JPH0615773A - 複合型制振材料および有機被覆複合材料 - Google Patents

複合型制振材料および有機被覆複合材料

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JPH0615773A
JPH0615773A JP4174270A JP17427092A JPH0615773A JP H0615773 A JPH0615773 A JP H0615773A JP 4174270 A JP4174270 A JP 4174270A JP 17427092 A JP17427092 A JP 17427092A JP H0615773 A JPH0615773 A JP H0615773A
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JP
Japan
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coupling agent
damping material
metal plate
vibration damping
resin
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JP4174270A
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English (en)
Inventor
Seiji Sakamoto
本 誠 司 坂
Yasunobu Uchida
田 康 信 内
Kunihiko Eguchi
口 邦 彦 江
Hidetaka Sugibe
辺 英 孝 杉
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B15/08Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin

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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い接着性能(優れた加工性)と高い耐食性能
を有する複合型制振材料および有機被覆複合材料の提
供。 【構成】2枚の金属板の間に粘弾性樹脂層を配した複合
型制振材料であって、前記金属板として前記粘弾性樹脂
層に接する面が予めシランカップリング剤および/また
はチタンカップリング剤による処理層を有するものを用
いてなる複合型制振材料。上記金属板がメッキ処理を施
した金属板である複合型制振材料。有機被覆複合材料間
に粘弾性樹脂層を配してなる制振材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性と接着性能を向上
させることができる複合型制振材料および有機被覆複合
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の環境重視の世相を反映して、環境
問題の一つである騒音、振動に対する関心が高まってお
り、この問題の解決のために多くの努力が払われてい
る。特に騒音については、自動車騒音を中心に騒音規制
法などの関連法案が具体化され、実施に至っていること
から、騒音防止のための材料開発が盛んである。このよ
うな背景を受け、制振作用を有する材料が求められ、中
でも2枚の金属板間に粘弾性樹脂からなる中間樹脂層を
介在させた複合型制振材料が騒音、振動防止材として注
目されている。この複合制振材料は金属板に加えられる
振動を中間樹脂層が熱エネルギーに変換するものであ
り、自動車業界、土木建築業界、電気業界等において幅
広く利用できるものである。例えばエンジンのオイルパ
ン、階段、ドア、床材、屋根材などの建材、モーター、
コンプレッサーなどの用途に使用もしくは使用の検討が
なされている。
【0003】このような制振材料に要求される特性とし
ては、第一に制振性能が高いことである。これは、一般
に損失係数ηの大小によって表現される。第二には制振
材料を構造部材として使用するためには、プレス加工、
曲げ加工、絞り加工等の二次加工も必要になるため、粘
弾性樹脂層と金属層との間の接着強度、特に剪断接着強
度が高いことが求められる。第三には高い耐蝕性能が求
められる。特に耐水接着性能では粘弾性樹脂のガラス転
移温度を室温以上にまで高めることによってその改善は
ある程度可能である。しかし、ガラス転移温度を高めた
場合には、その制振材料は室温では制振性能は発揮され
ない。また、金属板として亜鉛、錫等のメッキ処理ある
いはクロメート処理することによっても耐蝕性能の向上
が可能であるが、接着性能の向上に対しては著しい効果
はない。このような観点から、粘弾性樹脂中にシランカ
ップリング剤もしくはチタンカップリング剤を添加し、
金属板の接着面にクロメート処理により下地処理された
金属板を使用する手法が開示されている(特開平2−2
73231号公報)。しかしながら、高い耐蝕性能と高
い接着性能の両立は未だ成されていない。
【0004】有機被覆複合材料においては、金属板上に
クロメート処理を施し、その上にカップリング剤処理を
施し、さらにその上に樹脂を塗布したもの(特開昭61
−43552号公報)、塩化ビニルベース被覆組成物に
カップリング剤を添加したものを金属板上に塗布したも
の(特開昭60−50390号公報)が開示されている
が、耐蝕性も接着性も未だ充分とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】制振材料が建築物や自
動車等に利用される際には、板状のまま利用されるので
はなく、プレス加工、曲げ加工、絞り加工等の加工が施
される。制振材料がこれらの加工を受ける際には大きな
剪断応力を受けるため、金属板と粘弾性樹脂層との間で
剥離が生じることが多く、加工時に剥離が生じると制振
性能の低下を招くばかりでなく、錆が侵入し易くなる。
そこで、プレス加工時において上記のような剪断力を受
けても剥離が生じにくく、加工性に優れ、高い耐蝕性能
を有する制振材料が求められている。したがって、本発
明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあ
り、高い接着性能(優れた加工性)と高い耐蝕性能を有
する制振材料および有機被覆複合材料を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、2枚の金属板
の間に粘弾性樹脂層を配した複合型制振材料であって、
前記金属板として前記粘弾性樹脂層に接する面が予めシ
ランカップリング剤および/またはチタンカップリング
剤による処理層を有するものを用いてなる複合型制振材
料を提供するものである。ここで、カップリング剤はア
ミノ系カップリング剤を用いるのが好ましく、金属板と
してはメッキ金属板を用いてもよい。
【0007】また、本発明は、金属板の少なくとも一方
の面にシランカップリング剤および/またはチタンカッ
プリング剤による処理層を有し、そのカップリング剤処
理層の少なくとも一方の面上に有機被覆層を有する有機
被覆複合材料を提供するものである。さらに、本発明
は、有機被覆複合材料の間に粘弾性樹脂層を配してなる
複合型制振材料を提供するものである。
【0008】以下に本発明をさらに詳細に説明する。は
じめに、本発明の複合型制振材料に用いられる粘弾性樹
脂から順次説明する。
【0009】粘弾性樹脂のガラス転移温度における損失
正接(tan δ)は、制振性能の観点から0.5以上好ま
しくは0.7以上が望ましい。この損失正接が0.5よ
り小さいと満足し得る制振性能が発揮されない。
【0010】このような条件を満足する粘弾性樹脂とし
ては、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレー
ト、ポリブチル(メタ)アクリレート、アクリル系共重
合体等のアクリル系樹脂や、塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル・アクリル酸エステル等の塩化ビニ
ル系樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール等
の酢酸ビニル系樹脂や、エチレン・α−オレフィン共重
合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン・(タ)ア
クリル酸共重合体等のエチレン系樹脂や、プロピレン・
エチレン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体等のプ
ロピレン系樹脂や、その他共重合ナイロンのような非晶
質ポリアミド、非晶質ポリエステル等の種々の熱可塑性
樹脂を例示することができる。また、スチレン・ブタジ
エンゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、
アクリルゴム、エチレン・アクリルゴム、EPDM等の
エラストマー、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂
等の熱硬化性樹脂も使用することができる。更に、飽和
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等にポリイソシアネ
ート化合物等の架橋剤を添加した熱硬化性樹脂も使用す
ることができる。これらの樹脂は、単独で使用できるほ
か、二種以上を混合して使用することもできる。
【0011】上記粘弾性樹脂を用いて金属板/樹脂/金
属板の構成を有する制振材料とした際には、金属板と樹
脂の界面に錆が容易に進入し、著しい接着性能の低下を
招き、耐蝕性に劣る。そこで、本発明においては、制振
材料の高い耐蝕性と高い接着性能を両立させるために、
金属板の少なくとも粘弾性樹脂層に接する面を予めシラ
ンカップリング剤および/またはチタンカップリング剤
を塗布することにより下地処理することが必要である。
【0012】この目的で使用するシランカップリング剤
としては公知の種々のものを挙げることができる。例え
ば、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0013】また、チタンカップリング剤として、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネー
ト、イソプロピルトリス(N−アミノエチル−アミノエ
チル)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパ
イロフォスフェート)エチレンチタネート等がある。
【0014】これらのカップリング剤は、粘弾性樹脂層
に使用する樹脂に応じて適宜選択することができる。中
でも、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、イソプロピルトリス(N−アミノエチル−ア
ミノエチル)チタネートは接着性能と耐食性の観点から
特に好ましい。このアミノ系シランカップリング剤およ
びアミノ系チタンカップリング剤は、後述する実施例で
示すように得られた制振材料および複合材料の接着性能
と耐蝕性能の向上に対して特に有効である。
【0015】これは、第一に金属板上に形成されるカッ
プリング剤層の耐蝕性がクロメート化成処理層と同程度
であることに起因する。従って、カップリング剤処理を
施した金属板は優れた耐蝕性能を有すると同時に、塗料
あるいは接着剤層との間の密着性に優れた表面処理金属
板である。制振材料あるいは有機被覆複合材料では、異
種材料間の接着力あるいは密着力が重要である。カップ
リング剤層を金属板と樹脂層の間に介在させることによ
って、金属と樹脂層に化学結合が形成されるためか、著
しく接着強度が向上する。例えば、イソシアネート硬化
型ポリエステル樹脂を使用した場合、アミノ系シランカ
ップリング剤およびアミノ系チタンカップリング剤のア
ミノ基とイソシアネート系硬化剤のイソシアネート基の
反応によって化学結合が形成されたと考えられる。従っ
て、制振材料の中間樹脂層あるいは有機被覆複合材料の
有機被覆層の種類に応じたカップリング剤種を選定する
ことが必要である。
【0016】金属板−粘弾性樹脂層の間の界面にカップ
リング剤層を介在させるほかに、粘弾性樹脂中に予め同
種あるいは異なる官能基を有するカップリング剤を添加
することも可能である。
【0017】また、これらシランカップリング剤および
/またはチタンカップリング剤の塗布量は2mg/m2
上、好ましくは5mg/m2 以上である。塗布量が2mg/m2
以下では、特にチタンカップリング剤の場合、金属板上
にカップリング剤の単層膜が形成されないため、接着性
能も耐蝕性の向上に対する効果は小さい。塗布量の上限
はないが、カップリング剤は高価であるため製造コスト
の観点から塗布量は少ない方が望ましい。
【0018】更に、本発明では前記樹脂組成物に充填剤
として導電性固体物質を配合することによって導電性を
付与し、該樹脂組成物から得られる粘弾性樹脂を中間層
として有する制振材料をスポット溶接可能な材料とする
ことができる。この目的で使用される導電性固体物質と
しては、鉄、ステンレス、亜鉛、銅、錫、ニッケル、ア
ルミニウム、黄銅などの金属を粉末状、フレーク状、フ
ァイバー状、ワイヤー状などに加工した金属物質や銅あ
るいはニッケルなどのメッキ処理した鉄系金属やカーボ
ンブラック、グラファイト、カーボンファイバーなどの
導電性炭素物質は単独または2種以上組み合わせて使用
することができる。なお、導電性物質は良好な導電性を
発現させるためには金属物質を選択することが好まし
い。
【0019】導電性物質はその性状が粉末状である場合
には、その最大厚みを、更にファイバー状やワイヤー状
である場合には、その最大直径をそれぞれの代表長さ
(L)とすると、より良好な導電性を発現させるため、
代表長さ(L)と導電性物質を有する樹脂組成物から得
られる粘弾性樹脂の厚さ(T)との比(L/T)が0.
5以上、好ましくは0.8以上となるものを用いるのが
良い。L/Tの比が0.5未満では該粘弾性樹脂を中間
層とする制振材料のスポット溶接性能が低下する。
【0020】更に、導電性物質の充填量は導電性物質を
有する樹脂組成物から得られる粘弾性樹脂の0.5〜1
0体積%を占めるようになる量が好ましい。0.5体積
%未満では該粘弾性樹脂を中間層とする制振材料のスポ
ット溶接性能が低く、また、10体積%を超えるとスポ
ット溶接性は充分満足されるが、金属板と中間樹脂層と
の間の接着性や制振材料の制振性能が低下し、好ましく
ない。
【0021】中間樹脂層の層厚は複合される金属板に関
連して決定されるが、一般的には20〜150μm程度
である。20μm未満では制振性能が不足し、150μ
m超では成形加工時にズレ等を引き起こすことがある。
【0022】制振材料に適用される金属板は特に限定さ
れず、冷間圧延鋼板、クロメート処理鋼板、亜鉛系メッ
キ鋼板、リン酸塩処理鋼板などの表面処理鋼板、銅板、
アルミ板、ステンレス板などのいずれであっても良く、
また、コイル状原板、切り板のいずれであってもよい。
その板厚は特に限定されないが、成形加工性と保形性を
考慮すれば0.3〜2mmのものが好ましい。
【0023】本発明の制振材料の典型例は、前記2枚の
金属板の間に粘弾性樹脂層を配する制振材料であって、
前記金属板として前記粘弾性樹脂層に接する面が予めカ
ップリング剤により処理されたカップリング剤を有する
金属板を用いる。このように金属板上にカップリング剤
層を設け、このカップリング剤層を介して金属板と粘弾
性樹脂層を接着すれば、接着性能は大幅に向上し、耐食
性も向上する。
【0024】本発明の有機被覆複合材料は、前記金属板
上の少なくとも一方に上述したカップリング剤層を有
し、このカップリング剤層の少なくとも一方に有機被覆
層を有する。したがって、その態様としては以下の三つ
がある。 金属板の一方の面にカップリング剤層および有機被覆
層を有するもの。 金属板上の両面にカップリング剤層を有し、その一方
の面上に有機被覆層を有するもの。 金属板上の両面にカップリング剤層を有し、その両面
に有機被覆層を有するもの。 の材料では、中間樹脂層と接する面を非有機被覆面と
した場合、中間樹脂層が直接金属板と接し、接着力が向
上しないため、中間樹脂層と接する面は有機被覆面であ
る方が好ましい。の材料は、中間樹脂層と接する面
は、いずれの面であっても良いが、外面側からの腐食防
止から、非有機被覆面と接する方がより好ましい。
【0025】次に、本発明の制振材料の好適製造方法に
ついて述べる。本発明の態様の制振材料に用いられる金
属板は、少なくとも粘弾性樹脂層あるいは有機被覆層と
接する金属板の面にカップリング剤溶液を塗布し、風乾
後、100℃以上250℃以下の温度で5分以上30分
以下で加熱してカップリング剤による下地処理が施され
る。この前記金属板の間に押し出しフィルムまたはキャ
スティングフィルムを積層し、加熱ロール、熱プレス接
着もしくは引き続き冷却ロールまたは冷却プレスにより
積層接着することで得られるが、好ましくは、溶剤を用
いて液状の樹脂組成物を調製し、その樹脂組成物を直接
金属板の少なくとも一方、好ましくは両者の積層面に塗
布し、室温ないし好ましくは100℃以上200℃以下
の温度で加熱して溶剤を留去した後、引き続きもしくは
放置後、加熱積層接着して製造する。
【0026】なお、前記液状の樹脂組成物の金属板への
塗工方法は特に限定されないが、ロールコーター、スプ
レー、カーテンフローコーター、ドクターナイフコータ
ー等が好ましい。
【0027】積層接着温度は、通常、樹脂組成物に13
0〜250℃の加熱が与えられるようにすればよく、加
熱プレスの場合には2秒間〜2分間程度、加熱ロールの
場合には0.5〜10秒間程度の接触時間であればよ
い。また、金属板を予め同温度に加熱し、冷却プレスま
たは冷却ロールにより積層接着してもよい。
【0028】また、本発明の制振材料にスポット溶接性
を付与する目的で添加される導電性金属粉、カーボンな
どの本発明に用いた樹脂組成物への添加を容易にするた
めには、該樹脂組成物に溶剤も添加することが好ましい
が、本発明に用いた樹脂組成物には導電性金属粉、カー
ボン、溶剤等を容易に添加し得るため本発明によればス
ポット溶接可能な制振材料も容易に得ることができる。
【0029】本発明の有機被覆複合材料の典型例は金属
板上に有機被覆層を配する複合材料であって、少なくと
も前記金属板の前記有機被覆層に接する面が予めカップ
リング剤処理により下地処理されていることを特徴とす
る。この有機被覆複合材料の好適製造方法は、前述した
製造方法と同様であり、使用される有機樹脂皮膜はカッ
プリング剤皮膜層との密着性が良く、表面に均一な弾性
皮膜を形成することができるものであればいずれのもの
でも良い。例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂等が使用でき、用いる樹脂に応
じて適したカップリング剤を選定すれば良い。特に、架
橋剤を樹脂に添加して、熱硬化型とする場合には架橋剤
と反応する官能基を有するカップリング剤を用いること
が望ましい。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0031】(実施例1)カップリング剤溶液(表1に
示すカップリング剤:メタノール:水=1g:37g:
2g)を調製し、脱脂を行った0.8mm厚の冷延鋼板
(SPCC−2)を金属板として使用した。この鋼板上
にカップリング剤を乾燥重量が10mg/m2程度となるよ
うに塗布した。風乾後、180℃で30分間、加熱乾燥
を行った。
【0032】中間層を構成する樹脂は、テレフタル酸残
基60モル、アジピン酸残基40モル、エチレングリコ
ール残基60モル、1,6−ヘキサンジオール残基40
モルの当量比からなり、数平均分子量が15000、ガ
ラス転移温度が−25℃、融点70℃の共重合飽和ポリ
エステル樹脂を常法により合成した。このポリエステル
をトルエン、MEK混合溶剤(重量比1/1)に固形分
(NV)25%となるように溶解し、樹脂溶液とした。
架橋剤として多価イソシアネート化合物のコロネート2
030(NV=50%、NCO含有率7.7%、日本ポ
リウレタン工業(株)製)を用い、樹脂溶液と架橋剤を
配合比100/3で混合した。
【0033】カップリング剤を塗布した鋼板上に前記樹
脂溶液を乾燥膜厚25μmとなるようにドクターナイフ
コーターで塗布し、積層体を形成した。これを風乾後、
オーブン(200℃、2分)により完全に溶剤を除去
し、塗布面が内側になるように重ね合わせ、熱プレス
(200℃、1分、30kgf/cm2 )で加熱圧着し、制振
材料を作製した。
【0034】得られた制振材料について、後述の条件で
剪断接着強度(SAS)試験、耐蝕性能試験を行った。
カップリング剤種の接着性能と耐蝕性能へ及ぼす影響を
表1に示す。これらのうち、アミノ系シランカップリン
グ剤およびアミノ系チタンカップリング剤が優れた性能
を発揮する。
【0035】(実施例2)制振材料を構成する金属板と
して脱脂した厚み0.8mmの冷延鋼板、溶融亜鉛メッ
キ鋼板(目付量30g/m2)、電気亜鉛メッキ鋼板(目付
量30g/m2)、亜鉛ニッケルメッキ鋼板(目付量30g/
m2、Ni含有量12%)を用いた。カップリング剤とし
て、表2に示すシランカップリング剤(東芝シリコーン
(株)製)およびチタンカップリング剤を用いた。上記
種々の金属板に実施例1と同様にしてカップリング剤処
理を行った。
【0036】次いで、実施例1で用いたのと同じ樹脂を
用い、同様にして制振材料を作製し、後述の性能評価を
行ない、カップリング剤を固定したときの金属板種の影
響を調べた。その結果を表2に示す。カップリング剤で
処理していない金属板を用いると好ましくないのが比較
例からよくわかる。
【0037】(実施例3)上記の共重合飽和ポリエステ
ルの数平均分子量が5000のものを常法により合成
し、トルエン、MEK混合溶剤(重量比1/1)にNV
=25%となるように溶解し、樹脂溶液とした。架橋剤
として多価イソシアネート化合物のコロネート2030
(NV=50%、NCO含有率7.7%、日本ポリウレ
タン工業(株)製)を用い、樹脂溶剤と架橋剤と配合比
100/9で混合した。
【0038】制振材料の製造方法と同様にして、実施例
1の方法で鋼板両面にカップリング剤処理を行った冷延
鋼板の片面に、樹脂溶液を乾燥後の厚みが2μm程度と
なるようにドクターナイフコーターで塗布した。この鋼
板をオーブンで乾燥(180℃×5分)し、有機被覆複
合材料を得た。
【0039】この有機被覆複合材料の非有機被覆面すな
わちカップリング剤処理冷延鋼板面間に実施例1で用い
た樹脂を実施例1と同様にして塗布し積層体を得、同様
にして制振材料を作製した。
【0040】得られた制振材料について、後述の条件で
剪断接着強度(SAS)試験、耐蝕性能試験を行った。
カップリング剤種の接着性能と耐蝕性能へ及ぼす影響を
表3に示す。これらのうち、アミノ系シランカップリン
グ剤およびアミノ系チタンカップリング剤が優れた性能
を発揮する。
【0041】(性能評価) 接着性能 JIS−K−6850試験法に基づいて、引張速度10
mm/minで剪断接着強度(SAS)を室温で測定した。 制振性能 制振材料の損失係数(η)を機械インピーダンス法によ
り測定し、1000Hzにおける損失係数を調べた。 耐蝕性能 制振材料の耐蝕性能試験は前記SAS試験片を塩水噴霧
雰囲気下(5%NaCl、35℃)に暴露して、試験片
端面からの錆の侵入幅を鋼板の下地処理がクロメート処
理(目付量30g/m2)のものと比較した。
【0042】有機被覆複合材料の耐蝕性能試験は平板を
使用し、素地に(金属板に)達するクロスカットを入れ
たものを塩水噴霧雰囲気下(5%NaCl、35℃)に
暴露して、クロスカット部の錆幅を鋼板の下地処理がク
ロメート処理(目付量30g/m2)のものと比較した。
【0043】 構成:冷延鋼板/カップリング剤/樹脂/カップリング
剤/冷延鋼板 ○:クロメート化成処理と同等 △:クロメート化成処理よりやや劣る ×:クロメート化成処理より劣る
【0044】
【表1】
【0045】 構成:(有機被覆)冷延鋼板/カップリング剤/樹脂/
カップリング剤/(有機被覆)冷延鋼板 ○:クロメート化成処理と同等 △:クロメート化成処理よりやや劣る ×:クロメート化成処理より劣る
【0046】
【発明の効果】本発明によって、接着性能が高いため優
れた加工性を有するだけでなく、プレス加工等による鋼
板の剥離が生じても、カップリング剤による下地処理に
より剥離は界面破壊から凝集破壊へと変わるため金属板
表面を樹脂層が覆い、耐蝕性能にも優れる制振材料およ
び有機被覆複合材料を提供することが可能である。従っ
て、自動車、電気機器分野等で使用可能な優れた性能を
有する制振材料および有機被覆複合材料が提供されるよ
うになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江 口 邦 彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 杉 辺 英 孝 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の金属板の間に粘弾性樹脂層を配した
    複合型制振材料であって、前記金属板として前記粘弾性
    樹脂層に接する面が予めシランカップリング剤および/
    またはチタンカップリング剤による処理層を有するもの
    を用いてなる複合型制振材料。
  2. 【請求項2】前記カップリング剤がアミノ系カップリン
    グ剤である請求項1に記載の複合型制振材料。
  3. 【請求項3】上記金属板がメッキ処理を施した金属板で
    ある請求項1または2に記載の複合型制振材料。
  4. 【請求項4】金属板の少なくとも一方の面にシランカッ
    プリング剤および/またはチタンカップリング剤による
    処理層を有し、そのカップリング剤処理層の少なくとも
    一方の面上に有機被覆層を有する有機被覆複合材料。
  5. 【請求項5】2枚の請求項4に記載の有機被覆複合材料
    の間に粘弾性樹脂層を配してなる複合型制振材料。
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