JPH06159877A - 冷蔵庫の自動製氷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、冷蔵庫に備えられ自動的に氷を生
成可能とする自動製氷装置に関して、生成される氷の中
央部に白濁部を生じることなく飲料用をはじめとして官
能的に適した透明度の高い氷を安定して供給することを
目的としている。 【構成】 製氷皿と、製氷皿の温度を検知する製氷セン
サー４０と、製氷皿の下に設置した断熱層と、第一の製
氷ヒーター３２と、第二の製氷ヒーター３３と、冷凍サ
イクルの圧縮機１０と、圧縮機をＯＮ・ＯＦＦさせる温
度検出器と、圧縮機の運転時間を積算して所定の時間に
到達すれば除霜を開始・終了を行う除霜制御装置４４
と、前記第一の製氷ヒーターと、第二の製氷ヒーターの
通電を制御する制御するヒーター制御装置４５で構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は冷蔵庫等に備えられ、特
に透明な氷を自動的に生成可能とする自動製氷装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より一部家庭用の冷蔵庫で採用され
ている自動製氷装置について実公昭５４−１７１３９号
公報にその一例が示されており図１１及び図１２に従い
説明する。

【０００３】１は冷蔵庫本体で外箱２，内箱３，及び内
箱３間に充填された断熱材４により構成されている。５
は冷蔵庫本体１の内部を上下に区画する区画壁であり、
上部に冷凍室６，下部に冷蔵室７を区画形成している。

【０００４】８は冷凍室６の背面に備えた冷凍サイクル
の冷却器、又１０は冷凍サイクルの圧縮機であり、９は
冷却器８で冷却した冷気を冷凍室６及び冷蔵室７に強制
通風するための送風機である。

【０００５】次に１１は，冷凍室６内に備えた自動製氷
機であり、モータ、減速ギア群（図示せず）等を内蔵し
た駆動装置１２、中央部に支持軸１３を連結固定した製
氷皿１４、駆動装置１２に製氷皿１４を軸支させるため
のフレーム１５等より構成されている。

【０００６】尚、１６は製氷皿１４を歪み変形させて製
氷を行なわせるために駆動装置１２の外殻の一部に設け
たストッパーであり、１７はストッパー１６に当接する
ように製氷皿１４上に取りつけた当て板である。又、１
８は自動製氷機１１の下方に備えた貯氷箱である。

【０００７】１９は製氷用の水を貯水するための給水タ
ンクであり、冷蔵室７内の一画に着脱自在に備えられ
る。又２０は給水タンク１９の給水口であり、弁２１に
よって開閉される。２２は給水タンク１９の給水口２０
の下方に設けた貯水皿であり、給水口２０を下向けにし
て給水タンク１９をセットすると、弁２１が押し上げら
れて給水口２０が開口される様に構成されている。又、
２３は貯水皿２２内に受けた水を揚水するための給水ポ
ンプであり、２４は給水ポンプに連結して、その出口を
自動製氷機１１の製氷皿１４に臨ませるように配設した
給水管である。

【０００８】かかる構成において、使用者によって水を
満たされる給水タンク１９が所定の位置にセットされる
と、弁２１が押し上げられて給水口２０が開口して貯水
皿２２内に水が満たされる。その後、満たされた水は給
水ポンプ２３によって揚水され、給水管２４を介して製
氷皿１４内に注水される。こうして製氷皿１４内に所定
量満たされた水は冷凍室６内で冷却作用によって氷結さ
れ、氷が生成される。

【０００９】そして、製氷が終了すると製氷皿１４の外
殻底面に装着された製氷センサー２５によって製氷終了
を検知し、駆動装置１２の回転作用によって製氷皿１４
の支持軸１３を中心として回動反転し、ストッパー１６
に当て板１７が当接することによって製氷皿１４が歪み
変形を生じて製氷皿１４内の氷が離氷される。

【００１０】又、離氷された氷は貯氷箱１８内に落下し
て貯氷され、離氷作用の終了した製氷皿１４は再び駆動
装置１２による逆回転作用によって元の位置に復帰す
る。以後この作用を給水タンク１９内の水を使い切るま
で繰り返して、自動的に製氷、貯水を行うものである。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な製氷方法であると、氷が生成される際の製氷皿１４の
水の凍結が、製氷皿１４と水との接触面及び冷気と水と
の接触面から進行して行くため、水中に溶解している気
体成分が氷の中央部に封じ込められて、結果的に中央部
が白濁した不透明な氷となる課題があった。

【００１２】本発明は上述した課題を解消するものであ
り、透明度の高い氷を生成出来る自動製氷装置を提供す
ることを目的としている。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の冷蔵庫の自動製氷装置は、製氷皿下部の断熱
層の内面に密着させた第一の製氷ヒーターと、第二の製
氷ヒーターと、冷凍サイクルの圧縮機の運転をＯＮ・Ｏ
ＦＦさせる温度検出器と、圧縮機の運転時間を積算して
所定の積算時間に到達すれば除霜を行う除霜制御装置
と、製氷皿の温度を検知する製氷センサーとを備え、除
霜が終了した後にある所定の期間第一の製氷ヒーターと
第二のヒーターの通電を制御させるヒーター制御装置を
備えるものである。

【００１４】

【作用】本発明の冷蔵庫の自動製氷装置は上記した構成
によって圧縮機の運転時間を積算して所定の積算時間に
到達すれば除霜を開始し終了した後、除霜を開始した時
点の製氷センサーが予め設定された温度より高ければ、
第一の製氷ヒーターと第二の製氷ヒーターを同時に圧縮
機の運転がＯＦＦする迄通電させる事により、除霜後の
圧縮機の冷却能力に見合う加熱作用で、適正に水表面か
ら下方に向けて一方向の凍結が行われ、水中の気体成分
を下方の水中に排出しながら氷結晶が生成されていく。
そして最後に製氷皿の突起状とした底面部に気体成分が
集められ、凍結を完了した事を製氷センサーにて検知し
製氷を終了する。その後駆動装置が作動すると製氷皿が
回転反動して離氷がおこなわれ、透明度の高い氷が貯氷
箱内に落下貯氷されるものである。

【００１５】

【実施例】以下本発明の一実施例について図面を参照し
ながら説明する。なお従来例と同一構成については同一
符号を付し、その詳細な説明については省略する。

【００１６】２６は内部に断熱材２７を収めた区画壁で
あり、上部に冷凍室２８、下部に冷蔵室２９を区画形成
している。３０は上面が開口された凹形状の断熱層であ
り、内部に断熱材３１、断熱層３０の内面には第一の製
氷ヒーター３２及び第二の製氷ヒーター３３より構成さ
れている。３４は断熱層３０の内面に重合する製氷皿で
底面に突起部３５を有している。

【００１７】３６は製氷皿３４の一端に設けた支持軸で
駆動装置３７に連結されている。３８は駆動装置３７に
対向して設けたストッパーであり、製氷皿３４の回転時
に当接する。３９は、断熱層３０の下方に設けた貯氷箱
である。４０は製氷皿底面外郭に配設した製氷センサー
である。

【００１８】一方４１は、給水タンク１９より貯水皿２
２内に一時貯水された水を給水ポンプ２３で製氷皿３４
に給水するための給水管であり、一端を給水ポンプに連
結し他端を製氷皿３４の上面に臨む様に開口されてい
る。４２は、製氷皿３４の上面に冷気を導くためのダク
トである。４３は冷凍室２８内の温度を適正に保つため
に圧縮機１０の運転をＯＮ・ＯＦＦさせる温度検出器で
ある。又、４４は圧縮機０の運転時間を積算して、ある
所定の積算時間（たとえば１０時間）に到達すれば除霜
を開始及び終了させる除霜制御装置である。

【００１９】４５は除霜制御装置４４により一連の動作
が終了した後、除霜が開始した時点の製氷センサー４０
の温度が予め定められた温度より高ければ、第一の製氷
ヒーター３２と同時に第二の製氷ヒーター３３も圧縮機
１０の運転がＯＦＦする迄、通電させる様に制御するヒ
ータ制御装置である。

【００２０】かかる構成において、使用者によって水を
満たされた給水タンク１９が所定の位置にセットされる
と弁２１が押し上げられて給水口２０が開口して貯水皿
２２内に水が満たされる。その後、給水ポンプ２３によ
って給水管４１を介して製氷皿３４に水が入りそのあと
は、順次各小室に給水される（所定量の注水は例えば給
水ポンプ２３のモータの作動時間の規定等の手段によっ
て行われる）。

【００２１】次に送風機９によって冷却器８で冷却され
た冷気がダクト４２を介して製氷皿３４の水表面上に強
制通風されて冷却作用が行われ、通常時には圧縮機１０
のＯＮ時に、断熱層３０の内面に密着された第一の製氷
ヒーター３２のみが加熱され、更に製氷皿３４の外周は
断熱層３０内の断熱材３１で囲われいるため外周からの
冷却作用も抑えられ、凍結作用は製氷皿３４の上方から
下方へ向けて一方向に進行していく。

【００２２】又、圧縮機１０の運転の途中に除霜制御装
置４４により圧縮機１０の運転時間を積算してある所定
の積算時間に到達すれば除霜を開始し、終了した時点に
於いては、冷凍室２８内の温度はかなり昇温しており圧
縮機１０の運転は温度検出器４３の温度が所定の温度に
なるまで連続運転となる為、第一の製氷ヒーター３２の
加熱作用よりも冷却作用の方が勝る。

【００２３】この時、製氷センサー４０の温度がある定
められた温度（例えば−５℃）以下であれば、ほぼ製氷
皿３４内の氷は生成が完了に近いと判断でき、この場合
に於いては加熱量は充分であり第一のヒーター３２の通
電のみが加熱されるが、ある定められた温度（例えば０
℃）以上であればまだ製氷皿３４内の氷は生成途中であ
ると判断でき、この場合については上述した様に加熱作
用より冷却作用が勝るため、第一のヒーター３２と同時
に第二のヒーター３３も同時に通電させる様に制御する
ヒータ制御装置４５が作動し、冷却作用に劣らない加熱
量が維持でき凍結作用は製氷皿３４の上方から下方へ向
けて一方向に徐々に進行していく。

【００２４】そして圧縮機１０の運転がＯＦＦする迄通
電させる為、凍結速度を適度に遅くしてやれば（例えば
５ｍｍ／ｈ程度）氷の生成進行と共に水中に溶解してい
た気体成分を下方に排出していく。こうした時間経過に
よって順次生成されていく氷は透明度が高い氷となる。

【００２５】そして気体成分を含んだ氷は最終的に製氷
皿３４の底面の突起部３５に集められ凍結を完了する。
従って製氷を完了した氷は突起部に一部白濁が残るもの
の視覚的には、かなり透明度の高い氷を生成することが
できる。

【００２６】尚製氷の完了は、製氷皿３４の底面部に配
設した製氷センサー４０によって製氷終了を検知し、駆
動装置３７が動作して支持軸３６を介して製氷皿３４が
回転を始める。そして駆動装置３７に対向して設けたス
トッパー３８に当接し、製氷皿３４は歪変形して離氷を
行い貯氷箱３９に氷が落下する。（上記離氷状態を図１
０に示す。）こうして給水タンク１９が使用者によって
セットされた以降は、給水タンク１９内の水を使い切る
までこれら一連の工程を自動的に繰り返す。以上のよう
に本発明の冷蔵庫の自動製氷装置の貯氷箱３９には透明
度の高い氷が貯氷されることとなり使用者はほとんど手
を煩わせずに飲料用として極めて優れた氷を随時十分に
使用することができる。

【００２７】

【発明の効果】以上のように本発明の冷蔵庫の自動製氷
装置は、除霜が終了した後の圧縮機の連続運転により冷
却作用が著しく増大しても通常時に加熱される第一の製
氷ヒーターと同時に第二の製氷ヒーターも通電制御され
る為、急激な凍結作用が防げ製氷皿の上方より下方へ徐
冷凍結させ、氷の生成進行によって排出された気体成分
を底面突起部に集める事により常に安定した透明度の高
い氷が自動的にに貯氷され随時使用する事ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す冷蔵庫の要部断面図

【図２】同実施例の要部正面図

【図３】同実施例の冷蔵庫の縦断面図

【図４】同実施例の断熱層の斜視図

【図５】同実施例の冷蔵庫のブロック図

【図６】同実施例の製氷ヒーターの通電状態を示すタイ
ムチャート

【図７】同実施例の製氷ヒーターの通電状態を示すタイ
ムチャート

【図８】同実施例を示す自動製氷装置の拡大斜視図

【図９】同実施例の自動製氷装置に給水された状態を示
す断面図

【図１０】同実施例の自動製氷装置で離氷された状態を
示す断面図

【図１１】従来の自動製氷装置を備えた冷蔵庫の縦断面
図

【図１２】従来の自動製氷装置の拡大斜視図

【符号の説明】

１０ 圧縮機 ３０ 断熱層 ３２ 第一の製氷ヒーター ３３ 第二の製氷ヒーター ３４ 製氷皿 ４０ 製氷センサー ４３ 温度検出器 ４４ 除霜制御装置 ４５ 制御装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷凍サイクルの圧縮機と、前記圧縮機の
   運転をＯＮ・ＯＦＦ温度を検知する温度検出器と、製氷
   皿と、前記製氷皿の温度を検知する製氷センサーと、前
   記製氷皿の下部に設置した断熱層と、前記断熱層の内面
   に密着され前記圧縮機の運転と同期して通電される第一
   の製氷ヒーターと、第二の製氷ヒーターと、前記圧縮機
   の運転時間を積算して所定の積算時間に到達すれば除霜
   を開始、終了を行う除霜制御装置とを備え、前記除霜制
   御装置により除霜が終了した後、前記除霜制御装置によ
   り除霜が開始した時点の前記製氷センサーの温度が、予
   め設定された温度より高ければ、前記第一の製氷ヒータ
   と同時に、前記第二の製氷ヒータを前記圧縮機の運転が
   ＯＦＦする迄の間、通電するヒーター制御装置を備えた
   冷蔵庫の自動製氷機。