JPH06166622A - 食品に肥満、耐糖能障害を予防する作用を付与する方法、同予防作用を有する食品および砂糖調製品 - Google Patents

食品に肥満、耐糖能障害を予防する作用を付与する方法、同予防作用を有する食品および砂糖調製品

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JPH06166622A
JPH06166622A JP5213360A JP21336093A JPH06166622A JP H06166622 A JPH06166622 A JP H06166622A JP 5213360 A JP5213360 A JP 5213360A JP 21336093 A JP21336093 A JP 21336093A JP H06166622 A JPH06166622 A JP H06166622A
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茂 若林
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康弘 干井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】肥満症の予防、耐糖能障害の予防を行うことが
できる作用を食品、特に砂糖に付与する方法を開発する
こと。 【構成】少なくとも30重量%の難消化性成分を含む難
消化性デキストリンを、食品に対して1食分当り、1〜
30g添加することを特徴とする、食品に肥満、耐糖能
障害を予防する作用を付与する方法、該難消化性デキス
トリンを、1食分当り、1〜30g含有する食品及び砂
糖粒子の表面を、該難消化性デキストリンで被覆してな
る、肥満、耐糖能障害を予防する作用を有する砂糖調製
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品に肥満、耐糖能障害
を予防する作用を付与する方法、同予防作用を有する食
品および砂糖調製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食生活は豊かになったが、その一
方で、過剰栄養、偏食に加えて、運動不足が重なり、肥
満症、糖尿病をはじめとした成人病は増加の一途を辿っ
ている。このような社会的背景から、健康人の肥満およ
び糖尿病の予防、さらには糖尿病患者等、血糖コントロ
ールを要する疾病患者を対象とした血糖値ならびにイン
スリン分泌上昇抑制剤の開発が進められている。例え
ば、砂糖や澱粉の腸管吸収を阻害する物質として、消化
に関わる酵素の阻害剤であるアカルボース(バイエル薬
品)やAO−128(武田薬品工業)等があるが、これ
らはいずれも医薬品であり、副作用等の安全性の点から
一般の消費者が予防の目的で服用することは困難であ
り、また危険でもある。また、グルコースがα−1,6
結合によって反復結合された重合体、例えばイソマルト
トリオース、デキストランやプルラン等が砂糖の摂取に
よる血糖上昇抑制作用を有することが知られているが、
前二者はそれ自身吸収を受け、デキストランは血液凝固
時間延長等の副作用があることが明らかにされており、
安全性に問題がある。また、プルランについては砂糖摂
取後の血糖値上昇は抑制するが、グルコースやマルトー
スに対しては全く効果がなく、また、インスリン分泌に
対しては効果が検証されていない。さらに、若齢ラット
に連続投与したときに体重増加は抑制され、成長を阻害
することが知られている。
【0003】一方、糖尿病患者、糖尿病になる危険が高
いと考えられる人、あるいは肥満症の人では体内での糖
代謝の調節に最も重要なインスリンの作用を保護、維持
あるいは増強する目的で、インスリンに依存せずに消化
吸収される単糖類あるいは糖アルコールである、果糖、
ソルビトール、キシリトール等が、またマルチトール、
マルトースやロイクロース等の二糖類、さらにはグルコ
ース・ポリマー(米国特許第3,928,135号)を
含有する輸液および飲食物が、摂取後の一過性高血糖の
予防、インスリン分泌節約、エネルギー補給、あるいは
輸液の浸透圧調節のために利用されている。しかしなが
ら、これらの単糖類、二糖類は甘味度が高く、甘味の質
は砂糖に比べて良くない。また、糖アルコールは下痢を
起こすことがある。さらに、グルコース・ポリマーは輸
液として利用した時にはインスリンの分泌を刺激しない
ことが知られているが、輸液の使用は医行為であり一般
的でない。
【0004】また一般に焙焼デキストリンは数%の水を
含む澱粉を酸の存在下または、非存在下に加熱して得ら
れるものである。ブリティッシュ・ガムは、澱粉を、酸
を添加しないで135〜218℃で10〜20時間加熱
処理して得られる。白色デキストリンは、酸を添加して
79〜121℃で3〜8時間加熱処理して得られる。ま
た黄色デキストリンは同様に酸を添加して150〜22
0℃で6〜18時間加熱して得られる。
【0005】砂糖の調製品は一般に砂糖に他の成分を混
合することによって得られるが、砂糖のように一般の家
庭でテーブル・シュガーとして使用する場合には、これ
らの混合品では、流動性が悪いことに加えて吸湿による
固結が起きたり、砂糖と他の成分の粒径や比重が異なる
ために、容器内で各成分が分離して不均一となるなどの
欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、砂糖
や澱粉質などの糖質の経口摂取による血糖値ならびにイ
ンスリン分泌の上昇を抑制することにより、肥満症の予
防、耐糖能障害の予防を行うことができる作用を食品に
付与する方法、同予防作用を有する食品およびその予防
作用を有し且つ流動性と保存性が優れ、食品工業用のみ
ならず家庭内でも容易に取扱うことができる砂糖調製品
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれまで
に、難消化性デキストリンが、整腸作用、血清脂質改善
作用、さらにはグルコース刺激によるインスリン分泌の
抑制作用を有することを見出している。本発明者らはま
た、難消化性デキストリンはグルコース刺激における血
糖値上昇には影響を与えないことを明らかにしている。
本発明者らはさらに、食品に多く含まれる2糖類〜多糖
類摂取に及ぼす難消化性デキストリンの影響について、
上記課題を克服する用法を解決すべく鋭意検討を行った
結果、難消化性デキストリンが砂糖摂取後の血糖値の上
昇抑制力を有することを見出した。また、難消化性デキ
ストリンの上記効果の発現機序は、砂糖を含めた2糖類
〜多糖類の消化(加水分解)により生じたグルコースの
吸収抑制によるものであり、加えてインシュリン分泌刺
激作用を有する腸管グルカゴン分泌を抑制するもので、
従って、インシュリン分泌の上昇を緩徐にすることを解
明した。一方、難消化性デキストリンは急性毒性、亜急
性毒性および変異原性試験において毒性はみられておら
ず、また充分な食経験もあり、安全である。
【0008】さらに、pHの変化や熱に対しても物理化
学的性質は安定であり、他の食品素材と反応しないこと
から、調理や食品加工の工程にも充分に耐えうるもので
ある。これらの特徴を有した難消化性デキストリンを本
発明では、肥満症あるいは耐糖能障害予防という目的に
おいて利用するものである。
【0009】本発明者らはさらに詳細な研究を行った結
果、後記するようにこの難消化性デキストリンが味覚に
優れると共に、血糖上昇が緩徐であるという新知見を
得、さらにこの難消化性デキストリンを食品の構成成分
として使用した場合に、食品本来の風味やテクスチャー
を損なうことが少ないことから本発明を完成するに至っ
た。従ってこの課題は難消化性デキストリンを得ること
と味覚との相関、及びそのヒトへの生理作用を研究し、
血糖値ならびにインスリン分泌抑制剤として最適の難消
化性デキストリンを開発することと、この難消化性デキ
ストリンを食品に添加すること、および難消化性デキス
トリンで砂糖の表面を被覆して、流動性と保存性に優れ
た砂糖調製品を得ることで解決される。
【0010】本発明は、少なくとも30重量%の難消化
性成分を含む難消化性デキストリンを、食品に対して1
食分当り、1〜30g添加することを特徴とする、食品
に肥満、耐糖能障害を予防する作用を付与する方法を提
供するものである。
【0011】本発明はまた、少なくとも30重量%の難
消化性成分を含む難消化性デキストリンを、1食分当
り、1〜30g含有することを特徴とする肥満、耐糖能
障害を予防する作用を有する食品を提供するものであ
る。
【0012】本発明はさらに、砂糖粒子の表面を、少な
くとも30重量%の難消化性成分を含む難消化性デキス
トリンで被覆してなる、肥満、耐糖能障害を予防する作
用を有する砂糖調製品を提供するものである。
【0013】本発明において、「食品」とは、本発明の
難消化性デキストリンを添加することができ、且つ、難
消化性デキストリンを添加した結果、肥満、耐糖能障害
を予防する作用を有するすべての食品を意味し、具体的
には、ジュース、コーヒー、紅茶等の飲料;羊羹、最
中、大福、饅頭等の和菓子;カステラ、サブレ、チョコ
レート、ドーナツ、ケーキ、パイ、プリン等の洋菓子;
冷菓類;食パン、菓子パン等のパン類;あんまん、肉ま
ん、ジャム、マーマレード等の、砂糖を比較的多量に含
む食品が好適である。本発明の好ましい実施態様では、
食品中の砂糖100重量部に対して10〜40重量部の
難消化性デキストリンが使用される。
【0014】本発明において使用する難消化性デキスト
リンとは、澱粉を鉱酸存在下に加熱処理して得られる焙
焼デキストリンをα−アミラーゼで処理し、さらに必要
によりグルコアミラーゼ処理、イオン交換樹脂クロマト
グラフィー処理、精製処理、等を施して得られるデキス
トリンであって、後に定義する測定方法により測定され
た難消化性成分を30重量%以上含むものをいう。
【0015】本発明において、難消化性デキストリンと
しては次の製造法のいずれかによるものが効果的に使用
できる。
【0016】(1)澱粉に少量の無機酸、好ましくは塩
酸を添加して粉末状態で加熱して得られる焙焼デキスト
リンを、α−アミラーゼで加水分解して、必要に応じて
精製することにより得られる、難消化性成分の含量が約
30〜60重量%のもの。
【0017】(2)(1)の工程で得られたものを、更
にグルコアミラーゼで加水分解し、必要に応じて精製す
る方法で得られる、難消化性成分の含量が約30〜60
重量%のもの。
【0018】(3)(2)の工程で得られたものを、更
にイオン交換樹脂クロマトグラフィーにかけてグルコー
ス区分を分離除去して得られる、難消化性成分の含量が
約60〜90重量%のもの。
【0019】本発明に使用される難消化性デキストリン
の原料である澱粉としては、特に限定されないが、例え
ば、とうもろこし、もちとうもろこし、馬鈴薯、甘藷、
タピオカ、小麦、大麦、米、等の澱粉が使用できる。
【0020】以下上記方法について更に詳細に説明す
る。
【0021】(1)澱粉に鉱酸(例えば、塩酸、硝酸、
硫酸)、好ましくは塩酸を、澱粉100重量部に対し
て、例えば、1重量%の塩酸水溶液として3〜10重量
%添加し、加熱処理して中間物質である焙焼デキストリ
ンを得る。この加熱処理の前に、澱粉と鉱酸の水溶液を
均一に混合するために、適当なミキサー中で攪拌、熟成
(数時間)させてから、好ましくは100℃〜120℃
程度で予備乾燥して、混合物中の水分を5重量%程度ま
で減少させることが好ましい。加熱処理は従来の加酸焙
焼デキストリン(白色デキストリン、黄色デキストリ
ン)の加熱条件とは異なり、150〜200℃で10分
〜120分、好ましくは30分〜120分が適当であ
る。加熱処理の温度は高い方が目的生成物中の難消化性
成分の含量が増加するが、180℃付近から着色物質が
生成する傾向があるので、より好ましくは150℃〜1
80℃である。
【0022】加熱装置を選択することによって高温短時
間の反応を行うことも可能であるので、例えばエクスト
ルーダーのようにごく短時間に均一な反応を行うことが
できる装置を用いれば効率的に加熱処理することができ
る。また、粉末状態での反応であるから大規模生産の場
合は、加熱条件を変更する必要もあるので、加熱処理後
の製品の品質を検討した上で、適宜加熱条件を変更する
ことが望ましい。
【0023】この焙焼デキストリンを20〜45重量%
程度の濃度の水溶液となし、この焙焼デキストリン水溶
液のpHを5.5〜6.5に調整し、α−アミラーゼを、
例えばターマミル60L(商品名、ノボ・ノルディスク
・バイオインダストリー社製造)の場合は焙焼デキスト
リンに対し0.05〜0.2重量%添加する。他のα−ア
ミラーゼを使用する場合はその酵素剤の力価に応じて同
等の量を添加すればよい。α−アミラーゼの添加後に溶
液を加熱し、α−アミラーゼの作用温度である85〜1
00℃(α−アミラーゼの種類によって異なる)で30
分〜2時間保持して加水分解する。次いで温度を120
℃程度(α−アミラーゼの失活温度)に上昇してα−ア
ミラーゼ作用を停止する。この際塩酸やシュウ酸などの
酸を加えてpHをα−アミラーゼが失活する程度、即ち
pH4程度まで低下させて失活させてもよい。またα−
アミラーゼで加水分解した後に加水分解液を115〜1
35℃で加圧蒸煮処理をした後に再度α−アミラーゼを
作用させることによって精製時の濾過速度を高めること
もできる。
【0024】α−アミラーゼ作用終了後、精製を行う場
合は不純物、色などを除くために活性炭を添加する。続
いて通常のフィルター・プレス、プレコート・フィルタ
ーなどによって濾過する。次にイオン交換樹脂により溶
液中の塩類や着色物を除く。イオン交換樹脂による処理
は、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂に続いて両イ
オン交換樹脂を混合した樹脂を通過させることにより行
うのが好ましい。
【0025】(2)の製造法では、上記(1)の工程の
α−アミラーゼ処理後にグルコアミラーゼ処理を行う。
一般のグルコアミラーゼには若干のα−アミラーゼが混
在しているのが通常であり、このため難消化性デキスト
リンを直接グルコアミラーゼだけで加水分解しても、α
−アミラーゼとグルコアミラーゼの併用作用に近い効果
を発揮できるが、この混在量が少ない場合には上記
(1)の工程のα−アミラーゼ処理の効果に比して若干
低下する場合があり、最も好ましいのはα−アミラーゼ
作用に続いてグルコアミラーゼを作用させる方法であ
る。
【0026】この際の処理条件はグルコアミラーゼの通
常の条件が採用され、例えば液温を55℃〜60℃程度
に下げ、pHを4.0〜6.0程度に調整し、市販のグル
コアミラーゼを元の焙焼デキストリンに対して0.05
〜0.2重量%添加し、液温を保持して24〜48時間
程度加水分解させる。この反応は液中に存在するオリゴ
糖などの消化性成分をグルコースに分解させるものであ
る。グルコアミラーゼの添加量と作用時間は前記の範囲
に限定されるものではなく、アミラーゼの力価に応じて
同等の量を添加すればよい。また添加量を増減すること
によって反応時間を自由に調整することもできる。続い
て例えば80℃前後に加熱してグルコアミラーゼを失活
させて加水分解を終了させる。次に必要に応じて(1)
の方法と同様にして精製を行う。この製造法による難消
化性デキストリンは、難消化性成分以外に約50重量%
前後のグルコースを含有するものである。
【0027】(3)の製造法では、上記(2)の製造法
のグルコアミラーゼ作用後に脱色濾過、イオン交換樹脂
による精製を行う。次にイオン交換樹脂クロマトグラフ
ィー法によって、グルコース区分を分離除去して難消化
性成分の含量を高める。この場合に分離用のイオン交換
樹脂としては市販一般の強酸性陽イオン交換樹脂が広く
使用できる。その好ましい具体例としては、アンバーラ
イトIR−116、同IR−118、同IR−120−
B、同XT−1022E、同XT−471F(以上商品
名、オルガノ社製)、ダイヤイオン2K−1B、同SK
K−102、同SK−104、同SK−106、同SK
−110、同SK−112、同SK−116、同FR−
01(以上商品名、三菱化成社製)、XFS−4328
1.00、同43280.00、同43279.00、同
43278.00(以上商品名、ダウケミカル日本社
製)を例示することができる。
【0028】そしてこれらの樹脂は通常使用前にアルカ
リ金属型又はアルカリ土類金属型として用いることが好
ましい。高分子デキストリンとグルコースの分離を良く
するために、使用樹脂に応じてカラム通液時の流速を調
整することが好ましいが、通常はSV=0.1〜0.6、
好ましくはSV=0.2〜0.4である。この流速範囲外
では作業性や分離が悪くなる傾向がある。通液の時の温
度は20〜70℃程度であり、好ましくは50〜70℃
である。これより液温が低いと分離が悪くなり、液の粘
度が上がって樹脂に障害を与えることがある。これより
高温になると液が褐変したり、その他の品質が悪くなる
ことがある。
【0029】この分離処理によって難消化性デキストリ
ン中の難消化性成分の含量を約60重量%以上、好まし
くは約80重量%以上に高め、グルコースの含量を0.
5重量%程度まで低下することができるが、分離の条件
を変更することによってグルコースの含量は任意に調整
できる。従ってグルコースも食品の成分として利用した
い場合は、グルコースの含量を高めた製品を得ることも
可能である。例えばグルコアミラーゼ処理後のグルコー
ス含量が50重量%の場合に、その1/2の25重量%
を分離することによって全体のグルコース含量が約33
重量%の製品を得ることができる。しかしグルコース含
量があまり多くなると、砂糖調製品の吸湿性が増加して
保存性が低下するので好ましくない。
【0030】本発明において肥満、耐糖能障害を予防す
る効果を発揮するのは、難消化性デキストリン中の難消
化性の成分である。本発明に使用される難消化性デキス
トリンは、この難消化性成分の含量が30重量%以上の
ものである。難消化性の成分の含量が高い方が摂取量が
少なくて済むことから、本発明で使用する難消化性デキ
ストリン中の難消化性成分の含量は好ましくは40重量
%以上、より好ましくは50重量%以上であり、100
重量%であってもよい。
【0031】本発明に従って、肥満、耐糖能障害の予防
を目的として摂取される難消化性デキストリンの量は、
1食当たり通常、1g〜30gである。難消化性成分が
生理作用に及ぼす影響は個人差があることから、効果を
見ながら適宜増減するのが良い。
【0032】また本発明の砂糖調製品において、砂糖に
添加される難消化性デキストリンの量は、砂糖の品位を
損なわない限り特に制限はないが、砂糖100重量部に
対して5〜100重量部程度が好ましく、更に好ましく
は10〜40重量部である。しかし同様に生理作用への
影響は個人差があることから、効果を見ながら適宜増減
するのが良い。
【0033】砂糖調製品に使用する砂糖としては、一般
の上白糖は流動性が悪く、難消化性デキストリンで表面
を被覆することが困難であるので、グラニュー糖または
粉糖を使用するのが好ましい。
【0034】また本明細書において血糖上昇緩徐とは、
耐糖能試験において各測定時間における血糖値が他の糖
類負荷の場合と比較した場合に、比較的早い時間(60
分以内)で、有意に低値を示すことである。例えばラッ
トを用いた実験において、砂糖の経口負荷試験で、30
分、60分の平均血糖値はそれぞれ165および135
mg/dlであり、これに比べて砂糖と同時に難消化性
デキストリンを投与した場合では、それぞれ133およ
び113mg/dlであり、難消化性デキストリン存在
下の方が有意に低値(p<0.05)であった。
【0035】砂糖を負荷したラットの血糖値の集団
(A)と砂糖と同時に難消化性デキストリンを負荷した
ラットの血糖値の集団(B)はそれぞれ正規分布より少
しすそを長くひいたt分布と呼ばれる分布になる。そし
てこの2つの集団の分布がその分布を表す曲線が5%以
下しか重ならない場合p<0.05(危険率5%)で有
意差があるという。統計学上5%の確率とは非常に低い
ものとみなされるので、この場合は難消化性デキストリ
ンは砂糖よりも血糖上昇が緩徐であることが明らかであ
る。
【0036】またラットを用いた難消化性デキストリン
の経口投与による急性毒性試験により死亡例は見られ
ず、LD50値は本試験の最大投与量の40g/Kg体重
以上と推定されD−グルコ−スの25.8g/Kg体重
の1.55倍以上の高値であった。また変異原性試験の
結果も陰性であった。
【0037】従って本発明による難消化性デキストリン
及び砂糖調製品は安全性が高く、D−グルコースと同様
に1日の摂取量に上限はないと思われる。また経口摂取
する場合、取扱いの容易性、味覚等の面からおのずと摂
取量は制限されてくるものであるが、本発明の難消化性
デキストリンの内で、酵素加水分解処理を行って難消化
性成分の含量を高くしたものは高分子の糖類もよく分解
されていて糊感がなく、粘度は砂糖とほぼ同じで低い。
難消化性成分含量の高い難消化性デキストリンは、低分
子の糖類も少ないので甘味度も低く、多量に摂取するこ
とが可能であることから最も好ましい効果を得ることが
できる。
【0038】また砂糖粒子の表面を上記の難消化性デキ
ストリンで被覆するにあたっては、一般の造粒装置が使
用できるが、流動造粒装置を用いて砂糖粒子を流動させ
ながら、その表面を難消化性デキストリンの溶液で被覆
したものが溶解性に優れていることから最も好ましい。
【0039】造粒とは「粉状、粒状、塊状あるいは溶液
の原料から、ほぼ均一な形と大きさを持つ粒子を作り出
す技術」である。なかでも流動造粒は個体粒子の充填層
の低部から加熱された空気を吸入することにより粒子群
が吹き上げられ、流動している状態にバインダー液また
は、コーティング液をスプレーして造粒・コーティング
を行うものである。市販の流動造粒装置は、一般に混
合、造粒、コーティング、乾燥、冷却を一つの機械で行
うことができる密閉構造の装置である。製品の粒度は自
由に変えられ、造粒・コーティングのスピードが極めて
早く、原料素材の変質が少なく、安定した多孔質の造粒
・コーティング製品が得られる。加熱空気の温度は広範
囲に選択することができるが、本発明においては通常6
0〜100℃の範囲で効果的に実験することができる。
またコーティング液の固形分濃度は通常5〜25重量
%、好ましくは15重量%前後である。
【0040】次に実験例により、本発明の安全性と作用
効果を詳細に説明する。難消化性成分含量の測定方法
【0041】本発明に使用される難消化性デキストリン
中の難消化性成分の含量は、以下に説明する方法(「難
消化性成分の定量法」(澱粉科学、第37巻、第2号、10
7 頁、1990) に記載の方法の改良法)によって測定した
ものである。
【0042】〔難消化性成分の定量法〕難消化性デキス
トリン試料1gを精秤し、0.05Mリン酸緩衝液(p
H6.0)50mlを加え、α−アミラーゼ(ノボ・ノ
ルディスク・バイオインダストリー社製:ターマミル1
20L、力価:120KNU/g)0.1mlを添加し
95℃で30分間反応させる。冷却後、pH4.5に調
整しアミログルコシダーゼ(シグマ社製:No. A-3042、
力価:6100 単位/ml)0.1mlを添加し、60℃で3
0分間反応させた後、90℃まで昇温し反応を終了させ
る。終了後、反応液を水で100mlにフィルアップ
し、ピラノース・オキシダーゼ法によりグルコース量
(B)(g)を求め、反応前の試料についても同様にグ
ルコース量(A)(g)を求め、次式により難消化性成
分の含量(%)を算出する。
【0043】難消化性成分含量(%)=〔1−A−(B
−A)×0.9〕×100 A=反応前のグルコース量(g) B=反応後のグルコース量(g)
【0044】
【実験例1】パインファイバーC(商品名、松谷化学工
業株式会社製造の馬鈴薯澱粉を原料として前記(3)の
方法で製造した難消化性デキストリンの粉末で、難消化
性成分の含量が86.7重量%のもの)を使用して次の
実験を行った。
【0045】ラット45匹を用いた実験結果では、空腹
時の血糖値が平均80.0mg/dl、インスリン分泌
が平均10.5μU/mlであったのが、体重Kg当た
り1.5gの砂糖を経口投与したところ血糖値ならびに
インスリン分泌は上昇し、30分後には平均165mg
/dlおよび50.2μU/mlと最高値を示した後、
120分後には正常値に回復した。
【0046】砂糖1.5gに対して1/20〜1/1の
割合で上記の難消化性デキストリンを添加し、ラットに
経口投与して120分間の血糖値とインスリン分泌の総
量を測定し、砂糖単独投与のときを100として難消化
性デキストリン添加の際の効果を比較した結果を表1に
示す。表1において効果判定は血糖値とインスリン分泌
の上昇抑制を総合判断した結果を符号で表した。
【0047】
【表1】 難消化性デキストリン添加量(g) 0 0.075 0.15 0.60 1.50 難消化性成分含量(g) 0 0.065 0.13 0.52 1.30 血糖値(%) 100 89.5 66.6 71.5 81.6 インスリン分泌(%) 100 55.1 38.9 55.5 52.8 効果判定 - + +++ ++ ++
【0048】−:効果なし、+:効果あり、++:効果
大、+++ :効果極めて大
【0049】表1は、難消化性デキストリンを添加する
ことにより、砂糖による血糖値ならびにインスリン分泌
の上昇が有意に抑制されることを示している。砂糖に対
して難消化性デキストリンの添加量が難消化性成分換算
で、砂糖1.5gに対して0.065〜1.3gの範囲で
効果が認められたが、1.3gの添加では0.52gの添
加に比較して効果は余り増加していない。従って、難消
化性成分のより好ましい添加量は0.13〜0.52gで
あることがわかる。これを砂糖100gに対する難消化
性デキストリンの添加量に換算すると、約5gから約1
00gまで効果が認められる。より好ましい添加量は約
10〜40gの範囲である。
【0050】尚、同様に市販の食品用白色デキストリン
を上記砂糖1.5gに対して0.15g添加したときの3
0分後の血糖値は、平均160mg/dlであり、砂糖
のみを経口投与したときと差異がなかった。
【0051】
【実験例2】ラット(平均体重126g、平均脂肪量2
0g、平均体脂肪比(脂肪量/体重×100)15.8
%)36匹を4群に分け、第1群には砂糖65重量%を
含む高砂糖食を、第2〜第4群は高砂糖食95部に実験
例1の難消化性デキストリン、ペクチン(レモン由来、
和光純薬社製)あるいはコーンファイバー(日本食品加
工社製)をそれぞれ5部添加した合成飼料を与え、4週
間飼育した。飼料ならびに飲料水(水道水)は自由に与
えた。4週目において各群の飼料効率(増加体重量/摂
餌量)に差異はなかった。体重、脂肪量および体脂肪比
の測定結果を表2に示す。
【0052】
【表2】飼 料 匹数 体重(g) 脂肪量(g) 体脂肪比(%) 高砂糖摂取群 12 407 112 27.6 高砂糖+難消化性デキストリン群 8 408 68 16.6 高砂糖+ペクチン群 8 441 117 26.5 高砂糖+コーンファイバー群 8 416 113 27.3
【0053】表2の結果から明らかなように、ペクチン
およびコーンファイバーの効果が明確でないのに対し、
難消化性デキストリンは高砂糖食群と比較して体重増
加、即ち、成長には影響を与えないが、脂肪量ならびに
体脂肪比は明らかに低下した。これらの結果から、難消
化性デキストリンは肥満の予防効果を有することがわか
る。
【0054】
【実験例3】ラット(平均体重126g、平均脂肪量2
0g、平均体脂肪比(脂肪量/体重×100)15.8
%)36匹を4群に分け、A群には砂糖65重量%を含
む高砂糖食を、B〜D群には高砂糖食95部に実験例1
の難消化性デキストリン、ペクチン(レモン由来、和光
純薬社製)あるいはコーンファイバー(日本食品加工社
製)を5部添加した合成飼料を与え、4週間飼育した。
飼料ならびに飲料水(水道水)は自由に与えた。4週目
において経口グルコース(1.5g/Kg体重)負荷試
験を実施し、空腹時、負荷後30分、60分及び120
分に採血し、血糖値及びインスリン濃度を測定した。ま
た空腹時のサンプルについては血漿フルクトサミン濃度
を測定した。この血漿フルクトサミン濃度は、採血前2
週間の平均血糖値とよい相関があることが知られてお
り、グルコース負荷試験とともに耐糖能障害の程度を評
価する検査法として一般的である。血糖値、インスリン
濃度及び血漿フルクトサミン濃度の測定結果をそれぞれ
図1、図2及び図3に示す。
【0055】但し図中の各記号は夫々以下のものを示
す。 A ●−●:高砂糖摂取群 B ○−○:高砂糖+難消化性デキストリン群 C ▲−▲:高砂糖+ペクチン群 D ■−■:高砂糖+コーンファイバー群
【0056】この結果から明らかなように、高砂糖摂取
群(A)では、空腹時血糖値は平均140mg/dlと
高値であり、負荷後30分に平均170mg/dlの頂
値に達した後、120分に至っても空腹時の1.2倍と
全般的に高値で推移した。これに対して、高砂糖+難消
化性デキストリン摂取群(B)では、空腹時血糖値は正
常であり、血糖曲線のレベルは明らかな低値であった。
血漿フルクトサミン濃度も低値であった。一方、ペクチ
ンおよびコーンファイバー摂取群(C及びD)では、高
砂糖摂取による耐糖能障害の程度は軽減されなかった。
インスリン濃度も本発明のB群が最も低いレベルであっ
た。
【0057】
【実験例4】市販のグラニュー糖(東日本製糖社製造の
グラニュー糖MGF)4Kgを小型流動造粒装置(大川
原製作所製造の実験用の造粒装置、20L型)に入れ、
65℃の温風でグラニュー糖を流動させながら、実験例
1の難消化性デキストリンの25%重量溶液3.2Kg
を毎分50gの速度で噴霧しながら造粒を行った。難消
化性デキストリンの全量を噴霧後、品温が55℃に達す
るまで乾燥し、次いで25℃の冷風を送って品温が40
℃に低下するまで冷却して造粒乾燥を終了し、砂糖と難
消化性デキストリンの重量混合比が100:20の砂糖
調製品を得た。この調製品と、グラニュー糖に100:
20の重量混合比で実験例1の難消化性デキストリンを
混合した対照品の各100gを500mlの広口ビンに
いれ、蓋をしめてからそれぞれの広口ビンを手で上下に
20回振り、次にビン内の試料の上部、中間部、下部か
らそれぞれ10gの試料を取り出し、計6点の試料につ
いてウイルシュテッター・シューデル法で還元糖を定量
し、各試料中の難消化性デキストリンの含量を算出し
た。結果はグラニュー糖100に対する比率として表3
に示す。
【0058】
【表3】試 料 上 部 中 間 部 下 部 砂糖調製品 20.3 19.8 20.1 対照品 8.3 18.6 31.3 表3の結果は、本発明の砂糖調製品はビンのどの部分で
も均一な組成を示したが、対照とした単なる混合品では
上部、中間部、下部で組成が大きく変化しており、この
ことは対照品では取扱中に難消化性デキストリンが、ビ
ンの下部に移行して不均一になることを示している。
【0059】
【実験例5】実験例4の砂糖調製品と、混合直後の対照
品各5gをアルミニウム製の秤量函にいれ、相対湿度8
1%、温度20℃の恒湿デシケーター内で96時間放置
した後に粉末の状態を検査した。砂糖調製品では全く固
結した塊は認められなかったが、対照品では粉末全体が
ブロック化して、容器を傾斜しても動かない状態に変化
していた。このことは、対照品では保存性が乏しいこと
を示している。次に実施例によって本発明を詳細に説明
する。
【0060】
【実施例1】パインファイバーC(商品名、松谷化学工
業株式会社製造の馬鈴薯澱粉を原料として前記(3)の
方法で製造した難消化性デキストリンの粉末で、難消化
性成分の含量が87.7重量%のもの)を使用して次の
実験を行った。
【0061】BMI〔体重(Kg)/(身長(m))2 :肥満度
の指標〕が30を越える男女5名に難消化性デキストリ
ン10gを毎食前に水100mlに溶解し、4週間摂取
させた。難消化性デキストリンの摂取期間中、食生活、
生活パターンおよび運動量は変化させずに体重および空
腹時血糖値の変化を観察した。その結果、体重は開始前
に比べ全例で減少し、平均2.4Kg低下した。さら
に、空腹時血糖値は開始前平均115mg/dlであっ
たのが、4週後には平均98mg/dlにまで低下し、
耐糖能の改善が観察された。
【0061】
【実施例2】市販のグラニュー糖(東日本製糖社製造の
グラニュー糖MGF)2Kgを実験例4で使用した流動
造粒装置に入れ、70℃の温風でグラニュー糖を流動さ
せながら、実験例1の難消化性デキストリンの25重量
%溶液400gを毎分約30gの速度で噴霧しながら造
粒を行った。難消化性デキストリンの全量を噴霧後に、
品温が約50℃に達するまで乾燥して造粒乾燥を終了し
て、砂糖調製品1を得た。
【0062】同様に難消化性デキストリンの50重量%
溶液400gを噴霧して同様に造粒乾燥を行って砂糖調
製品2を得た。得られた2種類の砂糖調製品の砂糖と難
消化性デキストリンの重量混合比は、それぞれ100:
5と100:10(難消化性成分として約100:4お
よび約100:9)である。
【0063】健康な男子10名について、難消化性デキ
ストリンを経口投与した場合の効果をみた。空腹時血糖
値は平均76.5mg/dlであったが、砂糖100g
を150mlの水に溶解した砂糖水を服用させたとこ
ろ、30分後の血糖値は平均145mg/dl、インス
リン分泌は48.3μU/mlに上昇したが、150m
lの水に105gの上記砂糖調製品1を溶解したものを
投与すると30分後の血糖値およびインスリン分泌はそ
れぞれ平均120mg/dlおよび32μU/mlに有
意に低下した。さらに150mlの水に110gの上記
砂糖調製品2を溶解したものを投与すると30分後の血
糖値およびインスリン分泌は平均110mg/dlおよ
び25μU/mlと有意に低下した。
【0064】
【実施例3】パインファイバーL(商品名、松谷化学工
業株式会社製造の馬鈴薯澱粉を原料として前記(2)の
方法で製造した液状の難消化性デキストリン)をイオン
交換樹脂によりグルコースの約63重量%を分離除去し
て難消化性区分を得た。この液を濃縮し、固形分濃度7
0重量%、固形分中の難消化性成分含量69.8重量
%、グルコース含量15.8重量%の液状難消化性デキ
ストリン得た。この液状難消化性デキストリンを使用し
て次の実施例を行った。
【0065】市販の粉糖(有友商店製造)4Kgを実験
例4で使用した流動造粒装置に入れ、70℃の温風で粉
糖を流動させながら、この液状難消化性デキストリンを
30重量%含む水溶液600gを毎分約65gの速度で
噴霧しながら造粒を行った。難消化性デキストリンの全
量を噴霧後に品温が約50℃に達するまで乾燥して砂糖
調製品3を得た。
【0066】砂糖調製品2と砂糖調製品3の粉体特性に
ついて、パウダー・テスター(細川ミクロン社製造の粉
体特性総合測定装置、PT−E型)で安息角、ゆるみ見
掛け比重、固め見掛け比重、スパチュラ角を測定し、圧
縮度は次式より算出した。
【0067】圧縮度=100(固め見掛け比重−ゆるみ
見掛け比重)/固め見掛け比重
【0068】次に各数値から表4(Chemical Engineeri
ng, Jan. 18,163-168,(1965)より抜粋)に基づいて各指
数を求め、その指数の合計を流動性指数とした。流動性
指数と実際の流動性の程度の関係を表5に(Chemical E
ngineering, Jan. 18,163-168,(1965)を参考にして本発
明者が作成したもの)示す。
【0069】
【表4】 安 息 角 圧 縮 度 スパチュラ角 指 数 指 数 指 数 <25 25 <5 25 <25 25 26〜29 24 6〜9 23 26〜30 23 30 22.5 10 22.5 31 22.5 31 22 11 22 32 22 32〜34 21 12〜14 21 33〜37 21 35 20 15 20 38 20 36 19.5 16 19.5 39 19.5 37〜39 18 17〜19 18 40〜44 18 40 17.5 20 17.5 45 17.5 41 17 21 17 46 17 42〜44 16 22〜24 16 47〜59 16 45 15 25 15 60 15 46 14.5 26 14.5 61 14.5 47〜54 12 27〜30 12 62〜74 12 55 10 31 10 75 10 56 9.5 32 9.5 76 9.5 57〜64 7 33〜36 7 77〜89 7 65 5 37 5 90 5 66 4.5 38 4.5 91 4.5 67〜89 2 39〜45 2 92〜99 2 90 0 >45 0 >99 0
【0070】
【表5】流動性指数 流動性の程度 65〜75 最も良好 60〜64 良好 52〜59 かなり良好 45〜51 普通 30〜44 あまり良くない 15〜29 不良 0〜14 非常に悪い
【0071】実施例の各測定結果をグラニュー糖のデー
タと対比して表6に示す。表6において括弧内の数値は
指数を示す。
【0072】
【表6】 測 定 試 料 測 定 項 目 グラニュー糖 砂糖調製品2 砂糖調製品3 安息角 39 (18.0) 36 (19.5) 37 (18.0) ゆるみ見掛け比重 0.853 0.679 0.513 固め見掛け比重 0.958 0.718 0.596 圧縮度 10.9(22.0) 5.4(25.0) 15.9(19.5) スパチュラ角 57 (16.0) 47 (16.0) 48 (16.0) 流動性指数 56.0 60.5 53.5
【0073】表6において2種類の砂糖調製品ともに良
好な流動性を有することを示している。
【0074】
【実施例4】ファイバーソル2E(商品名(松谷化学工
業株式会社製):コーンスターチを原料として前記
(1)の方法により、2軸エクストルーダーを用いて加
熱処理して製造した難消化性デキストリンの粉末で、難
消化性成分の含量が90.7重量%のもの)を使用して
次の実験を行った。
【0075】健康な男子10名について、空腹時の血糖
値を測定したところ、平均80.5mg/dlであっ
た。次いで、表7の組成のオレンジジュース200ml
を服用させたところ、30分後の血糖値は平均146m
g/dl、インスリン分泌は52.3μU/mlに上昇
した。また、3gの難消化性デキストリンを添加したオ
レンジジュースを服用させたところ、30分後の血糖値
およびインスリン分泌はそれぞれ平均121mg/dl
および33μU/mlと有意に低値であった。さらに、
難消化性デキストリン10gまたは30g(難消化性成
分として約9gおよび約27g)を添加した表7のオレ
ンジジュースを服用させたところ、30分経過後の血糖
値およびインスリン分泌はそれぞれ平均118、112
mg/dlおよび25、23μU/mlと有意に低下し
た。
【0076】
【表7】原 料 配合比(重量部) オレンジ濃縮果汁(Bx.45°) 13.4 グラニュー糖 16.2 クエン酸 0.6 クエン酸ソーダ 0.2 オレンジフレーバー 0.6 水 169.0
【0077】食品例 食品に肥満、耐糖能障害を予防する作用を付与すること
によって肥満、耐糖能障害を予防する作用を有する食品
を製造した。
【0078】
【食品例1】表8の配合で粉末寒天に加水して加熱、溶
解した後に砂糖、難消化性デキストリンを加えて溶解、
沸騰させ、赤生あんを加えて所定重量まで煮つめ、10
0g宛分注して冷却凝固させて水羊羹を製造した。(1
食分100g)
【0079】
【表8】原 料 配合比(重量部) 赤生あん 30 砂糖 20 粉末寒天 0.36 水 30.64 実験例1の難消化性デキストリン 6
【0080】
【食品例2】表9の配合で卵の卵白のみでホイップし、
残りの成分を加えて混合して生地を作り、180℃のオ
ーブンで50分焼き上げてカステラを製造した。(1食
分80g)
【0081】
【表9】原 料 配合比(重量部) 上白糖 20 実験例1の難消化性デキストリン 15 卵 35 薄力粉 20 水飴 7 水 3
【0082】
【食品例3】表10の配合でビターチョコレートとカカ
オバターを溶解してレシチン以外の成分を練り込み、ロ
ーラーミルでリファイニングを行った後、レシチンを添
加してテンパリンgを行いチョコレートを製造した。
(1食分50g)
【0083】
【表10】原 料 配合比(重量部) 粉糖 35 実験例1の難消化性デキストリン 15 ビターチョコレート 20 カカオバター 15 粉乳 14.7 レシチン 0.3
【0084】
【食品例4】表11の配合で全材料を混合、攪拌して充
分に泡立ててケーキ型にいれて180℃のオーブンで3
0分焼き上げてスポンジケーキを製造した。(1食分8
0g)
【0085】
【表11】原 料 配合比(重量部) 薄力粉 28 全卵 28 砂糖 20 実施例3の難消化性デキストリン 17.4 乳化剤 1.3 水 5.3
【0086】
【食品例5】表12の配合で全卵に砂糖と難消化性デキ
ストリンを溶解した後、牛乳とフレーバーを入れて攪拌
して160℃のオーブンで30分焼いてプリンを製造し
た。(1食分80g)
【0087】
【表12】原 料 配合比(重量部) 牛乳 68.4 全卵 10 砂糖 10 実施例3の難消化性デキストリン 11.4 フレーバー 少量
【0088】
【食品例6】表13の配合で全原料を混合し、80℃ま
で加温して溶解してからホモジナイズ後に24時間エー
ジングし、−40℃に急冷してアイスクリームを製造し
た。(1食分100g)
【0089】
【表13】原 料 配合比(重量部) 生クリーム 8.4 バター 4.2 加糖練乳(砂糖44.2%) 19.2 脱脂粉乳 2.3 砂糖 2.5 実験例1の難消化性デキストリン 5 乳化安定剤 0.7 バニラフレーバー 0.1 水 57.6
【0090】
【食品例7】表14の配合で全原料を混合し、生イチゴ
をすりつぶしながらホーロー鍋で82℃まで煮つめてイ
チゴジャムを製造した。(1食分20g)
【0091】
【表14】原 料 配合比(重量部) 生イチゴ 40 砂糖 30 実施例3の難消化性デキストリン 25 ペクチン 1 クエン酸 0.3 水 3.7
【0092】
【発明の効果】本発明の食品は、砂糖や澱粉質などの糖
質の経口摂取による血糖値ならびにインスリン分泌の上
昇を抑制することにより、肥満症の予防、耐糖能障害の
予防を行うことができる。また、本発明の砂糖調製品
は、肥満症、耐糖能障害の予防作用を有し且つ流動性と
保存性が優れ、食品工業用のみならず家庭内でも容易に
取扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例3のグルコース負荷試験における血糖値
の経時変化を示すグラフである。
【図2】実験例3のグルコース負荷試験におけるインス
リン濃度の経時変化を示すグラフである。
【図3】実験例3における、4週間飼育後の空腹時血漿
フルクトサミン濃度を示すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも30重量%の難消化性成分を含
    む難消化性デキストリンを、食品に対して1食分当り、
    1〜30g添加することを特徴とする、食品に肥満、耐
    糖能障害を予防する作用を付与する方法。
  2. 【請求項2】少なくとも30重量%の難消化性成分を含
    む難消化性デキストリンを、1食分当り、1〜30g含
    有することを特徴とする、肥満、耐糖能障害を予防する
    作用を有する食品。
  3. 【請求項3】砂糖粒子の表面を、少なくとも30重量%
    の難消化性成分を含む難消化性デキストリンで被覆して
    なる、肥満、耐糖能障害を予防する作用を有する砂糖調
    製品。
  4. 【請求項4】流動性指数が50〜60であることを特徴
    とする、請求項3に記載の砂糖調製品。
  5. 【請求項5】砂糖と難消化性デキストリンの混合比が、
    100:5〜100:100であることを特徴とする、
    請求項3又は4に記載の砂糖調製品。
  6. 【請求項6】砂糖と難消化性デキストリンの混合比が、
    100:10〜100:40であることを特徴とする、
    請求項3又は4に記載の砂糖調製品。
  7. 【請求項7】砂糖がグラニュー糖または粉糖であること
    を特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の砂
    糖調製品。
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