JPH0620181B2 - 移動用放送電波受信装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、カーラジオなどの移動用放送電波受信装置に
関する。

従来技術 一般に、カーラジオなどの移動用放送電波受信装置にあ
っては、移動地域によって放送電波の電界強度が強くな
ったり弱くなったりするが、放送電波の電界強度が弱く
なって雑音が出てきたときに聴取者がそれを感じとって
受信状態の限界を知り、不案内地域で他に聴取できる放
送があるか否かをチューニング操作で探し出しているの
が現状である。

しかして従来では、ある地域にあってキー操作にしたが
って一定の電界強度以上を有する電波を検出することに
よって受信可能な放送局を探索し、その検出された一定
の電界強度以上を有する電波の周波数に同調させて自動
的に選局させるようにしたものが開発されている。

しかしてこのような手段をとるのでは、一定の電界強度
以上をもった電波であれば放送以外のものでも全てそれ
を検出して同調してしまうために、ノイズを受信した
り、夜間に放送電波の受信電界強度が強くなる外国放送
などの特に必要でない放送電波などをも受信したりして
しまっている。

目的 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、移動地域
における所定の放送局を確実に自動選局することができ
るようにした移動用放送電波受信装置を提供するもので
ある。

構成 本発明はその目的達成のため、予め地域ごとにおける受
信可能な放送局のデータを記憶装置に格納しておき、現
在移動中の複数の地域に対応させた２次元座標上におけ
る車両の位置を求めて、その位置から現在車両が移動し
ている地域を判定して所定の地域データをわり出して、
そのわり出された地域データに応じて記憶装置をアドレ
ッシングすることにより読み出された放送局のデータに
したがって自動選局させるようにするものである。

また本発明は、山かげに入って放送電波を受信すること
ができない場合など考慮し、記憶装置から読み出された
データにしたがう所定の放送局における放送電波の受信
電界強度が実際に可聴に耐える一定レベル以上であるか
をみたうえで、予め設定された優先順位をもって自動選
局させるようにするものである。

以下、添付図面を参照して本発明の一実施例について詳
述する。

本発明による移動用放送電波受信装置にあっては、第１
図に示すように、アンテナＡＮＴにより受信した放送局
の放送電波に同調させる自動選局機能をもったチューナ
１と、移動地域をわり出して所定のコード化データを発
生する地域コードデータ発生器２と、予め各地域ごとに
おける受信可能な放送局のデータが放送局リストとして
格納され、前記地域コードデータ発生器２からその発生
された地域コードデータをアドレスとして所定の放送局
のデータが読み出される放送局リスト用ＲＯＭ３と、チ
ューナ１により選局された放送局の放送をスピーカＳＰ
から音声出力させるアンプ４と、放送局リスト用ＲＯＭ
３から読み出された放送局のデータに応じて現在受信中
の放送局の情報をＣＲＴなどの表示器５に表示させる表
示用ＥＣＵ６（放送局名，放送周波数などを表示させる
のに必要なキャラクタジェネレータが組み込まれてい
る）と、スイッチ操作により自動選局の動作指令を出力
する自動選局スイッチ７と、受信した放送電波の電界強
度が可聴に耐える一定レベル以上であるか否かを検出す
る電界強度検出器９と、その自動選局の動作指令に応じ
てシステム全体の制御をなして所定の放送の選局および
情報表示を行なわせる放送用ＥＣＵ８とによって構成さ
れている。

放送局リスト用ＲＯＭ３に格納されている放送局のデー
タとしては、放送の可聴周波数データ，放送局名のデー
タなどの選局および情報表示に必要なデータであるが、
表示器５による受信中の放送局名の情報表示を特に必要
としないときには自動選局に必要な放送の可聴周波数デ
ータのみでよい。

このように構成された本発明による移動用放送電波受信
装置の動作について、以下説明をする。

まず、自動車の走行などにともなって地域コードデータ
発生器２により現在の移動地域が逐次わり出されてい
き、ある移動地域において自動選局スイッチ７が操作さ
れた時点で、そのときの移動地域に応じた所定の地域コ
ードデータが放送用ＥＣＵ８に読み込まれる。放送用Ｅ
ＣＵ８はその読み込んだ地域データコードにしたがて放
送局リスト用ＲＯＭ３のアドレッシングを行なって現在
地域における受信可能な放送局のデータを読み出し、そ
の読み出された放送局のデータにしたがってチューナ１
に同調信号を与えて所定の放送局を選局させる。それに
よりチューナ１により選局された放送局における受信さ
れた放送電波がアンプ４により増幅されてスピーカＳＰ
から再生される。同時に、放送用ＥＣＵ８は放送局リス
ト用ＲＯＭ３から読み出された放送局のデータにしたが
って表示用ＥＣＵ６に表示信号を与え、表示用ＥＣＵ６
の制御下で表示器５に現在受信中の放送の局名，周波数
などが表示される。

その際、現在地域において受信可能な放送局が放送局リ
スト用ＲＯＭ３に複数登録されている場合には、予めそ
れら各放送局に優先順位をもたせておき（具体的には各
放送局のデータに優先順位をあらわすフラグを立ててお
く）、放送用ＥＣＵ８は地域コードデータにしたがって
放送局リスト用ＲＯＭ３から同時に読み出された複数の
放送局のデータのうちから先ず優先度の高い放送局の選
局を行なわせ、その後は自動選局スイッチ７が操作され
る都度優先順位にしたがって放送局の選局を次々と切り
換えるような制御手段をとるようにしている。また、そ
の優先順位にしたがって放送局の選局が切り換えられる
たびに、表示器５における現在選局中の放送局の情報表
示が逐次切り換えられていくことになる。

また、放送用ＥＣＵ８の制御下において、放送局リスト
用ＲＯＭ３から読み出された複数の放送局のデータにし
たがって、表示器５に第２図に示すような各受信可能な
放送局のモデル表示をそれぞれ行なわせ、それら各表示
された放送局名Ａ〜Ｅにそれぞれ対応して設けられた選
局キーＫ１〜Ｋ５のうちの１つを選択的に押して放送用
ＥＣＵ８に指示を与えることにより任意の放送局を一発
で選局させる手段をとるようにしてもよい。その際、表
示用ＥＣＵ６の制御下において、表示器５にモデル表示
された放送局のうちの選択された放送局名Ｃおよびその
周波数表示ラインの部分を輝度変調によって明示させた
り、マーク表示させたりするなどの適宜表示手段がとら
れる。

第３図は地域コードデータ発生器２の具体的な構成例を
示すもので、例えば自動車の進行方向にしたがって方向
または方向の変化量に比例した信号を出力する地磁気式
またはジャイロ式などの方向センサ２１と、自動車の単
位走行距離ごとにパルス信号を発生する距離センサ２２
と、それら各センサ２１，２２の出力信号に応じて自動
車の単位走行距離ごとにおける刻々変化する２次元座標
上の現在位置を逐次演算によって求め、その求られた現
在位置のデータと予めメモリ２３に単位地域ごとにブロ
ック化されて記憶されている前記２次元座標上に対応し
た各地域データとを逐次比較してその現在位置がどの地
域内にいるのかを判定したうえで、その判定された地域
のコードデータを発生する信号処理装置２４と、２次元
座標上における自動車の出発点を任意に設定することが
できる操作装置２５とによって構成されている。なお信
号処理装置２４は、操作装置２５により設定された２次
元座標上の出発点を基準としたうえで、距離センサ２２
から単位走行距離ごとに送られてくるパルス信号数をカ
ウントして自動車の走行距離を計測しながら、方向セン
サ２１から逐次送られてくる方向信号から自動車の進路
変更をわり出して２次元座標上の現在位置を刻々と求め
ていくことになる。またその操作装置２５としては、例
えば２次元座標に対応して表示された地図上の１点をマ
トリクス的にキー入力させたり、またはライトペンなど
により直接指示するなどして自動車の出発点の位置デー
タを信号処理装置２４に与えることができるようになっ
ている。

このように本発明による移動用放送電波受信装置では、
それが例えば自動車に搭載されている場合、自動車の移
動地域にしたがって予め登録されている受信可能な放送
局を自動選局スイッチ７を操作するだけで自動的に選局
することができるようになる。

また、本発明では前述のようにして放送局リスト用ＲＯ
Ｍ３から読み出された受信可能な放送局における放送電
波の受信電界強度が可聴に耐える一定のレベル以上であ
るか否かを検出する電界強度検出器９を別途設け、放送
用ＥＣＵ８の制御下において放送電波の受信電界強度が
一定レベル以上であることが検出された放送局を優先順
位をもって自動選局させる手段をとるようにしている。

具体的には、受信可能な放送局を放送用ＥＣＵ８の制御
下でチューナ１により一時的に選局させたうえで、電界
強度検出器９によりそのときの放送局における放送電波
の受信電界強度のレベル検出を行なわせ、その電界強度
検出器９の出力信号を放送用ＥＣＵ８が読み込んでそれ
が一定レベル以上であればそのときの放送局の選局状態
を保持させ、また一定レベルよりも低い場合には他の受
信可能な放送局に選局の切換えを行なわせるようにして
いる。

したがって、このような放送電波の受信電界強度のレベ
ルに応じた放送局の選局手段を追加することにより、例
えば前述のように移動地域にしたがって予め登録されて
いる受信可能な放送局が選局されても、そのときたまた
ま自動車などが山かげなどに入っていてその選局された
放送を充分に可聴することができないような事態の発生
をなくすことができるようになる。

効果 以上、本発明による移動用放送電波受信装置にあって
は、予め地域ごとにおける受信可能な複数の放送局のデ
ータを格納する記憶手段と、複数の地域に対応させて２
次元座標上における車両の現在位置を求めて、その現在
位置が存在する地域を判定し、予め地域ごとに登録され
ている地域データのなかから判定された地域に応じた所
定の地域データを発生する手段と、その発生した地域デ
ータに応じて前記記憶手段から所定の放送局のデータを
読み出す手段と、その読み出されたデータにしたがう所
定の放送局における放送電波の受信電界強度を検出し
て、それが実際に可聴に耐える一定レベル以上であるか
否かを判定する手段と、一定レベル以上であると判定さ
れた所定の放送局を、予め設定された優先順位をもって
自動選局する手段とによって構成されたもので、移動用
放送電波受信装置を搭載する車両の運転者がいまどこに
いるのかわからないような不案内地域にあって、何ら誤
要因となる地域指定を手動で行わせるようなことなく、
車両の現在位置が存在する地域における受信可能な、し
かも現在の状況にあって放送電波が可聴レベル以上にあ
る放送局のみを優先順位をもって自動的に選局すること
ができるという利点を有している。

また、本発明は、ランダムなサーチによって一定の電界
強度レベル以上の電波を探索して自動選局させる必要が
ないので、ノイズを受信したり、夜間などに放送電波の
受信電界強度が強くなる外国放送などの不必要な放送を
受信したりするようなことがなく、予め地域ごとに登録
されている放送局のみを、可聴状態にあるときに限って
自動選局することができるという利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による移動用放送電波受信装置の一実施
例を示すブロック構成図、第２図は同実施例における表
示器の表示内容の一例を示す図、第３図は同実施例にお
ける地域コードデータ発生器２の具体的な構成例を示す
ブロック図である。 １……チューナ、２……地域コードデータ発生器、３…
…放送局リスト用ＲＯＭ、４……アンプ、５……表示
器、６……表示用ＥＣＵ、７……自動選局スイッチ、８
……放送用ＥＣＵ、９……電界強度検出器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−152215（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−62922（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−216016（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】予め地域ごとにおける受信可能な複数の放
   送局のデータを格納する記憶手段と、複数の地域に対応
   させた２次元座標上における車両の現在位置を求めて、
   その現在位置が存在する地域を判定し、予め地域ごとに
   登録されている地域データのなかから判定された地域に
   応じた所定の地域データを発生する手段と、その発生し
   た地域データに応じて前記記憶手段から所定の放送局の
   データを読み出す手段と、その読み出されたデータにし
   たがう所定の放送局における放送電波の受信電界強度を
   検出して、それが実際に可聴に耐える一定レベル以上で
   あるか否かを判定する手段と、一定レベル以上であると
   判定された所定の放送局を、予め設定された優先順位を
   もって自動選局する手段とによって構成された移動用放
   送電波受信装置。