JPH0617134A - 板ばねの焼入れ方法および拘束装置 - Google Patents

板ばねの焼入れ方法および拘束装置

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JPH0617134A
JPH0617134A JP4083419A JP8341992A JPH0617134A JP H0617134 A JPH0617134 A JP H0617134A JP 4083419 A JP4083419 A JP 4083419A JP 8341992 A JP8341992 A JP 8341992A JP H0617134 A JPH0617134 A JP H0617134A
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leaf spring
restraint
quenching
fixed
oil
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JP4083419A
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Motoo Morita
元夫 森田
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Morita and Company Co Ltd
Original Assignee
Morita and Company Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板ばねの焼入れに際し、その板厚および板幅
方向の歪の発生を防止する。 【構成】 油槽12の内部に配設した固定軸15に、5
基の円盤が配設され、各円盤に支持基体19が回動自在
に外嵌される。各支持基体19の外周面に、8基の拘束
治具22が夫々配設され、固定軸15の軸方向に整列す
る5基の拘束治具22により、板ばね10が拘束され
る。拘束治具22の基台29に「レ」字状の固定爪30が
配設されると共に、該基台29に可動爪31が回動自在
に枢支される。可動爪31における固定爪30の上方に
臨む開放端部は、「へ」字状に折曲される。両爪30,3
1の間に幅方向が垂直となる状態で介装された板ばね1
0は、その板幅および板厚の両方向が拘束される。この
状態で5基の支持基体19を同期的に回転することによ
って、拘束された板ばね10が油中に浸漬される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板ばねの焼入れ方法お
よび拘束装置に関し、更に詳細には、所要のキャンバー
を付与した板ばねの板厚および板幅方向を拘束した状態
で、該板ばねを油中に浸漬して焼入れすることにより、
焼入れ時に生ずる歪の発生を有効に防止して高精度での
焼入れを達成し得る焼入れ方法および拘束装置に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】鉄道やトラック等の陸上移動車輛には、図
14に示す如く、複数枚の板ばね10を積層結合してな
る懸架装置が好適に使用されている。この板ばね10
は、所要厚みに圧延された板材に所要の加工、例えば板
材の一端または両端に「目玉」を形成したり、他端部にテ
ーパを形成したりする加工を施した後、全体を加熱した
状態で所要の「そり」すなわちキャンバーが付与される。
このキャンバーは、中央から左右に向かうにつれ、その
曲率が徐々に減少する型式や曲率が徐々に増大する型
式、その他中央部が平坦になる型式等、用途や荷重応力
に応じて種々のものが存在する。そしてキャンバーが付
与された板ばね10は、油槽に貯留した焼入れ油中に浸
漬されて焼入れがなされる。
【0003】前記キャンバーが形成された板ばね10を
焼入れする際に、該板ばね10を拘束しない自由状態で
油中に浸漬させると、その冷却過程で歪みを生ずる重大
な問題がある。殊に板ばね10の板厚方向に歪みが発生
すると、キャンバー形状自体が変わってしまい、正規の
製品として使用し得なくなる。そこで従来は、キャンバ
ーを付した板ばね10の板厚方向を強制的に拘束した状
態で、焼入れ油中に浸漬することによって、前述した冷
却に伴う歪みの発生を防止することが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した如く、板ばね
10の焼入れに際してその板厚方向を強制的に拘束する
ことにより、キャンバー形状に影響を及ぼす板厚方向の
歪みは規制される。しかるに板ばね10における板幅方
向は拘束されていないので、焼入れに際して板ばね10
は板幅方向に歪みを生ずるおそれがあった。但し、板ば
ね10における板幅方向の歪みは、キャンバー形状に影
響を及ぼすものでないため、焼入れ後に作業者が矯正す
ることによって正規の製品として使用に供することがで
きるものであった。
【0005】しかしながら、各板ばね10によって板幅
方向の歪みの度合は異なり、これを規定の公差範囲に収
まるよう矯正するには熟練を要していた。すなわち、焼
入れ後に煩雑で時間の掛かる矯正作業を必要とし、板ば
ね10の生産能率が低下する欠点があった。
【0006】
【発明の目的】この発明は、前述した板ばねを焼入れす
る際に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決
するべく提案されたものであって、板ばねの板厚および
板幅方向の歪みの発生を抑制して高精度での焼入れを達
成すると共に、生産性を向上させ得る新規な板ばねの焼
入れ方法および拘束装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を克服し、所
期の目的を達成するため本発明に係る板ばねの焼入れ方
法は、所要のキャンバーを付された板ばねを油中に浸漬
して焼入れするに際し、前記板ばねの板厚方向および板
幅方向を拘束した状態で油中に浸漬するようにしたこと
を特徴とする。
【0008】また、本願の別の発明に係る板ばねの拘束
装置は、焼入れ油が貯留された油槽の内部に配設され、
所要のキャンバーを付された板ばねを拘束する拘束装置
であって、前記油槽に配設した固定軸に回転自在に枢支
されると共に、該固定軸の軸方向に移動自在な複数の支
持基体と、前記各支持基体に対応的に連結され、該支持
基体を前記固定軸に沿って移動させることにより、各支
持基体の間隔を調節する幅調節手段と、前記支持基体の
外周面に周方向への移動調節自在に配設され、前記板ば
ねの板厚および板幅方向を拘束可能な拘束治具と、前記
拘束治具を板ばねの拘束状態と解放状態とに切換え可能
な切換え手段と、前記支持基体に対する拘束治具の周方
向の相対位置を変位可能な調節手段と、前記複数の支持
基体を同期的に回転させる駆動手段とからなり、前記板
ばねのキャンバー形状に沿って整列した複数の拘束治具
により、前記板ばねをその板厚および板幅方向において
拘束し、次いで全ての支持基体を同期回転することによ
って板ばねを油中に浸漬するよう構成したことを特徴と
する。
【0009】
【実施例】次に、本発明に係る板ばねの焼入れ方法につ
き、これを好適に実施し得る装置との関係において、好
適な実施例を挙げて以下説明する。
【0010】(焼入れ装置の全体構成について)図1は、
本発明に係る焼入れ方法を、好適に実施し得る焼入れ装
置の一例を示す概略構成図である。該焼入れ装置11
は、所定量の焼入れ油が貯留された油槽12と、この油
槽12の内部に配設された板ばね10の拘束装置13
と、油槽12の内部に配設されて拘束装置13から移載
された板ばね10を移送するコンベヤ14とから基本的
に構成される。そして、前工程で所要のキャンバーが付
与された板ばね10を、拘束装置13によりその板厚お
よび板幅方向を拘束した状態で油中に所定時間に亘って
浸漬することにより、該板ばね10に焼入れを施すよう
になっている。なお、拘束状態での焼入れが施されてキ
ャンバー形状が安定した板ばね10は、拘束装置13か
らコンベヤ14に移載されて非拘束状態で所定時間に亘
って油中を移送されることによって更に焼入れが施され
る。
【0011】(拘束装置の支持基体について)前記油槽1
2の内部には、板ばね10の供給方向上流側に、該供給
方向と交差する固定軸15が配設され、図2に示す如
く、この固定軸15の軸方向中央部に、固定円盤16が
軸方向および周方向に移動不能に配設固定されている。
また固定円盤16を挟む両側に臨む固定軸15はスプラ
イン軸となっており、この部位に夫々2基の移動円盤1
7,17が周方向の回動を規制された状態で、軸方向へ
の移動自在に外嵌されている。そして固定円盤16の両
側に位置する各移動円盤17は、後述する幅調節機構1
8を介して固定円盤16からの離間距離を調節可能に構
成されている。なお、4基の移動円盤17については、
説明の便宜上、図2において左側から順に第1移動円
盤、第2移動円盤、第3移動円盤および第4移動円盤と
称指する場合もある。
【0012】前記固定円盤16および4基の移動円盤1
7には、図3に示す如く、外周が多角形状(実施例では
八角形状)に形成された環状の支持基体19が、その大
部分を油中に浸漬した状態で夫々回転自在に外嵌され
る。なお、支持基体19の構成は同一であるので、第1
移動円盤17に配設した支持基体19の構成について説
明し、その他の支持基体19の同一部材には同一符号を
付して示す。
【0013】前記支持基体19は、図5に示す如く、第
1移動円盤17に軸受を介して回転自在に外嵌される円
筒部19aの軸方向一端に、外周が八角形状に形成され
る支持部20が突出形成される。この支持部20の8個
所の支持面20a,20b・・・20g,20hには、周
方向に延在するガイドレール21が夫々配設されると共
に、該レール21に板ばね10の拘束治具22(後述)が
摺動自在に配設される。そして、前記固定軸15の軸方
向に整列する同一支持面20a(20b・・・20g,2
0h)に位置する5基の拘束治具22により、板ばね1
0を長手方向の5個所で、その板厚および板幅の両方向
において拘束するよう構成されている(図6および図9
参照)。
【0014】また円筒部19aの他端に主歯車23が一
体的に形成され、該主歯車23は、後述する駆動・調節
機構24の駆動歯車25に噛合している。そして駆動・
調節機構24を付勢することにより、両歯車23,25
の噛合作用下に支持基体19が第1移動円盤17の外周
を所定角度(実施例では45°)づつ間欠的に回転するよ
う設定されている。すなわち、油面の上方の供給位置に
臨む5基の拘束治具22に、前工程から供給した板ばね
10を拘束した状態で、5基の支持基体19を同期的に
回転することによって、拘束された板ばね10を油中に
浸漬することができる。
【0015】前記円筒部19aにおける支持部20と主
歯車23との間に臨む位置に、軸受を介して副歯車26
が回転自在に遊嵌され、この副歯車26は、前記駆動・
調節機構24における調節歯車27との噛合作用下に、
主歯車23とは独立して回転駆動されるようになってい
る。また副歯車26には、図4に示す如く、支持部20
と対向する側面にボスが形成され、このボスの周方向に
所要間隔で8個の突部26aが突設されている。そして
各突部26aに、支持部20に配設された対応の拘束治
具22が連杆28を介して夫々に連結されて、副歯車2
6と8基の拘束治具22とが一体的に移動するよう構成
されている。
【0016】すなわち、主歯車23と副歯車26とを同
一角度だけ回動すれば、支持部20の各支持面20a〜
20hに対する拘束治具22の相対的な位置は変化しな
い。しかるに、主歯車23と副歯車26との回転角度を
異ならせることにより(実施例では副歯車26を停止し
た状態で、主歯車23のみを回転させる)、支持部20
の各支持面20a〜20hに対する拘束治具22の相対
的な位置を変化させることができる。これにより、前記
固定軸15の軸方向に整列する5基の拘束治具22の位
置を、板ばね10のキャンバー形状に合わせて位置調節
し得るものである。
【0017】(拘束治具について)前記支持基体19に配
設される拘束治具22は、所要のキャンバーが付与され
た板ばね10を、その板厚および板幅の両方向から拘束
するものであって、支持基体19に配設した8基の拘束
治具22の構成は同一であるので、前記支持部20の支
持面20aに配設した拘束治具22の構成につき図6を
参照して主に説明する。
【0018】前記支持基体19における支持部20の支
持面20aに配設したガイドレール21に、基台29が
摺動自在に配設されると共に、該基台29の長手方向
(支持基体19の周方向)の一端に、「レ」字状の固定爪3
0が配設される。また基台29に可動爪31の一端が回
動自在に枢支され、該可動爪31における固定爪30の
上方に臨む開放端部が「へ」字状に折曲されている。更
に、基台29に支持棒32が傾動自在に立設され、該支
持棒32の適宜位置に配設したナット33と可動爪31
の上端との間に圧縮ばね34が弾力的に介装され、可動
爪31は圧縮ばね34の弾力作用下に常に固定爪30に
近接する方向に付勢されている。すなわち、両爪30,
31の間に幅方向が垂直となる状態で介装した板ばね1
0は、圧縮ばね34の弾力作用によって、両爪30,3
1で強固に挟持される。なお、圧縮ばね34の弾力は、
板ばね10の焼入れに際して歪の発生を規制し得る値に
設定されている。また圧縮ばね34と可動爪31との間
に半円状の座81が介装され、可動爪31が回動しても
圧縮ばね34の弾力が該可動爪31に適正に加わるよう
になっている。
【0019】ここで、前記固定爪30と可動爪31とが
図に示す形状に形成されているので、両爪30,31に
より板ばね10が幅方向から挟持された際には、該板ば
ね10の厚み方向一側が固定爪30の垂直面30aに押
圧される。これにより、板ばね10は板幅および板厚の
両方向が拘束されることとなり、焼入れに際して板ばね
10の板幅および板厚方向の歪みの発生を抑制すること
ができる。なお、実施例では板ばね10の板幅および板
厚方向の拘束を同一部材により行なうようにしたが、夫
々の方向を別部材により拘束するようにしてもよい。ま
た、両爪30,31を固定軸15の軸方向に回動可能に
構成すれば、板ばね10を挟持する際に、両爪30,3
1が板ばね10の端縁部に沿って平行に倣い、傷の発生
を防止することができる。
【0020】(可動爪の切換え手段について)前記可動爪
31の基台29に対する枢支部には、図3に示す如く、
支持基体19の半径方向内方に延出する腕部35が一体
的に形成され、該腕部35の先端にフォロワ36が回転
自在に枢支してある。このカムフォロワ36は、前記移
動円盤17(固定円盤16)に一体的に形成した固定カム
37の外周面に当接可能に設定されている。また固定カ
ム37には、図に示す如く、固定軸15の上方に臨む部
位に所要中心角で形成された大径部37aと、それ以外
の小径部37bとが形成されている。そして大径部37
aにフォロワ36が当接している間は、前記可動爪31
は圧縮ばね34の弾力に抗して固定爪30から離間する
解放状態に保持される。またフォロワ36が大径部37
aから小径部37bに移行すると、前記可動爪31が圧
縮ばね34の弾力作用下に固定爪30に近接して、板ば
ね10を挟持可能に設定されている。なお、固定カム3
7の大径部37aは、前工程からの板ばね供給位置に臨
む拘束治具22および拘束装置13からの板ばね取出し
位置に臨む拘束治具22を解放状態に保持し得る範囲で
形成されている。
【0021】前記基台29には、図5および図6に示す
如く、前記支持基体29に配設した副歯車26と対向す
る側面に連杆28の一端がピン接続されると共に、該連
杆28の他端が前記突部26aにピン接続されている。
これにより、副歯車26と主歯車23との回転角度を異
ならせた場合に、拘束治具22をガイドレール21に沿
って平行に移動させることができる。
【0022】(支持基体および拘束治具の駆動・調節機
構について)前記油槽12の上方には、全ての支持基体
19を同期して45°ずつ間欠回転させると共に、各基
体19に配設した拘束治具22の相対的な位置を変位さ
せる駆動・調節機構24が配設される。
【0023】すなわち油槽12の上方に、図2に示す如
く、前記固定軸15と平行な駆動軸38が適宜の固定部
に回転自在に枢支され、該駆動軸38に、前記各支持基
体19に一体形成した主歯車23と噛合する駆動歯車2
5が対応的に配設されている。この駆動歯車25は、駆
動軸38に対してスプライン結合され、前記幅調節機構
18により移動される保持部材39により駆動軸38の
軸方向に移動されるよう構成されている。但し、前記固
定円盤16に配設される中央の支持基体19に対応する
保持部材39は、適宜の固定部に位置決め固定されて移
動不能となっている。なお、中央に固定配置された保持
部材39を除く保持部材39については、説明の便宜
上、前記移動円盤17と対応して、図2において左側か
ら順に第1保持部材,第2保持部材,第3保持部材,第
4保持部材と指称する場合もある。
【0024】前記駆動軸38の一端には、サーボモータ
40が接続され、該サーボモータ40を作動することに
より、全ての駆動歯車25が同期的に回転し、これら歯
車25に主歯車23が噛合する5基の支持基体19が、
移動円盤17または固定円盤16に対して45°づつ間
欠的に同期回転するよう設定してある。なお、前記保持
部材39は、駆動軸38に対してはその回転を許容する
状態で配設されることは勿論である。
【0025】また駆動軸38には、図2に示す如く、各
駆動歯車25に隣接して調節歯車27が配設され、該調
節歯車27が支持基体19に回転自在に遊嵌した副歯車
26に噛合している。調節歯車27は、前記保持部材3
9に配設したブレーキ付きクラッチ41を介して駆動軸
38に対して連結および連結解除可能に構成されてい
る。従って、ブレーキ付きクラッチ41を介して調節歯
車27を駆動軸38に連結した状態で、該駆動軸38を
回転すれば、調節歯車27と駆動歯車25とが同期的に
回転し、支持基体19と副歯車26とは相対位置が変位
することなく一体的に回転する。これにより、支持基体
19に対する8基の拘束治具22の相対位置は変位する
ことはない。
【0026】これに対し、ブレーキ付きクラッチ41に
より調節歯車27を駆動軸38に対して連結解除した状
態で、駆動軸38を回転すると、調節歯車27が停止し
た状態で駆動歯車25のみが回転することとなる。この
ときには、駆動歯車25と噛合する主歯車23を介して
支持基体19は回転するが、調節歯車27と噛合する副
歯車26は回転しないので、該副歯車26に連結されて
いる8基の拘束治具22と支持基体19との相対位置が
変位する。なお、前記5基の調節歯車27に対応するブ
レーキ付きクラッチ41は、夫々個別に切換え制御可能
に構成され、各支持基体19に対する拘束治具22の変
位量を異ならせることができるようになっている。
【0027】なお、前記サーボモータ40には、該モー
タの回転数を検出する検知手段(図示せず)が配設され、
該検知手段からの検出信号は、例えばマイクロコンピュ
ータを内蔵した制御手段(図示せず)に入力されるように
なっている。またブレーキ付きクラッチ41は、制御手
段により切換え制御されるよう設定してある。従って、
予め制御手段に板ばね10のキャンバー形状に関するデ
ータを入力しておけば、拘束治具22の位置調節を行な
うに際し、該データに基づいてブレーキ付きクラッチ4
1の切換え制御を行なうことにより、前記固定軸15に
沿って整列する5基の拘束治具22を、板ばね10のキ
ャンバー形状に一致する配列に位置調節することができ
る(図9参照)。
【0028】(幅調節機構について)オーダ変更等により
前記板ばね10の長さ寸法が変わった場合は、前記移動
円盤17を固定円盤16に対して近接離間移動すること
により、各支持基体19間の幅調節を行なって、板ばね
10を5基の拘束治具22により適正な位置で拘束させ
る必要がある。このため、拘束装置13には、各移動円
盤17を固定軸15に沿って軸方向に移動させる幅調節
機構18が対応的に設けられている。また幅調節機構1
8は、前記駆動・調節機構24の各駆動歯車25および
調節歯車27を支持基体19と一体的に移動させるよう
構成してある。なお、幅調節機構18は、前記固定軸1
5に対して移動自在に配設した4基の移動円盤17に対
して夫々設けられるが、その構成は同一であるので、図
2において固定円盤16の左側に配設した第1および第
2移動円盤17,17の幅調節機構18,18の構成につ
いて主に説明し、右側の幅調節機構18,18について
はその詳細説明は省略する。
【0029】前記移動円盤17には、図3に示す如く、
第1通孔17aと第2通孔17bとが並列に穿設される
と共に、両移動円盤17,17の第1通孔17a,17a
および第2通孔17b,17bは夫々軸方向に整列して
いる。そして、第1通孔17a,17aおよび第2通孔
17b,17bには、図7に示す如く、軸方向一端を固
定円盤16に回転自在に枢支した第1ねじ軸42および
第2ねじ軸43が対応的に挿通されている。また第1移
動円盤17における第1通孔17aには、第1ねじ軸4
2と噛合するナット44が配設固定され、第1ねじ軸4
2を正逆方向に回転することにより、第1移動円盤17
が軸方向に移動するようになっている。なお、第2移動
円盤17における第1通孔17aに対して、第1ねじ軸
42は自由回転可能に挿通され、第1ねじ軸42の回転
により移動しないよう設定してある。更に、第2移動円
盤17における第2通孔17bには、第2ねじ軸43と
噛合するナット45が配設固定され、第2ねじ軸43を
正逆方向に回転することにより、第2移動円盤17が軸
方向に移動するようになっている。なお、第1移動円盤
17における第2通孔17bに対して、第2ねじ軸43
は自由回転可能に挿通され、第2ねじ軸43の回転によ
り移動しないよう設定してある。
【0030】前記第1ねじ軸42および第2ねじ軸43
における第1移動円盤17から外方に延出している部位
に、ベベルギヤ42a,43aが配設されている。また
各軸42,43に対応して、これと直交する第1垂直軸
48および第2垂直軸49が、図示しない固定部に回転
自在に枢支されており、第1垂直軸48の下端に配設し
たベベルギヤ48aが第1ねじ軸42のベベルギヤ42
aに噛合し、また第2垂直軸49の下端に配設したベベ
ルギヤ49aが第2ねじ軸43のベベルギヤ43aに噛
合している。両垂直軸48,49は、後述するサーボモ
ータ52,53により正逆方向に回転駆動されるように
なっており、これにより第1移動円盤17および第2移
動円盤17を独立して軸方向に移動調節することができ
る。
【0031】前記駆動・調節機構24における中央の保
持部材39(固定円盤16に対応するもの)は、図2に示
す如く、適宜の固定部に配設固定されて移動不能に構成
されている。中央の保持部材39の左側に位置する各保
持部材39には、図8に示す如く、第1通孔39aと第
2通孔39bとが並列に穿設されると共に、両保持部材
39,39の第1通孔39a,39aおよび第2通孔39
b,39bは夫々軸方向に整列している。また第1通孔
39a,39aおよび第2通孔39b,39bには、軸方
向一端を中央の保持部材39に回転自在に枢支した第1
ねじ軸54および第2ねじ軸55が対応的に挿通されて
いる。そして、第1ねじ軸54は、第1保持部材39に
対して螺合されると共に、第2保持部材39に対しては
自由回転可能となっている。また第2ねじ軸55は、第
2保持部材39に対して螺合されると共に、第1保持部
材39に対しては自由回転可能となっている。
【0032】前記第1ねじ軸54および第2ねじ軸55
には、第1保持部材39から外方に延出する部位にベベ
ルギヤ54a,55aが配設される。そして、第1ねじ
軸54のベベルギヤ54aに、前記第1垂直軸48の上
端に配設したベベルギヤ48bが噛合し、また第2ねじ
軸55のベベルギヤ55aに、前記第2垂直軸49の上
端に配設したベベルギヤ49bが噛合している。更に、
第1ねじ軸54および第2ねじ軸55の軸端は、第1サ
ーボモータ52および第2サーボモータ53に連結され
ている。
【0033】すなわち、第1サーボモータ52を正逆方
向に付勢して第1ねじ軸54を回転すれば、第1保持部
材39が前記駆動軸38に沿って移動すると共に、第1
垂直軸48および第1ねじ軸42を介して第1移動円盤
17が固定軸15に沿って移動する。また同様に、第2
サーボモータ53を正逆方向に付勢して第2ねじ軸55
を回転すれば、第2保持部材39が前記駆動軸38に沿
って移動すると共に、第2垂直軸49および第2ねじ軸
43を介して第2移動円盤17が固定軸15に沿って移
動する。これにより、支持基体19の主歯車23および
副歯車26と、駆動・調節機構24の駆動歯車25およ
び調節歯車27が噛合した状態で、両者を移動調節する
ことができる。
【0034】なお、前記固定円盤16の右方に配設した
第3および第4移動円盤17,17は、左方に配設した
第1および第2移動円盤17,17と同様に、幅調節機
構18,18により独立して移動される。すなわち、図
7および図8に示す如く、第3移動円盤17は、第3ね
じ軸46,ベベルギヤ46a,ベベルギヤ50a,第3垂
直軸50,ベベルギヤ50b,ベベルギヤ56a,第3ね
じ軸56および第3サーボモータ58により移動調節さ
れる。また第3保持部材39は、第3ねじ軸56を介し
て移動調節される。更に、第4移動円盤17は、第4ね
じ軸47,ベベルギヤ47a,ベベルギヤ51a,第4垂
直軸51,ベベルギヤ51b,ベベルギヤ57a,第4ね
じ軸57および第4サーボモータ59により移動調節さ
れる。また第4保持部材39は、第4ねじ軸57を介し
て移動調節される。
【0035】前記4基の移動円盤17を移動調節する第
1〜第4ねじ軸42,43,46,47には、ブレーキ(図
示せず)が夫々配設され、移動円盤17を位置決めした
位置で移動不能に固定し得るよう構成されている。また
第1〜第4サーボモータ52,53,58,59には、該
モータ52,53,58,59の回転数を検出して、移動
円盤17(支持基体19)の現在位置を検出する位置検出
器(図示せず)が配設され、これにより常に支持基体19
の正確な位置を監視している。この位置検出器からの支
持基体19の現在位置に関する信号は、前記制御手段に
入力されるようになっている。従って、予め制御手段に
板ばね10の長さ寸法のデータを入力しておけば、該デ
ータに基づいて第1〜第4サーボモータ52,53,5
8,59の駆動制御がなされ、4基の支持基体19を正
確な位置に自動的に移動させることができる。
【0036】(コンベヤについて)前記拘束装置13の下
流側に配設されるコンベヤ14は、図1に示す如く、油
槽12中を循環可能に構成されると共に、走行方向に所
定間隔離間して複数のアタッチメント60が配設され、
各アタッチメント60により板ばね10を支持した状態
で、該板ばね10を油中に浸漬させつつ移送するよう構
成されている。
【0037】(その他の付属設備について)前記油槽12
の板ばね供給方向上流側に、図1に示す如く、マニプレ
ータ等の移載装置61が配設され、前工程でキャンバー
が付与された板ばね10を、前記拘束装置13に1本づ
つ移載するよう構成されている。また拘束装置13の下
流側に、板ばね10を該拘束装置13から取出して前記
コンベヤ14に移載するマニプレータ等の移載装置61
が配設される。なお、拘束装置13からコンベヤ14へ
の板ばね10の移載は、該板ばね10を油中に浸漬した
状態で行なうよう設定されている。これにより、板ばね
10が一旦油中から取出されることによる温度変化に起
因する歪の発生や、油煙を生ずるのを防止し得るように
なっている。
【0038】
【実施例の作用】次に、このように構成した焼入れ装置
を作動することにより実施される焼入れ方法の作用につ
き説明する。なお、焼入れ装置10を実働させるのに先
立ち、前記拘束装置13に設けた前記制御手段に、焼入
れを行なう板ばね10の長さ寸法やキャンバー形状等の
データが入力される。また、そのデータに基づいて4基
の支持基体19の幅調節および拘束治具22の位置決め
がなされているものとする。なお、駆動・調節機構24
の各調節歯車27は、ブレーキ付きクラッチ41により
駆動軸38に連結されている。
【0039】このようにした状態で、図1に示す如く、
前記油槽12における油面の上方の供給位置(実施例で
は固定軸15の真上の位置から45°反時計方向に回動
した位置)に臨む支持基体19の支持面20aに配設し
た拘束治具22に、板ばね10を供給する。このとき、
該拘束治具22における可動爪31のフォロワ36は、
前記固定カム37の大径部37aに当接して固定爪30
と可動爪31とは解放状態に保持されている。また供給
位置に臨む5基の拘束治具22は、図9に示す如く、板
ばね10のキャンバー形状に合わせてその相対的な位置
が調節されている。
【0040】両爪30,31の間に板ばね10が供給さ
れたタイミングで、前記駆動・調節機構24のサーボモ
ータ40が付勢され、各駆動歯車25と主歯車23との
噛合作用下に、5基の支持基体19は同期して反時計方
向に45°だけ間欠回転する。このとき、前記調節歯車
27は駆動歯車38と一体的に回転し、支持基体19に
配設した副歯車26を主歯車23と同期回転させるの
で、支持基体19に対する各拘束治具22の位置は変位
しない。また支持基体19の回転により、板ばね10が
供給された拘束治具22のフォロワ36は、前記固定カ
ム37の大径部37aから離間して小径部37bに移行
する。この結果、前記可動爪31は圧縮ばね34の弾力
付勢下に固定爪30に近接し、板ばね10を強固に挟持
するに至る。なお、固定爪30および可動爪31の形状
を「レ」および「へ」字状に形成したことにより、図6に示
す如く、両爪30,31により挟持される板ばね10
は、その板厚および板幅の両方向から拘束される。
【0041】このように、拘束治具22により5個所に
おいてその板厚および板幅の両方向から拘束された板ば
ね10は、支持基体19の回転により油中に浸漬されて
焼入れが施される(図3参照)。すなわち、板ばね10の
板厚および板幅方向の歪みの発生を有効に防止すること
ができ、精度の良い焼入れが施される。また板ばね10
は歪を生じないので、焼入れ後の矯正作業を不要として
生産能率を向上させることができる。
【0042】前記支持基体19が反時計方向に45°だ
け回転すると、供給位置に支持面20bが到来し、該支
持面20bに配設された拘束治具22は、その固定爪3
0と可動爪31とが解放状態で板ばね10の供給を待機
する。前記移載装置61により板ばね10が拘束治具群
に供給されると、前述したと同様に駆動・調節機構24
が作動して全ての支持基体19が同期回転し、板ばね1
0は両爪30,31により拘束された状態で油中に浸漬
される。このようにして、前工程から板ばね10が1本
づつ供給される毎に、支持基体19を45°づつ間欠回
転することにより、複数の板ばね10の焼入れが施され
る。
【0043】前記支持基体19の回転により支持面20
aが、板ばね10の取出し位置(供給位置から中心角2
70°変位した位置)に到来すると、該支持面20aに
配設された拘束治具22のフォロワ36が固定カム37
の小径部37bから大径部37aに移行する(図3参
照)。これにより、拘束治具22の可動爪31が圧縮ば
ね34の弾力に抗して固定爪30から離間する解放位置
に戻され、板ばね10を解放するに至る。この板ばね1
0は、前記移載装置62により取出されて、下流側のコ
ンベヤ14に移載される。このときには、板ばね10は
キャンバー形状が安定する状態まで焼入れがなされてい
るので、コンベヤ10により非拘束状態で更に油中を移
送される際には、殆ど歪みが発生することはない。ま
た、拘束装置13からコンベヤ14に移載する際に、板
ばね10を油中から空気中に出さないので、温度変化に
より歪が生じたり油煙の発生を防止することができる。
【0044】(支持基体および拘束治具の位置調節作業
について)次に、オーダ変更に伴い異なる長さ寸法およ
びキャンバー形状の板ばね10の焼入れを行なう場合
は、図示しない前記制御手段に新たなデータを入力し、
該データに基いて前記幅調節機構18および駆動・調節
機構24を作動して、各支持基体19の離間寸法および
支持基体19に対する拘束治具22の相対的な位置調節
を行なう。
【0045】(支持基体の幅調節について)前記第1〜第
4サーボモータ52,53,58,59を正逆方向に駆動
し、第1〜第4移動円盤17を固定軸15に沿って移動
させることにより、固定円盤16に対する各移動円盤1
7の離間距離を調節する。このとき、移動円盤17と一
体的に保持部材39も移動し、支持基体19の主歯車2
3および副歯車26と、駆動・調節機構24の対応の駆
動歯車25および調節歯車27が噛合した状態での調節
がなされる。なお、移動円盤17が位置決めされると、
適宜のブレーキ手段が作動し、各移動円盤17は固定軸
15に対して軸方向に移動不能に固定される。
【0046】(支持基体に対する拘束治具の位置調節に
ついて)前記駆動・調節機構24の各ブレーキ付きクラ
ッチ41を作動して、駆動軸38に対して調節歯車27
の連結を解除すると共に、ブレーキにより回転不能の状
態とする。次いで、前記サーボモータ40を付勢して駆
動軸38を回転させると、駆動歯車25のみが回転し、
これと噛合する主歯車23を介して支持基体19は移動
円盤17または固定円盤16の外周を回動する。これに
対して支持基体19に配設した8基の拘束治具22は、
夫々連杆28を介して連結した副歯車26が調節歯車2
7と噛合して回動不能の状態となっているので、支持基
体19に対しての拘束治具22の相対位置が変位され
る。
【0047】なお、固定円盤16に配設した支持基体1
9の拘束治具22により板ばね10の中央を拘束する場
合、該固定円盤16からの各移動円盤17の離間距離に
よって、その支持基体19に対する拘束治具22の変位
量を異ならせる必要がある。従って、前記サーボモータ
40の回転角度に応じて第1〜第4保持部材39に配設
した対応のブレーキ付きクラッチ41を切換え制御する
ことにより、各支持基体19に対する拘束治具22の変
位量を変えることができる。
【0048】前述した調節作業が完了すると、ブレーキ
付きクラッチ41により全ての調節歯車27を駆動軸3
8に連結し、該調節歯車27と駆動歯車25とを同期回
転可能とする。この状態で駆動軸38を回転させれば、
5基の支持基体19は、各拘束治具22との相対位置が
変位することなく同期して回転する。
【0049】このように、板ばね10に関する長さ寸法
やキャンバー形状等のデータを予め制御手段に入力して
おけば、オーダ変更に際して支持基体19および拘束治
具22の位置調節が、前記幅調節機構18および駆動・
調節機構24により自動的に行なわれる。従って、オー
ダ変更に要する段取り替え時間を短縮して生産効率の向
上を図ることができる。
【0050】なお、各種板ばね10の仕様(長さやキャ
ンバー形状等)のデータを予め制御手段に入力してお
き、オーダ変更に際して所要の設定ボタンを押すだけ
で、所望の位置調節を選択し得るようにすれば、調節に
要する時間を更に短縮することができる。
【0051】
【変形例について】図10〜図13は、拘束治具22の
変形例を示すものである。なお、図1に示す実施例と同
様の機能を有する部材については、同一の符号を付して
示すものとする。
【0052】前記支持基体19における支持部20の支
持面20aに配設したガイドレール21に、基台29が
摺動自在に配設されると共に、該基台29に支持軸63
が立設されている。この支持軸63に、円盤状の支持体
64が回転自在に枢支されると共に、該支持体64の外
側面(基台29から離間する面)には、支持軸63の枢支
部から半径方向外方に向かうにつれて軸方向外方に傾斜
するテーパを有する固定爪30が配設される。また支持
体64に弧状の通孔64aが穿設され、図12に示す如
く、該通孔64aに挿通されて基台29に螺挿したボル
ト65により、該支持体64は、軸方向への移動が規制
されると共に、周方向には回動可能に構成されている。
これにより、板ばね10を挟持する際に、該板ばね10
の端縁部に沿って固定爪30を平行に倣わせることがで
き、傷の発生を防止し得る。
【0053】前記支持軸63には、図10に示す如く、
前記固定爪30の支持体64と対向して保持体66が摺
動可能に配設されると共に、該保持体66における固定
爪30と対向する側に、支持軸63に回転自在に枢支さ
れた支持体67が臨んでいる。この支持体67は、保持
体66に配設した規制部材68により該保持体66と一
体的に支持軸63に沿って移動するよう構成されると共
に、その固定爪30と対向する一側面に、固定爪30と
は逆方向のテーパが付与された可動爪31が配設され
る。そして、板ばね10の厚み方向一側を支持軸63に
当接した状態で、図11に示す如く、両爪30,31に
より板ばね10を幅方向から挟持することにより、該板
ばね10の板幅および板厚方向を拘束して、焼入れに際
しての歪みの発生を抑制することができるようになって
いる。
【0054】また前記可動爪31の支持体67に弧状の
通孔67aが穿設され、該通孔67aに、図12に示す
如く、保持体66に突設したピン69が挿通されてい
る。これにより、支持体67は所要範囲内での周方向の
回動が許容され、固定爪30と可動爪31とで板ばね1
0を挟持した際に、該板ばね10の端縁部に沿って可動
爪31を平行に倣わせることができるようになってい
る。
【0055】(可動爪の切換え手段について)図13に示
す如く、前記支持軸63の軸端にブラケット70が配設
固定されると共に、該ブラケット70の左右両側に軸方
向外方に延出する張出し部材71,71が配設される。
この張出し部材71,71には、延出端部近傍の相互に
離間する外側面に係止ピン72,72が突設され、各係
止ピン72と前記保持体66に突設した対応の係止ピン
73との間に、引張りばね74が張設されている。すな
わち保持体66は、常には2本の引張りばね74,74
の弾力作用下に、固定爪30から離間してブラケット7
0に当接する解放位置に臨むよう構成される(図10参
照)。
【0056】前記基台29には、図12に示す如く、一
側面に歯75aを形成した係止部材75の一端が枢支さ
れると共に、該係止部材75は基台29に配設した突片
76との間に弾力的に介挿した圧縮ばね77により、常
には支持軸63(後述する爪部材78に歯75aが係合
する方向)に近接する方向に付勢されている。また前記
保持体66には、前記係止部材75の挿通を許容する溝
66aが形成されると共に、該溝66aの内部に、係止
部材75の歯75aに係脱自在な爪部材78が回転自在
に枢支されている。この爪部材78は、保持体66が前
記固定爪30に近接する方向への移動は許容するが、該
保持体66が固定爪30から離間する方向への移動は、
歯75aと係合した状態で阻止するよう設定されてい
る。なお、前記係止部材75の開放端に係合片79が配
設され、該係合片79を後述する手段により付勢し、係
止部材75を爪部材78から離間させることにより、挟
持位置に臨む保持体66を解放位置に戻し得るようにな
っている。
【0057】また拘束装置13における板ばね10の供
給位置には、図10に示す如く、保持体66を固定爪3
0に近接移動させるベく機能するエアシリンダ80が配
置される。そして、前記支持基体19が回転して拘束治
具22が供給位置に到来し、前工程から板ばね10が供
給された後に、エアシリンダ80が付勢されて、保持体
66を引張りばね74,74の弾力に抗して固定爪30
に近接させるよう構成される(図11参取)。このと
き、前記爪部材78は係止部材75における歯75aの
上を移動して、固定爪30と可動爪31とによる板ばね
10の挟持が行なわれる。次いでエアシリンダ80の付
勢を解除すると、保持体66は引張りばね74,74の
弾力によって支持軸63のブラケット70に向けて引張
られるが、このときには爪部材78が係止部材75の歯
75aに係合して移動が規制され、保持体66および可
動爪31は板ばね10の挟持位置に保持される。
【0058】更に、拘束装置13における板ばね10の
取出し位置には、前記係止部材75を爪部材78から離
間する方向に移動させる手段(図示せず)が配設され、該
手段により係止部材75を移動させることにより、歯7
5aと爪部材78との係合が解除され、保持体66と共
に可動爪31は引張りばね74,74の弾力作用下に固
定爪30から離間する解放位置に復帰される。これによ
り、板ばね10を前記移載装置62により取出してコン
ベヤ14に移載することができる。
【0059】なお、実施例では支持基体に8基の拘束治
具を設けた場合につき説明したが、本願はこれに限定さ
れるものでなく、拘束治具の配設数は8基よりも少なく
ても多くてもよい。
【0060】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る板ばね
の焼入れ方法および拘束装置によれば、板ばねの焼入れ
に際して板厚および板幅方向の歪みの発生を抑制して高
精度の焼入れを行なうことができる。従って、後工程で
の歪みの矯正作業を必要とせず、生産能率の向上を図る
ことができる。また、板ばねの長さ寸法やキャンバー形
状に一致する配列で拘束治具を移動調節自在に構成した
ので、各種の長さ寸法やキャンバー形状に対応すること
ができると共に、オーダ変更に要する段取り替え時間を
短縮して、生産効率を極めて向上させることができる。
【0061】更に、拘束治具はサーボ手段により移動調
節自在に構成したので、予め入力された数値に基づいて
自動的に位置決めすることができ、オーダ変更に伴う板
ばねの仕様に応じた位置決め変更を短時間で行なうこと
ができる。しかも、調節作業には直接作業者が介在しな
いので、労働軽減と省力化を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板ばねの焼入れ方法が好適に実施
される焼入れ装置の概略構成図である。
【図2】実施例に係る拘束装置の縦断面図である。
【図3】拘束装置の縦断側面図である。
【図4】拘束装置を図3とは反対側から観察した縦断側
面図である。
【図5】拘束装置における第1移動円盤に関する部位の
拡大縦断面図である。
【図6】支持基体に配設した拘束治具を示す一部切欠側
面図である。
【図7】図3に示す拘束装置のVII−VII線断面図であ
る。
【図8】図3に示す拘束装置のVIII−VIII線断面図であ
る。
【図9】5基の拘束治具により板ばねを拘束した状態で
示す拘束装置の概略図である。
【図10】拘束治具の変形例を板ばねの解放状態で示す
側面図である。
【図11】拘束治具の変形例を板ばねの挟持状態で示す
側面図である。
【図12】拘束治具の変形例を示す縦断面図である。
【図13】図10に示す拘束治具のA矢視図である。
【図14】板ばねを利用した懸架装置を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 板ばね 12 油槽 13 拘束装置 15 固定軸 18 幅調節手段 19 支持基体 22 拘束治具 23 主歯車 25 駆動歯車 26 副歯車 27 調節歯車 36 フォロワ 37 固定カム 40 サーボモータ 41 ブレーキ付きクラッチ 52 第1サーボモータ 53 第2サーボモータ 58 第3サーボモータ 59 第4サーボモータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所要のキャンバーを付された板ばね(10)
    を油中に浸漬して焼入れするに際し、 前記板ばね(10)の板厚方向および板幅方向を拘束した状
    態で油中に浸漬するようにしたことを特徴とする板ばね
    の焼入れ方法。
  2. 【請求項2】 焼入れ油が貯留された油槽(12)の内部に
    配設され、所要のキャンバーを付された板ばね(10)を拘
    束する拘束装置(13)であって、 前記油槽(12)に配設した固定軸(15)に回転自在に枢支さ
    れると共に、該固定軸(15)の軸方向に移動自在な複数の
    支持基体(19)と、 前記各支持基体(19)に対応的に連結され、該支持基体(1
    9)を前記固定軸(15)に沿って移動させることにより、各
    支持基体(19)の間隔を調節する幅調節手段(18)と、 前記支持基体(19)の外周面に周方向への移動調節自在に
    配設され、前記板ばね(10)の板厚および板幅方向を拘束
    可能な拘束治具(22)と、 前記拘束治具(22)を板ばね(10)の拘束状態と解放状態と
    に切換え可能な切換え手段(36,37)と、 前記支持基体(19)に対する拘束治具(22)の周方向の相対
    位置を変位可能な調節手段(26,27,41)と、 前記複数の支持基体(19)を同期的に回転させる駆動手段
    (23,25,40)とからなり、 前記板ばね(10)のキャンバー形状に沿って整列した複数
    の拘束治具(22)により、前記板ばね(10)をその板厚およ
    び板幅方向において拘束し、次いで全ての支持基体(19)
    を同期回転することによって板ばね(10)を油中に浸漬す
    るよう構成したことを特徴とする板ばねの拘束装置。
  3. 【請求項3】 前記支持基体(19)には、その周方向に複
    数の拘束治具(22)が配設される請求項2記載の板ばねの
    拘束装置。
  4. 【請求項4】 前記幅調節手段(18)および調節手段(26,
    27,41)は、サーボ手段(40,52,53,58,59)により作動され
    る請求項2または3記載の板ばねの拘束装置。
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Cited By (4)

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