JPH06183233A - 自動車のサスペンション - Google Patents

自動車のサスペンション

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JPH06183233A
JPH06183233A JP892693A JP892693A JPH06183233A JP H06183233 A JPH06183233 A JP H06183233A JP 892693 A JP892693 A JP 892693A JP 892693 A JP892693 A JP 892693A JP H06183233 A JPH06183233 A JP H06183233A
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孝雄 貴島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホイールのトー変化揺動軸線がホイール作用
力の種類により変動するのを防止してトーコントロール
を確実に行い得るようにするとともに、ホイールのキャ
ンバ変化を抑制して走行安定性の向上を図る。 【構成】 ホイールを回転自在に支持するホイールハブ
3を、車体に連結されたサスペンション構成部材1に対
し3つの支持点でフロート結合する。車体内側から見た
ホイールセンターO基準の水平−垂直座標において、第
1の支持点Pを第4象限に、第2の支持点R1 を第1象
限に、第3の支持点R2 を第3象限にそれぞれ配設す
る。上記第1〜第3の支持点の車幅方向の剛性を、高い
順に第1の支持点P、第2の支持点R1 、第3の支持点
R2 となるように設定する。これにより、ホイールに外
力が作用した際第1の支持点Pと第2の支持点R1 とを
結ぶ軸線の回りにホイールがトーイン変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のサスペンショ
ンに関し、特に横力やブレーキ力等のホイール作用力に
対しホイールをトーイン変化させるようにしたものの改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のサスペンションにおい
ては、ホイールに対し旋回走行時での横力(コーナリン
グフォース)やブレーキ力等、前後・左右方向の外力が
作用した際に、該ホイールを走行方向に対し車体内側に
向くようトーイン変化させることが走行安定性の向上を
図る上で望ましい。
【0003】一方、従来、このようなホイール作用力に
対してホイールをトーイン変化させるサスペンションと
しては、例えば特開昭58−188710号公報に開示
されるように、車体に連結されたサスペンションアーム
等のサスペンション構成部材とホイールを回転自在に支
持するホイール支持部材とを一つのボールジョイントと
二つの弾性体ブッシュとでフロート結合し、かつ上記ボ
ールジョイントおよび弾性体ブッシュの配置位置をホイ
ール中心に対して適宜設定することにより、ホイール作
用力に対して上記ホイール支持部材が弾性体ブッシュの
変形によりボールジョイントを中心にしてホイールがト
ーイン変化するようにしたものが知られている。
【0004】ここで、上記弾性体ブッシュのホイール作
用力による変形について詳しく説明すると、弾性体ブッ
シュの軸線方向(略車体前後方向又は略上下方向)の剛
性はその軸線と直交する方向の剛性よりも低くて弾性変
形し易くなっており、この軸線方向の弾性変形はホイー
ルのトーイン変化に直接寄与し、他方、軸線と直交する
方向の弾性変形、特に車幅方向の弾性変形は、ホイール
のトーイン変化時におけるホイール支持部材のサスペン
ション構成部材に対する捩れを許容してホイールのトー
イン変化に間接的に寄与している。この場合、ホイール
のトーイン変化時における揺動軸線(以下、トー変化揺
動軸線という)は、ホイール支持部材の支持点たる2つ
の弾性体ブッシュが共に車幅方向に捩れるので、ボール
ジョイントからこの両弾性体ブッシュ間の点を通ること
になる。
【0005】また、ホイール作用力に対してホイールを
トーイン変化させることは、上記ホイール支持部材とサ
スペンション構成部材との3つの結合点を全て弾性体ブ
ッシュで構成し、これらの弾性体ブッシュの配置位置お
よび軸線方向を適宜設定することでも発揮することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に複数の弾性体ブッシュでホイール支持部材ないしホイ
ールを支持する場合、ホイール作用力により惹起される
各弾性体ブッシュでの捩り力およびそれによる捩れの割
合はホイール作用力の種類毎に異なるため、トー変化揺
動軸線は、全てのホイール作用力に対して共通するもの
ではなく、ホイール作用力の種類により複数の弾性体ブ
ッシュの間で変動する。このため、ホイールのトーイン
変化量の予測が困難となり、そのコントロールが確実に
できないという問題がある。
【0007】また、上記弾性体ブッシュおよびボールジ
ョイントの配置構造において、特に、2つの弾性体ブッ
シュが車体内側から見たホイールセンター基準の水平−
垂直座標における垂直軸で仕切られる2つの領域に別々
に位置する場合、ボールジョイントと同じ領域に位置す
る弾性体ブッシュは、ボールジョイントと上記座標の水
平軸を挾んで上下に位置する関係にあるため、この弾性
体ブッシュが車幅方向に変形し易くなっていると、その
変形によりホイールのキャンバが大きく変化し、走行安
定性が却って損われるという問題もある。この問題は、
3つの弾性体ブッシュでホイール支持部材を支持するも
のにおいて、水平軸を挾んで上下別々に位置する2つの
弾性体ブッシュの剛性が大きく異なる場合にも起きる。
【0008】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上述の如くホイール支
持部材を3点で支持する場合、その支持点の配置および
剛性を適切に設定することにより、ホイールのトー変化
揺動軸線がホイール作用力の種類により変動せず、トー
コントロールを確実に行い得るようにするとともに、ホ
イールのキャンバ変化を抑制して走行安定性の向上を図
り得る自動車のサスペンションを提供せんとするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、車体に連結されたサスペン
ション構成部材とホイールを回転自在に支持するホイー
ル支持部材とが第1〜第3の3つの支持点でフロート結
合され、上記ホイール支持部材は、ホイールに外力が作
用した際上記支持点の変位により第1の支持点を中心に
してホイールをトーイン変化させるように設けられてい
る自動車のサスペンションにおいて、上記第2及び第3
の支持点を、車体内側から見たホイールセンター基準の
水平−垂直座標における垂直軸で仕切られる2つの領域
に別々に位置させ、上記垂直軸で仕切られる2つの領域
のうち、上記第1の支持点と同じ領域に位置する第2の
支持点を、上記ホイールセンター基準の水平−垂直座標
における水平軸を挟んで上記第1の支持点と反対側の位
置に配置する。また、上記第1〜第3の支持点の車幅方
向の剛性を、高い順に第1の支持点、第2の支持点、第
3の支持点となるように設定する構成とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に従属し、その構成要素である第2及び第3の支持点
を具体的に示すものである。すなわち、上記第2及び第
3の支持点を弾性体ブッシュで構成する。また、上記ホ
イール支持部材に、上記第1の支持点を通りかつ車幅方
向に水平に延びるM軸回りの回転モーメントが作用した
際、該ホイール支持部材が上記M軸を中心として回転す
るとともに、該回転に対応してホイールをトーイン変化
させるように、上記第2及び第3の支持点の軸線方向を
設定するとともに、この第2及び第3の支持点の軸線方
向の剛性を、ほぼ等しく、軸線と直交する方向の剛性に
比べて低く設定する構成とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明に従属し、その構成要素である第1〜第3の支
持点の配置位置をより具体的に示すものである。すなわ
ち、車体内側から見たホイールセンター基準の水平−垂
直座標において、上記第1の支持点を第4象限に、上記
第2の支持点を第1象限に、上記第3の支持点を第3象
限にそれぞれ配設する構成とする。
【0012】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
ホイールに外力が作用した際該ホイールが第1の支持点
を中心にしてトーイン変化するとき、第2及び第3の支
持点のうち、第2の支持点の車幅方向の剛性が第3の支
持点のそれよりも高く設定されて変位し難くなっている
ので、ホイールは、上記第1の支持点と第2の支持点と
を結ぶ軸線を中心にトーイン方向に揺動変化することに
なり、このトー変化揺動軸線はホイール作用力の種類に
より変動することはない。
【0013】しかも、上記第2の支持点は、ホイールセ
ンター基準の水平−垂直座標における垂直軸で仕切られ
る2つの領域のうち第1の支持点と同じ領域に位置し、
かつ該第1の支持点と上記座標の水平軸を挟んで上下反
対側に位置しているため、この第2の支持点が車幅方向
に変位し難くなっていることによりホイールのキャンバ
変化が抑制されることになる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0015】図1は本発明をセミトレーリング式のリヤ
サスペンションに適用した一実施例を示し、1は略車体
前後方向に延びるサスペンション構成部材としてのセミ
トレーリングアームであって、該セミトレーリングアー
ム1の一端すなわち二又状の前端は、車幅方向に配設さ
れた車体構成部材としてのサブフレーム2に回動自在に
連結されている。また、3はホイール4を回転自在に支
持するホイール支持部材としてのホイールハブであり、
上記ホイール4には一端をディファレンシャル5に連結
したドライブシャフト6の他端が連結されている。その
他、図1中、7はショックアブソーバ、8はコイルスプ
リング、9はスタビライザである。
【0016】そして、上記セミトレーリングアーム1の
後端とホイールハブ3とは、図2ないし図4にも示すよ
うに、1つのボールジョイントPと第1及び第2の弾性
体ブッシュR1 ,R2 とによってフロート結合されてい
る。該ボールジョイントPと第1及び第2弾性体ブッシ
ュR1 ,R2 とは、ホイールハブ3を支持する3つの支
持点を構成しており、ボールジョイントPが請求項1記
載の発明における第1の支持点に、第1弾性体ブッシュ
R1 が第2の支持点に、第2弾性体ブッシュR2 が第3
の支持点にそれぞれ相当する。上記ボールジョイントP
と第1及び第2弾性体ブッシュR1 ,R2 との配置構造
は、車体内側から見たホイールセンターO基準の水平
(X軸)−垂直(Z軸)座標において、ボールジョイン
トPが第4象限に、第1弾性体ブッシュR1 が第1象限
に、第2弾性体ブッシュR2 が第3象限にそれぞれ位置
している。すなわち、上記第1及び第2弾性体ブッシュ
R1,R2 は、上記座標における垂直軸(Z軸)で仕切
られる2つの領域に別々に位置し、かつ第1弾性体ブッ
シュR1 とボールジョイントPとは、同じ領域で上記座
標の水平軸(X軸)を挟んで上下反対側に位置してい
る。
【0017】また、上記第1弾性体ブッシュR1 は、そ
の軸線が車体後方外向きに若干傾斜しつつ略車体前後方
向に延びた状態に配置され、上記第2弾性体ブッシュR
2 は、その軸線が車体後方外向きに若干傾斜しつつ略上
下方向に延びた状態に配置されている。尚、図4におい
て、上記座標に対し、ホイールセンターO基準の水平左
右方向(車幅方向)のY軸を設定して直角座標系(X,
Y,Z)が構成されており、座標系(N,M,L)は上
記座標系(X,Y,Z)を平行移動してボールジョイン
トPの中心を原点とした座標系である。
【0018】さらに、上記ボールジョイントP,第1弾
性体ブッシュR1 及び第2弾性体ブッシュR2 の各中心
点を含む三角形の取付面Qは、ホイール中心軸を含む垂
直面(つまり上記座標系(X,Y,Z)のYZ面)との
交差線qにおいて、ホイール中心軸(Y軸)上でのホイ
ールセンターOとのオフセット量をW、ホイール接地面
上でのオフセット量をGとし、かつ各々車体内側方向の
オフセットをプラス(+)とすると、上記Wがプラス
(+)量(つまり車体内側)で、Gがマイナス(−)量
(車体外側)となるように配置されている。
【0019】以上のようなボールジョイントPと第1及
び第2弾性体ブッシュR1 ,R2 との配置構造によっ
て、ホイール4に前後・左右方向の外力が作用した際、
ホイールハブ3が第1及び第2弾性体ブッシュR1 ,R
2 の変形によりボールジョイントPを中心に回転してホ
イール4がトーイン変化するように構成されている。す
なわち、 (1) ホイール接地点に対して+Y方向の横力Sが作用
した場合、この横力Sは、ホイールハブ3ないし△PR
1 R2 の取付面Qに対しボールジョイントPを中心とし
て略L軸回りに反時計方向に回転させるモーメント力と
して作用するので、上記取付面Qは第1及び第2弾性体
ブッシュR1 ,R2 の弾性変形によりPを中心としてト
ーイン方向に回転変位し、ホイール4がトーイン変化す
ることになる。
【0020】(2) ホイール接地点に対して+X方向の
ブレーキ力Bが作用した場合、このブレーキ力Bは、取
付面Qに対しGの(−)量によってボールジョイントP
を中心として略L軸回りに反時計方向に回転させるモー
メント力として作用するので、上記取付面QはPを中心
としてトーイン方向に回転変位し、ホイール4がトーイ
ン変化することになる。
【0021】(3) ホイールセンターOに対して+X方
向のエンジン制動力Eが作用した場合、このエンジン制
動力Eは、取付面Qに対しWの(+)量及びGの(−)
量によってPを中心として略M軸回りに時計方向に回転
させるモーメント力として作用する。その際、ホイール
センターOの後方に位置する第1弾性体ブッシュR1の
軸線が車体前後方向に対し若干後方外向きに傾斜して配
置され、またホイールセンターOの前方に位置する第2
弾性体ブッシュR2 の軸線が上下方向(鉛直線方向)に
対し若干車体前方内向き(車体後方外向き)に傾斜して
配置されていること、及び一般に弾性体ブッシュの剛性
は軸線方向の方が軸線に直交する方向よりも低くて軸線
方向に弾性変形し易い特性を有していることから、上記
取付面QはPを中心としてトーイン方向に回転変化して
ホイール4のトーイン変化が行われることになる。
【0022】(4) ホイールセンターOに対して−X方
向のエンジン駆動力Kが作用した場合、このエンジン駆
動力Kは、取付面Qに対しWの(+)量によってPを中
心として略L軸回りに反時計方向に回転させるモーメン
ト力として作用するので、上述のブレーキ力の場合と同
様に、取付面QがPを中心としてトーイン方向に回転変
化し、ホイール4がトーイン変化することになる。
【0023】次に、上記ボールジョイントPと第1及び
第2弾性体ブッシュR1 ,R2 の具体的構造について説
明するに、ボールジョイントPは、図5に詳示するよう
に、セミトレーリングアーム1に形成した第1支持部1
1の先端に設けられ球面状内面12a を有するケーシン
グ12と、ホイールハブ3から第4象限方向に突出する
二又状の第1アーム部13の先端に軸支され、中央部に
上記ケーシング12内に転動自在に嵌合される球状部1
4a を有する支軸14とからなり、該支軸14がその球
状部14a を中心として自在に回動することにより、1
点(球状部14a の中心)を中心にセミトレーリングア
ーム1とホイールハブ3とを揺動自在に結合するように
構成されている。
【0024】また、上記第1弾性体ブッシュR1 は、図
6及び図7に詳示するように、ホイールハブ3から第1
象限方向に突出する二又状の第2アーム部15の先端に
軸支された支軸16と、該支軸16に回動自在に嵌合さ
れかつ上記第2アーム部15の二又内側面間に軸方向に
制止された状態で介装された内筒17と、セミトレーリ
ングアーム1に形成した第2支持部18の先端に固着さ
れ、上記内筒17に外嵌され該内筒17よりも軸方向長
さが短い外筒19と、該外筒19と内筒17との間に介
装され軸方向長さが外筒19と同一の中間筒20と、該
中間筒20と内筒17及び外筒19との間に各々充填固
着されたラバー21,21とを備え、セミトレーリング
アーム1とホイールハブ3とを支軸16回りに回動可能
にかつラバー21,21の弾性変形により相対変位可能
に結合するように構成されている。
【0025】上記第1弾性体ブッシュR1 には、軸線方
向後側(図6では右側)の外筒19及び中間筒20と第
2アーム部15の二又内側面との間にストッパ30が介
装されていて、このストッパ30により外筒19側のセ
ミトレーリングアーム1に対する内筒17側のホイール
ハブ3の前方移動を阻止することにより、ホイール4に
外力が作用した際、ホイールハブ3(取付面Q)に惹起
されるモーメント力(例えばブレーキ力BによりM軸回
りのモーメント力やエンジン制動力EによるL軸回りの
モーメント力等)によりホイール4のトーアウト方向の
変化となる弾性体ブッシュR1 の軸線方向つまり前方内
向きの弾性変形を規制するようになっている。
【0026】さらに、上記第2弾性体ブッシュR2 は、
図8及び図9に詳示するように、セミトレーリングアー
ム1に形成した第3支持部22にネジ込み固定された支
軸23と、該支軸23に回動可能にかつ軸方向に制止さ
れた状態で嵌合装着された内筒24と、ホイールハブ3
から第3象限方向に突出する第3アーム25の先端に固
着され、上記内筒24に外嵌され該内筒24よりも軸方
向長さが短い外筒26と、該外筒26と内筒24との間
に充填固着されたラバー27とを備え、セミトレーリン
グアーム1とホイールハブ3とを支軸23回りに回動可
能にかつラバー27の弾性変形により相対変位可能に結
合するように構成されている。尚、図8及び図9中、2
9は第2弾性体ブッシュR2 の剛性を調整するためにラ
バー27に形成されたぬすみ部、28は該ぬすみ部29
に設けられたストッパであり、該ストッパ28によりホ
イール4がトーアウト方向に変化するのを防止するよう
になっている。
【0027】そして、上記第1及び第2弾性体ブッシュ
R1 ,R2 は、いずれも軸線方向の剛性が軸線と直交す
る方向の剛性よりも低く設定されていて、軸線方向に弾
性変形し易くなっており、各弾性体ブッシュR1 ,R2
における軸線方向の剛性同士は略同一に設定されてい
る。また、軸線と直交する方向の剛性は、第1弾性体ブ
ッシュR1 がその内筒17と外筒19との間に中間筒2
0を介装してなること、また第2弾性体ブッシュR2 の
ラバー27にぬすみ部29が形成されていることから、
第1弾性体ブッシュR1 の方が第2弾性体ブッシュR2
よりもかなり高く設定されている。ここで、上記第1弾
性体ブッシュR1 の軸線は略車体前後方向に、上記第2
弾性体ブッシュR2 の軸線は略上下方向にそれぞれ延び
て配置されているので、これら弾性体ブッシュR1 ,R
2 の軸線と直交する方向の剛性は、該弾性体ブッシュR
1 ,R2 の車幅方向の剛性をも意味する。また、上記ボ
ールジョイントPは剛体と見做される。よって、ホイー
ルハブ3の3つの支持点の車幅方向の剛性は、高い順に
ボールジョイントP、第1弾性体ブッシュR1 、第2弾
性体ブッシュR2 となるように設定されている。
【0028】次に、上記実施例の作用・効果について説
明するに、ホイール4に横力Sやブレーキ力B等の外力
が作用してホイールハブ3(取付面Q)に対しボールジ
ョイントPを中心として略L軸回りにあるいはM軸回り
にモーメント力が作用した場合、上記ホイールハブ3
は、ボールジョイントPと共にその支持点たる2つの弾
性体ブッシュR1 ,R2 における軸線と直交する方向、
特に車幅方向の弾性変形によりセミトレーリングアーム
1に対する相対的に捩れが許容されつつ、上記弾性体ブ
ッシュR1 ,R2 における軸線方向の弾性変形によりボ
ールジョイントPを中心としてトーイン方向に回転変位
し、ホイール4がトーイン変化する。
【0029】この場合、上記ボールジョイントPは剛体
であり、また上記2つの弾性体ブッシュR1 ,R2 のう
ち、第1弾性体ブッシュR1 の車幅方向の剛性は、第2
弾性体ブッシュR2 のそれよりもかなり高く設定されて
弾性変形し難くなっているので、ホイールハブ3ないし
ホイール4は、ボールジョイントPからこの第1弾性体
ブッシュR1 を通る軸線回りに回転変位することにな
り、かつこの回転軸線(トー変化揺動軸線)は、ホイー
ル作用力の種類により変動することはない。この結果、
各ホイール作用力によるホイール4のトーイン変化量を
容易に予測することができ、そのコントロールを確実に
行うことができる。
【0030】しかも、上記第1弾性体ブッシュR1 は、
ホイールセンターO基準の水平−垂直座標(X,Z)に
おける垂直軸(Z軸)で仕切られる2つの領域のうちボ
ールジョイントPと同じ後側の領域に位置するととも
に、ボールジョイントPと上記座標(X,Z)の水平軸
(X軸)を挾んで上下反対側に位置しているため、この
第1弾性体ブッシュR1 が車幅方向に弾性変形し難くな
っていることからホイール作用力によるホイール4のキ
ャンバ変化を抑制することができ、よって走行安定性の
向上を図ることができる。
【0031】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
例えば、上記実施例では、本発明を、セミトレーリング
式のリヤサスペンションに適用した場合について述べた
が、セミトレーリング式以外の、例えばストラット式等
のリヤサスペンションにも同様に適用することができ
る。
【0032】また、上記実施例では、ホイール支持部材
(ホイールハブ)3を支持する3つの支持点を、1つの
ボールジョイントPと2つの弾性体ブッシュR1 ,R2
とで構成したが、本発明は、上記3つの支持点を全て弾
性体ブッシュで構成する場合にも同様に適用することが
できる。
【0033】
【発明の効果】以上の如く、本発明における自動車のサ
スペンションによれば、ホイール支持部材を第1〜第3
の3つの支持点で支持し、ホイール作用力に対してホイ
ールが第1の支持点を中心としてトーイン変化する自動
車のサスペンションにおいて、車体内側から見たホイー
ルセンター基準の水平−垂直座標における垂直軸で仕切
られる2つの領域に別々に位置する第2及び第3の支持
点のうち、第1の支持点と同じ領域に位置する第2の支
持点の車幅方向の剛性を、第3の支持点のそれよりも高
く設定することによって、ホイールのトー変化揺動軸線
が上記第2の支持点を通り、ホイール作用力の種類によ
り変動することがないので、トーコントロールを確実に
行うことができる。また、上記支持点の車幅方向の変位
によるホイールのキャンバ変化を抑制することができ、
走行安定性の向上を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる自動車のセミトレーリ
ング式サスペンションの概略斜視図である。
【図2】同サスペンションのホイールハブ付近を車体内
側から見た側面図である。
【図3】同ホイールハブ付近を車体前側から見た正面図
【図4】ボールジョイントと第1及び第2弾性体ブッシ
ュとの配置構造を示す模式説明図である。
【図5】図2のV−V線における拡大断面図である。
【図6】図2のVI−VI線における拡大断面図である。
【図7】図6のVII −VII 線における断面図である。
【図8】図3のVIII−VIII線における拡大断面図であ
る。
【図9】図8のIX−IX線における断面図である。
【符号の説明】
1 セミトレーリングアーム(サスペンション構成部
材) 3 ホイールハブ(ホイール支持部材) 4 ホイール P ボールジョイント(第1の支持点) R1 第1弾性体ブッシュ(第2の支持点) R2 第2弾性体ブッシュ(第3の支持点)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に連結されたサスペンション構成部
    材とホイールを回転自在に支持するホイール支持部材と
    が第1〜第3の3つの支持点でフロート結合され、上記
    ホイール支持部材は、ホイールに外力が作用した際上記
    支持点の変位により第1の支持点を中心にしてホイール
    をトーイン変化させるように設けられている自動車のサ
    スペンションにおいて、 上記第2及び第3の支持点は、車体内側から見たホイー
    ルセンター基準の水平−垂直座標における垂直軸で仕切
    られる2つの領域に別々に位置し、上記垂直軸で仕切ら
    れる2つの領域のうち、上記第1の支持点と同じ領域に
    位置する第2の支持点は、上記ホイールセンター基準の
    水平−垂直座標における水平軸を挟んで上記第1の支持
    点と反対側の位置に配置されており、 上記第1〜第3の支持点の車幅方向の剛性は、高い順に
    第1の支持点、第2の支持点、第3の支持点となるよう
    に設定されていることを特徴とする自動車のサスペンシ
    ョン。
  2. 【請求項2】 上記第2及び第3の支持点は共に弾性体
    ブッシュで構成されており、上記ホイール支持部材に、
    上記第1の支持点を通りかつ車幅方向に水平に延びるM
    軸回りの回転モーメントが作用した際、該ホイール支持
    部材が上記M軸を中心として回転するとともに、該回転
    に対応してホイールをトーイン変化させるように、上記
    第2及び第3の支持点の軸線方向が設定されており、ま
    た、この第2及び第3の支持点の軸線方向の剛性は、ほ
    ぼ等しく、軸線と直交する方向の剛性に比べて低く設定
    されている請求項1記載の自動車のサスペンション。
  3. 【請求項3】 車体内側から見たホイールセンター基準
    の水平−垂直座標において、上記第1の支持点が第4象
    限に、上記第2の支持点が第1象限に、上記第3の支持
    点が第3象限にそれぞれ配設されている請求項1又は2
    記載の自動車のサスペンション。
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