JPH0619275Y2 - 車載用音響機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、車載用音響機器に係わり、特に車室内におけ
る音響特性の補正をフロント側とリア側で異なるグラフ
ィックイコライザを用いた車載用音響機器に関する。

＜従来の技術＞ 従来は、第２図で示すように音源となるカセットデッキ
１から音声信号が出て、グラフィックイコライザ２内に
おいて２の操作部の操作に従ってイコライジングされフ
ロント用アンプ４、リア用アンプ６で増幅されて、フロ
ントスピーカ５、リアスピーカ７でそれぞれ音声再生さ
れるが、車室内でフロント、リアの各スピーカを同時に
ならす場合に音響特性は、定在波の関係から、必ずピー
クやディップが生じる為に、グラフィックイコライザで
ピークが生じている周波数帯域はレベルをおさえて、デ
ィップの生じている帯域はレベルブーストして、フラッ
トな特性になるよう１つのグラフィックイコライザで、
フロント側とリア側を同時補正していた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら、このような従来のグラフィックイコライ
ザにあっては、例えば、フロント側にとうてい低音が望
めないような小型スピーカを、リア側には低音がかなり
出てくる大型スピーカを付け音を出した際に、必ず音響
特性にピーク、ディップが生ずる。その補正をする為、
グラフィックイコライザにおいて、低域は200〜300Hz、
高域は2K〜3KHzをそれぞれ調整するが、そのとき低域の
調整で、リアスピーカが補正できるが、同時に低域の出
ないフロントスピーカの低域ももち上げられボコボコと
歪感が出てしまい、高域の調整では、フロントとリアの
スピーカの補正はできるが実際は大口径のリアスピーカ
の音量にフロント側が負け、音場がリアに移ってしまう
と共にうるさくなってしまうという問題があった。

本考案の目的は、グラフィックイコライザをフロントス
ピーカ用、リアスピーカ用に分け、本来あるべくフロン
トスピーカとリアスピーカの音響特性のバランスを考
え、自然に音場補正をすることにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、前記問題を解決する為に、各々複数の周波数
バンド毎に所定の音声帯域内の周波数特性を補正する第
１と第２のイコライザ部を有し、第１のイコライザ部を
介してフロントスピーカより、また第２のイコライザ部
を介してリアスピーカより音声信号を出力する車載用音
響機器であって、第１のイコライザ部により補正可能な
音声帯域を高域よりに、第２のイコライザ部により補正
可能な音声帯域を低域よりに互いに一部の高域と低域が
重ならないようにずらして設定したことにより達成され
る。

＜作用＞ 上記技術的手段は次のように作用する。

フロントスピーカ側と、リアスピーカ側にそれぞれ音場
補正装置を設け、イコライザ部の周波数バンドの周波数
帯域幅を高域より、又は低域よりに細かく分けること
で、フロントスピーカとリアスピーカの周波数特性の違
いにうまく対応でき、それぞれフロントスピーカ側、リ
アスピーカ側の音響特性に生じるピーク，ディップを細
かく補正し、よりフラットな音響特性にすることができ
るようになる。

＜実施例＞ 以下図面を参照しつつ本考案の実施例を詳細に説明す
る。

第１図は、本考案の一実施例を示す図である。図中１
は、音源となるカセット、8,10はグラフィックイコライ
ザ、9,11はその操作部、４はフロント用アンプ、６はリ
ア用アンプ、５はフロントスピーカ、７はリアスピーカ
を表わす。

第１図において、音源となる１のカセットデッキより音
声信号が出され、8,10の各グラフィックイコライザを通
り、4,6の各アンプで増幅され5,7のフロント、リア各ス
ピーカから音として再生される。

フロントスピーカ５には、通常10cm口径の小型フルレン
ジが使用され、その時点で低音は望めなくなり、その反
面、よりクリアーな中・高域を要求されることとなる。

リアスピーカ７には、通常16cm以上のフルレンジが使用
され、大口径の為に豊かで量感ある重低音が要求されて
いた。

８はフロントスピーカ側のグラフィックイコライザであ
り、その操作部となる９には、一案として、音声帯域内
の複数の周波数バンドを（400Hz,800Hz,1.25KHz,2KHz,
2.5KHz,3.2KHz,6.4KHz,12.5KHz,16KHz）とした操作キー
を設け、周波数特性の中・高域でピーク，ディップの一
番生じやすい2K〜3KHz近辺の帯域幅を狭くし、高域より
にずらすことで、本来フロントスピーカに求めている歪
感のない透明感あふれる中・高域を操作キーの調整で作
り出せることと共に、従来では調整が難しかった、15KH
z以上の周波数帯域に影響される打楽器の中で特に、シ
ンバル音の余韻も15KHz近辺に操作キーを設定してやる
ことで可能となる。

10はリアスピーカ側のグラフィックイコライザであり、
その操作部となる11には、一案として、音声帯域内の複
数の周波数バンドを（63Hz,126Hz,160Hz,200Hz,250Hz,3
20Hz,500Hz,640Hz,1KHz）とした操作キーを設け、周波
数特性の低域でピーク，ディップが一番影響してくる20
0〜300Hz近辺の帯域幅を狭くし、本来リアスピーカに求
めている歪感のない量感あふれる重低音の再生を操作キ
ーの調整で作り出すことができる。

左右のフロントスピーカ５と左右のリアスピーカ７の合
計４つのスピーカを同時に使用する際、フロントスピー
カ５は、フロントスピーカ側グラフィックイコライザ８
で、リアスピーカ７は、リアスピーカ側グラフィックイ
コライザ10で補正することで、フロント、リアスピーカ
の口径の差、周波数特性の違いによって、例えば従来大
音量の時、音場がリアスピーカ側に移ってしまうという
影響にも対応でき、聴取者自身の聴感で最も好ましい音
場補正ができる。

＜考案の効果＞ 以上説明した如く、本考案によればフロントスピーカ
側、リアスピーカ側に専用のグラフィックイコライザを
設けることで、車室内に配置されたフロントスピーカ、
リアスピーカの口径・周波数特性の違い、および取付位
置による音伝播特性に対応でき、本来フロントスピーカ
側、リアスピーカ側それぞれに求められている音、即
ち、フロントスピーカにはクリアーな中・高音、リアス
ピーカには豊かな重低音を得ることができ、かつ、聴取
者が自分の音に対する好みに応じて容易に音場補正がで
き、個性的な音場作りが行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例構成図、第２図は従来の一実
施例構成図を示す。 図中、１は音源となるカセットデッキ、４はフロント用
アンプ、６はリア用アンプ、５はフロントスピーカ、７
はリアスピーカ、８はフロントスピーカ側グラフィック
イコライザ、９は操作部、10はリアスピーカ側グラフィ
ックイコライザ、11は操作部を表わす。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】各々複数の周波数バンド毎に所定の音声帯
   域内の周波数特性を補正する第１と第２のイコライザ部
   を有し、第１のイコライザ部を介してフロントスピーカ
   より、また第２のイコライザ部を介してリアスピーカよ
   り音声信号を出力する車載用音響機器であって、第１の
   イコライザ部により補正可能な音声帯域を高域よりに、
   第２のイコライザ部により補正可能な音声帯域を低域よ
   りに互いに一部の高域と低域が重ならないようにずらし
   て設定したことを特徴とする車載用音響機器。