JPH0616822A - 吸水性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂粒子の製造方法

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JPH0616822A
JPH0616822A JP4173317A JP17331792A JPH0616822A JP H0616822 A JPH0616822 A JP H0616822A JP 4173317 A JP4173317 A JP 4173317A JP 17331792 A JP17331792 A JP 17331792A JP H0616822 A JPH0616822 A JP H0616822A
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resin particles
absorbent resin
sol
particles
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JP4173317A
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English (en)
Inventor
Toshiki Ikeda
敏喜 池田
Yoshifumi Nakahara
良史 中原
Chukei Fuyuki
忠敬 冬木
Yukio Hama
幸男 浜
敦子 ▲秦▼
Atsuko Hata
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 吸水性樹脂粒子を攪拌しながら、無機物ゲル
および親水性有機溶媒を上記吸水性樹脂粒子に添加した
後、加熱乾燥する。 【効果】 親水性溶媒を用いることで、無機物ゾルの添
加時のダマの発生を回避できて、無機物ゾルの添加によ
る吸水性、ゲル強度、通水性の改善された吸水性樹脂粒
子を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オムツやナプキン等の
衛生用品に好適に使用できる吸水性樹脂粒子の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記吸水性樹脂粒子は、自重の数10倍〜
数100 倍の水を吸収できるため、その大きな吸水倍率と
いう特性を利用して、その用途も近年拡大してきている
が、このような吸水性樹脂粒子が最も多く使用される分
野は、オムツやナプキン等の衛生用品である。
【0003】上記の衛生用品として要求される性質は、
従来より、体液を吸収した後、その表面がサラッとして
いて圧力、例えば体重をかけた場合に潰れて吸収した体
液が滲み出てきたり洩れたりしないことである。
【0004】そのため、衛生用品中に使用される吸水性
樹脂粒子には、大きな吸水倍率と共に吸水時に大きなゲ
ル強度が求められ、さらに、大きな吸水倍率を確保する
ため、できるだけ多くの吸水性樹脂粒子が体液の吸収に
関与することが望ましいことから、体液が各吸水性樹脂
粒子間をできるだけ早く拡散、つまり吸水性樹脂粒子層
内に通水することが必要とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな大きな吸水倍率と大きなゲル強度とは相反する性質
であって、吸水倍率を高めるとゲル強度が低下するのが
普通であった。一方、通水性についても未だ不十分で、
むしろ、体液を吸収した部分のゲルが止水層となって体
液の拡散(通水)を妨げることが指摘されている。
【0006】また、重合反応によって得られた吸水性樹
脂粒子の表面近傍を再度弱く架橋させてゲル強度を高め
ることにより、吸水性樹脂粒子の吸水速度の増進や各吸
水性樹脂粒子の凝集回避を図ることが知られている。
【0007】しかし、そのような表面近傍を再架橋した
吸水性樹脂粒子は、通水性の向上は若干見られるが充分
ではなく、さらに、通水性を向上させるために上記の表
面近傍の架橋度をさらに高めると、吸水性樹脂粒子の膨
潤が妨害されて吸水倍率の低下を招くという問題を生じ
ている。
【0008】そこで、本発明の目的は、かかる現状を鑑
みなされたもので、優れた吸水倍率およびゲル強度を両
立して得ることができ、さらに、通水性に優れた吸水性
樹脂粒子の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の吸水性樹脂粒子
の製造方法は、以上の課題を解決するために、吸水性樹
脂粒子を攪拌しながら、親水性有機溶媒および無機物ゾ
ルを上記吸水性樹脂粒子に添加して混合物を得た後、上
記混合物を乾燥することを特徴としている。
【0010】上記の吸水性樹脂粒子としては、吸水性を
有するものであれば特に限定されないが、例えばカルボ
キシレートを有する単量体単位を含有する吸水性樹脂が
好適に使用できる。上記の吸水性樹脂を例示すれば、ア
クリル酸部分中和物重合体の架橋物、デンプン−アクリ
ル酸(塩)グラフト共重合体の架橋物などを挙げること
ができる。なお、上記のカルボキシレートとは、カルボ
キシル基、およびカルボキシル基の塩を含有するもので
ある。
【0011】上記無機物ゾルとしては、二酸化ケイ素
(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、リチウムシリケート(Li
2O3Si)等の無機物の微粒子(直径が1〜500nm)を水中に
分散させたコロイド溶液であるゾルを挙げることができ
る。また、二酸化ケイ素のゾルとしては、コロイダルシ
リカを挙げることができ、そのようなコロイド溶液はそ
の固形分を10〜40%(Wt/Wt)となるように水に分散され
て調製される。
【0012】このような無機物ゾルの使用量は、例えば
ゾルにおける固形分が20%に調製されている場合、吸水
性樹脂粒子 100重量部(以下、部という)に対して、固
形分として0.02〜4部、好ましくは 0.1〜2部である。
0.02部未満では使用した効果が得られず、一方、4部を
越えて用いても4部を用いた場合と変わらない。
【0013】上記親水性有機溶媒としては、ブタンジオ
ール(例えば、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオー
ル、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール)、ペン
タンジオール(例えば1,5-ペンタンジオール、1,3-ペン
タンジオール、2,3-ペンタンジオール)、ヘキサンジオ
ール(例えば、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジ
オール)、2-メチル−2,4-ペンタンジオール、2-メチル
−2,3-ブタンジオール等の炭素数が4〜6の二価アルコ
ールを挙げることができる。
【0014】さらに、上記親水性有機溶媒としては、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル化合物等を挙げることができる。
【0015】上記親水性有機溶媒の使用量は、処理する
吸水性樹脂粒子 100部当たり、0.05〜5部が好ましい。
さらに好ましくは 0.1〜2部である。0.05部未満では無
機物ゲルを吸水性樹脂粒子に均一に分散せしめることが
できず、一方、5部を越えると効果がないだけではな
く、かえって得られた吸水性樹脂粒子の品質に悪影響を
与える可能性があり、好ましくない。
【0016】次に、具体的な処理方法について述べる
と、ミキサーに処理しようとする吸水性樹脂粒子を投入
し、攪拌しながら無機物ゾルと親水性有機溶媒の混合液
を噴霧添加する方法を用いるのが簡単である。しかしな
がら、上記混合液を均一に添加できれば、特にその添加
方法について特に限定されない。なお、無機物ゾルと親
水性有機溶媒とを別々に添加することも可能であるが、
先に親水性有機溶媒を添加すべきである。
【0017】上記混合液を添加した後、所定時間混合、
あるいは直ちに加熱して無機物ゾルの水を吸収していた
吸水性樹脂粒子から水を揮散させることにより、所定の
吸水性を備え、かつ、吸水時におけるゲル強度が改善さ
れた吸水性樹脂粒子を得ることができる。
【0018】また、吸水性樹脂粒子の表面の再架橋と無
機物ゾルの処理とを同時に行うこともできる。この場合
には、上述した混合液の他に架橋剤と溶媒、例えば水と
が必要である。ただし、水を用いる場合は、無機物ゾル
に含まれる水で代用することもできるし、無機物ゾルに
含有される水分量では不足する場合、必要に応じて不足
分を足せばよい。
【0019】上記の架橋剤としては、吸水性樹脂粒子中
に存在するカルボキシレート、水酸基、スルホン基、ア
ミノ基等と反応し得る2個以上の官能基を有する物が使
用され、このような物であれば特に限定されないが、例
えばジグリシジルエーテル化合物、多価金属塩、ハロエ
ポキシ系化合物等が使用できる。中でもエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルが好適である。
【0020】上述したように吸水性樹脂粒子の表面の再
架橋という二次処理と無機物ゲルの処理とを同時に行う
場合、必要な水の量は、吸水性樹脂粒子 100部当たり1
〜30部であり、このような場合、架橋剤の濃度を安定化
させることが再架橋の再現性に肝要であるから、上記無
機物ゾル中に含まれる水の量も上記の処理のための水分
量に含めるべきである。
【0021】次に上記のような処理の方法について述べ
ると、吸水性樹脂粒子をミキサーで攪拌しながら、無機
物ゾル・親水性有機溶媒・架橋剤、または無機物ゾル・
水・親水性有機溶媒・架橋剤からなる混合液を噴霧添加
した後、添加混合物を乾燥する。この際の乾燥方法につ
いては特に限定されないが、上記のミキサー内で加熱乾
燥してもよいし、別の加熱乾燥機に移して加熱乾燥して
もよい。
【0022】このように吸収された水を揮散させると共
にその表面が再架橋され、かつ、無機物ゾルにより処理
された吸水性樹脂粒子を得ることができる。
【0023】
【作用】上記の方法によれば、親水性有機溶媒を用いる
ことにより、吸水性樹脂粒子に無機物ゾルのみを混合し
た際に生じ易い局所ブロック、通称ダマの発生を軽減で
き、無機物ゾルの吸水性樹脂粒子の表面への均質な分散
が可能となる。
【0024】すなわち、吸水性樹脂粒子に無機物ゾルの
みを混合すると、無機物ゾルの水分が瞬時に吸水性樹脂
粒子に吸収され、均質に分散させるために溶液状である
無機物ゾルの移動が阻害されるが、親水性有機溶媒を用
いれば、無機物ゾルの水分の親水性有機溶媒への吸収の
速度を抑制できるので、無機物ゾルの吸水性樹脂粒子の
表面への均質な分散が可能となるのである。
【0025】また、上記の無機物ゾルを添加するとゲル
強度の向上した吸水性樹脂粒子が得られる。そのような
添加の際に生じている現象については定かではないが、
無機物ゾル中の微粒子は非常に活性が高く、吸水性樹脂
粒子の表面において何らかのゆるやかな架橋の生成やイ
オン効果の可能性が推察される。
【0026】
【実施例】本発明の吸水性樹脂粒子の製造方法を説明す
るため、各実施例および各比較例を説明すれば、次の通
りである。そこで、まず、得られた吸水性樹脂粒子の各
物性である吸水量、ゲル強度、および通水性の測定方法
について説明する。 〔10分間吸水量〕100ccのビーカーに0.9%食塩水約80cc
を入れ、これに測定する吸水性樹脂粒子1.00gを精秤し
て投入する。10分経過後、 400メッシュのナイロンネッ
トで2分間水切りした後、ゲル化した吸水性樹脂粒子の
重量を10分間吸水量(g/g)とする。
【0027】〔ゲル強度〕200ccのビーカーに0.9%食塩
水96.7gを入れ、マグネチックスターラーで攪拌しなが
ら、上記の食塩水に 3.3gの吸水性樹脂粒子を投入し
て、約30倍の均一なゲルを作成する。続いて、上記のビ
ーカーを密閉して遮光下で、30℃のインキュベーター内
に8時間置く。その後、上記のゲルについて、レオメー
ター(サン科学製)を用いて、円柱状の感圧軸(25mm
φ)を下降速度60mm/minでゲル内に挿入し、ゲルの上面
から12.5mmの深さに挿入された時の上記感圧軸にかかる
荷重を、ゲル強度(g)とする。
【0028】〔通水性〕ステンレス製のバット内に10×
10cmのパルプシート(商品名、キノクロス、目付け40g/
m2)を5枚重ねて置いた後、無吸水性のポリプロピレン
製不織布を上記の積層されたパルプシートの上に被うよ
うに載置する。次に、0.9%食塩水50gを上記パルプシー
トに均一に吸収させる。
【0029】続いて、測定する吸水性樹脂粒子1.00gを
上記不織布の中央に集めて置く。その吸水性樹脂粒子
が、上記の食塩水を吸水して山形、あるいは半球状に膨
潤する様子や外観を10分間観察し、その後、直ちに膨潤
した上記吸水性樹脂粒子を上記の不織布と共に重量を測
定する。
【0030】このような通水性における外観の観察する
際の基準は次の通りである。 〇:吸水性樹脂を置いてから10分間に膨張したゲルのど
の部分も外観上濡れている。 △:吸水性樹脂を置いてから10分間経過しても膨張した
ゲルの頂上付近に若干濡れていない部分が存在する。 ×:吸水性樹脂を置いてから10分間経過しても膨張した
ゲルの表面のかなり部分が濡れないまま残っている。
【0031】次に、本発明における表面の再架橋等の二
次処理された吸水性樹脂粒子としてアクアメイトAQ−
200 を用いた各実施例について説明する。 〔実施例1〕無機物ゾルとしてのコロイダルシリカ(商
品名:スノーテックス−20、日産化学製、固形分20%)
12gと、親水性溶媒としてのジエチレングリコールモノ
エチルエーテル(Diethylene glycol monoethylether)
2gとを混合して混合液を調整した。
【0032】その後、吸水性樹脂粒子としてのアクリル
酸部分中和物重合体架橋物系樹脂(商品名:アクアメイ
トAQ−200 、積水化成品工業株式会社製、平均粒径42
メッシュ) 400gを、加熱・冷却用ジャケット付のミキ
サー(内容積2リットル)に投入して攪拌しながら、上
記混合液の全量を上記吸水性樹脂粒子に噴霧添加して、
均一に混合した混合物を得た。
【0033】添加終了後、上記混合物を30秒間攪拌し続
け、次いで攪拌しながら蒸気圧2kg/cm2の加圧蒸気(約
120℃)をジャケット内に通して上記ミキサーを3分間
加熱して上記混合物を乾燥した。続いて、ジャケットに
冷水を通して上記ミキサーを1分間冷却して改質された
吸水性樹脂粒子を得た。
【0034】このようにして得られた改質された吸水性
樹脂粒子の物性を調べるため、前記の10分間吸水量、ゲ
ル強度、通水性の各試験を行い、それらの結果を表1に
合わせて示した。
【0035】〔実施例2〕上記実施例1における親水性
溶媒としてのジエチレングリコールモノエチルエーテル
に代えて、1,3-ブタンジオールを用い、他は上記実施例
1と同様にして改質された吸水性樹脂粒子を得、得られ
た吸水性樹脂粒子を、前記実施例1と同様に各試験を行
い、その結果を表1に合わせて示した。
【0036】〔実施例3〕上記実施例1におけるコロイ
ダルシリカに代えて、アルミナゾル(商品名:アルミナ
ゾル520 、日産化学製、固形分20%)を用い、他は上記
実施例1と同様にして改質された吸水性樹脂粒子を得、
その得られた吸水性樹脂粒子を、前記実施例1と同様に
各試験を行い、その結果を表1に合わせて示した。
【0037】〔実施例4〕上記実施例1におけるアクア
メイトAQ−200 に代えて、デンプン−アクリル酸グラ
フト重合体系の吸水性樹脂粒子(商品名:IM−5000
G、三洋化成製、平均粒径42メッシュ)を用い、他は上
記実施例1と同様にして改質された吸水性樹脂粒子を
得、その得られた吸水性樹脂粒子を、前記実施例1と同
様に各試験を行い、その結果を表1に合わせて示した。
【0038】〔実施例5〕上記実施例1におけるアクア
メイトAQ−200 に代えて、アクリル酸系吸水性樹脂粒
子(商品名:SAB−954 、ストックハウゼン製、平均
粒径42メッシュ)を用い、他は上記実施例1と同様にし
て改質された吸水性樹脂粒子を得、その得られた吸水性
樹脂粒子を、前記実施例1と同様に各試験を行い、その
結果を表1に合わせて示した。
【0039】〔実施例6〕上記実施例1におけるコロイ
ダルシリカに代えて、リチウムシリケートゾル(商品
名:リチウムシリケート35、日産化学製、固形分20%)
を用い、他は上記実施例1と同様にして改質された吸水
性樹脂粒子を得、その得られた吸水性樹脂粒子を、前記
実施例1と同様に各試験を行い、その結果を表1に合わ
せて示した。
【0040】次に、上記のような無機物ゾルによる処理
の有効性を示すために、各比較例を説明する。 〔比較例1〜3〕上記の実施例1、4および5に記載し
た未処理の各吸水性樹脂粒子を用いて、上記実施例1と
同様に各試験を行い、それらの結果を表1に合わせて示
した。
【0041】〔比較例4〕上記実施例1に記載したミキ
サーにアクアメイトAQ−200 を 400gを投入して攪拌
しながら、微粒子状シリカ 2.4gを添加して均一に混合
した。
【0042】このようにして得られた微粒子状シリカが
添加された吸水性樹脂粒子を、上記実施例1と同様に各
試験を行い、それらの結果を表1に合わせて示した。
【0043】〔比較例5〕上記実施例1におけるジエチ
レングリコールモノエチルエーテルを省いて、他は上記
実施例1と同様にして操作したが、3〜10mmのダマが多
く発生し、均一な吸水性樹脂粒子が得られなかった。し
たがって、上記のような各試験を行うことができず、品
質評価が不可能であった。
【0044】
【表1】
【0045】このように上記の各実施例および各比較例
の結果から明らかなように、無機物ゾルの処理により吸
水量、ゲル強度、および通水量が顕著に向上しているこ
とが分かる。また、このような無機物ゾルの処理の際に
は、親水性有機溶媒の添加が不可欠であることが分か
る。
【0046】ところで、通常、衛生用品等に使用される
吸水性樹脂粒子は、吸水性を備える重合体架橋物を粉砕
して吸水性の一次処理品を得た後、さらに、上記一次処
理品の表面を再架橋して得られるゲル強度等の改善され
た二次処理品である。
【0047】そこで、次に、上記の二次処理と無機物ゾ
ルとの同時処理の例について説明する。 〔実施例7〕まず、吸水性樹脂粒子の一次処理品の製造
例を示すと、80%アクリル酸水溶液52.5部、48.6%水酸
化ナトリウム水溶液33.6部、脱イオン水19.6部を混合
し、アクリル酸部分中和液を調製した。
【0048】その後、上記の中和液1057gに1%N,N'−
メチレンビスアクリルアミド水溶液4.4gを添加した
後、窒素ガスにて溶存酸素をN2に置換してN2置換中和液
を調製した。一方、3%過硫酸カリウム水溶液13.3g
に、ピロ亜硫酸カリウム 1.8g、およびグリオキザール
(40%水溶液、日本合成化学社製) 1.2gを加えて、さ
らに水で100 gに希釈した混合溶液を調製した。
【0049】次に、その混合溶液 6.7gを前記のN2置換
中和液に添加して重合反応液を調製し、その重合反応液
を、縦48cm、横37cmのバット(内面テフロンコーティン
グ)に注入し、温度63℃で20分間加熱して重合してシー
ト状のゲルを得た。得られたゲルをシートペレタイザー
でペレット状にした。
【0050】このペレット状のゲルを、棚段式通気乾燥
機を用いて 120℃で1時間乾燥し、冷却してから、その
乾燥品をロール粉砕機で粉砕して16〜150 メッシュの粒
度の吸水性樹脂粒子の一次処理品を得た。
【0051】次に、上記の一次処理品を用いて、表面の
再架橋と無機物ゾルの同時処理の例について説明する
と、まず、脱イオン水18.4gとコロイダルシリカ(商品
名:スノーテックス−20、日産化学製、固形分20%)12
gと親水性溶媒としてのジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル(市販品)2g、架橋剤としてのエチレング
リコールジグリシジルエーテル(市販品) 0.6gを混合
して混合液を調製した。
【0052】続いて、前記の一次処理品 400gを前記実
施例1に述べたミキサーに投入し攪拌しながら、上記の
混合液を上記一次処理品に噴霧して全量添加して混合物
を得た。次いで、上記混合物を攪拌しながら上記ミキサ
ーのジャケットに加圧蒸気(2kg/cm2、約 120℃)を8
分間通して、上記混合物を反応させながら加熱乾燥した
後、冷却して、表面が再架橋され無機物ゾルにより処理
された吸水性樹脂粒子の二次処理品が得られた。
【0053】このようにして得た二次処理品の物性を調
べるため、前記実施例1に示した各試験を行い、それら
の結果を表2に合わせて示した。
【0054】〔実施例8〜9〕表2に示すようにコロイ
ダルシリカの使用量を、それぞれ代えて二次処理品をそ
れぞれ調製した。このとき、再架橋の反応や、無機物ゾ
ルの添加に際しては、水の総量を合わせることが肝要で
ある。つまり、親水性有機溶媒や架橋剤の濃度が重要で
あり、コロイダルシリカに含有される水分量も、上記の
濃度に大きく影響するからである。したがって、本実施
例8〜9では、水の総量を28gとなるように添加する水
分量を調整した。
【0055】このようにして得られた各二次処理品の物
性をそれぞれ調べるため、前記実施例1に示した各試験
を行い、それらの結果を表2に合わせて示した。
【0056】〔比較例6〕上記の各実施例7〜9におけ
るコロイダルシリカを省いて、添加する水の量を28gと
した他は同様に一次処理品を処理して調製した。このよ
うにして得られた二次処理品の物性を調べるため、前記
実施例1に示した各試験を行い、それらの結果を表2に
合わせて示した。
【0057】
【表2】
【0058】このように各実施例7〜9および比較例6
の結果から明らかなように、無機物ゾルの処理により、
得られた二次処理品は、吸水量、ゲル強度、および通水
性の向上が見られた。
【0059】このように上記各実施例の方法では、親水
性溶媒を用いることにより、無機物ゾルを添加した際の
ダマ等の発生を防止できて、無機物ゾルを添加すること
ができ、吸水性樹脂粒子に必要な特性である吸水量、ゲ
ル強度、および通水性の向上した改質された吸水性樹脂
粒子を得ることができる。
【0060】また、このような方法は、通常、表面の再
架橋といった二次処理が施す際に同時に処理できるか
ら、無機物ゾルの添加工程に際して、特に、大幅な手間
や製造時間がかかることはない。
【0061】このようにして得られた吸水性樹脂粒子
は、吸水量、ゲル強度、および通水性に優れるから、衛
生用品等に好適に使用できる。
【0062】
【発明の効果】本発明の吸水性樹脂粒子の製造方法は、
以上のように、吸水性樹脂粒子を攪拌しながら、無機物
ゲルおよび親水性有機溶媒を上記吸水性樹脂粒子に添加
した後、加熱乾燥する方法である。
【0063】それゆえ、上記方法は、親水性溶媒を用い
ることにより無機物ゾルを均一に添加できて、吸水性、
および吸水時のゲル強度が改善され、その上、通水性も
向上した吸水性樹脂粒子を得ることができるから、衛生
用品等に好適に使用できる吸水性樹脂粒子を得ることが
できるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/20 7242−4J // C08L 33:02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性樹脂粒子を攪拌しながら親水性有機
    溶媒および無機物ゾルを上記吸水性樹脂粒子に添加して
    混合物を得た後、上記混合物を乾燥することを特徴とす
    る吸水性樹脂粒子の製造方法。
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Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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