JPH0617763Y2 - 回転式物品収納庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、物品を載置するパレッ
トを、水平方向に搬送して、入出庫しうるようにした回
転式物品収納庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】パレットを使用する自動倉庫としては、
スタッカークレーンを、床面上に敷設したガイドレール
に沿って走行させて、格子状の棚に対して、パレットを
出し入れするようにしたものが、よく知られている。ま
た、上下に複数段設けた水平搬送手段により多数のパレ
ットを移送し、これを、端末に設けた垂直移送手段によ
り昇降させて、入出庫させるものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上述したスタッカーク
レーンを使用する自動倉庫では、スタッカークレーンを
走行するためのスペースが必要であるため、設置面積に
対する物品の収納効率が悪い。また、スタッカークレー
ンは、取出し口まで移動して、パレットを出し入れする
ため、物品の搬出搬入の指示から、実際に物品を載置し
たパレットが取出口へ来るまでに、相当の待ち時間を要
する。水平移送手段により、多数のパレットを並べて搬
送するものでは、最前位のパレットは、後位のものに常
に押されているため、垂直搬送手段への移載が円滑に行
われないという問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記問題点を
解決することを目的とし、物品を載置しうる複数のパレ
ット（２）を、搬送方向（前後方向）に直列に並べて水
平方向に搬送する水平搬送手段（３）（４）を、上下に
複数組並設し、かつ各水平搬送手段（３）（４）の前端
同士並びに後端同士を接続する前後の垂直搬送手段
（７）（８）を設けてなる回転式物品収納庫において、 （ａ）前部の垂直搬送手段（７）は、前面下部に出庫口
（９）を有し、 （ｂ）後部の垂直搬送手段（８）は、後面下部に入庫口
（１０）を有し、 （ｃ）前記水平搬送手段（３）（４）は、左右１対の多
数の内側リンクプレート（１７）（１７）の前後端部間
に内ローラ（２０）を設けるとともに、各内側リンクプ
レート（１７）の前後端部の外側面に、ぞれぞれ外側リ
ンクプレート（１８）（８）の後端および前端部を順次
当接させ、前記内ローラ（２０）および内外側リンクプ
レート（１７）（１８）に貫挿したピン（１９）をもっ
て、内外側リンクプレート（１７）（１８）を連結し、
前記ピン（１９）の端部を、前後方向において交互に、
外側リンクプレート（１８）より突出させて、この突出
部に、パレット（２）を支持するための大径の外ローラ
（２１）を枢着し、さらに内側リンクプレート（１７）
（１７）の前後方向の中間部に、上下に突出する突片
（１７ａ）を設けたローラチェーン（１６）と、前後方
向に向けて固設した、内側リンクプレート（１７）（１
７）間の間隔よりも狭幅のガイドレール（１２）と、要
所において上向きに突出しうるストッパ（３３）とを備
え、前記内ローラ（２０）は、ガイドレール（１２）上
を転動し、前記突片（１７ａ）は、ガイドレール（１
２）の両側面に重合して、ローラチェーン（１６）の側
方移動を阻止するようになっており、かつ前記外ローラ
（２１）は、その上面でパレット（２）を支持しうるよ
うになっており、 （ｄ）前記垂直搬送手段（７）（８）は、水平搬送手段
（３）（４）の搬送方向の前端と整合して、それらの間
を昇降しうる昇降荷台（５）（６）を備えており、 （ｅ）前記パレット（２）は、前後端面に凹所（２ａ）
を有し、 （ｆ）前記ストッパ（３３）を適時に上昇させることに
より、垂直搬送手段（７）（８）に進入しようとするパ
レット（２）の次位のパレット（２）の凹所（２ａ）へ
嵌合させるこの次位のパレット（２）およびそれ以降の
パレット（２）を、水平搬送手段（３）（４）上で一時
待機させるようにしたことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】パレットが、垂直搬送手段への入口で干渉し合
って、作動が不円滑となることはない。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の第１実施例を、図１〜図１１
に基いて詳細に説明する。図２〜図４に示す（Ａ）は回
転式物品収納庫で、多数の支柱（１ａ）を、複数の水平
の連結杆（１ｂ）で連結した、前後方向に細長い直方体
状の枠体（１）を備える収納ユニット（Ｂ）を、左右に
３列、上下に２段並置して構成されている。

【０００７】収納ユニット（Ｂ）は、図５に示すよう
に、物品（Ｃ）を載置するパレット（２）を、前後方向
に搬送しうるように支持する上下１組の水平搬送手段
（４）（３）と、搬送手段（４）（３）の前後端にそれ
ぞれ連設された、昇降荷台（５）（６）を備える垂直搬
送手段（７）（８）とからなり、各パレット（２）は、
後述するように、側方から見て、偏平四辺形の軌跡を描
くように、正逆回転させられるようになっている。

【０００８】前方の垂直搬送手段（７）の前面下部に
は、出庫扉（９）が、また後方の垂直搬送手段（８）の
後面下部には、入庫扉（１０）が設けられ、いずれか一
方を開閉して、物品（Ｃ）を、運搬車（１１）からパレ
ット（２）上へ、またその逆に移載しうるようになって
いる。

【０００９】図６に示すように、下方の水平搬送手段
（３）は、前後方向を向く左右１対のガイドレール（１
２）（１２）と、各ガイドレール（１２）（１２）の前
端と対向するとともに、モータ（１３）によって駆動さ
れる１対の駆動スプロケット（１４）（１４）と、各ガ
イドレール（１２）（１２）の後端と対向する従動スプ
ロケット（１５）（１５）を備えてなり、前後に並ぶス
プロケット（１４）（１５）間には、図７及び図８に示
すローラチェーン（１６）が巻装されている。

【００１０】上方の水平搬送手段（４）も同様の構成で
あるが、駆動スプロケット（１４）と従動スプロケット
（１５）の位置が、前後逆になっている。

【００１１】ローラチェーン（１６）は、それぞれ左右
１対をなす内外側リンクプレート（１７）（１７）、
（１８）（１８）の前後端部を、左右方向のピン（１
９）をもって交互に無端状に連結し、かつピン（１９）
に、内側リンクプレート（１７）（１７）の間に位置す
る小径の内ローラ（２０）を枢着するとともに、ピン
（１９）の端部を、交互に反対側の外側リンクプレート
（１８）から突出させ、かつこの突出端に、大径の外ロ
ーラ（２１）を枢着したものである。

【００１２】内側リンクプレート（１７）の前後方向の
中間部の上下側には、突片（１７ａ）（１７ａ）を設
け、これらが、ガイドレール（１２）の両側面に重合す
ることにより、ローラチェーン（１６）が走行中に外れ
ないようにしてある。

【００１３】図９に示すように、ローラチェーン（１
６）の上側走行部の外ローラ（２１）（２１）の上面に
より、パレット（２）が支持され、ローラチェーン（１
６）の走行に伴って、パレット（２）は搬送される。

【００１４】図１０に示すように、パレット（２）は、
ほぼ正方形の平板からなり、その前後端面の中央には、
矩形状の凹所（２ａ）が設けられ、これに、後述するス
トッパ（３３）が係合しうるようになっている。また、
パレット（２）の前後端面の一方の隅部には、位置を検
知する検知スイッチ（３４）と当接しうる段部(2b)が形
成されている。

【００１５】パレット（２）の前後端面(2c)(2d)には、
銀紙等からなる複数のマークシート（２２）が、所要の
間隔で貼着され、後述する光学的読み取りヘッド（２
３）で、これらの位置及び数を読みとることによって、
収納ユニット（Ｂ）内におけるパレット（２）の番号が
判別されるようになっている。

【００１６】次に、入庫側である後方の垂直搬送手段
（８）について、図１を参照して説明する。

【００１７】左右側部の上下に設けられている前後方向
の４本の水平軸（２４）の前後端には、それぞれスプロ
ケット（２５）が固着され、上下に対向するスプロケッ
ト（２２）（２２）には、無端チェーン（２６）が巻装
されている。

【００１８】前後左右に位置する４本の無端チェーン
（２６）の中間部には、前記昇降荷台（６）の四隅がそ
れぞれ固着されている。

【００１９】駆動手段としてのモータ（２７）の前後方
向を向く出力軸（２８ａ）には、歯車（２８）とスプロ
ケット（３０）が固着されている。

【００２０】出力軸（２８ａ）と平行をなす歯車軸（２
８）と平行をなす歯車軸(29a)には、前記歯車（２８）
と噛合する歯車（２９）と、スプロケット（３０）が固
着されている。各スプロケット（３０）と、下方の左右
の水平軸（２４）に固着されたスプロケット（３１）と
には、無端チェーン（３２）が巻回されている。

【００２１】したがって、モータ（２７）の正転あるい
は逆転によって、昇降荷台（６）は、水平搬送手段
（４）と整合する上段位置と、水平搬送手段（３）と整
合する下段位置との間を昇降する。

【００２２】出庫側である前方の垂直搬送手段（７）
も、後方の垂直搬送手段（８）と同様の構造であるの
で、その説明は省略する。

【００２３】水平搬送手段（３）（４）の幅方向の中央
部には、個々に一独立して上下に出没しうるストッパ
（３３）が、一定間隔をもって適宜の要領で設けられて
いる。ストッパ（３３）は、上昇することにより、パレ
ット（２）の凹所（２ａ）に係合して、その走行を阻止
しうるようになっている。水平搬送手段（３）（４）の
側面要所には、パレット（２）の位置を検知する検知ス
イツチが設けられている。

【００２４】出庫側及び入庫側には、それぞれ操作盤
（３５）が設けられ、これにより、所望のパレットの番
号を呼び出しうるようになっている。

【００２５】なお、図示は省略したが、コンピュータを
使用した制御装置が別の箇所に設けられ、水平搬送手段
（３）（４）におけるローラチェーン（１６）の作動、
及び垂直搬送手段（７）（８）における昇降荷台（５）
（６）の作動を制御するようになっている。

【００２６】出庫側の操作盤（３５）により、所望の物
品（Ｃ）を載置したパレット（２）の番号を呼び出す
と、モータ（１３）（２７）は回転し、各パレット
（２）は、例えば、下方の水平搬送手段（３）から、順
次出庫側の昇降荷台（５）上へ移送され、次いで、上昇
させられた後、上方の水平搬送手段（４）に移される
（図５参照）。

【００２７】昇降荷台（５）に載置されたパレット
（２）の番号が、光学的読み取りヘッド（２３）によ
り、所望のものである旨が読み取られると、パレット
（２）の移送動作は停止され、続いて、出庫扉（９）を
開くことによって、物品（Ｃ）を出庫させることができ
る。

【００２８】入庫作業は、上述したと同様に、入庫側の
操作盤（３５）で、所要の番号のパレット（２）を呼び
出すか、あるいは空きパレットを指定することにより、
下降して入庫扉（１０）と対向している昇降荷台（６）
上のパレット（２）上に、物品（Ｃ）を収納できる。

【００２９】各パレット（２）を、正逆どちらの方向に
移動させるかの判断は、指定された番号のパレットが、
出入庫口に対して、どのような位置にあるかをコンピュ
ータが検知し、指定されたパレットが、早く出入庫に到
達するような方向に決定される。

【００３０】図５に示すように、例えば下方の水平搬送
手段（３）の前端における昇降荷台（５）と隣接する箇
所には、パレット（２）１枚分に相当する空所が設けら
れ、これにより、昇降荷台（５）へのパレット（２）の
移載と、垂直搬送手段（７）によるパレット（２）の昇
降、並びに垂直搬送手段（７）からのパレット（２）の
搬出を円滑に行わせるようになっている。 上方の水平搬送手段（４）の移送方向の前端についても
同様である。

【００３１】上記空所を形成する操作は、検知スイッチ
（３４）によるパレット（２）の位置検出に基づいて、
ストッパ（３３）を突出させることにより行われること
は言うまでもない。

【００３２】図１２は、本考案の第２実施例を示すもの
で、水平搬送手段（３７）（３８）（３９）は、上下に
３段に構成され、前後の垂直搬送手段（４０）は、最下
位の水平搬送手段（３７）上パレット（４１）を、他の
いずれかの水平搬送手段（３８）（３９）上へ移送しう
るようになっている。この場合におけるパレット（４
１）の軌跡は、（Ｄ）（Ｅ）で示すように矩形状であ
る。

【００３３】図１３は、本考案の第３実施例を示すもの
で、水平軸回りの軌跡（Ｆ）と、垂直軸回りの軌跡
（Ｇ）とを組合わせたもので、パレット（４２）上の物
品（Ｈ）の積み卸しに時間を要する場合に有利である。

【００３４】上述した各実施例では、パレットには平板
を使用したが、ボックスパレット、バスケットパレッ
ト、キャスター付きパレットであってもよい。

【００３５】

【考案の効果】（ａ）パレットを水平軸回りに回転する
閉回路をなすように移送し、かつこの閉回路に隣接した
出入部から物品を取出し、あるいは収納するようにした
ため、物品の搬出指示から取り出しまでの待ち時間を、
大幅に短縮することができる。

【００３６】（ｂ）スタッカークレーン等を走行させる
ための通路を要せず、設置面積が小さくて済む。

【００３７】（ｃ）水平搬送手段におけるローラチェー
ンの小径の内ローラが、ガイドレールに載って転動する
ため、耐荷重性が大である。

【００３８】（ｄ）ローラチェーンの内側が、リンクプ
レートにおける下方へ突出する突片が、ガイドレールの
両側に重合しているため、ローラチェーンが、側方移動
すること無く、安定よく走行しうる。

【００３９】（ｅ）パレットを、多数のローラの上面で
支持するから、パレットを、軽くかつ円滑に作動させう
る。

【００４０】（ｆ）パレットの前後面に凹所を設け、こ
れら水平搬送手段におけるストッパが上昇して係合する
ことにより、パレットは、不適時に垂直搬送手段内へ進
入したり、前位のパレットを押したりすることはなく、
円滑な作動が行われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案における収納ユニットを示す概略斜視図
である。

【図２】本考案の第１実施例を示す正面図である。

【図３】同じく側面図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線おける横断平面図である。

【図５】収納ユニットの概略を示す側面図である。

【図６】図４における下方の水平搬送手段のみを示す平
面図である。

【図７】図１のローラチェーンを一部切欠して示す拡大
平面図である。

【図８】同じく側面図である。

【図９】図５のＩＸ−ＩＸ線における縦断面図である。

【図１０】図１に示すパレットの平面図である。

【図１１】同じく正面図である。

【図１２】本考案の第２実施例を示す概略側面図であ
る。

【図１３】本考案の第３実施例を示す概略斜視図であ
る。

【符号の説明】

（Ａ）回転式物品収納庫、（Ｂ）収納ユニット （Ｃ）物品 （１）枠体、(1a)支柱 （１ｂ）連結杆、（２）パレット （３）（４）水平搬送手段、（５）（６）昇降荷台 （７）（８）垂直搬送手段、（９）出庫扉 （１０）入庫扉、（１１）運搬車 （１２）ガイドレール、（１３）モータ （１４）駆動スプロケット、（１５）従動スプロケット （１６）ローラチェーン、（１７）内側リンクプレート （１７ａ）突片、（１８）外側リンクプレート （１９）ピン、（２０）内ローラ （２１）外ローラ、（２２）マークシート （２３）光学的読み取りヘッド、（２４）水平軸 （２５）スプロケット、（２６）無端チェーン （２７）モータ、（２８）（２９）歯車 （３９）（３１）スプロケット、（３２）無端チェーン （３３）ストッパ、（３４）検知スイッチ （３５）操作盤、（３７）（３８）（３９）水平搬送手
段 （４０）垂直搬送手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】物品を載置しうる複数のパレット（２）
   を、搬送方向（前後方向）に直列に並べて水平方向に搬
   送する水平搬送手段（３）（４）を、上下に複数組並設
   し、かつ各水平搬送手段（３）（４）の前端同士並びに
   後端同士を接続する前後の垂直搬送手段（７）（８）を
   設けてなる回転式物品収納庫において、 （ａ）前部の垂直搬送手段（７）は、前面下部に出庫口
   （９）を有し、 （ｂ）後部の垂直搬送手段（８）は、後面下部に入庫口
   （１０）を有し、 （ｃ）前記水平搬送手段（３）（４）は、左右１対の多
   数の内側リンクプレート（１７）（１７）の前後端部間
   に内ローラ（２０）を設けるとともに、各内側リンクプ
   レート（１７）の前後端部の外側面に、ぞれぞれ外側リ
   ンクプレート（１８）（８）の後端および前端部を順次
   当接させ、前記内ローラ（２０）および内外側リンクプ
   レート（１７）（１８）に貫挿したピン（１９）をもっ
   て、内外側リンクプレート（１７）（１８）を連結し、
   前記ピン（１９）の端部を、前後方向において交互に、
   外側リンクプレート（１８）より突出させて、この突出
   部に、パレット（２）を支持するための大径の外ローラ
   （２１）を枢着し、さらに内側リンクプレート（１７）
   （１７）の前後方向の中間部に、上下に突出する突片
   （１７ａ）設けたローラチェーン（１６）と、前後方向
   に向けて固設した、内側リンクプレート（１７）（１
   ７）間の間隔よりも狭幅のガイドレール（１２）と、要
   所において上向きに突出しうるストッパ（３３）とを備
   え、前記内ローラ（２０）は、ガイドレール（１２）上
   を転動し、前記突片（１７ａ）は、ガイドレール（１
   ２）の両側面に重合して、ローラチェーン（１６）の側
   方移動を阻止するようになっており、かつ前記外ローラ
   （２１）は、その上面でパレット（２）を支持しうるよ
   うになっており、 （ｄ）前記垂直搬送手段（７）（８）は、水平搬送手段
   （３）（４）の搬送方向の前端と整合して、それらの間
   を昇降しうる昇降荷台（５）（６）を備えており、 （ｅ）前記パレット（２）は、前後端面に凹所（２ａ）
   を有し、 （ｆ）前記ストッパ（３３）を適時に上昇させることに
   より、垂直搬送手段（７）（８）に進入しようとするパ
   レット（２）の次位のパレット（２）の凹所（２ａ）へ
   嵌合させるこの次位のパレット（２）およびそれ以降の
   パレット（２）を、水平搬送手段（３）（４）上で一時
   待機させるようにしたことを特徴とする回転式物品収納
   庫。