JPH06183363A - 駆動力移動と四輪操舵との協調制御方法 - Google Patents

駆動力移動と四輪操舵との協調制御方法

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JPH06183363A
JPH06183363A JP33700592A JP33700592A JPH06183363A JP H06183363 A JPH06183363 A JP H06183363A JP 33700592 A JP33700592 A JP 33700592A JP 33700592 A JP33700592 A JP 33700592A JP H06183363 A JPH06183363 A JP H06183363A
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steering
wheel steering
lateral acceleration
wheel
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桂司 礒田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動力移動システムと4WSシステムの双方
の特長を発揮させる。 【構成】 機能ブロック(181〜187及び241〜
252)を夫々有する制御ユニットによりハンドル角
(δH),車速(V),ヨーレイト(ψA)及び横加速度
aysに基づいて夫々算出される目標後輪舵角(δr)及
び目標移動トルク(ΔT)に従って、駆動力移動システ
ムは中速域及び中横加速度以上の横加速度領域で主に作
動し、4WSシステムは中高速域及び中横加速度までの
横加速度領域で主に作動し、両システムの相互干渉が防
止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、左右輪間で駆動力を移
動させて車両の旋回性能などを向上させる駆動力移動シ
ステムと、前輪転舵時に後輪を転舵させて車両の走行安
定性などを向上させる四輪操舵システムの駆動制御方法
に関し、特に、両システムの特長を充分に発揮できるよ
うにした、駆動力移動と四輪操舵との協調制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】前輪操舵時に後輪も操舵する四輪操舵
(4WS)システムにより、車両の操縦安定性などを向
上させることが知られている。一般に、4WSシステム
は、ハンドル角,車速などに基づいてコントロールユニ
ットで生成した目標後輪舵角に応じて後輪操舵用アクチ
ュエータをコンピュータ制御して、後輪操舵のタイミン
グ,後輪舵角の大きさ等を適正化している。
【0003】又、車両の左輪回転軸側と右輪側回転軸側
との間で駆動力を授受して車両にヨーモーメントを発生
させる駆動力移動システムが提案されている。駆動力移
動システムは、例えば、左右輪回転軸の一方に連結した
変速機構と、該変速機構と他方の回転軸との間に設けた
動力伝達手段とを備え、動力伝達手段を係合動作させ
て、他方の回転軸および変速機構の出力軸のうちの、よ
り高速で回転する一方から他方に駆動力を動力伝達手段
を介して伝達させ、これにより、左右回転軸のうち、よ
り高速で回転する軸での駆動力を減少させる一方で、よ
り低速で回転する回転軸での駆動力を増加させて、ヨー
モーメントを発生させ、車両の旋回性能向上を図ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、4WS
システムおよび駆動力移動システムは、車両性能の向上
に寄与するものであり、従来のように各システムを単独
使用する場合は格別の不都合は生じない。しかしなが
ら、4WSシステムと駆動力移動システムの双方を車両
に搭載し、両システムを同時に作動させた場合には、両
システム間での相互作用により各システムの特長が損な
われるおそれがある。
【0005】例えば、駆動力移動システムによりヨーモ
ーメントを発生させると同時に、4WSシステムによ
り、後輪を前輪と同一方向に転舵させる同相操舵を行う
と、駆動力移動システムによって発生させたヨーモーメ
ントを相殺するようなモーメントが車両に加わり、駆動
力移動システムの特長が損なわれることになる。又、駆
動力移動システム及び4WSシステムは夫々固有の特長
を備え、各システムの特長が発揮される車両運転領域は
自ずと相違している。例えば、ヨー応答及び横加速度応
答に関して云えば、駆動力移動システムはハンドル角速
度が小さい定常域において車両の回頭性及び横移動性を
向上させるように作用し、一方、4WSシステムはハン
ドル角速度が大きい過渡領域において回頭性及び横移動
性を向上させるように作用する。又、ヨーおよび横加速
度の収れんに関連して、4WSシステムは、車体重心に
おけるすべり角(車体の向きと車体進行方向とがなす角
度)の変動が小さい領域で車両の走行安定性を向上させ
るように作用する一方、駆動力移動システムはすべり角
の変動が大きい領域で安定性を損なうように作用する。
【0006】そこで、本発明は、駆動力移動システムと
四輪操舵システムの双方の特長を充分に発揮できるよう
にした、駆動力移動と四輪操舵との協調制御方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の協調制御方法
は、駆動力移動システムおよび四輪操舵システムの少な
くとも一方の作動による影響を受ける車両運転性能に関
連した運転パラメータの値を検出し、運転パラメータの
検出値に従って駆動力移動システムおよび四輪操舵シス
テムの一方を主に作動させることを特徴とする。
【0008】好ましくは、運転パラメータとして車速を
検出し、中速領域で駆動力移動システムを主に作動させ
る一方、中高速領域で四輪操舵システムを主に作動させ
る。例えば、中速領域において実質的な値をとる第1の
駆動力制御ゲインで、車速及びハンドル角の検出値から
算出される計算横加速度の算出値の増大につれて駆動力
移動量が増大するように、駆動力移動システムによる駆
動力移動が行われる。又、中高速領域において実質的な
値をとる第1の操舵制御ゲインで、ハンドル角の増大に
つれて増大する後輪舵角だけ前輪転舵と同一方向に後輪
を転舵する同相操舵が四輪操舵システムにより行われ
る。
【0009】好ましくは、車両に作用する横加速度を運
転パラメータとして検出し、中横加速度以上の横加速度
領域で駆動力移動システムを主に作動させる一方、中横
加速度までの横加速度領域で四輪操舵システムを主に作
動させる。例えば、中横加速度以上の横加速度領域にお
いて実質的な値をとる第2の駆動力制御ゲインで、計算
横加速度の算出値の増大につれて駆動力移動量が増大す
るように、駆動力移動システムによる駆動力移動が行わ
れる。又、中横加速度までの横加速度領域において実質
的な値をとる第2の操舵制御ゲインで、ハンドル角の増
大につれて後輪舵角が増大するように、四輪操舵システ
ムによる同相操舵が行われる。
【0010】より好ましくは、中速領域において実質的
な値をとる第3の操舵制御ゲインで、前輪転舵と逆方向
に後輪を転舵する逆相操舵が、ハンドル角速度の増大に
つれて後輪舵角が増大するように、四輪操舵システムに
より行われる。又、旋回限界に対応する計算横加速度領
域において実質的な値をとる第3の駆動力制御ゲイン
で、ヨーレイトと規範ヨーレイトとの偏差の増大につれ
て駆動力移動量が減少するように、駆動力移動システム
による駆動力移動が行われる。更に、ヨー角加速度と規
範ヨー角加速度との偏差の増大につれて後輪舵角が減少
するように、四輪操舵システムによる後輪操舵が行われ
る。
【0011】
【作用】駆動力移動システムおよび四輪操舵システムを
装備した車両の走行中、両システムの作動により影響を
受ける車両運転性能に関連する運転パラメータの値が検
出され、運転パラメータの検出値に従って、駆動力移動
システムおよび四輪操舵システムの一方が主に作動す
る。この結果、両システム間に実質的な相互作用が生じ
ることがなく、従って、一方のシステムによる車両運転
性能向上作用が、他方のシステムの作動によって阻害さ
れることなしに充分に発揮される。例えば、駆動力移動
システムの作動によって車両の回頭性の向上が図られ、
四輪操舵システムの作動によって車両の走行安定性の向
上が図られる。
【0012】中速領域で駆動力移動システムを主に作動
させる一方、中高速領域で四輪操舵システムを主に作動
させる本発明の特定の態様では、例えば車速及びハンド
ル角が検出され、車速及びハンドル角の検出値から計算
横加速度が算出される。そして、中速領域において実質
的な値をとる第1の駆動力制御ゲイン、例えば、車速上
昇につれて増大しかつ更なる車速上昇につれて減少する
制御ゲインで、計算横加速度算出値の増大につれて駆動
力移動量が増大するように、駆動力移動システムによる
駆動力移動が行われる。又、中高速領域において実質的
な値をとる第1の操舵制御ゲイン、例えば、中高速領域
において車速上昇につれて増大する制御ゲインで、ハン
ドル角の増大につれて後輪舵角が増大するように、前輪
転舵と同一方向に後輪を転舵する同相操舵が四輪操舵シ
ステムにより行われる。この結果、駆動力移動システム
の作動領域と四輪操舵システムの作動領域とが車速によ
って互いに区分されて、両システム間の相互作用が防止
される。
【0013】中横加速度以上の横加速度領域で駆動力移
動システムを主に作動させる一方、中横加速度までの横
加速度領域で四輪操舵システムを主に作動させる本発明
の特定の態様にあっては、例えば車速とハンドル角と車
両に作用する横加速度とが検出され、車速及びハンドル
角の検出値から計算横加速度が算出される。そして、中
横加速度以上の横加速度領域において実質的な値をとる
第2の駆動力制御ゲイン、例えば、横加速度の増大につ
れて増大する制御ゲインで、計算横加速度の算出値の増
大につれて駆動力移動量が増大するように、駆動力移動
システムによる駆動力移動が行われる。又、中横加速度
までの横加速度領域において実質的な値をとる第2の操
舵制御ゲイン、例えば、横加速度の増大につれて減少す
る制御ゲインで、ハンドル角の増大につれて後輪舵角が
増大するように、四輪操舵システムによる同相操舵が行
われる。この結果、駆動力移動システムの作動領域と四
輪操舵システムの作動領域とが横加速度によって互いに
区分されて、両システム間の相互作用が防止される。
【0014】前輪転舵と逆方向に後輪を操舵する逆相操
舵を行う本発明の特定の態様では、中速領域において実
質的な値をとる第3の操舵制御ゲイン、例えば、車速上
昇につれて増大しかつ更なる車速上昇につれて減少する
制御ゲインで、ハンドル角速度の増大につれて後輪舵角
が増大するように、四輪操舵システムによって逆相操舵
が行われ、旋回初期における回頭性が改善される。
【0015】ヨーレイトと規範ヨーレイトとの偏差に応
じて駆動力移動量を調整する本発明の特定の態様では、
例えばヨーレイトセンサによりヨーレイトが検出され、
又、規範ヨーレイトが例えばハンドル角および車速の検
出値から算出される。そして、旋回限界に対応する計算
横加速度領域において実質的な値をとる第3の駆動力制
御ゲイン、例えば所定の計算横加速度の近傍で大きい値
をとる制御ゲインで、ヨーレイトと規範ヨーレイトとの
偏差の増大につれて駆動力移動量が減少するように、駆
動力移動システムによる駆動力移動が行われ、これによ
り外乱安定性の向上が図られる。
【0016】ヨー角加速度と規範ヨー角加速度との偏差
に応じて後輪操舵を行う本発明の特定の態様では、ヨー
角加速度が例えばヨーレイトの検出値から算出され、
又、規範ヨー角加速度が例えばハンドル角および車速の
検出値から算出される。そして、ヨー角加速度と規範ヨ
ー角加速度との偏差の増大につれて後輪舵角が減少する
ように、四輪操舵システムによる後輪操舵が行われ、こ
れにより外乱安定性の向上が図られる。
【0017】
【実施例】以下、図1ないし図4を参照して、駆動力移
動システムおよび四輪操舵(4WS)システムを備える
と共に本発明の一実施例による協調制御方法が適用され
る車両を説明する。図1に示すように、4WSシステム
は、左右前輪(片側の前輪のみを記号FLWを付して示
す)に両端が連結されたピストンロッドを有し左右前輪
を転舵するための前輪パワーシリンダ8と、左右後輪
(片側の後輪のみを記号RLWを付して示す)に両端が
連結されたピストンロッドを有し左右後輪を転舵するた
めの後輪パワーシリンダ18と、エンジン1によって駆
動されると共にオイルリザーバ4に接続されたタンデム
のオイルポンプ2,3とを備えている。
【0018】一方のオイルポンプ2は、オイル供給管路
5と、パワーステアリング装置6のギヤボックス7に内
蔵された操舵制御弁(図示略)とを介して、前輪パワー
シリンダ8の圧力室9,10に接続されている。操舵制
御弁は、ハンドル11の回転操作に応動するもので、圧
力室9,10のうちの、ハンドル回転操作方向に対応す
る一方にオイルを供給するようになっている。また、操
舵制御弁には戻り管路12の一端が接続され、戻り管路
12の他端はオイルリザーバ4に接続されている。
【0019】他方のオイルポンプ3は、4ポート3位置
の電磁方向切換え弁からなる後輪油圧制御弁14にオイ
ル供給管路13を介して接続されている。制御弁14
は、オイル供給管路13が接続された入力ポートIと、
戻り管路15を介してオイルリザーバ4に接続された戻
りポートRと、オイル供給管路16,17を介して後輪
パワーシリンダ18の圧力室19,20に夫々接続され
た出力ポートO1,O2とを有している。後輪パワーシリ
ンダ18内には、該パワーシリンダのピストンロッドを
中立位置側に常時付勢するセンタスプリング21が収容
され、これにより、パワーシリンダ18が非作動状態に
あるときに後輪を直進状態に維持するようにしている。
【0020】4WSシステムは、上述の後輪油圧制御弁
14と、オイル供給管路13と戻り管路15とを接続す
るバイパス管路22に介在し電磁開閉弁からなる油圧切
換え弁23とを駆動制御するための第1の電子制御ユニ
ット(ECU)24を更に備えている。そして、第1E
CU24には、ハンドル角を検出するためのハンドル角
センサ25と、前輪パワーシリンダ圧力室9,10の内
圧を夫々検出するための圧力センサ26,27と、車速
を検出するための車速センサ28と、ヨーレイト(ヨー
角速度)を検出するためのヨーレイトセンサ29と、例
えば後輪パワーシリンダ18のピストンロッドストロー
クを実際の後輪操舵量として検出するための後輪舵角セ
ンサ30とが接続されている。
【0021】第1ECU24は、電源オフ時および異常
検出時を除いては油圧切換弁23のソレノイドを常時励
磁して切換弁23を閉じた状態に保持するように作動す
る。又、第1ECU24は、ハンドル角,車速およびヨ
ーレイトに基づいて後述のようにして目標後輪舵角を求
め、後輪油圧制御弁14の2つのソレノイドのうちの、
目標後輪舵角に対応する一方を励磁するようになってい
る。油圧制御弁14の一方のソレノイドが励磁される
と、制御弁14が、図示の中立位置から対応する一方の
切換え位置に切換わって、後輪油圧制御弁14とオイル
供給管路16,17の対応する一方とを介して後輪パワ
ーシリンダ18の対応する一方の圧力室にオイルが供給
されると共に他方の圧力室がオイル供給管路16,17
の他方を介して戻り管路15に接続され、後輪パワーシ
リンダ18により後輪RWが操舵される。第1ECU2
4は、後輪舵角センサ30からの出力を監視して、実際
後輪舵角が目標値になるように後輪油圧制御弁14を駆
動制御する。
【0022】次に、図2及び図3を参照して、駆動力移
動システムを説明する。図2に示すように、エンジン1
からの駆動力は、トランスミッション102と、遊星歯
車で構成されたセンタデフ103とを介して、前輪側と
後輪側とに伝達されるようになっている。センタデフ1
03には、例えば油圧式の多板クラッチからなり前後輪
の差動を制限するための作動制限機構105が設けら
れ、供給油圧に応じて前後輪の差動を制限しながら、前
後輪への駆動力配分を制御するようにしている。センタ
デフ103から配分された駆動力は、一方ではフロント
デフ104を介して左右の前輪FLW,FRWに伝達さ
れ、他方ではプロペラシャフト106およびリヤデフ1
08を介して左右の後輪RLW,RRWに伝達されるよ
うになっている。参照符号107は、ドライブピニオン
及びリングギヤからなるベベルギヤ機構を示す。
【0023】リヤデフ108は、変速機構110と油圧
式の多板クラッチ機構(動力伝達手段)112とからな
る駆動力伝達制御機構109と協働して、左右駆動力調
整装置を構成している。本実施例の左右駆動力調整装置
は、四輪駆動車の左右後輪間への駆動力配分を行うよう
になっている。なお、四輪駆動車又は二輪駆動車の左右
駆動輪間への駆動力の配分、又は、二輪駆動車の左右非
駆動輪間での動力授受による駆動力配分を行うべく、左
右駆動力調整装置および周辺要素を変形可能である。
【0024】多板クラッチ機構112の油圧系および多
板クラッチ機構105の油圧系は、各々のクラッチ機構
に付設された図示しない油圧室と、油圧源を構成する電
動ポンプ124およびアキュムレータ123と、この油
圧を油圧室に所要量だけ供給させるクラッチ油圧制御バ
ルブ117とからなり、車速センサ28,ハンドル角セ
ンサ25,ヨーレイトセンサ29,横加速度(横G)セ
ンサ31からの出力に応動する第2の電子制御ユニット
(ECU)118により、制御バルブ117の開度が制
御されるようになっている。第2ECU118は、左右
駆動力調整装置などと協働して、駆動力移動システムを
構成している。
【0025】図2及び図3に示すように、左右駆動力調
整装置は、プロペラシャフト106の後端に設けられて
回転駆動力が加えられる入力軸106Aと、この入力軸
106Aからの駆動力を出力する左輪回転軸113と、
右回転軸114との間に介設されている。変速機構11
0と多板クラッチ機構112とからなる駆動力伝達制御
機構109は、左輪回転軸113と右輪回転軸114と
の差動を許容しながら、両回転軸113,114に伝達
される駆動力を所要比率に配分するようになっている。
即ち、左輪回転軸113と入力軸106A間および右輪
回転軸114と入力軸106A間には、変速機構110
及び多板クラッチ機構112が夫々介設され、左輪回転
軸113又は右輪回転軸114の回転速度が変速機構1
10により増速されて中空軸(駆動力伝達補助部材)1
11に伝えられる。この中空軸111と入力軸106A
側のデファレンシャルケース(デフケース)108Aと
の間に介設した多板クラッチ機構が係合動作すると、高
速側のデフケース108Aから低速側の中空軸111へ
駆動力が伝達される。従って、例えば、右輪回転軸11
4と入力軸106A間の多板クラッチ機構112が係合
動作すると、右輪回転軸114へ配分される駆動力は入
力軸106A側からのルートで増加又は減少されて、こ
の分だけ、左輪回転軸113へ配分される駆動力が減少
又は増加する。
【0026】変速機構110は、2つのプラネタリギヤ
機構を直列結合してなるいわゆるダブルプラネタリギヤ
機構からなる。以下、右輪回転軸114に設けた変速機
構110について説明する。右輪回転軸114に固着さ
れた第1のサンギヤ110Aの外周が噛み合う第1のプ
ラネタリギヤ110Bは、ケーシングに固着したキャリ
ア110Fにより回転自在に支持されると共に、キャリ
ア110Fに設けたピニオンシャフト110Cを介して
第2プラネタリギヤ110Dと一体にされ、これにより
両プラネタリギヤ110B,110Dはピニオンシャフ
ト110Cの回りに同一回転するようになっている。更
に、第2のプラネタリギヤ110Dは、右輪回転軸11
4により回転自在に支持されかつ中空軸111を介して
多板クラッチ機構112のクラッチ板112Aに連結さ
れた第2のサンギヤ110Eに噛み合っており、クラッ
チ機構112の他方のクラッチ板112Bは、入力軸1
06Aにより駆動されるデフケース108Aに連結され
ている。第1のサンギヤ110Aが第2のサンギヤ11
0Eよりも大径にされて、変速機構110が増速機構と
して働くようにされ、従って、クラッチ板112Aの回
転速度がクラッチ板112Bの回転速度よりも大きくな
るようになっている。これにより、多板クラッチ機構1
12が係合動作した場合は、この係合状態に応じた量の
トルクが、右輪回転軸114側から入力軸106A側へ
送給される。左輪回転軸113側に設けられる変速機構
110及び多板クラッチ機構112も同様に構成されて
いる。
【0027】入力軸106Aからの駆動トルクを左輪回
転軸113へより多く配分したい場合、駆動力の所要の
左右配分比に応じて、右輪回転軸114側のクラッチ機
構112に加わる油圧の大きさを調整して該クラッチ機
構112を適当に係合させる。一方、右輪回転軸114
により多く配分したい場合は、配分比に応じて左輪回転
軸113のクラッチ機構112を適当に係合させる。な
お、左右のクラッチ機構112の双方が完全係合するこ
とがないように、一方のクラッチ機構が完全係合すると
他方のクラッチ機構に滑りを生じるように設けられてい
る。
【0028】4WSシステムの電子制御ユニットとして
の第1ECU24は、機能的には、図4の下半部にブロ
ックで夫々示す各種要素を備え、ハンドル角センサ出力
δH,車速センサ出力V,ヨーレイトセンサ出力dψ/
dt(以下、ψAと略記する)及び車両に作用する横加
速度aysを表す横Gセンサ31の出力に基づいて、か
つ、式δr=K1・K2・δH・(1/i)−K3・δHA・
(1/i)−K4・{(dψA/dt)−(dψA*/d
t)}に従って、目標後輪舵角δrを算出するようにな
っている。
【0029】上式において、K1〜K4は第1〜第4の操
舵制御ゲインを夫々表し、δHAはハンドル角速度dδH
/dtを表し、iは操舵系のギヤ比を表す。又、dψA
/dt及びdψA*/dtは、d2ψ/dt2及びd2ψ*/
dt2を略記したもので、ヨー角加速度および規範ヨー
角加速度を夫々表す。記号ψA*は、例えば車両の諸元と
ハンドル角δHと車速Vとから算出される規範ヨーレイ
トdψ*/dtを略記したもので、速度Vで車両が走行
しているときにハンドル11を角度δHだけ操作した場
合に発生されるべきヨーレイトを表している。
【0030】第1ないし第4の操舵制御ゲインK1〜K4
は、例えば第1ECU24に内蔵のメモリ内に格納され
ている。例えば、図5ないし図7に示すように、第1ゲ
インK1は中高速領域において車速上昇につれて増大す
るように定められ、第2ゲインK2は中横加速度までの
横加速度領域において横加速度の増大につれて減少する
ように定められ、又、第3ゲインK3は中速領域におい
て車速上昇につれて増大しかつ更なる車速上昇につれて
減少するように定められている。又、第1ECU24の
メモリ内にはギヤ比iを表すデータが格納されている。
【0031】詳しくは、第1ECU24は、ハンドル角
センサ出力δHを入力してこれにギヤ比の逆数(1/
i)を乗じるための第1乗算部241と、車速センサ出
力Vに応じた値の第1制御ゲインK1を第1乗算部出力
(δH/i)に乗じるための第2乗算部242と、横G
センサ出力aysに応じた値の第2制御ゲインK2を第2
乗算部出力K1・(δH/i)に乗じるための第3乗算部
243とを備えている。又、第1乗算部出力(δH/
i)を入力する第1微分部244からの出力δHA・(1
/i)には、第4乗算部245において、車速センサ出
力Vに応じた値の第3制御ゲインK3が乗じられる。
【0032】第1ECU24は、ハンドル角センサ出力
δHを入力してハンドル角速度データδHAを生成するた
めの第2微分部246と、車速センサ出力Vを入力して
車両加速度データdV/dtを生成するための第3微分
部247と、ヨーレイトセンサ出力ψAを入力してヨー
角加速度データdψA/dtを生成するための第4微分
部248とを更に備えている。第1演算部249は、第
2及び第3微分部出力δHA及びdV/dtを入力して、
ハンドル角速度δHAと車両加速度dV/dtと車両の諸
元との関数で表される規範ヨー角加速度データdψA*/
dtを生成する。この規範ヨー角加速度dψA*/dt
は、加速度dV/dtで車両が走行しているときにハン
ドル11を角速度δHAで操作した場合に発生されるべき
ヨー角加速度を表している。次いで、第2演算部250
において、第4微分部出力と第1演算部出力との偏差
(dψA/dt−dψA*/dt)が算出され、更に、第
5乗算部251において、斯く算出した偏差に車速セン
サ出力Vに応じた値の第4制御ゲインK4が乗じられ
る。
【0033】そして、第3演算部252において、第3
乗算部出力K1・K2・(δH/i)から第4乗算部出力
K3・δHA・(1/i)及びK4・(dψA/dt−dψA
*/dt)が減じられて、目標後輪舵角δrが求められ
る。駆動力移動システムの電子制御ユニットとしての第
2ECU118は、機能的には、図4の上半部にブロッ
クで夫々示す各種要素を備え、ハンドル角センサ出力δ
H,車速センサ出力V,横Gセンサ出力aysおよびヨー
レイトセンサ出力ψAに基づいて、かつ、式ΔT=G1・
G2・ayc−G34・(ψA−ψA*)に従って、目標移動ト
ルクΔTを算出するようになっている。
【0034】上式において、G1ないしG3は第1ないし
第3の駆動力制御ゲインを夫々表し、aycは計算横加速
度を表す。例えば、計算横加速度aycは、ハンドル角セ
ンサ出力δHと、車速センサ出力と、ギヤ比iと、車両
の諸元で定まり第2ECU118に内蔵したメモリに予
め格納された係数L及びAとに基づいてかつ式ayc=δ
H・{1/(i・L)}・{1/(1+AV2)}に従っ
て、第2ECU118により算出される。
【0035】第1ないし第3の駆動力制御ゲインG1〜
G3は、例えば第2ECU118に内蔵のメモリ内に格
納されている。例えば、図8ないし図10に示すよう
に、第1ゲインG1は中速領域で車速上昇につれて増大
しかつ更なる車速上昇につれて減少するように定めら
れ、第2ゲインG2は中横加速度以上の横加速度領域で
横加速度の増大につれて増大するように定められ、又、
第3ゲインG3は旋回限界に対応する計算横加速度領域
において所定の計算横加速度の近傍で大きい値をとるよ
うに定められている。
【0036】詳しくは、第2ECU118は、ハンドル
角センサ出力δH,車速センサ出力Vなどに基づいて上
述の算出式に従って計算横加速度aycを算出するための
第1演算部181と、車速センサ出力に応じた値の第1
制御ゲインG1を第1演算部出力aycに乗じるための第
1乗算部182と、横Gセンサ出力aysに応じた値の第
2制御ゲインG2を第1乗算部出力G1・aycに乗じるた
めの第2乗算部183とを備えている。また、第2EC
U118は、ハンドル角センサ出力δH及び車速センサ
出力Vを入力して規範ヨーレイトデータψA*を生成する
ための第2演算部184と、ヨーレイトセンサ出力ψA
から第2演算部出力ψA*を減じるための第3演算部18
5と、横Gセンサ出力aycに応じた値の第3制御ゲイン
G3を第3演算部出力(ψA−ψA*)に乗じるための第3
乗算部186とを更に備えている。そして、第4演算部
187において、第2乗算部出力G1・G2・aycから第
4乗算部出力G3・(ψA−ψA*)が減じられて、目標移
動トルクΔTが求められる。
【0037】上述のように、駆動力移動システム及び4
WSシステムの特長が発揮される車両運転領域は相違す
る。図11に示すヨー応答及び図12に示す横加速度応
答に関して云えば、駆動力移動システムはハンドル角速
度δHAが小さい定常域において車両の回頭性及び横移動
性を向上させるように作用し、一方、4WSシステムは
ハンドル角速度δHAが大きい過渡領域において回頭性及
び横移動性を向上させるように作用する。又、図13に
示すヨーおよび横加速度の収れんに関連して、4WSシ
ステムは、車体重心におけるすべり角(車体の向きと車
体進行方向とがなす角度)βGの変動が小さい領域で車
両の走行安定性を向上させるように作用する一方、すべ
り角βGの変動が大きい領域における駆動力移動システ
ムの作動により走行安定性が損なわれる傾向がある。図
11及び図12に前輪進相とあるのは、前輪転舵時点か
ら所定の遅れをもって後輪を転舵させる従来公知のディ
レイ制御を行う場合に対応する。
【0038】以下、本実施例の協調制御方法が適用され
る上記駆動力移動システムおよび4WSシステムの作動
を説明する。両システムを装備した車両の走行中、ハン
ドル角センサ25,車速センサ28,ヨーレイトセンサ
29および横Gセンサ31により、駆動力移動システム
および4WSシステムの作動により影響を受ける回頭
性,横移動性,安定性などの車両運転性能に関連する運
転パラメータとしての、ハンドル角δH,車速V,ヨー
レイトψAおよび横加速度aysの値が検出される。
【0039】図4に示す機能ブロック241〜252を
有する4WSシステム用の第1ECU24は、ハンドル
角δH,車速V,ヨーレイトψAおよび横加速度aysの検
出値に基づいて、かつ、上述の式δr=K1・K2・δH
・(1/i)−K3・δHA・(1/i)−K4・{(dψ
A/dt)−(dψA*/dt)}に従って目標後輪舵角
δrを算出する。そして、第1ECU24は、目標後輪
舵角δrと後輪舵角センサ30によって検出された実際
後輪舵角との偏差に応じて、後輪油圧制御弁14の2つ
のソレノイドの所要の一方を励磁して制御弁14を切換
え作動させる。この結果、後輪パワーシリンダ18の対
応する一方の圧力室にオイルが供給されると共に他方の
圧力室が戻り管路15に接続されて、実際後輪舵角が目
標後輪舵角δrになるように、後輪パワーシリンダ18
により後輪RLW,RRWが操舵される。
【0040】又、図4に示す機能ブロック181〜18
7を有する駆動力移動システム用の第2ECU118
は、ハンドル角δH,車速V,ヨーレイトψA及び横加速
度aysの検出値に基づいてかつ上述の式ΔT=G1・G2
・ayc−G34・(ψA−ψA*)に従って、目標移動トル
クΔTを算出する。そして、第2ECU118は、目標
移動トルクΔTに応じてクラッチ油圧制御バルブ117
の開度を制御して、左輪回転軸113側のクラッチ機構
112及び右輪回転軸114側のクラッチ機構112の
対応する一方に加わる油圧の大きさを調整して当該一方
のクラッチ機構を係合させる。この結果、左輪回転軸1
13及び右輪回転軸114の対応する一方から他方への
駆動力移動が行われる。
【0041】上述のように、4WSシステムは、実際後
輪舵角が式δr=K1・K2・δH・(1/i)−K3・δ
HA・(1/i)−K4・{(dψA/dt)−(dψA*/
dt)}で表される目標後輪舵角δrになるように作動
するもので、制御ゲインK1〜K3が図5〜図7に示すよ
うに定めてあるところから、中高速領域および中横Gま
での横G領域で主に作動する。一方、駆動力移動システ
ムは、式ΔT=G1・G2・ayc−G3・(ψA−ψA*)で
表されるトルク移動が左右回転軸113,114間で行
われるように作動する駆動力移動システムは、中速域お
よび中横G以上の横G領域で主に作動する。この結果、
駆動力移動システムの作動領域と四輪操舵システムの作
動領域とが、図14ないし図16に示すように車速,ハ
ンドル角周波数及び横Gによって互いに区分されて、両
システム間の相互作用が防止され、両システムの特長が
発揮されることになる。
【0042】詳しくは、4WSシステムは、上記目標後
輪舵角算出式の第1項に関連して、中高速領域において
車速Vの上昇につれて増大するゲインK1および中横G
までの横G領域において横加速度aysの増大につれて減
少するゲインK2で、ハンドル角δHの増大につれて後輪
舵角が増大するように、前輪転舵と同一方向に後輪を転
舵する同相操舵を行い、旋回時の操縦安定性を向上させ
る。又、上記算出式の第2項に関連して、4WSシステ
ムは、中速領域において車速上昇につれて増大しかつ更
なる車速上昇につれて減少するゲインK3で、ハンドル
角速度δHAの増大につれて後輪舵角が増大するように、
前輪転舵と逆方向に後輪を操舵する逆相操舵を行い、旋
回初期における回頭性を改善する。更に、上記算出式の
第3項に関連して、4WSシステムは、ヨー角加速度と
規範ヨー角加速度との偏差(dψA/dt−dψA*/d
t)の増大につれて後輪舵角が減少するように後輪を操
舵して、外乱に対する安定性を向上させる。
【0043】一方、駆動力移動システムは、上記目標移
動トルク算出式の第1項に関連して、中速領域において
車速Vの上昇につれて増大しかつ更なる車速上昇につれ
て減少するゲインG1および中横G以上の横G領域にお
いて横加速度aysの増大につれて増大するゲインG2
で、計算横加速度aycの算出値の増大につれて駆動力移
動量が増大するように駆動力移動を行い、回頭性を向上
させている。又、上記算出式の第2項に関連して、駆動
力移動システムは、旋回限界に対応する計算横G領域に
おいて所定の計算横G値の近傍で大きい値をとるゲイン
G3で、ヨーレイトと規範ヨーレイトとの偏差(ψA−ψ
A*)の増大につれて駆動力移動量が減少するように駆動
力移動を行い、外乱安定性を向上させる。
【0044】本発明の方法は上記実施例に限定されるも
のではなく、種々に変形可能である。例えば、上記実施
例では、旋回初期に後輪舵角算出式第2項に対応する逆
相操舵を行うと共に後輪舵角算出式第3項および移動ト
ルク算出式第2項に対応する外乱安定性向上のための制
御を行うようにしたが、いずれも必須ではない。換言す
れば、4WSシステム及び駆動力移動システムの構成は
図1〜図3に示すものに限定されず、又、目標後輪舵角
および目標移動トルクの算出プロセスも図4に示すもの
に限定されない。同様に、4WSシステム駆動上の制御
ゲインK1〜K3および駆動力移動システム駆動上の制御
ゲインG1〜G3の設定の仕方は、図5〜図10に示すも
のに限定されない。
【0045】
【発明の効果】上述のように、本発明の協調制御方法
は、駆動力移動システムおよび四輪操舵システムの少な
くとも一方の作動による影響を受ける車両運転性能に関
連した運転パラメータの値を検出し、運転パラメータの
検出値に従って駆動力移動システムおよび四輪操舵シス
テムの一方を主に作動させるようにしたので、両システ
ム間に実質的な相互作用が生じることがなく、従って、
一方のシステムによる車両運転性能向上作用が、他方の
システムの作動によって阻害されることなしに充分に発
揮される。例えば、駆動力移動システムの作動によって
車両の回頭性の向上が図られ、四輪操舵システムの作動
によって車両の走行安定性の向上が図られる。
【0046】好ましくは、運転パラメータとして車速を
検出し、中速領域で駆動力移動システムを主に作動させ
る一方、中高速領域で四輪操舵システムを主に作動させ
るようにしたので、駆動力移動システムの作動領域と四
輪操舵システムの作動領域とが車速によって互いに区分
されて、両システム間の相互作用が防止される。好まし
くは、車両に作用する横加速度を運転パラメータとして
検出し、中横加速度以上の横加速度領域で駆動力移動シ
ステムを主に作動させる一方、中横加速度までの横加速
度領域で四輪操舵システムを主に作動させるようにした
ので、駆動力移動システムの作動領域と四輪操舵システ
ムの作動領域とが横加速度によって互いに区分されて、
両システム間の相互作用が防止される。
【0047】より好ましくは、中速領域において四輪操
舵システムにより逆相操舵を行うので、旋回初期におけ
る回頭性が改善される。又、旋回限界に対応する計算横
加速度領域においてヨーレイトと規範ヨーレイトとの偏
差の増大につれて駆動力移動量が減少するように駆動力
移動システムによる駆動力移動を行い、ヨー角加速度と
規範ヨー角加速度との偏差の増大につれて後輪舵角が減
少するように四輪操舵システムによる後輪操舵を行うの
で、外乱安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による協調制御方法が適用さ
れる4WSシステムを搭載した車両の要部を示す概略図
である。
【図2】図1に示す車両に4WSシステムと共に搭載さ
れる駆動力移動システムを周辺要素と共に示す概略図で
ある。
【図3】図2の駆動力移動システムの駆動力調整装置を
詳細に示す部分図である。
【図4】4WSシステム及び駆動力移動システムの電子
制御ユニットの機能を示す機能ブロック図である。
【図5】目標後輪舵角の算出に用いる第1操舵制御ゲイ
ンを決定するためのマップを示す図である。
【図6】目標後輪舵角の算出に用いる第2操舵制御ゲイ
ンを決定するためのマップを示す図である。
【図7】目標後輪舵角の算出に用いる第3操舵制御ゲイ
ンを決定するためのマップを示す図である。
【図8】目標移動トルクの算出に用いる第1駆動力制御
ゲインを決定するためのマップを示す図である。
【図9】目標移動トルクの算出に用いる第2駆動力制御
ゲインを決定するためのマップを示す図である。
【図10】目標移動トルクの算出に用いる第3駆動力制
御ゲインを決定するためのマップを示す図である。
【図11】4WSシステムおよび駆動力移動システムの
ヨー応答を示す図である。
【図12】4WSシステムおよび駆動力移動システムの
横G応答を示す図である。
【図13】4WSシステムおよび駆動力移動システムの
ヨー及び横Gの収れんを示す図である。
【図14】4WSシステムおよび駆動力移動システムが
作動する車速領域を示す図である。
【図15】4WSシステムおよび駆動力移動システムが
作動するハンドル角周波数領域を示す図である。
【図16】4WSシステムおよび駆動力移動システムが
作動する横G領域を示す図である。
【符号の説明】
14 後輪油圧制御弁 18 後輪パワーシリンダ 24 4WSシステム用電子制御ユニット 25 ハンドル角センサ 28 車速センサ 29 ヨーレイトセンサ 30 後輪舵角センサ 31 横Gセンサ 109 駆動力伝達制御機構 110 変速機構 112 多板クラッチ機構 113 左輪回転軸 114 右輪回転軸 117 クラッチ油圧制御バルブ 118 駆動力移動システム用電子制御ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 137:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力移動システムおよび四輪操舵シス
    テムの少なくとも一方の作動による影響を受ける車両運
    転性能に関連した運転パラメータの値を検出し、前記運
    転パラメータの検出値に従って前記駆動力移動システム
    および前記四輪操舵システムの一方を主に作動させるこ
    とを特徴とする、駆動力移動と四輪操舵との協調制御方
    法。
  2. 【請求項2】 前記運転パラメータとして車速を検出
    し、中速領域で前記駆動力移動システムを主に作動させ
    る一方、中高速領域で前記四輪操舵システムを主に作動
    させることを特徴とする、請求項1の駆動力移動と四輪
    操舵との協調制御方法。
  3. 【請求項3】 車両に作用する横加速度を前記運転パラ
    メータとして検出し、中横加速度以上の横加速度領域で
    前記駆動力移動システムを主に作動させる一方、中横加
    速度までの横加速度領域で前記四輪操舵システムを主に
    作動させることを特徴とする、請求項1の駆動力移動と
    四輪操舵との協調制御方法。
  4. 【請求項4】 前記中速領域において実質的な値をとる
    第1の駆動力制御ゲインで、車速及びハンドル角の検出
    値から算出される計算横加速度の算出値の増大につれて
    駆動力移動量が増大するように、駆動力移動システムに
    よる駆動力移動を行うことを特徴とする、請求項2の駆
    動力移動と四輪操舵との協調制御方法。
  5. 【請求項5】 前記中高速領域において実質的な値をと
    る第1の操舵制御ゲインで、ハンドル角の増大につれて
    後輪舵角が増大するように、前記四輪操舵システムによ
    る同相操舵を行うことを特徴とする、請求項2の駆動力
    移動と四輪操舵との協調制御方法。
  6. 【請求項6】 前記中横加速度以上の横加速度領域にお
    いて実質的な値をとる第2の駆動力制御ゲインで、計算
    横加速度の算出値の増大につれて駆動力移動量が増大す
    るように、前記駆動力移動システムによる駆動力移動を
    行うことを特徴とする、請求項3の駆動力移動と四輪操
    舵との協調制御方法。
  7. 【請求項7】 前記中横加速度までの横加速度領域にお
    いて実質的な値をとる第2の操舵制御ゲインで、ハンド
    ル角の増大につれて後輪舵角が増大するように、前記四
    輪操舵システムによる同相操舵を行うことを特徴とす
    る、請求項3の駆動力移動と四輪操舵との協調制御方
    法。
  8. 【請求項8】 前記中速領域において実質的な値をとる
    第3の操舵制御ゲインで、ハンドル角速度の増大につれ
    て後輪舵角が増大するように、前記四輪操舵システムに
    よる逆相操舵を旋回初期において行うことを特徴とす
    る、請求項2の駆動力移動と四輪操舵との協調制御方
    法。
  9. 【請求項9】 旋回限界に対応する計算横加速度領域に
    おいて実質的な値をとる第3の駆動力制御ゲインで、ヨ
    ーレイトと規範ヨーレイトとの偏差の増大につれて駆動
    力移動量が減少するように、前記駆動力移動システムに
    よる駆動力移動を行うことを特徴とする、請求項3の駆
    動力移動と四輪操舵との協調制御方法。
  10. 【請求項10】 ヨー角加速度と規範ヨー角加速度との
    偏差の増大につれて後輪舵角が減少するように、前記四
    輪操舵システムによる後輪操舵を行うことを特徴とす
    る、請求項1の駆動力移動と四輪操舵との協調制御方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7451032B2 (en) * 2004-06-02 2008-11-11 Ford Global Technologies, Llc System and method for determining desired yaw rate and lateral velocity for use in a vehicle dynamic control system
JP2010234821A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Honda Motor Co Ltd 車両の後輪操舵制御装置
JP2014166844A (ja) * 2013-02-13 2014-09-11 Honda Motor Co Ltd 四輪操舵車両および四輪操舵車両のトルク分配制御方法
CN115431749A (zh) * 2022-09-07 2022-12-06 东北大学 一种集成驱动器及航向检测的差动轮系无限制转向舵轮

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