JPH0617278A - 電解槽の再起用方法 - Google Patents

電解槽の再起用方法

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JPH0617278A
JPH0617278A JP19656192A JP19656192A JPH0617278A JP H0617278 A JPH0617278 A JP H0617278A JP 19656192 A JP19656192 A JP 19656192A JP 19656192 A JP19656192 A JP 19656192A JP H0617278 A JPH0617278 A JP H0617278A
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Tetsuji Shimodaira
哲司 下平
Yoshihiko Saito
義彦 斉藤
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】42重量%以上の高濃度水酸化アルカリを製造
するイオン交換膜法電解槽を一時的に停止した後再起用
するにあたり、再起用後も安定した高い運転性能を与え
る再起用法を与える。 【構成】電解槽の陰極室に水または希薄水酸化アルカリ
水溶液を満たし、30分間以上、20〜70℃で保持し
た後、これを10〜40重量%の水酸化アルカリ水溶液
に置換した状態で再通電を行い、その後に定常状態の水
酸化アルカリの濃度まで高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素陽イオン交換
膜を用いたイオン交換膜法電解により陰極室に42重量
%以上の高濃度の水酸化アルカリを製造する電解槽を一
時的に停止した場合の再起用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】含フッ素陽イオン交換膜を隔膜として使
用し、塩化アルカリ水溶液を電解して水酸化アルカリと
塩素を製造する所謂イオン交換膜法アルカリ電解は、従
来法に比べて低いエネルギー消費量にて高純度の水酸化
アルカリを製造できることから、近年、国際的に普及し
つつある。
【0003】かかる、イオン交換膜法アルカリ電解にお
いては、初期の頃は、スルホン酸基をイオン交換基とす
る含フッ素イオン交換膜が使用されていたが、電流効率
を高くすることが困難であった。そのため、近年は、カ
ルボン酸基をイオン交換基とする陽イオン交換膜に変更
され、その結果、製造する水酸化アルカリ濃度が30〜
35重量%において、電流効率は93〜97%までに達
し、工業的にほぼ完成した域に達している。
【0004】一方、水酸化アルカリを得る商業的なイオ
ン交換膜法電解プロセスでは、定常運転時の水酸化アル
カリ濃度(陰極液濃度)や温度を適正な条件に管理する
ことに加えて、電解停止、再起用のような非定常時にお
ける運転方法が、電解性能を長期にわたって安定して得
るための重要な因子となっている。
【0005】再起用時の運転方法に関しては、一般に、
高い電解性能が得られる定常運転時の条件にできるだけ
近い条件で再通電することが好ましく、例えば、上記3
0〜35重量%の水酸化アルカリを得る場合、陰極液濃
度が25〜35重量%、温度が50〜80℃の条件で通
電を行い、再起用されている。さらにこの条件の中で
も、陰極液濃度が低い場合には再起用時の温度を低くす
るなどにより、膜の膨潤による性能低下を防いでいる。
一方、陰極液濃度が高い場合には、温度を高くするなど
により、再通電時の膜が受ける電気的ショックを緩和し
ている。
【0006】一方、近年、含フッ素陽イオン交換膜を使
用し、濃度42重量%以上の水酸化アルカリを90%以
上の高電流効率にて電解により直接製造する電解方法が
開示されている(特開昭63−310985、特開平1
−242794)。
【0007】しかし、これらの電解方法には定常運転に
おける好ましい運転条件は開示されているものの、再起
用のような非定常運転に関する方法は示されていない。
【0008】本発明者の研究によると、上記の濃度42
重量%以上の電解プロセスでは、従来行われている30
〜35重量%電解プロセスにおいて用いられている定常
運転条件に近い条件で再起用を行う場合には、意外なこ
とに電解性能が大きく低下することが見い出された。つ
まり、電解停止後定常運転条件に近い条件(例えば陰極
液水酸化アルカリ濃度40〜50重量%、温度75〜9
0℃)で再通電を行うと、電流効率が大幅に低下し、更
に場合によっては電解電圧の上昇も生じることが判明し
た。
【0009】この現象は未だ原因が明らかではないが、
以下のように考えられる。即ち濃度42重量%以上の水
酸化アルカリを製造するイオン交換膜電解槽では、電解
を停止すると、陽極から陰極に向かって流れる電気浸透
水が止まるため、イオン交換膜の陰極側は42重量%以
上の高濃度の水酸化アルカリに直接接することになり、
膜の極端な脱水が生じることになる。このため膜中のア
ルカリ金属イオンが非常に動き難い状態となる。かかる
状態において再び通電を行うと、相対的に水酸イオンの
移動性が増加するため電流効率が低下するものと推定さ
れる。また、ある場合に生じる電解電圧が上昇する理由
は、上記脱水により膜が収縮することによりもたらされ
るものと推定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、含フッ素陽
イオン交換膜を用いたイオン交換膜法電解により、濃度
42重量%以上、特には45〜55重量%の水酸化アル
カリを製造する電解槽を一時的に停止し、再起用するに
あたり、再起用後も安定した高い電解性能を発現させる
ための新規な電解槽の再起用方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして本発明は、含フ
ッ素陽イオン交換膜を用いたイオン交換膜法電解によっ
て陰極室に42重量%以上の高濃度の水酸化アルカリを
製造する電解槽を一時的に停止した後再起用するにあた
り、陰極室に水または希薄水酸化アルカリ水溶液を供給
して、30分間以上保持した後、該水または希薄水酸化
アルカリ水溶液を定常状態よりも低い濃度の水酸化アル
カリに置き換えた状態で再通電を行い、次いで陰極室の
水酸化アルカリ水溶液を定常状態の濃度にまで高めるこ
とを特徴とする。
【0012】本発明において使用される含フッ素陽イオ
ン交換膜は、水酸化アルカリを高電流効率で製造できる
含フッ素陽イオン交換膜であればいずれも使用できる
が、なかでも、カルボン酸基を有する含フッ素重合体か
らなる陽イオン交換膜層と、その陰極側に配した親水性
を有する多孔層とからなる複層陽イオン交換膜が好まし
い。陰極側の多孔層は42重量%以上の水酸化アルカリ
を長期にわたり高い電流効率で取得するために効果的で
ある。
【0013】膜抵抗を小さくし、かつ大きい膜強度を賦
与するために上記カルボン酸基を有する含フッ素重合体
よりも比抵抗の小さい含フッ素カルボン酸重合体フィル
ムや含フッ素スルホン酸重合体フィルムまたはそれらの
混合物からなるフィルムを陽極側に積層した多層構造の
陽イオン交換膜も使用できる。また、これらの陽イオン
交換膜は、ポリテトラフルオロエチレンなどの耐食性を
有する含フッ素重合体からなる織布または不織布にて補
強することができる。
【0014】本発明において上記陽イオン交換膜を構成
する含フッ素カルボン酸重合体および含フッ素スルホン
酸重合体とは、好ましくは次の(イ)および(ロ)の重
合単位をもつ共重合体からなる。
【0015】(イ)−(CF2 −CXX’)−、 (ロ)−{CF2 −CX(Y−A)}−。
【0016】ここでX、X’は、−F、−Cl、−Hま
たは−CF3 であり、Aは−SO3Mまたは−CO2
(Mは水素またはアルカリ金属を表す)であり、Yは、
次のものから選ばれるが、そこでZ、Z’は−Fまたは
炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基であり、x、
yは1〜10の整数を表す。
【0017】−(CF2x −、 −O−(CF2x −、 −(O−CF2 CFZ)x −、 −(O−CFZ−CF2x −O−(CFZ’)y −。
【0018】さらに、(イ)および(ロ)の重合単位の
他に、次のような重合単位を含んでいてもよい。なお、
Z、Z’およびxは上記と同じである。
【0019】−{CF2 −CF(O−Z)}−、 −{CF2 −CF(O−CF2 −CFZ’)x −O−
Z}−。
【0020】なお、上記重合体を形成する(イ)/
(ロ)の組成比(モル比)は、含フッ素重合体が好まし
くは0.5〜4.0ミリ当量/g乾燥樹脂、特には0.
7〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂のイオン交換容量を形
成するように選ばれる。
【0021】上記含フッ素重合体は、好ましくはパーフ
ルオロカーボン重合体が適切であり、その好ましい例
は、CF2 =CF2 とCF2 =CFOCF2 CF(CF
3 )OCF2 CF2 SO2 Fとの共重合体、CF2 =C
2 とCF2 =CFO(CF22-5 SO2 Fとの共重
合体、CF2 =CF2 とCF2 =CFO(CF21-5
COOCH3 との共重合体、CF2 =CF2 とCF2
CFO(CF22-5 CO2 CH3 との共重合体、更に
は、CF2 =CF2 とCF2 =CFOCF2 CF(CF
3 )OCF2 CF2 COOCH3 との共重合体が例示さ
れる。
【0022】陽イオン交換膜層の陰極側に配される上記
親水性を有する多孔層は、無機物粒子および親水基を有
する含フッ素重合体から形成されるのが好ましい。高濃
度、特に42重量%以上の水酸化アルカリ中での安定性
の観点から親水基は−SO3M(Mは前記と同じ)であ
ることが好ましい。
【0023】上記無機物粒子と親水基を有する含フッ素
重合体からなる多孔層は、好ましくは多孔率5〜95
%、より好ましくは10〜85%を有するが、これは種
々の方法で製造することができる。例えば、親水基を有
する含フッ素重合体の溶液に好ましくは耐アルカリ性の
無機物粒子または小繊維を分散させた混合物からキャス
ト製膜し、乾燥する方法、親水基を有する含フッ素重合
体に無機物粒子を混合、混練した後加熱、成形して薄膜
化し、延伸して多孔フィルム化する方法、メチルセルロ
ースなどの水溶性の適宜のバインダーを使用して無機物
粒子の多孔層を形成し、かかる2つの多孔層の間に親水
基を有する含フッ素重合体のフィルムで挟み、加熱、圧
着する方法などが挙げられる。
【0024】無機物粒子としては、好ましくは粒径0.
1〜20μmを有し、これらの好ましい例は、チタン、
ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム、タンタル、インジ
ウム、スズ等の酸化物、窒化物、炭化物、水酸化物、ケ
イ素の酸化物、炭化物の単独または混合物である。
【0025】陽イオン交換膜層と多孔層との複層化は、
上記により得られた多孔層と陽イオン交換膜層とを加
熱、圧着することで行うことができる。また、多孔層を
キャスト法で製膜する場合には、無機物粒子と親水基を
有する含フッ素重合体の混合溶液を陽イオン交換膜層に
直接塗布、乾燥することで複層化することもでき、更に
多孔層と陽イオン交換膜層の接着力を高めるために加熱
圧着処理を行うこともできる。
【0026】上記した陽イオン交換膜層と多孔層との複
層膜は、そのままでも使用できるが、好ましくは、陽イ
オン交換膜の少なくとも一表面に、特に好ましくは、陽
極側表面に塩素ガス開放のための処理を施すことによ
り、電流効率の長期安定性を更に改良することができ
る。
【0027】陽イオン交換膜の表面にガス開放のための
処理を施す方法としては、膜表面に微細な凹凸を施す方
法(特公昭60−26495)、電解槽に鉄、ジルコニ
ア等を含む液を供給して、膜表面に親水性無機粒子を付
着する方法(特開昭56−152980)、ガスおよび
液透過性の電極活性を有しない粒子を含む多孔層を設け
る方法(特開昭56−75583および特開昭57−3
9185)等が例示される。かかる陽イオン交換膜の表
面のガス開放層は電流効果の長期的安定性を改良する効
果のほかに電解下における電圧を更に改良することがで
きる。
【0028】本発明において上記陽イオン交換膜を使用
し、濃度42重量%以上の水酸化アルカリを製造する電
解条件としては、例えば上記した特開昭54−1123
98に記載されるような既知の条件が採用できる。例え
ば陽極室には好ましくは2.5〜5.0規定(N)の塩
化アルカリ水溶液を供給し、陰極室には水または希釈水
酸化アルカリを供給しまたはこれらを供給することな
く、好ましくは50〜120℃、5〜100A/dm2
で電解される。かかる場合、塩化アルカリ水溶液中のカ
ルシウムおよびマグネシウム、ヨウ素イオンなどの不純
物重金属イオンは、イオン交換膜の劣化を招くので、可
及的に小さくせしめるのが好ましい。
【0029】そして、本発明は、上記高濃度の水酸化ア
ルカリを製造する電解を種々の理由により一時的に停止
した後再起用を行う場合の運転方法を提供するものであ
るが、再起用後も安定した性能を発現させるために次の
手段が採用される。即ち、電解槽の通電を停止した後、
陰極室の水酸化アルカリを徐々に水または希薄水酸化ア
ルカリ水溶液に置換していくことにより、陰極室に水ま
たは希薄水酸化アルカリを満たし、その後陰極液を上記
水または希薄水酸化アルカリから所定の濃度の水酸化ア
ルカリ水溶液に置換した後再通電を行い、その後目的と
する定常運転濃度まで陰極室水酸化アルカリ濃度を上昇
させることにより、再起用後も高い電解性能を維持でき
ることを見い出したものである。
【0030】電解槽の停止は種々の理由により生じる
が、計画的に停止させる場合には、停止の2時間以上前
に予め陰極室水酸化アルカリ濃度を40重量%以下に下
げた状態で通電を停止することが好ましい。
【0031】陰極室での保持に用いる希薄水酸化アルカ
リ水溶液とは、好ましくは5重量%以下の水酸化アルカ
リ水溶液である。5重量%を超えた濃度では、陰極室で
の保持を本発明の条件で行っても、再起用後安定した電
解性能が得られない。
【0032】陰極室での水または希薄水酸化アルカリ水
溶液の保持は、好ましくは温度20〜70℃で30分間
以上、好ましくは30分〜1日間行う。特には30〜6
0℃、1〜8時間の保持が好ましい。保持温度および保
持時間が70℃および1日を超えると膜が不可逆に膨潤
してしまい、電流効率の低下が生じる。また20℃およ
び30分未満では、再起用後安定した電解性能が得られ
ない。
【0033】再通電時の陰極室水酸化アルカリ濃度は、
定常運転時の陰極室の水酸化アルカリの濃度よりも小さ
い、好ましくは10〜40重量%が選ばれ、特には15
〜30重量%が好ましい。10重量%未満および40重
量%超では膜にブリスターが発生する場合があり好まし
くない。
【0034】再通電時の陰極室水酸化アルカリ水溶液温
度は20〜90℃、なかでも40〜80℃であることが
好ましい。90℃超の温度は、定常運転時を超える温度
のため好ましくなく、また20℃未満とするには冷却設
備が必要であり、実際的ではない。
【0035】
【作用】本発明において、安定した電解性能が得られる
理由は必ずしも明確ではないが、本発明により、膜の陰
極側の脱水状態が、陰極室に水または希薄水酸化アルカ
リ水溶液を供給することによって適切な含水状態に戻る
ため、アルカリ金属イオンが移動しやすい状態になるた
めと考えられる。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるも
のではない。なお、実施例および比較例における電解は
有効通電面積0.25dm2 の温度調節装置を備えた電
解槽を用い、陽極としてはチタンのパンチドメタル(短
軸4mm、長軸8mmの菱形開口を有する)に酸化ルテ
ニウムと酸化イリジウムと酸化チタンとの固溶体を被覆
したものを用い、陰極としてはSUS304製パンチド
メタル(短軸4mm、長軸8mmの菱形開口を有する)
にルテニウム入りラネーニッケル(ルテニウム5%、ニ
ッケル50%、アルミニウム45%)を電着したものを
用いた。
【0037】電解槽は、陽極と陽イオン交換膜と陰極と
を接触するように配置させ、陽極室に5Nの塩化ナトリ
ウム水溶液を、陰極室に水を供給しつつ、定常運転では
陽極室の塩化ナトリウム濃度を3.2〜3.6Nに、ま
た陰極室の水酸化ナトリウム濃度を50重量%に調整
し、90℃、電流密度30A/dm2 にて電解した。
【0038】各実施例および比較例は20日間の初期定
常運転を行った後、電解を停止した。陰極室の水酸化ナ
トリウムを排出し、代りに水を供給して満たし、表1に
示した各「水の保持条件」で保持した。次いで陰極室の
水を表1の各「再通電時の条件」に示した濃度および温
度の水酸化ナトリウム水溶液で置き換えた状態で通電を
再開した。その後、陰極室水酸化ナトリウム水溶液の濃
度を6時間かけて定常状態の濃度に上昇させ、その後2
0日間の定常運転を行ったものである。
【0039】実施例および比較例で用いた含フツ素陽イ
オン交換膜は次の方法で製膜した。即ち、CF2 =CF
2 /CF2 =CFOCF2 CF2 CF2 CO2 CH3
重合体からなるイオン交換容量がそれぞれ1.25、
1.44、1.80ミリ当量/g乾燥樹脂の樹脂A、
B、C、およびCF2 =CF2 /CF2 =CFOCF2
CF(CF3 )OCF2 CF2 SO2 F共重合体からな
るイオン交換容量が1.10ミリ当量/g乾燥樹脂の樹
脂Dを合成した。また上記樹脂Cと樹脂Dを1:1の重
量比でブレンドした樹脂Eを得た。
【0040】次に樹脂Aから厚み20μmのフィルム
A、樹脂Bから厚み100μmのフィルムB、樹脂Dか
ら厚み10μmのフィルムD、樹脂Eから厚み30μm
のフィルムEを溶融押出し法により成形し、次にA、
B、E、Dの順に加熱圧着することで陽イオン交換膜層
を得た。
【0041】次に樹脂Dの酸型ポリマーの9.5重量%
エタノール溶液に、平均粒径5μmのZrO2 を15.
8重量%分散させた混合液を調合し、この混合液を上記
陽イオン交換層のフィルムA面側に塗布・乾燥して、厚
み60μmの親水性を有する多孔層を形成させ、陽イオ
ン交換膜層と多孔層の複層陽イオン交換膜を得た。
【0042】次いで、樹脂Dの酸型ポリマーの25重量
%エタノール溶液に、平均粒径3μmのSiCを20重
量%分散させた混合液を調合し、この混合液を上記複層
陽イオン交換膜の両面に、1cm2 当り固形分として
1.5mgとなるよう噴霧し、ガス開放性被膜を付着さ
せた。
【0043】この膜を25重量%水酸化ナトリウム水溶
液、70℃で16時間加水分解し、電解に用いた。上記
電解の結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】本発明の条件により再通電を行った場合、
再起用後も安定した電解性能を発現しているが、本発明
をはずれた条件により再通電を行った場合、再起用前後
で3〜5%もの電流効率低下が生じた。
【0046】
【発明の効果】イオン交換膜法電解によって42重量%
以上の高濃度の水酸化アルカリを直接製造する電解槽を
一時的に停止した後再起用するにあたり、再起用後も安
定した高い電解性能が簡便な方法によって得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含フッ素陽イオン交換膜を用いたイオン交
    換膜法電解によって陰極室に42重量%以上の高濃度の
    水酸化アルカリを製造する電解槽を一時的に停止した後
    再起用するにあたり、陰極室に水または希薄水酸化アル
    カリ水溶液を供給して30分間以上保持した後、該水ま
    たは希薄水酸化アルカリ水溶液を定常状態よりも低い濃
    度の水酸化アルカリ水溶液に置き換えた状態で再通電を
    行い、次いで陰極室の水酸化アルカリ水溶液を定常状態
    の濃度にまで高めることを特徴とする電解槽の再起用方
    法。
  2. 【請求項2】陰極室に供給する水または希薄水酸化アル
    カリ水溶液の温度が20〜70℃である請求項1の再起
    用方法。
  3. 【請求項3】定常状態よりも低い濃度の水酸化アルカリ
    水溶液が濃度10〜40重量%を有する請求項1または
    2の再起用方法。
  4. 【請求項4】定常状態よりも低い濃度の水酸化アルカリ
    水溶液の温度が20〜90℃にて再通電を行う請求項
    1、2または3の再起用方法。
  5. 【請求項5】含フッ素陽イオン交換膜が、カルボン酸基
    を有する含フッ素重合体からなる陽イオン交換膜層と、
    その陰極側の親水性を有する多孔層との複層膜である請
    求項1、2、3または4の再起用方法。
  6. 【請求項6】親水性を有する多孔層が、無機物粒子およ
    び親水基を有する含フッ素重合体からなる請求項5の再
    起用方法。
  7. 【請求項7】親水基を有する含フッ素重合体が、スルホ
    ン酸基を有する含フッ素重合体である請求項6の再起用
    方法。
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