JPH0618128U - 気圧式倍力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 負圧導入穴２に挿入される継手部材５の円筒
部７に、該円筒部７を挿入する際にシェル１の負圧導入
穴形成部３に接触して内方に撓み、挿入完了時に負圧導
入穴形成部３との接触が解除されて外方に突出しシェル
１の内壁１５に当接する爪部１３を設けている。 【効果】 円筒部７の負圧導入穴２への挿入作業のみで
継手部材５がシェル１に接合されることになるため、専
用の設備を必要とせずかつ容易に継手部材の接合作業を
行なうことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば車両のブレーキおよびクラッチ等を助成する気圧式倍力装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、負圧源に接続するホースに一端側で接続しシェルの負圧導入穴に他端側 で接続して負圧源とシェル内部とを連通させる継手部材を有する気圧式倍力装置 としては、実公昭５２−３７７５３号公報に記載されているもの等があげられる 。この気圧式倍力装置は、上記継手部材の前記他端側に、負圧導入穴に挿入され る円筒部とシール部材を介在させた状態でシェルの外壁に当接するフランジ部と が設けられており、このフランジ部をシェルの外壁に当接させた状態で、円筒部 に形成されたネジに、ナットをシェルの内壁に当接するまで螺合して、該継手部 材の接合を行なっている。 また、この他にも、カシメにより継手部材をシェルに接合するものや、溶接に より接合するものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記したネジ接合の場合には、接合時に継手部材あるいはナッ トを回転させなければならず、接合作業が繁雑であるという問題があった。また 、カシメ接合および溶接接合の場合には、専用の設備が必要であるという問題が あった。

【０００４】 したがって、本考案の目的は、専用の設備を必要とせずかつ容易に継手部材の 接合作業を行なうことができる気圧式倍力装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の請求項１記載の気圧式倍力装置は、負圧 源に接続するホースに一端側で接続しシェルの負圧導入穴に他端側で接続して、 前記負圧源と前記シェルの内部とを連通させる継手部材を有し、前記継手部材の 前記他端側には、前記負圧導入穴に挿入される円筒部と、該円筒部の挿入完了時 にシール部材を介在させた状態で前記シェルの外壁に当接するフランジ部とが設 けられているものであって、前記円筒部に、該円筒部の前記負圧導入穴への挿入 時に前記シェルの負圧導入穴形成部に接触して内方に撓み、該円筒部の挿入完了 時に前記負圧導入穴形成部との接触が解除されて外方に突出し前記シェルの内壁 に当接する爪部を設けてなることを特徴としている。

【０００６】 また、本考案の請求項２記載の気圧式倍力装置は、上記に加えて、前記シェル の負圧導入穴形成部と前記継手部材の円筒部とに、相互に係合して該継手部材の 回転を規制する回転規制手段を設けてなることを特徴としている。

【０００７】

【作用】

本考案の請求項１記載の気圧式倍力装置によれば、継手部材の円筒部を負圧導 入穴に挿入する際に、該円筒部の爪部が、該負圧導入穴形成部に接触して内方に 撓み、該円筒部の挿入が完了しかつフランジ部がシェルの外壁にシール部材を介 して当接した時点で負圧導入穴形成部との接触が解除されて外方に突出してシェ ルの内壁に当接する。これにより、継手部材がシェルに接合されることになる。 したがって、円筒部の負圧導入穴への挿入作業のみで継手部材がシェルに接合さ れることになるため、接合作業が繁雑でなく、また専用の設備を必要としない。

【０００８】 本考案の請求項２記載の気圧式倍力装置によれば、上記作用に加えて、回転規 制手段がシェルと継手部材との回転を規制することになる。よって、継手部材が 回転することがない。

【０００９】

【実施例】

本考案の第１実施例による気圧式倍力装置について図１および図２を参照して 以下に説明する。 図中符号１は、気圧式倍力装置の外郭を主に構成するシェルを示しており、こ のシェル１には、内部に負圧を導入するための円形状の負圧導入穴２が設けられ ていて、この負圧導入穴２を形成するシェル１の負圧導入穴形成部３には、その 所定位置に径方向内方に突出する凸部４が設けられている。

【００１０】 負圧導入穴２には、図示せぬ負圧源に接続するホースに一端側で接続して負圧 源とシェル１の内部とを連通させる継手部材５が挿入支持されている。この継手 部材５の中間部分より前記一端側には、屈曲形状をなす管状のパイプ部６が設け られており、中間部分より他端側には、負圧導入穴２に挿入される円筒部７が、 該円筒部７とパイプ部６との境界部分には、該円筒部７の挿入が完了した状態に おいてシェル１の外壁８にシール部材９を介在させた状態で当接するフランジ部 １０が設けられている。このフランジ部１０の外周部には、シェル１側に突出す る環状の突出部１１が設けられており、この突出部１１を含むフランジ部１０と 円筒部７とシェル１との間でリング状の上記シール部材９を保持するようになっ ている。

【００１１】 円筒部７には、開口部１２側の端部が円筒部７と一体をなしかつフランジ部１ ０側の部分が径方向外方に突出するよう傾斜して形成された爪部１３が周方向に 所定ピッチで複数設けられている。この爪部１３は、そのフランジ部１０側の端 部１４を結んだ円の径が負圧導入穴２の径より大きくなっており、外側から外力 が加わった場合に径方向内方に撓んで前記円の径が負圧導入穴２の径より小さく なることができるようになっている。

【００１２】 また、円筒部７の爪部１３に干渉せぬ位置には、開口部１２側からフランジ部 １０の若干手前まで円筒部７の軸線方向に沿って溝部１６が設けられている。こ の溝部１６は、上記継手部材５のパイプ部６の開口部１７を上方に開口させた状 態でその円筒部７を負圧導入穴２に挿入する際に、負圧導入穴形成部３の凸部４ を通過係合させるものであり、しかも前記状態を維持すべく継手部材５の回転を 規制するものである。ここで、この溝部１６および凸部４が相互に係合して継手 部材５の回転を規制する回転規制手段を構成するものである。

【００１３】 このような構成の気圧式倍力装置によれば、継手部材５をシェル１に接合する 場合には、あらかじめ継手部材５にシール部材９を装着した状態で、その円筒部 ７を負圧導入穴２に、凸部４と溝部１６とを位置合せした状態で挿入する。する と、円筒部７の爪部１３が、負圧導入穴形成部３に接触して内方に撓み、該円筒 部７の挿入が完了しフランジ部１０がシェル１の外壁８にシール部材９を介して 当接した時点で負圧導入穴形成部３との接触が解除されて外方に突出してシェル １の内壁１５に当接することになる。これにより、継手部材５がシェル１に接合 されることになる。したがって、円筒部７の負圧導入穴２への挿入作業のみで継 手部材５がシェル１に接合されることになるため、専用の設備を必要とせずかつ 容易に継手部材５の接合作業を行なうことができる。

【００１４】 ここで、継手部材５に突出部１１が設けられているのは、該継手部材５が、例 えば図１において円筒部７を中心に回動されるような力が加わっても、必要以上 にシール部材９に力が加わらず、該シール部材９の耐久性が増すように配慮した ためである。 また、上記凸部４と溝部１６との係合によりシェル１と継手部材５との回転を 規制することになる。よって、継手部材５の回転を防止することができる。 なお、上記において、凸部４を継手部材５側に、溝部１６をシェル１側に設け ることも可能である。

【００１５】 次に、図３および図４に示す本考案の第２実施例による気圧式倍力装置につい てであるが、この第２実施例の気圧式倍力装置は、その継手部材５が、屈曲部分 をもたない軸線方向に沿う形状をなしている。したがって、上記第１実施例にお いて述べた継手部材５のシェル１に対する回転の規制を行なう必要がないため、 負圧導入穴形成部３の凸部４および円筒部７の溝部１６を設けておらず、その他 の部分は上記第１実施例と同様のものである（第１実施例と同様の部分には同一 の符号を付しその説明は略す）。よって、上記第１実施例と同様、継手部材５を シェル１に接合する場合には、あらかじめ継手部材５にシール部材９を装着した 状態で、その円筒部７を負圧導入穴２に挿入すると、円筒部７の爪部１３が、負 圧導入穴形成部３に接触して内方に撓み、該円筒部７の挿入が完了しかつフラン ジ部１０がシェル１の外壁８にシール部材９を介して当接した時点で負圧導入穴 形成部３との接触が解除されて外方に突出してシェル１の内壁１５に当接し、こ れにより継手部材５がシェル１に接合されることになる。したがって、円筒部７ の負圧導入穴２への挿入作業のみで継手部材５がシェル１に接合されることにな るため、専用の設備を必要とせずかつ容易に継手部材５の接合作業を行なうこと ができる。

【００１６】 なお、上記第１実施例および第２実施例においては、継手部材５のフランジ部 １０にシェル１方向に突出する突出部１１を設け、この突出部１１を含むフラン ジ部１０と円筒部７とシェル１との間にシール部材９を保持するものを例にとり 説明したが、図５に示すように、フランジ部１０は平板状とし、シェル１側に、 負圧導入穴２に沿ってフランジ部１０に反する方向に一段凹む凹部１６を設け、 この凹部１６と円筒部７とフランジ部１０との間でシール部材９を保持すること も可能である。

【００１７】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案の請求項１記載の気圧式倍力装置によれば、継手 部材の円筒部を負圧導入穴に挿入する際に、円筒部の爪部が、該負圧導入穴形成 部に接触して内方に撓み、該円筒部の挿入が完了しかつフランジ部がシェルの外 壁にシール部材を介して当接した時点で負圧導入穴形成部との接触が解除されて 外方に突出してシェルの内壁に当接し、これにより、継手部材がシェルに接合さ れることになる。したがって、円筒部の負圧導入穴への挿入作業のみで継手部材 がシェルに接合されることになるため、専用の設備を必要とせずかつ容易に継手 部材の接合作業を行なうことができる。

【００１８】 また、本考案の請求項２記載の気圧式倍力装置によれば、上記効果に加えて、 回転規制手段がシェルと継手部材との回転を規制することになる。よって、継手 部材の回転を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例による気圧式倍力装置の、
継手部材をシェルに接合した状態を示す断面図である。

【図２】本考案の第１実施例による気圧式倍力装置の、
継手部材をシェルに接合する前の状態を示す斜視図であ
る。

【図３】本考案の第２実施例による気圧式倍力装置の、
継手部材をシェルに接合した状態を示す断面図である。

【図４】本考案の第２実施例による気圧式倍力装置の継
手部材を示す斜視図である。

【図５】本考案の第１および第２実施例による気圧式倍
力装置のシール部材の保持構造の他の例を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１ シェル ２ 負圧導入穴 ４ 凸部（回転規制手段） ５ 継手部材 ７ 円筒部 ８ 外壁 ９ シール部材 １０ フランジ部 １３ 爪部 １５ 内壁 １６ 溝部（回転規制手段）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 負圧源に接続するホースに一端側で接続
   しシェルの負圧導入穴に他端側で接続して、前記負圧源
   と前記シェルの内部とを連通させる継手部材を有し、 前記継手部材の前記他端側には、前記負圧導入穴に挿入
   される円筒部と、該円筒部の挿入完了時にシール部材を
   介在させた状態で前記シェルの外壁に当接するフランジ
   部とが設けられている気圧式倍力装置において、 前記円筒部に、該円筒部の前記負圧導入穴への挿入時に
   前記シェルの負圧導入穴形成部に接触して内方に撓み、
   該円筒部の挿入完了時に前記負圧導入穴形成部との接触
   が解除されて外方に突出し前記シェルの内壁に当接する
   爪部を設けてなることを特徴とする気圧式倍力装置。
2. 【請求項２】 前記シェルの負圧導入穴形成部と前記継
   手部材の円筒部とに、相互に係合して該継手部材の回転
   を規制する回転規制手段を設けてなることを特徴とする
   請求項１記載の気圧式倍力装置。