JPH0619966U - 溶融金属容器用ポーラスノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本考案は、溶融金属容器用上部ノズルにおい
て、該上部ノズルの外周面を金属ケーシング（１０）で
包囲し、溶鋼流通孔（２０）の内周側で軸方向の１／２
以上をポーラス煉瓦（９）で構成し、該ポーラス煉瓦
（９）の外周、上部及び下部をキャスタブル耐火物
（８）で囲繞し、前記ポーラス煉瓦（９）と前記キャス
タブル耐火物（８）間の軸方向面間に不活性ガスプール
（１１）を設け、該プール（１１）に不活性ガスを供給
することを特徴とする。 【効果】 このような技術的構成とすることにより、高
温溶鋼となってもかつ長時間の連続操業してもシール性
を損うことがないポーラスノズルを提供しうるものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はノズル内孔表面から窒素やアルゴンなどの不活性ガスを吐出せしめ得 るようにしたポーラスノズルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

スライドバルブ装置を用いて溶融金属の流量を制御するタンディッシュにおい て、上部ノズル（インサートノズル）は、溶鋼など溶融金属注入時の凝固防止及 びアルミナ閉塞（アルミナ系介在物がノズル内孔に付着して引き起こされるノズ ル閉塞）の防止などのために、窒素、アルゴン等の不活性ガスをノズル内孔表面 から吐出させることが可能なポーラスノズルが使用されている。

【０００３】 従来のポーラスノズルを図２ないし図４を参照して説明する。図２に示すポー ラスノズルは、ポーラスれんが１の外周面を鉄板ケース２で囲み、ポーラスれん が１の外周面と鉄板ケース２との間に周回する空間３を設け、不活性ガスの供給 管４を鉄板３に接続したものである。図３に示すポーラスノズルは、ポーラスれ んが１の内部に細隙５を設け、鉄板ケース２を貫通する不活性ガス供給管４をこ の間隙５に連通させたものである。また、図４に示すポーラスノズルは、ポーラ スれんが１の外周を鉄板ケース２で囲み、該鉄板ケース２の下部とポーラスれん が１の下部との間に空間３を周設する。そして、この空間３に連通するように不 活性ガス供給管４を鉄板ケース２に接続する。ポーラスれんが１の上部外周面に は周回溝６を穿設し、該周回溝６と空間３を連通する縦溝７を複数条該ポーラス れんが１の側周囲に穿設する（実開昭６０−５６１５０号公報参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述した如き従来のポーラスノズルにおいては、何れも不活性吐出部のポーラ ス煉瓦の外側周面が直接鉄製のケーシングに囲まれている。このためポーラス煉 瓦の側周面のガスのシールは該鉄製ケーシングと、このケーシングとポーラス煉 瓦の間に充填された厚み数ｍｍ以下のモルタル或はシール材によって保持されて いる。

【０００５】 近時、タンディッシュ内において、プラズマトーチ、電磁ヒーター又は誘導電 流などによる溶鋼の加熱が行なわれるようになり、上部ノズル周辺の温度が従来 より高くなる傾向にある。この場合前述の公知構造のポーラスノズルでは鉄製ケ ーシング部の温度上昇により、ケーシングの熱膨脹あるいは変形が発生し、十分 なシール性が保持できないという問題がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前述の如き課題を解決するために、本考案者等は種々検討、実験の結果本考案 を開発したものであり、本考案の技術的構成は、溶融金属容器用上部ノズルにお いて、該上部ノズルの外周面を金属ケーシング（１０）で包囲し、溶鋼流通孔（ ２０）の内周側で軸方向の１／２以上をポーラス煉瓦（９）で構成し、該ポーラ ス煉瓦（９）の外周、上部及び下部をキャスタブル耐火物（８）で囲繞し、前記 ポーラス煉瓦（９）と前記キャスタブル耐火物（８）間の軸方向面間に不活性ガ スプール（１１）を設け、該プール（１１）に不活性ガスを供給することを特徴 とし、このような技術的構成とすることにより、高温溶鋼となってもかつ長時間 の連続操業してもシール性を損うことがないポーラスノズルを提供しうるもので ある。

【０００７】

【作用】

本考案のポーラスノズルでは不活性ガス吐出部のポーラス煉瓦の溶鋼接触面以 外の周囲部がキャスタブル耐火物で包囲されており、プラズマトーチ、電磁ヒー ター又は誘導電流などによる溶鋼の加熱操作が行われ、ポーラスノズル近辺の溶 鋼の温度上昇による鉄製ケーシングが膨脹あるいは変形しても、ポーラス煉瓦外 周をキャスタブル耐火物で囲繞してあるため不活性ガス吹込みが長時間にわたっ て継続することができる。

【０００８】 本考案の一具体例の縦断面図を示す図１により詳述する。

【０００９】 図１において、９はポーラス煉瓦であり、溶鋼流通孔２０の内周側で、その軸 方向の１／２以上に亘って配設してある。８はキャスタブル耐火物であり、前記 ポーラス煉瓦９の外周、上部及び下部を囲繞し、かつポーラス煉瓦９とキャスタ ブル耐火物の前述した軸方向の面間には不活性ガスプール１１がポーラス煉瓦外 周全体に周設してある。更に、該不活性ガスプール１１に不活性ガス供給管１２ により、図示してない不活性ガス供給源から不活性ガスを供給しうる。

【００１０】 前記キャスタブル耐火物の外周は図示の如く鉄製ケーシング１０で包囲されて いる。

【００１１】

【考案の効果】

以上の通り本考案のポーラスノズルによれば、タンディッシュ内においてプラ ズマトーチや電磁ヒーターあるいは誘導電流などによる溶鋼加熱により、上ノズ ル周辺の温度が上昇してもポーラス煉瓦のガスシール性を継続保持することが出 来る。

【００１２】 従って、従来、鋳造時間の経過とともにガスシール性が損なわれ、ポーラスノ ズルの溶鋼流通孔にアルミナ系介在物が付着してノズル閉塞をきたし長時間の連 続操業を継続して行う事が難しかったが、このような問題点が確実に防止され操 業の継続を延長することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案機構の一具体例の縦断面図

【図２】従来機構の一例を示す縦断面図

【図３】従来機構の一例を示す縦断面図

【図４】従来機構の一例を示す縦断面図

【符号の説明】

８ キャスタブル耐火物 ９ ポーラス煉瓦 １０ 鉄製ケーシング １１ 不活性ガスプール １２ 不活性ガス供給管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶融金属容器用上部ノズルにおいて、該
   上部ノズルの外周面を金属ケーシング（１０）で包囲
   し、溶鋼流通孔（２０）の内周側で軸方向の１／２以上
   をポーラス煉瓦（９）で構成し、該ポーラス煉瓦（９）
   の外周、上部及び下部をキャスタブル耐火物（８）で囲
   繞し、前記ポーラス煉瓦（９）と前記キャスタブル耐火
   物（８）間の軸方向面間に不活性ガスプール（１１）を
   設け、該プール（１１）に不活性ガスを供給することを
   特徴とする、溶融金属容器用ポーラスノズル。