JP3202703B2 - 吸水剤およびその製造法 - Google Patents

吸水剤およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸水剤に関する。更
に詳しくは、特定の微少フィラーが吸水性樹脂に内蔵さ
れており、拡散吸収速度および初期加圧吸収量の改良さ
れた吸水剤及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】吸水性樹脂の吸収速度を速くするために
種々の方法が提案されており、その方法として、樹脂の
表面積を広げて被吸収液との接触面積を大きくすること
により、初期の吸収速度を向上させる下記のような方法
がある。 a.吸水性樹脂の製造プロセスにおける重合原液中に低
沸点の揮発性溶剤を添加し、重合熱によって揮発性溶剤
を気化させることによって樹脂を多孔質化させる方法
(特開昭59−18712号公報)、 b.カルボキシル基含有の吸水性樹脂とグリシジル基含
有ポリオレフィン樹脂に架橋剤と熱分解型の発泡剤を混
合し、加熱発泡させ、フォーム状とする方法(特開昭6
3−251437号公報)、 c.不飽和単量体と架橋剤とを含む単量体水溶液にアミ
ノ基含有アゾ化合物からなる発泡剤を分散させて重合
し、多孔質の吸水性樹脂を得る方法(再公表特許WO9
6−17884)、 d.微粒子を水や熱溶融性樹脂バインダーを用いて造粒
する方法 e.吸水性樹脂粒子と多孔性無機粒子との混合物からな
り、吸水性樹脂粒子全体の数十重量%の粒子表面を該無
機粒子で覆う方法(特開平8−10616号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法においても性能面および製造方法の面において必
ずしも満足のいくものではなかった。aの多孔質化させ
る方法では吸収速度の向上はある程度認められるもの
の、低沸点の揮発性溶剤の使用が必須であることから、
防爆型などの特殊な製造設備を必要とするという問題が
ある。bの熱分解型の発泡剤を用いる方法では、原料の
吸水性樹脂やポリオレフィン樹脂は硬くて可撓性のない
樹脂であるため、ある程度の高いガス圧になった時点で
ガスを一気に放出することから、発泡径が大きく、不均
一な気泡となり、性能が一定しないと言う問題を生じる
ことがある。cの方法ではアミノ基含有アゾ化合物が分
解して窒素ガスを発生する際にラジカルも同時に生成す
るため、吸水性樹脂本体の分子量低下による吸収性能の
低下や水可溶性成分量の増加という問題を生じることが
ある。dの微粒子をバインダーを用いて造粒させる方法
では、バインダーの接着力を強くすると吸収速度の改善
効果が不十分となり、反対にバインダーの接着力を弱く
すると造粒物の機械的強度が弱くなってスクリューフィ
ーダーや空送工程における機械的剪断力によって造粒が
壊れ、元の微粒子に戻ってしまうという問題を生じるこ
とがある。eの吸水性樹脂粒子の一部の表面を多孔性無
機粒子で覆う方法では、樹脂粒子の見かけの表面積が広
がることで吸収初期の瞬間的な吸収速度はある程度改善
されるものの、樹脂内部への液の浸透には効果がないこ
とから、拡散吸収速度や初期加圧吸収量の改善は認めら
れない。さらに、多量の無機粒子を使用する必要がある
ことから、得られる組成物の吸収倍率が低下するという
問題を生じる。
【0004】これらa〜eの方法は、樹脂粒子の表面積
を広げて吸収初期の瞬間吸収性を向上させる手段であ
り、多数の吸水性樹脂粒子が集合体で存在する場合のゲ
ルブロッキング、いわゆるままこ現象の改善効果は乏し
い。加えて、被吸収液の吸水性樹脂の粒子内部への浸透
を十分改良するには至っていないことから、拡散吸収速
度や初期加圧吸収量の改善に対しては効果が乏しい。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を鑑みて鋭意検討を重ねた結果、含水ゲル状態の吸水性
樹脂、特に乾燥前の吸水性樹脂の含水ゲルに特定物性を
有する微小フィラーが混合されており、該混合物を乾燥
して、微少フィラーを吸水性樹脂粒子に内蔵させること
により、通常の粒子径のままで瞬間吸収速度のみならず
樹脂内部への拡散吸収速度が向上することを見出し、本
発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、重合後未乾燥の吸水性樹脂
(A)の含水ゲルとPYCNOMETERにより測定さ
れる密度が0.1g/cm3を超え5g/cm3以下の微
小フィラー(金属フィラーを除く)(B)との混合物を
乾燥してなり、(B)が(A)に内蔵された吸水剤;並
びに、水溶性単量体と架橋剤とを水溶液重合し、乾燥し
て吸水性樹脂(A)を製造する方法において、(A)の
重合から乾燥前までのいずれかの段階で、PYCNOM
ETERにより測定される密度が0.1g/cm3を超
え5g/cm3以下の微小フィラー(B)を、(A)と
(B)が質量基準で100:(0.05〜10)の比率
で混合することを特徴とする吸水剤の製造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において吸水性樹脂(A)
としては、例えば、デンプン−アクリル酸塩共重合体架
橋物、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化
物、ポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリ
ル酸塩、(メタ)アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重
合体架橋物のケン化物、イソブチレン/無水マレイン酸
共重合体の架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物、ポリアク
リル酸塩/ポリスルホン酸塩共重合体架橋物、ポリアク
リル酸/ポリアクリルアミド共重合体架橋物、架橋ポリ
アクリルアミド及びその加水分解物、架橋ポリビニルピ
ロリドン、セルロース誘導体架橋物などが挙げられる。
好ましくは、イオン浸透圧により多量の液を吸収・保持
することができ、荷重や外力が加わっても離水の少ない
カルボン酸塩および/またはカルボン酸を含有する重合
性単量体を主構成成分とする吸水性樹脂であり、更に好
ましくは、デンプン−アクリル酸塩共重合体架橋物およ
びポリアクリル酸塩架橋物である。
【0008】(A)が中和塩の形態の樹脂である場合の
塩の種類および中和度については特に限定はないが、塩
の種類としては通常アルカリ金属塩、好ましくはナトリ
ウム塩およびカリウム塩であり、酸基に対する中和度は
通常50〜90モル%、好ましくは60〜80モル%で
ある。(A)の製造に使用される水溶性単量体として
は、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を
有するラジカル重合性水溶性単量体及びそれらの塩が挙
げられる。カルボキシル基を有するラジカル重合性水溶
性単量体としては、例えば不飽和モノまたはポリカルボ
ン酸[(メタ)アクリル酸(アクリル酸及びまたはメタ
クリル酸をいう。以下同様の記載を用いる)、クロトン
酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、
これらの塩等]及びそれらの無水物[無水マレイン酸
等]等が挙げられる。
【0009】スルホン酸基を有するラジカル重合性水溶
性単量体としては、例えば脂肪酸または芳香族ビニルス
ルホン酸(ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニ
ルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等)、(メ
タ)アクリルアルキルスルホン酸[(メタ)アクリル酸
スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル
等]、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸[2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等]
及びこれらの塩等が挙げられる。リン酸基を有するラジ
カル重合性水溶性単量体としては、例えば、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキルリン酸モノエステル[2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、
フェニル−2−アクリロイルロキシエチルホスフェート
等]等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよ
い。これらの内で好ましい水溶性単量体は、カルボキシ
ル基を有するラジカル重合性水溶性単量体およびその塩
であり、更に好ましくは不飽和モノまたはポリカルボン
酸およびその塩、特に好ましくは(メタ)アクリル酸お
よびその塩である。
【0010】(A)の製造に使用される架橋剤として
は、例えばエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋
剤、エチレン性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋
剤、反応性官能基を2個以上有する架橋剤などが挙げら
れる。エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物の具
体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリ
ルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセ
リン(ジまたはトリ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラ
アリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリル
エーテル等が挙げられる。エチレン性不飽和基と反応性
官能基とを有する化合物の具体例としては、グリシジル
(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド等が挙げられる。反応性官能基を2個以上有す
る化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、グリセリン、プロピレングリコー
ル、ジエタノールアミン、トリメチロールプロパン及び
ポリエチレンイミン等が挙げられる。これらの架橋剤は
2種類以上を併用しても良い。これらのうち好ましいも
のは、エチレン性不飽和基を2個以上有する共重合性の
架橋剤であり、更に好ましくはN,N’−メチレンビス
アクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラアリ
ロキシエタン、ペンタエリスルトールトリアリルエーテ
ル、トリアリルアミンである。
【0011】架橋剤の使用量は、水溶性単量体と架橋剤
の合計質量に基づいて、通常0.001〜5%であり、
好ましくは0.05〜2%、特に0.1〜1%である。
架橋剤の量が0.001%より少ない場合は、吸水性樹
脂の重要な機能である吸水・保水能力が小さくなり、吸
水後のゲルはゾル状となる。更に、重合後の含水ゲル状
重合体の乾燥性が悪く、生産性が非効率的である。一方
5%を超える場合、逆に架橋が強くなりすぎ、十分な吸
水・保水能力を発揮しない。
【0012】吸水性樹脂(A)の重合方法については特
に限定されず、水溶液重合法、逆相懸濁重合法、噴霧重
合法、光開始重合法、放射線重合法などが例示さられ
る。好ましい重合方法は、ラジカル重合開始剤を使用し
て水溶液重合する方法である。この場合のラジカル重合
開始剤の種類、ラジカル重合条件についても特に限定は
なく、通常でよい。なお、これらの重合系に、必要によ
り各種添加剤、連鎖移動剤(例えば、チオール化合物な
ど)、界面活性剤等を添加しても差し支えない。この様
にして得られる吸水性樹脂(A)の吸水性能について、
0.9質量%生理食塩水に対する拡散吸収速度が10〜
23ml/g、0.9%生理食塩水に対する初期加圧吸
収量が5〜18g/gである。
【0013】本発明において微小フィラー(B)のPY
CNOMETERにより測定される密度は通常0.1g
/cm3を超え5g/cm3以下、好ましくは0.15〜
4g/cm3である。特に好ましくは、0.3〜4g/
cm3である。(B)のPYCNOMETERにより測
定される密度が5g/cm3を超える場合、吸水剤の大
きな体積増加が認められないことから、得られる吸水剤
の拡散吸収速度の向上効果が乏しい。一方、(B)のP
YCNOMETERにより測定される密度が0.1g/
cm3以下の場合、吸水剤の体積増加が大きくなりすぎ
て粒子強度が低下し、機械的な剪断力や衝撃、摩擦力に
よって粒子が壊れて微粒子が発生するなど、ハンドリン
グ面での問題が生じる場合がある。
【0014】ここでPYCNOMETERにより測定さ
れる密度とは、例えば「ACCUPYC 1330 P
YCNOMETER」によって測定される値である。具
体的な測定操作の例は次の通りである。「PYCNOM
ETER」には、バルブで連結された2つのチャンバー
(部屋)、すなわちセルチャンバーとエクスパンション
チャンバーとがあり、それぞれの体積はVc、Veで示
す。セルチャンバー内で、試料質量(W)を量り(体積
をVとする)、エクスパンションチャンバーにつながる
バルブは閉じ、セルチャンバー内の圧力はP1に固定す
る。又その時のエクスパンションチャンバーの圧力はP
aである。そしてエクスパンションチャンバーにつなが
るバルブを開栓し両方のチャンバーに行き渡った圧力P
2を測定する。バルブを開く前後のそれぞれのチャンバ
ーの体積と圧力から試料体積が求まり、次式によって真
密度が算出される。 PYCNOMETERにより測定される密度 =W÷V=W÷[Vc+Ve×{Pa−P2}÷{P1−P2}]
【0015】(B)の粒径については、通常0.001
〜200μm、好ましくは0.005〜150μm、特
に0.01〜100μmである。なお、ここでいう粒径
は必ずしも一次粒子の粒径を意味するのではなく、凝集
物あるいは造粒物としての粒径も含まれる。(B)の粒
径が200μmより大きい場合、(A)の含水ゲルに
(B)を混合する際の均一性が低下し、得られる吸水剤
の拡散吸収速度の向上効果が小さくなる場合があり好ま
しくない。一方、0.001μmより小さい場合、
(A)の含水ゲルに(B)を混合する際、(B)同士の
凝集が起こって不均一な混合になりやすく好ましくな
い。(B)のBET法による比表面積についても特に限
定はないが、通常50m2/g以上、好ましくは100
2/g以上、特に好ましくは150〜1,000m2
gである。微少フィラーの比表面積が大きいほど、拡散
吸収速度の向上効果が大きくなる傾向にある。
【0016】(B)の種類は、水に不溶性で、かつ吸水
性樹脂と非反応性であれば特に限定はなく、有機系、無
機系のいずれであってもよい。有機系微少フィラーの例
としては、例えば(i)炭素原子のみからなる有機系フ
ィラー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ−p−キシリレン、ポリブタジエン等、(i
i)炭素及び酸素原子からなる有機系フィラー;ポリア
クリレート、ポリメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルエーテル、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボ
ネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエポキシ、ポリ
アセタール、セルロース誘導体等、(iii)窒素原子
を含有する有機系フィラー:ポリアクリロニトリル、ポ
リアミド、熱可塑性ポリウレタン等、(iv)その他の
有機系フィラー:ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、フッ素樹脂、ポリスルホン等及びこれらの樹脂を構
成する単量体を2種以上共重合して得られるものが挙げ
られる。好ましくは(i)である。また、含水ゲルを乾
燥する際に有機系フィラーが溶融しないために乾燥温度
以上の溶融温度をもつ必要がある。乾燥温度とのバラン
スであるが、有機系フィラーの溶融温度は通常130℃
以上であり、好ましくは150℃以上である。
【0017】無機系微少フィラーとしては、天然無機物
および合成無機物のいずれであってもよく、例えば酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化
マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの酸化物が挙げら
れる。また、これらは2種以上併用してもよく、あるい
は2種以上が複合化されたものであってもよい。このう
ちで好ましいものは無機系の微少フィラーである。
(B)の形状は、特に限定されず、中空状、多孔質状、
花弁状、凝集状、造粒状などが挙げられる。好ましい形
状は中空状および多孔質状である。本発明における微小
フィラー(B)の具体的な例としては、例えば、三機化
工建設社製のサンキライト、宇部マテリアルズ社製のテ
ラファイン、日本アエロジル社製のエアロジル200、
トクヤマ社製のフローライト、ファインシール、協和化
学工業社製のキョーワードなどが挙げられる。
【0018】吸水性樹脂(A)に対する微小フィラー
(B)の量は、通常0.05〜10質量%である。好ま
しくは0.1〜7%、特に0.2〜5%である。添加量
が0.05%より少ない場合、拡散吸収速度の向上効果
が乏しくなる。一方10%を超える場合、拡散吸収速度
の向上は図れるが、得られる吸水剤粒子の機械的強度が
弱くなる傾向にある。更に得られる吸水剤の吸収倍率、
保水量及び加圧吸収量も低下してくる。
【0019】(B)は、(A)の乾燥前の含水ゲルに混
合されている。好ましくは、(A)を製造する際の重合
から乾燥前までのいずれかの段階において配合される。
すなわち、重合液に添加して重合させ、(A)の含水ゲ
ル状重合体に(B)が配合された混合物としてもよく、
重合後の含水ゲル状重合体に(B)を添加して混合物と
してもよい。より好ましくは、(A)の重合後から乾燥
前までの段階の含水ゲル状重合体に(B)を添加して混
練する方法である。乾燥後に(B)を配合すると、微少
フィラーが(A)の粒子表面を覆うか、単なる両者の混
合物として(A)と微小フィラーが離れて混在すること
があるため、本発明の意図するところではない。この様
な状態でも瞬間吸収性はある程度向上するが、微少フィ
ラーが樹脂粒子内部に存在しないことから、樹脂内部へ
の液の拡散吸収速度は向上しない。含水ゲル状態で微少
フィラーが配合され、その後含水ゲル中の水分を蒸発さ
せることにより、微少フィラーを樹脂内部に含有させる
(内蔵させる)ことにより、樹脂内部への液の拡散吸収
速度が向上するのである。(B)は粉末、スラリー、分
散液のいずれの形態にしても添加可能である。また、
(A)の含水ゲルと(B)の混合物における含水率につ
いては特に限定されないが、好ましくは(A)の固形分
に対し、2〜10倍である。2倍未満であると混練時に
おける均一性が低くなり、得られる吸水剤の拡散吸収速
度の向上効果が乏しくなる場合がある。10倍より大き
いと乾燥に要する時間が長くなって非経済的である。
【0020】含水ゲル状態の(A)に(B)を配合し、
均一混合させるための混合装置としては、従来から公知
の装置を使用することが出来る。具体的な装置の例とし
て、双腕型ニーダー、インターナルミキサー(バンバリ
ーミキサー)、セルフクリーニング型ミキサー、ギアコ
ンパウンダー、スクリュー型押し出し機、スクリュー型
ニーダー、ミンチ機などが挙げられる。これらは複数個
を組み合わせて使用することもできる。
【0021】(B)を添加した含水ゲル状混合物の乾燥
温度は、通常60〜230℃、好ましくは100〜20
0℃、特に105〜180℃である。乾燥温度が60℃
未満の場合、乾燥に長くの時間を必要とし経済的ではな
く、一方、230℃を超える場合、副反応や樹脂の分解
などが起こることがあり、吸収性能と拡散吸収速度の低
下を招く。
【0022】含水ゲル状態の(A)と(B)との混合物
を乾燥する装置は通常の装置でよく、例えば、ドラムド
ライヤー、平行流バンド乾燥機(トンネル乾燥機)、通
気バンド乾燥機、噴出流(ノズルジェット)乾燥機、箱
型熱風乾燥機、赤外線乾燥機などが挙げられる。特に熱
源は限定されない。これらの乾燥機は複数個を組み合わ
せて使用することもできる。
【0023】乾燥後、粉砕し、必要により粒度調整して
得られる吸水剤粒子の表面近傍を、カルボキシル基等の
酸基および/またはその塩基と反応しうる官能基を少な
くとも2個有する架橋剤で表面架橋して本発明の吸水剤
とすることもできる。このような表面架橋型の吸水剤
は、常圧下だけでなく加圧下においても吸収性能と吸収
速度に優れ、かつゲル強度も大きくなるので、本発明に
好適である。表面架橋に使用する架橋剤としては、従来
から使用されている公知の架橋剤が適用できる。具体的
な例としては、ポリグリシジルエーテル化合物(エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,
3−ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなど);
ポリオール化合物(グリセリン、エチレングリコール、
ポリエチレングリコールなど);ポリアミン化合物(エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミンなど);ポリア
ミン系樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン
樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂など)、エチ
レンカーボネイト、アジリジン化合物、ポリイミン化合
物などが挙げられる。このうちで好ましいものは、比較
的低い温度で表面架橋を行わせることができるという点
で、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリアミン系樹脂
及びアジリジン化合物である。
【0024】表面架橋における架橋剤の量は、架橋剤の
種類、架橋させる条件、目標とする性能などにより種々
変化させることができるため特に限定はないが、吸水性
樹脂(A)に対して通常0.001〜3重量%、好まし
くは0.01〜2重量%、更に好ましくは0.05〜1
重量%である。架橋剤の量が0.001重量%未満では
表面架橋を行わない吸水性樹脂と性能面で大差はない。
一方、3重量%を越えると、吸収性能が低下する傾向に
あり好ましくない。
【0025】含水ゲル状態の(A)と(B)の混合物中
に、必要により添加剤や増量剤として、残存モノマー低
減剤(例えば、亜硫酸ナトリウム、過酸化水素など)、
抗菌剤(例えば、第4級アンモニウム塩化合物、クロル
ヘキシジン化合物、金属塩系抗菌剤など)、防腐剤、芳
香剤、消臭剤、着色剤、酸化防止剤等を添加することが
出来る。これらの添加剤は含水ゲル状混合物の乾燥中ま
たは乾燥後に添加することもできる。増量剤や着色剤の
中には(B)は含まれない。
【0026】本発明の吸水剤の粒度分布は、表面架橋の
前後で変わらない。吸水剤の粒度分布は通常1000μ
m〜150μmの範囲の含有量が90質量%以上、好ま
しくは95質量%以上である。1000μmを越える粗
粒子が10質量%以上存在する場合、拡散吸収速度が低
下する傾向が生じてくる。150μm未満の微粒子が1
0質量%以上存在する場合、粉塵の発生が大きくなった
り、高湿度条件下でブロッキンングが生じやすくなった
りして、粉体ハンドリング性の低下や作業環境の悪化と
いう問題が生じることがあり好ましくない。平均粒径は
通常300〜700μm、好ましくは350〜600μ
mである。
【0027】本発明の吸水剤の0.9質量%生理食塩水
に対する拡散吸収速度を25〜65ml/g、好ましく
は28〜60ml/gとすることにより、紙おむつなど
の衛生用品に使用した場合、ドライ感の向上や漏れの低
減に効果的である。また、表面架橋して得られる本発明
の吸水剤は初期加圧吸収量が向上し、0.9%生理食塩
水に対する拡散吸収速度を25〜65ml/g、好まし
くは28〜60ml/g、かつ0.9%生理食塩水に対
する初期加圧吸収量を18〜40g/g、好ましくは2
5〜40g/gとすることにより、紙おむつなどの衛生
用品に使用した場合、ドライ感が更に向上し、漏れも更
に減少できてより効果的である。
【0028】
【実施例】以下実施例と比較例により本発明をさらに説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、得られた吸水剤の拡散吸収速度、初期加圧吸収量、
加圧吸収量および保水量は下記の方法で測定した。以下
特に定めない限り、%は質量%を示す。
【0029】[拡散吸収速度の測定法]:JIS標準フ
ルイで30〜60メッシュの粒度に調整した吸水剤0.
10gを試料として用意する。図1に示す装置を水平な
台上にセットする。なお、空気の流入口である細管の
位置と平板の上部面とが水平であることを確認する。
ビュレット最下部のコックと横穴のコックを閉じ、
0.9質量%の生理食塩水をビュレット上部からビュレ
ットの中に入れる。次にビュレット最上部のコック
を閉じ、最下部のコックおよび横穴のコックを開く
前に、ビュレット中の生理食塩水の容量を示す目盛りを
読んでおく。3mmの穴のあいた平板の穴の上に63
μmの目開きの平織りナイロンメッシュ(5cm×5c
m)を敷き、試料0.10gをその上にのせる。試
料をのせると吸水が始まるが、この時点から計測を開始
し、2分後の吸収量をビュレットの目盛りを読みとるこ
とによって測定する。吸水されて減量したビュレット内
の生理食塩水の容量の10倍値を拡散吸収速度とする。
【0030】[初期加圧吸収量および加圧吸収量の測定
法]:250メッシュのナイロン網を底面に貼った円筒
型プラスチックチューブ(内径φ30mm、高さ60m
m)内に、JIS標準フルイで30〜60メッシュの粒
度に調整した吸水剤試料0.10g入れて平坦に均す。
この吸水剤の上に20g/cm2の荷重となる外径φ3
0mmの分銅を乗せる。0.9%食塩水60mlの入っ
たシャーレ(直径φ12cm)の中央に、吸水剤の入っ
たプラスチックチューブをナイロン網側を下面にして静
置する。吸水剤が0.9%食塩水を吸収して増加した質
量を10分後および60分後に測定する。5分後の増加
重量の10倍値を0.9%食塩水に対する初期加圧吸収
量、60分後の増加重量の10倍値を0.9%食塩水に
対する加圧吸収量とする。
【0031】[保水量の測定法]:250メッシュのナ
イロン網で作成したティーバッグ(縦20cm、横10
cm)に、JIS標準フルイで30〜60メッシュの粒
度に調整した吸水剤試料1.00gを入れ、0.9質量
%の生理食塩水500ml中に60分間浸漬して吸収さ
せた後、15分間吊して水切りしてから、さらに遠心脱
水機にて150Gの遠心力で90秒間遠心脱水し、増加
質量を測定して0.9質量%の食塩水に対する保水量と
する。
【0032】実施例1 容量1リットルのガラス製反応容器にアクリル酸ナトリ
ウム77g、アクリル酸22.8g、N,N’−メチレ
ンビスアクリルアミド0.2gおよび脱イオン水295
gを仕込み、攪拌、混合しながら内容物の温度を3℃に
保った。内容物に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm
以下とした後、過酸化水素の1%水溶液1g、アスコル
ビン酸の0.2%水溶液1.2gおよび2,2’−アゾ
ビスアミジノプロパンジハイドロクロライドの2%水溶
液2.8gを添加・混合して重合を開始させ、約5時間
重合することにより含水ゲル状重合体(A1)を得た。
(A1)をインターナルミキサーで2〜5mmの大きさ
に細断後、エチレングリコールジグリシジルエーテル
0.1gとサンキライトYO2(PYCNOMETER
により測定される密度=0.66g/cm3;粒径20
〜70μm)(B1)を3g添加し、さらにインターナ
ルミキサーで均一に混合した後、150℃、風速2.0
m/秒の条件の通気型バンド乾燥機(井上金属工業製)
で乾燥した。得られた乾燥物を粉砕し、20〜100メ
ッシュの粒度に調整して吸水剤(1)を得た。この吸水
剤(1)の性能評価結果を表1に示す。
【0033】実施例2 実施例1で得た含水ゲル状重合体(A1)をインターナ
ルミキサーで2〜5mmの大きさに細断後、実施例1と
同量の(B1)を添加して混合し、次いで実施例1と同
様にして20〜100メッシュの粒度の吸水剤を得た。
この吸水剤100gを高速攪拌しながらエチレングリコ
ールジグリシジルエーテルの10%水/メタノール混合
溶液(水/メタノール=30/70)を2g加えて混合
した後、140℃で30分間加熱架橋することにより表
面架橋型の吸水剤(2)を得た。この吸水剤(2)の性
能評価結果を表1に示す。
【0034】実施例3、4 実施例2において、(B1)の添加量を1gあるいは6
gに代える以外は実施例1と同様にして表面架橋型の吸
水剤(3)および吸水剤(4)を得た。これらの性能評
価結果を表1に示す。
【0035】実施例5、6 実施例2において、(B1)に代えて、下記の微少フィ
ラー(B2)または(B3)を同量使用する以外は実施
例2と同様にして吸水剤(5)および吸水剤(6)を得
た。これらの吸水剤の性能評価結果を表1に示す。 (B2):テラファイン(PYCNOMETERにより
測定される密度=0.71g/cm3;粒径10〜30
μm) (B3):アエロジル200(PYCNOMETERに
より測定される密度=2.2g/cm3;粒径0.01
μm)
【0036】実施例7 容量1リットルのガラス製反応容器にアクリル酸ナトリ
ウム77g、アクリル酸22.75g、N,N’−メチ
レンビスアクリルアミド0.25gおよび脱イオン水2
93gを仕込み、攪拌、混合しながら「サンキライトY
O2」(B1)を3g添加して内容物の温度を3℃に保
った。内容物に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以
下とした後、過酸化水素の1%水溶液1g、アスコルビ
ン酸の0.2%水溶液1.2gおよび2,2’−アゾビ
スアミジノプロパンジハイドロクロライドの2%水溶液
2.8gを添加・混合して重合を開始させ、約5時間重
合することにより(B1)を含有した含水ゲル状重合体
配合物(AB1)を得た。(AB1)をインターナルミ
キサーで2〜5mmの大きさに細断した後、150℃、
風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥機で乾燥し
た。得られた乾燥物を粉砕し、20〜100メッシュの
粒度に調整して吸水剤を得た。この吸水剤100gを高
速攪拌しながらエチレングリコールジグリシジルエーテ
ルの10%水/メタノール混合溶液(水/メタノール=
30/70)を2g加えて混合し、140℃で30分間
加熱架橋することにより吸水剤(7)を得た。吸水剤
(7)の性能評価結果を表1に示す。
【0037】実施例8 容量1リットルのガラス製反応容器にアクリル酸81.
75g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.2
5gおよび脱イオン水241gを仕込み、攪拌、混合し
ながら内容物の温度を3℃に保った。内容物に窒素を流
入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、過酸化水素
の1%水溶液1g、アスコルビン酸の0.2%水溶液
1.2gおよび2,2’−アゾビスアミジノプロパンジ
ハイドロクロライドの2%水溶液2.8gを添加・混合
して重合を開始させ、約5時間重合することにより酸型
の含水ゲル状重合体を得た。この含水ゲル状重合体をイ
ンターナルミキサーで2〜5mmの大きさに細断しなが
ら、30%水酸化ナトリウム水溶液109.1gを添加
して混練することによりカルボン酸基の72モル%が中
和された含水ゲル状重合体(A2)を得た。実施例1と
同量の(B1)を含水ゲル状重合体(A2)に添加して
均一に混合した後、150℃、風速2.0m/秒の条件
の通気型バンド乾燥機で乾燥した。得られた乾燥物を粉
砕して20〜100メッシュの粒度に調整して吸水剤を
得た。この吸水剤100gを高速攪拌しながらエチレン
グリコールジグリシジルエーテルの10%水/メタノー
ル混合溶液(水/メタノール=30/70)を2g加え
て混合し、140℃で30分間加熱架橋することにより
吸水剤(8)を得た。吸水剤(8)の性能評価結果を表
1に示す。
【0038】比較例1 実施例1で得られた含水ゲル状重合体(A1)をインタ
ーナルミキサーで2〜5mmの大きさに細断後、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテルを0.1g添加し、
さらにインターナルミキサーで均一に混合した後、15
0℃、風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥機で
乾燥した。得られた乾燥物を粉砕し、20〜100メッ
シュの粒度に調整することにより比較の吸水剤(a)を
得た。この比較の吸水剤(a)の評価結果を表1に示
す。
【0039】比較例2 実施例1で得られた含水ゲル状重合体(A1)をインタ
ーナルミキサーで2〜5mmの大きさに細断後、150
℃、風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥機で乾
燥した。得られた乾燥物を粉砕し、20〜100メッシ
ュの粒度に調整して吸水剤を得た。この吸水剤100g
を高速攪拌しながらエチレングリコールジグリシジルエ
ーテルの10%水/メタノール混合溶液(水/メタノー
ル=30/70)を2g加えて混合した後、140℃で
30分間加熱架橋することで表面架橋型の比較の吸水剤
(b)を得た。この比較の吸水剤(b)の性能評価結果
を表1に示す。
【0040】比較例3、4 実施例2において、(B1)の添加量を0.01gある
いは15gに代える以外は実施例2と同様にして得られ
た30〜60メッシュの粒度の乾燥物100gを、実施
例2と同様に表面架橋して、比較の吸水剤(c)および
比較の吸水剤(d)を得た。これらの評価結果を表1に
示す。
【0041】比較例5 実施例2において、(B1)に代えて、エクスパンセル
461DE(PYCNOMETERにより測定される密
度=0.06g/cm3;粒径20〜40μm;日本フ
ェライト社製)(B4)を同量使用する以外は実施例2
と同様にして比較の吸水剤(e)を得た。この比較の吸
水剤の性能評価結果を表1に示す。 (B4):エクスパンセル461DE(PYCNOME
TERにより測定される密度=0.06g/cm3;粒
径20〜40μm;日本フェライト社製)
【0042】比較例6 実施例1で得た含水ゲル(A1)をインターナルミキサ
ーで2〜5mmの大きさに細断した後、熱分解型の発泡
剤である「ビニホールAZ−S」(分解温度100℃、
主成分:アゾビスイソブチロニトリル、永和化成工業株
式会社製)を(A1)の固形分に対して3%添加し、さ
らにインターナルミキサーで均一に混合した後、150
℃、風速2.0m/秒の条件の通気型バンド乾燥機で乾
燥した。得られた乾燥物を粉砕し、20〜100メッシ
ュの粒度に調整して比較の吸水剤を得た。このもの10
0gを高速攪拌しながらエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルの10%水/メタノール混合溶液(水/メタ
ノール=30/70)を2g加えて混合し、140℃で
30分間加熱架橋することで表面架橋型の比較の吸水剤
(f)を得た。この比較の吸水剤(f)の性能評価結果
を表1に示す。
【0043】比較例7 比較例1で得た比較の吸水剤(a)100部を、ポリビ
ニルアルコール(ケン化度88モル%)の10%水溶液
15部を発泡シラス(「シラックスPB10」;株式会
社シラックス製;平均粒径470μm)100部に添加
・混合して得られた混合物に添加して十分に混合後、1
時間静置し、120℃で3時間乾燥することにより比較
の吸水剤(g)を得た。この比較の吸水剤(g)の性能
評価結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の吸水剤および製造法は次のよう
な特徴および効果を有する。 拡散吸収速度が速く、初期加圧吸収量(加圧下におけ
る吸収速度を表す)にも優れることから、例えば衛生用
品の吸収剤として使用した際、初期ドライ感の向上やモ
レの減少といった効果を発揮する。 保水量及び加圧吸収量にも優れる。 通常の粒子径であることから、粉体のハンドリング性
に優れる。且つ微粒子の造粒物のように、機械的剪断力
や摩擦によって粒子が壊れて微粒子を発生することがほ
とんどない。 通常の粒子径であることから、パルプ等の繊維状物と
混合して吸収体とした場合、振動などの外力が加わって
も繊維状物からの脱離がほとんどない。 熱分解型の発泡剤による改善とは異なり、加熱乾燥時
にラジカル等の生成がないことから、製造工程中に性能
劣化を生じることがなく、拡散吸収速度と吸収性能に優
れるだけでなく、水可溶性成分量の少ない吸水剤が得ら
れる。 微少フィラーが吸水性樹脂の粒子内に内蔵されている
ため、多孔性無機粒子で覆われている吸水性樹脂に比べ
て、輸送中や振動による無機粒子の分離・偏在および脱
落がなく、安定して優れた性能が得られる。 吸水性樹脂の重合中、あるいは重合後から乾燥前まで
のいずれかの段階で微小フィラーを混合して乾燥すると
いう簡単な方法で、拡散吸収速度の改善を計ることがで
きる。
【0046】上記効果を奏することから、本発明の製造
法で得られる吸水剤は、使い捨て紙おむつ(子供用およ
び大人用紙おむつ)、生理用ナプキン、失禁者用パッ
ド、母乳パッド、手術用アンダーパッド、産褥マット、
創傷保護用ドレッシング材、ペットシートなどの衛生用
品や医療用品に特に好適である。また、各種の吸収シー
ト類(例えば、ペット尿吸収シート、鮮度保持シート、
ドリップ吸収シート、水稲育苗シート、コンクリート養
生シート、ケーブル類の水走り防止シートなど)にも好
適に使用することができる。更に、吸水剤の粉末を応用
する用途(例えば、土壌保水剤、ヘドロ固化剤、廃血液
や水性廃液などの固形化剤、尿ゲル化剤、電池の電解液
ゲル化剤など)にも好適に使用できる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拡散吸収速度測定機器の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1.コック 2.コック 3.ゴム栓 4.ビュレット 5.細管 6.穴のあいた平板 7.ナイロンメッシュ 8.試料 9.生理食塩水 10.大気圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 義行 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三 洋化成工業株式会社内 審査官 藤本 保 (56)参考文献 特開 平8−157531(JP,A) 特開 平2−155952(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C08J 3/24 B01J 20/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合後未乾燥の吸水性樹脂(A)の含水
    ゲルとPYCNOMETERにより測定される密度が
    0.1g/cm3を超え5g/cm3以下の微小フィラー
    (金属フィラーを除く)(B)との混合物を乾燥してな
    り、(B)が(A)に内蔵された吸水剤。
  2. 【請求項2】 該含水ゲル中の水の量が(A)の固形分
    に対し2〜10倍である請求項1記載の吸水剤。
  3. 【請求項3】 (A)が水溶性単量体と架橋剤とを水溶
    液重合して得られる吸水性樹脂であり、(A)の重合か
    ら乾燥前までのいずれかの段階で(B)を混合してなる
    請求項1または2記載の吸水剤。
  4. 【請求項4】 (B)の形状が中空状または多孔質状で
    ある請求項1〜3の何れか記載の吸水剤。
  5. 【請求項5】 (A)と(B)の比率が質量基準で10
    0:(0.05〜10)である請求項1〜4の何れか記
    載の吸水剤。
  6. 【請求項6】 (B)の粒径が0.001〜200μm
    である請求項1〜5の何れか記載の吸水剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の吸水剤
    を、更に粉砕して得られる粒子状物を表面架橋してなる
    吸水剤。
  8. 【請求項8】 該吸水剤の0.9%生理食塩水に対する
    拡散吸収速度が25〜65ml/gであり、かつ0.9
    %生理食塩水に対する初期加圧吸収量が18〜40g/
    gである請求項7記載の吸水剤。
  9. 【請求項9】 水溶性単量体と架橋剤とを水溶液重合
    し、乾燥して吸水性樹脂(A)を製造する方法におい
    て、(A)の重合から乾燥前までのいずれかの段階で、
    PYCNOMETERにより測定される密度が0.1g
    /cm3を超え5g/cm3以下の微小フィラー(B)
    を、(A)と(B)が質量基準で100:(0.05〜
    10)の比率で混合することを特徴とする吸水剤の製造
    法。
  10. 【請求項10】 請求項9の製造法において、更に粉砕
    して得られる粒子状物を表面架橋してなる吸水剤の製造
    法。
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