JPH06173416A - 外壁用パネル取付金具及びその取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物の外壁を構成する外壁用パネルを建物の
躯体に容易に取り付けることが出来、かつ外壁用パネル
の取付位置を容易に調整することが出来る取付金具と取
付構造を提供するものである。 【構成】 所定の間隙を保って並列された短片１１ａと
先端部が斜めに形成された長片１１ｂとを連結片１１ｃ
で連結したコ字形の鋼材１１とバネ材１３にボルト１２
を貫通させて構成した外壁用パネル取付金具Ｂと、この
取付金具Ｂのボルト１２を躯体側に取り付け、前記コ字
形の鋼材１１の長片１１ｂで外壁用パネルＡを支持して
固定した外壁用パネルの取付構造である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は特に木造建物等に用いら
れる外壁用パネルを建物の躯体に取り付ける際に用いら
れる取付金具とその取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】木造建物、例えば木造住宅等にあって
は、セメント板等の外壁材を用いて外壁を構成すること
がある。このような木造建物に於ける外壁の施工方法に
ついて図６により説明する。外壁材３１は予め設定され
た所定の幅、長さ、厚さ寸法（定尺寸法）を持って成形
されている。建物の柱３２には防水紙３３を介して胴縁
３４が取付られている。

【０００３】また、胴縁３４には外壁材３１の幅寸法に
対応するピッチで目地板３５が取付固定されている。施
工現場に搬入された定尺寸法を持った外壁材３１を建物
に対する取付位置に応じ目地板３５及び留付金具３６を
介して柱３２に固定することによって、建物の外壁が構
成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
建物の躯体を構成する柱に予め胴縁や目地板を取り付
け、この胴縁や目地板に外壁材を釘或いは釘と取付金具
とを併用して固定することで外壁を構成している。この
ため、一度躯体に取り付けた外壁材の位置を調整するこ
とは困難であり、施工精度及び作業の専門性が要求され
る。

【０００５】本発明は、外壁用パネルを容易に建物の躯
体に取り付けることが出来、且つ外壁用パネルの位置を
容易に調整することが出来る外壁用パネル取付金具と取
付構造とを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願発明は上記目的を達
成するために、本発明の外壁用パネル取付金具は、所定
の間隙を保って並列された短片及び先端部が斜めに形成
された長片をこれ等と直交する連結片で連結してなるコ
字形の鋼板と該コ字形の鋼板の該短片及び長片に一端部
を直交して貫通したボルトとの組合わせより構成される
ものである。

【０００７】また、本発明に係る外壁用パネルの取付構
造は、外壁用パネルの側面に形成され連通した溝に、先
端が斜めに形成されたコ字形鋼板を挟持し、該コ字形鋼
板をバネ材を通してボルトで建物の躯体に取り付けるこ
とを特徴としたものである。

【０００８】

【作用】本発明に係る外壁用パネル取付金具（以下「取
付金具」という）は上述の構造を有するので、コ字形の
鋼板に貫通したボルトを建物の躯体に貫通させたり、或
いは該躯体に予め埋設された埋込ボルトに螺合すること
によって、取付金具を躯体に簡単に取付固定することが
出来る。

【０００９】上述の如く、ボルトを介して建物の躯体に
取り付けられた取付金具は、コ字形の鋼板の短片を躯体
側に当接すると共に、先端部が斜めに形成された長片で
外壁用パネルを支持することが出来る。本発明に係る外
壁用パネルの取付構造は、上述の如く、取付金具のコ字
形の鋼板の短片を躯体側に当接すると共に、そのコ字形
の鋼板の先端部が斜めに形成された長片で外壁用パネル
を支持したので、外壁用パネルの任意の位置を弾力的に
支持することが出来る。従って、躯体に取付金具を介し
て外壁用パネルを容易に取り付けることが出来、かつ一
旦取付固定した後でもボルト或いはナットを締めること
によって、外壁用パネルの移動や取り外しをすることが
できる。

【００１０】

【実施例】図により本発明に係る外壁用パネル取付金具
及びその取付構造について説明すると、図１は本発明の
取付金具の一例を示す斜視図、図２（Ａ），（Ｂ），
（Ｃ）は図１に示す取付金具の説明図、図３は本発明の
取付構造を出隅部に使用した例を示す説明図、図４は本
発明の取付構造を示す説明図、図５は外壁用パネルの一
例を示す平面図である。

【００１１】先ず、取付金具の説明に先立って、図によ
り本発明の取付構造を好適に実施し得る外壁用パネルＡ
（以下「パネル」という）の構成について説明する。図
５に於いてパネルＡはフレーム１とセメント版等の表面
板２とによって構成されている。フレーム１はパネルＡ
に要求される寸法に応じた寸法を有する矩形状に形成さ
れている。

【００１２】フレーム１は、縦方向両側に配置された２
本の縦側部材１ａ、縦方向中央に配置される１本の縦中
間部材１ｂ、幅方向上下両端に配置される２本の横端部
材１ｃ、幅方向中間に配置される複数の横中間部材１ｄ
とによって構成されている。そして縦側部材１ａと縦中
間部材１ｂを平行に配設し、これ等の部材１ａ、１ｂに
対し横端部材１ｃ及び横中間部材１ｄを直角に組み合わ
せて矩形状に形成されている。

【００１３】上記フレーム１を構成する各部材１ａ〜１
ｄは夫々木材を用いて形成されている。フレーム１を構
成する縦側部材１ａにはパネルＡを柱材に取り付けるた
めの長さ方向に連通した取付溝３が形成され、隣接する
パネルＡ間の位置合わせを行うためのタッカー止め４が
設けられている。前記取付溝３は、図示しない固定金具
を係合することによって建物の柱材にパネルＡを固定す
るためのものである。

【００１４】また横端部材１ｃ、横中間部材１ｄには夫
々通気溝６が形成されている。表面板２はフレーム１の
一方の面である該フレーム１を構成する各部材１ａ、１
ｃ、１ｄに形成した取付溝３、通気溝６の開放側の面に
取り付けられている。この表面板２はパネルＡに要求さ
れる寸法と等しい寸法を持った矩形状に形成されてい
る。

【００１５】次に本発明に係る取付金具について説明す
ると次の通りである。図１及び図２に示すように、取付
金具Ｂはコ字形の鋼板１１と、このコ字形の鋼板１１に
貫通して取り付けられたボルト１２と、このボルト１２
の周りに取り付けられるコイルスプリング等のバネ材１
３とより構成されている。前記コ字形の鋼板１１は、所
定の間隙を保って並列された短片１１ａ及び先端が斜め
に形成されている長片１１ｂと、これ等の短片１１ａ及
び長片１１ｂの端面に直交して連結された連結片１１ｃ
とで形成されている。

【００１６】また、前記長片１１ｂの先端部は内側（短
片１１ａ側）に傾斜している。前記ボルト１２の一端部
は、鋼板１１の短片１１ａと長片１１ｂとに直交しなが
ら貫通して、短片１１ａと長片１１ｂの間にバネ材１３
が取り付けられている。次に、上述の構造を有する取付
金具Ｂを用いて、本発明に係る取付構造を構成せしめる
手順について説明する。

【００１７】図３に示す取付構造は、建物の出隅部に使
用した例を示すものである。建物の躯体側の柱２１に予
め埋込ナット２４を埋設しておき、この埋込ナット２４
に取付金具Ｂのボルト１２を螺合し、取付金具Ｂを柱２
１にゆるめた状態で仮着する。その後で、取付金具Ｂの
片側からパネルＡを持ってきて近接させ、パネルＡのフ
レーム１の縦側部材１ａを柱２１に当接すると共に、取
付金具Ｂの鋼板１１の長片１１ｂを縦側部材１ａに穿設
された取付溝３内に挿入し、更にボルト１２を埋込ナッ
ト２４に強くねじ込むことによって、長片１１ｂと柱２
１とで縦側部材１ａを強く挟持して、パネルＡを柱２１
に取付固定することが出来る。隣接するパネルＡの表面
板２間にはシーリング５等を行う。

【００１８】また図４に示す如く、窓枠Ｃの両側に配設
されたパネルＡの側部を取付金具Ｂで柱２１に取り付け
て構成することも出来る。本発明に係る取付金具は、前
述のようにパネルＡの側部の取付固定のみならず、上部
や入隅部の取付固定にも利用することが出来る。

【００１９】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る外壁用パネル取付金具は、横側部材の所定位置と縦側
部材の長さ方向に連通した溝を形成した外壁用パネルを
躯体に取り付ける際、取付金具の長片の先端を斜めにし
たので、回転しやすくかつパネルの溝に上手く当接し固
定できる。このため、現場に於ける施工工数を低減させ
ると共に工期を短縮することが出来る。

【００２０】また、上記外壁用パネルの取付構造によれ
ば、外壁用パネルを長片の先端を斜めにした取付金具を
用いることによって容易に建物の躯体に取り付けると共
に、該外壁用パネルの位置を調整することが出来る。更
に一旦取付固定した後でも、ボルトを緩めることによっ
て、外壁用パネルを移動したり、取り外しをしたりする
ことが出来る。このため、作業の専門性を要求すること
なく、外壁構成に対する自由度を高めることが出来る等
の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の取付金具を示す斜視図である。

【図２】図１の取付金具を示す（Ａ）側面図、（Ｂ）正
面図、（Ｃ）上面図である。

【図３】本発明の取付構造を出隅部に使用した例を示す
説明図である。

【図４】本発明の取付構造を示す説明図である。

【図５】外壁用パネルの一例を示す平面図である。

【図６】従来の外壁用パネルの取付構造を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

Ａ パネル Ｂ 取付金具 Ｃ 窓枠 １ フレーム １ａ 縦側部材 １ｂ 縦中間部材 １ｃ 横端部材 １ｄ 横中間部材 ２ 表面板 ３ 取付溝 ４ タッカー止め ５ シーリング ６ 通気溝 １１ 鋼板 １１ａ 短片 １１ｂ 長片 １１ｃ 連結片 １２ ボルト １３ バネ材 ２１ 柱 ２２ 下地材 ２３ 釘 ２４ 埋込ナット ３１ 外壁材 ３２ 柱 ３３ 防水紙 ３４ 胴縁 ３５ 目地板 ３６ 留付金具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の間隙を保って並列された短片及び
   先端部が斜めに形成された長片をこれ等と直交する連結
   片で連結してなるコ字形の鋼板と該コ字形の鋼板の該短
   片及び長片に一端部を直交して貫通したボルトとの組合
   わせよりなる外壁用パネル取付金具。
2. 【請求項２】 外壁用パネルの側面に形成され連通した
   溝に、先端が斜めに形成されたコ字形の鋼板を挟持し、
   該コ字形の鋼板をバネ材を通してボルトで建物の躯体に
   取り付けることを特徴とした外壁用パネルの取付構造。