JPH0617290Y2 - ワイヤボンディング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ワイヤボンディング装置のリード位置検出用
照明手段の改良に関する。

（従来の技術） 従来、ワイヤボンディング装置には、リードフレームの
リード位置を検出する時に認識用カメラがリードを捕え
易くするための照明手段が備えられている。照明手段は
１乃至複数個の光源を有し、光源位置と照明方向とは固
定されている。

（考案が解決しようとする課題） しかるに、上述した従来のワイヤボンディング装置のリ
ード位置検出用照明手段には次のような問題点がある。

すなわち、リードフレームにはリードとリードの間をガ
ラス材で埋めて固定したものがあり、このようなリード
フレームの場合、第２図に示す第１のリード２１のよう
にボンディング面内でのリードの長さ方向が照明灯３の
ボンディング面内での照明方向と同じであると認識用カ
メラに明瞭に捕えられるが、第３のリード２３のように
ボンディング面内でのリードの長さ方向が照明灯３のボ
ンディング面内での照明方向と異なっているとガラス材
部分のリード側面添いに立上がっている面での反射光の
ために認識用カメラに明瞭には捕えられない。

これに対してボンディング面内での第３のリード２３の
長さ方向を照明灯３のボンディング面内での照明方向に
近付ける手段は備えられていないので、第１のリード２
１と照明灯３との位置関係と同じ位置関係で第３のリー
ド２３に対しても照明灯を設けることが行われるが、こ
の場合は、該照明灯の光線が、第３のリード２３の周辺
部に対する照明灯３の光線と同じように第１のリード２
１の周辺部に作用して第１のリード２１を見えにくくし
てしまう。以上説明したように、従来のワイヤボンディ
ング装置には、リードフレームの有しているすべてのリ
ードが確実に認識されるような照明ができないためにリ
ード位置検出不能が発生し易いという問題がある。

本考案の目的は、ボンディング開始時の最初のリードフ
レームのリード毎に予め定められた各位置決め点の座標
データと、該位置決め点の座標データと同じ座標系で表
されるボンディング対象物の回転中心座標データと、ボ
ンディング面内での前記最初のリードフレームの各リー
ドの長さ方向を示す直線と照明方向を示す直線のボンデ
ィング面投影線とがなす各交差角度のデータを用いて、
現に位置を検出しようとする２つ目以後のリードフレー
ムの各リードに対応した最初のリードフレームの各リー
ドのボンディング面内における長さ方向と照明方向を示
す直線のボンディング面投影線の方向とが同じになる位
置までボンディング対象物を回転させ、かつ位置を検出
しようとする各リードの位置決め点を認識用カメラの視
野内に捕える位置までボンディング対象物を移動させる
ことによって、位置を検出しようとするどのリードも、
その長さ方向をボンディング面内で照明方向とほぼ同じ
方向に近付け、認識用カメラに明瞭に捕えられるように
し、リード位置検出が確実に行えるワイヤボンディング
装置を提供することである。

（課題を解決するための手段） 本考案のワイヤボンディング装置は上記の目的を達成す
るために次の手段構成を有する。

すなわち本考案のワイヤボンディング装置は、視野内に
リードフレームのリードを捕える認識用カメラと；リー
ドフレームのボンディング面を斜め方向に照明するとと
もに、照明方向と光源位置とが固定されている照明装置
と；ボンディング対象物をそのボンディング面内で回転
させる回転手段と；ボンディング対象物をそのボンディ
ング面内で２次元移動させる移動手段と；ボンディング
開始時の最初のリードフレームのリード毎に予め定めら
れた各位置決め点の座標データと、該位置決め点の座標
データと同じ座標系で表されるボンディング対象物の回
転中心座標データと、ボンディング面内で各リードの長
さ方向を示す直線と照明装置の照明方向を示す直線のボ
ンディング面投影線とがなす各交差角度のデータを記憶
する記憶部と；位置を検出しようとする２つ目以後のリ
ードフレームの各リードに対応した最初のリードフレー
ムの各リードの交差角度データと位置決め点の座標デー
タ、ならびにボンディング対象物の回転中心座標データ
を記憶部から読み出し、前記の交差角度データに基づい
て、位置検出をしようとするリードに対応した最初のリ
ードフレームのリードのボンディング面内における長さ
方向と照明方向を示す直線のボンディング面投影線の方
向とが同じになる位置までボンディング対象物を回転さ
せる制御信号を回転手段へ送出するとともに、位置検出
をしようとするリードの位置決め点を認識用カメラの視
野内に捕える位置までボンディング対象物を移動させる
制御信号を移動手段へ送出する回転・移動制御部と；を
具備することを特徴とするものである。

（作用） 以下、上記の手段構成を有する本考案のワイヤボンディ
ング装置の作用を説明する。

認識用カメラはその視野内にリードフレームのリードを
捕え、照明装置は該視野内のリードのボンディング面を
斜め方向に照明してリードが認識され易くする。照明装
置の光源位置と照明方向とはともに固定されている。記
憶部は、ボンディング開始時の最初のリードフレームの
リード毎に予め定められた各位置決め点の座標データ
と、該位置決め点の座標データと同じ座標系で表される
ボンディング対象物の回転中心座標データと、ボンディ
ング面内で前記最初のリードフレームの各リードの長さ
方向を示す直線と照明装置の照明方向を示す直線のボン
ディング面投影線とがなす各交差角度のデータを記憶し
ている。回転・移動制御部は、現に位置を検出しようと
する２つ目以後のリードフレームの各リードに対応した
最初のリードフレームの各リードの交差角度データと位
置決め点の座標データ、ならびにボンディング対象物の
回転中心座標データを記憶部から読み出す。

次に前記の交差角度データに基づいて、位置検出をしよ
うとするリードに対応した最初のリードフレームのリー
ドのボンディング面内における長さ方向と照明方向を示
す直線のボンディング面投影線の方向とが同じになる位
置までボンディング対象物を回転させる制御信号を回転
手段へ送出するとともに、位置検出をしようとするリー
ドの位置決め点を認識用カメラの視野内に捕える位置ま
でボンディング対象物を移動させる制御信号を移動手段
へ送出する。回転手段と移動手段とはそれぞれに受けた
制御信号に従ってボンディング対象物を回転させたり、
移動させたりする。現に位置を検出しようとする２つ目
以後のリードフレームの各リードは最初のリードフレー
ムの各リードに対して僅かしかずれていないので、位置
を検出しようとするリードは、そのボンディング面内で
の長さ方向が照明方向を示す直線のボンディング面投影
線とほぼ同じ方向に近付けられて該リードの位置決め点
が視野内に捕えられる。

以上説明したように、本考案のワイヤボンディング装置
は、ボンディング開始時の最初のリードフレームのリー
ド毎に予め定められた各位置決め点の座標データと、該
位置決め点の座標データと同じ座標系で表されたボンデ
ィング対象物の回転中心座標データと、ボンディング面
内での前記最初のリードフレームの各リードの長さ方向
を示す直線と照明方向を示す直線のボンディング面投影
線とがなす各交差角度のデータを用いて、現に位置を検
出しようとする２つ目以後のリードフレームの各リード
に対応した最初のリードフレームの各リードのボンディ
ング面内における長さ方向と照明方向を示す直線のボン
ディング面投影線の方向とが同じになる位置までボンデ
ィング対象物を回転させ、かつ位置を検出しようとする
各リードの位置決め点を認識用カメラの視野内に捕える
位置までボンディング対象物を移動させるようにしたこ
とによって、位置を検出しようとするどのリードも、そ
の長さ方向をボンディング面内で照明方向とほぼ同じ方
向に近付けることができ、その結果認識用カメラに明瞭
に捕えられるのでリード位置検出が確実に行える。

（実施例） 以下、本考案のワイヤボンディング装置の実施例を図面
を参照して説明する。

第１図は本考案のワイヤボンディング装置の実施例の構
成図である。第１図において認識用カメラ１はボンディ
ング対象物保持テーブル４に載置されているリードフレ
ームのリードをその視野内に捕える。照明灯３は該視野
内のリードのボンディング面を斜め方向に照明してリー
ドが認識され易くする。照明灯３の光源位置と照明方向
はともに固定されている。記憶部１０は、ボンディング
開始時の最初のリードフレームのリード毎に予め定めら
れた各位置決め点の座標データと、該位置決め点の座標
データと同じ座標系で表されるボンディング対象物の回
転中心座標データと、ボンディング面内で前記最初のリ
ードフレームの各リードの長さ方向を示す直線と照明灯
３の照明方向を示す直線のボンディング面投影線とがな
す各交差角度のデータを記憶している。交差角度は、ボ
ンディング対象物の回転角度が小さくてすむように９０
度以下の角度データで記憶される。テーブル駆動制御部
１１は現に位置を検出しようとするリードフレームの各
リードに対応した最初のリードフレームの各リードの交
差角度データと位置決め点の座標データ、ならびにボン
ディング対象物の回転中心座標データを記憶部１０から
読み出す。

次に位置検出をしようとするリードのボンディング面内
での長さ方向を示す直線と照明灯３の照明方向を示す直
線のボンディング面投影線とがなす９０度以下の交差角
度を小さくする向きに、記憶部１０から読み出した交差
角度だけボンディング対象物を回転させる制御信号を回
転テーブル５へ送出するとともに、位置検出をしようと
するリードの位置決め点を認識用カメラ１の視野内に捕
える位置までボンディング対象物を移動させる制御信号
をＸテーブル６とＹテーブル７へ送出する。

現に位置を検出しようとするリードフレームの各リード
は、最初のリードフレームの各リードに対して僅かしか
ずれていないので、前記の制御信号に従って回転テーブ
ル５がボンディング対象物を回転させることによって、
位置を検出しようとするリードがその長さ方向をボンデ
ィング面内で照明方向とほぼ同じ方向に近付けられる。

その結果、現に位置を検出しようとするどのリードも明
瞭に認識用カメラに捕えられる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案のワイヤボンディング装置
は、ボンディング開始時の最初のリードフレームのリー
ド毎に予め定められた各位置決め点の座標データと、該
位置決め点の座標データと同じ座標系で表されたボンデ
ィング対象物の回転中心座標データと、ボンディング面
内での前記最初のリードフレームの各リードの長さ方向
を示す直線と照明方向を示す直線のボンディング面投影
線とがなす各交差角度のデータを用いて、現に位置を検
出しようとする２つ目以後のリードフレームの各リード
に対応した最初のリードフレームの各リードのボンディ
ング面内における長さ方向と照明方向を示す直線のボン
ディング面投影線の方向とが同じになる位置までボンデ
ィング対象物を回転させ、かつ位置を検出しようとする
各リードの位置決め点を認識用カメラの視野内に捕える
位置までボンディング対象物を移動させるようにしたこ
とによって、位置を検出しようとするどのリードも、そ
の長さ方向をボンディング面内で照明方向とほぼ同じ方
向に近付けることができ、その結果認識用カメラに明瞭
に捕えられるのでリード位置検出が確実に行えるという
利点を有する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案のワイヤボンディング装置の実施例の構
成図、第２図はリードと照明灯の位置関係を説明する図
である。 １……認識用カメラ、３……照明灯、 ４……ボンディング対象物保持テーブル、 ５……回転テーブル、６……Ｘテーブル、 ７……Ｙテーブル、１０……記憶部、１１……テーブル
駆動制御部、２１……第１のリード、２３……第３のリ
ード、４０……ボンディング面内での照明方向表示線、
４１，４３……ボンディング面内でのリードの長さ方向
表示線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】視野内にリードフレームのリードを捕える
   認識用カメラと；リードフレームのボンディング面を斜
   め方向に照明するとともに、照明方向と光源位置とが固
   定されている照明装置と；ボンディング対象物をそのボ
   ンディング面内で回転させる回転手段と；ボンディング
   対象物をそのボンディング面内で２次元移動させる移動
   手段と；ボンディング開始時の最初のリードフレームの
   リード毎に予め定められた各位置決め点の座標データ
   と、該位置決め点の座標データと同じ座標系で表される
   ボンディング対象物の回転中心座標データと、ボンディ
   ング面内で各リードの長さ方向を示す直線と照明装置の
   照明方向を示す直線のボンディング面投影線とがなす各
   交差角度のデータを記憶する記憶部と；位置を検出しよ
   うとする２つ目以後のリードフレームの各リードに対応
   した最初のリードフレームの各リードの交差角度データ
   と位置決め点の座標データ、ならびにボンディング対象
   物の回転中心座標データを記憶部から読み出し、前記の
   交差角度データに基づいて、位置検出をしようとするリ
   ードに対応した最初のリードフレームのリードのボンデ
   ィング面内における長さ方向と照明方向を示す直線のボ
   ンディング面投影線の方向とが同じになる位置までボン
   ディング対象物を回転させる制御信号を回転手段へ送出
   するとともに、位置検出をしようとするリードの位置決
   め点を認識用カメラの視野内に捕える位置までボンディ
   ング対象物を移動させる制御信号を移動手段へ送出する
   回転・移動制御部と；を具備することを特徴とするワイ
   ヤボンディング装置。