0の酢酸緩衝液3mlに実施例1−で使用
したα−ガラクトシダーゼ溶液0.3mlを加え、70℃48時
間反応させた。反応液を10分間加熱し酵素を熱失活させ
た。反応液に1N NaOH溶液0.3mlを加えて60分間加熱し還
元糖を分解し、イオン交換樹脂で処理をした後ペーパー
クロマトグラフィーにより反応生成物を調べた結果、グ
ルコースに相当する位置にスポットが確認された。この
グルコースに相当する区分をペーパーから抽出し、性質
を調べた。(a)この標品は還元力を有しない(b)α
−ガラクトシダーゼにより加水分解するとガラストース
とグリセリンを等モル生成する。以上のことよりこの標
品はガラクトシルグリセリンであると同定した。
Claims (1)
- 【請求項1】α−ガラクトシルフラクトシドを供与体に
用いα−ガラクトシダーゼの糖転移作用を利用すること
を特徴とするα−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるい
は配糖体の製造法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62295801A JP2527345B2 (ja) | 1987-11-24 | 1987-11-24 | a−ガラクトシルフラクトシドを原料に用いるa−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62295801A JP2527345B2 (ja) | 1987-11-24 | 1987-11-24 | a−ガラクトシルフラクトシドを原料に用いるa−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01137991A JPH01137991A (ja) | 1989-05-30 |
JP2527345B2 true JP2527345B2 (ja) | 1996-08-21 |
Family
ID=17825340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62295801A Expired - Lifetime JP2527345B2 (ja) | 1987-11-24 | 1987-11-24 | a−ガラクトシルフラクトシドを原料に用いるa−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2527345B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4559362B2 (ja) * | 2003-10-02 | 2010-10-06 | 花王株式会社 | グリセリンカーボネート配糖体 |
-
1987
- 1987-11-24 JP JP62295801A patent/JP2527345B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01137991A (ja) | 1989-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Prapulla et al. | Microbial production of oligosaccharides: a review | |
van den Broek et al. | Physico-chemical and transglucosylation properties of recombinant sucrose phosphorylase from Bifidobacterium adolescentis DSM20083 | |
Yoon et al. | The synthesis of galactopyranosyl derivatives with β-galactosidases of different origins | |
Park et al. | Enzymatic synthesis of fructosyl oligosaccharides by levansucrase from Microbacterium laevaniformans ATCC 15953 | |
Tyler et al. | Epimerization of disaccharides by enzyme preparations from Ruminococcus albus | |
JPH0649715B2 (ja) | 末端にイノシト−ル残基を結合したグルコオリゴ糖およびその製造方法 | |
Cheetham et al. | Synthesis of novel disaccharides by a newly isolated fructosyl transferase from Bacillus subtilis | |
Hassid et al. | Enzymatic synthesis of sucrose and other disaccharides | |
Bailey | The intracellular α-galactosidase of a rumen strain of Streptococcus bovis | |
JP2834871B2 (ja) | フラクトース含有オリゴ糖の製造法 | |
JP2527345B2 (ja) | a−ガラクトシルフラクトシドを原料に用いるa−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 | |
JPH1023898A (ja) | N−アセチルラクトサミン誘導体の新規な製造法 | |
Canedo et al. | Production of maltosylfructose (erlose) with levansucrase from Bacillus subtilis | |
US6562600B1 (en) | Production of cyclic alternan tetrasaccharides from oligosaccharide substrates | |
JP3028258B2 (ja) | α−ガラクトオリゴ糖組成物 | |
Würsch et al. | Maltotriitol inhibition of maltose metabolism in Streptococcus mutans via maltose transport, amylomaltase and phospho-α-glucosidase activities | |
US4962026A (en) | Process for the production of panosyl derivatives | |
US20020045222A1 (en) | Compositions and methods for saccharide synthesis | |
US5750389A (en) | Purified saccharose-synthase, process for its production and its use | |
JPH0824592B2 (ja) | α−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 | |
EP0717047B1 (en) | Process for producing disaccharides and novel saccharides | |
JP2688854B2 (ja) | 糖転移活性の強いα―ガラクトシダーゼの製造法 | |
Beadle et al. | Enzymatically synthesized polysaccharides and disaccharides | |
KR100663065B1 (ko) | 레반수크라아제를 이용한 내산성, 내열성 올리고당의생산방법 | |
JP2754358B2 (ja) | スフィンゴ糖脂質の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080614 Year of fee payment: 12 |